JP2009189208A - 電圧変換器制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電圧変換器による電力供給を適切に行う。
【解決手段】ECU80の制御部82は、イグニッションのONを表す信号IGを取得した場合に、DC/DCコンバータ40の補機負荷側の端子電圧VCを取得する。この端子電圧VCが所定の閾値θ1を超えていれば、制御部82は、DC/DCコンバータ40の駆動を禁止する制御信号DCactをDC/DCコンバータ40に対して出力する。その後、制御部82は、車両搭載システムを起動し、再び端子電圧VCを取得する。このとき、端子電圧VCが補機バッテリ50の開放電圧に基づいて決定される第2閾値以下であれば、制御部82は、DC/DCコンバータ40の駆動を許可する制御信号DCactをDC/DCコンバータ40に対して出力する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電圧変換器制御装置に関する。
駆動源として回転電機を備えるハイブリッド自動車及び電気自動車などの車両は、一般に、回転電機を駆動するための高圧電源からの電圧レベルを、より低い電圧レベルに変換して補機負荷(制御装置や空調機器など)及び補機バッテリに供給するDC/DCコンバータを備える。
このようなDC/DCコンバータは、通常、その内部回路及びDC/DCコンバータに接続される機器を保護するため、DC/DCコンバータの補機負荷側の端子電圧が所定の閾値以上となった場合(過電圧となった場合)に、その動作を停止するよう設計される。
また、車両に搭載されるDC/DCコンバータにおける異常を判定する技術として、例えば、特許文献1に、車両に搭載されるシステム回路が備える電圧変換器の故障を判定する状態判定システムが開示されている。特許文献1に記載のシステム回路は、高圧側バッテリと、低圧側の補機バッテリと、高圧側バッテリの電圧をより低い電圧に変換して補機バッテリに出力する機能を有し、この機能が異常である場合に異常信号を出力するDC/DCコンバータと、を含む。特許文献1に記載の状態判定システムは、さらに、DC/DCコンバータと補機バッテリとの間の接続を開閉可能なスイッチを備え、DC/DCコンバータから異常信号を取得した場合に、DC/DCコンバータと補機バッテリとの間の接続を当該スイッチにより遮断し、接続の遮断の前後の補機バッテリの端子電圧の変化を観測することで、DC/DCコンバータが出力した異常信号の信頼性を確認する。
特開2006−304551号公報
ところで、補機バッテリの充電が不十分であるため車両を始動させることができない場合に、他の車両に搭載されるバッテリなどの外部のバッテリから補機バッテリに電力を供給することで、この車両を始動させる場合がある。このように、外部のバッテリからの補機バッテリへの電力供給によって車両を始動させることを、以下、「ジャンピングスタート」又は「ジャンピング」と呼ぶ。
ジャンピングスタートを行った場合、例えば電力供給源として用いた他の車両のバッテリなどの電圧規格が自車両の補機バッテリの電圧規格と異なるなどの要因から、車両始動時にDC/DCコンバータの補機負荷側の端子電圧が過電圧になることがある。補機負荷側の端子電圧が過電圧となった場合にその動作を停止するよう設計されている上述のようなDC/DCコンバータが車両に搭載されている場合、ジャンピングスタートによりDC/DCコンバータの補機負荷側の端子電圧が過電圧になると、DC/DCコンバータは停止し、その後の車両走行中もDC/DCコンバータは停止した状態のままになる。車両走行中にDC/DCコンバータが停止していると、補機バッテリに電力が供給されることはなく、補機バッテリの充電は行われない。
したがって、ジャンピングスタート時にDC/DCコンバータの補機負荷側の端子電圧が過電圧となってDC/DCコンバータが停止すると、その後の車両走行中に補機バッテリの起電力が低下する場合がある。補機バッテリの起電力が低下すると、補機バッテリから電力供給を受ける制御装置及び空調機器などの補機負荷の正常な動作は保証されない。
本発明に係る電圧変換器制御装置は、車両の始動に用いられる低圧電源と当該低圧電源よりも高電圧の電力を供給する高圧電源とに接続される電圧変換器、を制御する電圧変換器制御装置であって、前記車両の始動を指示する信号を取得した場合に、前記電圧変換器における前記低圧電源側の接続端子の端子電圧を取得し、取得した端子電圧が所定の第1閾値を超えていれば、前記電圧変換器の動作を停止させる停止制御部と、前記停止制御部が前記電圧変換器の動作を停止させた場合に、前記端子電圧を再び取得し、取得した端子電圧が前記低圧電源の開放電圧に基づいて決定される第2閾値以下であれば、前記電圧変換器を起動させる起動制御部と、を備えることを特徴とする。
本発明の1つの態様の電圧変換器制御装置は、さらに、前記車両の速度を取得し、取得した速度に基づいて前記車両が停止しているか否かを判定する車両停止判定部と、前記起動制御部が前記電圧変換器を起動させた場合であって、前記車両停止判定部において前記車両が停止していないと判定された場合に、前記低圧電源と異なる電源を用いて前記車両の始動が行われたと判断する車両始動状態判断部と、を備える。
本発明の他の1つの態様の電圧変換器制御装置は、さらに、前記起動制御部が取得した前記端子電圧が前記第2閾値を超えている場合であって、前記車両停止判定部において前記車両が停止していないと判定された場合に、前記電圧変換器及び前記電圧変換器に接続される機器の少なくともいずれかにおいて異常が発生していると判断する異常判断部、を備える。
本発明の他の1つの態様の電圧変換器制御装置は、さらに、前記停止制御部が前記電圧変換器の動作を停止させた場合に、前記車両の始動時に前記端子電圧が前記第1閾値を超えていたことを示す仮異常情報を記憶部に記憶させ、前記低圧電源と異なる電源を用いて前記車両の始動が行われたと前記車両始動状態判断部が判断した場合、又は、前記電圧変換器及び前記電圧変換器に接続される機器の少なくともいずれかにおいて異常が発生していると前記異常判断部が判断した場合に、前記仮異常情報を前記記憶部から削除し、前記車両の始動を指示する信号を次に取得したときに前記停止制御部が取得した前記端子電圧が前記第1閾値以下である場合であって、前記記憶部に前記仮異常情報が記憶されている場合に、前回の前記車両の始動が前記低圧電源と異なる電源を用いて行われたと判断する。
本発明によると、電圧変換器の内部回路を保護した上で、電圧変換器による電力供給を適切に行うことができる。
図1は、本発明の1つの実施形態の電圧変換器制御装置を含む車両搭載システムの構成例を示すブロック図である。図1に例示するシステムは、モータ10、インバータ20、バッテリ30、DC/DCコンバータ40、補機バッテリ50、及び補機負荷60を含む。
モータ10は、例えば、ハイブリッド自動車又は電気自動車の駆動用モータである。また、モータ10は、ハイブリッド自動車のエンジンに連結され、エンジンの回転力によって発電する発電機又はエンジンの始動を行うことのできる電動機として機能するモータであってもよい。
インバータ20は、直流電源であるバッテリ30と接続され、バッテリ30から供給された直流電圧を交流電圧に変換してモータ10を駆動する。バッテリ30とインバータ20との間には、メインリレー70a,70bが設けられる。車両搭載システムの作動中は、メインリレー70a,70bは閉じられ、インバータ20はバッテリ30から電圧供給を受ける。車両搭載システムの作動停止中は、メインリレー70a,70bは開かれ、バッテリ30とインバータ20との間の接続は遮断される。
DC/DCコンバータ40は、バッテリ30及び補機バッテリ50に接続される電圧変換器である。DC/DCコンバータ40は、バッテリ30からの直流電圧の電圧値(通常、100V以上)を約12V〜約14Vの電圧に変換し、変換後の直流電圧を補機バッテリ50に対して供給する。DC/DCコンバータ40は、ECU80からの制御信号DCactに従って、その動作を開始したり、停止したりする。
本実施形態では、制御信号DCactは、ONレベル及びOFFレベルの2つの異なる値をとり得る論理信号である。ONレベルの制御信号DCactは、DC/DCコンバータ40の駆動の許可を表し、OFFレベルの制御信号DCactは、DC/DCコンバータ40の駆動の禁止を表す。DC/DCコンバータ40は、ONレベルの制御信号DCactをECU80から受け取ると、その動作を開始する。また、OFFレベルの制御信号DCactをECU80から受け取ると、DC/DCコンバータ40は、動作中であればその動作を停止し、停止中であれば停止状態を維持する。OFFレベルの制御信号DCactを受け取ると、その後、ONレベルの制御信号DCactを受け取るまで、DC/DCコンバータ40は停止状態となる。
補機バッテリ50は、バッテリ30よりも低い値の電圧を出力する二次電池である。補機バッテリ50の出力電圧は、通常、約13Vである。補機バッテリ50は、車両に搭載される制御装置及び空調機器などの補機負荷60と接続され、補機負荷60に対して電力を供給する。
ECU80は、車両に搭載され、車両及び車両搭載システムの動作を制御する制御装置である。ECU80はマイクロコンピュータなどを用いて実現できる。ECU80の機能の一部が、本発明の1つの実施形態の電圧変換器制御装置として機能する。ECU80は、制御部82及び記憶部84を備える。
制御部82は、例えば、イグニッションのオン又はオフを表すイグニッション信号IGに従って、車両搭載システムの起動又は停止を制御する。また、制御部82は、DC/DCコンバータ40の補機負荷側の端子電圧VC(以下、「補機電圧VC」と呼ぶ)に応じて、DC/DCコンバータ40の動作の許可又は禁止を表す制御信号DCactを生成する。この制御信号DCactをDC/DCコンバータ40に対して出力することで、制御部82は、DC/DCコンバータ40の動作を制御する。また、制御部82は、車両が停止しているか否かの判定結果をさらに用いて制御信号DCactを生成する場合もある。車両が停止しているか否かの判定は、図示しない車速センサから得られる車速V、パーキングブレーキのオン又はオフを示す信号PKB、及び車両のシフト位置を表す信号SPの少なくともいずれかを用いて行われる。制御部82の処理の詳細は後述する。
記憶部84は、制御部82が行う処理の手順を記述したプログラムや、制御部82が行う処理において必要な数値などの情報を記憶する記憶装置である。
以下、図2から図4を参照し、ECU80において行われる処理の手順の一例を説明する。
まず、ECU80の制御部82は、ユーザがイグニッションをオンにしたことを示すイグニッション信号IGを取得すると、図2に例示する手順の処理を開始する。
図2を参照し、ステップS10で、制御部82は、補機電圧VCを取得し、補機電圧VCが閾値θ1を超えているか否かを判定する。この閾値θ1は、例えば、車両のジャンピングスタートにおいて一般的に用いられるオルタネータの通常の出力値(約15V)よりも大きな値に設定されて予め記憶部84に記憶される。
ステップS10で補機電圧VCが閾値θ1を超えていると判定されると、処理はステップS12に進む。ステップS12で、制御部82は、OFFレベル制御信号DCact(DC/DCコンバータ40の駆動禁止)を生成し、生成した制御信号DCactをDC/DCコンバータ40に対して出力する。
ステップS12の後、ステップS14で、制御部82は、記憶部84において仮異常フラグをONに設定する。仮異常フラグは、車両の始動時に補機電圧VCが閾値θ1以上であったか否かを記憶しておくフラグである。ONに設定された仮異常フラグは、ジャンピングスタートにより車両の始動が行われた可能性がある旨を示すと捉えることができる。ステップS14で仮異常フラグをONに設定した後、処理はステップS24に進む。
ステップS24では、制御部82は、車両搭載システムを起動する処理を行う。システム起動処理では、ハイブリッド車などにおける一般的な駆動開始処理が行われる。例えば、メインリレー70a,70bを閉じてインバータ20及びモータ10の駆動を開始したり、車両のエンジンを始動したりする処理が行われる。
ステップS10で補機電圧VCが閾値θ1以下であると判定されると、ステップS16に進み、制御部82は、ONレベルの制御信号DCact(DC/DCコンバータ40の駆動許可)を生成し、生成した制御信号DCactをDC/DCコンバータ40に対して出力する。このONレベルの制御信号DCactを受け取ると、DC/DCコンバータ40は、その動作を開始する。
ステップS16の後、ステップS18で、制御部82は、記憶部84を参照し、仮異常フラグがONに設定されているか否かを判定する。仮異常フラグがONに設定されていれば、ステップS20,S22の処理を行った上でシステム起動処理(ステップS24)に進み、仮異常フラグがONに設定されていなければ、ステップS20,S22の処理を行わずにシステム起動処理(ステップS24)に進む。
ステップS20では、制御部82は、前回の車両始動時にジャンピングスタートによる始動が行われたと判断し、その旨を表す情報を記憶部84に記憶させる。ステップS20が実行されるのは、前回の車両の始動時に、補機電圧VCが閾値θ1を超えていて仮異常フラグがONに設定され、その始動後の処理(図3及び図4を参照して以下で説明)において仮異常フラグがOFFに設定されることなくシステムが停止した場合であって、今回の車両始動時には補機電圧VCが閾値θ1以下である場合である。このような場合、制御部82は、前回の車両始動時の補機電圧VCの過電圧状態は、DC/DCコンバータ40及びこれに接続される機器の異常によるものではなく、ジャンピングスタートおける外部バッテリとの接続によるものであったと判断する。
ステップS20の後、ステップS22で、制御部82は、記憶部84において仮異常フラグの値をOFFに設定し、ステップS24のシステム起動処理を行う。
以上、図2に例示する手順の処理では、イグニッションがオンにされた後の補機電圧VCが閾値θ1を超えていれば仮異常フラグの値はONとなり、補機電圧VCが閾値θ1以下であれば仮異常フラグの値はOFFとなる。
ステップS24のシステム起動処理が終了すると、処理は、図3のステップS26に進む。
図3を参照し、ステップS26で、制御部82は、記憶部84に記憶された仮異常フラグの値がONに設定されているか否かを判定する。ONに設定されていればステップS28へ進み、OFFに設定されていれば、図4のステップS50に進む。図4の処理手順については後述する。
ステップS28で、制御部82は、補機電圧VCを再び取得し、閾値θ2以下であるか否かを判定する。ここで、閾値θ2は、例えば、補機バッテリ50として一般的に用いられるバッテリの開放電圧(約13V)よりも小さな値に設定される。
ステップS28で補機電圧VCが閾値θ2以下であると判定されると、ステップS30に進み、制御部82は、DC/DCコンバータ40の駆動を許可するONレベルの制御信号DCactを生成し、DC/DCコンバータ40に対して出力する。この制御信号DCactを受け取ったDC/DCコンバータ40は、その動作を開始する。
次に、ステップS32で、制御部82は、車両が停止しているか否かを判定する。例えば、車速Vが所定の閾値(例えば、約2〜3km/時)以下である場合に車両は停止していると判定し、閾値を超えている場合に車両は停止していない(走行中である)と判定する。さらに、パーキングブレーキPKB及びシフト位置SPの少なくともいずれかを考慮して判定してもよい。例えば、車速Vが所定の閾値以下であり、かつ、パーキングブレーキPKBがONである場合に車両が停止していると判定する。また例えば、車速Vが所定の閾値以下であり、かつ、シフト位置SPがパーキング又はニュートラルである場合に車両が停止していると判定する。あるいは、車速V、パーキングブレーキPKB、及びシフト位置SPについて例示した上記の条件のすべてを満たす場合に車両が停止していると判定してもよい。
ステップS32で車両が停止していないと判定されると、ステップS34で、制御部82は、今回の車両の始動がジャンピングによるものであると判断した旨を表す情報を記憶部84に記憶させる。ステップS34の処理が実行されるのは、車両の始動時には補機電圧VCが閾値θ1を超えていたが、システム起動後に補機電圧VCが閾値θ2以下に低下し、さらに、車両が走行している場合である。このような場合、制御部82は、車両始動時の補機電圧VCの過電圧状態(図2のステップS10)は、DC/DCコンバータ40を含む車両搭載システムの異常によるものではなく、ジャンピングスタートにおける外部バッテリとの接続によるものであると判断する。
ステップS34の後、ステップS36で、制御部82は、記憶部84において仮異常フラグの値をOFFに設定し、処理は、図4のステップS50に進む。
ステップS32で、車両が停止していると判定されると、ステップS38で、システムが停止されるか否かを判定する。ステップS38では、イグニッションのオフを示すイグニッション信号IGを取得していれば、処理を終了する。ステップS38で、イグニッションのオフを示すイグニッション信号IGを取得しなかった場合、処理はステップS38からステップS32に戻り、ステップS32以下の処理が繰り返される。
ステップS38の判定でYESに進んで処理を終了すると、記憶部84に記憶された仮異常フラグの値がONに設定された状態でシステムは停止する。この場合に、次回の車両の始動時に図2の例の処理が実行され、補機電圧VCが閾値θ1以下であると、仮異常フラグはONであることから、(ステップS10及びS18でYESに進んで)図2のステップS20の処理が行われ、今回の車両始動時の補機電圧VCの過電圧はジャンピングスタートによるものであったと判断される。
以上、図3のステップS28で、補機電圧VCが閾値θ2以下であると判定された場合の制御部82の処理について説明した。
ステップS28の判定において、補機電圧VCが閾値θ2を超えていると判定された場合、処理は、ステップS40に進む。ステップS40では、制御部82は、ステップS32と同様の判定処理により、車両が停止しているか否かを判定する。
ステップS40で車両が停止していると判定されると、ステップS48に進んでシステムが停止されるか否かを判定する。ステップS48では、ステップS38の判定処理と同様に、イグニッションのオフを示すイグニッション信号IGを取得しているか否かを判定し、取得していれば、処理を終了する。イグニッションのオフを示すイグニッション信号IGを取得していなければ、処理はステップS48からステップS28に戻り、ステップS28以下の処理が繰り返される。
ステップS48の判定でYESに進んで処理を終了すると、記憶部84に記憶された仮異常フラグの値がONに設定された状態でシステムは停止する。この場合も、上述のステップS38の判定でYESに進んだ場合と同様に、次回の車両の始動時に図2のステップS20において、今回の車両始動時の補機電圧VCの過電圧はジャンピングスタートによるものであったと判断される。
ステップS40で車両が停止していないと判定されると、ステップS42に進み、制御部82は、DC/DCコンバータ40を含む車両搭載システムに何らかの異常が発生していると判断し、その旨を記憶部84に記憶させる。ステップS40が実行されるのは、補機電圧VCが車両の始動時に過電圧であり(図2のステップS10)、かつ、システムの起動後も補機電圧VCが過電圧状態のまま車両が走行している(ステップS28及びステップS40のいずれもNO判定)場合である。よって、制御部82は、ステップS40で、車両搭載システムにおいて何らかの異常が発生していることから補機電圧VCの過電圧状態が生じていると判断する。
ステップS42の後、ステップS44で、制御部82は、記憶部84において仮異常フラグの値をOFFに設定する。次に、ステップS46において、ステップS38,S48と同様の判定処理により、システムが停止されるか否かを判定し、システムが停止されると判定した場合は処理を終了する。システムが停止されないと判定した場合は、さらにステップS46の判定を繰り返す。
以下、図4を参照し、図3のステップS26においてNO判定された場合、又は、ステップS36の処理が終了した場合にECU80において行われる処理の手順の例を説明する。図4に例示する手順の処理は、DC/DCコンバータ40の駆動を許可(図2のステップS16又は図3のステップS30)した後の補機電圧VCの値を監視して車両搭載システムにおける異常の有無を判定する処理である。
図4のステップS50で、制御部82は、補機電圧VCを取得し、取得した補機電圧VCが閾値θ2以下であるか否かを判定する。ステップS50の判定で用いられる閾値θ2は、図3のステップS28の判定で用いられる閾値θ2と同じ値であってよい。
ステップS50で補機電圧VCが閾値θ2以下であると判定されると、処理はステップS56に進み、システムが停止されるか否かの判定が行われる。ステップS56の判定は、図3のステップS38,S46,S48のシステム停止判定処理と同様の処理により行われる。ステップS56で、システムが停止されると判定すると、制御部82は処理を終了し、システムが停止されないと判定すると、処理はステップS50に戻り、ステップS50以下の処理が繰り返される。
ステップS50で補機電圧VCが閾値θ2を超えていると判定されると、ステップS52で、制御部82は、DC/DCコンバータ40の駆動を禁止するOFFレベルの制御信号DCactを生成し、DC/DCコンバータ40に対して出力する。この制御信号DCactを受け取ったDC/DCコンバータ40は、その動作を停止する。
ステップS52の後、ステップS54で、制御部82は、車両搭載システムに何らかの異常が発生していると判断し、その旨を記憶部84に記憶させる。その後、処理はステップS56のシステム停止判定に進む。
以上、図2から図4を参照して説明した実施形態の処理の例では、車両の始動時に、補機電圧VCが閾値θ1を超えていることからDC/DCコンバータ40の駆動が禁止された場合(図2のステップS10,S12)であっても、システムの起動後に補機電圧VCが閾値θ2以下まで低下していれば、DC/DCコンバータ40は駆動される(図3のステップS28,S30)。車両搭載システムが正常である場合、一般に、ジャンピングスタートによって補機電圧が過電圧となっても、車両が始動されて外部バッテリと補機バッテリ50とを接続するブースタケーブルが外されると、補機電圧VCは低下する。したがって、本実施形態によると、ジャンピングスタートによる補機電圧の過電圧状態が検出されてDC/DCコンバータ40の駆動が禁止されても、システム起動後の補機電圧の低下により、図3のステップS28,S30の処理でDC/DCコンバータ40は駆動される。よって、本実施形態によると、ジャンピングスタート後の車両走行中、DC/DCコンバータ40が駆動されて補機バッテリに対する充電が行われる。
車両搭載システムの概略構成例を示すブロック図である。 ECUにおいて行われる処理の手順の一部を例示するフローチャートである。 ECUにおいて行われる処理の手順の一部を例示するフローチャートである。 ECUにおいて行われる処理の手順の一部を例示するフローチャートである。
符号の説明
10 モータ、20 インバータ、30 バッテリ、40 DC/DCコンバータ、50 補機バッテリ、60 補機負荷、70a,70b メインリレー、80 ECU、82 制御部、84 記憶部。

Claims (4)

  1. 車両の始動に用いられる低圧電源と当該低圧電源よりも高電圧の電力を供給する高圧電源とに接続される電圧変換器、を制御する電圧変換器制御装置であって、
    前記車両の始動を指示する信号を取得した場合に、前記電圧変換器における前記低圧電源側の接続端子の端子電圧を取得し、取得した端子電圧が所定の第1閾値を超えていれば、前記電圧変換器の動作を停止させる停止制御部と、
    前記停止制御部が前記電圧変換器の動作を停止させた場合に、前記端子電圧を再び取得し、取得した端子電圧が前記低圧電源の開放電圧に基づいて決定される第2閾値以下であれば、前記電圧変換器を起動させる起動制御部と、
    を備えることを特徴とする電圧変換器制御装置。
  2. 請求項1に記載の電圧変換器制御装置において、さらに、
    前記車両の速度を取得し、取得した速度に基づいて前記車両が停止しているか否かを判定する車両停止判定部と、
    前記起動制御部が前記電圧変換器を起動させた場合であって、前記車両停止判定部において前記車両が停止していないと判定された場合に、前記低圧電源と異なる電源を用いて前記車両の始動が行われたと判断する車両始動状態判断部と、
    を備えることを特徴とする電圧変換器制御装置。
  3. 請求項2に記載の電圧変換器制御装置において、さらに、
    前記起動制御部が取得した前記端子電圧が前記第2閾値を超えている場合であって、前記車両停止判定部において前記車両が停止していないと判定された場合に、前記電圧変換器及び前記電圧変換器に接続される機器の少なくともいずれかにおいて異常が発生していると判断する異常判断部、
    を備えることを特徴とする電圧変換器制御装置。
  4. 請求項3に記載の電圧変換器制御装置において、さらに、
    前記停止制御部が前記電圧変換器の動作を停止させた場合に、前記車両の始動時に前記端子電圧が前記第1閾値を超えていたことを示す仮異常情報を記憶部に記憶させ、
    前記低圧電源と異なる電源を用いて前記車両の始動が行われたと前記車両始動状態判断部が判断した場合、又は、前記電圧変換器及び前記電圧変換器に接続される機器の少なくともいずれかにおいて異常が発生していると前記異常判断部が判断した場合に、前記仮異常情報を前記記憶部から削除し、
    前記車両の始動を指示する信号を次に取得したときに前記停止制御部が取得した前記端子電圧が前記第1閾値以下である場合であって、前記記憶部に前記仮異常情報が記憶されている場合に、前回の前記車両の始動が前記低圧電源と異なる電源を用いて行われたと判断することを特徴とする電圧変換器制御装置。
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