JP2009178778A - 微小電気機械装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】封止層の損傷を防止して、信頼性に優れた微小電気機械装置を提供する。
【解決手段】半導体基板2上に形成されたMEMS素子3と、MEMS素子3との間に空洞9を有するように該素子3を覆い、その上面の一部に貫通孔10が形成された空洞形成膜4と、空洞形成膜4の貫通孔10を塞いでMEMS素子3を空洞9内に封止する封止層5と、封止層5との間に空洞11を有するように封止層5を覆う保護層6と、保護層6と半導体基板2とを接続する接続部材12とを備えている。接続部材12は、保護層6の構成材料より大きい透湿係数を有する合成樹脂から構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、微小電気機械装置に関する。
MEMS(Micro Electro Mechanical System)素子は、通常の半導体装置と同様に外界の影響から素子を保護するために気密に封止される。ただし、MEMS素子は、電気的な力、または加速度などの外力で変形する片持ち梁や両持ち梁構造の可動部を備えており、その動作特性から素子を空洞内に保持しなければならないため、空洞の状態を保持し得る封止構造を適用する必要がある。
このような封止構造としては、MEMS素子を覆う犠牲層を形成し、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などで犠牲層に通じる貫通孔が形成された膜を犠牲層上に積層した後、この貫通孔から犠牲層を選択的に除去し、CVD法などで膜の貫通孔を塞ぐように封止層を積層して、MEMS素子を空洞内に封止した構造が提案されている。
しかし、MEMS素子を空洞内に封止する封止層は、一般に、薄膜で形成されるため、機械的強度が十分でなく、外力がかかった場合に損傷しやすい。
そこで、このような問題に対応して、封止層との間に空洞を有する膜を配置し、この膜上に、流し込み成形で合成樹脂製の保護層を配置した構造が提案されている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、封止層との間に空洞を有する膜は、薄膜の封止層上に犠牲層を堆積して形成するため、製造プロセスで封止層が損傷しやすい。
また、封止層は、流し込み成形で形成された透湿性の不十分な保護層で全体を覆われているため、MEMS装置の製造プロセスにおける実装リフロー工程で、高温のリフロー炉内にMEMS装置を曝した場合に、保護層が吸湿した水分が気化して、保護層内(すなわち、封止層の外側の空洞)の水蒸気圧が上昇し、封止層の外側の空洞と、内側の空洞とで内外圧差が生じて、封止層が損傷しやすい。
特開2006−95681号公報
本発明の目的は、封止層の損傷を防止し、信頼性に優れた微小電気機械装置を提供することにある。
本発明の一態様に係る微小電気機械装置は、基板と、前記基板上に形成された微小電気機械素子と、前記微小電気機械素子との間に空洞を有するように該素子を覆い、貫通孔を有する空洞形成膜と、前記空洞形成膜内の貫通孔を塞いで前記微小電気機械素子を空洞内に封止する封止層と、前記封止層との間に空洞を有するように該封止層を覆う保護層と、前記保護層と前記基板とを接続し、かつ、該保護層の構成材料より大きい透湿係数の接続部材と、を具備することを特徴としている。
上記構成により、封止層の損傷を防止して、信頼性に優れた微小電気機械装置を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。なお、以下では本発明の実施形態を図面に基づいて述べるが、それらの図面は図解のために提供されるものであり、本発明はそれらの図面に限定されるものではない。
(第1の実施形態)
図1(a)は、本発明の第1の実施形態に係る微小電気機械装置(以下、MEMS装置とする。)の構成を模式的に示す断面図である。図1(b)は、図1(a)に示したMEMS装置の構成を模式的に示す平面透視図である。
図1(a)に示すように、第1の実施形態のMEMS装置1は、半導体基板2と、MEMS素子3と、空洞形成膜4と、封止層5と、保護層6と、を備えている。
半導体基板2上には、MEMS素子3を動作させるための信号線や電源線、接地線等の配線層7が絶縁層8を介して形成されている。本実施形態では、基板に、半導体基板2を用いたが、これ以外に、例えばガラス、セラミックなどの絶縁性基板を用いることもできる。
配線層7は、MEMS素子3と電気的に接続され、外部との間で電気信号等のやりとりを行う。配線層7には、例えばAu、Cr、Rt、Ti、Ni、Al、Cu、Pt等から構成される金属薄膜、これらの合金薄膜、あるいはこれらを多層積層した導体薄膜等を適用することができる。この場合、スパッタリング法、金属蒸着法、CVD法等により金属薄膜等を形成した後、フォトリソグラフィー等でパターニングする。また、配線層7の形態は、特に限定されるものではなく、例えばコプレーナ線路、マイクロストリップ線路、グランド付きコプレーナ線路、あるいは単純な薄膜信号線路など要求される仕様に応じて適宜選択できる。
MEMS素子3は、可動部31と支持部32,33とを備えた両持ち梁構造であり、可動部31が半導体基板2の厚み方向に変形可能に構成されている。可動部31は、Al、Cuなどの金属薄膜から構成される。本実施形態では、両持ち梁構造のMEMS素子3を用いたが、片持ち梁構造のMEMS素子3を用いることもできる。MEMS素子3は、例えば静電気式マイクロスイッチ、静電マイクロリレー、マイクロメカニカルリレー、加速度センサ、可変容量、圧力センサ等に適用できる。
空洞形成膜4は、その内側にMEMS素子3の動作特性に必要な空洞9を有し、MEMS素子3を覆うようにして半導体基板2上に配置されている。また、空洞形成膜4は、貫通孔10を備えている。空洞形成膜4の外形は、例えば、四角柱、円柱などの柱体状、全体として円錐、六角錐、四角錐等の錐体の頂部を切除した錘台状、半球形(ドーム)状などである。本実施形態では、空洞形成膜4の外形は四角錘台状であり、貫通孔10は四角錘台の上面の一部(ただし、MEMS素子3の直上を除いた部位)に配置されている。空洞形成膜4には、例えばSiN、SiOなどを用いることができる。空洞形成膜4は、例えば、スパッタ法、CVD法、蒸着法等により形成される。
封止層5は、空洞形成膜4上に配置され、空洞形成膜4に設けられた貫通孔10を塞いで、空洞9内にMEMS素子3を気密に封止する。封止層5は、空洞形成膜4と同様の成膜材料、成膜方法によって形成される。本実施形態では、封止層5には、SiNを用いる。封止層5の形状は、制限されず、空洞形成膜4と同様の形状でも、これ以外の形状でもよく、本実施形態では、空洞形成膜4と同様の形状である。
保護層6は、封止層5及び空洞形成膜4を外界の影響から保護する層である。保護層6は、その内側に空洞11を形成するとともに封止層5を覆うようにして、接続部材12を介して半導体基板2上に接続されている。保護層6と封止層5は接触していないため、保護層6に対して外力がかかっても、封止層5に応力がかかることはなく、薄膜で形成される封止層5及び空洞形成膜4の損傷を防止できる。保護層6には、十分な機械的強度を有する材料を用いることができ、例えば、Si(シリコン)、ガラス、合成樹脂、金属等が挙げられる。本実施形態では、Siを用いている。保護層6は、半導体基板2との接合面側の略中央に矩形状の凹部を有し、接続部材12を介して半導体基板2に接続されている。保護層6の形状は、制限されず、例えば、四角柱、円柱などの柱体状などが挙げられ、本実施形態では、四角柱状である。
接続部材12には、封止層5の透湿係数よりも大きい透湿係数の合成樹脂を用いる。封止層5と保護層6間の空間内の水蒸気を保護層6の外側に逃がすためである。保護層6の透湿係数は,接続部材12の透湿係数より小さくても良い。但し,保護層6の透湿係数が接続部材12の透湿係数より大きいことも許容される。
接続部材12を構成する合成樹脂の透湿係数としては、好ましくは3.6×10−7cm(STP)・(cm・s・cmHg)−1以上である。さらに、合成樹脂は、空気中の水分を吸湿しにくい特性を有することが好ましく、その吸湿率は、好ましくは、0.4%以下、より好ましくは0.2%以下である。このような合成樹脂としては、透湿係数が上記範囲であり、吸湿率が上記範囲であれば特に制限されるものではないが、好ましくは、シリコーン樹脂(シリコーン固形物,シリコーンポリマ)が挙げられ、より好ましくは、ポリジメチルシロキサン(正確には,主成分をポリジメチルシロキサンとする固形物)である。合成樹脂は、一般に、空気中の水分を吸湿する特性をもつため、MEMS装置1の製造工程における実装リフローの工程で、高温のリフロー炉内にMEMS装置1を曝した場合に、吸湿した水分が気化する。接続部材12に、空気中の水分を通しやすく(高透湿性)、水分を吸湿しにくい(低吸湿性)合成樹脂を用いることで、空気中の水分の吸湿を抑え、水分を吸湿しても、実装リフロー時に気化した水分(水蒸気)が、保護層6内に閉じ込められることなく、接続部材12を介して、保護層6の外部に排湿される。これにより、封止層5の外側の空洞11で生じる外圧と、内側の空洞9で生じる内圧との差を小さくすることができ、保護層6内の水蒸気圧の上昇による封止層5及び空洞形成膜4の損傷を防止できる。
以下、図2〜図6を用いて、接続部材12に用いる合成樹脂としてポリジメチルシロキサンが好適な理由を詳細に説明する。
図2は、図1に示すMEMS装置1をリフロー炉内に放置し、8℃/sで常温〜150℃まで昇温させ、150〜200℃までのプレヒート区間を60秒間、6℃/sで200〜270℃まで昇温させた際の保護層6の内圧変化を計算(シミュレーション)した結果を示している。ここで用いたMEMS装置1は、図1において、封止層5が幅0.9mm、奥行き0.9mm、高さ20μmであり、保護層6が幅1mm、奥行き1mm、深さ30μmの矩形状の凹部を有し、接続部材12が幅0.1mm、厚さ30μmである。接続部材12は、透湿係数がポリジメチルシロキサンに対応する3.6×10−6cm(STP)・(cm・s・cmHg)−1であり、吸湿率がそれぞれ0.4%、0.2%、0.1%、0.05%以下(具体的には0.05%、0.025%、0.0125%、0.00625%)であると仮定している。合成樹脂には,一般的に,主成分以外の材料(例えば,充填剤)も含まれ,その吸湿率は必ずしも主成分のみでは決まらない。
図3は、図2において、接続部材12として、透湿係数がポリジメチルシロキサンの1/3であり、吸湿率がそれぞれ0.4%、0.2%、0.1%、0.05%、0.025%以下(具体的には0.025%、0.0125%、0.00625%)の合成樹脂を用いた以外は同様にした場合の、保護層6の内圧変化を示す図である。
図4は、図2において、接続部材12として、透湿係数がポリジメチルシロキサンの1/10であり、吸湿率が0.4%、0.2%、0.1%、0.05%、0.025%以下(具体的には0.025%、0.0125%、0.00625%)の合成樹脂を用いた以外は同様にした場合の、保護層6の内圧変化を示す図である。
図2〜図4では、後述する図5〜6と比べて、透湿係数の大きい合成樹脂を接続部材12に使用している。図2〜図4では、保護層6内に存在した、接続部材12から気化した水分(水蒸気)が、リフロー炉のプレヒートの過程で、接続部材12を介して、すでに排湿されている。このため、保護層6の内圧は、リフロー炉のピーク温度(270℃)で乾燥気体の温度変化相当分の圧力(1.8atm)にしか上昇していない。
特に、図2は、図2〜4のなかで、透湿係数が最も大きい合成樹脂を用いている。このため、吸湿率が最大値(0.4%)でも、リフロー炉のプレヒート以前の段階で、保護層6内の水蒸気を接続部材12を介して排湿できる。よって、保護層6内の水蒸気圧の上昇を抑えて、保護層6の内圧を2atmより低く抑えられる。
図4は、図2〜4のなかで、透湿係数が最も小さい合成樹脂を用いている。このため、吸湿率が最大値(0.4%)の場合には、リフロー炉でのプレヒートの初期段階で保護層6の内圧が2atmを越えてしまう。吸湿率を0.2%に低減することで、リフロー中のいずれの段階においても、保護層6の内圧を2atm以内に抑えることができる。
次に、図2〜4と比べて、さらに透湿係数が小さい合成樹脂を用いた場合の、保護層6の内圧変化を図5〜6を用いて説明する。
図5は、図2において、接続部材12として、透湿係数がポリジメチルシロキサンの1/100の合成樹脂(例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂)に関して、吸湿率が0.4%、0.2%、0.1%、0.05%、0.025%、0.0125%、0.00625%の場合を仮定して保護層6の内圧変化を計算した結果である。
図6は、図2において、接続部材12として、透湿係数がポリジメチルシロキサンの1/10000の合成樹脂(例えば、ポリ4フッ化エチレン、高密度ポリエチレン)に関して、吸湿率が0.4%、0.2%、0.1%、0.05%、0.025%、0.0125%、0.00625%の場合を仮定して保護層6の内圧変化を計算した結果である。
図5、図6では、図2〜4と比べて、接続部材12に透湿係数の小さい合成樹脂を使用している。図5〜6に示すように、リフロー炉のプレヒート以前で、保護層6の内圧が上昇しており、プレヒートの段階でも、保護層6の内圧が低下することはなく、リフロー炉のピーク温度(270℃)に達しても、保護層6の内圧が上昇している。これに対して、透湿係数の大きい合成樹脂を用いた図2〜4では、リフロー炉の温度上昇にともない、保護層6の内圧が上昇しても、プレヒート以前の段階、あるいは、プレヒートの初期段階で、保護層6の内圧は低下している。
これは、図5〜6で用いた合成樹脂は、図2〜4と比べて、接続部材12に用いた合成樹脂の透湿係数が小さいため、リフロー炉の熱により、合成樹脂から気化した水分が、接続部材12を介して、保護層6の外部に排湿されにくく、保護層6内に残存しやすくなるためである。このため、保護層6の内圧(水蒸気圧)の上昇を招く。
特に、吸湿率が大きくなるほど、保護層6の内圧が上昇している。図5では、吸湿率が最大(0.4%)の場合には、リフロー炉のプレヒート以前で、2.4atmを超えており、リフロー炉のピーク温度(270℃)で、2.7atmまで上昇している。封止層5は、例えばCVD法などで薄膜に形成されるため、2atmを超えるような圧力には耐えにくい。
吸湿率を小さくすることで、保護層6の内圧を低く抑えることが考えられる。図6では、例えば、吸湿率が0.00625%の場合には、リフロー炉のピーク温度(270℃)でも、保護層6の内圧は1.6〜1.8tmである。しかし、透湿係数が小さく、吸湿率が小さい合成樹脂は、疎水性で反応性に乏しい分子構造であり、接着強度が不十分で実用的ではない。
以上、図2〜図6から明らかなように、接続部材12には、好ましくは、透湿係数が3.6×10−7cm(STP)・(cm・s・cmHg)−1以上であり、吸湿率が0.4%以下、好ましくは0.2%以下である合成樹脂を用いる。このような合成樹脂によれば、空気中の水分を吸湿しにくく、吸湿してリフロー炉の熱で接続部材12から気化しても、リフロー炉のプレヒートの過程で、接続部材12を介して排湿できる。
特に、保護層6の内圧変化が最も小さく、リフロー炉のピーク温度(270℃)でも、保護層6の内圧を1.8atmに抑えられるため、図2で用いた透湿係数が3.6×10−6cm(STP)・(cm・s・cmHg)−1のポリジメチルシロキサンが好ましい。この場合、0.4%まで吸湿しても内圧は1.8atmまでしか上昇しない。ポリジメチルシロキサンが通常の環境下で0.4%も吸湿することはないため、実用上問題ない。
上述した本実施形態のMEMS装置1は、例えば以下のようにして製造される。図7(a)〜(g)は、図1に示すMEMS装置1の製造方法を模式的な断面で示す工程図である。
まず、図7(a)に示すように、半導体基板2上に絶縁層8を介して配線層7を形成し、この配線層7上に犠牲部材15を形成する。配線層7は、絶縁層8上にスパッタリング法で金属薄膜(例えばAl膜、Cu膜など)を形成した後、これをフォトリソグラフィー法でパターニングして形成される。配線層7の一部には、配線保護用の絶縁層(不図示)を形成しておく。犠牲部材15は、ポリイミド等が積層され、パターニングされた後、熱硬化されることで形成される。パターニングされた犠牲部材15は,MEMS素子3を形成するための土台となる。
さらに、図7(b)に示すように,犠牲部材15上にMEMS3,犠牲部材16が形成される。MEMS3は,スパッタリング法やCVD法などで導体薄膜(例えば、Al膜、Au膜、ポリシリコン膜など)を成膜し、フォトリソグラフィ法でパターニングすることで形成される。MEMS素子3は、可動部31と支持部32,33を有する。犠牲部材16は,MEMS3を含む半導体基板2にポリイミド等が積層され、パターニングされることで形成される。
次に、図7(c)に示すように,犠牲部材15,16をテーパ形状とする。犠牲部材15,16を熱硬化することによって、犠牲部材が収縮し、側面がテーパ形状となる。本実施例の場合,犠牲部材15,16が四角錐台状となる。このときの処理温度は,犠牲部材15の先の熱硬化のときの処理温度よりも高い。
次に、図7(d)に示すように、四角錘台状の犠牲部材15,16を覆うように、空洞形成膜4をスパッタ法、CVD法等で成膜する。空洞形成膜4としては、その成膜プロセスで犠牲部材15,16がダメージを受け難く、犠牲部材15,16と空洞形成膜4との間でのエッチングの選択性の点から、本実施形態では、SiOを用いる。
図7(e)に示すように、空洞形成膜4の一部、ここでは四角錘台の上面の一部をフォトリソグラフィー法、ドライエッチング法等を用いて除去し、犠牲部材15,16を除去するための貫通孔10を空洞形成膜4に形成する。貫通孔10は、空洞形成膜4の上面の一部に形成されるが、後述する封止層5の成膜の際に、MEMS素子3の上に堆積してその特性に悪影響を及ぼすことがないように、MEMS素子3の直上にあたる部位を避けるようにして設ける。
次に、図7(f)に示すように、空洞形成膜4に設けた貫通孔10から、アッシングにより、ポリイミド等からなる犠牲部材15,16を一括して除去し、MEMS素子3の周囲に空洞9を形成する。
次に、図7(g)に示すように、空洞形成膜4上に、スパッタ法、CVD法等を使用してSiN等からなる封止層5を形成する。これにより、封止層5で貫通孔10を塞ぎ、MEMS素子3を空洞9内に封止する。
Siウエハに矩形状の凹部を多面付けで複数形成し、各凹部の外周にダイシング線となる溝を形成する。そして、ダイシング線(溝)に沿って個片化し、略中央に凹部を有する保護層6を作成する。この保護層6の、半導体基板2との接続面側に、接続部材12として液状のポリジメチルシロキサンを塗布し、図7(h)に示すように、半導体基板2に接続した後、熱硬化する。これにより、封止層5と保護層6との間に空洞11が形成される。
以上説明したように、本実施形態では、ポリジメチルシロキサンのような高透湿で低吸湿性の合成樹脂を接続部材12に用いている。この接続部材12を用いることで、合成樹脂が空気中の水分を吸湿しにくく、合成樹脂が吸湿した水分が実装リフロー時の熱で気化しても、気化した水分(水蒸気)が、保護層6内に閉じ込められることなく、合成樹脂を介して保護層6の外部に排湿される。これにより、封止層5の外側の空洞11で生じる外圧と、内側の空洞9で生じる内圧との差を小さくすることができ、保護層6内の水蒸気圧の上昇による封止層5及び空洞形成膜4の損傷を防止し、高信頼性のMEMS装置1を提供することができる。
なお、本実施形態では、空洞形成膜4の外形を四角錘台状としたが、それ以外の錘台状でも、ドーム(半球形)状、柱体状でもよい。ドーム状にする場合、犠牲部材15,16に、熱硬化時に溶融する特徴を持った材料を用いればよい。熱硬化時に溶融してドーム状となった後、この上に貫通孔10を有する膜を形成し、貫通孔10から犠牲部材15,16を除去することで、ドーム状の空洞形成膜4が得られる。空洞形成膜4の外形には、錘台状またはドーム状を適用することが好ましい。これによれば、柱体状の場合と比べて、その上面と側面において膜の均一性に優れるため、全体をパッケージした場合にその衝撃と応力に対してクラックなどが発生しにくく、封止信頼性に優れている。
また、犠牲部材15,16には、SiOを用いてもよい。この場合、空洞形成膜4には、その成膜プロセスで犠牲部材15,16がダメージを受けにくく、犠牲部材15,16と空洞形成膜4との間でのエッチングの選択性の点から、Siを用いることが好ましい。SiOからなる犠牲部材15,16は、空洞形成膜4に設けられた貫通孔10を通して、SiOからなる犠牲部材15,16を選択的に溶解除去可能なフッ酸系のエッチャントを使用して犠牲部材15,16を除去して、MEMS素子3の周囲に空洞9を形成する。犠牲部材15,16がSiOからなる場合には、ウエットエッチング法以外に、フッ酸蒸気によるドライエッチング法などを用いることもできる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係るMEMS装置について図8を用いて説明する。図8は、本発明の第2の実施形態に係るMEMS装置の、半導体基板2側からみた平面透視図である。第1の実施形態と同一の構成部分については、同一の符号を付してその説明を簡略化または省略する。
第2の実施形態のMEMS装置は、第1の実施形態と同様に、半導体基板2、MEMS素子3、空洞形成膜4、封止層5、保護層6を備えている(図1参照)。保護層6は、接着部材22を介して半導体基板2に接着されているが、第1の実施形態とは、接続部材22が配置される部位が異なる。
接続部材22は、本実施形態では、図8に示すように、半導体基板2と保護層6との間に不連続で配置されている。すなわち、半導体基板2と保護層6との接続部位で接続部材22が配置されていない部位がある。接続部材22が配置されていない部位は、半導体基板2と保護層6とで形成される間隙23になっている。接続部材22は、第1の実施形態で使用した高透湿性の合成樹脂(例えば、ポリジメチルシロキサン)に制限されるものではなく、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、低融点ガラスフリット(例えば融点300〜400℃)、半田などを用いることができる。
以上説明したように、本実施形態では、半導体基板2と保護層6との間に接続部材22を配置しない部位を設け、間隙23としている。これにより、接続部材22に高透湿性で低吸湿性の合成樹脂を使用しなくても、合成樹脂が吸湿した水分が実装リフロー時の熱で気化した際に、気化した水分(水蒸気)を上記間隙23から保護層6の外部に排湿することができる。よって、保護層6内の水蒸気圧の上昇による封止層5及び空洞形成膜4の損傷を防止し、高信頼性のMEMS装置を提供することができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係るMEMS装置について図9を用いて説明する。図9は、本発明の第3の実施形態に係るMEMS装置で用いた保護層31を模式的に示す斜視図である。第1の実施形態と同一の構成部分については、同一の符号を付してその説明を簡略化または省略する。
第3の実施形態のMEMS装置は、第1の実施形態と同様に、半導体基板2、MEMS素子3、空洞形成膜4、封止層5、保護層31を備えている。第1の実施形態とは、保護層31の形状が異なる。
保護層31は、本実施形態では、貫通孔32を有している。貫通孔32は、保護層31の側面のうち、少なくとも1つの側面に形成され、その形状は、側面の少なくとも一部が除去されて形成されていればよい。本実施形態では、貫通孔32は、図9に示すように、四角柱の向かい合う2つの側面に形成され、その形状は、側面全体が除去されている。
保護層31に貫通孔32が形成されているため、保護層31を半導体基板2に接続する接続部材は、高透湿性の合成樹脂(例えば、ポリジメチルシロキサン)に制限されず、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、低融点ガラスフリット(例えば融点300〜400℃)、半田などを用いることができる。
また,半導体基板2と保護層31を直接接合しても良い。例えば,半導体基板2と保護層31の双方をシリコン(Si)で構成し,シリコン分子を熱拡散させることで,半導体基板2と保護層31を接合できる。
以上説明したように、本実施形態によれば、保護層31に貫通孔32を形成することで、接続部材に高透湿性で低吸湿性の合成樹脂を使用しなくても、合成樹脂が吸湿した水分が実装リフロー時の熱で気化した際に、気化した水分(水蒸気)を上記貫通孔から保護層の外部に排湿することができる。よって、保護層31内の水蒸気圧の上昇による封止層5及び空洞形成膜4の損傷を防止し、高信頼性のMEMS装置を提供することができる。
なお、本発明は上記実施の形態の記載内容に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上述の第1〜第3の実施形態において挙げた材料、構造、形状、基板、プロセスなどはあくまでも例に過ぎず、必要に応じて、これらと異なる材料、構造、形状、基板、プロセスなどを用いてもよい。
本発明の第1の実施形態に係るMEMS装置の構成を模式的に示す断面図と、平面透視図。 図1に示すMEMS装置をリフロー炉内に放置した際の保護層の内圧変化を示す図。 図1に示すMEMS装置をリフロー炉内に放置した際の保護層の内圧変化を示す図。 図1に示すMEMS装置をリフロー炉内に放置した際の保護層の内圧変化を示す図。 図1に示すMEMS装置をリフロー炉内に放置した際の保護層の内圧変化を示す図。 図1に示すMEMS装置をリフロー炉内に放置した際の保護層の内圧変化を示す図。 図1に示すMEMS装置の製造工程を模式的な断面で示す工程図。 本発明の第2の実施形態に係るMEMS装置を示す平面透視図。 本発明の第3の実施形態に係るMEMS装置の保護層と封止層を模式的に示す斜視図。
符号の説明
1…MEMS装置、2…半導体基板、3…MEMS素子、4…空洞形成膜、5…封止層、6…保護層、7…配線層、8…絶縁層、9,11…空洞、12,22…接続部材、23…空隙。

Claims (5)

  1. 基板と、
    前記基板上に形成された微小電気機械素子と、
    前記微小電気機械素子との間に空洞を有するように該素子を覆い、貫通孔を有する空洞形成膜と、
    前記空洞形成膜内の貫通孔を塞いで前記微小電気機械素子を空洞内に封止する封止層と、
    前記封止層との間に空洞を有するように該封止層を覆う保護層と、
    前記保護層と前記基板とを接続し、かつ、該封止層の構成材料より大きい透湿係数の接続部材と、
    を具備することを特徴とする微小電気機械装置。
  2. 前記接続部材は、透湿係数が3.6×10−7cm(STP)・(cm・s・cmHg)−1以上、吸湿率が0.4%以下の合成樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の微小電気機械装置。
  3. 前記接続部材が、シリコーン樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載の微小電気機械装置。
  4. 基板と、
    前記基板上に形成された微小電気機械素子と、
    前記微小電気機械素子との間に空洞を有するように該素子を覆い、貫通孔を有する空洞形成膜と、
    前記空洞形成膜内の貫通孔を塞いで前記微小電気機械素子を空洞内に封止する封止層と、
    前記封止層との間に空洞を有するように該封止層を覆う保護層と、
    前記基板と前記保護層とを接続する接続部材と、
    前記基板と前記保護層との間に配置される間隙と、
    を具備することを特徴とする微小電気機械装置。
  5. 基板と、
    前記基板上に形成された微小電気機械素子と、
    前記微小電気機械素子との間に空洞を有するように該素子を覆い、貫通孔を有する空洞形成膜と、
    前記空洞形成膜内の貫通孔を塞いで前記微小電気機械素子を空洞内に封止する封止層と、
    貫通孔を有し、前記封止層との間に空洞を有するように該封止層を覆い、前記基板に配置された保護層と、
    前記基板と前記保護層とを接続する接続部材と、
    を具備することを特徴とする微小電気機械装置。
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