JP2009180869A - トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】常温常湿(N/N)環境下だけでなく、低温低湿(L/L)や高温高湿(H/H)のような厳しい環境下においても、初期カブリ等による画質の劣化が起こり難く初期印字性能に優れると共に、多枚数の連続印刷を行なっても、カブリ及びフィルミング等による画質の劣化が起こり難く耐久印字性能にも優れるトナーを提供する。
【解決手段】少なくとも結着樹脂及び着色剤を含んでなる着色樹脂粒子、並びに外添剤を含有するトナーにおいて、上記着色樹脂粒子が、グリコールウリル骨格を有する化合物を含んでなり、当該着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)が、5〜10μmであることを特徴とするトナーである。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、及び静電印刷法等において静電潜像を現像するために用いられるトナーに関し、更に詳細には、低温低湿(L/L)や高温高湿(H/H)環境下のような厳しい環境下においても、初期印字性能及び耐久印字性能に優れるトナーに関する。
トナーは、一般に使用環境の温度や湿度の影響を受け易く、低温低湿(L/L)環境下では帯電量が過大になり、高温高湿(H/H)環境下では帯電量が不足するため、トナーに付与される帯電量に変動が生じ、帯電立ち上がりに時間がかかり、初期印字性能に悪影響が及ぼされる問題や、安定した帯電特性を経時的にトナー粒子に付与することができず、耐久印字性能に悪影響が及ぼされることが問題になっている。
このため、通常の使用環境である常温常湿(N/N)環境下だけではなく、低温低湿(L/L)、及び高温高湿(H/H)環境のような広範な環境変化にも対応し得るトナーが求められ、上記問題を解決するために、種々の化学物質を外添剤として或いは内添剤としてトナー粒子に含有させ、安定した帯電特性をトナー粒子に付与し、印字性能を改善するための様々な試みがなされている。
例えば、特許文献1では、アミノシランで表面処理されたシリカ微粒子を外添剤として用いるトナーが開示されている。また、特許文献2では、特定の特性を有するシラン化合物で表面処理した酸化チタンを外添剤として用いるトナーが開示されている。また、特許文献3では、導電性微粒子及びシリカ微粒子を外添剤として用いるトナーが開示されている。しかしながら、特許文献1〜3のトナーは、広範な環境変化にも対応し得るだけの安定した帯電特性をトナー粒子に付与できるレベルには到達していない。
特許文献4では、結着樹脂中にシリカ微粒子を含有(内添)させることを特徴とするトナーが開示されている。しかしながら、特許文献4のトナーは、常温常湿環境下において、安定した帯電特性をトナー粒子に付与させることができ、印字性能は比較的良好であったと認められるものの、低温低湿及び高温高湿環境下においての検討はなされておらず、広範な環境変化に対応できるトナーであるか定かではない。
また、特許文献5では、結着樹脂中に酸化スズ系の無機酸化物を含有(内添)させることを特徴とするトナーが開示されている。しかしながら、特許文献5のトナーは、低温低湿環境下において、耐久印字性能は比較的良好であったと認められるものの、高温高湿環境下における検討はなされておらず、広範な環境変化に対応できるトナーであるか定かではない。
また、特許文献6では、結着樹脂中に結晶性の低抵抗酸化錫被膜が形成された微粉体を含有(内添)させることを特徴とするトナーが開示されている。しかしながら、特許文献6のトナーは、低温低湿及び高温高湿環境下において、耐久印字性能は比較的良好であったと認められるものの、帯電立ち上がり性についての検討がなされておらず、初期印字性能にも優れるトナーであるか定かではない。
特開平10−39534号公報 特開平6−19186号公報 特開平10−83096号公報 特開平5−216267号公報 特開昭57−40259号公報 特開平8−202078号公報
本発明の目的は、常温常湿(N/N)環境下だけでなく、低温低湿(L/L)や高温高湿(H/H)のような厳しい環境下においても、初期カブリ等による画質の劣化が起こり難く初期印字性能に優れると共に、多枚数の連続印刷を行なっても、カブリ及びフィルミング等による画質の劣化が起こり難く耐久印字性能にも優れるトナーを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討したところ、着色樹脂粒子中にグリコールウリル骨格を有する化合物を含有(内添)させることにより、常温常湿(N/N)環境下だけでなく、低温低湿(L/L)や高温高湿(H/H)のような厳しい環境下においても、帯電量の変動が少なく安定した帯電特性をトナー粒子に付与させることができ、帯電立ち上がり性が良好となり、初期カブリ等による画質の劣化が起こり難く初期印字性能に優れると共に、経時的にも安定した帯電特性をトナー粒子に付与させることができ、多枚数の連続印刷を行なっても、カブリ及びフィルミング等による画質の劣化が起こり難く耐久印字性能にも優れることを見出し、これらの知見に基づいて本発明を完成するに到った。
すなわち本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含んでなる着色樹脂粒子、並びに外添剤を含有するトナーにおいて、
上記着色樹脂粒子が、グリコールウリル骨格を有する化合物を含んでなり、当該着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)が、5〜10μmであることを特徴とするトナーである。
上記の如き本発明によれば、常温常湿(N/N)環境下だけでなく、低温低湿(L/L)や高温高湿(H/H)のような厳しい環境下においても、初期カブリ等による画質の劣化が起こり難く初期印字性能に優れると共に、多枚数の連続印刷を行なっても、カブリ及びフィルミング等による画質の劣化が起こり難く耐久印字性能にも優れたトナーが提供される。
本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含んでなる着色樹脂粒子、並びに外添剤を含有するトナーにおいて、
上記着色樹脂粒子が、グリコールウリル骨格を有する化合物を含んでなり、当該着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)が、5〜10μmであることを特徴とするものである。
以下、本発明のトナーについて説明する。
本発明のトナーは、結着樹脂、着色剤、及びグリコールウリル骨格を有する化合物を含んでなる着色樹脂粒子、並びに外添剤から構成される。
結着樹脂の具体例としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、ポリエステル樹脂、及びエポキシ樹脂等の従来からトナーに広く用いられている樹脂を挙げることができる。
一般に、着色樹脂粒子の製造方法は、粉砕法等の乾式法、並びに乳化重合凝集法、分散重合法、懸濁重合法、及び溶解懸濁法等の湿式法に大別され、細線再現性などの印字特性に優れたトナーが得られ易いことから湿式法が好ましい。湿式法の中でも、ミクロンオーダーで比較的シャープな粒径分布を持つトナーが得られ易いことから、乳化重合凝集法、分散重合法、及び懸濁重合法等の重合法が好ましく、重合法の中でも懸濁重合法がより好ましい。
上記乳化重合凝集法は、乳化させた重合性単量体を重合し、樹脂微粒子を得て、着色剤等と凝集させ、着色樹脂粒子を製造する。また、上記溶解懸濁法は、結着樹脂や着色剤等のトナー成分を有機溶媒に溶解又は分散した溶液を水系媒体中で液滴形成し、当該有機溶媒を除去して着色樹脂粒子を製造する方法であり、それぞれ公知の方法を用いることができる。
本発明の着色樹脂粒子は、湿式法、又は乾式法を採用して製造することができる。
湿式法の中でも好ましい(A)懸濁重合法を採用し、または乾式法の中でも代表的な(B)粉砕法を採用して着色樹脂粒子を製造する場合、以下のようなプロセスにより行なわれる。
(A)懸濁重合法
(1)重合性単量体組成物の調製工程
先ず、重合性単量体、着色剤、及びグリコールウリル骨格を有する化合物、さらに必要に応じて、帯電制御剤、及び離型剤等のその他の添加物を、攪拌装置を用いて、混合、溶解又は分散して重合性単量体組成物の調製を行なう。
本発明において「グリコールウリル骨格を有する化合物」とは、下記式1で表わされる無置換グリコールウリル(即ち、グリコールウリル)、或いは、下記式2の一般式で表わされる置換グリコールウリル又はその樹脂、並びに、これらの混合物のことをいう。
Figure 2009180869
Figure 2009180869
上記式2中、X〜Xの置換基は、特に限定されるものではないが、水素原子、アルキロール基、アルコキシアルキル基、及びヒドロキシアルキル基の中から任意に選ばれることが好ましい。
また、上記式2中、Y及びYの置換基は、特に限定されるものではないが、水素原子、炭素数1〜6の低級アルキル基、及びアリール基の中から任意に選ばれることが好ましい。
上記式2の一般式で表わされる置換グリコールウリルの製造方法は、特に限定されないが、例えば、特開昭52−128926、特開昭54−129030、及び特開昭61−148272等に記載された方法を用いて製造することができる。
上記式2の一般式で表わされる置換グリコールウリルとしては、モノ,ジ,トリ又はテトラメチロールグリコールウリル、及びモノ,ジ,トリ又はテトラエチロールグリコールウリル等のアルキロール基含有グリコールウリル;モノ,ジ,トリ又はテトラメトキシメチルグリコールウリル、モノ,ジ,トリ又はテトラエトキシメチルグリコールウリル、モノ,ジ,トリ又はテトラプロポキシメチルグリコールウリル、及びモノ,ジ,トリ又はテトラブトキシメチルグリコールウリル等のアルコキシアルキル基含有グリコールウリル;モノ,ジ,トリ又はテトラヒドロキシメチルグリコールウリル、及びモノ,ジ,トリ又はテトラヒドロキシエチルグリコールウリル等のヒドロキシアルキル基含有グリコールウリル;等を代表的に挙げることができる。
なお、グリコールウリル骨格を有する化合物は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明で用いる「グリコールウリル骨格を有する化合物」としては、種々の市販品を用いることができ、例えば、日本サイテック インダストリーズ社製の市販品として、サイメル1170、及びパウダーリンク1174等が挙げられ、三和ケミカル社製の市販品として、MX−270、及びE−2403等が挙げられる。
本発明で用いるグリコールウリル骨格を有する化合物の着色樹脂粒子中への含有量(内添量)は、結着樹脂100重量部に対して、0.1〜20重量部であることが好ましく、0.3〜15重量部であることがより好ましく、0.5〜10重量部であることがさらに好ましい。
重合性単量体とは、重合可能な官能基を有するモノマーのことをいい、重合性単量体が重合して結着樹脂となる。重合性単量体の主成分として、モノビニル単量体を用いることが好ましい。モノビニル単量体としては、例えば、スチレン;ビニルトルエン、及びα−メチルスチレン等のスチレン誘導体;アクリル酸、及びメタクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、及びアクリル酸ジメチルアミノエチル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、及びメタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル;アクリルアミド、及びメタクリルアミド等のアミド化合物;エチレン、プロピレン、及びブチレン等のオレフィン;等が挙げられる。これらのモノビニル単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記モノビニル単量体のうち、スチレン、スチレン誘導体、アクリル酸エステル、及びメタクリル酸エステルが好適に用いられる。
重合性単量体の一部として、トナーの保存性(耐ブロッキング性)を改善するために、上記モノビニル単量体と共に、任意の架橋性の重合性単量体を用いることが好ましい。架橋性の重合性単量体とは、2つ以上の重合可能な官能基を有するモノマーのことをいう。架橋性の重合性単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、及びこれらの誘導体等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジメタクリレート、及びジエチレングリコールジメタクリレート等のエチレン性不飽和カルボン酸エステル;N,N−ジビニルアニリン、及びジビニルエーテル等のジビニル化合物;トリメチロールプロパントリメタクリレート、及びジメチロールプロパンテトラアクリレート等の3個以上のビニル基を有する化合物;等が挙げられる。これらの架橋性の重合性単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、架橋性の重合性単量体は、次工程(2)懸濁液を得る懸濁工程において、水系分散媒体中で重合性単量体組成物の液滴を形成させる段階で添加されてもよい。
本発明では、架橋性の重合性単量体を、モノビニル単量体100重量部に対して、通常0.1〜5重量部、好ましくは0.3〜2重量部の割合で用いることが望ましい。
また、重合性単量体の一部として、トナーの保存性と低温定着性とのバランスを向上させるために、上記モノビニル単量体と共に、任意のマクロモノマーを用いることが好ましい。マクロモノマーとは、分子鎖の末端に重合可能な炭素−炭素不飽和結合を有し、数平均分子量(Mn)が、通常1,000〜30,000の反応性のオリゴマーまたはポリマーのことをいう。マクロモノマーとして、重合性単量体を重合して得られる重合体(結着樹脂)のガラス転移温度(Tg)よりも高いTgを有するオリゴマーまたはポリマーを用いることが好ましい。
本発明では、マクロモノマーを、モノビニル単量体100重量部に対して、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.03〜5重量部、さらに好ましくは0.1〜2重量部の割合で用いることが望ましい。
着色剤としては、カラートナー(通常、ブラックトナー、シアントナー、イエロートナー、マゼンタトナーの4種類のトナーが用いられる。)を製造する場合、ブラック着色剤、シアン着色剤、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤をそれぞれ用いることができる。
ブラック着色剤としては、カーボンブラック、チタンブラック、並びに酸化鉄亜鉛、及び酸化鉄ニッケル等の磁性粉等の顔料を用いることができる。
シアンの着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン顔料、その誘導体、及びアントラキノン顔料等の化合物が用いられる。具体的には、C.I.Pigment Blue2、3、6、15、15:1、15:2、15:3、15:4、16、17:1、及び60等が挙げられる。
イエローの着色剤としては、例えば、モノアゾ顔料、及びジスアゾ顔料等のアゾ顔料、縮合多環顔料等の化合物が用いられる。具体的には、C.I.Pigment Yellow3、12、13、14、15、17、62、65、73、74、83、93、97、120、138、155、180、181、185、及び186等が挙げられる。
マゼンタの着色剤としては、例えば、モノアゾ顔料、及びジスアゾ顔料等のアゾ顔料、縮合多環顔料等の化合物が用いられる。具体的には、C.I.Pigment Red31、48、57:1、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、144、146、149、150、163、170、184、185、187、202、206、207、209、251、及びC.I.Pigment Violet19等が挙げられる。
本発明では、それぞれの着色剤は、単独もしくは2種以上を組み合わせて用いてもよく、モノビニル単量体100重量部に対して、好ましくは1〜10重量部の割合で用いることが望ましい。
その他の添加物として、トナーの帯電性を向上させるために、帯電制御剤を用いることが好ましい。
帯電制御剤としては、一般にトナー用の帯電制御剤として用いられているものであれば、特に限定されないが、本発明においては、帯電制御剤の中でも、重合性単量体との相溶性が高いことから帯電制御樹脂が好ましく用いられ、さらに帯電制御樹脂の中でも、安定した帯電性(帯電安定性)をトナー粒子に付与させる効果が高いことから、スルホン酸基を有する帯電制御樹脂が好ましく用いられる。
スルホン酸基を有する帯電制御樹脂は、例えば、種々の市販品を用いることができ、藤倉化成社製として、FCA−626N(:商品名、スチレン/アクリル樹脂)、FCA−748N(:商品名、スチレン/アクリル樹脂)、及びFCA−1001N(:商品名、スチレン/アクリル樹脂)等が挙げられる。
本発明では、帯電制御剤を、モノビニル単量体100重量部に対して、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.03〜8重量部の割合で用いることが望ましい。
その他の添加物として、トナーの定着ロールからの剥離性を向上させるために、離型剤を用いることが好ましい。
離型剤としては、一般にトナー用の離型剤として用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、及び低分子量ポリブチレン等のポリオレフィンワックス;キャンデリラ、カルナウバ、ライス、木ロウ、及びホホバ等の天然ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、及びペトロラタム等の石油ワックス;モンタン、セレシン、及びオゾケライト等の鉱物ワックス;フィッシャートロプシュワックス等の合成ワックス;ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラパルミテート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、及びペンタエリスリトールテトララウレート等のペンタエリスリトールエステル、並びに、ジペンタエリスリトールヘキサミリステート、ジペンタエリスリトールヘキサパルミテート、及びジペンタエリスリトールヘキサラウレート等のジペンタエリスリトールエステル等の多価アルコールエステル化合物;等が挙げられる。これらの離型剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明では、離型剤を、モノビニル単量体100重量部に対して、通常0.1〜30重量部、好ましくは1〜20重量部の割合で用いることが望ましい。
その他の添加物として、分子量調整剤を用いることが好ましい。
分子量調整剤としては、一般にトナー用の分子量調整剤として用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、及び2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン−4−チオール等のメルカプタン類;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、N、N'−ジメチル−N、N'−ジフェニルチウラムジスルフィド、N、N'−ジオクタデシル−N、N'−ジイソプロピルチウラムジスルフィド等のチウラムジスルフィド類;等が挙げられる。これらの分子量調整剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、分子量調整剤は、次工程(2)懸濁液を得る懸濁工程において、水系分散媒体中で重合性単量体組成物の液滴を形成させる段階で添加されてもよい。
本発明では、分子量調整剤を、モノビニル単量体100重量部に対して、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部の割合で用いることが望ましい。
(2)懸濁液を得る懸濁工程(液滴形成工程)
上記(1)重合性単量体組成物の調製工程を経て得られる重合性単量体組成物を、水系分散媒体中に懸濁させて懸濁液(重合性単量体組成物分散液)を得る。ここで、懸濁とは、水系分散媒体中で重合性単量体組成物の液滴を形成させることを意味する。液滴形成のための分散処理は、例えば、インライン型乳化分散機(太平洋機工社製、商品名:キャビトロン)、及び高速乳化・分散機(特殊機化工業社製、商品名:T.K.ホモミクサー MARK II型)等の強攪拌が可能な装置を用いて行なうことができる。
本発明では液滴形成において、着色樹脂粒子の粒径コントロール、及び円形度を向上させるために、水系分散媒体中に分散安定化剤を含有させて用いることが好ましい。
水系分散媒体は、水単独でもよいが、低級アルコール、及び低級ケトン等の水に溶解可能な溶剤と併用して用いることもできる。
分散安定化剤としては、例えば、硫酸バリウム、及び硫酸カルシウム等の硫酸塩;炭酸バリウム、炭酸カルシウム、及び炭酸マグネシウム等の炭酸塩;リン酸カルシウム等のリン酸塩;酸化アルミニウム、及び酸化チタン等の金属酸化物、並びに、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、及び水酸化第二鉄等の金属水酸化物などの金属化合物;ポリビニルアルコール、メチルセルロース、及びゼラチン等の水溶性高分子化合物;アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤等の有機高分子化合物;等が挙げられる。
上記分散安定化剤の中でも、酸溶液に溶解する金属水酸化物のコロイドを含有する分散安定化剤が好ましく用いられ、水酸化マグネシウムがより好ましく用いられる。上記分散安定化剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることもできる。
分散安定化剤の添加量は、重合性単量体100重量部に対して、0.1〜20重量部であることが好ましく、0.2〜10重量部であることがより好ましい。
重合性単量体組成物の重合に用いられる重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、及び過硫酸アンモニウム等の無機過硫酸塩;4,4’−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;ジ−t−ブチルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、及びt−ブチルパーオキシイソブチレート等の有機過酸化物;等が挙げられる。これらの中でも、有機過酸化物が好ましく用いられる。
重合開始剤は、重合性単量体組成物を、分散安定化剤を含有する水系分散媒体中に分散させた後、液滴形成前の段階で添加されてもよいが、重合性単量体組成物に直接添加されてもよい。
重合開始剤の添加量は、モノビニル単量体100重量部に対して、0.1〜20重量部であることが好ましく、0.3〜15重量部であることがより好ましく、1.0〜10重量部であることがさらに好ましい。
(3)重合工程
上記(2)懸濁液を得る工程(液滴形成工程)により得られた、所望の懸濁液(重合性単量体組成物の液滴を含有する水系分散媒体)を、加熱し、重合を開始し、着色樹脂粒子の水分散液が得られる。
本発明における重合温度は、50℃以上であることが好ましく、60〜98℃であることがより好ましい。また、本発明における重合時間は、1〜20時間であることが好ましく、2〜15時間であることがより好ましい。
なお、重合性単量体組成物の液滴を安定に分散させた状態で重合を行うために、本重合工程においても上記(2)懸濁液を得る工程(液滴形成工程)に引き続き、攪拌による分散処理を行ないながら重合反応を進行させてもよい。
本発明において、重合工程により得られる着色樹脂粒子をコア層とし、その外側にコア層と異なるシェル層を作ることで得られる、コアシェル構造(または、「カプセル型」ともいう。)を有する着色樹脂粒子とすることが好ましい。
コアシェル構造を有する着色樹脂粒子は、低軟化点の物質よりなるコア層を、それより高い軟化点を有する物質で被覆することにより、トナーの定着温度の低温化と保存時の凝集防止とのバランスを取ることができる。
上記コアシェル構造を有する着色樹脂粒子を製造する方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法によって製造することができる。in situ重合法や相分離法が、製造効率の観点から好ましい。
in situ重合法によるコアシェル構造を有する着色樹脂粒子の製造法を、以下に説明する。
着色樹脂粒子が分散している水系分散媒体中に、シェル層を形成するための重合性単量体(シェル用重合性単量体)とシェル用重合開始剤を添加し、重合を行なうことでコアシェル構造を有する着色樹脂粒子を得ることができる。
シェル用重合性単量体としては、前述の重合性単量体と同様のものを用いることができる。その中でも、スチレン、及びメチルメタクリレート等のTgが80℃を超える重合体が得られる単量体を、単独であるいは2種以上組み合わせて使用することが好ましい。
シェル用重合性単量体の重合に用いるシェル用重合開始剤としては、過硫酸カリウム、及び過硫酸アンモニウム等の過硫酸金属塩;2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)、及び2,2’−アゾビス−(2−メチル−N−(1,1−ビス(ヒドロキシメチル)2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)等の水溶性のアゾ化合物;等の重合開始剤を挙げることができる。
本発明において用いるシェル用重合開始剤の添加量は、シェル用重合性単量体100重量部に対して、0.1〜30重量部であることが好ましく、1〜20重量部であることがより好ましい。
シェル層の重合温度は、50℃以上であることが好ましく、60〜95℃であることがより好ましい。また、シェル層の重合時間は、1〜20時間であることが好ましく、2〜15時間であることがより好ましい。
(4)洗浄、濾過、脱水、及び乾燥工程
上記(3)重合工程により得られる着色樹脂粒子の水分散液は、常法に従い、洗浄、濾過、及び脱水の一連の操作を、必要に応じて数回繰り返し行ない、得られた固形分を乾燥することにより、着色樹脂粒子を得る。
先ず、着色樹脂粒子の水系分散媒体中に残存する分散安定化剤を除去するために、着色樹脂粒子の水分散液に、酸またはアルカリを添加して洗浄を行なう。
使用した分散安定化剤が、酸に可溶な無機化合物である場合、着色樹脂粒子の水分散液へ酸を添加し、一方、使用した分散安定化剤が、アルカリに可溶な無機化合物である場合、着色樹脂粒子の水分散液へアルカリを添加する。
分散安定化剤として、酸に可溶な無機化合物を使用した場合、着色樹脂粒子の水分散液に、酸を添加し、pHが6.5以下となるまで酸洗浄を行なうことが好ましい。酸洗浄で添加する酸としては、硫酸、塩酸、及び硝酸等の無機酸;蟻酸、及び酢酸等の有機酸;等を用いることができる。これらの中でも、分散安定化剤の除去効率が良好であり、トナーの製造設備への負担が小さいことから、特に硫酸が好適である。
重合工程により得られた着色樹脂粒子の水分散液に、酸またはアルカリを添加して洗浄を行なった後は、濾過分離を行ない、得られた固形分にイオン交換水を加えて再スラリー化させて、水などの洗浄液による洗浄処理(洗浄・濾過・脱水)を数回繰り返し行ない、得られた固形分を、乾燥させることにより着色樹脂粒子が得られる。
洗浄処理、及び乾燥処理の方法は、特に限定されず、種々の公知の方法を用いることができ、洗浄処理に用いる装置としては、例えば、ピーラーセントリフュージ、及びサイホンピーラーセントリフュージ等が挙げられ、乾燥処理に用いる方法としては、例えば、真空乾燥、気流乾燥、及びスーパードライヤー等が挙げられる。
(B)粉砕法
粉砕法を採用して着色樹脂粒子を製造する場合、以下のようなプロセスにより行なわれる。
先ず、結着樹脂、着色剤、及びグリコールウリル骨格を有する化合物、さらに必要に応じて添加される帯電制御剤、及び離型剤等のその他の添加物を混合機、例えば、ボールミル、V型混合機、ヘンシェルミキサー(:商品名)、高速ディゾルバ、インターナルミキサー、フォールバーグ等を用いて混合する。次に、上記により得られた混合物を、加圧ニーダー、二軸押出混練機、及びローラ等を用いて加熱しながら混練する。得られた混練物を、ハンマーミル、カッターミル、ローラミル等の粉砕機を用いて、粗粉砕する。更に、ジェットミル、高速回転式粉砕機等の粉砕機を用いて微粉砕した後、風力分級機、気流式分級機等の分級機により、所望の粒径に分級して粉砕法による着色樹脂粒子を得る。
なお、粉砕法で用いる結着樹脂、着色剤、及びグリコールウリル骨格を有する化合物、さらに必要に応じて添加される帯電制御剤、及び離型剤等のその他の添加物は、前述の(A)懸濁重合法で挙げたものを用いることができる。また、粉砕法により得られる着色樹脂粒子は、前述の(A)懸濁重合法により得られる着色樹脂粒子と同じく、in situ重合法等の方法によりコアシェル構造を有する着色樹脂粒子として用いることが好ましい。
(5)着色樹脂粒子
前述の(A)懸濁重合法、又は(B)粉砕法により着色樹脂粒子が得られる。
以下において、トナーを構成する着色樹脂粒子について述べる。なお、以下で述べる着色樹脂粒子は、コアシェル構造を有するものとそうでないもの両方を含む。
本発明において、着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)は、印刷時に高画質の画像形成を行なうことができることから、5〜10μmであり、好ましくは6〜9μmである。
上記着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)が、上記範囲未満である場合には、トナーの流動性が低下し、カブリ等による画質の劣化が起り易くなり、印字性能に悪影響を及ぼす場合がある。一方、上記着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)が、上記範囲を超える場合には、高精細な画像形成が難しくなり、得られる画像の解像度が低下し易くなり、印字性能に悪影響を及ぼす場合がある。
着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比である粒径分布(Dv/Dn)は、印刷時に高画質の画像形成を行なうことができることから、1.4以下であることが好ましく、1.3以下であることがより好ましく、1.2以下であることがさらに好ましい。
上記着色樹脂粒子の粒径分布(Dv/Dn)が、上記範囲を超える場合には、トナーの流動性が低下し、カブリ等による画質の劣化が起り易くなり、印字性能に悪影響を及ぼす場合がある。
ここで、着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)、及び個数平均粒径(Dn)は、粒径測定機によって測定される値であり、例えば、ベックマン・コールター社製の粒径測定機(商品名:マルチサイザー)を用いて測定することができる。
着色樹脂粒子の平均円形度は、高画質の画像を形成する観点から、0.96〜0.995であることが好ましく、0.97〜0.99であることがより好ましい。
上記着色樹脂粒子の平均円形度が、上記範囲未満である場合には、トナー印字の細線再現性が低下し易くなり、印字性能に悪影響を及ぼす場合がある。
本発明において、「円形度」とは、粒子像と同じ投影面積を有する円の周囲長を、粒子の投影像の周囲長で除した値として定義される。また、本発明における平均円形度は、粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、着色樹脂粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、平均円形度は着色樹脂粒子が完全な球形の場合に1を示し、着色樹脂粒子の表面形状が複雑になるほど小さな値となる。平均円形度は、0.4μm以上の円相当径の粒子群について測定された各粒子の円形度(Ci)をn個の粒子について下記計算式1よりそれぞれ求め、次いで、下記計算式2より平均円形度(Ca)を求める。
計算式1:
円形度(Ci)=粒子の投影面積に等しい円の周囲長/粒子投影像の周囲長
Figure 2009180869
(6)外添工程
本発明におけるトナーは、トナーの帯電性、流動性、及び保存性等を調整する観点から、外添剤を着色樹脂粒子と共に混合して、着色樹脂粒子の表面に外添剤を均一に付着添加(外添)して作製される。
なお、本発明におけるトナーは、外添剤を着色樹脂粒子と共に混合した後、さらにキャリア粒子(フェライト、及び鉄粉等)と共に混合して、2成分現像剤としてもよい。
外添剤を、着色樹脂粒子の表面に付着添加(外添)する方法は、特に限定されず、混合攪拌が可能な装置を用いて行なうことができる。混合攪拌が可能な装置としては、例えば、ヘンシェルミキサー(:商品名、三井鉱山社製)、スーパーミキサー(:商品名、川田製作所社製)、Qミキサー(:商品名、三井鉱山社製)、メカノフュージョンシステム(:商品名、ホソカワミクロン社製)、メカノミル(:商品名、岡田精工社製)、及びノビルタ(:商品名、ホソカワミクロン社製)等の高速攪拌機が挙げられる。
外添剤としては、一般にトナー用の外添剤として用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化錫、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム、及び酸化セリウム等からなる無機微粒子;ポリメタクリル酸メチル樹脂、シリコーン樹脂、及びメラミン樹脂等からなる有機微粒子;等が挙げられる。これらの中でも、無機微粒子が好ましく、無機微粒子の中でも、シリカ、及び酸化チタンが好ましく、特にシリカが好適である。これらの外添剤は、それぞれ単独で用いることもできるが、2種以上を併用して用いることが好ましい。
本発明では、外添剤を、着色樹脂粒子100重量部に対して、通常0.1〜6重量部、好ましくは0.2〜5重量部の割合で用いることが望ましい。
上記(1)〜(6)の工程を経て得られるトナーは、着色樹脂粒子中にグリコールウリル骨格を有する化合物を含有(内添)させることにより、常温常湿(N/N)環境下だけでなく、低温低湿(L/L)や高温高湿(H/H)のような厳しい環境下においても、帯電量の変動が少なく安定した帯電特性をトナー粒子に付与させることができ、帯電立ち上がり性が良好となり、初期カブリ等による画質の劣化が起こり難く初期印字性能に優れると共に、経時的にも安定した帯電特性をトナー粒子に付与させることができ、多枚数の連続印刷を行なっても、カブリ及びフィルミング等による画質の劣化が起こり難く耐久印字性能にも優れるトナーである。
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。なお、部及び%は、特に断りのない限り重量基準である。
本実施例及び比較例において行った試験方法は以下のとおりである。
(試験方法)
(1)着色樹脂粒子の粒径
(1−1)体積平均粒径(Dv)、個数平均粒径(Dn)、及び粒径分布(Dv/Dn)
測定試料(着色樹脂粒子)を約0.1g秤量し、ビーカーに取り、分散剤としてアルキルベンゼンスルホン酸水溶液(富士フィルム社製、商品名:ドライウエル)0.1mlを加えた。そのビーカーへ、更にアイソトンIIを10〜30ml加え、20Wの超音波分散機で3分間分散させた後、粒径測定機(ベックマン・コールター社製、商品名:マルチサイザー)を用いて、アパーチャー径;100μm、媒体;アイソトンII、測定粒子個数;100,000個の条件下で、着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)、及び個数平均粒径(Dn)を測定し、粒径分布(Dv/Dn)を算出した。
(1−2)平均円形度
容器中に、予めイオン交換水10mlを入れ、その中に分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸)0.02gを加え、更に測定試料(着色樹脂粒子)0.02gを加え、超音波分散機で60W、3分間分散処理を行った。測定時の着色樹脂粒子濃度が3,000〜10,000個/μlとなるように調整し、0.4μm以上の円相当径の着色樹脂粒子1,000〜10,000個についてフロー式粒子像分析装置(シメックス社製、商品名:FPIA−2100)を用いて測定した。測定値から平均円形度を求めた。
円形度は下記計算式1に示され、平均円形度は、その平均をとったものである。
計算式1:
(円形度)=(粒子の投影面積に等しい円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
(2)トナーの印字性能
(2−1)初期印字性能(N/N、L/L、及びH/H環境下)
(初期カブリ)
初期印字試験には、市販の非磁性一成分現像方式のプリンター(沖データ社製、商品名:マイクロライン3010C、印字スピード:A4サイズ12枚/分)を用い、現像装置のトナーカートリッジに、トナーを充填した後、印字用紙をセットした。
常温常湿(N/N)環境下(温度:23℃、湿度:50%)で、24時間放置した後、同環境下にて、5%印字濃度で連続印字を5枚行なった後に、初期カブリ値を以下のようにして測定した。
連続印字を行なった後に、白ベタ印字(0%印字濃度)を行い、印字を途中で停止させ、現像後の感光体上にある非画像部のトナーを、粘着テープ(住友スリーエム社製、商品名:スコッチメンディングテープ810−3−18)に付着させた後に剥ぎ取り、その粘着テープを新しい印字用紙に貼り付けたものを測定サンプルとし、この測定サンプルの色調(B)を白色度計(日本電色工業社製、商品名:SE−2000)を用いて測定した。
一方、未使用の粘着テープを、新しい印字用紙に直接貼り付けたものを基準サンプルとし、この基準サンプルの色調(A)を、測定サンプルと同様にして測定した。
それぞれの色調をL*a*b*空間の座標として表し、測定サンプルの色調(A)と基準サンプルの色調(B)から色差ΔE(|A−B|)を算出して初期カブリ値とした。この初期カブリ値が小さい程、カブリが少なく画質が良好であると評価することができる。
また、同様の初期印字試験を、低温低湿(L/L)環境下(温度:10℃、湿度:20%)、及び高温高湿(H/H)環境下(温度:35℃、湿度:80%)においても行なった。
(2−2)耐久印字性能(N/N、L/L、及びH/H環境下)
(カブリ)
耐久印字試験(カブリ)には、前述と同様のプリンターを用い、現像装置のトナーカートリッジに、トナーを充填した後、印字用紙をセットした。
常温常湿(N/N)環境下(温度:23℃、湿度:50%)で、24時間放置した後、同環境下にて、5%印字濃度で連続印字を行ない、1,000枚毎にカブリ値を、上述の初期カブリ値と同様にして測定した。
カブリ値が1.0以上になったときの枚数を、カブリ発生枚数としてカウントし、最大で15,000枚まで連続印字を行なった。
なお、表1中、「15,000<」とあるのは、15,000枚の時点においても、カブリ値が1.0以下の画質を維持できたことを示す。
また、同様の耐久印字試験(カブリ)を、低温低湿(L/L)環境下(温度:10℃、湿度:20%)、及び高温高湿(H/H)環境下(温度:35℃、湿度:80%)においても行なった。
(フィルミング)
耐久印字試験(フィルミング)には、前述と同様のプリンターを用い、現像装置のトナーカートリッジに、トナーを充填した後、印字用紙をセットした。
常温常湿(N/N)環境下(温度:23℃、湿度:50%)で、24時間放置した後、同環境下にて、1%印字濃度で連続印字を行ない、1,000枚毎に黒ベタ印字(印字濃度100%)をして、白色の縦筋の発生の有無を確認した。
黒ベタ画像に白色の縦筋が初めて確認されたときの枚数を、フィルミング発生枚数としてカウントし、最大で15,000枚まで連続印字を行なった。
なお、表1中、「15,000<」とあるのは、15,000枚の時点においても、フィルミングが発生しなかったことを示す。
また、同様の耐久印字試験(フィルミング)を、低温低湿(L/L)環境下(温度:10℃、湿度:20%)、及び高温高湿(H/H)環境下(温度:35℃、湿度:80%)においても行なった。
(実施例1)
モノビニル単量体としてスチレン75部及びn−ブチルアクリレート24部、シアン着色剤としてC.I.Pigment Blue15:3(東洋インキ製造社製、商品名:LINOGEN BLUE 7919)5部、帯電制御剤として帯電制御樹脂(藤倉化成社製、商品名:FCA−626N、スチレン/アクリル樹脂)1部、離型剤としてジペンタエリスリトールヘキサミリステート5部、及びグリコールウリル骨格を有する化合物(日本サイテック インダストリーズ社製、商品名:サイメル1170)3部を、攪拌装置で攪拌、混合し、均一に分散させてコア用重合性単量体組成物を得た。
他方、室温下(25℃)で、イオン交換水250部に塩化マグネシウム(水溶性多価金属塩)8.6部を溶解した水溶液に、イオン交換水50部に水酸化ナトリウム(水酸化アルカリ金属塩)4.8部を溶解した水溶液を、攪拌下で徐々に添加して、水酸化マグネシウムコロイド(難水溶性の金属水酸化物コロイド)分散液を調製した。
一方、メチルメタクリレート(得られる重合体のTg=105℃)1部、及びイオン交換水65部を、超音波乳化機にて微分散処理して、シェル用重合性単量体の水分散液を調製した。
上記水酸化マグネシウムコロイド分散液に、室温下(25℃)で、上記コア用重合性単量体組成物を投入し、攪拌翼を備えた攪拌装置を用いて、生成する粗い液滴が安定するまで攪拌し、そこへ重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日油社製、商品名:パーブチルO)4.5部、分子量調整剤としてテトラエチルチウラムジスルフィド1部、及び架橋性の重合性単量体としてジビニルベンゼン0.5部を添加した後、インライン型乳化分散機(太平洋機工社製、商品名:キャビトロン)を用いて、15,000rpmの回転数で2分間高速剪断攪拌して分散を行ない、コア用重合性単量体組成物の液滴形成を行なった。
上記液滴形成されたコア用重合性単量体組成物の分散液(懸濁液)を、攪拌翼を装着した反応器内に投入し、90℃に昇温し、重合反応を開始させた。重合転化率が、ほぼ100%に達した後に、前記シェル用重合性単量体の水分散液にシェル用重合開始剤として2,2'−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド)(和光純薬社製、商品名:VA−086、水溶性)0.3部を溶解し、それを反応器に添加した。さらに、90℃で4時間反応を継続した後、水冷して反応を停止し、コアシェル構造を有する着色樹脂粒子の水分散液を得た。
上記により得られた着色樹脂粒子の水分散液を、室温下(25℃)で、10%希硫酸水溶液(硫酸を10重量%含有する水溶液)を攪拌しながら滴下し、pHが6.5以下となるまで酸洗浄を行なった。次いで、濾過分離を行ない、得られた固形分にイオン交換水500部を加えて再スラリー化させて、水洗浄処理(洗浄・濾過・脱水)を数回繰り返し行なった。次いで、濾過分離を行ない、得られた固形分を真空乾燥機の容器内に入れ、30Torr(4000Pa)、50℃の乾燥条件で、一昼夜真空乾燥を行ない、乾燥した着色樹脂粒子を得た。
なお、乾燥により得られた着色樹脂粒子の一部を採取し、着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)、個数平均粒径(Dn)、及び平均円形度を測定した。
上記により得られた着色樹脂粒子100部に、外添剤として、個数平均一次粒径が12nmのシリカ微粒子(日本アエロジル社製、商品名:R−104、疎水化度:45%)1部、及び個数平均一次粒径が50nmのシリカ微粒子(クラリアント社製、商品名:HDK−H05TX、疎水化度:80%)0.5部を添加し、高速攪拌機(三井鉱山社製、商品名:ヘンシェルミキサー)を用いて、1,400rpmの回転数で10分間混合攪拌して外添処理を行ない、実施例1のトナーを作製し、試験に供した。
(実施例2)
実施例1において、グリコールウリル骨格を有する化合物の添加量を、3部から1部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例2のトナーを作製し、試験に供した。
(比較例1)
実施例1において、グリコールウリル骨格を有する化合物を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして比較例1のトナーを作製し、試験に供した。
(結果)
各実施例及び比較例で作製したトナーの試験結果を、表1に示す。
Figure 2009180869
(結果のまとめ)
表1に記載されている試験結果より、以下のことが分かる。
比較例1のトナーは、着色樹脂粒子中にグリコールウリル骨格を有する化合物を含有(内添)させなかったことに起因し、低温低湿(L/L)や高温高湿(H/H)のような厳しい環境下においては、十分な初期印字性能、及び耐久印字性能が得られないトナーであった。
これに対して、実施例1及び2のトナーは、着色樹脂粒子中にグリコールウリル骨格を有する化合物を含有(内添)させたことに起因し、低温低湿(L/L)や高温高湿(H/H)のような厳しい環境下においても、初期カブリによる画質の劣化が起こり難く初期印字性能に優れると共に、多枚数の連続印刷を行なっても、カブリ及びフィルミングによる画質の劣化が起こり難く耐久印字性能にも優れるトナーであった。

Claims (4)

  1. 少なくとも結着樹脂及び着色剤を含んでなる着色樹脂粒子、並びに外添剤を含有するトナーにおいて、
    上記着色樹脂粒子が、グリコールウリル骨格を有する化合物を含んでなり、当該着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)が、5〜10μmであることを特徴とするトナー。
  2. 前記着色樹脂粒子が、さらに帯電制御樹脂を含んでなることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 前記帯電制御樹脂が、スルホン酸基を有する樹脂であることを特徴とする請求項2に記載のトナー。
  4. 前記着色樹脂粒子が、コアシェル構造を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナー。
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