JP2009183795A - シリンジ - Google Patents

シリンジ Download PDF

Info

Publication number
JP2009183795A
JP2009183795A JP2009131039A JP2009131039A JP2009183795A JP 2009183795 A JP2009183795 A JP 2009183795A JP 2009131039 A JP2009131039 A JP 2009131039A JP 2009131039 A JP2009131039 A JP 2009131039A JP 2009183795 A JP2009183795 A JP 2009183795A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pusher
stopper
outer cylinder
syringe
main body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009131039A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4898868B2 (ja
Inventor
Koichi Tachikawa
浩一 立川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Terumo Corp filed Critical Terumo Corp
Priority to JP2009131039A priority Critical patent/JP4898868B2/ja
Publication of JP2009183795A publication Critical patent/JP2009183795A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4898868B2 publication Critical patent/JP4898868B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M5/00Devices for bringing media into the body in a subcutaneous, intra-vascular or intramuscular way; Accessories therefor, e.g. filling or cleaning devices, arm-rests
    • A61M5/178Syringes
    • A61M5/31Details
    • A61M5/315Pistons; Piston-rods; Guiding, blocking or restricting the movement of the rod or piston; Appliances on the rod for facilitating dosing ; Dosing mechanisms
    • A61M5/31533Dosing mechanisms, i.e. setting a dose
    • A61M5/31545Setting modes for dosing
    • A61M5/31548Mechanically operated dose setting member
    • A61M5/31563Mechanically operated dose setting member interacting with a displaceable stop member
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M5/00Devices for bringing media into the body in a subcutaneous, intra-vascular or intramuscular way; Accessories therefor, e.g. filling or cleaning devices, arm-rests
    • A61M5/178Syringes
    • A61M5/31Details
    • A61M5/315Pistons; Piston-rods; Guiding, blocking or restricting the movement of the rod or piston; Appliances on the rod for facilitating dosing ; Dosing mechanisms
    • A61M5/31533Dosing mechanisms, i.e. setting a dose
    • A61M5/31545Setting modes for dosing
    • A61M5/31548Mechanically operated dose setting member
    • A61M5/31561Mechanically operated dose setting member using freely adjustable volume steps

Abstract

【課題】簡単な操作で、正確な量の液体を排出することができるシリンジを提供すること。
【解決手段】本発明のシリンジは、外筒とガスケットと、ガスケットを移動操作する押し子4と、押し子4の長手方向に沿ってスライド可能、かつ、押し子4上の所望の位置に調整可能に設置されたストッパー5とを備えている。ストッパー5は、ストッパー本体51と、ブレーキ部52とを有している。操作部材6の基端側を押し子4に向かって押圧すると、楔部612がブレーキ部52同士の間に挿入し、互いに離間する方向に押し広げられる。これにより、各ブレーキ部52が押し子4に圧接され、ストッパー5が押し子4に対して固定される。この状態で、押し子4を先端方向に押圧したとき、ストッパー5の先端面514が外筒の基端部に当接することにより、外筒内への押し子4の挿入深さが規制され、これにより、設定した量の薬剤が先端部より排出される。
【選択図】図2

Description

本発明は、シリンジに関する。
シリンジは、外筒と、この外筒内に挿入されたガスケットと、このガスケットに連結された押し子(プランジャロッド)とを備えており、押し子を押圧操作してガスケットを外筒内で先端方向に摺動させ、薬剤等の液体の排出を行う。
このとき、正確な量の液体を排出するには、外筒の外周面に付された目盛りを見ながらガスケットの移動量を調節する必要があり、慎重に押し子を操作しなければならない。
しかしながら、従来のシリンジでは、押し子の操作ミス(押し過ぎ、押し足りない)や、目盛りの読み間違いなどによって、液体の排出量が過多になったり過少になったりすることが生じ易いという問題があった。
かかる問題点を解決するシリンジとして、押し子の移動量を規制可能とした構成のものが提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。
特許文献1に記載のシリンジ(注射器10)では、ストッパー(調節リング56)が押し子(プランジャー22)に対して回転により、その長手方向に沿って移動可能とされている。そして、ストッパーを押し子の所望の位置に移動させ、この状態で、外筒(円筒2)に押し子を押圧する操作を行うと、ストッパーが外筒の基端に当接することにより、押し子の移動が規制される。なお、ここで使用した符号は、特許文献1に記載の符号である。
ところが、この特許文献1に記載のシリンジでは、ストッパーを押し子に対して固定する手段が設けられていないため、ストッパーの押し子に対する位置が容易にズレてしまい、液体の所望の排出量に保持しづらいという問題がある。また、ストッパーを押し子に対して回転させて移動させることから、その移動操作が極めて煩雑であるという問題もある。
一方、特許文献2に記載のシリンジ(注射器1)では、ストッパー(ストッパー3)が押し子(ピストン2)の長手方向に沿って移動可能とされている。そして、ストッパーを押し子の所望の位置に移動させ、この状態で、外筒(シリンダー4)に押し子を押圧する操作を行うと、ストッパーが外筒の基端に当接することにより、押し子の移動が規制される。
ところが、この特許文献2に記載のシリンジでは、ストッパーに押し子を挿通する孔が設けられており、この孔の縁部に押し子の外周面に形成された係合溝5が係合することにより、ストッパーが押し子に対して固定される構成であるため、ストッパーの押し子に対する移動操作に強い力を要するという問題がある。なお、ここで使用した符号は、特許文献2に記載の符号である。
実公平2−15502号公報 実開昭62−119944号公報
本発明の目的は、簡単な操作で、正確な量の液体を排出することができるシリンジを提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(5)の本発明により達成される。
(1) 外筒と、
前記外筒内で摺動し得るガスケットと、
前記外筒の基端開口より挿入され、前記ガスケットを移動操作する押し子と、
前記押し子に、その長手方向に沿ってスライド可能、かつ、前記押し子上での位置を所望の位置に調整可能に設けられたストッパーと、
前記ストッパーに対して変位可能に設けられ、前記ストッパーを前記押し子に対して固定する操作とその固定を解除する操作とを行う操作部材とを備え、
前記ストッパーが前記外筒の一部に当接することにより、前記外筒内への前記押し子の挿入深さが規制されるシリンジであって、
前記押し子は、その長手方向に沿って形成された平行な一対の押し子側当接面を有し、
前記ストッパーは、ストッパー本体と、前記一対の押し子側当接面にそれぞれ対向し、該対向する押し子側当接面に対して、前記操作部材の操作により圧接・離間可能な一対のストッパ側当接面が形成されたブレーキ部とを有し、
前記操作部材は、前記ストッパーを前記押し子に対して固定する際に前記ストッパー本体と前記押し子との間に嵌入される楔部を有し、
前記操作部材を操作して前記楔部を前記ストッパー本体と前記押し子との間に嵌入して、前記ストッパー本体を前記押し子から離間する方向に移動させることにより、互いに対向する前記押し子側当接面と前記ストッパ側当接面とのうちの前記ストッパ側当接面が前記押し子側当接面に圧接されて、前記ストッパーが前記押し子に対して所望の位置で固定された固定状態となり、
前記操作部材を操作して前記楔部が前記ストッパー本体と前記押し子との間から離脱することにより、前記押し子側当接面と該押し子側当接面に圧接している前記ストッパ側当接面とが離間することにより、前記固定状態が解除された解除状態となることを特徴とするシリンジ。
(2) 前記ブレーキ部の前記押し子への圧接は、前記操作部材の一部と前記押し子とで挟持することによりなされる上記(1)に記載のシリンジ。
(3) 前記ブレーキ部は、その形状が板状をなし、一端が前記ストッパー本体に固定された固定端、他端が可動端として弾性変形するものである上記(2)に記載のシリンジ。
(4) 前記操作部材は、前記ストッパーに対して回動可能に設けられている上記(2)または(3)に記載のシリンジ。
(5) 前記押し子は、その長手方向に沿って形成された凸条で構成され、前記ストッパーを案内する平行な一対のレール部を備え、該各レール部の内側の面がそれぞれ前記押し子側当接面となるものである上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のシリンジ。
本発明によれば、簡単な操作で、正確な量の液体を排出することができ、排出量が過多・過少となるミスを確実に防止することができる。
また、操作部材を押圧操作するだけの簡単な操作で、ストッパーの固定を解除して、押し子上での位置を調整することができ、よって、排出液量の設定操作を極めて容易かつ迅速に行うことができる。
また、ストッパーの一部を押し子に圧接させることにより、ストッパーを押し子に対して固定するよう構成されているので、ストッパーと押し子との当接面の一方または双方を、粗面または摩擦抵抗の大きい材料で構成することにより、排出液量の最少量をより少なく設定することができ、例えば、より細かい薬液の投与量の設定が可能となるという利点がある。
また、液体の排出操作においては、ストッパーが外筒に当接するまで押し子を先端方向に移動させるだけの簡単な操作で前記効果を達成することができ、押し子の操作に微妙な力加減を必要とせず、操作性に優れる。
シリンジの第1参考例を示す部分断面平面図である。 図1に示すシリンジが備える押し子部分の分解斜視図である。 図1に示すシリンジが備えるストッパーの作動状態を示す斜視図である。 本発明のシリンジの実施形態における押し子の本体部およびストッパーを示す平面図である。 図4に示すシリンジが備えるストッパーの作動状態を示す部分断面側面図である。 図5中、A−A線断面図である。 図5中、B−B線断面図である。 シリンジの第2参考例における押し子部分の分解斜視図である。
以下、本発明のシリンジを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
まず、シリンジの第1実施形態について説明する。
図1は、シリンジの第1参考例を示す部分断面平面図、図2は、図1に示すシリンジが備える押し子部分の分解斜視図、図3は、図1に示すシリンジが備えるストッパーの作動状態を示す斜視図である。なお、説明の都合上、図1中の左側を「先端」、右側を「基端」と言い、図2および図3中の紙面左手前側を「先端」、紙面右奥側を「基端」と言う。
図1に示すシリンジ1は、シリンジ内部に予め薬剤が収納されたプレフィルドシリンジであって、外筒(シリンジ外筒)2と、外筒2内で摺動し得るガスケット3と、ガスケット3を移動操作する押し子(プランジャロッド)4と、押し子4の長手方向に沿ってスライド可能に設置されたストッパー5とを備えている。ガスケット3は、押し子4の先端に連結されている。以下、各部の構成について説明する。
外筒2は、先端側に底部21を有する有底筒状の部材で構成され、底部21の中央部には、外筒2の胴部に対し縮径した縮径部22が一体的に形成されている。この縮径部22には、例えば、針管のハブ、コネクタ類等(図示せず)が嵌合、装着されて使用される。
縮径部22の基端部外周には、雄ネジ(ルアーロックネジ)が形成されていても良い。
縮径部22の先端には、封止部材として、弾性材料で構成された膜24が装着され、縮径部22の内腔23を気密的に封止している。
また、縮径部22の外側には、キャップ29が嵌合され、固定されている。このキャップ29の先端には、開口291が形成されており、この開口291の縁部と縮径部22の先端面との間で膜24の外周部を挟持することにより、膜24が気密(液密)的に固定される。
なお、縮径部22と膜24とキャップ29とは、それぞれ、互いに接着剤による接着または融着がなされていても良い。
膜24は、両頭針のような針体により刺通可能なものである。この場合、膜24は、針体により刺通可能なものであれば、その形態は膜状に限らず、例えばブロック状のもの(栓体)であってもよい。
膜24の構成材料としては、例えば、後述するガスケット3の構成材料として挙げたものを用いることができる。
なお、縮径部22の先端を封止する封止部材としては、図示の構成に限らず、例えばフィルム等(図示せず)であってもよい。
また、外筒2の基端外周には、板状のフランジ25が一体的に形成されている。押し子4を外筒2に対し相対的に移動操作する際などには、このフランジ25に指を掛けて操作を行うことができる。
外筒2の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、ポリカーボネート、アクリル樹脂、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリアミド(例えば、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン6・10、ナイロン12)のような各種樹脂が挙げられるが、その中でも、水分の蒸散が少ないという点で、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、ポリエステル、ポリ−(4−メチルペンテン−1)のような樹脂が好ましい。
なお、外筒2の構成材料は、内部の視認性を確保するために、実質的に透明であるのが好ましい。
外筒2とガスケット3とで囲まれる空間内には、薬剤100が液密に収納されている。薬剤100の形態は、固体状(粉末状、顆粒状を含む)、液体状等、いかなるものでもよいが、本実施形態では、代表的に液体状の薬剤について説明する。
この薬剤100としては、例えば、抗癌剤、麻酔薬、覚せい剤、麻薬、ブドウ糖等の糖質注射液、塩化ナトリウムや乳酸カリウム等の電解質補正用注射液、ビタミン剤、ワクチン、抗生物質注射液、造影剤、ステロイド剤、蛋白質分解酵素阻害剤、脂肪乳剤、蛋白製剤のような各種薬液、あるいは、蒸留水、消毒薬、流動食、アルコール等が挙げられる。
外筒2の外周面には、目盛り27が形成されている。これにより、シリンジ1内の液量を把握することができる。図示の構成では、目盛り27は、0〜5mLまで付されている。
外筒2内には、弾性材料で構成されたガスケット3が収納されている。
このガスケット3の外周部には、複数のリング状の凸部31、32および33が全周にわたって形成されている。この凸部31、32および33が外筒2の内周面26に対し密着しつつ摺動することで、液密性をより確実に保持するとともに、摺動性の向上が図れる。
本実施形態では、シリンジ1の長手方向に沿って3つの凸部31、32および33が形成されている。すなわち、ガスケット3の基端部と中間部と先端部のそれぞれに、凸部31、32および33が形成されている。また、ガスケット3の先端面36は、先端に向かって外径が漸減するようなテーパ面になっている。
なお、本発明では、凸部31、32および33の形成位置や個数、断面形状等は、これに限定されるものではない。
また、ガスケット3には、その基端面に開放する中空部34が形成されている。この中空部34は、後述する押し子4のヘッド部43が挿入(螺入)される。中空部34の内面には、雌ネジ341が形成されている。
ガスケット3の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、シリコーンゴムのような各種ゴム材料や、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、オレフィン系、スチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、あるいはそれらの混合物等の弾性材料が挙げられる。
なお、ガスケット3は、その少なくとも外周部が前述のような弾性材料で構成されていれば良く、例えば、樹脂材料で構成された芯部(図示せず)を有し、この芯部の外周を覆うように弾性材料が配置された構成のものでもよい。この場合には、芯部に、雌ネジ341が形成されることとなる。
このようなガスケット3には、外筒2の基端開口より挿入され、ガスケット3を外筒2内で長手方向に移動操作する押し子4が連結(装着)されている。
押し子4は、本体部40を有しており、該本体部40の基端に、フランジ状の指当て部401が形成されている。この指当て部401を指等で押圧することにより押し子4を先端方向へ移動操作する。
本体部40の先端側には、鍔状をなす第1のフランジ41と、該第1のフランジ41より基端側に位置する第2のフランジ42とが、本体部40と一体的に形成されている。第1のフランジ41と第2のフランジ42とは、所定間隔、例えば3〜50mm程度の間隔をおいてほぼ平行に設置されている。
さらに、押し子4の第1のフランジ41より先端側には、ガスケット3の中空部34内に挿入され、ガスケット3と連結されるヘッド部(連結部)43が形成されている。
ヘッド部43の外周には、中空部34の内面の雌ネジ341と螺合し得る雄ネジ431が形成されている。この雄ネジ431を雌ネジ341と螺合することにより、ガスケット3と押し子4とが連結されている。このような連結状態では、第1のフランジ41の先端面がガスケット3の基端面と接触または密着している。
なお、本発明において、ガスケット3と押し子4との連結構造は、螺合以外のもの、例えば、接着、融着等の固着、嵌合、遊嵌等であってもよい。
また、本体部40の基端側には、長手方向に沿って、一対のレール部(凸条)44、44が、本体部40と一体的に形成されている。レール部44、44は、ほぼ平行となるように設けられており、後述するストッパー5を案内する。
押し子4の構成材料としては、特に限定されず、例えば、外筒2の構成材料として挙げたものと同様のものを用いることができる。
さて、シリンジ1は、押し子4の長手方向に沿って移動可能、かつ、押し子4上での位置を所望の位置に調整可能に設けられたストッパー(挿入深さ規制部材)5とを有している。このストッパー5は、図1に示すように、第2のフランジ42より基端側における本体部40に設置されている。
シリンジ1では、押し子4を押圧して先端方向へ移動させて薬剤100の排出動作を行う際、このストッパー5が外筒2の基端部(基端面)28(外筒2の一部)に当接することにより、外筒2内への押し子4の挿入深さが規制され、これにより、正確な量の薬剤100を排出することができる。以下、このストッパー5について詳述する。
図2に示すように、ストッパー5は、ストッパー本体51と、ブレーキ部52とを有している。ストッパー本体51およびブレーキ部52は、それぞれ、ほぼ左右対称な構成になっている。
ストッパー本体51には、一対の下方向に解放する溝(凹部)511、511が形成されており、各溝511には、それぞれ、レール部44、44が挿入する。ストッパー本体51がレール部44、44に沿って移動することにより、ストッパー5が押し子4の長手方向に沿って移動する。
また、ストッパー本体51の中央部(溝511同士の間)には、上方向に解放する溝(凹部)512が形成されている。この溝512には、後述する操作部材6の先端下部に形成された嵌合部613が嵌合する。
ストッパー本体51の基端部には、一対の軸受け513、513が設けられている。各軸受け513には、それぞれ、後述する操作部材6の回転軸62の端部が挿入、回転可能に固定される。
このようなストッパー本体51の基端には、基端方向に向かって突出する平板状のブレーキ部52、52が、ほぼ平行となるように一対で設けられている。各ブレーキ部52は、それぞれ、ストッパー本体51と一体的に形成されており、その先端を固定端、その基端を可動端として弾性変形する。
これらのブレーキ部52は、それぞれ、図1に示すように、レール部44、44の内側に位置している。そして、各ブレーキ部52(ストッパー5の一部)が、それぞれ、各レール部44に圧接されることにより、ストッパー5が押し子4に対して固定された状態となる。
一方、各ブレーキ部52が、各レール部44から離間することにより、ストッパー5の押し子4に対する固定が解除された状態となる。なお、ブレーキ部52の外面521間の距離(図2中、長さL)は、レール部44の内面441間の距離(図2中、長さM)とほぼ等しいか、若干小さく設定されているので、ストッパー5の押し子4に対する固定が解除された状態では、ストッパー5は、押し子4の長手方向に沿って円滑に移動することができる。
このように、本実施形態では、レール部44の内面441およびブレーキ部52の外面521が互いに圧接される当接面を構成している。なお、前述したように、レール部44は、ほぼ平行となるように一対で設けられていることから、押し子4側の当接面は、ほぼ平行となるように一対で設けられ、さらに、対面して設けられることとなる。
本実施形態では、これらのブレーキ部52の外面521およびレール部44の内面441は、それらの双方が粗面で構成されている。これにより、ストッパー5の押し子4に対する固定を、より確実に行うことができる。
また、例えば、レール部44の内面441を係合凹部(または係合凸部)で構成されたラックとし、ブレーキ部52の外面521をかかるラックに係合し得る係合凸部(または係合凹部)で構成することもできるが、この場合には、係合凹部(または係合凸部)同士の間隔(ピッチ)を狭くして、シリンジ1の排出液量(投与液量)の最少量を少なくするのにも限界がある。これに対して、本実施形態のような構成とすることにより、シリンジ1の排出液量の最少量をより少なく設定することができ、例えば、より細かい薬液の投与量の設定が可能となるという利点がある。
なお、ブレーキ部52の外面521およびレール部44の内面441(すなわち、ストッパー5と押し子4との当接面)の一方のみが粗面で構成されていてもよく、また、ブレーキ部52の外面521およびレール部44の内面441の一方または双方が摩擦抵抗の大きい材料(例えば、各種ゴム、各種熱可塑性エラストマー等の弾性材料)で構成されていてもよい。
このようなストッパー5には、ストッパー5を押し子4に対して固定する操作を行う操作部材6が回動可能(変位可能)に設けられている。
操作部材6は、本体部61と、この本体部61から側方へ突出して形成された回転軸62、62とを有している。各回転軸62が、ストッパー本体51に設けられた軸受け513、513に挿入し、これにより、操作部材6は、ストッパー本体51に対して回動可能となっている。
本体部61は、指で押圧操作される部分であり、押しボタンとして機能する。本体部61の上面には、操作部材6(本体部61)を指で押圧する際の滑り止め機能を有する凸条611が複数形成されている。
本体部61の基端側下部には、下方向に突出する楔部(嵌入部)612が、また、先端側下部には、先端方向に突出する嵌合部613が、それぞれ、本体部61と一体的に形成されている。
楔部612の幅(図2中、長さP)は、ブレーキ部52の内面521間の距離(図2中、長さN)より若干大きく設定されている。このため、操作部材6(本体部61)の基端側を押し子4に向かって押圧すると、操作部材6が回転軸62を中心にストッパー5に対して回動して、楔部612が下方向へ変位する。そして、この楔部612(操作部材6の一部)が、図3(a)に示すように、ブレーキ部52、52の間に挿入(嵌入)し、これらを互いに離間する方向に押し広げる。これにより、各ブレーキ部52は、それぞれ、楔部612(操作部材6の一部)とレール部44(押し子4)とに挟持されることにより、押し子4に圧接され、ストッパー5が押し子4に対して固定される。
一方、この状態から、操作部材6の本体部61の先端側を押し子4に向かって押圧すると、操作部材6が回転軸62を中心にストッパー5に対して回動して、楔部612が上方向へ変位する。これにより、楔部612は、ブレーキ部52、52の間から離脱して、ストッパー5の押し子4に対する固定が解除され、ストッパー5は、押し子4に対してスライド(移動)することができる。
また、嵌合部613の幅(図2中、長さQ)は、ストッパー本体51の溝512の幅(図2中、長さO)より大きく設定されているため、嵌合部613がストッパー本体51の溝512に嵌合して、操作部材6がストッパー本体51に対して固定される(図3(b)参照)。このため、ストッパー5を押し子4の長手方向に沿って移動させる操作の際に、操作部材6が動いて(回動して)、この操作の邪魔になるのを防止することができる。
以上説明したように、シリンジ1では、操作部材6(本体部61)を指で押圧操作することにより、ストッパー5の押し子4への固定およびその解除を行い、ストッパー5を押し子4上でスライドさせて、その位置を所望の位置に調整することができる。このようにして押し子4上でのストッパー5の位置を調整することにより、外筒2内へ挿入可能な押し子4の深さを変更することができ、よって、排出する薬剤100の量を所望の量に設定することができる。
図1に示すように、押し子4(本体部40)には、シリンジ1より排出される液量に対応する目盛り48が付されている。後述するように、ストッパー5(ストッパー本体51)の先端面514の位置をこの目盛り48に合わせた状態で押し子4を押し込むことにより、所望の量の薬剤100を排出することができる。
この目盛り48は、外筒2の目盛り27に対応しており、図示の構成では、排出液量が0〜5mLに対応する位置に付されている。
また、押し子4には、ストッパー5を目盛り48の0(ゼロ)に位置決めする位置決め手段が設けられている。本実施形態では、この位置決め手段は、第2のフランジ42で構成されている。すなわち、第2のフランジ42の基端面421は、目盛り48の0に相当する位置になっており、これにより、ストッパー5の先端面514が第2のフランジ42の基端面421に当接するまでストッパー5を先端方向に移動させることにより、容易にストッパー5を目盛り48の0に位置合わせ(ゼロ点合わせ)することができる。ゼロ点合わせを行うことにより、後述するように、薬剤100の排出量をより正確な量にすることができる。
なお、この位置決め手段は、第2のフランジ42のような構成に限らず、ストッパー5がそれ以上、先端方向へ移動しないようにするものであればいかなるものでもよく、例えば、レール部44の縁部に形成した段差などであってもよい。
ストッパー5および操作部材6の構成材料としては、それぞれ、特に限定されず、例えば、外筒2の構成材料として挙げたような各種合成樹脂材料の他、ステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金、銅または銅系合金のような各種金属材料や各種セラミックス材料などを用いることができる。
次に、シリンジ1の使用方法の一例について説明する。以下に説明する方法は、シリンジ1に、有底筒状のホルダー本体と両端にそれぞれ鋭利な針先が形成された両頭針(針管)とを有する両頭針付ホルダー(図示せず)を接続し、ボトル(瓶)状またはバッグ状をなす輸液容器(図示せず)に薬剤100を混注する場合の例である。
[1A] まず、ストッパー5を目盛り48の0に位置合わせ(ゼロ点合わせ)する。すなわち、操作部材6(本体部61)の先端側を押し子4に向かって、指で押圧してストッパー5の押し子4に対する固定を解除する(図3(b)参照)。そして、ストッパー5を押し子4の先端側に最大限に移動させて、先端面514を第2のフランジ42の基端面421に当接させる。この状態で、操作部材6(本体部61)の基端側を押し子4に向かって、指で押圧してストッパー5を押し子4に対して固定する(図3(a)参照)。
[2A] 次いで、以下のようにして、外筒2内のエア抜きを行う。図1に示すように、シリンジ1には、規定量(図示の構成では5mL)よりやや多い量の薬剤100が充填されている。このシリンジ1のキャップ29に両頭針付ホルダーのホルダー本体を嵌合する(被せる)。これにより、両頭針の一方の針先が膜24を刺通し、縮径部22の内腔23に侵入する。このようにして両頭針付ホルダーを装着した後、押し子4の指当て部401に指を当て、ストッパー5の先端面514が外筒2の基端部28に当接するまで、押し子4を外筒2に対し先端方向に移動させる。これにより、押し子4に連結されたガスケット3が外筒2内で先端方向に摺動し、規定量より余剰の薬剤100と外筒2内のエアとが縮径部22の内腔23および両頭針内を通って排出される。
この操作により、外筒2内の薬剤100が規定量になる。すなわち、この状態では、ガスケット3の外周部先端(凸部33)は、外筒2の目盛り27における規定量(図示の構成では5mL)の位置に位置する。
[3A] 次いで、両頭針付ホルダーの両頭針の他方の針先を輸液容器の口部を封止する栓体に刺通する。この状態で、外筒2内と、輸液容器の内部空間とが、両頭針を介して連通する。
[4A] 次いで、再度、操作部材6を操作することにより、ストッパー5の押し子4に対する固定を解除する。そして、ストッパー5を押し子4上でスライドさせ、ストッパー5の先端面514を目盛り48上の希望とする排出量に対応する位置に合わせる。例えば、図示の構成では、1mLの薬剤100を排出する場合には、先端面514を目盛り48上の「1」に合わせ、3mLの薬剤100を排出する場合には、先端面514を目盛り48上の「3」に合わせる。その後、操作部材6を操作することにより、ストッパー5を押し子4に対して固定する。
[5A] 次いで、指当て部401に指を当てて押し子4を先端方向に押圧し、ストッパー5の先端面514が外筒2の基端部28に当接するまで、押し子4を外筒2に対し先端方向に移動させる。これにより、押し子4に連結されたガスケット3が外筒2内で先端方向に摺動し、設定した量の薬剤100が外筒2内から縮径部22の内腔23および両頭針内を通って排出され、輸液容器内の輸液に配合される。
このように、本発明では、ストッパー5が外筒2に当接することにより押し子4の外筒2内への挿入深さが規制されることから、押し子4を押し過ぎたり、押し足りなかったりすることがなく、設定した量の薬剤100を正確に排出することができる。よって、薬剤100の排出量が過多・過少となるミスを確実に防止することができる。
また、シリンジ1では、ストッパー5の一部を押し子4に圧接させて固定するので、これにより、薬剤100の排出液量の最少量をより少なく設定することができる。
また、薬剤100の排出操作においては、ストッパー5が外筒2に突き当たるまで押し子4を先端方向に移動させるだけの簡単な操作で前記効果を達成することができ、押し子4の操作に微妙な力加減を必要とせず、操作が容易である。
なお、前述した使用方法の他に、次のようにして、予め薬剤100の過量分を捨てる使用方法を採ることもできる。
[1B] 図示の構成において、規定量5mLのうちの3mLのみを使用する場合を例に説明する。まず、ストッパー5の先端面514を目盛り48上の薬剤100の過量分に相当する位置に合わせる。この場合、規定量5mLに対し、使用量3mLであり、2mLが過量であるので、先端面514を目盛り48の「2」に合わせる。
[2B] 次いで、シリンジ1のキャップ29に前記と同様にして両頭針付ホルダーを装着した後、押し子4の指当て部401に指を当て、ストッパー5の先端面514が外筒2の基端部28に当接するまで、押し子4を外筒2に対し先端方向に移動させる。これにより、押し子4に連結されたガスケット3が外筒2内で先端方向に摺動し、過量分の薬剤100と外筒2内のエアとが縮径部22の内腔23および両頭針内を通って排出される。これにより、エア抜きが行われるとともに、外筒2内に3mLの薬剤100が残存する。すなわち、この状態では、ガスケット3の外周部先端(凸部33)は、外筒2の目盛り27の「3」に位置する。
[3B] 次いで、前記と同様にして、両頭針付ホルダーの両頭針の他方の針先を輸液容器の口部を封止する栓体に刺通し、外筒2内と輸液容器の内部空間とを連通させる。
[4B] 次いで、前記と同様にして、ストッパー5を押し子4上でスライドさせ、ストッパー5を押し子4の基端部(図示の構成では、目盛り48の「5」より基端側)に移動させて固定する。
[5B] 次いで、指当て部401に指を当てて押し子4を押圧し、ガスケット3の先端面36が外筒2の底部21に接触(または近接)するまで押し子4を先端方向に移動させ、外筒2内に残存する薬剤100のほぼ全量を排出する。これにより、希望とする量(3mL)の薬剤100を輸液容器内の輸液に配合することができる。
なお、本実施形態では、液体の薬剤100が予め収納されているシリンジ1について説明したが、本発明では、薬剤100が固体状のものでもよい。この場合には、押し子4を基端方向に引いて縮径部22の先端開口から液体を吸引して外筒2内に導入し、この液体に薬剤100を溶解させて使用する。また、本発明は、シリンジ1のようなプレフィルドシリンジに限らず、薬剤等が封入されていない通常のシリンジに適用することもできる。
また、シリンジ1は、前述したような両頭針付ホルダーを用いた使用方法に限らず、縮径部22に例えば針管のハブ、コネクタ類、チューブ類等(図示せず)を嵌合、装着して使用してもよいことは言うまでもない。
<第2実施形態>
次に、シリンジの第2実施形態について説明する。
図4は、本発明のシリンジの実施形態における押し子の本体部およびストッパーを示す平面図、図5は、図4に示すシリンジが備えるストッパーの作動状態を示す部分断面側面図、図6は、図5中、A−A線断面図、図7は、図5中、B−B線断面図である。なお、説明の都合上、図4および図5中の左側を「先端」、右側を「基端」と言い、図6中の紙面手前側を「先端」、紙面奥側を「基端」と言い、図7中、下側を「先端」、上側を「基端」と言う。
以下、第2実施形態のシリンジについて説明するが、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
第2実施形態では、押し子、ストッパーおよび操作部材の構成が異なり、それ以外は、前記第1実施形態と同様である。
第2実施形態の押し子4は、その本体部40が、2枚の板片45、46を十文字状に交差させた形状になっている。
板片46の上縁部には、板片45とほぼ平行となるように、板片状のレール部47が設けられている。このレール部47は、押し子4と一体的に形成されている。
図6に示すように、ストッパー5は、2つの部材53a、53bとで構成されたストッパー本体53と、ブレーキ部54とを有している。
ストッパー本体53には、下方向に解放する溝(凹部)531が形成されている。この溝531には、レール部47が挿入する。ストッパー本体53がレール部47に沿って移動することにより、ストッパー5が押し子4の長手方向に沿って移動する。
ストッパー本体53の上面には、ストッパー5(ストッパー本体53)を指でスライドする際の滑り止め機能を有する凸条532が複数形成されている。
これらの凸条532の両側部には、一対の凹部533が形成されている。各凹部533は、ストッパー5が固定された状態と、解除された状態とを判別容易にするための表示として、印刷やラベル貼付する箇所を確保するものである。また、凹部533は、その表面に、文字または記号の形状に凸状または凹状の成形を行ったり、さらに、それらに印刷等の加飾を行っても良い。
ストッパー本体53の下部には、4本の円弧状をなす脚部534が設けられている。各脚部534は、弾性変形可能となっている。各脚部534を設けることにより、ストッパー5を押し子4に対して移動操作する際に、ストッパー5が押し子4に対してガタツクのを防止して、この操作をより確実に行うことができる。
このようなストッパー本体53の下部には、内側方向に向かって突出する平板状のブレーキ部54、54が、ほぼ平行となるように一対で設けられている。各ブレーキ部54は、それぞれ、ストッパー本体53(53aまたは53b)と一体的に形成されている。このような構成により、ストッパー5は、レール部47を覆うようにして設けられている(図6参照)。
そして、各ブレーキ部54が、レール部47に圧接されることにより、ストッパー5が押し子4に対して固定された状態(図5(a)および図6(a)に示す状態)となる。
一方、各ブレーキ部54が、レール部47から離間することにより、ストッパー5の押し子4に対する固定が解除された状態(図5(b)および図6(b)に示す状態)となる。この状態では、ストッパー5は、押し子4の長手方向に沿って円滑に移動することができる。
このように、本実施形態では、レール部47の両端部(図6中、左右の端部)の下面471およびブレーキ部54の上面541が互いに圧接される当接面を構成している。なお、前述したように、レール部47は、板片状をなすことから、押し子4側の当接面は、ほぼ平行となるように一対で設けられ、さらに、同一平面上に設けられることとなる。
これらのブレーキ部54の上面541およびレール部47の下面471は、前記第1実施形態と同様に、それらの双方が粗面で構成されている。これにより、ストッパー5の押し子4に対する固定を、より確実に行うことができる。
なお、ブレーキ部54の上面541およびレール部47の下面471(すなわち、ストッパー5と押し子4との当接面)の一方のみが粗面で構成されていてもよく、また、ブレーキ部54の上面541およびレール部47の下面471の一方または双方が摩擦抵抗の大きい材料(例えば、各種ゴム、各種熱可塑性エラストマー等の弾性材料)で構成されてもよい。
このようなストッパー5には、ストッパー5を押し子4に対して固定する操作を行う操作部材6がスライド可能(変位可能)に設けられている。
操作部材6は、板状(または棒状)の本体部63を有し、この本体部63がストッパー本体53とレール部47との間に側方から挿入した状態で設置されている。この本体部63の両端部(図6および図7中、左右両端部)には、それぞれ、押しボタンとして機能する操作部64が設けられている。
また、図7に示すように、本体部63の両側部(図2中、上下)には、一対の楔部(嵌入部)631が突出形成されている。一方、ストッパー本体53の溝531側の面には、一対の肉厚部535が下方向に向かって突出形成されている。各楔部631と各肉厚部535とは、押し子4の長手方向において、ほぼ同一位置となるように設けられている。
楔部631の厚さは、ストッパー本体53が押し子4に対して厚さ方向(長手方向に垂直な方向)に移動可能な距離より若干大きく設定されている。このため、操作部材6の一方(図示の構成では、左側)の操作部64を押し子4に向かって押圧すると、操作部材6がストッパー5に対して右方向へスライド(変位)し、楔部631が肉厚部535(ストッパー本体53)とレール部47との間に嵌入することにより、ストッパー本体53を押し子4から離間する方向に移動させる。このとき、各ブレーキ部54は、レール部47に接近し、そして、各ブレーキ部54がレール部47に圧接されことにより、ストッパー5が押し子4に対して固定される(図5(a)〜図7(a)参照)。
一方、この状態から、操作部材6の他方の(図示の構成では、右側)の操作部64を押し子4に向かって押圧する(前記と逆に押し戻す)と、操作部材6がストッパー5に対してスライドすることにより、楔部631が左方向へスライド(変位)して、楔部631が肉厚部535(ストッパー本体53)とレール部47との間から離脱する。これにより、ストッパー5の押し子4に対する固定が解除され、ストッパー5は、押し子4に対してスライド(移動)することができる。
また、ストッパー5の押し子4に対する固定が解除された状態で、楔部631と肉厚部535とが対面する面は、それぞれ、傾斜面631a、535aとされている。これにより、楔部631を肉厚部535(ストッパー本体53)とレール部47との間へ嵌入する操作を、より円滑かつ確実に行うことができる。
第2実施形態のシリンジ1では、ストッパー5(ストッパー本体53)の先端面536が外筒2の基端部28に当接することにより、外筒2内への押し子4の挿入深さが規制される。
また、ストッパー5の先端には、一対のほぼL字状をなす腕部537が設けられている。各腕部537は、ストッパー本体53の先端から先端方向に向かって突出するように、ストッパー本体53と一体的に形成されている。前記第1実施形態と同様に、第2のフランジ42の基端面421は、目盛り48の0に相当する位置になっており、各腕部537の先端が第2のフランジ42の基端面421に当接するまでストッパー5を先端方向に移動させることにより、容易にストッパー5を目盛り48の0に位置合わせ(ゼロ点合わせ)することができる。すなわち、本実施形態では、各腕部537と第2のフランジ42とで、ストッパー5を目盛り48の0(ゼロ)に位置決めする位置決め手段が構成されている。
このような第2実施形態のシリンジ1においても、前記第1実施形態のシリンジ1と同様の作用・効果が得られる。また、第2実施形態のシリンジ1も、前記第1実施形態のシリンジ1とほぼ同様にして使用することができる。
<第3実施形態>
次に、シリンジの第3実施形態について説明する。
図8は、シリンジの第2参考例における押し子部分の分解斜視図である。なお、説明の都合上、図8中の紙面手前側を「先端」、紙面奥側を「基端」と言う。
以下、第3実施形態のシリンジについて説明するが、前記第1および第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
第3実施形態では、ストッパーと押し子との当接面の構成が異なり、それ以外は、前記第1実施形態と同様である。
図8に示すように、各ブレーキ部52は、それぞれ、ストッパー本体51と一体的に形成された内部材52aと、この内部材52aの外側(レール部44の内面441に対向する側)に固着(固定)された外部材(パッド)52bとで構成されている。外部材52bは、弾性材料で構成されている。換言すれば、各ブレーキ部52の外面521(ストッパー5側の当接面)が摩擦抵抗の大きい材料で構成されている。
このような弾性材料としては、例えば、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、シリコーンゴムのような各種ゴム材料や、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、オレフィン系、スチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、あるいはそれらの混合物等が挙げられる。
一方、各レール部44の内面441には、複数の凹部441aが所定間隔で凹没形成されている。本実施形態では、凹部441aは、ほぼV字状の溝で構成されている。
このような構成により、操作部材6(本体部61)の基端側を押し子4に向かって押圧すると、楔部612(操作部材6の一部)が、ブレーキ部52、52の間に挿入(嵌入)し、これらを互いに離間する方向に押し広げる。これにより、各ブレーキ部52は、それぞれ、弾性材料で構成される外部材52bがレール部44の凹部441aにめり込むようにして圧接され、ストッパー5が押し子4に対して固定される。
なお、凹部441aの形状は、V字状のものに限定されず、例えば、U字状、コ字状、半円状、孔等であってもよい。
また、図示の構成とは異なり、ブレーキ部52の外面521に凹部が形成され、レール部44の内面441が弾性材料で構成されるような構成であってもよく、ブレーキ部52の外面521およびレール部44の内面441の双方を弾性材料で構成するようにしてもよい。
このような第3実施形態のシリンジ1においても、前記第1実施形態のシリンジ1と同様の作用・効果が得られる。また、第3実施形態のシリンジ1も、前記第1実施形態のシリンジ1とほぼ同様にして使用することができる。
以上、本発明のシリンジを図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、シリンジを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。
また、本発明では、各前記実施形態の構成の任意の2以上を組み合わせるようにしてもよい。
1 シリンジ
2 外筒
21 底部
22 縮径部
23 内腔
24 膜
25 フランジ
26 内周面
27 目盛り
28 基端部
29 キャップ
291 開口
3 ガスケット
31、32、33 凸部
34 中空部
341 雌ネジ
36 先端面
4 押し子
40 本体部
401 指当て部
41 第1のフランジ
42 第2のフランジ
421 基端面
43 ヘッド部
431 雄ネジ
44 レール部
441 内面
441a 凹部
45、46 板片
47 レール部
471 下面
48 目盛り
5 ストッパー
51 ストッパー本体
511 溝
512 溝
513 軸受け
514 先端面
52 ブレーキ部
52a 内部材
52b 外部材
521 外面
53(53a、53b) ストッパー本体
531 溝
532 凸条
533 凹部
534 脚部
535 肉厚部
536 先端面
537 腕部
535a 傾斜面
54 ブレーキ部
541 上面
6 操作部材
61 本体部
611 凸条
612 楔部
613 嵌合部
62 回転軸
63 本体部
631 楔部
631a 傾斜面
64 操作部
100 薬剤

Claims (5)

  1. 外筒と、
    前記外筒内で摺動し得るガスケットと、
    前記外筒の基端開口より挿入され、前記ガスケットを移動操作する押し子と、
    前記押し子に、その長手方向に沿ってスライド可能、かつ、前記押し子上での位置を所望の位置に調整可能に設けられたストッパーと、
    前記ストッパーに対して変位可能に設けられ、前記ストッパーを前記押し子に対して固定する操作とその固定を解除する操作とを行う操作部材とを備え、
    前記ストッパーが前記外筒の一部に当接することにより、前記外筒内への前記押し子の挿入深さが規制されるシリンジであって、
    前記押し子は、その長手方向に沿って形成された平行な一対の押し子側当接面を有し、
    前記ストッパーは、ストッパー本体と、前記一対の押し子側当接面にそれぞれ対向し、該対向する押し子側当接面に対して、前記操作部材の操作により圧接・離間可能な一対のストッパ側当接面が形成されたブレーキ部とを有し、
    前記操作部材は、前記ストッパーを前記押し子に対して固定する際に前記ストッパー本体と前記押し子との間に嵌入される楔部を有し、
    前記操作部材を操作して前記楔部を前記ストッパー本体と前記押し子との間に嵌入して、前記ストッパー本体を前記押し子から離間する方向に移動させることにより、互いに対向する前記押し子側当接面と前記ストッパ側当接面とのうちの前記ストッパ側当接面が前記押し子側当接面に圧接されて、前記ストッパーが前記押し子に対して所望の位置で固定された固定状態となり、
    前記操作部材を操作して前記楔部が前記ストッパー本体と前記押し子との間から離脱することにより、前記押し子側当接面と該押し子側当接面に圧接している前記ストッパ側当接面とが離間することにより、前記固定状態が解除された解除状態となることを特徴とするシリンジ。
  2. 前記ブレーキ部の前記押し子への圧接は、前記操作部材の一部と前記押し子とで挟持することによりなされる請求項1に記載のシリンジ。
  3. 前記ブレーキ部は、その形状が板状をなし、一端が前記ストッパー本体に固定された固定端、他端が可動端として弾性変形するものである請求項2に記載のシリンジ。
  4. 前記操作部材は、前記ストッパーに対して回動可能に設けられている請求項2または3に記載のシリンジ。
  5. 前記押し子は、その長手方向に沿って形成された凸条で構成され、前記ストッパーを案内する平行な一対のレール部を備え、該各レール部の内側の面がそれぞれ前記押し子側当接面となるものである請求項1ないし4のいずれかに記載のシリンジ。
JP2009131039A 2009-05-29 2009-05-29 シリンジ Expired - Fee Related JP4898868B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009131039A JP4898868B2 (ja) 2009-05-29 2009-05-29 シリンジ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009131039A JP4898868B2 (ja) 2009-05-29 2009-05-29 シリンジ

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002327465A Division JP4344127B2 (ja) 2001-12-28 2002-11-11 シリンジ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009183795A true JP2009183795A (ja) 2009-08-20
JP4898868B2 JP4898868B2 (ja) 2012-03-21

Family

ID=41067633

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009131039A Expired - Fee Related JP4898868B2 (ja) 2009-05-29 2009-05-29 シリンジ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4898868B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101541740B1 (ko) 2014-01-27 2015-08-05 함종욱 주사액 정량 토출용 스토퍼를 갖는 주사기
JPWO2015079874A1 (ja) * 2013-11-27 2017-03-16 ニプロ株式会社 プレフィルドシリンジ

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US1569457A (en) * 1924-03-24 1926-01-12 Henry M Carstens Syringe
US4444335A (en) * 1981-09-14 1984-04-24 Merck & Co., Inc. Delivery of adjustable quantities of materials
US5009645A (en) * 1989-06-12 1991-04-23 Jules Silver Syringe for dispensing measured quantities of a material

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US1569457A (en) * 1924-03-24 1926-01-12 Henry M Carstens Syringe
US4444335A (en) * 1981-09-14 1984-04-24 Merck & Co., Inc. Delivery of adjustable quantities of materials
US5009645A (en) * 1989-06-12 1991-04-23 Jules Silver Syringe for dispensing measured quantities of a material

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2015079874A1 (ja) * 2013-11-27 2017-03-16 ニプロ株式会社 プレフィルドシリンジ
KR101541740B1 (ko) 2014-01-27 2015-08-05 함종욱 주사액 정량 토출용 스토퍼를 갖는 주사기

Also Published As

Publication number Publication date
JP4898868B2 (ja) 2012-03-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8613720B2 (en) Automatic reconstitution injector device
US9017292B2 (en) Medical injection device
US7731678B2 (en) Syringe devices and methods for mixing and administering medication
US7427276B2 (en) Syringe
JP5256200B2 (ja) 薬液注入器具
JP5940080B2 (ja) 薬剤注射器具用の針カートリッジ
JPH0898886A (ja) 薬剤送出ペンにおけるカートリッジ保持アッセンブリ
AU2006311268A1 (en) Syringe devices, components of syringe devices, and methods of forming components and syringe devices
EP2554207A1 (en) Prefilled syringe
JPWO2011122393A1 (ja) プレフィルドシリンジ
JP6042816B2 (ja) 液体注入具
WO2013046857A1 (ja) プロテクタおよびシリンジ組立体
JP4191409B2 (ja) シリンジ
JP4898868B2 (ja) シリンジ
US20180015234A1 (en) Injection needle assembly and medicine injection apparatus
JP4344127B2 (ja) シリンジ
JP2011115345A (ja) プレフィルドシリンジ
JP2005312699A (ja) シリンジ
JP2011212183A (ja) プレフィルドシリンジ
US20180015232A1 (en) Injection needle assembly and drug injection device
JP2006025874A (ja) プレフィルドシリンジ
JP2003199825A (ja) プレフィルドシリンジ
JP2006116223A (ja) プレフィルドシリンジ
WO2014013547A1 (ja) 液体投与具
JPWO2013146050A1 (ja) 液体投与具

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090601

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110816

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111011

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111213

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111226

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150106

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees