JP2009190203A - プランジャ、樹脂充填筒、液体射出成形機、及び漏れ樹脂の除去方法 - Google Patents

プランジャ、樹脂充填筒、液体射出成形機、及び漏れ樹脂の除去方法 Download PDF

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Abstract

【課題】プランジャの先端部の表面に形成されたシール部の前方からシール部の後方へと漏れた熱硬化性樹脂からなる漏れ樹脂を液体射出成形機の外部に除去することを可能とする。
【解決手段】プランジャ13は、プランジャ13の前方からプランジャ13の側面上への樹脂漏れを抑制するためにヘッド部13aの表面に形成されたシール部14と、プランジャ13の側面におけるシール部14より後方に形成された出口孔19と、出口孔19を通してプランジャ13の側面上に液体を供給するために、プランジャ13の内部に形成され、出口孔19に連通する液体流路18aと、を備える。これにより、漏れ樹脂を溶解するための溶媒を出口孔19を通してプランジャ13の側面上に注入し、それにより漏れ樹脂を溶媒に溶解し、漏れ樹脂が固化(硬化)する前に、スクリュプリプラ式液体射出成形機1の外部に漏れ樹脂を除去する。
【選択図】図1

Description

本発明は、プランジャ、樹脂充填筒、液体射出成形機、及び漏れ樹脂の除去方法に関するものである。より具体的には、プランジャの先端部の表面に形成されたシール部の前方からシール部の後方へと漏れた熱硬化性樹脂からなる漏れ樹脂を液体射出成形機の外部に除去するための、プランジャ、樹脂充填筒、および、それらを用いた液体射出成形機、ならびに、漏れ樹脂の除去方法に関するものである。
従来のプリプラ(予備可塑化)式射出成形機は、射出プランジャを内装した射出シリンダと、樹脂攪拌用のスクリュ又はプランジャを内装した樹脂攪拌筒とが並設され、射出シリンダの先端部と樹脂攪拌筒の先端とが樹脂流路によって接続されている。樹脂攪拌筒で混練(以下一液化とも称する)された樹脂は、樹脂流路を通って射出シリンダに供給され、射出シリンダの前部にて計量された後、射出プランジャの前進移動によって外部に射出される。
樹脂攪拌筒において樹脂の混練をする理由は、樹脂が二液型樹脂などの熱硬化性樹脂である場合には、複数の樹脂を混練することにより重合反応に必要な成分が一液化され、この一液化された樹脂に熱を加えることにより樹脂の硬化反応が起こることがあるためである。
上記構成において、射出シリンダと射出プランジャとの間には、射出プランジャの摺動を容易とするためのクリアランスが設けられている。さらに、樹脂粘度が数百Pa・sの低粘度樹脂を射出成形する場合には、射出プランジャのヘッド部に樹脂漏れを防止するためのO−リング等のシール部材が設けられる。上記クリアランスは、上記クリアランスへの樹脂の入り込みがシール部材によって極力抑えられるように最小限の寸法で設計されているが、どのようなクリアランスであっても、計量・射出を繰り返すうちに樹脂が上記クリアランスに入り込んでしまう。
クリアランスに入り込んだ樹脂は、一液化された状態において射出シリンダと射出プランジャとの間に薄く未硬化の状態で介在している限りは、射出プランジャの摺動に大きな悪影響を及ぼすことはない。しかしながら、樹脂が固化状態でクリアランスに介在すると、射出シリンダと射出プランジャとの摩擦抵抗が増加して圧力損失を招く。さらには、射出シリンダと射出プランジャとに芯ずれが生じて噛り(射出シリンダと射出プランジャとの摩擦による、射出シリンダおよび射出プランジャの表面の削れ)も生ずるようになる。
熱可塑性樹脂を用いるプリプラ式射出成形機において、クリアランスに侵入した樹脂を除去する従来の方法としては次のような方法がある。
射出プランジャの軸部をヘッド部よりも小径に形成して軸周囲のクリアランスを拡大し、ヘッド部周囲のクリアランス(半径で0.005mm〜0.01mm)に入り込んだ樹脂が、射出プランジャの前進移動時に、軸部周囲の射出シリンダ側に付着して残るようにする。そして、軸部周囲に付着して残った樹脂が、射出プランジャの後進移動時に、ヘッド部後端縁によって射出シリンダの後方へと送られ、射出プランジャの後進端位置に形成された開口部から外部に排出される、という方法である。
あるいは、次のような方法が特許文献1に開示されている。つまり、熱可塑性樹脂を用いるプリプラ式射出成形機において、充填プランジャに付着して充填用加熱筒のシリンダ穴と充填プランジャとの嵌合間隙から充填プランジャのヘッド部の後方へ漏洩する樹脂を外部へ排出する樹脂排出口を、プランジャの後進端におけるヘッド部の位置より後方の離れた位置において、充填用加熱筒もしくはその後部に結合したスクレーパリングに、それらのシリンダ穴から下方へ向けてあけると共に、該樹脂排出口の後方に充填プランジャ周囲に付着した樹脂を掻き取って樹脂排出口から落すために、掻取用スリーブを上記シリンダ穴内に嵌挿して設けたり、上記スクレーパリングに環状突部を設けたりする方法である。
また、特許文献2には、射出シリンダと射出プランジャとの間のクリアランスを半径で0.05mm〜0.20mmに設定することで、クリアランスに入り込んだ樹脂の炭化によって射出シリンダと射出プランジャとの間に生じる摩擦抵抗を低減する、という方法が開示されている。
特開2000−263605号公報(平成12年9月26日公開) 特開平11−156900号公報(平成11年6月15日公開)
しかしながら、上記の樹脂漏れ、あるいは漏れ樹脂の固化による弊害を解消する方法は、熱可塑性樹脂を用いたプリプラ式射出成形機に関するものであって、樹脂の固化形状が熱可塑性樹脂とは異なる熱硬化性樹脂を用いたプリプラ式射出成形機にそのまま適用することは難しい。より具体的には、熱硬化性樹脂は、固化前の状態が液状であり、この液状の樹脂に熱を加えることで樹脂重合反応が開始し、そして最終的に固化する。従って、樹脂の初期段階は液状状態であるため、射出シリンダと射出プランジャとのクリアランスを小さくしたり、あるいはシール部材などで樹脂漏れを抑制したりしても、完全に樹脂漏れを防止することはできなかった。
また、このような液状の熱硬化性樹脂がプランジャの後部へ漏れて蓄積した場合、漏れの初期段階では、漏れ樹脂は液状であるため、さほど深刻な弊害は生じない。しかしながら、室温下であっても僅かずつではあるが樹脂の固化(硬化)が進み、樹脂粘度が少しずつ上がっていく。そして、数時間経過後、最終的に漏れ樹脂は固化する。このように、熱硬化性樹脂は、熱可塑性の樹脂とは異なり、経時的に樹脂粘度が上昇して固化状態へと変化していくため、スクレーパによって漏れ樹脂を掻き出す従来の方法では、固化樹脂の除去効果をさほど得ることができなかった。
また、プランジャ後部に蓄積した樹脂の固化を促進して、除去しやすい程度の硬さを得るという方法も考えられる。しかしながら、この方法を採用した場合、プランジャ後部を加熱する必要があるため、樹脂の計量及び充填を行うシリンダ内へプランジャから熱が伝わり、それによりシリンダ内の樹脂が固化されるという問題が起こる。また、適度に固化を促進する場合でも、固化した樹脂が粉末状になって射出シリンダと射出プランジャとの間のクリアランスに詰まり、それによってプランジャの摺動性が失われるという危険が生じる。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、プランジャの先端部の表面に形成されたシール部の前方からシール部の後方へと漏れた漏れ樹脂を射出成形機の外部に除去するための、プランジャ、樹脂充填筒、および、それらを用いた液体射出成形機、ならびに、漏れ樹脂の除去方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係るプランジャは、液体射出成形機における樹脂が充填される樹脂充填筒のシリンダ穴に対し、樹脂を射出するために前後進自在に挿入されるプランジャであって、上記樹脂が射出される方向の逆方向を後方とした場合、上記プランジャの前方から上記プランジャの側面上への樹脂漏れを抑制するために上記プランジャの先端部の表面に形成されたシール部と、上記プランジャの側面におけるシール部より後方に形成された出口孔と、上記出口孔を通して上記プランジャの側面上に液体を供給するために、上記プランジャの内部に形成され、上記出口孔に連通する液体流路とを備えることを特徴としている。
上記の構成によれば、本発明に係るプランジャは、プランジャの内部に形成された液体流路が、プランジャの側面におけるシール部より後方に形成された出口孔と連通している。従って、上記液体流路に液体を供給した場合、その液体は、プランジャの先端部の表面に形成されたシール部よりも後方のプランジャの側面上であって、シリンダ穴を形成する樹脂充填筒の内部表面とプランジャとのクリアランスに注入される。
ここで、シール部は、シリンダ穴とプランジャとのクリアランスからプランジャの後方へ液状樹脂が漏れるのを抑制するために設けられているが、シリンダ穴とシール部との間にも、互いの直径の寸法差によるクリアランスが存在する。そして、樹脂充填筒の内部に存在する熱硬化性樹脂は、液状で存在するため、そのクリアランスを通ってシール部の後方へ漏れることがある。
従って、液体流路に液体を注入することにより、シール部の後方に漏れた熱硬化性樹脂にその液体を加えることができる。これにより、例えば漏れ樹脂を溶解するための溶媒、あるいは漏れ樹脂の硬化を阻害する物質を含む液体を上記出口孔を通してプランジャの側面上に注入し、それにより漏れ樹脂を溶媒に溶解し、あるいは漏れ樹脂の硬化反応を阻害させることができる。このため、漏れ樹脂が固化(硬化)する前に、上記プランジャの側面上から漏れ樹脂を除去することができる。その結果、固化した樹脂が粉末状になってシリンダ穴とシール部とのクリアランスに詰まり、プランジャの摺動性が失われることを防ぐことができる。
さらに、本発明に係るプランジャは、上記液体流路および上記出口孔が複数形成されており、上記液体流路と上記出口孔とが、同数であり、一対一で連通していることが好ましい。
プランジャの内部に上記液体流路が複数形成されているため、シール部の後方のプランジャの側面上に付着した漏れ樹脂に対して、上記液体をより迅速に加えることができる。また、上記出口孔が上記液体流路と同数形成されているため、シリンダ穴を形成する樹脂充填筒の内部表面とプランジャとの間のクリアランスの隅々まで上記液体を供給することができる。したがって、漏れ樹脂をより確実に上記プランジャの側面上から除去することが可能となる。
さらに、本発明に係るプランジャは、上記出口孔の数が上記液体流路の数より多く、上記液体流路から分岐する上記出口孔と同数の液体分岐流路が、上記出口孔にそれぞれ連通することが好ましい。
上記液体流路から分岐する複数の液体分岐流路が、同数の出口孔に連通することにより、シリンダ穴を形成する樹脂充填筒の内部表面とプランジャとの間のクリアランスの隅々まで上記液体を供給することができる。したがって、漏れ樹脂をより確実に上記プランジャの側面上から除去することが可能となる。
本発明に係るプランジャは、液体射出成形機における樹脂が充填される樹脂充填筒のシリンダ穴に対し、樹脂を射出するために前後進自在に挿入されるプランジャであって、上記樹脂が射出される方向の逆方向を後方とした場合、上記プランジャの前方から上記プランジャの側面上への樹脂漏れを抑制するために上記プランジャの先端部の表面に形成されたシール部と、上記プランジャの側面における上記シール部より後方の位置から後方に向かって溝状に形成された液体流路とを備えることを特徴としている。
プランジャ側面に上記溝状の液体流路を形成する加工は、プランジャ内部に液体流路を形成する加工より容易であるため、より簡易にプランジャを製造することができる。
そして、その液体流路に液体を注入することにより、シール部の後方に漏れた熱硬化性樹脂にその液体を加えることができる。これにより、例えば漏れ樹脂を溶解するための溶媒、あるいは漏れ樹脂の硬化を阻害する物質を含む液体を上記溝状の液体流路を通してプランジャの側面上に注入し、それにより漏れ樹脂を溶媒に溶解し、あるいは漏れ樹脂の硬化反応を阻害させることができる。このため、漏れ樹脂が固化(硬化)する前に、上記プランジャの側面上から漏れ樹脂を除去することができる。その結果、固化した樹脂が粉末状になってシリンダ穴とシール部とのクリアランスに詰まり、プランジャの摺動性が失われることを防ぐことができる。
本発明に係る樹脂充填筒は、液体射出成形機における樹脂が充填される樹脂充填筒であって、プランジャの前方からプランジャの側面上への樹脂漏れを抑制するためのシール部が先端部の表面に形成されたプランジャが樹脂を射出するために前後進自在に挿入されるシリンダ穴を備える樹脂充填筒であって、上記樹脂が射出される方向の逆方向を後方とした場合、上記樹脂充填筒の内側表面における、上記プランジャが後進端位置にあるときに上記シール部よりも後方となる位置に形成された出口孔と、上記出口孔を通して上記プランジャの側面上に液体を供給するために、上記樹脂充填筒の内部に形成され、上記出口孔に連通する液体流路とを備えることを特徴としている。
上記の構成によれば、本発明に係る樹脂充填筒は、上記樹脂充填筒の内部に形成された液体流路が、上記樹脂充填筒の内側表面における、上記プランジャが後進端位置にあるときに上記シール部よりも後方となる位置に形成された出口孔と連通している。従って、上記液体流路に液体を供給した場合、その液体は、プランジャの先端部の表面に形成されたシール部よりも後方のプランジャの側面上であって、シリンダ穴を形成する樹脂充填筒の内部表面とプランジャとのクリアランスに注入される。これにより、例えば漏れ樹脂を溶解するための溶媒、あるいは漏れ樹脂の硬化を阻害する物質を含む液体をクリアランスに注入することによって、漏れ樹脂が固化(硬化)する前に、上記プランジャの側面上から漏れ樹脂を除去することができる。
さらに、プランジャの内部に液体流路が形成された構成と、樹脂充填筒の内部に液体流路が形成された構成とを比較する。前者は、プランジャがラムの作動によって前後進に移動する。従って、プランジャの内部に形成された液体流路と、その液体流路に液体を供給する液体供給機構とを接続するうえで、液体流路に供給された液体がプランジャの稼動によって漏れないように工夫する必要がある。この点、後者の構成では、液体流路は固定された樹脂充填筒の内部に形成され、また、液体流路の一端が樹脂充填筒の外側表面に位置するため、液体流路と液体供給機構とをより簡易に接続することができる。
本発明に係る液体射出成形機は、上記プランジャ、および上記樹脂充填筒の少なくとも一方を備えた液体射出成形機であって、上記出口孔を通して上記プランジャの側面上に供給された液体を上記樹脂充填筒の外部へ排出するための排出口を備えることを特徴としている。
上記の構成によれば、本発明に係る液体射出成形機は、上記出口孔から供給された上記液体、あるいは、シール部よりも後方であって、シリンダ穴を形成する樹脂充填筒の内部表面とプランジャとのクリアランスに漏れた液状の熱硬化性樹脂を上記排出口から上記樹脂充填筒の外部へ排出することができる。
本発明に係る漏れ樹脂の除去方法は、上記液体射出成形機を用いて、上記シール部の前方から上記シール部の後方へと漏れた熱硬化性樹脂からなる漏れ樹脂を除去する漏れ樹脂の除去方法であって、上記漏れ樹脂を溶解するための溶媒を上記出口孔を通して上記プランジャの側面上に注入し、それにより上記漏れ樹脂を溶媒に溶解し、上記溶媒および上記漏れ樹脂を上記排出口から排出することを特徴としている。
上記の構成によれば、本発明に係る漏れ樹脂の除去方法は、上記溶媒が、上記液体流路を通って、シリンダ穴を形成する樹脂充填筒の内部表面とプランジャとのクリアランスに注入される。これにより、上記溶媒によって漏れ樹脂を溶解することができ、漏れ樹脂が固化(硬化)する前に、上記プランジャの側面上から漏れ樹脂を除去することができる。
さらに、本発明に係る漏れ樹脂の除去方法は、上記溶媒が、トルエンおよびアセトンの少なくとも一方であることが好ましい。
シリンダ穴を形成する樹脂充填筒の内部表面とプランジャとのクリアランスにこれらの溶媒の少なくとも一方を注入することにより、固化する前の液状状態にある熱硬化性樹脂からなる漏れ樹脂をより確実に溶解して除去することができる。
本発明に係る漏れ樹脂の除去方法は、上記液体射出成形機を用いて、上記シール部の前方から上記シール部の後方へと漏れた熱硬化性樹脂からなる漏れ樹脂を除去する漏れ樹脂の除去方法であって、上記漏れ樹脂の硬化反応を阻害する物質を含む液体を上記出口孔を通して上記プランジャの側面上に注入し、それにより上記漏れ樹脂の硬化反応を阻害し、上記漏れ樹脂及び上記液体を上記排出口から排出することを特徴としている。
熱硬化性樹脂は、固化する前の液状状態であれば、液状状態の熱硬化性樹脂の硬化反応を阻害する物質を含む液体を加えることによって、その硬化反応を防ぐことができる。従って、漏れ樹脂の硬化反応を阻害する物質を含む液体を、シリンダ穴を形成する樹脂充填筒の内部表面とプランジャとのクリアランスに注入することによって、シール部の後方に漏れた熱硬化性樹脂からなる漏れ樹脂の硬化反応を阻害し、漏れ樹脂及び上記液体を上記排出口から排出することができる。
さらに、本発明に係る漏れ樹脂の除去方法は、上記漏れ樹脂の硬化反応を阻害する物質が、分子骨格に窒素、リン、および硫黄からなる群から選択される少なくとも1つを含有する有機化合物であることが好ましい。
さらに、本発明に係る漏れ樹脂の除去方法は、上記漏れ樹脂の硬化反応を阻害する物質が、重金属イオンを含むイオン性化合物であることが好ましい。
さらに、本発明に係る漏れ樹脂の除去方法は、上記漏れ樹脂の硬化反応を阻害する物質が、不飽和基を有する有機化合物であることが好ましい。
さらに、本発明に係る漏れ樹脂の除去方法は、上記漏れ樹脂の硬化反応を阻害する物質が、塩酸、硝酸、過塩素酸、および硫酸からなる群から選択される少なくとも1つ、または、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、および水酸化バリウムからなる群から選択される少なくとも1つを含むことが好ましい。
さらに、本発明に係る漏れ樹脂の除去方法は、上記漏れ樹脂の硬化反応を阻害する物質が、水およびアルコールの少なくとも一方であることが好ましい。
これらの物質を用いることにより、固化する前の液状状態にある熱硬化性樹脂からなる漏れ樹脂の硬化反応をより確実に防いで、漏れ樹脂をより確実に除去することができる。
本発明に係るプランジャは、プランジャの先端部の表面に形成されたシール部と、上記シール部より後方に形成された出口孔と、プランジャの内部に形成され、上記出口孔に連通する液体流路と、を備える構成である。あるいは、本発明に係る樹脂充填筒は、プランジャの後進端位置において、プランジャの先端部の表面に形成されたシール部よりも後方となる位置に形成された出口孔と、樹脂充填筒の内部には、上記出口孔に連通する液体流路と、を備える構成である。
従って、漏れ樹脂を溶解するための溶媒、あるいは漏れ樹脂の硬化を阻害する物質を含む液体を上記出口孔を通してプランジャの側面上に注入し、それにより漏れ樹脂を溶媒に溶解し、あるいは漏れ樹脂の硬化反応を阻害させることができる。これにより、漏れ樹脂が固化(硬化)する前に、プランジャの側面上から漏れ樹脂を除去することができるという効果を奏する。
本発明に係る樹脂充填筒は、漏れ樹脂を溶解するための溶媒、あるいは漏れ樹脂の硬化を阻害する物質を含む液体を上記出口孔を通してプランジャの側面上に注入し、それにより漏れ樹脂を溶媒に溶解し、あるいは漏れ樹脂の硬化反応を阻害させることができる。これにより、漏れ樹脂が固化(硬化)する前に、プランジャの側面上から漏れ樹脂を除去することができるという効果を奏する。
本発明に係る液体射出成形機は、上記プランジャ、および上記樹脂充填筒の少なくとも一方を備える。従って、漏れ樹脂が固化(硬化)する前に、プランジャの側面上から漏れ樹脂を除去することができることができる。
本発明に係る漏れ樹脂の除去方法は、漏れ樹脂を溶解するための溶媒、あるいは漏れ樹脂の硬化を阻害する物質を含む液体をプランジャの側面上に注入し、それにより漏れ樹脂を溶媒に溶解し、あるいは漏れ樹脂の硬化反応を阻害させることができる。これにより、漏れ樹脂が固化(硬化)する前に、プランジャの側面上から漏れ樹脂を除去することができる。
(実施の形態1)
本実施の形態1に係るスクリュプリプラ式液体射出成形機(液体射出成形機)1の構成について、図1〜図4に基づいて説明すると以下の通りである。
図1は、スクリュプリプラ式液体射出成形機1の概略図である。スクリュプリプラ式液体射出成形機1は、射出装置5を含む。射出装置5は、図示しない金型内に熱硬化性樹脂(樹脂)を射出するための装置であり、樹脂攪拌機構3と射出機構4とを有する。樹脂攪拌機構3は射出装置5の上方に、射出機構4は射出装置5の下方にそれぞれ配置されている。なお、説明の便宜のため、図1において、図面左方向(樹脂がシリンダ穴11bから樹脂計量・充填筒(樹脂充填筒)11の外部にある金型内に射出される方向)を前方、図面右方向(樹脂がシリンダ穴11bから樹脂計量・充填筒11の外部にある金型内に射出される方向の逆方向)を後方、図面上方向(重力の方向の逆方向)を上方、および図面下方向(重力の方向)を下方とする。
樹脂攪拌機構3は、樹脂攪拌筒7と、樹脂供給口7a・7bと、攪拌スクリュ8と、モータ9と、樹脂供給部10と、を有する。樹脂攪拌機構3は、その基端部(後端部)が射出装置5上に固定され、その先端部(前端部)が樹脂攪拌筒7に連結されている。樹脂攪拌筒7の内部には、攪拌スクリュ8が回転自在に挿入され、その攪拌スクリュ8はモータ9によって回転する。また、樹脂攪拌筒7には、その先端(前端)に設けられた樹脂供給口7aに対して熱硬化性樹脂を供給する樹脂供給部10が設けられている。熱硬化性樹脂が、樹脂供給部10から樹脂供給口7aを通って樹脂攪拌筒7の内部へ供給される。なお、樹脂供給部10は、樹脂攪拌筒7の後端部の上方に設けられている。熱硬化性樹脂は、攪拌スクリュ8の回転によって、攪拌・混練されながら樹脂攪拌筒7の前方へと移動していく。攪拌された熱硬化性樹脂は、樹脂攪拌筒7の先端部(前端部)に設けられた樹脂供給口7bおよび後述する樹脂計量・充填筒11の内部に形成された樹脂通路11cを通って射出機構4へと供給される。なお、モータ9の型式は特に限定されず、油圧式であっても、電動式であってもよい。
射出機構4は、樹脂計量・充填筒11と、プランジャ13と、充填シリンダ15と、を有する。樹脂計量・充填筒11は、樹脂攪拌筒7から供給された熱硬化性樹脂を計量・充填するものであり、樹脂溜まり部11aと、シリンダ穴11bと、樹脂通路11cと、を含む。樹脂計量・充填筒11は、その基端面(後面)が筐体22の前面に固定され、シリンダ穴11bが水平となるように配設されている。熱硬化性樹脂の計量・充填は、樹脂計量・充填筒11の内部における上記シリンダ穴11bの前端部に形成されている樹脂溜まり部11aで行われる。樹脂溜まり部11aに充填された熱硬化性樹脂は、プランジャ13の動作によって、樹脂計量・充填筒11の前面(先端面)に嵌挿されたノズル12から図示しない金型内に射出される。プランジャ13は、樹脂計量・充填筒11のシリンダ穴11bの後方からシリンダ穴11bに前後進自在に挿入されている。筐体22の後端面に固定された充填シリンダ15は、プランジャ13の後端に連結されたラム15aをその内部に有し、プランジャ13は、ラム15aの動きによって樹脂計量・充填筒11のシリンダ穴11b内をプランジャ13の軸方向に前後進する。
樹脂計量・充填筒11の上面中央部(射出装置5の前端部)には樹脂攪拌筒7の先端部が連結されている。樹脂計量・充填筒11の先端部には、樹脂計量・充填筒11を径方向(上下方向)に貫通する通路11cが空けられている。樹脂供給口7bを通って供給される熱硬化性樹脂は、樹脂計量・充填筒11の内部に形成された樹脂通路11cを通って樹脂溜まり部11aに供給され、そこで計量・充填される。つまり、樹脂攪拌筒7の内部と樹脂溜まり部11aとは、樹脂供給口7bおよび樹脂通路11cを介して連通している。樹脂計量・充填筒11の後端(樹脂射出方向と反対側の端)には、プランジャ13の側面上に供給された液体および漏れ樹脂を樹脂計量・充填筒11の外部へ排出するための樹脂排出口(排出口)16が形成されている。樹脂排出口16は、充填用加熱筒11のシリンダ穴11bと充填プランジャ13との間の嵌合間隙(シリンダ穴11bと後述するシール部材(シール部)14との間隙)からシール部材14の後方に漏れた熱硬化性樹脂(以下、「漏れ樹脂」と称する)を排出することを目的として、シール部材14の後方であって、プランジャ13と筐体22とのクリアランスによって形成されている。なお、樹脂計量・充填筒11の外表面には、導水シートからなる冷却バンド24が取り付けられている。
固定盤17は、固定盤17の前方に配置された図示しない金型を型締めする型締装置の固定盤であり、射出装置5は、図示しないノズルタッチ機構によって固定盤17に対して前後進する。それにより、樹脂計量・充填筒11に嵌挿されたノズル12が、型締めされた金型に対して当接・離間する。ノズル12の内部には、ノズル12の樹脂通路12aに流れる樹脂の通路を被覆するように冷却水路23が設けられている。冷却水路23は、冷却水の温度や供給流量が図示しない電気制御手段(制御装置)によって制御された冷却水供給源と配管によって接続している。モータ9、充填シリンダ15、およびノズルタッチ機構等は図示しない電気制御手段に接続され、その電気制御手段は、充填シリンダ15に設けたセンサ6、その他の動作部に設けた図示しない各種センサなどからの信号を受けて、受けた信号に基づいて制御信号を各動作部へ送ることで、射出装置5を作動させる。
ここで図2〜図4に基づいて、射出機構4の要部をより具体的に説明する。
まずは図2に基づいて射出機構4の要部を説明する。図2は、射出機構4の縦断面図である。樹脂計量・充填筒11にはシリンダ穴11bが形成されている。シリンダ穴11bにはプランジャ13がその中心軸方向に前後進自在に後方から挿入されている。樹脂計量・充填筒11の前面(樹脂射出方向の端面)にはノズル12の一方の基端部(後端部)が嵌挿されている。また、樹脂計量・充填筒11の内部には樹脂供給口7bと連通する樹脂通路11cが形成されており、熱硬化性樹脂は、樹脂供給口7bおよび樹脂通路11cを通って樹脂攪拌筒7から樹脂溜まり部11aに供給される。先にも述べた通り、ノズル12の内部には、ノズル12の樹脂通路12aに流れる樹脂の通路を被覆するように冷却水路23が形成されている。
次に、図3に基づいて、プランジャ13をより具体的に説明する。図3は、樹脂計量・充填筒11およびプランジャ13の縦断面図である。プランジャ13は、上記シリンダ穴11bに摺動自在に嵌合されたヘッド部(先端部)13aと、ヘッド部13aの後方の軸部13bと、を有する。ヘッド部13aの表面には、シリンダ穴11bとプランジャ13との間隙からプランジャ13の後方への液状樹脂の漏れ(プランジャ13の前方からプランジャ13の側面上への樹脂漏れ)を抑制するためのシール部材14が設けられている。シリンダ穴11bとヘッド部13aとの直径差により生じる、シリンダ穴11bを形成する樹脂計量・充填筒11の内部表面とプランジャ13との間の嵌合間隙(クリアランス)は、小さすぎるとプランジャ13の移動が妨げられ、大きすぎるとプランジャ13の後方への樹脂漏れが多くなり、結果として熱硬化性樹脂の成形が不安定になる。従って、そのクリアランスは、熱硬化性樹脂の種類や成形条件を考慮して適切に決定される。通常、クリアランスは、ヘッド部13aの直径がシリンダ穴11bの直径よりも0.01mm〜0.2mm小さく、軸部13bの直径がシリンダ穴11bの直径よりも0.1mm〜1mm小さくなるよう設定される。同様に、シール部材14は、樹脂漏れを防止するためにクリアランスを小さくし過ぎるとプランジャ13の摺動性が悪くなるため、その直径は適切に決定される。
図3が示すように、軸部13bの内部には、プランジャ13の長手方向に沿って、未硬化の熱硬化性樹脂を溶解する溶媒、または未硬化の熱硬化性樹脂の硬化反応を阻害する物質を含む液体をプランジャ13の側面上に供給するための液体流路18aが1つ形成されている。さらに、シール部材14の後方であって軸部13bの上部表面(側面)には出口孔19が形成されている。そして、液体流路18aと出口孔19とが連通しており、液体流路18a内の上記液体が出口孔19を通してプランジャ13の側面上に供給されるようになっている。図4は、樹脂計量・充填筒11およびプランジャ13の径方向における縦断面図である。図4が示すように、液体流路18aは、軸部13bの内部であって鉛直方向上部に形成されている。
なお、シリンダ穴11bを形成する樹脂計量・充填筒11の内部表面およびプランジャ13のヘッド部13aの外周面は、硬度を増すための表面処理が施されており、軸部13bの外周面には、クロムメッキやその他の樹脂が付着しにくい従来周知の表面処理を施すことができる。クロムメッキは、シリンダ穴11bを形成する樹脂計量・充填筒11の内部表面とプランジャ13の軸部13bとの間に噛りが発生するのを防止する。
上記構成において、スクリュプリプラ式液体射出成形機1の動作について、図1に基づいて説明すると以下の通りである。なお、図示していないが、上記電気制御手段の動作によってノズルタッチ機構が作動し、射出装置5が前進してノズル12が上記金型に当接した状態におけるスクリュプリプラ式液体射出成形機1の動作を説明する。
上記金型が上記型締装置によって型締めされると、モータ9が攪拌スクリュ8を駆動して攪拌スクリュ8が回転する。そして、樹脂供給部10から樹脂供給口7aを経て樹脂攪拌筒7の内部に供給された熱硬化性樹脂が攪拌スクリュ8によって攪拌・混練される。この熱硬化性樹脂は、二液性(二成分)の熱硬化性樹脂であっても、三液性(三成分)の熱硬化性樹脂であってもよく、樹脂供給部10から供給される熱硬化性樹脂の種類・成分数は特に限定されるものではない。続いて、攪拌された熱硬化性樹脂は、樹脂攪拌筒7の先端から樹脂供給口7b、および樹脂通路11cを通って樹脂計量・充填筒11の樹脂溜まり部11aに導入される。熱硬化性樹脂は、充填シリンダ15によって前方(樹脂射出方向)への背圧を加えられているプランジャ13を後退させつつ、樹脂溜まり部11aにて計量される(計量工程)。樹脂溜まり部11aにて所定量の一液化された熱硬化性樹脂が計量されると、上記電気制御手段によって充填シリンダ15に前方への力が加えられ、ラム15aが前進する。そして、ラム15aに接続するプランジャ13が前進移動して樹脂溜まり部11aにて計量された熱硬化性樹脂をノズル12から上記金型内に射出する(射出工程)。
上記金型内に射出された熱硬化性樹脂は、所望の条件(温度、時間、充填圧力など)で硬化されることにより成形される(成形工程)。そして、熱硬化性樹脂が固化された状態で上記金型を型開きして、成形品を離型する(離型工程)。以上の工程を経て、成形品を得ることができる。ただし、本願発明において射出工程より後のプロセスは特に重要ではないため、その詳細な説明は省略する。
計量工程から成形工程までの間、図示しない冷却水の供給源から冷却水路23および冷却バンド24に冷却水が供給され、樹脂計量・充填筒11の樹脂排出口16の周辺、およびプランジャ13の軸部13bが冷却され、それらの温度が樹脂の硬化を抑制する温度に保たれる。なお、上記射出工程における充填圧力および保圧力、および計量工程における背圧力の制御は、センサ6からの信号を監視しつつ、上記電気制御手段が充填シリンダ15への作動制御を行うことによってなされる。
次に、スクリュプリプラ式液体射出成形機1を用いた漏れ樹脂の除去方法、及びその効果について説明する。
スクリュプリプラ式液体射出成形機1の一液化樹脂の計量工程および射出工程に際して、プランジャ13には樹脂圧が作用する。この樹脂圧は、熱硬化性樹脂の射出方向とは逆向きの方向でプランジャ13に対して加えられる。ここで、プランジャ13のヘッド部13aおよびシール部材14とシリンダ穴11bを形成する樹脂計量・充填筒11の内部表面との間には、互いの直径の寸法差によるクリアランスが存在している。そして、樹脂計量・充填筒11の内部に存在する熱硬化性樹脂は液状で存在するため、上記樹脂圧の作用によって上記クリアランスからシール部材14の後方へと熱硬化性樹脂の一部が漏洩する。この漏れ樹脂は、プランジャ13の軸部13bの前部に付着し、時間の経過と共に蓄積していく。さらに時間の経過と共に軸部13bの後部にも漏れ樹脂が蓄積する。室温などの低温下であっても少しずつ漏れ樹脂の重合反応が促進されるので、ついにはシリンダ穴11bを形成する樹脂計量・充填筒11の内部表面と軸部13bとのクリアランスに蓄積した漏れ樹脂が固化(硬化)し、プランジャ13の円滑な動作を妨害する。
ここで、液体射出成形の材料として使用される熱硬化性樹脂には、シリコーンゴム、シリコーンレジン(以下、これら2種類を総じてシリコーン樹脂と呼ぶ)、あるいはエポキシ樹脂などがある。
これらの熱硬化性樹脂は、加熱されて固化(硬化)すると、溶媒によっても容易に溶解しなくなる。しかし、これらの熱硬化性樹脂は、固化する前の液状状態であれば有機溶媒などの溶媒を用いて溶解することができる。
そこで、図1に示すスクリュプリプラ式液体射出成形機1では、プランジャ13の軸部13bの内部に形成された液体流路18aに上記溶媒を供給し、その溶媒を出口孔19から、シリンダ穴11bを形成する樹脂計量・充填筒11の内部表面とプランジャ13との間のクリアランスにおける前端部、より詳細にはシール部材14の後方でシール部材14の近傍の位置に注入している。漏れ樹脂が固化する前の液状状態において漏れ樹脂を溶解する上記溶媒を漏れ樹脂に注入することによって、シール部材14の後方の軸部13b表面上に付着した漏れ樹脂を溶解させることができる。そして、その溶解した漏れ樹脂を樹脂排出口16から流し出して固化(硬化)する前に除去することができる。熱硬化性樹脂を溶解する溶媒の一例として、アセトンあるいはトルエンが挙げられる。なお、ここでは溶媒としてアセトンあるいはトルエンを例示したが、未硬化の熱硬化性樹脂を溶解できる溶媒であれば種類は問わない。
あるいは、熱硬化性樹脂が固化する前の液状状態であれば、液状状態の熱硬化性樹脂の硬化反応を阻害する物質を含む液体を熱硬化性樹脂に加えることによって、その硬化反応を防ぐことができる。そこで、溶媒ではなく、熱硬化性樹脂の硬化反応を阻害する物質を含む液体を液体流路18aに供給し、その液体を出口孔19から、シール部材14の後方でシール部材14の近傍の位置に注入することもできる。熱硬化性樹脂が固化する前の液状状態において漏れ樹脂の硬化反応を阻害する物質を含む上記液体を漏れ樹脂に注入することにより、シール部材14の後方の軸部13b表面上に付着した漏れ樹脂は、その硬化が阻害され、固化(硬化)する前に液状の状態で樹脂排出口16から樹脂計量・充填筒11の外部へ排出・除去される。
例えば、熱硬化性樹脂がシリコーン樹脂あるいはエポキシ樹脂であれば、熱硬化性樹脂の硬化反応を阻害する物質として、次のような物質が挙げられる。すなわち、大量のアルコール、強酸、強塩基、熱硬化性樹脂中に含まれる触媒と錯体を形成するSn、Pb、Hg、Sb、Bi、Asなどの重金属のイオンを含むイオン性化合物(熱硬化性樹脂が触媒を含む場合)、窒素(N)、リン(P)、硫黄(S)などを含む有機化合物、アセチレン基などの不飽和基を含む有機化合物などである。また、シリコーン樹脂に対しては、大量の水が有効である。ここで、大量の水とは、シール部材14の後方に侵入する未硬化の漏れ樹脂の量に対して少なくとも2倍以上のモル比となる量であり、その量の水を漏れ樹脂に対して供給することにより、その漏れ樹脂の硬化を効果的に阻害することができる。
上記強酸としては、塩酸、硝酸、過塩素酸、硫酸などが挙げられる。上記強塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムなどが挙げられる。これらの強酸または強塩基を含む水溶液を出口孔19から注入することにより、熱硬化性樹脂の硬化を阻害することができる。熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である場合、熱硬化性樹脂の硬化を阻害する物質として、アミン系化合物、強塩基(アルカリ)、および強酸が好適である。これらの物質をエポキシ樹脂からなる漏れ樹脂に対して過剰に供給することにより、樹脂の硬化阻害、もしくは、異常反応を誘発し、その漏れ樹脂の硬化を効果的に阻害することができる。熱硬化性樹脂がシリコーン樹脂である場合、強酸および強塩基は、シリコーン樹脂中のシラン(SiH)化合物を分解することによって、シリコーン樹脂の硬化を阻害する。
これらの物質を含有する水溶液、アルコール溶液、もしくは、これらの物質そのもの(物質が液体である場合)を熱硬化性樹脂に加えることにより、漏れ樹脂の硬化を効果的に抑制することができる。
なお、上記溶媒あるいは上記液体(以下、上記溶媒等という)は、図示しない溶媒供給機構から供給される。また、図示しない溶媒供給機構から上記溶媒等を供給するタイミングは、計量工程から離型工程までの間の全期間であってもよく、成形工程のみであってもよい。あるいは、上記溶媒等の供給は、成型サイクル(計量工程、射出工程、成型工程、離型工程の一連の全工程)中に行わず、装置動作休止中に実施してもよいことは言うまでもない。
ここで、上記溶媒等および漏れ樹脂が樹脂排出口16から排出される理由は以下の通りである。
つまり、上記溶媒等は、シリンダ穴11bを形成する樹脂計量・充填筒11の内部表面とプランジャ13とのクリアランスに注入される。ここで、成形時には、充填圧力や保持圧力の印加により、シリンダ穴11b内および樹脂通路12a内に充填・密閉された熱硬化性樹脂に対して、高い圧力、典型的には数〜数十MPaの圧力が加わる。成形時、溶媒等および漏れ樹脂の流路は、その一端の樹脂排出口16が開放されているため、非密閉構造である。また、溶媒等は低粘度である。それゆえ、成型時、溶媒等および漏れ樹脂には、溶媒に対して加えられるような圧力は発生しない。したがって、成形時には、シール部材14には、後方(熱硬化性樹脂の射出方向とは逆方向)に向かって高い樹脂圧が加わっており、熱硬化性樹脂がシール部14を乗り越えてシール部材14の後方へ漏れる一方、上記溶媒等がシール部材14の前方に侵入することはない。そして、シール部材14の後方には、非密閉構造の樹脂排出口16が設けられており、出口孔19から注入された上記溶媒等は、圧力のかからない樹脂排出口16へと流れ出していく。
また、成形時に、溶媒等および漏れ樹脂の流路抵抗により溶媒等および漏れ樹脂の圧力が大きくなる場合であっても、上記溶媒等の流量・流速を低下させて溶媒等および漏れ樹脂の圧力を下げることより、溶媒等がシール部材14の前方(射出方向)に侵入しないように設定することができる。
従って、成形工程において、上記溶媒等がシール部材14の前方に侵入して、樹脂計量・充填筒11内の樹脂へ混入して成形に影響を及ぼすことはなく、すべてが樹脂排出口16から排出される。
さらに、離型工程などのように、シリンダ穴11b内および樹脂通路12a内に充填・密閉された熱硬化性樹脂に対して高い圧力が加わっていない時には、シール部材14に高い圧力が加わることがなく、シリンダ穴11bを形成する樹脂計量・充填筒11の内部表面とシール部材14との間に隙間が生じない。そのため、シリンダ穴11bを形成する樹脂計量・充填筒11の内部表面とプランジャ13との間のクリアランスを流れる溶媒等は、シール部材14のためにシール部材14より前方へ侵入することなく、流路抵抗の小さな樹脂排出口16へと流れ出す。
なお、上記溶媒等としてアセトンあるいはトルエンといった有機溶媒を用いる場合には、有機溶媒によってシール部材14が腐食される懸念があるが、上記有機溶媒を液体流路18aに注入した後に、液体流路18aに純水を供給して上記有機溶媒を流し出すことによってこの懸念は解消される。
なお、プランジャ13の軸部13bに蓄積した樹脂を除去する際に、樹脂排出口16から排出された廃液を受けるための容器をスクリュプリプラ式液体射出成形機1の内部あるいは外部に設置することで、より安全・簡易な漏れ樹脂の除去を行える。
出口孔19は、軸部13bの表面であって、鉛直方向の上部に1箇所のみ形成されている。これは、出口孔19をその位置に設けることにより、出口孔19から注入された上記溶媒等が下方へ流れ落ち、漏れ樹脂を余すことなく溶解、あるいは硬化阻害するためである。しかしながら、出口孔19の位置はこれに限定されるものではなく、任意の場所に設けることができる。
図4は、液体流路18aが、軸部13bの内部であって鉛直方向上部に形成された様子を示しているが、その位置はこれに限られるものではなく、軸部13bの内部の中央であっても、鉛直方向下部であっても、水平方向の両側にあってもよい。
(実施の形態2)
本実施の形態2に係るプランジャ20について、図5、および図6に基づいて説明すると以下の通りである。なお、図1を参照して前述した構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付している。従って、これらの構成要素の詳細な説明は省略する。
図5は、樹脂計量・充填筒(樹脂充填筒)11およびプランジャ20の縦断面図である。図5に基づいて、プランジャ20は、ヘッド部(先端部)20aと、軸部20bと、を有する。ヘッド部20aは、ヘッド部13aと同じであってよい。軸部20bの内部には、プランジャ20の長手方向に沿って4つの液体流路18bが形成されている。液体流路18bは、シール部材14の後方であって、軸部20bの表面に形成された4つの出口孔19とそれぞれ連通している。液体流路18bと出口孔19とは、同数であり、一対一で連通している。
より具体的に、図6に基づいて、4つの液体流路18bの位置関係を説明する。図6は、樹脂計量・充填筒11およびプランジャ20の径方向における縦断面図である。4つの液体流路18bは、軸部20bの内部において、鉛直方向の上下、および水平方向の両側に、軸部20bの中心軸に対して線対称に形成されている。
上記溶媒等を液体流路18bに注入することによる効果は、プランジャ13を用いることによって得られる上記効果と同様であるが、さらに、液体流路が4つ形成されている分だけ、漏れ樹脂の除去を迅速に行うことが可能である。また、出口孔19が4つ形成されている分だけ、シリンダ穴11bを形成する樹脂計量・充填筒11の内部表面とプランジャ20との間のクリアランスの隅々まで溶媒等を供給することができ、漏れ樹脂の除去をより確実に行うことが可能である。
なお、プランジャ20では、軸部20bに発生しうる熱歪などの問題を考慮して、4つの液体流路18bが、上下および左右に軸部20bの中心軸に対して線対称に配置されている。しかし、液体流路18bの配置は図6で示す配置に限定されるものではなく、樹脂排出口16から漏れ樹脂を除去することができるのであれば、種々の位置関係で4つの液体流路18bを配置することができる。あるいは、液体流路18bの数は、4つに限定されるものではなく、それより多くても少なくてもよい。同様に、出口孔19の個数・位置は、液体流路18bの数に合わせて適宜変更すればよい。
このように、プランジャ13の代わりにプランジャ20をスクリュプリプラ式液体射出成形機1に採用することができ、それによってシール部の後方に漏れた漏れ樹脂を円滑に除去することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態3に係るプランジャ21について、図7、および図8に基づいて説明すると以下の通りである。なお、図1を参照して前述した構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付している。従って、これらの構成要素の詳細な説明は省略する。
図7は、樹脂計量・充填筒(樹脂充填筒)11およびプランジャ21の縦断面図である。図8は、樹脂計量・充填筒11およびプランジャ21の径方向における縦断面図である。図7に基づいて、プランジャ21は、ヘッド部(先端部)21aと、軸部21bと、を有する。ヘッド部21aは、ヘッド部13aと同じであってよい。軸部21bの内部には、プランジャ21の中心軸に沿って1つの液体流路18cが形成されている。シール部材14の後方であって、軸部21bの表面には上記液体流路の数より多い数の4つの出口孔19が形成されている。4つの出口孔19は、図8に示すように、上下および左右に軸部20bの中心軸に対して線対称に(互いにおよそ90度の角度をなすように)、軸部21bの表面に配置されている。そして、図7、および図8に示すように、液体流路18cは、シール部材14のわずか後方において上記出口孔と同数の4つの液体流路(液体分岐流路)18dに分岐され、4つの液体流路18dそれぞれが出口孔19と連通している。すなわち、図示しない溶媒供給機構から液体流路18cに供給された上記溶媒等は、4つの液体流路18dに均等に分流され、4つの出口孔19から漏れ樹脂に注入される。
・ なお、上記溶媒等を液体流路18cに注入することによる効果は、プランジャ13を用いることによって得られる上記効果と同様であるが、さらに出口孔19が4つ形成されている分だけ、漏れ樹脂の除去を迅速に行うことが可能である。また、出口孔19が4つ形成されている分だけ、シリンダ穴11bを形成する樹脂計量・充填筒11の内部表面とプランジャ21との間のクリアランスの隅々まで溶媒等を供給することができ、漏れ樹脂の除去をより確実に行うことが可能である。
なお、プランジャ21では、軸部21bに発生しうる熱歪などの問題を考慮して、4つの液体流路18dおよび4つの出口孔19が互いにおよそ90度の角度をなすように配置されている。しかし、液体流路18dおよび出口孔19の配置はここに示した配置に限定されるものではなく、樹脂排出口16から漏れ樹脂を除去することができるのであれば、種々の位置関係で4つの液体流路18cを配置することができる。あるいは、液体流路18dの数は、4つに限定されるものではなく、それより多くても少なくてもよい。同様に、出口孔19の個数・位置は、液体流路18dに合わせて適宜変更すればよい。
このように、プランジャ13の代わりにプランジャ21をスクリュプリプラ式液体射出成形機1に採用することができ、それによってシール部の後方に漏れた漏れ樹脂を円滑に除去することができる。
なお、上述した各実施の形態では、上記溶媒等は、プランジャの内部に形成された液体流路、およびプランジャの側面に形成された出口孔を通って、シリンダ穴11bを形成する樹脂計量・充填筒11の内部表面とプランジャとの間のクリアランスにおける前端部、より詳細にはシール部材14の後方でシール部材14の近傍の位置に注入されている。しかしながら、本実施の形態は、これに限られず、上記溶媒等がプランジャの側面におけるシール部材14より後方の位置(好ましくはシール部材14の近傍の位置)から後方に向かって(好ましくはプランジャの軸方向に沿って)形成された溝状の液体流路を通って上記クリアランスに供給されてもよい。
プランジャの側面上に液体を供給するために、プランジャの側面であってシール部材14より後方の位置から後方に向かって溝状に液体流路が形成されているため、該溝状の液体流路を通って、シール部材14の後方であってシール部材14の近傍の位置まで図示しない溶媒供給機構から上記溶媒等が供給される。その結果、シリンダ穴11bを形成する樹脂計量・充填筒11の内部表面とプランジャとのクリアランスに蓄積した漏れ樹脂に対して、上記溶媒等を供給することができる。
上記構成による効果は次の通りである。つまり、プランジャ側面に上記溝状の液体流路を形成する加工は、プランジャ内部に液体流路を形成する加工より容易であるため、プランジャの製造がより簡易である。なお、上記クリアランスに供給される上記溶媒等と射出成形機の外部に排出される漏れ樹脂との分離が困難であるため、漏れ樹脂の除去を円滑に行えないという懸念がある。この懸念は、次のような方法で解消できる。つまり、例えば上記溝状の液体流路をプランジャの側面に合計4本形成し、内2本を上記溶媒等の供給用とし、残り2本を漏れ樹脂の排出用とする。すなわち、4本の溝状の液体流路のうち、2本の溝状の液体流路にのみ、溶媒供給機構から上記溶媒等を供給する。それにより、射出成形機の内部および外部に向かう液体の流れをある程度決めることができ、その結果、全ての溝状の液体流路に溶媒供給機構から上記溶媒等を供給する場合よりも効果的に漏れ樹脂を外部に排出・除去することができる。
なお、上記溝状の液体流路は、プランジャの上方側面に形成されていることが望ましい。プランジャの下方側面、あるいは側方側面に形成されている場合、図示しない溶媒供給機構から供給される上記溶媒等は、上記クリアランスの上方に蓄積した漏れ樹脂と接触する前に上記クリアランスの下方側に流れてしまう。その結果、上記クリアランスの上方側に蓄積した漏れ樹脂と上記溶媒等との接触機会が減り、漏れ樹脂の除去を円滑に行えないことがあり得る。したがって、上記溝状の液体流路は、プランジャの上方側面に形成されていることが望ましい。
また、上記溝状の液体流路の数は、上述した4本に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
さらに、上記溝状の液体流路は、プランジャヘッドへ向かうにつれ、溝が浅くなるようなテーパー構造であってもよい。テーパー構造にすることにより、流路抵抗が徐々に変化するため、シール部材14の後方の隅々に上記溶媒等を供給でき、その結果、より効果的に漏れ樹脂を除去することができる。
(実施の形態4)
本実施の形態4に係る樹脂計量・充填筒25について、図9に基づいて説明すると以下の通りである。なお、図1を参照して前述した構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付している。従って、これらの構成要素の詳細な説明は省略する。
図9は、樹脂計量・充填筒25の縦断面図である。樹脂計量・充填筒25には、樹脂計量・充填筒25を貫通するように、プランジャ13の側面上に液体を供給するための液体流路18eが形成されている。液体流路18eの一端は、シリンダ穴11bを形成する樹脂計量・充填筒25の内側表面であって、その上端部に形成された出口孔26と連通している。さらに、液体流路18eの他端は、図示しない溶媒供給機構と接続されている。出口孔26は、プランジャ13が後進端位置にあるときに、シール部材14よりも後方となる位置に配置している。従って、出口孔26がシール部材14よりも前方に位置することはない。
上記構成において、本実施の形態4に係る樹脂計量・充填筒25を用いた漏れ樹脂の除去方法による効果について、図9に基づいて説明する。なお、プランジャ13・20・21を用いることによって得られる効果と同様の効果についてはその説明を省略し、とくに樹脂計量・充填筒25を用いることによる効果について述べる。
プランジャ13・20・21では、プランジャの軸部13b・20b・21bの内部に液体流路18a〜18dが形成され、プランジャ13・20・21は、ラム15aの作動によって前後進に移動する。従って、液体流路18a〜18dと図示しない溶媒供給機構とを接続するうえで、プランジャ13・20・21の稼動による溶媒等の漏れが発生しないようにする工夫が必要である。この点、液体流路18eは固定された樹脂計量・充填筒25の一端が樹脂計量・充填筒25の外側表面に位置するため、液体流路18eと図示しない溶媒供給機構とをより簡易に接続することができる。また、出口孔26は、シリンダ穴11bを形成する樹脂計量・充填筒25の内部表面であってその上端部に設けられているため、出口孔26からプランジャ13の側面上に注入された上記溶媒等は下方へ流れ落ち、漏れ樹脂を余すことなく溶解、あるいは硬化阻害することができる。
また、出口孔26は、プランジャ13の後進端位置において、シール部材14よりも後方となる位置に配置しており、先に述べたのと同様の理由により上記溶媒等がシール部材14の前方に侵入することはない。従って、樹脂計量・充填筒25を用いることによって上記溶媒等が成形工程に影響を与えることもない。
なお、樹脂計量・充填筒25は、1つの液体流路18eがその内部に成形されており、上方から下方に向けて、1箇所の出口孔26から上記溶媒等を漏れ樹脂に対して注入している。しかしながら、液体流路18eの数・位置、および出口孔26の個数・位置はこれに限定されるものではなく、任意に変更することができる。また、プランジャ21のように、1つの液体流路18eから複数の液体流路を分岐させ、その分岐したのと同数の出口孔26から上記溶媒等を漏れ樹脂に対して注入することも可能である。なお、そのような場合、すべての出口孔26は、プランジャ13の後進端位置において、シール部材14よりも後方となる位置に配置される必要がある。
このように、樹脂計量・充填筒11の代わりに樹脂計量・充填筒25をスクリュプリプラ式液体射出成形機1に採用することができ、それによってシール部の後方に漏れた漏れ樹脂を円滑に除去することができる。あるいは、樹脂計量・充填筒25と実施の形態1〜3に記載のプランジャとを組み合わせることにより、シール部の後方に漏れた漏れ樹脂をより円滑に除去することも可能である。
さらに、本実施の形態に係るプランジャ、樹脂充填筒、及び漏れ樹脂の除去方法を、樹脂攪拌筒7に攪拌スクリュ8が回転自在に内装されたスクリュプリプラ式液体射出成形機に適用する態様をこれまで説明してきたが、本発明はこれに限定されず、その他の形式の液体射出成形機に適用できることはいうまでもない。
また、本実施の形態に係るプランジャ、樹脂充填筒、及び漏れ樹脂の除去方法を、熱硬化性樹脂を用いたスクリュプリプラ式液体射出成形機に適用する態様をこれまで説明してきたが、本発明はこれに限定されない。つまり、熱硬化性樹脂を用いた、スクリュプリプラ液体射出成形機以外の成形機にも、本発明を適用できることはいうまでもない。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、液体射出成形機によってシリコーン樹脂、エポキシ樹脂などを成形して成形品を製造する際に利用することができる。
本発明の一実施形態のプリプラ式液体射出成形機の縦断面図である。 本発明の一実施形態の射出機構の縦断面図である。 本発明の一実施形態の樹脂計量・充填筒およびプランジャの縦断面図である。 本発明の一実施形態の樹脂計量・充填筒およびプランジャの径方向における縦断面図である。 本発明の他の実施形態に係る樹脂計量・充填筒およびプランジャの縦断面図である。 本発明の他の実施形態に係る樹脂計量・充填筒およびプランジャの径方向における縦断面図である。 本発明のさらに他の実施形態に係る樹脂計量・充填筒およびプランジャの縦断面図である。 本発明のさらに他の実施形態に係る樹脂計量・充填筒およびプランジャの径方向における縦断面図である。 本発明のさらに他の実施形態に係る樹脂計量・充填筒およびプランジャの縦断面図である。
符号の説明
1 スクリュプリプラ式液体射出成形機(液体射出成形機)
3 樹脂攪拌機構
4 射出機構
5 射出装置
6 センサ
7 樹脂攪拌筒
7a、7b 樹脂供給口
8 攪拌スクリュ
9 モータ
10 樹脂供給部
11、25 樹脂計量・充填筒(樹脂充填筒)
11b シリンダ穴
11c 樹脂通路
12 ノズル
12a 樹脂通路
13、20、21 プランジャ
13a、20a、21a ヘッド部(先端部)
13b、20b、21b 軸部
14 シール部材(シール部)
15 充填シリンダ
15a ラム
16 樹脂排出口(排出口)
17 固定盤
18a、18b、18c、18e 液体流路
18d 液体流路(液体分岐流路)
19、26 出口孔
23 冷却水路
24 冷却バンド

Claims (14)

  1. 液体射出成形機における樹脂が充填される樹脂充填筒のシリンダ穴に対し、樹脂を射出するために前後進自在に挿入されるプランジャであって、
    上記樹脂が射出される方向の逆方向を後方とした場合、
    上記プランジャの前方から上記プランジャの側面上への樹脂漏れを抑制するために上記プランジャの先端部の表面に形成されたシール部と、
    上記プランジャの側面におけるシール部より後方に形成された出口孔と、
    上記出口孔を通して上記プランジャの側面上に液体を供給するために、上記プランジャの内部に形成され、上記出口孔に連通する液体流路とを備えることを特徴とするプランジャ。
  2. 上記液体流路および上記出口孔が複数形成されており、
    上記液体流路と上記出口孔とが、同数であり、一対一で連通していることを特徴とする請求項1に記載のプランジャ。
  3. 上記出口孔の数が上記液体流路の数より多く、上記液体流路から分岐する上記出口孔と同数の液体分岐流路が、上記出口孔にそれぞれ連通することを特徴とする請求項1に記載のプランジャ。
  4. 液体射出成形機における樹脂が充填される樹脂充填筒のシリンダ穴に対し、樹脂を射出するために前後進自在に挿入されるプランジャであって、
    上記樹脂が射出される方向の逆方向を後方とした場合、
    上記プランジャの前方から上記プランジャの側面上への樹脂漏れを抑制するために上記プランジャの先端部の表面に形成されたシール部と、
    上記プランジャの側面における上記シール部より後方の位置から後方に向かって溝状に形成された液体流路とを備えることを特徴とするプランジャ。
  5. 液体射出成形機における樹脂が充填される樹脂充填筒であって、プランジャの前方からプランジャの側面上への樹脂漏れを抑制するためのシール部が先端部の表面に形成されたプランジャが樹脂を射出するために前後進自在に挿入されるシリンダ穴を備える樹脂充填筒であって、
    上記樹脂が射出される方向の逆方向を後方とした場合、
    上記樹脂充填筒の内側表面における、上記プランジャが後進端位置にあるときに上記シール部よりも後方となる位置に形成された出口孔と、
    上記出口孔を通して上記プランジャの側面上に液体を供給するために、上記樹脂充填筒の内部に形成され、上記出口孔に連通する液体流路とを備えることを特徴とする樹脂充填筒。
  6. 請求項1〜4の何れか1項に記載のプランジャ、および請求項5に記載の樹脂充填筒の少なくとも一方を備えた液体射出成形機であって、
    上記出口孔を通して上記プランジャの側面上に供給された液体を上記樹脂充填筒の外部へ排出するための排出口を備えることを特徴とする液体射出成形機。
  7. 請求項6に記載の液体射出成形機を用いて、上記シール部の前方から上記シール部の後方へと漏れた熱硬化性樹脂からなる漏れ樹脂を除去する漏れ樹脂の除去方法であって、
    上記漏れ樹脂を溶解するための溶媒を上記出口孔を通して上記プランジャの側面上に注入し、それにより上記漏れ樹脂を溶媒に溶解し、上記溶媒および上記漏れ樹脂を上記排出口から排出することを特徴とする漏れ樹脂の除去方法。
  8. 上記溶媒が、トルエンおよびアセトンの少なくとも一方であることを特徴とする請求項7に記載の漏れ樹脂の除去方法。
  9. 請求項6に記載の液体射出成形機を用いて、上記シール部の前方から上記シール部の後方へと漏れた熱硬化性樹脂からなる漏れ樹脂を除去する漏れ樹脂の除去方法であって、
    上記漏れ樹脂の硬化反応を阻害する物質を含む液体を上記出口孔を通して上記プランジャの側面上に注入し、それにより上記漏れ樹脂の硬化反応を阻害し、上記漏れ樹脂及び上記液体を上記排出口から排出することを特徴とする漏れ樹脂の除去方法。
  10. 上記漏れ樹脂の硬化反応を阻害する物質が、分子骨格に窒素、リン、および硫黄からなる群から選択される少なくとも1つを含有する有機化合物であることを特徴とする請求項9に記載の漏れ樹脂の除去方法。
  11. 上記漏れ樹脂の硬化反応を阻害する物質が、重金属イオンを含むイオン性化合物であることを特徴とする請求項9に記載の漏れ樹脂の除去方法。
  12. 上記漏れ樹脂の硬化反応を阻害する物質が、不飽和基を有する有機化合物であることを特徴とする請求項9に記載の漏れ樹脂の除去方法。
  13. 上記漏れ樹脂の硬化反応を阻害する物質が、塩酸、硝酸、過塩素酸、および硫酸からなる群から選択される少なくとも1つ、または、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、および水酸化バリウムからなる群から選択される少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項9に記載の漏れ樹脂の除去方法。
  14. 上記漏れ樹脂の硬化反応を阻害する物質が、水およびアルコールの少なくとも一方であることを特徴とする請求項9に記載の漏れ樹脂の除去方法。
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