JP2009179915A - 高導電性炭素繊維とその製造方法並びに用途 - Google Patents

高導電性炭素繊維とその製造方法並びに用途 Download PDF

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Abstract

【課題】低抵抗であり、かつ電力輸送用途にも使用可能な長尺の高導電性炭素繊維を提供する。
【解決手段】高温の液体Ga中にグラファイトを含有する炭素繊維を浸漬すると、炭素繊維の表面で分断していたグラファイト結晶に対するグラファイト化反応が進行し、グラフェン同士の接合が実現する。この場合、炭素繊維の表面ですべてのグラフェンが多層カーボンナノチューブのように規則正しく配列することはないが、C面同士の接合が増えることで繊維自体の電気伝導性は格段に改善する。
【選択図】図1

Description

本発明は、高導電性炭素繊維とその製造方法並びに用途に関するものである。
従来、炭素繊維の製造方法として、ポリアクリトニトリル(PAN)やコールタールを原料として不活性雰囲気中で1000〜1500℃の炭化処理を行うことにより高強度の炭素質繊維が得られることが知られている。また、2500〜3000℃の黒鉛化処理を行うことにより、強度は若干損なわれるが、弾性率の高い黒鉛質繊維が得られることが知られている。
このようにして得られた炭素繊維は、炭素6員環からなる平面結晶(グラフェン)またはグラフェンが層状に重なったグラファイトを含有している。これらのグラフェンは繊維軸に対して配向する傾向を示すが、空洞、空孔、転位、粒界、および不純物原子を含み、不規則である。
グラファイト結晶は、結晶軸方向に依存して強い電気伝導異方性をもつ。グラフェンの面内抵抗は銅の10分の1以下の低抵抗であるが、C軸方向はファン・デア・ワールス結合により非常に電気伝導性が低く、熱伝導率も低い。炭素繊維は、このグラフェンまたはグラファイト結晶が絡み合いつつファイバー構造を形成しているが、個々のグラフェン同士は相互に分断された状態にあるため、その電気伝導はグラファイトのC軸方向の電気伝導に支配され、一般に抵抗が高くなる。
このように、炭素繊維はグラファイトのランダムな集合体であるために電気伝導性に問題があり、そのため電力輸送などを目的としたパワーラインに用いることができなかった。
一方、グラファイトの良好な異方的電気伝導や異方的熱伝導はその炭素6員環に起因しているが、このグラフェンをナノスケールの直径でチューブ状に丸めたものがカーボンナノチューブである。そのため、グラフェンの丸め方(カイラリティ)に依存して金属特性と半導体特性が発現する特異的な電気伝導特性や、ダイヤモンド並のヤング率などの機械的特性は将来多くの応用が予測される。
従来のカーボンナノチューブの合成技術として、非特許文献1には、シート状にカーボンナノチューブを成長させるスーパーグロース法で長さ数ミリ程度のものが得られることが報告されている。また、非特許文献2には、単層カーボンナノチューブを撚り合わせた20センチメートル程度のローブが得られることが報告されている。
しかし、これらの従来の合成技術では、チューブ状やホーン状の形状を持った材料としてある程度選択的に大量に合成することは可能であるものの、実用的な観点からは必ずしも十分満足できる程度に至っていないのが現状である。
また、上記の気相成長による合成技術の他、カーボンナノチューブを固相で成長させる技術も報告されており、SiCを母材とした原料ガスを用いない触媒成長方法が知られている(非特許文献3)。この方法では、母材であるSiCが触媒により分解しながらSiが蒸発し、残ったカーボンがグラファイトとして成長していく。
しかし、この方法では任意の太さのチューブ形状のグラファイト(広義のナノチューブ)を成長させることができる一方で、任意の形状および構造を持つグラファイトを合成することはできない。
一方、非特許文献4には、収束イオンビームや電子線による分解生成反応を用いた3次元構造体成長技術が報告されている。この方法では、炭化水素系のガス、たとえばピレンやフェナントレンなどをガス化して、局部的にビーム照射位置に吹き付ける。基板の表面に吸着したガス分子は電子やイオンビームの照射位置から放出される2次電子によって分解され、分解生成物がアモルファスカーボンの構造体として成長する。
このような電子励起反応を用いることで、ワイングラスやナノコイル、ナノドリルといったナノスケールの3次元アモルファスカーボン構造体が合成可能であることが報告されている。
また、非特許文献5に報告されているように、ビーム応用技術で形成したアモルファスのナノ3次元構造は、鉄などの触媒を用いて700℃程度の低温熱処理を行うことで、3次元構造体の形状を保持したままグラファイト結晶化して構造的、化学的に安定化することも可能であるが、ここで得られるグラファイトは基本的に多結晶グラファイトである。
さらにグラファイト固相反応について、非特許文献6、7には、650℃程度に加熱されたアモルファスカーボン中を鉄微粒子が動いていく過程で、固相反応の結果としてナノチューブが生成されることが報告されている。
鉄を含有するアモルファスカーボンピラーを真空中でアニールすると、ピラー内部で鉄微粒子が凝集し、アモルファスカーボン中を動き回る。約600℃弱程度でこのような鉄微粒子の凝集プロセスが始まり、鉄微粒子の動きとともに粒子サイズが大きく成長していく。この過程において既に、アモルファスカーボンの母材部分は徐々にグラファイト化が進行していく。その際に、側壁に生えている極細のナノピラーの中に鉄微粒子が偶々潜り込んだ瞬間がリアルタイムのTEM画像で捉えられている。鉄微粒子は、その動く方向を頭部とすると、頭部でアモルファスカーボンを喰い、テール部分ではグラファイトチューブが形成されている。
カーボンナノチューブの合成には、鉄などの遷移金属触媒を用いた気相成長が主に用いられるが、液体金属を用いた触媒反応によっても形成することが可能である。瞬間放電に伴うGaの触媒作用でナノチューブが固相成長する新しい成長様式が報告されている(非特許文献8)。一般に集束イオンビーム装置ではGaがイオン源として用いられる。そのためFIBを用いて作製されたアモルファスカーボンピラーは内部にGaを含有している。そしてこのピラーに瞬間的に電流を流すことで、Gaの瞬間的な動きが観測され、同時にピラー内部にグラファイトチューブ構造が形成される。as-grownのFIV-CVFピラーの電気伝導性は、強い非線形性を持ちホッピング伝導的特性を示す。
そのため、ある一定電圧以上の電位を与えると突然電流が流れるようになり、その際に瞬間的な固相反応が誘発される。ピラー内部でGa粒子が移動した跡には、ピラーの内側にチューブ状グラファイト層からなるチューブ状の構造が形成され、電子顕微鏡像より多層のグラファイトチューブであることが判明している。一方で、ピラーの外層はアモルファスカーボンで覆われたままである。
サイエンス誌 2004年 Vol.306 1362−1364頁 サイエンス誌 2002年 Vol.296 884−886頁 ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス誌 1998年 Vol.37 L605−L606頁 松井・藤田ら ジャーナル・オブ・バキューム・サイエンス・アンド・テクノロジー誌 2000年 VOL.6 3181−3184頁 藤田・松井ら ジャーナル・オブ・バキューム・サイエンス・アンド・テクノロジー誌 2002年 VOL.20 2686−2689頁 ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・アプライド・フジックス誌 2004年 VOL.43 3799−3802頁 フィジカル・レビュー・レター誌 2004年 VOL.92 21572頁 アプライド・フィジックス・レター誌 2006年 Vol.88 093109−093111頁
以上の従来技術によれば、炭素繊維として長尺物を得ることもできるが、この炭素繊維はグラフェンやグラファイト結晶がランダムに絡み合った集合体であり、抵抗率が高いという問題点があった。
また、様々な多層カーボンナノチューブの合成方法が開示され、その電気伝導は銅と比べて十分低いことが知られているものの、長尺のカーボンナノチューブを合成する技術は現状では報告されていない。すなわち、カーボンナノチューブの持つ大きな電気伝導度は送電線の用途に有望であるものの、一般的な気相成長によっては電線を作り出せる程に長尺のナノチューブファイバーを合成することは困難である。
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、低抵抗であり、かつ電力輸送用途にも使用可能な長尺の高導電性炭素繊維とその製造方法並びに用途を提供することを課題としている。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下のことを特徴としている。
第1:相互に分離していたグラフェン同士が接合された構造を含む多層グラフェン構造を少なくとも表面に有することを特徴とする高導電性炭素繊維。
第2:表面の多層グラフェン構造の内部にアモルファスカーボン、カーボンナノチューブ、およびグラファイトから選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする上記第1または第2の高導電性炭素繊維。
第3:上記第1または第2の高導電性炭素繊維をシースに埋抱したものであることを特徴とする送電用フィラメント。
第4:上記第3の送電用フィラメントを束ねたものであることを特徴とする送電用ケーブル。
第5:上記第1または第2の高導電性炭素繊維の製造方法であって、原料の炭素繊維を600〜1500℃の液体Ga中に連続的に供給して浸漬することを特徴とする高導電性炭素繊維の製造方法。
第6:原料の炭素繊維は、アモルファスカーボンを含有することを特徴とする上記第5の高導電性炭素繊維の製造方法。
第7:原料の炭素繊維を液体Ga中に浸漬する前に、当該炭素繊維を圧延することを特徴とする上記第5または第6の高導電性炭素繊維の製造方法。
第8:上記第6または第7の方法により製造された高導電性炭素繊維をシースに埋抱することを特徴とする送電用フィラメントの製造方法。
第9:高導電性炭素繊維をシースに埋抱した後、線引き処理することを特徴とする上記第8の送電用フィラメントの製造方法。
第10:上記第8または第9の送電用フィラメントを束ねて送電用ケーブルとすることを特徴とする送電用ケーブルの製造方法。
本発明の高導電性炭素繊維によれば、液体Gaを触媒としたグラファイト化反応により、グラフェン同士が接合された多層グラフェン構造を有しているため低抵抗であり、かつ電力輸送用途にも使用可能な長尺のものとすることができる。
本発明の高導電性炭素繊維を使用した送電用ケーブルは、従来の銅線を主体とするケーブルに比べて抵抗値が約10分の1、重量が約20%、張力が約100倍の低抵抗、軽量かつ高強度のものとすることができ、省エネルギーに大きく貢献するばかりでなく、金属資源の保全、さらには地球環境に対する多大な貢献が見込まれる。
本発明の高導電性炭素繊維の製造方法によれば、炭素繊維を出発材料として、液体Gaの触媒作用によって繊維表面の欠陥を修復し、繊維表面のグラフェン同士を連続的に接合させることができ、電力輸送用などの低抵抗・軽量線材としてパワーラインに利用可能な高電気伝導性の炭素繊維を高速に、かつ長尺のものとして得ることができる。
また、原料の炭素繊維にアモルファスカーボンを混入することで、液体Gaを触媒としたグラファイト化反応によって、グラフェン同士が接合された多層グラフェン構造を効率的に形成することができると共に、多層グラフェン形成のための他原料を減量することも可能となる。
さらに、原料の炭素繊維を液体Ga中に浸漬する前に、当該炭素繊維をローラ等により圧延することで、炭素繊維の表面積が増加し実効的なGa触媒面との接触面積を増やすことでき、その結果として表面グラファイト化反応量を増やすことができるため、高導電性炭素繊維の電気伝導率をより向上させることができる。
以下、図面を参照しながら本発明について詳細に説明する。
図1は、本発明の高導電性炭素繊維の表面構造を模式的に示した図である。同図に示すように、高導電性炭素繊維1は、グラフェン2a同士が相互に接合された構造を含む多層グラフェン構造2を少なくとも表面に有しており、多層グラフェン構造2内のグラフェン2aは、C面が揃った層構造を形成している。この多層グラフェン構造2は、液体Gaの触媒作用を利用して、原料の炭素繊維表面で分離していたグラフェン2aを互いに接合したものであり、このような構造を表面に形成することで表面の電気伝導を大幅に改善することができる。
本発明における高導電性炭素繊維1の繊維構造の具体的な形態としては、図2(a)に示すように高導電性炭素繊維1の表面から内部までの全体が多層グラフェン2で構成された形態、図2(b)に示すように表面が多層グラフェン2で構成されその内部にグラファイト3とアモルファスカーボン4が詰まった形態、図2(c)に示すように表面が多層グラフェン2で構成されその内部にアモルファスカーボン4が詰まった形態などが挙げられる。
これに対して一般的な炭素繊維は図3(a)、(b)に示すように粒径数十ナノメートル程度のグラファイト3の微結晶が相互に絡み合った構造を有し、炭素繊維内の至る所にアモルファスカーボンや触媒金属の不純物5を含んでいる。さらに、グラファイト3の微結晶のC面間隔は0.34nmであるが、相互に絡み合った構造のためグラフェン同士の間隔はこれよりも遙かに大きく、C面方向の電気伝導性は極めて悪い。
本発明では、このような一般的な炭素繊維の表面構造を、図1および図2に示すように、液体Gaの触媒作用を利用して炭素繊維表面で分離しているグラフェン2aを相互に接合することにより多層グラフェン2とすることで表面の電気伝導を大幅に改善させている。
また、図4に示した表面構造を有する一般的な多層カーボンナノチューブ6では、良質のものではその断面が同心円状となるようにグラフェン7が多層構造を形成している。そして太さが直径10nm以上のものでは半導体的チューブもカイラリティに関係なくギャップが消失し、金属的伝導となる。ところが、このような多層カーボンナノチューブ6は極めて高い電気伝導性を示し電力輸送などに大変有望である一方で、現時点では数cmを超える長尺のナノチューブを成長させることは実現されていない。
これに対して本発明では、炭素繊維表面のグラフェン2aを低融点金属であるGaの触媒作用によって相互に接合して欠陥修復を行い多層グラフェン2とすることで、長尺の高導電性炭素繊維1を得ることを可能としている。
以下、本発明に係る高導電性炭素繊維の製造方法について説明する。本発明では、図5に示すように、触媒反応が活性化する温度に加熱した液体Ga8中に原料の炭素繊維9を浸漬し、これにより炭素繊維9表面のグラフェン同士を接合して高導電性炭素繊維1を合成する。
より具体的には、図6に示すように、触媒反応が活性化する温度に加熱した液体Ga8中に原料の炭素繊維9を連続的に供給して浸漬し、これにより炭素繊維9表面のグラフェン同士を接合して高導電性炭素繊維1を連続的に合成する。
原料の炭素繊維を浸漬させる液体Gaの温度は、触媒反応を効率的に行う観点等から、好ましくは600〜1500℃、より好ましくは800〜1500℃である。
600〜1500℃の液体Ga中に原料の炭素繊維9としてアモルファスカーボンを浸漬すると炭素繊維9の表面がグラファイト化されて図2(a)の多層グラフェン2が形成され、その電気抵抗は非常に低くなる。多層グラフェン2のグラフェン2aは全てが一枚のグラフェンとして表面を覆うわけではないが、Ga液面に沿って多くのグラフェン2aが接合されて電気伝導性が格段に向上する。
また、高温の液体Ga中にグラファイトを含有する炭素繊維9を浸漬すると、炭素繊維9の表面で分断していたグラファイト結晶に対するグラファイト化反応が進行し、グラフェン同士の接合が実現する。この場合、炭素繊維9の表面ですべてのグラフェンが多層カーボンナノチューブのように規則正しく配列するのではなく、場所によって入れ子構造になったり、波打ち構造になったりして広義の格子欠陥を含んだ状態となるが、C面同士の接合が増えることで繊維自体の電気伝導性は格段に改善する。
本発明における多層グラフェン2は、表面グラファイト化反応により形成されるものであることに起因して、そのグラファイト層は多層カーボンナノチューブのような整然とした層状構造とは異なる独自の多層構造を有している。たとえば、元のランダムなグラファイトフラグメントがグラファイト化反応により接合されることを反映して、ある部分では外側に存在していたグラファイト層が、辿ってみると繊維の内側に潜り込んでいる場合もある。すなわち図1のようにある部分では最表面にあるグラファイトC面2aが、隣の組織では3層目の下面になり別のグラファイトC面2aが最表面になる入れ子構造が形成される場合がある。また、元のランダムな繊維構造を反映して、表面グラファイト化反応後のグラファイト層表面には部分的な凹凸を有する構造、すなわち波打ち構造が形成される場合もある。
なお、表面のグラフェン接合処理を施した高導電性炭素繊維1であっても、繊維の端から端までの表面グラフェンが繋がっているわけではなく、数ミクロン〜数十ミクロンの範囲で接合していると考えられる。しかし、通常の炭素繊維内のグラファイトの粒径である数十ナノメートルからすると遙かに長く、これが電気伝導性の改善に寄与している。グラファイトのC面内と面間との電気伝導度は約104程度異なるが、グラフェン面が十分に広い面積で重なることで、電気伝導性が大幅に改善される。
触媒金属としてのGaは、複雑に入り組んだ炭素繊維9の側壁に接触して欠陥を修復し、また高い触媒活性を得るためにも、溶融状態にあることが必要である。Gaは融点29.78℃、沸点2400℃、密度5.91g/cm3(25℃)、6.10g/cm3(30℃、液体)の金属であり、溶融状態のGaは炭素繊維に対して表面張力が強くほとんど濡れない。一方で、600℃以上の液体Gaに接触したアモルファスカーボン繊維は表面がグラファイト化される。
このとき、炭素繊維9中に含有されている炭素や未反応アモルファスカーボンが触媒反応に寄与していると考えられる。この意味で、炭素繊維9の液体Gaによる表面処理工程の前に炭素繊維9にアモルファスカーボンを添加しておくことが好ましい。
また、原料の炭素繊維9を有機高分子樹脂との混合体としておくこと、すなわち原料の炭素繊維9を有機高分子樹脂とコンポジット化しておくことも表面グラフェンの接合に有効であり、多層グラフェン2の形成のための炭素繊維原料を低減することもできる。
不活性ガス雰囲気中でGaを加熱すると、液体Gaによるアモルファスカーボンの触媒反応は約600℃から進行を開始し、炭素繊維9の表面にグラフェンの微結晶を生成する。そして温度が高くなるに従いGa表面での結晶成長が促進され、800℃程度からグラフェンの分解と合成が平衡して進行しアモルファスカーボン繊維(ピラー)の表面全体が図1の多層グラフェン2で覆われる。
アモルファスカーボンピラーとしては、たとえばフェナントレンガスを原料とした前駆体雰囲気の中で集束イオンビームを照射し、原料ガスの分解と共に形成されたものを使用することができ、その直径はたとえば約100nm、長さはたとえば約10ミクロンである。
この場合、試料温度の昇降に30分以上の時間が費やされるが、実際の表面反応は、瞬間放電によるGa含有アモルファスカーボンピラーからの固相ナノチューブ成長と同様に、極めて短い時間で進行していると予測される。
そして図6に示すように炭素繊維9を連続的に高温の液体Ga中を通過させることで炭素繊維9の表面のグラフェン接合を連続的に進行させることにより、長尺の炭素繊維9の表面においてグラフェン同士が相互に接合した多層グラフェン2を有する高導電性炭素繊維1を製造することができる。
図6に示す方法で高導電性炭素繊維1を製造する場合、得られる高導電性炭素繊維1における電気伝導度などの物性は、原料の炭素繊維9の移動速度および表面の重合度、反応温度などの各パラメータに強く依存するため、最適値を選択する必要がある。一般には温度が高いほど炭化グラファイト化反応が進行するが、繊維として脆くなる。一方、低温プロセスでは繊維内部に残留するアモルファスカーボンや触媒金属が多くなり電気伝導性は低めになる。
本発明における好ましい態様では、図7に示すように、Ga触媒による表面グラファイト化反応に先立ち、原料の炭素繊維9を事前に金属等のローラ10で圧延してグラフェンの方向を揃え、同時に繊維表面積を大きくしておき、次いで液体Ga8に浸漬して表面グラファイト化反応を進行させることにより高導電性炭素繊維1を製造する。
このように原料の炭素繊維9をローラ10で事前に圧延し、扁平なテープ状にしておくことで、高導電性炭素繊維1の電気伝導率をより向上させることができる。すなわち、グラファイト結晶そのものを潰すのではなく、炭素繊維9の表面積を増やして実効的にGa触媒面との接触面積を増やすことで、実効的な表面グラファイト化反応量を増やすことができる。
以上の工程により製造された本発明の高導電性炭素繊維1は、長尺で低抵抗であることから、送電用ケーブルとして電力輸送用途に利用することができる。電力輸送用心線としての機械的性質を改善するために、高導電性炭素繊維1の回収、紡績と同時にシース(金属被覆)内に充填して埋抱し、次いで線引き処理することにより、図8に示すようにシース11に高導電性炭素繊維1が埋抱された送電用フィラメント12に加工する。
表面のグラフェン接合処理を施した高導電性炭素繊維1を適宜束ね、シース11内に埋め込むと、さらに細いフィラメントへの線引きも可能となる。このようにシース線をさらに線引きし、圧縮して多数の高導電性炭素繊維1を撚り合わせることで、グラファイト中の隙間を低減し、さらに機械的強度および許容電流量を改善することができる。
また、高導電性炭素繊維1の製造時において図7に示すようにローラ10で圧縮し、グラファイト化させる表面を広げると共に、この高導電性炭素繊維1を埋包したシースを線引きしてシース内部を圧縮すると、元々平板状であるグラフェンは比較的容易にC面が重なり、電気伝導性を改善することができる。
実用的な観点からは、上記のようにして得られた送電用フィラメント12を多数束ねて送電用ケーブルを形成することが望ましい。このようにして得られる送電用ケーブルは、従来の銅線を主体とするケーブルに比べて抵抗値が約10分の1、重量が約20%、張力が約100倍の低抵抗、軽量かつ高強度のものとすることができ、省エネルギー技術、さらには環境対策技術として産業界に貢献する画期的技術となる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1>
直径0.3mm程度のカーボンナノチューブ(CNT)撚線を、圧延処理して幅1mm程度のリボン状にとした。このCNT撚線をアルミナ坩堝中にて液体Ga中に浸漬し700℃、10分の加熱を行った。そして冷却後にCNT撚線を坩堝から取り出し、表面に付着したGaを希塩酸で洗浄除去した。
液体Gaによる処理前のCNT撚線断面のSEM像(2種類)を図9に示す。このように、繊維端面には多数のCNTファイバーが延び出しており、撚線であることが分かる。一方、液体Gaによる処理後のCNT撚線隙間のSEM像(3種類)を図10に示す。液体Gaによる処理後は、CNT撚線表面において細かい繊維が溶けたようになり表面がグラファイト化した層で覆われていることが確認された。また、図11のTEM像に示すように当該表面にはグラファイト面が観察された。
上記のグラファイト化反応は、液体Gaの温度が600℃程度になると顕著に起こることが確認された。また、液体Ga処理後の繊維は、処理前のCNT撚線に比べて抵抗値が明確に下がることが確認された。また、CNT撚線をリボン状に圧延処理することで、圧延処理しない場合と比べて抵抗値の低下がより大きくなることが確認された。
<参考例1>
石英基板にアモルファスカーボンをコーティングしたものを用意し、実施例1と同様の条件にて液体Gaを浸漬処理した。処理後の基板表面のSEM像(8種類)を図12に示す。表面がグラファイト化することで表面積が増え、基板からの剥離が起こる様子が明確に観察された。このことから、原料の炭素繊維にグラファイト化の原料としてアモルファスカーボンを混入することが表面グラファイト化に有功であることが示唆された。
本発明の高導電性炭素繊維の表面構造を模式的に示した断面図である。 本発明における高導電性炭素繊維1の繊維構造の具体的な形態を示した断面図である。 一般の炭素繊維の構造を示した図である。 多層カーボンナノチューブの表面構造を示した断面図である。 原料の炭素繊維の液体Ga中への浸漬工程を示した図である。 原料の炭素繊維を液体Ga中へ連続的に通過させる工程を示した図である。 原料の炭素繊維を圧延する工程とその後の液体Ga中への浸漬工程を示した図である。 送電用フィラメントの構造を示した図である。 液体Gaによる処理前のCNT撚線断面のSEM像である。 液体Gaによる処理後のCNT撚線隙間のSEM像である。 液体Gaによる処理後の繊維表面のTEM像である。 液体Gaによる処理後における、アモルファスカーボンをコーティングした石英基板表面のSEM像である。
符号の説明
1 高導電性炭素繊維
2a グラフェン(グラファイトC面)
2 多層グラフェン構造
3 グラファイト
4 アモルファスカーボン
5 アモルファスカーボンや触媒金属の不純物
6 多層カーボンナノチューブ
7 グラフェン
8 液体Ga
9 原料の炭素繊維
10 ローラ
11 シース
12 送電用フィラメント

Claims (10)

  1. 相互に分離していたグラフェン同士が接合された構造を含む多層グラフェン構造を少なくとも表面に有することを特徴とする高導電性炭素繊維。
  2. 表面の多層グラフェン構造の内部にアモルファスカーボン、カーボンナノチューブ、およびグラファイトから選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の高導電性炭素繊維。
  3. 請求項1または2に記載の高導電性炭素繊維をシースに埋抱したものであることを特徴とする送電用フィラメント。
  4. 請求項3に記載の送電用フィラメントを束ねたものであることを特徴とする送電用ケーブル。
  5. 請求項1または2に記載の高導電性炭素繊維の製造方法であって、原料の炭素繊維を600〜1500℃の液体Ga中に連続的に供給して浸漬することを特徴とする高導電性炭素繊維の製造方法。
  6. 原料の炭素繊維は、アモルファスカーボンを含有することを特徴とする請求項5に記載の高導電性炭素繊維の製造方法。
  7. 原料の炭素繊維を液体Ga中に浸漬する前に、当該炭素繊維を圧延することを特徴とする請求項5または6に記載の高導電性炭素繊維の製造方法。
  8. 請求項6または7に記載の方法により製造された高導電性炭素繊維をシースに埋抱することを特徴とする送電用フィラメントの製造方法。
  9. 高導電性炭素繊維をシースに埋抱した後、線引き処理することを特徴とする請求項8に記載の送電用フィラメントの製造方法。
  10. 請求項8または9に記載の送電用フィラメントを束ねて送電用ケーブルとすることを特徴とする送電用ケーブルの製造方法。
JP2008021638A 2008-01-31 2008-01-31 高導電性炭素繊維の製造方法、送電用フィラメントの製造方法及び送電用ケーブルの製造方法 Expired - Fee Related JP5312813B2 (ja)

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