JP2009186248A - 分析用デバイスとこれを使用する分析装置および分析方法 - Google Patents

分析用デバイスとこれを使用する分析装置および分析方法 Download PDF

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Abstract

【課題】微量な試料液で測定ができ、容易に小型化できる攪拌機構を有する分析用デバイスを提供することを目的とする。
【解決手段】遠心力の働く方向に伸長して測定セル(40a)を形成したため、分析用デバイスの小型化を実現できる。さらに、測定セル(40a)の回転方向に位置する側壁に、外周位置から内周方向に伸長するように毛細管エリア(47a)を形成したため、回転を減速または停止させて測定セル(40a)の試料液を、毛細管エリア(47a)に吸い上げてから、回転を加速させて毛細管エリア(47a)の試料液を、測定セル(40a)に戻すことによって、十分な攪拌効果を得ることができ、微量な試料液で測定ができる。
【選択図】図19

Description

本発明は、生物などから採取した液体の分析に使用する分析用デバイスと、これを使用する分析装置および分析方法に関するものであり、より詳細には、分析用デバイス内の測定セルにおける試料液と試薬の攪拌技術に関する。
従来、生物などから採取した液体を分析する方法として、液体流路を形成した分析用デバイスを用いて分析する方法が知られている。分析用デバイスは、回転装置を使って流体の制御をすることが可能であり、遠心力を利用して、試料液の希釈、溶液の計量、固体成分の分離、分離された流体の移送分配、溶液と試薬の混合等を行うことができるため、種々の生物化学的な分析を行うことが可能である。
遠心力を利用して溶液を移送する特許文献1に記載の分析用デバイスは、図24(a)(b)に示すように注入口116からピペットなどの挿入器具によって試料液を流入路114へ注入し、分析用デバイスの回転によって、試料液を測定セル115へ移送し、回転の減速または停止によって試料液を流路117に働く毛細管力によって吸い上げ、再び回転を加速させることで試料液を測定セル115に戻して試料液と試薬の攪拌ができるように構成されている。
また、試料液の分析方法としては、例えば試料液と試薬を反応させたときの反応液を、光学的手法により分析する方法がある。1種類の試料液を用いて複数項目を分析できるように、あるいは複数種類の試料液について同一項目を分析できるように、複数の流路を備えたものがある。具体的には、図25は特許文献2に見られる分析用デバイスを示している。
これは、分析用デバイスの受液部118に注入された試料液123を、前記分析容器の流路119を介して前記分析容器の反応室119Bへ遠心力、毛細管現象で移送し、反応室119Bにおいて、反応室119Bにセットされていた試薬122と試料液123とを反応させ反応室119Bの混合液に光学的にアクセスして前記混合液の呈色反応を読み取るように構成されている。
この分析用デバイスは、流路119と反応室119B等を形成する各種の凹部が上面に形成されたベース120(図26(a)参照)と、このベース120の上面に接着層で接着されるカバー121とで構成されており、反応室119Bへの試薬122の担持は、カバー121をベース120の上面に接着する前に、反応室119Bに液体状の試薬を必要量だけ滴下し、自然乾燥または凍結乾燥した後に、ベース120とカバー121とを接着層で接着することで完成する。
特開2006−145451号公報 特開2004−150804号公報
しかしながら特許文献1では、測定セル115が遠心方向に対して直角に配置されているため、測定セル115内の試料液を光学的に測定する際に、測定セル115内を満たすための試料液が多く必要となり、試料液の微量化ができにくいという課題を有している。
また、試料液と試薬を攪拌するための流入路114、測定セル115、流路117で構成される攪拌機構の構成がU字形状であるため、流入路114と流路117の間に形成されるエリアが無駄なスペースとして形成され、分析用デバイスの小型化に適さないという課題を有している。
さらに、特許文献2では、反応室119Bの凹部に試薬122を担持しているが、この構成では、図26(a)に示すように反応室119Bに滴下された試薬122は、その直後または乾燥工程中に、図26(b)に示すように試薬122が反応室119Bの凹部の壁面に付着し、反応室119Bの凹部の壁面の試薬濃度が高い状態で乾燥してしまう恐れがある。
この状態で試料液123が反応室119Bに移送されてくると、反応室119Bの凹部の壁面に偏った試薬が非常に溶けにくくなり、均一な呈色反応が起こらない可能性があり、その結果、測定結果のばらつきのおおきな要因となり得る。反応室119Bの面積を、試薬122の滴下量より十分広く取ることで反応室119Bの凹部への接触は抑えられるが、それにより、分析用デバイスの巨大化、および分析に必要とする試料液の液量の増大が発生する。
さらに、この流路構成においては、試料液123が反応室119Bを完全に満たしてしまうため、試料液123の流動性が低く、試薬の溶解に時間を要してしまい、さらにはその溶解した試薬が反応室119Bの一面に均一に広がるのに多大な時間を要して、測定時間の肥大化、および測定結果のばらつきが大きくなるという問題がある。
本発明は、従来の課題を解決するもので、微量な試料液で測定ができ、且つ容易に小型化できる攪拌機構を有する分析用デバイスと、これを使用する分析装置および分析方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1記載の分析用デバイスは、試料液を遠心力によって測定セルに向かって移送するマイクロチャネル構造を有し、前記測定セルにおける前記試料液と試薬との反応液にアクセスする読み取りに使用される分析用デバイスであって、前記遠心力の働く方向に伸長して前記測定セルが形成され、前記測定セルの内部に前記測定セルの外周位置から内周方向に伸長するように形成された毛細管エリアが形成され、前記毛細管エリアの前記外周位置の側の一端が前記測定セルの回転方向に位置する側壁に接続され、前記毛細管エリアの前記外周位置の側の一端から前記内周方向に伸長する一端の少なくとも一部のエリアが前記測定セルの回転方向に位置する側壁から離間して形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項2記載の分析用デバイスは、請求項1において、前記毛細管エリアが、前記測定セルに保持される試料液を全て収容できる容量を有することを特徴とする。
本発明の請求項3記載の分析用デバイスは、請求項1において、前記試薬を、前記毛細管エリアのうちの回転方向に位置する側壁から離間して形成されているエリアに担持させたことを特徴とする。
本発明の請求項4記載の分析用デバイスは、請求項1において、前記測定セルが周方向に複数配置されていることを特徴とする。
本発明の請求項5記載の分析用デバイスは、請求項4において、前記複数の測定セルが同一半径上に配置されていることを特徴とする。
本発明の請求項6記載の分析用デバイスは、請求項1において、前記毛細管エリアに2個以上の複数の試薬を担持する場合、粘性が高い試薬を粘性が低い試薬よりも前記外周位置に担持したことを特徴とする。
本発明の請求項7記載の分析装置は、請求項1に記載の分析用デバイスがセットされる分析装置であって、前記分析用デバイスを軸心周りに回転させる回転駆動手段と、前記回転駆動手段の回転によって前記分析用デバイスの測定セルへ移送させる制御手段と、試薬と前記回転駆動手段の前記回転によって前記分析用デバイスの測定セルに移送された試料液との反応液にアクセスして分析する分析手段とを設け、前記制御手段を、前記試料液を前記回転駆動手段の回転によって前記分析用デバイスの測定セルへ移送した後に、分析用デバイスに前記軸心周りの振動を与えながら前記測定セルの前記試料液を、前記毛細管エリアに吸い上げてから、分析用デバイスの前記回転を加速させて前記毛細管エリアに吸い上げられていた前記試料液を前記測定セルに戻して攪拌するように構成したことを特徴とする。
本発明の請求項8記載の分析方法は、請求項1に記載の分析用デバイスを用いた分析方法であって、試料液を、前記分析用デバイスを回転させて発生する遠心力によって前記分析用デバイスの測定セルへ移送する第1ステップと、分析用デバイスを所定の停止位置で回転軸心を中心に左右に往復運動をさせて分析用デバイスを揺動させることによって振動させて、前記測定セルに移送された試料液を、前記測定セル毛細管エリアに毛細管力によって吸い上げてから、分析用デバイスの前記回転を加速させて前記毛細管エリアに吸い上げられていた前記試料液を前記測定セルに戻して攪拌する第2ステップと、前記分析用デバイスを回転させて読み取り位置に前記測定セルが位置するタイミングに前記測定セルの前記試料液と試薬との反応液にアクセスして読み取る第3ステップとを有することを特徴とする。
本発明の請求項9記載の分析方法は、請求項8において、第2ステップでは、前記毛細管力によって試料液を吸い上げる工程と、前記遠心力によって毛細管エリア内の試料液を外周方向に移送する工程を繰り返し行うことを特徴とする。
この構成によれば、微量な試料液で測定ができ、且つ容易に小型化できる攪拌機構を実現できる。
本発明の分析用デバイスの各実施の形態を図1〜図23に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1〜図20は本発明の実施の形態1を示す。
図1(a)(b)は分析用デバイス1の保護キャップ2を閉じた状態と開いた状態を示している。図2は図1(a)における下側を上に向けた状態で分解した状態を示し、図3はその組立図を示している。
図1と図2に示すようにこの分析用デバイス1は、微細な凹凸形状を表面に有するマイクロチャネル構造が片面に形成されたベース基板3と、ベース基板3の表面を覆うカバー基板4と、希釈液を保持している希釈液容器5と、試料液飛散防止用の保護キャップ2とを合わせた4つの部品で構成されている。
ベース基板3とカバー基板4は、希釈液容器5などを内部にセットした状態で接合され、この接合されたものに保護キャップ2が取り付けられている。
ベース基板3の上面に形成されている数個の凹部の開口をカバー基板4で覆うことによって、後述の複数の収容エリア(後述の測定セルと同じ)とその収容エリアの間を接続するマイクロチャネル構造の流路などが形成されている。収容エリアのうちの必要なものには各種の分析に必要な試薬が予め担持されている。保護キャップ2の片側は、ベース基板3とカバー基板4に形成された軸6a,6bに係合して開閉できるように枢支されている。検査しようとする試料液が血液の場合、毛細管力の作用する前記マイクロチャネル構造の各流路の隙間は、50μm〜300μmに設定されている。
この分析用デバイス1を使用した分析工程の概要は、希釈液が予めセットされた分析用デバイス1に試料液を点着し、この試料液の少なくとも一部を前記希釈液で希釈した後に測定しようとするものである。
図4は希釈液容器5の形状を示している。
図4(a)は平面図、図4(b)は図4(a)のA−A断面図、図4(c)は側面図、図4(d)は背面図、図4(e)は開口部7から見た正面図である。この開口部7は希釈液容器5の内部5aに、図6(a)に示すように希釈液8を充填した後にシール部材としてのアルミシール9によって密封されている。希釈液容器5の開口部7とは反対側には、ラッチ部10が形成されている。この希釈液容器5は、ベース基板3とカバー基板4の間に形成され希釈液容器収容部11にセットされて図6(a)に示す液保持位置と、図6(c)に示す液放出位置とに移動自在に収容されている。
図5は保護キャップ2の形状を示している。
図5(a)は平面図、図5(b)は図5(a)のB−B断面図、図5(c)は側面図、図5(d)は背面図、図5(e)は開口2aから見た正面図である。保護キャップ2の内側には、図1(a)に示した閉塞状態で図6(a)に示すように、希釈液容器5のラッチ部10が係合可能な係止用溝12が形成されている。
この図6(a)は使用前の分析用デバイス1を示す。この状態では保護キャップ2が閉塞されており、保護キャップ2の係止用溝12に希釈液容器5のラッチ部10が係合して希釈液容器5が矢印J方向に移動しないように液保持位置に係止されている。この状態で利用者に供給される。
試料液の点着に際して保護キャップ2が図6(a)でのラッチ部10との係合に抗して図1(b)に示したように開かれると、保護キャップ2の係止用溝12が形成されている底部2bが弾性変形して図6(b)に示すように保護キャップ2の係止用溝12と希釈液容器5のラッチ部10との係合が解除される。
この状態で、分析用デバイス1の露出した注入口13に試料液を点着して保護キャップ2を閉じる。この際、保護キャップ2を閉じることによって、係止用溝12を形成していた壁面12aが、希釈液容器5のラッチ部10の保護キャップ2の側の面5bに当接して、希釈液容器5を前記矢印J方向(液放出位置に近づく方向)に押し込む。希釈液容器収容部11には、ベース基板3の側から突出部としての開封リブ14が形成されており、希釈液容器5が保護キャップ2によって押し込まれると、希釈液容器5の斜めに傾斜した開口部7のシール面に張られていたアルミシール9が図6(c)に示すように開封リブ14に衝突して破られる。
なお、図7は分析用デバイス1を図6(a)に示した出荷状態にセットする製造工程を示している。先ず、保護キャップ2を閉じる前に、希釈液容器5の下面に設けた溝42(図2と図4(d)参照)と、カバー基板4に設けた孔43とを位置合わせして、この液保持位置において孔43を通して希釈液容器5の溝42に、ベース基板3またはカバー基板4とは別に設けられた係止治具44の突起44aを係合させて、希釈液容器5を液保持位置に係止した状態にセットする。そして、保護キャップ2の上面に形成されている切り欠き45(図1参照)から、押圧治具46を差し入れて保護キャップ2の底面を押圧して弾性変形させた状態で保護キャップ2を閉じてから押圧治具46を解除することによって、図6(a)の状態にセットできる。
なお、この実施の形態では希釈液容器5の下面に溝42を設けた場合を例に挙げて説明したが、希釈液容器5の上面に溝42を設け、この溝42に対応してベース基板3に孔43を設けて係止治具44の突起44aを溝42に係合させるようにも構成できる。
また、保護キャップ2の係止用溝12が希釈液容器5のラッチ部10に直接に係合して希釈液容器5を液保持位置に係止したが、保護キャップ2の係止用溝12と希釈液容器5のラッチ部10とを間接的に係合させて希釈液容器5を液保持位置に係止することもできる。
この分析用デバイス1を図8と図9に示すように、カバー基板4を下側にして分析装置100のロータ101にセットすることで、試料液の成分分析を行うことができる。
ロータ101の上面には溝102が形成されており、分析用デバイス1をロータ101にセットした状態では分析用デバイス1のカバー基板4に形成された回転支持部15と保護キャップ2に形成された回転支持部16が溝102に係合してこれを収容している。
ロータ101に分析用デバイス1をセットした後に、ロータ101の回転させる前に分析装置のドア103を閉じると、セットされた分析用デバイス1は、ドア103の側に設けられた可動片104によって、ロータ101の回転軸心上の位置がバネ105の付勢力でロータ101の側に押さえられて、分析用デバイス1は、回転駆動手段106によって回転駆動されるロータ101と一体に回転する。107はロータ101の回転中の軸心を示している。保護キャップ2は注入口13の付近に付着した試料液が、分析中に遠心力によって外部へ飛散を防止するために取り付けられている。
分析用デバイス1を構成する部品の材料としては、材料コストが安価で量産性に優れる樹脂材料が望ましい。前記分析装置100は、分析用デバイス1を透過した光を測定する光学的測定方法によって試料液の分析を行うため、ベース基板3およびカバー基板4の材料としては、PC,PMMA,AS,MSなどの透明性が高い合成樹脂が望ましい。
また、希釈液容器5の材料としては、希釈液容器5内部に希釈液8を長期間封入しておく必要があるため、PP,PEなどの水分透過率の低い結晶性の合成樹脂が望ましい。保護キャップ2の材料としては、成形性のよい材料であれば特に問題がなく、PP,PEなどの安価な樹脂が望ましい。
ベース基板3とカバー基板4との接合は、前記収容エリアに担持された試薬の反応活性に影響を与えにくい方法が望ましく、接合時に反応性のガスや溶剤が発生しにくい超音波溶着やレーザー溶着などが望ましい。
また、ベース基板3とカバー基板4との接合によって両基板3,4の間の微小な隙間による毛細管力によって溶液を移送させる部分には、毛細管力を高めるための親水処理がなされている。具体的には、親水性ポリマーや界面活性剤などを用いた親水処理が行われている。ここで、親水性とは水との接触角が90°未満のことをいい、より好ましくは接触角40°未満である。
図10は分析装置100の構成を示す。
この分析装置100は、ロータ101を回転させるための回転駆動手段106と、分析用デバイス1内の反応物にアクセスして分析する分析手段としての光学測定部108と、ロータ101の回転速度や回転方向および光学測定部108の測定タイミングなどを制御する制御手段109と、光学測定部108によって得られた信号を処理し測定結果を演算するための演算部110と、演算部110で得られた結果を表示するための表示部111とで構成されている。
回転駆動手段106は、ロータ101を介して分析用デバイス1を回転軸心107の回りに任意の方向に所定の回転速度で回転させるだけではなく、所定の停止位置で回転軸心107を中心に所定の振幅範囲、周期で左右に往復運動をさせて分析用デバイス1を揺動させることができるように構成されている。
光学測定部108には、分析用デバイス1の測定セルにレーザー光を照射するレーザー光源112aと、レーザー光源112aから照射されたレーザー光のうち、分析用デバイス1を通過した透過光の光量を検出するフォトディテクタ113aと、分析用デバイス1の測定セルとは別の測定部にレーザー光を照射するレーザー光源112bと、レーザー光源112bから照射されたレーザー光のうち、分析用デバイス1を通過した透過光の光量を検出するフォトディテクタ113bとを備えている。
分析用デバイス1をロータ101によって回転駆動して、注入口13から内部に取り込んだ試料液を、注入口13よりも内周にある前記回転軸心107を中心に分析用デバイス1を回転させて発生する遠心力と、分析用デバイス1内に設けられた毛細管流路の毛細管力を用いて、分析用デバイス1の内部で溶液を移送していくよう構成されており、分析用デバイス1のマイクロチャネル構造を分析工程とともに詳しく説明する。
図11は分析用デバイス1の注入口13の付近を示している。
図11(a)は注入口13を分析用デバイス1の外側から見た拡大図を示し、図11(b)は前記マイクロチャネル構造をロータ101の側からカバー基板4を透過して見たものである。
注入口13は、ベース基板3とカバー基板4との間に形成された微小な隙間δの毛細管力の作用する誘導部17を介して、この誘導部17と同様に毛細管力の作用する隙間で必要量の試料液18を保持できる容積の毛細管キャビティ19と接続されている。誘導部17の流れ方向と直交する断面形状(図11(b)のD−D断面)は、奥側が垂直な矩形形ではなくて、図11(c)に示すように奥端ほどカバー基板4に向かって次第に狭くなる傾斜面20で形成されている。誘導部17と毛細管キャビティ19と接続部にはベース基板3に凹部21を形成して通路の向きを変更する屈曲部22が形成されている。
誘導部17から見て毛細管キャビティ19を介してその先には、毛細管力が作用しない隙間の試料液受容キャビティ23が形成されている。毛細管キャビティ19と屈曲部22および誘導部17の一部の側方には、一端が試料液受容キャビティ23に接続され、他端が大気に開放したキャビティ24が形成されている。
このように構成したため、試料液18として血液を注入口13に点着すると、試料液18は誘導部17を介して毛細管キャビティ19まで取り込まれる。図12はこのようにして点着後の分析用デバイス1をロータ101にセットして回転させる前の状態を示している。このとき、図6(c)で説明したように希釈液容器5のアルミシール9が開封リブ14に衝突して破られている。25a〜25g,25h,25i1,25i2,25j〜25nはベース基板3に形成された空気孔である。
分析工程を、回転駆動手段106の運転を制御している制御手段109の構成と共に説明する。
− 工程1 −
検査を受ける試料液が注入口13に点着された分析用デバイス1は、図13(a)に示すように毛細管キャビティ19内に試料液を保持し、希釈液容器5のアルミシール9が破られた状態でロータ101にセットされる。
− 工程2 −
ドア103を閉じた後にロータ101を時計方向(C2方向)に回転駆動すると、保持されている試料液が屈曲部22の位置で破断し、誘導部17内の試料液は保護キャップ2内に排出され、毛細管キャビティ19内の試料液18は図13(b)に示すように試料液受容キャビティ23に流入し保持される。
希釈液容器5から流出した希釈液8は、排出流路26を介して保持キャビティ27に流入する。保持キャビティ27に流入した希釈液8が所定量を超えると、超えた希釈液8は溢流流路28を介して図13(b)に示すように混合キャビティ29に流れ込み、さらに混合キャビティ29に流入した希釈液8が所定量を超えると、超えた希釈液8は連結流路34a,34bおよび溢流流路38を介して溢流キャビティ36a,36b,36c,36dに流れ込む。溢流キャビティ36a,36b,36cに流入した希釈液8は逆流防止流路35a,35bの毛細管力によって溢流キャビティ36a,36b,36cから流出しないように保持される。
ここで、希釈液8は特定の波長域で規定の吸光度を有する溶液であり、混合キャビティ29に流入した希釈液8が混合キャビティ29に滞在している間に、希釈液8の吸光度が測定(一次測光)される。具体的には、分析用デバイス1を時計方向(C2方向)に回転駆動して、希釈液8の入った混合キャビティ29がレーザー光源112bとフォトディテクタ113bの間を通過するタイミングに、演算部110がフォトディテクタ113bの検出値を読み取る。
連結流路34aは混合キャビティ29の最外周部から内周方向に屈曲部をもつサイホン構造を有しており、連結流路34aの屈曲部を超える希釈液8が流入してくると、サイホン効果によって混合キャビティ29内の希釈液8が溢流キャビティ36a,36b,36cに排出される。また、連結流路34aのさらに内周位置に所定量を超えた希釈液を排出するための連結流路34bを設けることで、過剰な希釈液が流入した際に混合キャビティ29から試料液受容キャビティ23へ流入するのを防いでいる。
混合キャビティ29に滞在していた希釈液8は、時間の経過と共に溢流キャビティ36a,36b,36cにすべて排出されて、図14(a)に示すように試料液受容キャビティ23と、保持キャビティ27にそれぞれ所定量の試料液18と希釈液8が保持された状態になる。
なお、希釈液容器5は、アルミシール9でシールされている開口部7とは反対側の底部の形状が、図4(a)(b)に示すように円弧面32で形成され、かつ図13(b)に示す状態の希釈液容器5の液放出位置においては、図15に示すように円弧面32の中心mが回転軸心107よりも排出流路26側に近づくよう距離dだけオフセットするように形成されているため、この円弧面32に向かうように流れた希釈液8が円弧面32に沿って外側から開口部7に向かう流れ(矢印n方向)に変更されて、希釈液容器5の開口部7から効率よく希釈液容器収容部11に放出される。
− 工程3 −
次に、ロータ101の回転を停止させると、試料液18は図14(b)に示すように試料液受容キャビティ23と混合キャビティ29を連結しているサイホン形状を有する連結流路30に呼び水され、同様に、希釈液8も保持キャビティ27と混合キャビティ29を連結しているサイホン形状を有する連結流路41に呼び水される。
− 工程4 −
ロータ101を反時計方向(C1方向)に回転駆動すると、試料液受容キャビティ23の試料液18と保持キャビティ27の希釈液8は図16(a)に示すように混合キャビティ29に流入するとともに、混合キャビティ29で希釈血漿成分18aと血球成分18bとに遠心分離される。18cは希釈血漿成分18aと血球成分18bとの分離界面を表している。ここで、試料液18と希釈液8はリブ31に一旦衝突してから混合キャビティ29に流入させるので、試料液18中の血漿成分と希釈液8とを均一に攪拌できる。
そして、混合キャビティ29で遠心分離された希釈血漿成分18aの吸光度が測定(二次測光)される。具体的には、分析用デバイス1を反時計方向(C1方向)に回転駆動して、希釈血漿成分18aの入った混合キャビティ29がレーザー光源112bとフォトディテクタ113bの間を通過するタイミングに、演算部110がフォトディテクタ113bの検出値を読み取る。
ここで、この実施の形態では、試料液18である血液と希釈液8を直接に混合してから希釈血漿成分18aを抽出し、試薬と反応させて血漿成分中の特定成分を分析する構成としているが、血液中の血漿成分の割合は個人差があるため、直接に混合した際に血漿成分の希釈倍率が大きくばらつく。そのため、希釈血漿成分18aと試薬を反応させた際に反応濃度がばらついて測定精度に影響を与えてしまう。そのため、試料液18と希釈液8とを混合した時の希釈倍率のばらつきを補正するために、特定の波長域で規定の吸光度を有する希釈液を用いて、試料液との混合前後の吸光度を、混合キャビティ29の同一箇所にて測定して希釈倍率を算出しているため、測定部の光路長ばらつきを除くことができ、精度のよい希釈倍率の測定ができるとともに、測定セルにおける測定結果に対して、希釈倍率のばらつきを補正することができ測定精度が大幅に改善される。また、この補正方法は試料液18と希釈液8の液量ばらつきによる希釈倍率のばらつき補正にも有用である。
− 工程5 −
次に、ロータ101の回転を停止させると、希釈血漿成分18aは、混合キャビティ29の壁面に形成された毛細管キャビティ33に吸い上げられ、毛細管キャビティ33と連通する毛細管流路37を介して図16(b)に示すように溢流流路38,計量流路39a,39b,39c,39d,39e,39f,39gに流れて、計量流路39a〜39gに定量が保持される。
なお、図17(a)に毛細管キャビティ33とその周辺の斜視図を示す。図17(a)におけるE−E断面を図17(b)に示す。この毛細管キャビティ33とその周辺を詳しく説明する。
毛細管キャビティ33は、混合キャビティ29の底部29bから内周側に向かって形成されている。換言すると、毛細管キャビティ33の最外周の位置は、図16(a)に示す希釈血漿成分18aと血球成分18bとの分離界面18cよりも外周方向に伸長して形成されている。このように毛細管キャビティ33の外周側の位置を上記のように設定することによって、毛細管キャビティ33の外周端が、混合キャビティ29において分離された希釈血漿成分18aと血球成分18bに浸かっており、希釈血漿成分18aは血球成分18bに比べて粘度が低いため、希釈血漿成分18aの方が優先的に毛細管キャビティ33によって吸い出され、毛細管流路37と溢流流路38、計量流路39a,39b,39c,39d,39e,39f,39gを介して測定セル40a〜40f,40gに向かって希釈血漿成分18aを移送できる。
また、希釈血漿成分18aが吸い出された後、血球成分18bも希釈血漿成分18aの後を追って吸い出されるため、毛細管キャビティ33および毛細管流路37の途中までの経路を血球成分18bで置換することができ、溢流流路38および計量流路39a〜39gが希釈血漿成分18aで満たされると、毛細管流路37および毛細管キャビティ33内の液の移送も止まるため、溢流流路38および計量流路39a〜39gに血球成分18bが混入することはない。
したがって、従来の構成よりも送液ロスを最小限に抑えることができるため、測定に必要な試料液の量を低減することができる。
− 工程6 −
更に、ロータ101を反時計方向(C1方向)に回転駆動すると、図18(a)に示すように、計量流路39a〜39gに保持されていた希釈血漿成分18aは、大気と連通する大気開放キャビティ48との連結部である屈曲部49a,49b,49c,49d,49e,49f,49gの位置で破断して測定セル40a〜40f,40gに流れ込む。ここでは測定セル40a〜40fのそれぞれに同じ量の希釈血漿成分18aが流れ込む。
また、このとき溢流流路38の希釈血漿成分18aは、溢流キャビティ36dと逆流防止通路35bを介して溢流キャビティ36c,36aに流れ込む。また、このとき混合キャビティ29内の試料液は、サイホン形状の連結流路34aと溢流キャビティ36bを介して溢流キャビティ36a,36cに流れ込む。
測定セル40a〜40f,40gの形状は、遠心力の働く方向に伸長した形状で、具体的には、分析用デバイス1の回転中心から最外周に向かって分析用デバイス1の周方向の幅が細く形成されている。複数の測定セル40a〜40f,40gの外周側の底部は分析用デバイス1の同一半径上に配置されているため、複数の測定セル40a〜40f,40gを測定するのに同一波長のレーザー光源112aやそれに対応するフォトディテクタ113aを別の半径距離に複数個配置する必要が無く、装置のコストを削減できると共に、同一測定セル内に複数の異なる波長を用いて測定することもできるため、混合溶液の濃度に応じて最適な波長を選択することで測定感度を向上させることができる。
さらに、各測定セル40a,40b,40d〜40fの内部には、図18(a)(b)と図19に示すように前記測定セルの外周位置から内周方向に伸長するように毛細管エリア47a,47b,47d,47e,47fが次のように形成されている。この毛細管エリア47a〜47fの前記外周位置の側の一端S1は、前記測定セル40a〜40fの回転方向に位置する側壁に接続されている。さらに、毛細管エリア47a〜47fの内周位置の側の一端S2は、測定セル40a〜40fの回転方向に位置する側壁から離間して形成されている。図19におけるF−F断面を図20(a)に示す。図19におけるG−G断面を図20(b)に示す。毛細管エリア47b〜47fの前記一端S1も毛細管エリア47aと同じに形成されている。
測定セル40cに設けられた毛細管エリア47cは、内周位置の側の一端S2が二つに別れており、何れの一端S2も測定セル40a〜40fの回転方向に位置する側壁から離間して形成されている。図19におけるK−K断面を図20(c)に示す。
なお、測定セル40gには測定セル40a〜40fに見られたような毛細管エリアは形成されていない。毛細管エリア47a〜47f,47gのカバー基板4との間の隙間は200μm〜300μmである。また、カバー基板4の毛細管エリア47a〜47f,47gとの対向面には親水処理が施されている。
毛細管エリア47aの吸い上げ可能な容量は、測定セル40aに保持される試料液としての希釈血漿成分18aを全て収容できる容量よりも少ない容量に形成されている。毛細管エリア47b,47d〜47fも同様に、それぞれの測定セル40b,40d〜40fに保持される試料液を全て収容できる容量よりも少ない容量に形成されている。測定セル40cの毛細管エリア47c1,47c2については、毛細管エリア47c1の吸い上げ可能な容量と毛細管エリア47c2の吸い上げ可能な容量との加算値が、測定セル40cに保持される試料液を全て収容できる容量に形成されている。
また、図19に示すように毛細管エリア47a,47b,47c1,47c2,47d,47e,47fには、試料液と反応させる試薬T1が担持されている。測定セル40gには試薬が設けられていない。毛細管エリア47a,47b,47c1,47c2,47d〜47fに担持させた試薬T1は、分析する特定成分に応じて異なっており、溶けやすい試薬を毛細管エリア47a,47b,47d〜47fに担持させ、毛細管エリア47cには溶けにくい試薬を担持させる。
− 工程7 −
次に、分析用デバイス1の回転を所定の停止位置で回転軸心107を中心に所定の振幅範囲、所定周期で左右に往復運動をさせて分析用デバイス1を揺動させることによって振動させて、各測定セル40a〜40fに移送された試料液または試薬と試料液の混合溶液が、毛細管力によって図18(b)に示すように毛細管エリア47a〜47fに吸い上げられ、この時点で試薬T1の溶解が開始され、希釈血漿成分18a内に含まれる特定の成分と試薬の反応が開始される。
混合溶液を毛細管エリア47a〜47fに吸い上げる際に、分析用デバイス1の回転を減速または停止させただけでは、測定セル40a〜40fの回転方向に位置する側壁に接続されている前記一端S1の部分まで混合溶液が毛細管力で吸い上げられても、測定セル40a〜40fの回転方向に位置する側壁から離間している前記一端S2にまで混合溶液を吸い上げることができない場合が発生したが、このように分析用デバイス1を揺動させて振動させることによって、毛細管エリア47a〜47fの前記一端S2にまで混合溶液を毛細管力によって確実に吸い上げることができた。
また、試薬T1を、毛細管エリア47a〜47fのうちの回転方向に位置する側壁から離間して形成されている前記内周位置の側の一端S2に担持させたため、測定セル40a〜40fの面積を試薬の滴下量より十分広く取るようなことをせずとも、従来の図26(a)(b)に見られたような流路における試薬濃度の偏りも無く、試薬T1が溶け易く、均一な呈色反応を期待でき、その結果、少ない試料液であっても、測定結果のばらつきが少なく、分析精度の向上を期待できる。
− 工程8 −
図18(b)に示したように、試料液または試薬と試料液の混合溶液が毛細管エリア47a〜47fに吸い上げられた状態から、分析用デバイス1の回転を加速させて、分析用デバイス1を反時計方向(C1方向)または時計方向(C2方向)に回転駆動すると、図18(a)に示すように、毛細管エリア47a〜47fに保持されていた液が遠心力によって、測定セル40a〜40fの外周側に移送することで、試薬T1と希釈血漿成分18aの攪拌が行われる。
ここでは、工程7と工程8の動作を繰り返し行うことで、試薬と希釈血漿成分18aの攪拌を促進しているため、拡散のみの攪拌に比べて確実に且つ短時間で攪拌を行うことが可能となる。
− 工程9−
分析用デバイス1を反時計方向(C1方向)または時計方向(C2方向)に回転駆動して、各測定セル40a〜40f,40gがレーザー光源112aとフォトディテクタ113aの間を通過するタイミングに、演算部110がフォトディテクタ113aの検出値を読み取って、これを前記一次測光と二次測光の結果で補正して特定成分の濃度を算出する。
なお、測定セル40gでの測定結果は、演算部110での計算処理に測定セル40a〜40fのリファレンスデータとして利用されている。
このように、利用者が試料液を採取する際の保護キャップ2の開閉操作で希釈液容器5を開封し、希釈液を分析用デバイス1内に移送させることができるため、分析装置の簡略化、コストダウンができ、さらには利用者の操作性も向上させることができる。
さらに、シール部材としてのアルミシール9で封止された希釈液容器5を使用し、突出部としての開封リブ14によってアルミシール9を破って希釈液容器5を開封するので、長期間の保存によって希釈液が蒸発して減少することもなく、分析精度の向上を実現できる。
また、図6(a)に示した分析用デバイス1の出荷状態では、閉塞された保護キャップ2の係止用溝12に希釈液容器5のラッチ部10が係合して、希釈液容器5が矢印J方向に移動しないように液保持位置に係止されているため、保護キャップ2の開閉操作で希釈液容器5を希釈液容器収容部11において移動自在に構成しているにもかかわらず、利用者が保護キャップ2を開放して使用するまでの期間は、希釈液容器収容部11における希釈液容器5の位置が、液保持位置に係止されるため、利用者が使用前の輸送中に希釈液容器5が誤って開封されて希釈液が零れるようなことがない。
また、分析用デバイス1の遠心方向(半径方向)に伸長するように形成した各測定セル40a〜40f,40gの幅(周方向の寸法)を、光学測定部108によって検出できる最小限の寸法に規定し、回転中に測定セル40a〜40f,40gに保持される液の液面高さを光学測定部108によって検出できる半径位置、すなわちレーザーの照射エリアが満たされる液面高さに規定することで、必要最小限の液量で測定することが可能となるため、特許文献1の場合よりもより少ない試料液で測定することができる。
このように、測定セル40a〜40fは遠心力の働く方向に伸長して形成され、回転方向に位置する側壁の少なくとも一側壁に、測定セル40a〜40fの外周位置から内周方向に伸長するよう毛細管エリア47a〜47fを形成し、工程7〜工程9を実行するので、特許文献1に見られたような試料液と試薬を攪拌するための流入路114、測定セル115、流路117で構成されるU字形状の攪拌機構を設けなくても、十分な攪拌効果を得ることができ、分析用デバイスの小型化を実現できる。
また、測定セル40a〜40fの底部付近に試薬T1を担持させた場合には、攪拌溶解が不十分になった場合には、残留した試薬T1によって反応液の濃度ムラが生じるため、測定精度に影響を及ぼしてしまうが、上記のように測定セル40a〜40fの底部付近に試薬T1を担持させない構成を採用することによって、信頼性の向上を期待できる。
(実施の形態2)
図21は本発明の実施の形態2を示す。
上記の実施の形態1においては、試薬T1を毛細管エリア47a〜47fに担持させたが、図21に示すように、毛細管エリア47a〜47fに複数の試薬T1,T2を担持させることもできる。
また、毛細管エリア47a,47b,47d〜47fの容量が、測定セル40a,40b,40d〜40fに保持される試料液を全て収容できる容量よりも少ない容量に形成されているこのような場合には、溶けにくい試薬を溶けやすい試薬より外周位置に担持させることが好ましい。
具体的には、試薬T1が粘度1.10mPa・sで比較的溶けやすい色素であって、試薬T2が粘度3.02mPa・sで試薬T1に比べて溶けにくいタンパク質のような場合、毛細管エリア47a,47b,47d〜47fの容量が、それぞれの測定セル40a,40b,40d〜40fに保持される試料液を全て収容できない容量であっても、溶けにくい試薬T2を溶けやすい試薬T1よりも外周位置に担持させることによって、前記攪拌混合動作によって試薬T1,T2とも十分に溶解することを実験により確認した。試薬T1を粘度3.02mPa・sのタンパク質とし、試薬T2が粘度1.10mPa・sの色素とした逆配置の場合には、粘度が低い試薬が外周側に流れてしまって前記攪拌混合の動作を妨げる状態が発生し、毛細管エリアへの液の吸い上げ量が減少し、粘度が低い試薬が含まれていない上澄み部分の試料液のみが吸い上げられてしまい、攪拌効果が小さいため、試薬T1のタンパク質の未溶解が見られた。
なお、実施の形態2の具体例では、複数の試薬を担持させる毛細管エリア47a,47b,47d〜47fの容量が、それぞれの測定セル40a,40b,40d〜40fに保持される試料液を全て収容できない容量の場合を説明したが、単一の毛細管エリアに複数の試薬を配置する場合に、粘性が高い試薬をより外周位置に担持する構成は、毛細管エリア47a,47b,47d〜47fの容量が、測定セル40a,40b,40d〜40fに保持される試料液を全て収容できる容量の場合にも有効である。
(実施の形態3)
図22と図23は本発明の実施の形態3を示す。
上記の実施の形態1では、測定セル40a〜40fに設けられた毛細管エリア47a〜47fの前記一端S2の全部が、図19に示したように測定セル40a〜40fの回転方向に位置する側壁から離間して形成されていたが、この実施の形態3では、図22に示すように、測定セル40a〜40fに設けられた毛細管エリア47a〜47fの前記一端S2の少なくとも一部のエリアが、測定セル40a〜40fの回転方向に位置する側壁から離間して形成されている。具体的には、測定セル40aの毛細管エリア47aの最外周の前記一端S1は図23(a)に示すようにその全部が測定セル40aの回転方向に位置する側壁に接続されており、前記毛細管エリア47aの前記外周位置の側の一端S1から内周方向に伸長された毛細管エリア47aの前記一端S2は、最内周の部分だけで図23(c)に示すように測定セル40aの回転方向に位置する側壁に接続されており、毛細管エリア47aの前記一端S2のその他のエリアは、図23(b)に示すように測定セル40a〜40fの回転方向に位置する側壁から離して形成されている。試薬T1は、毛細管エリア47aの前記一端S2の測定セル40aの回転方向に位置する側壁から離して形成されているエリアに担持させてある。
このように、毛細管エリア47aの前記一端S2の一部分を測定セル40aの回転方向に位置する側壁に接続することによって、毛細管エリア47aが混合溶液を吸い上げる毛細管力が実施の形態1の場合に比べて大きくなり、十分な混合攪拌動作を期待できる。毛細管エリア40b〜40fも同様であって、図23(d)(e)は測定セル40cの毛細管エリア47c1,47c2における前記一端S2の部分のK−K断面,L−L断面を示している。
なお、図22と図23では各毛細管エリア47a〜47fに単一の試薬T1を担持させた場合を説明したが、この実施の形態3は実施の形態2のように毛細管エリア47a〜47fに試薬T1,T2を担持させた場合にも同様に実施することができる。
本発明は、生物などから採取した液体の成分分析に使用する分析用デバイスの攪拌手段として有用である。
本発明の実施の形態の分析用デバイスの保護キャップを閉じた状態と開いた状態の外観斜視図 同実施の形態の分析用デバイスの分解斜視図 保護キャップを閉じた状態の分析用デバイスを背面から見た斜視図 同実施の形態の希釈液容器の説明図 同実施の形態の保護キャップの説明図 同実施の形態の分析用デバイスの使用前と試料液を点着する際ならびに点着後に保護キャップを閉じた状態の断面図 出荷状態にセットする工程の断面図 分析用デバイスを分析装置にセットする直前の斜視図 分析用デバイスを分析装置にセットした状態の断面図 同実施の形態の分析装置の構成図 同実施の形態の分析デバイスの要部の拡大説明図 分析用デバイスを分析装置にセットして回転開始前の断面図 分析用デバイスを分析装置にセットして回転後とその後の遠心分離後の断面図 遠心分離後の試料液の固体成分を定量採取し希釈するときの断面図 分析用デバイスの回転軸心と希釈液容器から希釈液が放出されるタイミングの希釈液容器の断面図 工程4と工程5の断面図 毛細管キャビティ33とその周辺の拡大斜視図とE−E断面図 工程6と工程7の断面図 図12における測定セル40a〜40fの拡大平面図 図18におけるF−F断面図とG−G断面図およびK−K断面図 本発明の実施の形態2における測定セル40a〜40fの拡大平面図 本発明の実施の形態3における測定セル40a〜40fの拡大平面図 同実施の形態の要部の断面図 特許文献1に記載の分析用デバイスの平面図と断面図 特許文献2に記載の分析用デバイスの平面図 特許文献2の反応室119Bに試薬122を滴下した直後と乾燥後の断面図
符号の説明
1 分析用デバイス
2 保護キャップ
2a 開口
2b 底部
3 ベース基板
4 カバー基板
5 希釈液容器
5a 内部
5b ラッチ部10の面
6a,6b 軸
7 開口部
8 希釈液
9 アルミシール(シール部材)
10 ラッチ部
11 希釈液容器収容部
12 係止用溝
12a 壁面
13 注入口
14 開封リブ(突出部)
15,16 回転支持部
17 誘導部
18 試料液
18a 希釈血漿成分
18b 血球成分
19 毛細管キャビティ
20 傾斜面
21 凹部
22 屈曲部
23 試料液受容キャビティ
24 キャビティ
25a〜25h,25i1,25i2,25j〜25n 空気孔
26 排出流路
27 保持キャビティ
28 溢流流路
29 混合キャビティ
30 連結流路
31 リブ
32 円弧面
33 毛細管キャビティ
34a 連結流路
34b 連結流路
35a 逆流防止通路
35b 逆流防止通路
36a,36b,36c,36d 溢流キャビティ
37 毛細管流路
38 溢流流路
39a,39b,39c,39d,39e,39f,39g 計量流路
40a,40b,40c,40d,40e,40f,40g 測定セル
41 連結流路
42 溝
43 孔
44 係止治具
44a 突起
45 切り欠き
46 押圧治具
47a,47b,47c1,47c2,47d,47e,47f 毛細管エリア
48 大気開放キャビティ
49a,49b,49c,49d,49e,49f,49g 屈曲部
100 分析装置
101 ロータ
102 溝
103 ドア
104 可動片
105 バネ
106 回転駆動手段
107 回転軸心
108 光学測定部(分析手段)
109 制御手段
110 演算部
111 表示部
112a,112b レーザー光源
113a,113b フォトディテクタ
T1,T2 試薬
S1 毛細管エリア47a〜47fの外周位置の側の一端
S2 毛細管エリア47a〜47fの内周位置の側の一端

Claims (9)

  1. 試料液を遠心力によって測定セルに向かって移送するマイクロチャネル構造を有し、前記測定セルにおける前記試料液と試薬との反応液にアクセスする読み取りに使用される分析用デバイスであって、
    前記遠心力の働く方向に伸長して前記測定セルが形成され、
    前記測定セルの内部に前記測定セルの外周位置から内周方向に伸長するように形成された毛細管エリアが形成され、
    前記毛細管エリアの前記外周位置の側の一端が前記測定セルの回転方向に位置する側壁に接続され、前記毛細管エリアの前記外周位置の側の一端から前記内周方向に伸長する一端の少なくとも一部のエリアが前記測定セルの回転方向に位置する側壁から離間して形成されている
    分析用デバイス。
  2. 前記毛細管エリアが、前記測定セルに保持される試料液を全て収容できる容量を有する
    請求項1に記載の分析用デバイス。
  3. 前記試薬を、前記毛細管エリアのうちの回転方向に位置する側壁から離間して形成されているエリアに担持させた
    請求項1に記載の分析用デバイス。
  4. 前記測定セルが周方向に複数配置されている
    請求項1に記載の分析用デバイス。
  5. 前記複数の測定セルが同一半径上に配置されている
    請求項4に記載の分析用デバイス。
  6. 前記毛細管エリアに2個以上の複数の試薬を担持する場合、粘性が高い試薬を粘性が低い試薬よりも前記外周位置に担持した
    請求項1記載の分析用デバイス。
  7. 請求項1に記載の分析用デバイスがセットされる分析装置であって、
    前記分析用デバイスを軸心周りに回転させる回転駆動手段と、
    前記回転駆動手段の回転によって前記分析用デバイスの測定セルへ移送させる制御手段と、
    試薬と前記回転駆動手段の前記回転によって前記分析用デバイスの測定セルに移送された試料液との反応液にアクセスして分析する分析手段と
    を設け、前記制御手段を、
    前記試料液を前記回転駆動手段の回転によって前記分析用デバイスの測定セルへ移送した後に、分析用デバイスに前記軸心周りの振動を与えながら前記測定セルの前記試料液を、前記毛細管エリアに吸い上げてから、分析用デバイスの前記回転を加速させて前記毛細管エリアに吸い上げられていた前記試料液を前記測定セルに戻して攪拌するように構成した
    分析装置。
  8. 請求項1に記載の分析用デバイスを用いた分析方法であって、
    試料液を、前記分析用デバイスを回転させて発生する遠心力によって前記分析用デバイスの測定セルへ移送する第1ステップと、
    分析用デバイスを所定の停止位置で回転軸心を中心に左右に往復運動をさせて分析用デバイスを揺動させることによって振動させて、前記測定セルに移送された試料液を、前記測定セル毛細管エリアに毛細管力によって吸い上げてから、分析用デバイスの前記回転を加速させて前記毛細管エリアに吸い上げられていた前記試料液を前記測定セルに戻して攪拌する第2ステップと、
    前記分析用デバイスを回転させて読み取り位置に前記測定セルが位置するタイミングに前記測定セルの前記試料液と試薬との反応液にアクセスして読み取る第3ステップと
    を有する分析方法。
  9. 第2ステップでは、前記毛細管力によって試料液を吸い上げる工程と、前記遠心力によって毛細管エリア内の試料液を外周方向に移送する工程を繰り返し行うことを特徴とする
    請求項8に記載の分析方法。
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