JP2009186055A - 貫流式排熱回収ボイラにおける水位制御と過熱度制御の切り替え制御方法および装置 - Google Patents

貫流式排熱回収ボイラにおける水位制御と過熱度制御の切り替え制御方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】貫流式排熱回収ボイラの起動過程において水位制御から過熱度制御への切り替えが滑らかに且つ短時間に移行できるようにする。
【解決手段】蒸発器と汽水分離器タンクと過熱器とを備え、汽水分離器タンクの水位を制御する水位制御機能部と、汽水分離器タンクの出口蒸気の過熱度を制御する過熱度制御機能部と、を有する貫流式排熱回収ボイラであって、貫流式排熱回収ボイラの起動過程で、水位制御状態7から過熱度制御状態9に制御切替を行うための移行期間8において給水流量87を調整する制御切替操作機能部を設け、制御切替操作機能部による給水流量調整指令値は、水位制御機能部による水位制御の切り替え時の給水流量指令値に対して所定の給水流量減少分が付加されるものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、貫流式排熱回収ボイラにおける過熱度制御の制御方法及び装置に係わり、特に、プラント起動過程の汽水分離器ドレンタンクの水位制御から過熱度制御への移行を連続且つ安定に行うために、好適な貫流式排熱回収ボイラの水位制御と過熱度制御の切り替え方法及び装置に関する。
排熱回収ボイラは、従来、自然循環式と貫流式とが知られていて、自然循環式排熱回収ボイラの概要について、図5と図6を用いてまず説明する。図5は、例えば特許文献1に示されるような従来技術におけるボイラ水の自然循環式排熱回収ボイラの構成を示すブロック図である。図6は従来技術の自然循環式排熱回収ボイラにおけるドラム水位制御の制御ブロック図である。
図5において、自然循環式排熱回収ボイラは、給水ポンプ69より供給された給水が節炭器70を通り、蒸気ドラム71、蒸発器72へ供給される。その後、ボイラ水は蒸気ドラム71と蒸発器72で自然循環し、蒸気ドラム71で分離された蒸気は過熱器73へ送られ、過熱された蒸気は蒸気タービン74へ送給されるように構成される。また、過熱器73、蒸発器72及び節炭器70に対して、ガスタービン75からの排ガスを送給して、蒸気を過熱、ボイラ水を蒸発、給水を加熱するように構成されている。
次に、従来技術の自然循環式排熱回収ボイラにおけるドラム水位制御について、図6を用いて説明する。蒸気ドラム71に設置したドラム水位発信器77によって検出されるドラム水位測定値とドラム規定水位79の差を求め、減算器80より水位制御偏差を出力する。この減算器80から出力された水位制御偏差は比例積分微分調節器81で比例・積分・微分処理を行い、処理された水位制御偏差は加算器82において、蒸気流量計78で検出された主蒸気流量を加えて減算器83に出力する。
加算器82において、水位制御偏差をなくすために必要な給水流量値を出力し、この給水流量値と、給水流量計76より検出される給水流量測定値との差を減算器83で求め、流量制御偏差を出力する。そして、出力された流量制御偏差は比例積分調節器84で比例積分処理された後、制御指令として給水流量調節弁85に入力される。
このように、自然循環式排熱回収ボイラでは、蒸発器の安定な流動を保つためにドラムの水位を一定に保つ必要がある。ドラムの水位とは蒸発量と給水量の差であり、蒸発量はガスタービン75からの入熱によって決まるため、ドラム水位を一定に保つように給水流量を調整する(すなわち、入熱量によって決まる蒸気タービンに送り出された蒸気量を、給水量により補給する制御である)。自然循環式排熱回収ボイラの起動過程では上述した水位制御が行われている。
特開2000−146108号公報
上述した従来の自然循環式排熱回収ボイラの起動過程では、蒸気ドラムの水位制御のみが行われている。しかしながら、本発明が対象としている貫流式排熱回収ボイラにおいては、その起動過程で従来の給水量による汽水分離器ドレンタンクの水位制御を行い(図4を参照)、その後、貫流運転すなわち蒸発器出口過熱度制御を行うものである。
そこで、本発明は、貫流式排熱回収ボイラの起動過程において、従来技術の水位制御から、従来の自然循環式排熱回収ボイラの制御方式には存在しない蒸発器出口の過熱度制御へ切り替わる際に、水位制御から過熱度制御への切り替えが滑らかに且つ短時間に移行できるようにする貫流式排熱回収ボイラを提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明は次のような構成を採用する。
給水ポンプにより供給された給水をタービンからの排ガスで加熱する蒸発器と、前記蒸発器からの流体を汽水に分離する汽水分離器タンクと、前記汽水分離器タンクからの蒸気を前記排ガスで過熱する過熱器と、を備え、前記汽水分離器タンクの水位を制御する水位制御機能部と、前記汽水分離器タンクの出口蒸気の過熱度を制御する過熱度制御機能部と、を有する貫流式排熱回収ボイラであって、
前記貫流式排熱回収ボイラの起動過程で、前記水位制御機能部による水位制御状態から前記過熱度制御機能部による過熱度制御状態に制御切替を行うための移行期間において給水流量を調整する制御切替操作機能部を設け、
前記制御切替操作機能部による給水流量調整指令値は、前記水位制御機能部による水位制御の切り替え時の給水流量指令値に対して所定の給水流量減少分が付加されるものである貫流式排熱回収ボイラ。
また、前記貫流式排熱回収ボイラにおいて、前記水位制御機能部による水位制御状態から前記制御切替操作機能部による前記所定の給水流量減少分が付加された制御切替操作状態に切り替える許可条件は、前記汽水分離器タンク又は前記過熱器からの蒸気流量が所定量に達したことによる。また、前記貫流式排熱回収ボイラにおいて、前記汽水分離器タンクの出口温度が(飽和温度+規定値)を超えたときに、前記制御切替操作機能部による給水流量調整指令値を、前記過熱度制御機能部による給水流量指令値に切り替える。さらに、前記貫流式排熱回収ボイラにおいて、前記制御切替操作機能部には、アナログメモリとマイナス値を発生させるアナログ信号発生器を設け、前記アナログメモリには、前記水位制御機能部による水位制御の切り替え時の給水流量指令値を保持させ、前記アナログ信号発生器は前記所定の給水流量減少分を発生させる。
本発明によれば、貫流式排熱回収ボイラの起動過程において、汽水分離器ドレンタンクの水位制御から過熱度制御への移行に際して制御切替操作期間を設け、この制御切替操作期間内において給水量を一時的に減少させる操作により水位を低下させ、蒸発器出口を強制的に乾き状態とすることで、過熱度制御にスムースに移行することができる。
本発明の実施形態に係る貫流式排熱回収ボイラの水位制御と過熱度制御の切替装置及び方法について、図1、図2、図3及び図4を参照しながら以下説明する。図1は本発明の実施形態に係る貫流式排熱回収ボイラにおける汽水分離器ドレンタンクの水位制御と過熱度制御の切替方法を説明する図である。図2は本実施形態に係る貫流式排熱回収ボイラにおける汽水分離器ドレンタンクの水位制御機能部と過熱度制御機能部と制御切替操作機能部における制御ブロックを示す図である。図3は図2に示す制御ブロックに用いられるアナログスイッチと変化率制限器の動作条件を表す図である。図4は本実施形態に係る貫流式排熱回収ボイラの構成を示すブロック図である。
まず、図4において、本実施形態に係る貫流式排熱回収ボイラの概要構成を説明する。本実施形態に係る貫流式排熱回収ボイラは、給水ポンプ61より供給された給水が節炭器62を通り、蒸発器63へ供給される。ガスタービン68からの排ガスの熱量によって蒸発器63で水と蒸気の混合体が生成され汽水分離器ドレンタンク64に加えられる。汽水分離器ドレンタンク64からは蒸気が過熱器65へ送られ、過熱された蒸気は蒸気タービン66へ送給されるように構成される。ここで、貫流式排熱回収ボイラが貫流運転中でないときには、図4に示す点線経路の再循環ライン67が形成されて、汽水分離器ドレンタンク64で分離された飽和水が蒸発器63の入口へ循環する。
図2において、本実施形態に係る貫流式排熱回収ボイラは、制御系統として、水位制御機能部23と、過熱度制御機能部38と、水位制御から過熱度制御に切り替える制御を行う制御切替操作機能部48と、給水流量調節弁58とを備えている。水位制御機能部23は、従来の水位制御を示す図6と基本的に同様であり、汽水分離器水位設定器12と水位設定バイアス13との加算値が変化率制限器16を通って、検知された汽水分離器水位19と比較されて減算器20で減算され水位偏差となる。この水位偏差が比例積分微分調節器21を経た後に、検知された蒸気流量18と加算器22で加算されて水位制御時の給水流量指令値49となり、アナログスイッチT1(52)に信号bとして印加される。
過熱度制御機能部38は、汽水分離器ドレンタンク出口圧力計29で検知した圧力に基づいて関数発生器30において飽和蒸気温度として出力し、この飽和蒸気温度と過熱度設定値31とを加算器32で加算する。この加算値がアナログスイッチ33、変化率制限器34を経て、汽水分離器ドレンタンク出口蒸気温度計36による蒸気温度と減算器35で比較され、過熱度偏差として比例積分微分調節器28から出力される。一方、排ガスの熱量を表すガスタービン(GT)負荷(燃焼量)24を基にして過熱度制御時の給水流量先行値25が演算され一次遅れ要素26を経た値として、加算器37の一方に入力される。加算器37の他方の入力は過熱度偏差である。加算器37からの出力は、過熱度制御時の給水流量指令値51となり、アナログスイッチT2(47)に信号bとして印加される。上述した過熱度制御機能部38は、従来公知の構成を採用すればよい。
本実施形態では、汽水分離器ドレンタンクを設けた貫流式排熱回収ボイラにおける水位制御から過熱度制御への移行に際して、図2に示す制御切替操作機能部48を設けることを構成上の特徴とするものである。制御切替操作機能部48は、後述するが、図1(4)に示す水位制御7と過熱制御9とを結ぶ制御切替操作8において、制御切替操作時における給水流量指令値50を出力して、アナログスイッチT2(47)に信号aとして印加するための構成である。制御切替操作機能部48の機能の詳細は図1の説明で述べる。
図3において、図3(1)は、水位制御機能部23に設けられたアナログスイッチT3と、過熱度制御機能部38に設けられたアナログスイッチT4と、制御切替操作機能部48に設けられたT2、T5、T6と、検知された給水流量55と比較される対象の給水流量指令値の経路に設けられたアナログスイッチT1とが、図示する切替条件で切替記号を選択することを表示59する図である。図3(2)は、変化率制限器Vが動作して変化率制限の有効時を表示60する図である。
次に、本発明の実施形態に係る貫流式排熱回収ボイラの起動過程における動作について、図1を参照しながら以下説明する。本実施形態では、図4に示すようにガスタービン(GT)からの排ガスの熱量を利用して過熱蒸気を発生させるものである。この際、ボイラ起動過程ではガスタービンからのGT負荷(排ガス熱量)は、漸増する特性をもっているものであり、ガスタービン以外の他の燃焼装置のようにボイラへの出力がステップ状に急増する特性をもつものではないことを前提としている。
図1の(1)と(4)において、本実施形態に係る貫流式排熱回収ボイラの起動過程において、制御状態6として最初に水位制御7が行われ、次に制御切替操作8が実施されて続いて過熱度制御9が実施されることになる。汽水分離器ドレンタンクの水位3は、まず水位制御7されて図1(1)に示すように制御される。水位制御から過熱度制御に切り替えるための切り替え開始許可条件1(蒸気流量、水質条件などのプラント条件)、即ちドレンタンク又は過熱器から定格蒸気流量の例えば20%を超える蒸気が得られるという条件、及び例えば缶水の不純成分濃度が所定値以下に達するという条件が満たされたことが判定されると(この判定は図2に示す構成とは別の構成で判定される)、アナログスイッチT1の切り替えによって水位制御7から制御切替操作8に制御状態が自動的に移行する。
図1の(3)において、給水流量5が各制御状態7,8,9に対応して変化する態様が示され、水位制御7の期間ではほぼ一定の給水流量が保たれる。切り替え開始許可条件1が成立すると、水位制御7のときの給水流量5に対して一定割合の給水流量減少分が加えられて制御切替操作8の期間では給水流量は図示のように給水流量減少分だけ減少し、タンクの水位は低下する(図1の(1)参照)。そうすると、蒸発器63出口が乾き始め、過熱度制御の条件が整えられるようになる。ここで、排ガスによるGT負荷は上述したように漸増する傾向を保持しているので、図1の(3)に示す一定割合給水流量減少分によって、蒸発器出口の乾きで過熱度制御条件が整う期間である制御切替操作期間を短くすることができる。
図1の(2)において、汽水分離器ドレンタンクの出口温度4をみると、水位制御7のときは飽和温度以下であり、制御切替操作8の終盤においてタンク水位の低下で飽和温度11を超える出口温度が検出される。この出口温度が(飽和温度11+既定値α)を超えると過熱度制御の開始条件2(図1の(1)参照)が成立したと判定して、アナログスイッチT2の切り替えによって制御切替操作8から過熱度制御9に移行し、これ以後は過熱度設定値10に追従するように出口温度4がGT負荷24に対応する給水流量によって図示のように変化することとなる。
図1(5)〜(7)を説明すると、図2に示す制御・操作機能部23,38,48の中で信号をトラッキングさせる機能を有しているものは、水位制御機能部23では比例積分微分調節器21、制御切替操作機能部48ではアナログメモリ45、過熱度制御機能部38では比例積分微分調節器28であり、図1(4)に示す制御状態6は、図で説明するように、比例積分微分調節器21は水位制御を行い、アナログメモリ45は制御切替操作を行い、比例積分微分調節器28は過熱度制御を行う。これらの制御・操作以外のときには、それぞれの給水流量指令信号49,50,51の動きの応じてトラッキングしている(実際には、アナログスイッチT1とT2のスイッチ切り替えで給水流量調節弁58に入力されることはない)。
次に、図2を参照しながら、本実施形態の関する汽水分離器ドレンタンクの水位制御と過熱度制御の制御切替操作機能部の動作について説明する。図2の中で制御切替操作機能部48が水位制御と過熱度制御の切替操作を行う構成である。汽水分離器ドレンタンク水位制御運転中、図1(1)に示した蒸発量・水質条件等の制御切替開始許可条件1を満たすことを別構成で判定すると自動的(アナログスイッチT1(52)の入力をbからaに切り替える。アナログスイッチT2も同様)に制御移行操作を開始する。
制御切替操作8が開始すると、アナログスイッチT6(41)ではアナログ信号発生器39より出力された信号(切替開始時点でバランスする給水流量5の一定の割合(例.10〜30%)のマイナス値)を選択し、アナログスイッチT5(42)においても同様にアナログ信号発生器39にて出力された信号aを選択する(0t/hを発生するアナログ信号発生器43からの信号bは非選択)。アナログ信号発生器39によって出力された信号aは変化率制限器44に入力され、図3の(2)に示す変化率制限器動作条件表60より制御切替操作期間中は変化率に制限がかかる。この変化率制限器44の機能は、図3(2)の最上段の行に記載されている。なお、図2の制御切替操作機能部48のアナログ信号発生器40のプラス値というのは、貫流式排熱回収ボイラを貫流式から循環式に移行させて、貫流式排熱回収ボイラを停止させるときに給水流量を増加するときに使用するためのものである。
変化率制限器44によって制限された出力信号は加算器46において、アナログメモリ45で制御切替操作中保持されている給水流量値(アナログメモリ45には水位制御7から制御切替操作8に移行する直前の水位制御時給水流量指令値49を切替操作期間中保持)と、排ガスの熱量を表すGT負荷(燃焼量)24から求まる過熱度制御時給水流量先行値25(一次遅れ26を含んだ値)が加算され、制御切替操作時の給水流量指令値50が出力される。アナログメモリ45に保持される給水流量値は切り替え開始許可条件1が成立したときの給水流量値としてもよい。
図3(1)に示すアナログスイッチ条件表59より制御切替操作期間中は、アナログスイッチ47(T2)と52(T1)では入力信号aが選択される。アナログスイッチ52にて選択された信号aは上下限制限器53で制限され、減算器54で検出された給水流量55との給水制御偏差を出力し、比例積分調節器56で比例積分の処理を行った後に、自動/手動切替器57を通過し制御指令として給水流量調節弁58に入力される。
制御切替操作8の期間中、図1(1)に示す過熱度制御開始条件2を満たすと過熱度制御を開始することとなる。その際、制御切替操作8の期間において、切り替え開始許可条件1の切替開始時点でバランスする給水流量5の一定の割合(例えば、10〜30%)の流量87を強制的にゆっくりと減少させることで(図1(3)の給水流量の特性を参照)、図1(1)に示す汽水分離器ドレンタンク水位3は徐々に低下し蒸発器出口が乾き始め、過熱度制御開始条件2である、汽水分離器ドレンタンク出口蒸気温度>(飽和温度+規定値α)の条件を満たすと、自動的に過熱度制御9に切り替える。ここで、上記の条件2を満たすことの判定は、この判定のための構成は不図示であるが、出口蒸気温度の検出値と、出口圧力計による圧力を基に演算する飽和蒸気温度と、設定した規定値αとに基づいて行うことができる。このように、過熱度制御開始条件2を満たした時点での測定値を出発点とし、変化率制限器34によって変化率制限86(例えば、2〜5℃/分程度)を受けながら、目標設定値10まで上昇させる(図1の(2)参照)。
汽水分離器ドレンタンク出口圧力計29より検出した測定値を関数発生器30に入力して飽和蒸気温度を算出し、加算器32においてこの飽和蒸気温度と過熱度設定値31とを加算する。アナログスイッチ33(T4)では図3(1)に示すアナログスイッチ条件表59より過熱度制御時に信号aが選択されるため、図3(2)に示す変化率制限器動作条件表60より過熱度制御時に制限が有効になる変化率制限器34にて変化率が制限されて(図3(2)に示す表の3行目参照、図1(2)の変化率制限86参照)、減算器35に入力される。
減算器35において、汽水分離器ドレンタンク出口温度計36の計測値と、飽和蒸気温度及び過熱度設定値による過熱蒸気温度値と、を減算して蒸気温度制御偏差を出力する。出力された蒸気温度制御偏差は比例積分微分調節器28にて制御ゲイン補正27を用いて比例・積分・微分処理される。加算器37において、ガスタービンからの排ガス熱量を表すGT負荷(燃料量)24より決まる過熱度制御時給水流量先行値25(一次遅れ26を含んだもの)と、比例積分微分調節器28からの制御偏差値とが加算されて、過熱度制御時の給水流量指令値51が出力される。
図3(1)に示すアナログスイッチ条件表59よりアナログスイッチ47(T2)では過熱度制御時には信号bが選択され、アナログスイッチ52(T1)では過熱度制御時に信号aが選択される。なお、これらのアナログスイッチ47,52の選択は、図1(1)に示す過熱度制御開始条件2が成立したことを判定したときに自動的に選択される。この自動的選択は、切り替え開始許可条件1が成立したことを判定したときも同様に動作する。
過熱度制御時給水流量指令値51は、アナログスイッチ47,52を経て給水流量上下限制限器53にて上下限を制限され、減算器54で給水流量測定値55との給水流量偏差を出力し、比例積分調節器56で比例積分処置され制御指令として給水流量調節弁58に入力される。
以上説明したように、本発明の実施形態に係る貫流式排熱回収ボイラの主たる特徴は、汽水分離器ドレンタンク水位制御から過熱度制御への移行を連続的に且つ円滑に行うために、汽水分離器ドレンタンク水位制御運転から過熱度制御運転への移行時に制御切替操作期間を設けて、この期間で給水量を一時的に減少させる操作により水位を低下させ、蒸発器出口を強制的に乾き状態とし、汽水分離器ドレンタンク出口蒸気温度が(飽和温度+規定値α)の状態になった後、過熱度制御に切り替える操作を行う。この際、制御切替操作への移行を滑らかに且つ短時間で行えるようにするために、汽水分離器ドレンタンク水位制御による給水流量の指令信号を制御切替操作によって操作されている指令信号にトラッキングさせるようにする。具体的には、制御切替操作機能部48に設けたアナログメモリ45に切り替え直前の給水流量値を保持させて、この保持値を元にして給水流量減少分も加味して制御切替操作を行う。ここで、規定値αの値は例示として1〜10℃程度とするが、計測上、汽水分離器ドレンタンク出口蒸気温度が明らかに飽和状態とは区別でき、過熱状態として検知できる温度であれば良い。
このようにして、制御切替操作期間内で給水量を一時的に減少させる操作により、汽水分離器ドレンタンク水位は低下し、蒸発器出口を強制的に乾き状態とし汽水分離器ドレンタンク出口蒸気温度が飽和温度+規定値αの状態を超えた後、過熱度制御を開始することによって水位制御と過熱度制御の切り替えがスムースに行われる。また、本実施形態では、従来の自然循環式排熱回収ボイラの給水による水位制御を蒸発器出口の過熱度制御に置き換えたものとも考えられることから、従来の自然循環式排熱回収ボイラの制御調整に熟練した試運転員の知見が貫流式排熱回収ボイラにおいても容易に適応させることができる。
本発明の実施形態に係る貫流式排熱回収ボイラにおける汽水分離器ドレンタンクの水位制御と過熱度制御の切替方法を説明する図である。 本実施形態に係る貫流式排熱回収ボイラにおける汽水分離器ドレンタンクの水位制御機能部と過熱度制御機能部と制御切替操作機能部における制御ブロックを示す図である。 図2に示す制御ブロックに用いられるアナログスイッチと変化率制限器の動作条件を表す図である。 本実施形態に係る貫流式排熱回収ボイラの構成を示すブロック図である。 従来技術におけるボイラ水の自然循環式排熱回収ボイラの構成を示すブロック図である。 従来技術の自然循環式排熱回収ボイラにおけるドラム水位制御の制御ブロック図である。
符号の説明
1:水位制御→過熱度制御切替開始許可条件、2:過熱度制御開始条件、3:汽水分離器ドレンタンク水位、4:汽水分離器ドレンタンク温度、5:給水流量、6:制御状態、7:水位制御、8:制御切替期間、9:過熱度制御、10:過熱度目標設定値、11:飽和温度、12:汽水分離器水位設定器、13:水位設定バイアス、14:加算器、15:アナログスイッチ、16:変化率制限器、17:制御ゲイン補正、18:蒸気流量、19:汽水分離器水位、
20:減算器、21:比例積分微分調節器、22:加算器、23:水位制御機能、24:GT負荷(燃料量)、25:過熱度制御時給水流量先行値、26:一次遅れ、27:制御ゲイン補正、28:比例積分微分調節器、29:汽水分離器出口圧力計、30:関数発生器、31:過熱度設定値、32:加算器、33:アナログスイッチ、34:変化率制限器、35:減算器、36:汽水分離器ドレンタンク出口蒸気温度計、37:加算器、38:過熱度制御機能、39:アナログ信号発生器、40:アナログ信号発生器、41:アナログスイッチ、42:アナログスイッチ、43:アナログ信号発生器、44:変化率制限器、45:アナログメモリ、46:加算器、47:アナログスイッチ、48:切替操作機能、
49:水位制御時給水流量指令値、50:切替操作時給水流量指令値、51:過熱度制御時給水流量指令値、52:アナログスイッチ、53:上下限制限器、54:減算器、55:給水流量、56:比例積分調節器、57:自動/手動切替器、58:給水流量調節弁、59:アナログスイッチ切替条件表、60:変化率制限器有効条件表、61:給水ポンプ、62:節炭器、63:蒸発器、64:汽水分離器ドレンタンク、65:過熱器、66:蒸気タービン、
67:再循環ライン、68:ガスタービン、69:給水ポンプ、70:節炭器、71:蒸気ドラム、72:蒸発器、73:過熱器、74:蒸気タービン、75:ガスタービン、76:給水流量計、77:ドラム水位発信器、78:蒸気流量計、79:規定水位、80:減算器、81:比例積分微分調節器、82:加算器、83:減算器、84:比例積分器、85:給水流量調節弁、86:変化率制限、87:一定の割合の給水流量減少分、

Claims (4)

  1. 給水ポンプにより供給された給水をタービンからの排ガスで加熱する蒸発器と、前記蒸発器からの流体を汽水に分離する汽水分離器タンクと、前記汽水分離器タンクからの蒸気を前記排ガスで過熱する過熱器と、を備え、前記汽水分離器タンクの水位を制御する水位制御機能部と、前記汽水分離器タンクの出口蒸気の過熱度を制御する過熱度制御機能部と、を有する貫流式排熱回収ボイラであって、
    前記貫流式排熱回収ボイラの起動過程で、前記水位制御機能部による水位制御状態から前記過熱度制御機能部による過熱度制御状態に制御切替を行うための移行期間において給水流量を調整する制御切替操作機能部を設け、
    前記制御切替操作機能部による給水流量調整指令値は、前記水位制御機能部による水位制御の切り替え時の給水流量指令値に対して所定の給水流量減少分が付加されるものである
    ことを特徴とする貫流式排熱回収ボイラ。
  2. 請求項1において、
    前記水位制御機能部による水位制御状態から前記制御切替操作機能部による前記所定の給水流量減少分が付加された制御切替操作状態に切り替える許可条件は、前記汽水分離器タンク又は前記過熱器からの蒸気流量が所定量に達したことによる
    ことを特徴とする貫流式排熱回収ボイラ。
  3. 請求項1または2において、
    前記汽水分離器タンクの出口温度が(飽和温度+規定値)を超えたときに、前記制御切替操作機能部による給水流量調整指令値を、前記過熱度制御機能部による給水流量指令値に切り替える
    ことを特徴とする貫流式排熱回収ボイラ。
  4. 請求項1において、
    前記制御切替操作機能部には、アナログメモリとマイナス値を発生させるアナログ信号発生器を設け、
    前記アナログメモリには、前記水位制御機能部による水位制御の切り替え時の給水流量指令値を保持させ、前記アナログ信号発生器は前記所定の給水流量減少分を発生させる
    ことを特徴とする貫流式排熱回収ボイラ。
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