JP2009179540A - ケイ酸塩鉱物粉末の製造方法 - Google Patents

ケイ酸塩鉱物粉末の製造方法 Download PDF

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孝定 石井
Kenji Takeuchi
健児 竹内
Tomoko Maeda
智子 前田
Norihisa Yamaguchi
典久 山口
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Abstract

【課題】タルクや雲母等のケイ酸塩鉱物粉末から極微細粉末を除去する。
【解決手段】本発明に係る製造方法では、ケイ酸塩鉱物の原鉱石を粉砕した後に分級することで得られる粗粉末に対し、更に水簸分級による二次工程を行なうことで、ケイ酸塩鉱物粉末から平均粒径5μm未満の極微細粉末を除去する。二次工程は、粗粉末を水に懸濁して水簸分級する第1水簸工程と、前に行った水簸工程で得られた上澄み液を水簸分級する上澄み水簸工程と、前に行った上澄み水簸工程で得られた沈殿物を水に懸濁して水簸分級する沈殿物水簸工程とを有している。そして、沈殿物水簸工程で分離された沈殿物が製品として回収される。
【選択図】図1

Description

この発明は、極微細粉末を除去することによって粒度分布を限定した雲母やタルク等に代表されるケイ酸塩鉱物粉末の製造方法に関するものである。
雲母(マイカ)には、天然に産する白雲母(muscovite)、金雲母(phlogopite)、黒雲母(biotite)、それに人工的製造による合成雲母があり、3原子のケイ素(Si)と1原子のアルミニウム(Al)の酸化物が形成する4個の四面体構造間に、2個もしくは3個の金属酸化・水酸化物が構成する八面体構造を挟み込んだ構造を形成しており、高い劈開性(各層間が剥がれやすいという特徴)を備えた鉱物である。また化粧品の原材料等として知られているセリサイト(sericite、絹雲母)は、白雲母の結晶成長が、発達せずに止まったもので、粉末の状態で産出される雲母であるが、化学構造は白雲母と同じである。一方、タルクは、4原子のケイ素(Si)酸化物が形成する4個の四面体構造間に、3個のマグネシウム(Mg)酸化・水酸化物が構成する八面体構造を挟み込んだ構造を形成しており、モース硬度1で、極めて柔らかい鉱物である。雲母およびタルクは、積層構造を形成した2:1型粘土鉱物であって、工業上、また化粧品添加物として重要な物質である。
天然の雲母およびタルクは、日本国内においても採取されるが、その埋蔵量が少なく、また純度が高くない。しかし、雲母およびタルクの高純度な原鉱石は世界的に広く分布しており、埋蔵量も多く、安定供給が可能である。そこで現在は、雲母、タルクの原鉱石を輸入し、目的に応じて加工している。雲母の産業的な利用は、原鉱石を剥離して、絶縁体やコンデンサーに用いられる他、粉末化してプラスチックのフィラーをはじめとする工業的添加材や、化粧品等に用いられている(例えば特許文献1または2参照)。一方タルクも、粉末化してプラスチック等樹脂類のフィラーや、紙の改質をはじめとする工業的添加材として、またこれも化粧品等に用いられている。通常、雲母およびタルクの粉末は、原鉱石に含まれる夾雑物を取り除いた後、粉砕し、篩い分級や遠心分離によって得られるが、この分級操作により、混入している高硬度で粉砕されない石英等の鉱物種を除去するとともに、平均粒径が30μmより大きい粉末、平均粒径20〜30μmの粉末、平均粒径10〜20μmの粉末、5〜10μmの微細粉末、と謂うように、粒度分布を調整した粉末製品が製造される。このようにして得られた雲母、タルク粉末は、工業用ならびに、ファンデーション等の化粧品用途に用いられているが、近年、更に粒度分布を狭くした、より選択的な粉末が望まれるようになってきた。
特開2006−206496号公報 特開平7−196946号公報
雲母およびタルク粉末における劈開面は、平滑であるばかりか、化学反応性が極めて低いことから、周辺に存在する化合物に影響を及ぼすことが少ない。これに対して、劈開面にほぼ垂直に構成される粉砕破断面は、周辺に存在する化合物と反応、特に水分子を引き込んで、粘稠性の高い粘土状態になることが知られている。そこで、雲母、タルクの粉砕において得られる粉末が、広い面積の劈開面に対して破断面の面積が小さくなる、即ち、粉末の厚みアスペクト比(以下単にアスペクト比と称す)を高くすることが肝要で、様々な粉砕法が行われている。しかしながら、これら粉末の微細化に伴って、破断面の比率が大きくなり、粒径5μm未満の極微細領域の粉末(以下、極微細粉末と略称する)に至っては、さらにその傾向が大きくなる。雲母およびタルク粉末は、破断面の比率が大きくなってアスペクト比が低下すると、これらが有する性能が著しく低下する。例えば、ファンデーション等の化粧品用途として用いる場合においては、極微細粉末を多量に含んでいると、製品の感触を低下させることが知られている。また、極微細粉末を除去していない雲母およびタルク粉末を、フィラーとしてプラスチック等の樹脂類に添加した場合に、得られた樹脂強度、特に曲げ強度を脆弱にすることが知られている。そこで、極微細粉末を除去することは、鉱物粉末の性能を向上させることから、特に重要視されているが成し遂げられてはいない。
すなわち本発明は、従来の技術に内在する前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、5μm未満の極微細粉末を除去し得るケイ酸塩鉱物粉末の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明のケイ酸塩鉱物粉末の製造方法は、
ケイ酸塩鉱物の原鉱石を粉砕した後に分級することで得られる粗粉末に対し、更に水簸分級による二次工程を行なうケイ酸塩鉱物粉末の製造方法であって、
前記二次工程は、
粗粉末を水に懸濁して水簸分級する第1水簸工程と、
前記第1水簸工程または前に行った水簸工程で得られた上澄み液を水簸分級する上澄み水簸工程と、
前記第1水簸工程または前に行った上澄み水簸工程で得られた沈殿物を水に懸濁して水簸分級する沈殿物水簸工程とを有し、
前記沈殿物水簸工程において平均粒径5μm未満の極微細粉末が除去された沈殿物を回収することを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、水簸工程を多段階に行なうことで、粗粉末に含まれる極微細粉末を除去したケイ酸塩鉱物粉末を得ることができる。ケイ酸塩鉱物粉末から極微細粉末を除去して、粒度分布を限定することで、ケイ酸塩鉱物粉末が本来有している優れた特徴を発揮させることができる。
請求項2に係る発明では、前記上澄み水簸工程の沈殿時間は、当該上澄み水簸工程の前に行なわれた第1水簸工程または上澄み水簸工程の沈殿時間より長く設定されることを要旨とする。
請求項2に係る発明によれば、後の段階の上澄み水簸工程になるほど水簸分級における沈殿時間が長くなり、極微細粉末を適切に除去し得る。
請求項3に係る発明では、前記上澄み水簸工程では、前記沈殿物水簸工程で分離された上澄み液と、当該沈殿物水簸工程の前に行なわれた第1水簸工程または上澄み水簸工程で分離された上澄み液とを合わせた混合上澄み液を水簸分級することを要旨とする。
請求項3に係る発明によれば、上澄み水簸工程を、前の水簸工程で分離した上澄み液を合わせて水簸分級することで、効率的に極微細粉末を除去し得る。
請求項4に係る発明では、前記二次工程では、前記粗粉末を水に懸濁した混合液に対して、リン酸系化合物からなる分散剤が添加されることを要旨とする。
請求項4に係る発明によれば、分散剤を用いることで、極微細粉末は沈降し難くなり、混合液に浮遊するが、極微細粉末が除かれた粉体の沈降は促進されて、より効率良い分離が可能になる。
請求項5に係る発明では、前記二次工程では、乾式粉砕により得られた前記粗粉末を水に懸濁した混合液に対して、アニオン系界面活性剤が添加されることを要旨とする。
請求項5に係る発明によれば、乾式粉砕することによって得られた粗粉末は、その表面に炭酸ガスを吸着していることから、高い撥水性を示すので、界面活性剤を添加することで、二次工程において粗粉末の水への懸濁を容易にし得る。
本発明に係るケイ酸塩鉱物粉末の製造方法によれば、水簸工程を多段階に行なうことで、粗粉末に含まれる極微細粉末を除去したケイ酸塩鉱物粉末を得ることができる。
次に、本発明に係るケイ酸塩鉱物粉末の製造方法につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。なお、雲母には、天然雲母として、白雲母(muscovite)、金雲母(phlogopite)、黒雲母(biotite)、セリサイト(sericite、絹雲母)等が、また人工的製造による合成雲母が知られているが、本発明で謂う雲母は、これらすべてを指すものである。
本発明に係る製造方法により最終的に得られる雲母やタルク等のケイ酸塩鉱物粉末(以下、粉末製品という。)は、原鉱石を粉砕した後に一次分級して得られた粗粉末を、更に水簸分級により二次分級することで、平均粒径が5μm未満の極微細粉末が除去されたものである。すなわち、粉末製品は、従来では製品として一般的に使用されていた粗粉末から極微細粉末を除去することで、粒度分布を所望の範囲に限定することができる。
図1に示すように、粉末製品の製造方法は、粗粉末を製造する一次工程S1と、この粗粉末から極微細粉末を除去する二次工程S2とに大きく分けられる。一次工程S1では、夾雑物を取除いた原鉱石を一次粉砕する一次粉砕工程S11と、一次粉砕により得られた鉱物粉末を一次分級する一次分級工程S12とを経て、必要に応じて鉱物粉末を乾燥することで(ステップS13)、粗粉末が製造される。一次粉砕工程S11では、加水ボールミル粉砕、水流式ジェット粉砕、石臼による湿式摩砕等の湿式粉砕または乾式ボールミル粉砕、加圧ローラーミル粉砕、気流式ジェットミル粉砕、またアトマイザー等の衝撃粉砕機による乾式粉砕が行なわれる。なお、乾式粉砕は、湿式粉砕と比較して廉価に粗粉末を製造することが可能である。また、一次分級工程S12では、篩い分級や遠心分離等の分級方法によって一次分級が行なわれる。一次分級工程S12では、鉱物粉末に混入している高硬度で粉砕されない石英等の鉱物種を除去するとともに、粗粉末の平均粒径が30μmより大きい範囲、平均粒径20〜30μmの範囲、平均粒径10〜20μmの範囲または10μm未満の範囲になるように分けられる。しかしながら、一次分級工程S12では、5μm未満の極微細粉末を一次分級によって分離することができないので、一次工程S1で得られる粗粉末は、例えば平均粒径を10μ〜20μmの範囲に調整しようとしても、極微細粉末を含んでいるために粒度分布が広くなる。
次に、実施例に係る製造方法の二次工程S2について説明する。二次工程S2は、一次工程S1で得られた粗粉末を水簸分級する第1水簸工程S21と、直前に行なった水簸工程S21,S222,S232により得られた沈殿物を水に懸濁して水簸分級する沈殿物水簸工程S221,S231,S241と、この沈殿物水簸工程S221,S231で分離した上澄み液と直前に行なった水簸工程S21,S222で分離した上澄み液とを合わせて、混合した混合上澄み液を水簸分級する上澄み水簸工程S222,S232とを有している。すなわち、二次工程S2では、水簸分級を多段階に行なうようになっている。また二次工程S2では、直前に行なった水簸工程S21,S222,S232における沈殿時間と、当該水簸工程S21,S222,S232の直後に行なう沈殿物水簸工程S221,S231,S241における沈殿時間が同一に設定される。更に二次工程S2では、直前に行なった水簸工程S21,S222,S232における沈殿時間より当該水簸工程S21,S222の直後に行なう上澄み水簸工程S222,S232における沈殿時間が長く設定される。すなわち、上澄み液に含まれる浮遊物を沈殿分離する上澄み水簸工程S222,S232では、後の段階になるほど浮遊物の粒径が小さくなって分離し難くなるので、沈殿分離にかける沈殿時間を長く設定している。
そして、沈殿物水簸工程S221,S231,S241で分離した沈殿物が回収されて、この沈殿物が最終工程S3を経て粉末製品となる。このように二次工程S2では、水簸分級を行なう水簸工程を複数回経て得られた沈殿物を回収することで、5μm未満の極微細粉末を上澄み液に含まれる浮遊物として除去している。また二次工程では、上澄み液を上澄み水簸工程S222,232で水簸分級することで、上澄み液に含まれた5μm以上の粉末を回収して、収率(粗粉末から得られる粉末製品の割合)の向上を図っている。
より具体的には、二次工程S2では、粗粉末を水に懸濁した混合液を第1沈殿時間に亘って静置して、沈殿物と上澄み液とに分離する第1水簸工程S21が行なわれる。二次工程では、第1水簸工程S21に次いで、第2段階の分級工程として、第1沈殿物水簸工程S221および第1上澄み水簸工程S222が行なわれる。第1沈殿物水簸工程S221では、第1水簸工程S21で得られた沈殿物を水に懸濁した混合液を第1沈殿時間に亘って静置して、沈殿物と上澄み液とに分離する。そして、第1沈殿物水簸工程S221で分離された沈殿物は回収されて、最終工程S3に移される。一方、第1沈殿物水簸工程S221で分離された上澄み液は、第1上澄み水簸工程S222において第1水簸工程S21で分離した上澄み液と混合され、この混合した混合上澄み液を、第1沈殿時間より長く設定した第2沈殿時間に亘って静置して、沈殿物と上澄み液とに分離する。
二次工程S2では、第1上澄み水簸工程S222に次いで、第3段階の分級工程として、第2沈殿物水簸工程S231および第2上澄み水簸工程S232が行なわれる。第2沈殿物水簸工程S231では、第1上澄み水簸工程S222で得られた沈殿物を水に懸濁した混合液を第2沈殿時間に亘って静置して、沈殿物と上澄み液とに分離する。そして、第2沈殿物水簸工程S231で分離された沈殿物は回収されて、最終工程S3に移される。一方、第2沈殿物水簸工程S231で分離された上澄み液は、第2上澄み水簸工程S232において第1上澄み水簸工程S222で分離した上澄み液と混合され、この混合した混合上澄み液を、第2沈殿時間より長く設定した第3沈殿時間に亘って静置して、沈殿物と上澄み液とに分離する。
二次工程S2では、第3上澄み水簸工程S232に次いで、第4段階の分級工程として、第3沈殿物水簸工程S241が行なわれる。第3沈殿物水簸工程S241では、第2上澄み水簸工程S232で得られた沈殿物を水に懸濁した混合液を第3沈殿時間に亘って静置して、沈殿物と上澄み液とに分離する。第3沈殿物水簸工程S241で分離された沈殿物は回収されて、最終工程S3に移される。一方、第3上澄み水簸工程S232および第4沈殿物水簸工程S241で分離された上澄み液には、5μm未満の極微細粉末が浮遊物として含まれているので系外に排出される。そして、最終工程S3では、第1〜第3沈殿物水簸工程S221,S231,S241で得られた沈殿物が乾燥されて、必要に応じて解砕された後に、平均粒径等を検査することで粉末製品として完成する。
第1水簸工程S21および各沈殿物水簸工程S221,S231,S241では、粗粉末または沈殿物の体積に対して10〜20倍の水で懸濁している。ここで、第1水簸工程S21および各沈殿物水簸工程S221,S231,S241において、粗粉末または沈殿物の懸濁に用いられる水としては、脱イオン水が好適であるが、水道水を使用することもできる。
前記二次工程S2では、第1水簸工程S21において粗粉末を水に懸濁した混合液に対して、ヘキサメタリン酸、テトラポリリン酸、トリポリリン酸等のリン酸あるいは二リン酸等のリン酸系化合物からなる分散剤を添加することで、混合液内での粗粉末の分散性を向上させている。ここで、分散剤は、粗粉末の乾燥重量に対して1%未満の重量に相当する量が添加される。粗粉末中に含まれる極微細粉末の量にも依存するが、通常の粉砕と分級を行った粉末であれば、粗粉末の乾燥重量に対して0.1〜0.5%に相当する量の分散剤を添加することで、充分な効果が発揮される。また、分散剤の添加量を1%未満にすることにより、粉末製品中へのリン酸系化合物残存量を、極力低くすることができる。また、分散剤として用いるリン酸化合物としては、ヘキサメタリン酸、テトラポリリン酸あるいはトリポリリン酸等のナトリウム塩等のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩を使用するとよい。リン酸塩は、安全性も認められており、食品、医薬品をはじめ、工業用途に至るまで幅広く用いることができる。また、リン酸塩からなるリン酸系化合物を分散剤として用いることで、分散剤が高い水溶性を示し、取り扱いが容易になる。また、複数種類のリン酸系化合物を分散剤として混合して用いることで、容易にpH調整を行うことが可能であり、得られる粉末製品の安定化を図ることが出来る。
なお、二次工程S2では、第1水簸工程S21において粗粉末を水に懸濁した混合液に対して、前記分散剤に代えて、または分散剤と併用してアニオン系界面活性剤を添加してもよい。ここで、界面活性剤は、粗粉末の乾燥重量に対して1%未満の重量に相当する量が添加される。アニオン系界面活性剤としては、石鹸(脂肪酸のアルカリ金属塩)、モノアルキル硫酸塩、アルキルポリオキシエチレン硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、モノアルキルリン酸塩をはじめ、多種多様に存在するが、これを限定するものではなく、単独、あるいは複数種を混合して用いてもよい。また、第1水簸工程S21において、分散剤または界面活性剤を添加する例を挙げたが、沈殿物水簸工程S221,S231,S241および上澄み水簸工程S222,S232において、分散剤および界面活性剤を添加してもよい。
このように、実施例の製造方法により得られる粉末製品は、極微細粉末が除去されているので、劈開面がより平滑であるとともに、粉砕によって生じた破断面の占める割合が低いことが特徴である。
(実験例1)
実施例に係る製造方法で得られる粉末製品の収率と水簸工程における沈殿時間との関係、分散剤の作用、沈殿時間と粉末製品の感触との関係を、以下の実験で検証した。
・試料1:タルクの粗粉末(FK-500S:株式会社山口雲母工業所製、湿式粉砕・湿式分級による製品)。
・試料2:雲母の粗粉末(SA-310:株式会社山口雲母工業所製、湿式粉砕・湿式分級による製品)。
なお、実験例1では、分散剤としてヘキサメタリン酸ナトリウムを各試料の乾燥重量の0.5%に相当する量だけを第1水簸工程において添加して、無添加の場合と比較検討を行なった。
実験例1は、以下の条件で行なった。第1水簸工程は、ガラス製ビーカーを用いて、500gの試料1および試料2を脱イオン水5Lに夫々懸濁し、各試料が十分に吸水および分散するように、混合液をマグネットスターラーで1時間撹拌した。そして、混合液を1時間静置した後、浮遊物を含む上澄み液をデカンテーションで分離した。第1水簸工程で得られた沈殿物は、第2沈殿物水簸工程において第1水簸工程と同量の脱イオン水に懸濁し、この混合液を1時間静置した後、浮遊物を含む上澄み液をデカンテーションで分離した。第2沈殿物水簸工程で得られた沈殿物は、粒度分布測定装置(日機装株式会社Microtrac MT−3000)により平均粒径を測定した後、110℃ で乾熱乾燥し、粉末製品として秤量した。
第2上澄み水簸工程において、第1水簸工程で分離した上澄み液と第2沈殿物水簸工程で分離した上澄み液とを合わせた上澄み液について4時間静置した後、浮遊物を含む上澄み液をデカンテーションで分離した。第2上澄み水簸工程で得られた沈殿物は、第3沈殿物水簸工程において第1沈殿物水簸工程と同量の脱イオン水に懸濁し、この混合液を4時間静置した後、浮遊物を含む上澄み液をデカンテーションで分離した。第3沈殿物水簸工程で得られた沈殿物は、粒度分布測定装置により平均粒径を測定した後、110℃ で乾熱乾燥し、粉末製品として秤量した。第3上澄み水簸工程において、第2上澄み水簸工程で分離した上澄み液と第3沈殿物水簸工程で分離した上澄み液とを合わせた上澄み液について、24時間静置した後、浮遊物を含む上澄み液をデカンテーションで分離した。第3上澄み水簸工程で得られた沈殿物は、第4沈殿物水簸工程において第1沈殿物水簸工程と同量の脱イオン水に懸濁し、この混合液を24時間静置した後、浮遊物を含む上澄み液をデカンテーションで分離した。第4沈殿物水簸工程で得られた沈殿物は、粒度分布測定装置により平均粒径を測定した後、110℃ で乾熱乾燥し、粉末製品として秤量した。なお、第3上澄み水簸工程および第4沈殿物水簸工程で分離した上澄み液に含まれる浮遊物は、粒径が小さいことから、濾紙を素通りする。そこで、24時間沈殿分離後の上澄み液は、煮沸蒸発させた後に乾熱乾燥することで、固形乾燥物が得られるが、凝集が激しいので、これをフードミルで粉砕して乾燥粉末とした。そして、この乾燥粉末を、粒度分布測定装置により平均粒径を測定すると共に秤量した。
Figure 2009179540
表1(a)に示すように、試料1の場合、粉末製品は、第2沈殿物水簸工程で1時間沈殿分離した後に得られたものと、第3沈殿物水簸工程で4時間沈殿分離した後に得られたものと間で、分散剤の添加、無添加に関わらず、収率および粒径がほぼ同様の数値であった。しかし、第4沈殿物水簸工程で24時間沈殿分離した後に得られた沈殿物は、分散剤の添加により収率が高くなり、二次工程における水簸分級による総回収率は、無添加区では65%であったのが、添加区では76%と、分散剤添加区が10%程度高くなった。また、沈殿物水簸工程で回収された粉末の粒径に関しては、分散剤の添加または無添加によらず、双方ほぼ同様の数値であった。
表1(b)に示すように、試料2の場合、分散剤無添加区においては、第2沈殿物水簸工程における1時間の沈降分離では、沈殿物の分離は不可能であった。これに対して、分散剤としてヘキサメタリン酸ナトリウムを添加した場合は、第2沈殿物水簸工程における1時間の沈降分離で、実験に供した試料2の乾燥重量の56%の沈殿物が回収された。また、得られた沈殿物(1時間)の平均粒径は29μmであり、未処理(極微細粉末除去前:11μm)の粗粉末と比較して、平均粒径が大きくなっていることから、効果的に極微細粉末が除去されているが判明した。更に、第3沈殿物水簸工程における4時間の沈殿分離により得られた沈殿物は、分散剤添加区において試料2の乾燥重量の22%が回収されると共に、沈殿物の平均粒径が12μmと段階的に分級されている。これに対して、無添加区において沈殿物(4時間)の平均粒径が26μmであるから、分散剤を添加した場合と比べて効果的な水簸分級が行われていないことが明らかになった。第4沈殿物水簸工程で得られた沈殿物(24時間)に関しては、分散剤添加区では16%(平均粒径が3.4μm)が分離回収されたのに対して、無添加区の収率は、僅かに3.5%(平均粒径が5.7μm)であり、このことからも、無添加区では分散剤を添加した場合と比べて効果的な水簸分級がなされていないことが判明した。すなわち、雲母の粗粉末から極微細粉末を除去する場合、タルクと比較して分散剤の添加効果は大きい。
次に、各沈殿物水簸工程で得られた沈殿物を乾燥した粉末製品について、肌に塗布した際の感触による官能検査を実施した。なお、官能検査は、分散剤としてヘキサメタリン酸ナトリウムを添加した試験区のものを用いている。また、極微細粉末の感触を知る目的で、24時間後における浮遊物を乾燥粉末としたものの官能検査を併せて実施した。なお、試料1および試料2の粗粉末を「普通」として比較した官能検査結果を百分率で表したものを表2に示す。
Figure 2009179540
表2(a)に示すように、試料1に関しては、第2沈殿物水簸工程において1時間の沈降分離で得られた沈殿物(平均粒径17μm)が「極めて良好」および「良好」の双方で100%を占めた。また、第3沈殿物水簸工程において4時間の沈降分離で得られた沈殿物(平均粒径8μm)についても、「極めて良好」および「良好」の双方で86%を占めた。これに対して、第3上澄み水簸工程および第4沈殿物水簸工程で分離した上澄み液に含まれる浮遊物(24時間)の乾燥粉末(平均粒径2μm)は、「極めて不良」が大多数を占め、「不良」と判定した者の数を加えると100%になった。また、沈殿物は、沈殿物水簸工程の段階が進む程(沈降時間が長くなる程)、感触が悪くなる傾向が示されたが、第4沈殿物水簸工程における24時間沈降分離により得られた沈殿物(平均粒径5μm)においても、粗粉末と同等の「普通」の評価以上が大多数を占めることがわかった。これらのことから、タルクの粉末において、感触を大きく悪化させているのは、これに含まれる極微細粉末であり、極微細粉末を除去することで、良好な感触が得られることが確認できた。
表2(b)に示すように、試料2に関しては、第2沈殿物水簸工程において1時間の沈降分離で得られた沈殿物(平均粒径29μm)が「極めて良好」および「良好」の双方で93%を占めた。また、第3沈殿物水簸工程において4時間の沈降分離で得られた沈殿物(平均粒径8μm)についても、「極めて良好」および「良好」の双方で78%を占めた。これに対して、第3上澄み水簸工程および第4沈殿物水簸工程で分離した上澄み液に含まれる浮遊物(24時間)の乾燥粉末(平均粒径1.7μm)は、「極めて不良」が大多数を占め、「不良」と判定した者の数を加えると100%になった。また、沈殿物は、沈殿物水簸工程の段階が進む程(沈降時間が長くなる程)、感触が悪くなる傾向が示されたが、第4沈殿物水簸工程における24時間沈降分離により得られた沈殿物(平均粒径3.4μm)においても、粗粉末と同等の「普通」の評価以上が大多数を占めることがわかった。また、雲母の粉末において、感触を大きく悪化させているのは、これに含まれる極微細粉末であり、極微細粉末を除去することで、良好な感触が得られることが確認できた。
このように、実験例1によれば、実施例に係る製造方法によって、粒度分布の揃った、極めて感触の良い粉末製品を得られることが確認された。また、試料1および試料2の粗粉末は、遠心分離機ならびに湿式篩いによって一次分級を行って得られた粉末であるが、更なる二次工程における水簸分級を行なって極微細粉末を除去することで、品質が向上することが明らかになった。
(実験例2)
実施例に係る製造方法で得られる粉末製品の平均粒径、吸油量、比表面積および感触について、分散剤の添加の有無との関係を以下の実験で検証した。
・試料3:タルクの粗粉末(FK-300S:株式会社山口雲母工業所製、湿式粉砕・湿式分級による製品)。
・試料4:タルクの粗粉末(FK-500S:株式会社山口雲母工業所製、湿式粉砕・湿式分級による製品)。
・試料5:タルクの粗粉末(CT-30:株式会社山口雲母工業所製、湿式粉砕・湿式分級による製品)。
・試料6:タルクの粗粉末(CT-35:株式会社山口雲母工業所製、湿式粉砕・湿式分級による製品)。
なお、実験例2では、分散剤としてヘキサメタリン酸ナトリウムを各試料の乾燥重量の0.5%に相当する量だけを第1水簸工程において添加して、無添加の場合と比較検討を行なった。試料3〜6は、原鉱石が掘り出された鉱山が異なり、または平均粒径が異なっている。
実験例2は、工業化を考慮して以下の条件で行なった。第1水簸工程は、別個の容積5m3のホーロー製タンク内において、400kgの各試料を所定量(各試料の乾燥重量の0.5%)の分散剤を加えた水道水4500Lに夫々懸濁し、試料が十分に吸水および分散するように、混合液を水中攪拌機で2時間撹拌した。そして、混合液を84時間静置した後、浮遊物を含む上澄み液を電動ポンプで吸い上げることで分離した。第1水簸工程で得られた沈殿物は、第2沈殿物水簸工程において第1水簸工程と同量の水道水に懸濁し、この混合液を84時間静置した後、浮遊物を含む上澄み液を電動ポンプで吸い上げることで分離した。第2沈殿物水簸工程で得られた沈殿物は、粒度分布測定装置(日機装株式会社Microtrac MT−3000)により平均粒径を測定した後、150℃で乾熱乾燥して粉末製品を得た。
Figure 2009179540
表3には、試料3〜6から前記第1水簸工程および第1沈殿物水簸工程を経て極微細粉末を除去した際の収率、粒径、吸油量および比表面積の測定値を示す。粉末製品の収率は、試料3が48%、試料4が46%であるのに対し、試料5が60%、試料6が73%である点で異なっているが、これは産地(鉱山)の違いによる、粉末の劈開面方向への結晶成長の相違に由来すると考えられる。また実験例2では、実験例1と比較すると極微細粉末を除去する二次工程の前後において、粗粉末の平均粒径と粉末製品の平均粒径との差が顕著ではないが、水簸工程を重ねることで更に粒度分布を限定することは可能である。吸油量の測定は、油としてアマニ油(シグマ・アルドリッチ ジャパン製)を用い、JIS K5101に記載の方法によって行い、比表面積の測定はBET法によって行った。表3に示すように、各粉末製品の吸油量ならびに比表面積は、極微細粉末を除去した後に減少しており、表面積が大きい極微細粉末が、確実に除去されていることが確認された。
現在、タルクおよび雲母等の粉末製品が、化粧品原料として使用される場合、その品質評価に、肌表面への塗布時における感触の優劣で行われる場合が多い。この感触による判断を、人が触れたときに感じる「ざらつき」、「なめらかさ」として測定する摩擦感テスターを用いて、それぞれをMIU(平均摩擦係数)、MMD(平均摩擦係数の変動)の測定値で表すことが可能である。MIUは、計測端子(シリコンセンサー)が20mm間移動する際における摩擦係数μの平均値であり、MMDは、平均値であるMIUからの変動量の度合いを表した値である。MIUは、人が物体表面を擦る時に感じる滑り易さ、滑り難さ、「なめらかさ」と相関があり、MIU値が大きいほど滑り難くなっている。またMMDは、人が物体の表面を擦る時に感じる「ざらつき感」と相関があり、MMD値が大きいほど「ざらざらとした感じ」が強い。
Figure 2009179540
実験例2では、以下の通りにMIUおよびMMDの測定を行なった。試料3〜6および試料3〜6から前記第1水簸工程および第2沈殿物水簸工程を経て得られた粉末製品を、両面テープを用いてスライドガラス上に固定した。固定した粉末の表面を、スポンジを滑らせながら、凹凸が無くなるように、均一に調整するとともに、固定されていない、余分な粉末を除去した。このように調整した測定試料を摩擦感テスター(カトーテック株式会社製KES−SE)に固定し、摩擦静荷重を25gf(摩擦面に対して垂直方向から25gの荷重をかける)に調整したシリコンセンサーが1mm/secの速度で、試料上30mmの距離を、滑らせることで測定した。なお、各測定試料について5回ずつ測定を実施し、平均値から外れた2つの測定値を除外し、残りの3つの測定値の平均値をもってMIUおよびMMDの各測定値としたが、測定試料は測定毎に新たに調整したものを測定に供した。
表4に示すように、粉末製品は極微細粉末除去前の粗粉末と比べてMIU測定値が低下しており、「なめらか」で滑り易くなっていることが判明した。また「ざらつき感」と相関があるMMD測定値は、粉末製品において、試料5から得られた粉末製品で2割程度低下した以外は、大きな変化は認められなかった。以上のことから、粗粉末から極微細粉末を除去した粉末製品は、「なめらか」で滑り易くなり、ファンデーション等の化粧品原料に、好適に使用し得ることが分かった。
試料3の極微細粉末除去前後における相違を確認すべく、走査電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロジーズ製走査電子顕微鏡S−2400)により倍率3000倍で観察を行った。図2に示すように、試料3から極微細粉末を除去することで得られた粉末製品は、図3に示す極微細粉末除去前の試料3と比較して、極微細粉末が除去されることで、明確に粉末表面が「なめらか」になっていることが確認された。このことは、実験例1における粉末製品の感触の良さ、ならびに実験例2において粉末製品が「なめらか」で滑り易くなっていることを、裏付けるものである。
(実験例3)
実験例1および実験例2では、水和性が高く、水に懸濁することが容易である、湿式粉砕・湿式分級によって得られた粗粉末を用いたが、実験例3では、タルクの粗粉末として乾式粉砕・乾式分級による試料7(JA-46R:浅田製粉株式会社製)を用いた。通常、タルクの乾式粉砕粉末は撥水性が高く、これを水和、懸濁させることは難しいが、界面活性剤を添加することで、懸濁させることが可能になり、実験例1と同様の水簸分級による沈降分離を実施し、粒度分布の揃った、極めて感触の良い粉末を得ることができた。
実験例3は、以下の条件で行なった。第1水簸工程は、ガラス製ビーカーを用いて、500gの試料7を脱イオン水5Lに懸濁すると共に、アニオン系界面活性剤であるラウリル硫酸ナトリウムを、試料7の乾燥重量の0.01%(100ppm)に相当する量を混合液に添加した。また、試料7が十分に吸水および分散するように、混合液をマグネットスターラーで1時間撹拌した。そして、混合液を1時間静置した後、浮遊物を含む上澄み液をデカンテーションで分離した。なお、以下の沈殿物水簸工程および上澄み水簸工程は、実験例1と同様の操作で行なった。なお、界面活性剤は、第1水簸工程においてのみ用い、また同じ条件で界面活性剤を加えない試験区を設け、比較検討した。
Figure 2009179540
表5に示すように、界面活性剤の添加、無添加に関わらず、各時間において沈降分離で得られた粉末製品の粒径に差違はなかった。しかし、試料7について、液面(水面)に浮上し、水に分散、懸濁することが不可能であり、湿式の水簸分級を行うことが出来ず、回収が不可能になった量は、無添加区では16%であったのが、添加区では2%に減り、界面活性剤の添加の有無により大きな差が認められた。そして、乾式粉砕・乾式分級による試料7から得られる粉末製品は、実験例1および実験例2で得られた粉末製品と同様に、肌に塗布した際の感触が極微細粉末を除去する前の試料7と比較して格段に向上していることが判明した。
(別例)
(1)分散剤および界面活性剤を二次工程で添加する例を説明したが、一次工程で湿式粉砕する場合は、湿式粉砕時に添加する水と共に分散剤および界面活性剤を添加してもよい。
(2)実施例では、二次工程で水簸分級したが、湿式篩いを用いた分級法や遠心分離機を用いる方法等を組合わせてもよい。
(3)実施例では、二次工程で水簸分級したが、乾式篩い、風力分級法等の乾式分級法と組合わせてもよい。
本発明の好適な実施例に係るケイ酸塩鉱物粉末の製造方法を示すフロー図である。 走査電子顕微鏡による観察写真であって、試料3から極微細粉末を除去した粉末製品を拡大して示したものである。 走査電子顕微鏡による観察写真であって、試料3を拡大して示したものである。
符号の説明
S2 二次工程
S21 第1水簸工程
S221 第2沈殿物水簸工程
S222 第2上澄み水簸工程
S231 第3沈殿物水簸工程
S232 第3上澄み水簸工程
S241 第4沈殿物水簸工程

Claims (5)

  1. ケイ酸塩鉱物の原鉱石を粉砕した後に分級することで得られる粗粉末に対し、更に水簸分級による二次工程(S2)を行なうケイ酸塩鉱物粉末の製造方法であって、
    前記二次工程(S2)は、
    粗粉末を水に懸濁して水簸分級する第1水簸工程(S21)と、
    前記第1水簸工程(S21)または前に行った水簸工程(S221,S222,S231)で得られた上澄み液を水簸分級する上澄み水簸工程(S222,S232)と、
    前記第1水簸工程(S21)または前に行った上澄み水簸工程(S222,S232)で得られた沈殿物を水に懸濁して水簸分級する沈殿物水簸工程(S221,S231,S241)とを有し、
    前記沈殿物水簸工程(S221,S231,S241)において平均粒径5μm未満の極微細粉末が除去された沈殿物を回収する
    ことを特徴とするケイ酸塩鉱物粉末の製造方法。
  2. 前記上澄み水簸工程(S222,S232)の沈殿時間は、当該上澄み水簸工程(S222,S232)の前に行なわれた第1水簸工程(S21)または上澄み水簸工程(S222)の沈殿時間より長く設定される請求項1記載のケイ酸塩鉱物粉末の製造方法。
  3. 前記上澄み水簸工程(S222,S232)では、前記沈殿物水簸工程(S221,S231)で分離された上澄み液と、当該沈殿物水簸工程(S221,S231)の前に行なわれた第1水簸工程(S21)または上澄み水簸工程(S222)で分離された上澄み液とを合わせた混合上澄み液を水簸分級する請求項1または2記載のケイ酸塩鉱物粉末の製造方法。
  4. 前記二次工程(S2)では、前記粗粉末を水に懸濁した混合液に対して、リン酸系化合物からなる分散剤が添加される請求項1〜3の何れか一項に記載のケイ酸塩鉱物粉末の製造方法。
  5. 前記二次工程(S2)では、乾式粉砕により得られた前記粗粉末を水に懸濁した混合液に対して、アニオン系界面活性剤が添加される請求項1〜4の何れか一項に記載のケイ酸塩鉱物粉末の製造方法。
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