JP2009185722A - 密閉型圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】炭化水素を主成分とすると、40℃の動粘度が4.00mm/s未満の低粘度冷凍機油を用いた時に、高効率かつ高信頼性の密閉型圧縮機を実現する。
【解決手段】炭化水素を主成分とする冷媒102と、動粘度が40℃のとき4.0mm/s未満で、100℃のとき1.38mm/s未満である冷凍機油103を用いる事で、冷凍機油103の低粘度化による摺動損失低減効果を発揮して密閉型圧縮機の性能を向上させることができ、高効率の密閉型圧縮機とすることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は密閉型圧縮機に関するものである。
従来、密閉型圧縮機を使用した冷凍装置に用いられる冷媒は、フロン冷媒であるR12やR134aであった。しかし、フロン冷媒はオゾン層破壊係数や地球温暖化係数が大きいため、近年、フロン冷媒の代替としてR600aやR290などの炭化水素冷媒が使用され、炭化水素冷媒であるR600aには冷凍機油として鉱油、アルキルベンゼン、エステル油などが冷凍機油として用いられている(例えば、特許文献1参照)。
図7は特許文献1に記載された従来の密閉型圧縮機の縦断面図である。
図7において、密閉容器1内には炭化水素からなる冷媒2を充填するとともに、底部には冷凍機油3を貯留し、固定子4および回転子5からなる電動要素6と、これによって駆動される往復式の圧縮要素7を収容している。冷媒2には炭化水素冷媒であるR600aを用いている。
次に、圧縮要素7の詳細を以下に説明する。
クランクシャフト8は、回転子5を圧入固定した主軸9および主軸9に対し偏心して形成された偏心軸10とからなり、下端には冷凍機油3に連通する給油ポンプ11を設けている。シリンダブロック12は、略円筒形のボアー13と主軸9を軸支する軸受部14を形成している。
ボアー13に遊嵌されたピストン15は、ボアー13とともに圧縮室16を形成し、ピストンピン17を介して連結手段であるコンロッド18によって偏心軸10と連結されている。ボアー13の端面はバルブプレート19で封止されている。
ヘッド20は高圧室を形成し、バルブプレート19の反ボアー13側に固定される。マフラー21はバルブプレート19とヘッド20に狭持される。
サクションチューブ22およびディスチャージチューブ23は密閉容器1に固定されるとともに、冷凍サイクル(図示せず)に接続され、サクションチューブ22は冷媒2を密閉容器1内に導き、ディスチャージチューブ23は冷媒2を冷凍サイクル(図示せず)へと送り出す。
以上のように構成された密閉型圧縮機について、以下その動作、作用を説明する。
商用電源(図示せず)から供給される電力は電動要素6に供給され、電動要素6の回転子5を回転させることで、クランクシャフト8を回転させ、偏心軸10の偏心運動が連結手段のコンロッド18からピストンピン17を介してピストン15を駆動することでピストン15はボアー13内を往復運動し、冷凍サイクル(図示せず)よりサクションチューブ22を通して密閉容器1内に導かれた冷媒2はマフラー21から吸入され、圧縮室16内で連続して圧縮される。圧縮された冷媒2はディスチャージチューブ23より冷凍サイクル(図示せず)へと送り出される。
このような密閉型圧縮機において、冷媒R600aに対して安定性が高く、内部部品との適合性が高い鉱油、アルキルベンゼン、エステル油を冷凍機油3として用いることで、密閉型圧縮機の信頼性を向上させている。
特開2005−113865号公報
しかしながら、上記従来の冷凍機油として、摺動部の摩擦損失低減のために40℃のときの動粘度が4mm/s未満の冷凍機油を適用したときに、40℃のときの動粘度が4mm/s以上の冷凍機油と比較しても性能の向上が飽和するという課題があった。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、密閉型圧縮機において、高効率の密閉型圧縮機を実現することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために本発明の密閉型圧縮機は、冷凍機油を動粘度が40℃のとき4mm/s未満で100℃のとき1.38mm/s未満である冷凍機油を用いることで、低粘度化による摩擦損失低減効果を十分に発揮させ、高効率の密閉型圧縮機とすることができる。
本発明の密閉型圧縮機は、低粘度の冷凍機油を適用して、高効率かつ高信頼性の密閉型圧縮機を実現することができる。
請求項1に記載の発明は、密閉容器の下部に冷凍機油を貯溜するとともに、電動要素と前記電動要素によって駆動される圧縮要素を収容し、前記圧縮要素は炭化水素を主成分とする冷媒を吸入して圧縮し、前記冷凍機油は動粘度が40℃の時に4mm/s未満であり、100℃の時に1.38mm/s未満である密閉型圧縮機としたもので、高効率の密閉型圧縮機を実現することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1の発明において、密閉容器の下部の冷凍機油に対する冷媒の溶解量が0から20%の範囲内で運転されることで、請求項1に記載の発明の効果に加えて、さらに高効率の密閉型圧縮機とすることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、電動要素は絶縁体を備えた固定子を有し、前記絶縁体はポリエステル、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、液晶ポリマーのうち、少なくともいずれか一種からなり、請求項1または2に記載の発明の効果に加えて、絶縁体の劣化を抑制し信頼性を向上させることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、電動要素は巻線を備えた固定子を有し、前記電線がポリエステルイミド、ポリアミドイミドエステル、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリイミドから選ばれた少なくとも1つの絶縁被膜層を有するシングルコートエナメル線、少なくとも2つ以上の前記絶縁被膜層を有する多層コートエナメル線、および前記エナメル線と繊維またはフィルムとを組み合わせた複合電線から選ばれた少なくともいずれか一種からなり、請求項1または2に記載の発明の効果に加えて、絶縁体の劣化を抑制し信頼性を向上させることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、電動要素は巻線を備えた固定子を有し、前記電線を固定するための縛り糸がポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミドイミド、ポリイミド及びポリアミドから選ばれた少なくともいずれか一種からなり、請求項1または2に記載の発明に加えて、絶縁体の劣化を抑制し信頼性を向上させることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項4または5に記載の発明において、巻線の表面に自己潤滑性を有する絶縁被膜層を形成したもので、圧縮機の運転によって巻線間に微摺動が生じても巻線の破損を抑えることができるので、請求項4または請求項5に記載の発明の効果に加えて、さらに巻線の信頼性が向上する。
請求項7に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、圧縮要素としてマフラーを有し、前記マフラーは、ポリエステル類、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、液晶ポリマーの少なくともいずれか一種の材料にて形成したもので、マフラーとして適合性が高く、請求項1または2に記載の発明の効果に加えて、劣化を抑制し信頼性を向上することができる。
請求項8に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、圧縮要素として摺動部品を有し、一方の前記摺動部品は鉄系材料であり、摺動表面にリン酸塩被膜処理、イオン窒化処理、固体潤滑材皮膜処理の少なくとも1つの処理を施したもので、低粘度の冷凍機油との組み合わせにおいても摩耗を抑制することができ、請求項1または2に記載の発明の効果に加えて、さらに信頼性が向上する。
請求項9に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、冷凍機油に酸化防止剤が含まれていることで、請求項1または2に記載の発明の効果に加えて、密閉型圧縮機内に僅かに空気や水分が残留していても、オイルが劣化することを抑制することができ、さらに信頼性を向上させることができる。
請求項10に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、冷凍機油に極圧添加剤が含まれていることで、請求項1または2に記載の発明の効果に加えて、さらに摺動部品の耐摩耗性を向上させることができ、信頼性を向上させることができる。
請求項11に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、冷凍機油に制泡剤が含まれていることで、泡立ち量を制御して発泡音を抑えることにより騒音を抑制することができ、請求項1または2に記載の発明に加えて、高品位の密閉型圧縮機とすることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。また、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態における密閉型圧縮機の縦断面図、図2は図1のA−A線断面図、図3は図2のB部拡大図、図4は図3のC部拡大図、図5は同実施の形態1における冷凍機油による密閉型圧縮機の性能変化を示したグラフ、図6は同実施の形態1における冷媒と冷凍機油の溶解量による密閉型圧縮機の性能変化を示したグラフである。
図1において、密閉容器101内には冷媒102を充填するとともに、底部には冷凍機油103を貯留し、固定子104および回転子105からなる電動要素106と、これによって駆動される往復式の圧縮要素107を収容している。冷媒102には炭化水素冷媒としてR600aを用いている。
次に、圧縮要素107の詳細を以下に説明する。
鉄系金属からなるクランクシャフト108は、回転子105を圧入固定した主軸109と、主軸109に対し偏心して形成された偏心軸110とからなり、下端には冷凍機油103に連通する給油ポンプ111を設けている。シリンダブロック112は、略円筒形の圧縮室113と主軸109を軸支する軸受部114を形成している。
圧縮室113に遊嵌された鉄系金属からなるピストン115は、ピストンピン116を介して連結手段であるコンロッド117によって偏心軸110と連結されている。
バルブプレート118は圧縮室113の端面を封止するように配設されている。
また、ヘッド119はバルブプレート118の反圧縮室113側に固定されている。マフラー120はバルブプレート118とヘッド119に狭持される。
サクションチューブ121およびディスチャージチューブ122は密閉容器101に固定されるとともに、冷凍サイクル(図示せず)に接続され、サクションチューブ121は冷媒102を密閉容器101内に導き、ディスチャージチューブ122は冷媒102を冷凍サイクル(図示せず)へと送り出す。
次に、電動要素106の詳細を以下に説明する。
電動要素106はコア123に巻線126を巻回した固定子104と回転子105を備えた誘導型電動機を形成するとともに、縛り糸125で固定されている。
固定子104は主巻線126aと補助巻線126bがスロット127間を通るように巻回している。主巻線126aおよび補助巻線126bはスロット127内でお互いが接触しないよう、それぞれ絶縁体128である相関絶縁紙128aに巻装されており、スロット127内壁には主巻線126aおよび補助巻線126bはスロット127内でお互いが接触しないよう、それぞれ絶縁体128であるスロット絶縁紙128bが嵌挿されている。巻線126は絶縁皮膜層129を備えた多層コートエナメル線である。
以上のように構成された冷凍装置について、以下その動作、作用を説明する。
商用電源(図示せず)から主巻線126aと補助巻線126bに電流が供給されると回転子105が回転起動する。回転子105よって主軸109が回転駆動されると、偏心軸110の偏心運動によりコンロッド117を介してピストン115が圧縮室113内を往復運動する。
そして、サクションチューブ123より密閉容器101内に導かれた冷媒102は、マフラー120を通って圧縮室113内に吸入される。圧縮室113内に吸入された冷媒102は連続して圧縮され、圧縮された冷媒102は、ディスチャージチューブ122より冷凍サイクル(図示せず)へと送り出される。冷凍サイクル(図示せず)へと送り出された冷媒102は、再びサクションチューブ121より密閉容器101内へと導かれる。
このとき、クランクシャフト108の給油ポンプ111により冷凍機油103を汲み上げ、主軸109やピストン115等の各摺動部を潤滑する。
次に、図5を用いて冷凍機油103の粘度と密閉型圧縮機の性能との相関について説明する。
図5は冷媒102に炭化水素を主成分とするR600aを用い、冷凍機油103の40℃の動粘度を3.8mm/sから10mm/sまで変化させ、40℃の動粘度が3.8mm/sのときは100℃の動粘度を1.37mm/sと1.39mm/sのものをそれぞれ密閉型圧縮機に封入し、凝縮温度/凝縮温度:54.4℃/−23.3℃の条件で運転し性能を測定したものである。
図5より粘度を向上させることにより密閉型圧縮機の性能は上昇し、40℃の動粘度が5mm/sのときと、40℃の動粘度が3.8mm/sで100℃の動粘度が1.39mm/sのときを比較すると40℃の動粘度が3.8mm/sで100℃の動粘度が1.39mm/sの冷凍機油103では僅かながら密閉型圧縮機の性能は向上した。
しかしながら、40℃の動粘度が3.8mm/sで100℃の動粘度が1.37mm/sの冷凍機油103を用いた時は、性能が大きく向上した。
密閉型圧縮機の運転時において、密閉容器101内でのR600aは気液混合の臨界状態にあると考えられるが、動粘度を測定するのは容易でなく、実験結果から鑑みて、冷凍機油103の40℃の動粘度が4.0mm/s未満のときに100℃の動粘度を1.38mm/s未満としたことで、臨界状態のR600aの影響を抑制して、密閉型圧縮機の性能が向上したと推察される。
次に、図6を用いて冷凍機油103の冷媒102への溶解量と密閉型圧縮機の性能との相関について説明する。
図6は、冷媒102に炭化水素が主成分であるR600aを、冷凍機油103は40℃のときの動粘度が4.0mm/sで、80℃、圧力0.06MPaのときのR600aに対する溶解度を20〜25%まで変えてそれぞれ密閉型圧縮機に封入し、凝縮温度/凝縮温度:54.4℃/−23.3℃で運転して性能を測定したものである。
図6より、R600aへの溶解量が20%の冷凍機油103を用いたときにはR600aへの溶解量が22.5%の冷凍機油103を用いたときよりも性能が向上した。
これは、冷媒102への冷凍機油103の溶け込み量が減少したために、冷媒102の影響を抑制できたためであると推察される。
次に、(表1)を用いて冷媒102及び冷凍機油103と、有機材料との適合性について説明する。
試験は、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、液晶ポリマーをそれぞれ、冷媒102及び冷凍機油103とともに、冷凍機油103に浸漬するように密閉型容器101内に封入して、密閉容器101を密封し、140℃で2週間エージングを行ったものである。冷媒102には炭化水素冷媒であるR600a、冷凍機油103には40℃のときの動粘度が3mm/sのエステル油、鉱油、アルキルベンゼンをそれぞれ封入している。
(表1)より、上記のような過酷な環境にも関わらず、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、液晶ポリマーのいずれの材料も顕著な劣化はみられなかった。
従って、ポリエステル類であるポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート及びポリアミドイミド、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、液晶ポリマーは、炭化水素冷媒であるR600a及び低粘度のエステル油、鉱油、アルキルベンゼンとの適合性に問題なく、マフラー120.縛り糸125、絶縁体128に用いた時に高信頼性の圧縮機とすることができる。
なお、ポリエステル類、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、液晶ポリマーにガラス繊維や無機フィラーを混合しても良い。
次に、(表2)を用いて冷媒102及び冷凍機油103と、巻線126との適合性を調査した結果を示す。
(表2)は冷媒102、冷凍機油103と巻線126とを密閉容器101に封入し、140℃で2週間エージングを行い、巻線126である多層コートエナメル線の劣化について調査した。多層コートエナメル線は絶縁皮膜層129が上層アミドイミド/下層変性ポリエステル、上層ポリアミド/下層ポリエチレンテレフタレート、上層アミドイミド/下層エステルイミドのもので評価を実施し、冷媒102には炭化水素冷媒であるR600a、冷凍機油103は40℃の動粘度が3mm/sであるエステル油、鉱油、アルキルベンゼンを用いた。
(表2)より冷媒102、冷凍機油103、巻線126のいずれの組み合わせにおいても劣化は問題ないレベルであり、適合性が高いといえる。
したがって、巻線126はポリエステル類およびその変性化合物、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアミドのうち少なくともいずれか一種からなるシングルコート及び多層コートエナメル線とすることで、密閉型圧縮機の信頼性を向上させることができる。
なお、巻線126にはポリエステル類およびその変性化合物、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアミドから選ばれた少なくとも1つの絶縁被膜層をコーティングしたエナメル線に繊維またはフィルムを組み合わせることで、さらに絶縁性と耐力を向上させることができるので、密閉型圧縮機の信頼性をさらに向上させることができる。
なお、巻線126にはPTFE等の潤滑性の高い材料をコーティング層中に添加及び被覆させて自己潤滑性を持たせた絶縁皮膜層129とすることで、密閉型圧縮機に微摺動が生じて、巻線126同士での接触が起こっても、巻線126の摩耗を低減することができるので、密閉型圧縮機の信頼性をさらに向上させることができる。
次に、(表3)を用いて、摺動部品であるクランクシャフト108にリン酸皮膜処理を施した鉄系材料を用い、40℃の動粘度が3mm/sの冷凍機油103を用いた時の効果について説明する。
(表3)は凝縮温度/凝縮温度:54.4℃/−23.3℃の条件で冷媒102にR600a、冷凍機油103に40℃の動粘度が3mm/sの鉱油、アルキルベンゼン、エステル油を用いてそれぞれ信頼性試験を行った結果である。このとき、クランクシャフト108には鋳鉄であるFC250を用いている。
(表3)より全ての油種において表面摩耗は問題ないレベルであった。
したがって、40℃の動粘度が3mm/sと低い冷凍機油103を用いたときでも摺動部品の少なくとも一方を鉄系材料で形成し、表面にリン酸皮膜処理を施す事で高信頼性の密閉型圧縮機とすることができる。
なお、クランクシャフト108に用いられる材料は鉄系金属の燒結材や他の鋳鉄を用いても同様の効果が得られる。
なお、クランクシャフト108の表面にイオン窒化処理、固体潤滑材皮膜処理を施しても同様の効果が得られ、リン酸皮膜処理、イオン窒化処理、固体潤滑材皮膜処理を組み合わせても良い。
なお、冷凍機油103中に酸化防止剤を添加しておけば、密閉型圧縮機を冷凍システムに組み込む前に、冷凍機油103が水分や空気に曝されても冷凍機油103の劣化を抑えることができ、密閉型圧縮機の信頼性をさらに向上させることができる。
なお、冷凍機油103中に酸捕捉剤を添加しておけば、密閉型圧縮機内で冷凍機油103が過酷条件に曝されても、冷凍機油103の劣化を抑えることが出来るので、密閉型圧縮機の信頼性をさらに向上させることができる。
また、酸捕捉剤と酸化防止剤を両方添加しても良い。
なお、冷凍機油103中に極圧添加剤を添加しておけば、摺動面が通常の運転範囲を超えて過酷な状況に陥っても極圧添加剤が摺動面に吸着または反応して耐摩耗性を向上させることができ、密閉型圧縮機の信頼性をさらに向上させることができる。
なお、冷凍機油103中に制泡剤を添加しておけば、冷凍機油103の泡たち量を適正に制御して発泡音などの騒音を抑制することができ、高品位の密閉型圧縮機とすることができる。
なお、本実施の形態においては冷媒102にR600aを用いたが、R290やR600等の炭化水素冷媒を用いても同様の効果が得られる。
以上のように、本実施の形態は、炭化水素を主成分とする冷媒と、動粘度が40℃のとき4.0mm/s未満で100℃のとき1.38mm/s未満である冷凍機油とを用いた密閉型圧縮機において、高効率かつ高い信頼性を実現することができるものである。
以上のように本発明の密閉型圧縮機において、高効率かつ高い信頼性を備えているので、冷凍サイクルを用いた機器に幅広く適用できる。
本発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の縦断面図 図1のA−A線断面図 図2のB部拡大図 図3のC部拡大図 同実施の形態1における冷凍機油による密閉型圧縮機の性能変化を示したグラフ 同実施の形態1における冷媒と冷凍機油の溶解量による密閉型圧縮機の性能変化を示したグラフ 従来の密閉型圧縮機の縦断面図
符号の説明
101 密閉容器
102 冷媒
103 冷凍機油
104 固定子
106 電動要素
107 圧縮要素
120 マフラー
125 縛り糸
126 巻線
128 絶縁体
129 絶縁皮膜層

Claims (11)

  1. 密閉容器の下部に冷凍機油を貯溜するとともに、電動要素と前記電動要素によって駆動される圧縮要素を収容し、前記圧縮要素は炭化水素を主成分とする冷媒を吸入して圧縮し、前記冷凍機油は動粘度が40℃の時に4mm/s未満であり、100℃の時に1.38mm/s未満である密閉型圧縮機。
  2. 密閉容器の下部の冷凍機油に対する冷媒の溶解量が0から20%の範囲内で運転される請求項1に記載の密閉型圧縮機。
  3. 電動要素は絶縁体を備えた固定子を有し、前記絶縁体はポリエステル類、ポリエチレンナフタレート、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、液晶ポリマーのうち、少なくともいずれか一種からなる請求項1または2に記載の密閉型圧縮機。
  4. 電動要素は巻線を備えた固定子を有し、前記電線がポリエステル類およびその変性化合物、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリイミドから選ばれた少なくとも1つの絶縁被膜層を有するシングルコートエナメル線、少なくとも2つ以上の前記絶縁被膜層を有する多層コートエナメル線、および前記エナメル線と繊維またはフィルムとを組み合わせた複合電線から選ばれた少なくともいずれか一種からなる請求項1または2に記載の密閉型圧縮機。
  5. 電動要素は巻線を備えた固定子を有し、前記電線を固定するための縛り糸がポリエステル類、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミドイミド、ポリイミド及びポリアミドから選ばれた少なくともいずれか一種からなる請求項1または2に記載の密閉型圧縮機。
  6. 巻線の表面に自己潤滑性を有する絶縁被膜層を形成した請求項4または5に記載の密閉型圧縮機。
  7. 圧縮要素としてマフラーを内部に有し、前記マフラーは、ポリエステル類、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、液晶ポリマーのうち、少なくともいずれか一種の材料にて形成した請求項1または2に記載の密閉型圧縮機。
  8. 圧縮要素として摺動部品を有し、一方の前記摺動部品は鉄系材料であり、摺動表面にリン酸塩被膜処理、イオン窒化処理、固体潤滑材皮膜処理の少なくとも1つの処理を施した請求項1または2に記載の密閉型圧縮機。
  9. 冷凍機油に酸化防止剤が含まれている請求項1または2に記載の密閉型圧縮機。
  10. 冷凍機油に極圧添加剤が含まれている請求項1または2に記載の密閉型圧縮機。
  11. 冷凍機油に制泡材が含まれている請求項1または2に記載の密閉型圧縮機。
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WO2016008169A1 (zh) * 2014-07-16 2016-01-21 广东美芝制冷设备有限公司 空调系统
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EP3550143A4 (en) * 2016-11-29 2019-10-16 Panasonic Appliances Refrigeration Devices Singapore REFRIGERANT FLUID COMPRESSOR AND COLD REFRIGERATION / STORAGE APPARATUS IN WHICH IT IS USED
EP3633834A4 (en) * 2017-06-02 2020-05-27 Mitsubishi Electric Corporation RELUCTIVE MOTOR, COMPRESSOR AND AIR CONDITIONING

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