JP2009176493A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】掃気エネルギを無駄に使うことなく、しかも掃気時間を短くできる燃料電池システムを提供する。
【解決手段】イグニッションスイッチがオフされると、燃料電池の発電が停止されて、システム温度を定期的に監視するモードに移行する。システム温度が所定温度以下になったときのシステム停止時間を検出して(S100,S110)、システム停止時間によりアノード系内の水素濃度を推定する(S150)。また、圧力センサによりアノード圧力を検出して水素の排出量を推定する(S160)。水素濃度に基づいてパージ弁の開弁時間を決定し、アノード圧力に基づいて開弁時間を補正する(S170a)。また、パージ弁の開弁時間を変更する場合には、現在のパージの開弁時間よりも次回のパージの開弁時間を長く設定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、燃料電池を掃気する掃気手法を備えた燃料電池システムに関する。
燃料電池自動車などに搭載される燃料電池システムでは、燃料電池を含む配管内に発電時に生成された水が残留していると、寒冷地や冬季などの低温環境下において、システム停止時に水が凍結して再起動時の低温始動性が低下するという問題がある。このため、システム停止時に燃料電池のアノード側およびカソード側に掃気ガスを導入して掃気処理することが行われている。
この種の燃料電池システムでは、例えば、システム停止時にアノードには燃料ガスが残留しており、アノード掃気時にパージ弁を開弁すると高濃度の水素が排出されるおそれがあるため、アノード掃気前のカソード掃気時にアノード側にも掃気ガスを導入してパージを行なう技術が提案されている(特許文献1参照)。
特開2006−139939号公報(段落0035、図2)
ところで、従来のような燃料電池システムにおけるカソード掃気時のアノード系内の水素抜き手法は、アノード系内に残留している最大量の水素を所定以下の濃度で系外に排出するための手法であった。しかし、アノード系内の残留水素量は、例えば、(1)運転停止直前の運転条件(例えば、運転停止直前に、アノード側を低圧運転(例えば、長時間のアイドリング運転)していた場合には、残留水素量は最大水素量よりも少なくなる)、(2)運転停止からアノード掃気実施までの発電停止時間(一般的に、発電停止中にアノード系内の水素は、クロスリークやアウトリークにより系外に拡散しており、アノード掃気実施までの発電停止時間が長いほど、アノード系内の残留水素量は少なくなる)、というパラメータによって変化する。つまり、従来の燃料電池システムでは、このように多くの場面において、必要以上の水素抜き(最悪条件に対応した水素抜き)を実施していることになり、その結果、掃気エネルギの無駄使い(エネルギ効率悪化)、掃気時間が無駄に長くなる(商品性悪化)という問題がある。
本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、掃気エネルギを無駄に使うことなく、しかも掃気時間を短くできる燃料電池システムを提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、アノードに供給される燃料ガスとカソードに供給される酸化剤ガスとの反応により発電を行なう燃料電池と、前記燃料電池に燃料ガスを流通させる燃料ガス流通路と、前記カソードに酸化剤ガスを流通させる酸化剤ガス流通路と、前記燃料ガス流通路と前記酸化剤ガス流通路とを連通する連通流路と、前記連通流路の開閉を行う連通弁と、前記燃料電池の発電停止後の状態変化を監視する状態監視手段と、前記燃料電池の発電停止後に前記状態変化が所定条件になったときに、前記連通弁を開弁して前記酸化剤ガスで前記カソードを掃気する第1の掃気を行い、その後、前記アノードを掃気する第2の掃気を行う掃気手段と、前記第1の掃気および前記第2の掃気に必要な前記酸化剤ガスの供給量を求める酸化剤ガス供給量算出手段と、を備えた燃料電池システムにおいて、前記アノードから排出された燃料排ガスを酸化剤ガスによって希釈して外部へ排出する燃料排ガス希釈手段と、前記アノードからの燃料排ガスを前記燃料排ガス希釈手段にパージするパージ弁の開弁時間を制御するパージ弁開弁時間制御手段と、前記燃料電池の発電停止後の前記第1の掃気までのシステム停止時間に基づいて前記燃料排ガス中の燃料ガスの濃度を予測する燃料ガス濃度予測手段と、前記燃料電池の発電停止後に前記状態変化が所定条件になったときのアノード圧力に基づいて前記アノードからの燃料ガスの排出量を予測する燃料ガス排出量予測手段と、前記第1の掃気の際に前記パージ弁開弁時間制御手段により前記パージ弁の開弁時間を、前記燃料ガス濃度予測手段および前記燃料ガス排出量予測手段により予測された前記燃料ガスの濃度および排出量に基づいて、前記燃料ガスの濃度が高ければ高いほど前記パージ弁の開弁時間を短い時間とするパージ弁開弁時間算出手段と、前記燃料ガスの濃度が高い場合であっても、前記燃料ガスの排出量が少なければ少ないほど前記パージ弁の開弁時間を長い時間として補正するパージ弁開弁時間補正手段と、をさらに備えたことを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、システム停止時間とアノード圧力によりパージ弁の開弁時間(ON時間)を算出することで、システム停止時間が短く内部の燃料ガス(水素)濃度が高い場合でも、アノード圧力が低い場合には排出される燃料ガス量も少なくなるため、開弁時間を長く設定できる。よって、排出される燃料ガス量に応じてパージ弁の開弁時間を変更させることで、排出される燃料ガス量(濃度)を一定にすることが可能となり、必要以上の希釈を防止できる。これにより、希釈時間(水素抜きの時間)および掃気(第1の掃気+第2の掃気)時間の短縮、およびエネルギ効率の向上を図ることが可能になる。
請求項2に係る発明は、前記パージ弁開弁時間補正手段は、N回目(N=1,2,3,・・・)のパージにおける開弁時間より、(N+1)回目のパージにおける開弁時間を長く設定することを特徴とする。
請求項2に係る発明によれば、パージを繰り返す毎に内部の燃料ガスの濃度が低下するので、パージ弁の開弁時間を長くすることにより、排出される燃料ガス量を一定にすることが可能になり、希釈時間および掃気時間をさらに短縮することが可能になる。
請求項3に係る発明は、アノードに供給される燃料ガスとカソードに供給される酸化剤ガスとの反応により発電を行なう燃料電池と、前記燃料電池に燃料ガスを流通させる燃料ガス流通路と、前記カソードに酸化剤ガスを流通させる酸化剤ガス流通路と、前記燃料ガス流通路と前記酸化剤ガス流通路とを連通する連通流路と、前記連通流路の開閉を行う連通弁と、前記燃料電池の発電停止後の状態変化を監視する状態監視手段と、前記燃料電池の発電停止後に前記状態変化が所定条件になったときに、前記連通弁を開弁して前記酸化剤ガスで前記カソードを掃気する第1の掃気を行い、その後、前記アノードを掃気する第2の掃気を行う掃気手段と、前記第1の掃気および前記第2の掃気に必要な前記酸化剤ガスの供給量を求める酸化剤ガス供給量算出手段と、を備えた燃料電池システムにおいて、前記アノードから排出された燃料排ガスを酸化剤ガスによって希釈して外部へ排出する燃料排ガス希釈手段と、前記アノードからの燃料排ガスを前記燃料排ガス希釈手段にパージするパージのインターバルを制御するパージインターバル時間制御手段と、前記燃料電池の発電停止後の前記第1の掃気までのシステム停止時間に基づいて前記燃料排ガス中の燃料ガスの濃度を予測する燃料ガス濃度予測手段と、前記燃料電池の発電停止後に前記状態変化が所定条件になったときのアノード圧力に基づいて前記アノードからの燃料ガスの排出量を予測する燃料ガス排出量予測手段と、前記第1の掃気の際に前記パージインターバル時間制御手段により前記パージのインターバルを、前記燃料ガス濃度予測手段と前記燃料ガス排出量予測手段により予測された前記燃料ガスの濃度と排出量とに基づいて、前記燃料ガスの濃度が高ければ高いほど長い時間とするパージインターバル時間算出手段と、前記燃料ガスの濃度が高い場合であっても、前記燃料ガスの排出量が少なければ少ないほど短い時間として補正するパージインターバル時間補正手段と、をさらに備えたことを特徴とする。
請求項3に係る発明によれば、パージ弁のインターバル時間(閉時間、OFF時間)をシステム停止時間とアノード圧力により算出することで、システム停止時間が短くて内部の燃料ガス濃度が高い場合でも、アノード圧力が低い場合には排出される燃料ガス量も少なくなるため、インターバル時間を短く設定できる。よって、排出される燃料ガス量に応じてパージ弁のインターバル時間を変更させることで、排出される燃料ガス量(濃度)を一定にすることが可能となり、必要以上の希釈を防止できる。これにより、希釈時間(水素抜きの時間)および掃気(第1の掃気+第2の掃気)時間の短縮、およびエネルギ効率の向上を図ることが可能になる。
請求項4に係る発明は、前記パージインターバル時間補正手段は、N回目(N=1,2,3,・・・)のパージにおけるインターバルより、(N+1)回目のパージにおけるインターバルを短く設定することを特徴とする。
請求項4に係る発明によれば、パージを繰り返す毎に内部の燃料ガスの濃度が低下するので、インターバル時間を短くすることにより、排出される燃料ガス量(濃度)を一定にすることが可能になり、希釈時間および掃気時間をさらに短縮することが可能になる。
請求項5に係る発明は、前記システム停止時間に基づいて、総パージ量を決定することを特徴とする。
請求項5に係る発明によれば、システム停止時間に基づいて総パージ量を算出することにより、無駄なパージを防止してエネルギ消費を削減できる。
請求項6に係る発明は、前記システム停止時間が所定以上の場合には、前記第1の掃気中のパージを行わないことを特徴とする。
請求項6に係る発明によれば、システム停止時間が長時間続くと内部のアノード圧力および濃度が所定以下(パージ不要)にまで低下するため、パージを必要としなくなる。よって、システム停止時間が長時間続いた場合には第1の掃気(カソード掃気)中にパージを行わないため、希釈のためのエネルギを削減することが可能になる。
本発明によれば、掃気エネルギを無駄に使うことなく、しかも掃気時間を短くできる燃料電池システムを提供できる。
(第1実施形態)
図1は本実施形態の燃料電池システムを示す全体構成図、図2は第1実施形態の掃気制御を示すフローチャート、図3(a)はシステム停止時間とアノード系内水素濃度との関係を示すマップ、(b)はアノード系内水素濃度とパージ弁の開弁時間との関係を示すマップ、(c)はシステム停止時間と総パージ量との関係を示すマップ、図4はパージ毎のシステム停止時間と開弁時間との関係を示すマップ、図5はアノードパージにおけるパージ弁の開弁時間の変化を示すタイムチャートである。なお、本実施形態では、車両(燃料電池自動車)用の燃料電池システムを例に挙げて説明するが、これに限定されるものではなく、船舶、航空機用の燃料電池システム、定置式の家庭用や業務用電源システムなどあらゆるものに適用できる。
図1に示すように、本実施形態の燃料電池システム1は、燃料電池10、アノード系20、カソード系30、掃気系40、制御系50などを含んで構成されている。
燃料電池10は、例えば、固体高分子型であるPEM型の燃料電池であり、電解質膜11を、触媒を含むアノード12と触媒を含むカソード13とで挟み、さらに一対の導電性のセパレータ14,15で挟んで構成された単セルを厚み方向に複数積層した構造を有している。アノード12に対向するセパレータ14には、水素(燃料ガス)が流通するアノード流路14aが形成され、カソード13に対向するセパレータ15には、空気(酸化剤ガス)が流通するカソード流路15aが形成されている。なお、図1は、説明の便宜上、ひとつの単セルを模式的に図示している。
アノード系20は、燃料電池10のアノード12に対して水素(燃料ガス)を給排する系であり、水素タンク21、遮断弁22、パージ弁23、配管a1〜a5などを含んで構成されている。
水素タンク21は、例えば、アルミニウム合金により形成され、その内部に高純度の水素ガスを高圧で貯留するタンク室(図示せず)を有し、そのタンク室の周囲をCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastic:炭素繊維強化プラスチック)や、GFRP(Glass Fiber Reinforced Plastic:ガラス繊維強化プラスチック)等で形成されたカバー(図示せず)で被覆して構成されている。
遮断弁22は、ソレノイドを有する電磁作動式のON/OFF弁であり、配管a1を介して水素タンク21と接続され、配管a2を介して燃料電池10のアノード流路14aの入口と接続されている。なお、遮断弁22は、水素タンク21と一体に構成されたいわゆるインタンク式のものであってもよい。
また、アノード流路14aの出口は配管a3と図示しないエゼクタとを介して配管a2と接続され、アノード12から排出された未反応の水素をアノード流路14aの入口に戻して再循環するように構成されている。これにより、水素タンク21内に蓄積された水素が有効に利用されるようになっている。
パージ弁23は、ソレノイドを有する電磁作動式のON/OFF弁であり、配管a3の途中に接続された配管a4に設けられている。また、パージ弁23は、後記するECU(Electric Control Unit)51の制御によって開弁することにより、アノード流路14aを含む流路に残留する不純物を排出するようになっている。なお、不純物とは、カソード13から電解質膜11を介してアノード12に透過した、空気中の窒素、生成水などである。
また、パージ弁23の下流には、配管a5を介して希釈ボックス35が接続されている。この希釈ボックス35は、水素を希釈する空間を有し、空間内部においてアノード12(アノード系20)から排出された燃料排ガス(アノードオフガス)中の水素が燃料電池10のカソード流路15aから排出されたカソードオフガスによって希釈され、外部(車外)に排出されるようになっている。
なお、アノード系20には、配管a2(エゼクタの上流)に水素タンク21から供給された高圧の水素を減圧するためのレギュレータ(図示せず)などが設けられている。
カソード系30は、燃料電池10のカソード13に対して空気(酸化剤ガス)を給排する系であり、エアポンプ31、背圧弁32、配管c1〜c3などを含んで構成されている。
エアポンプ31は、スーパーチャージャなどで構成され、カソード流路15aの入口と接続された配管c1を介してカソード13に空気(酸素)を供給するようになっている。なお、配管c1には、エアポンプ31からの空気を適度に加湿するための加湿器(図示せず)が設けられている。
背圧弁32は、バタフライ弁などの開度調節可能な弁で構成され、後記するECU51の制御によって開度が変更されることにより、燃料電池10のカソード13に供給される空気の圧力を調節できるようになっている。また、背圧弁32は、配管c2を介してカソード流路15aの出口と接続され、配管c3を介して希釈ボックス35と接続されている。
前記掃気系40は、燃料電池システム1の運転停止後に、掃気ガスとしてエア(空気)をアノード12に導入する系であり、エア導入配管41と、エア導入弁42などを含んで構成されている。
エア導入配管41は、上流側が配管c1に接続され、下流側が配管a2に接続されている。なお、エア導入配管41の上流側の端部は、例えば、図示しない加湿器の上流側に位置する配管c1に接続され、下流側の端部は、図示しないエゼクタの下流側に位置する配管a2に接続されている。
エア導入弁42は、電磁作動式のON/OFF弁であり、エア導入配管41を連通、遮断する弁である。このエア導入弁42は、燃料電池システム1の掃気時に、後記するECU51の制御によって開弁することにより、エアポンプ31からの空気がエア導入配管41を介して燃料電池10のアノード流路14a(アノード12)に導入されるようになっている。
前記制御系50は、ECU51、温度センサ52、圧力センサ53などを含んで構成されている。
ECU51は、CPU(Central Processing Unit)、RAM、プログラムが記憶されたROM、各種回路などで構成され、遮断弁22、パージ弁23およびエア導入弁42の開閉、背圧弁32の開度、エアポンプ31のモータの回転速度を制御し、燃料電池10の温度(状態)、アノード系20内の圧力(アノード圧力)を取得するようになっている。
また、ECU51は、酸化剤ガス供給量算出手段、パージ弁開弁時間制御手段、燃料ガス濃度予測手段、燃料ガス排出量予測手段、パージ弁開弁時間算出手段、パージ弁開弁時間補正手段を備えている。なお、パージ弁開弁時間制御手段は、カソード掃気時にアノード12からの水素を希釈ボックス35に排出する際のパージ弁23の開弁時間を制御する機能を有する。
温度センサ52は、燃料電池10の温度(システム温度)を検知する(状態変化を監視する)機能を有する状態監視手段であり、例えば燃料電池10のアノード流路14aの入口近傍の配管a2に設けられている。なお、温度センサ52の位置は、燃料電池10の温度を検出できる位置であればアノード流路14aの入口に限定されるものではなく、アノード流路14aの出口近傍の配管a3、カソード流路15aの入口近傍の配管c1、カソード流路15aの出口近傍の配管c2、冷却系の冷媒が流通する配管であってもよく、あるいは燃料電池10の温度を直接測定するものであってもよい。
圧力センサ53は、アノード系20内の圧力を検出する機能を有し、例えば燃料電池10のアノード12の入口近傍に設けられている。なお、圧力センサ53の位置は、アノード系20内の圧力を検出することができるものであれば、本実施形態に限定されるものではない。
次に、本実施形態の燃料電池システム1における運転停止後の掃気制御について図2ないし図5を参照(適宜、図1を参照)して説明する。なお、燃料電池システム1の運転中においては、ECU51の制御によって、遮断弁22が開弁されて水素タンク21から燃料電池10のアノード12に水素が供給され、またエアコンプレッサ31が駆動されて燃料電池10のカソード13に加湿された空気が供給される。
これにより、燃料電池10のアノード12では、触媒の作用によって水素から電子が乖離し、電子が外部負荷(走行モータ、エアポンプなど)を通ってカソード13に移動し、水素イオン(プロトン)が電解質膜11を介してカソード13に透過する。また、カソード13では、水素イオンと、電子と、エアポンプ31から供給された空気中の酸素との反応により水が生成される。燃料電池10の発電電力は、走行モータ(図示せず)やエアポンプ31などの補機に供給され、また必要に応じて蓄電装置(図示せず)に充電される。なお、蓄電装置は、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、キャパシタなどで構成されている。
図2に示すように、運転者によりイグニッションスイッチ(図示せず)がオフ(IG−OFF)にされると、遮断弁22が閉じられて水素の供給が停止され、エアポンプ31が停止されて空気の供給が停止され、発電が停止する。また、システム温度の監視モードに移行して、定期的にシステム温度が検出される。この温度センサ52によるシステム温度の監視は、ECU51に内蔵されたタイマ機能を用いて行われるようになっている。
ステップS100において、ECU51は、温度センサ52から定期的に取得した温度(システム温度)が所定温度以下であるか否かを判断する。なお、所定温度(所定条件)は、例えば、温度が低下し且つ水が凍結する前の温度(例えば、5℃)に設定される。このような凍結前の低い温度に設定することにより、燃料電池システム1内の水蒸気が十分に凝縮して、掃気時に燃料電池システム1内の水分を十分に外部に排出して乾燥させることができる。
また、ステップS100において、ECU51は、システム温度が所定温度以下ではないと判断した場合には(No)、ステップS100の処理を繰り返す。なお、システム温度が所定温度以下ではない場合において(S100,No)、イグニッションスイッチがオンされたときには、掃気制御を終了する。また、ステップS100において、ECU51は、システム温度が所定温度以下であると判断した場合には(Yes)、ステップS110に進む。
ステップS110において、ECU51は、IG−OFFしてからシステム温度が所定温度以下となるまでの時間(システム停止時間、発電停止時間)を取得する。このシステム停止時間は、ECU51に内蔵されたタイマ機能を用いて取得される。
ステップS120において、ECU51は、システム停止時間が所定時間以上(所定以上)であるか否かを判断する。なお、所定時間とは、カソード掃気と同時にアノード12のパージ(アノードパージ、水素抜き)を実行するか否かを判断するための閾値である。ステップS120において、ECU51は、システム停止時間が所定時間以上でないと判断した場合には(No)、ステップS150に進み、システム停止時間が所定時間以上であると判断した場合には(Yes)、ステップS130に進む。
ステップS150において、ECU51は、システム停止時間によりアノード系20内から排出されるアノードオフガス(燃料排ガス)中の水素濃度を推定する(燃料ガス濃度予測手段)。なお、アノード系20内の水素濃度の推定方法は、例えば、図3(a)のマップに基づいて推定される。すなわち、システム停止時間が長くなるにつれて、アノード系20内の水素濃度が低下する。ちなみに、システム停止時間が長くなるにつれてアノード系20内の水素濃度が低下するのは、アノード12側の水素が電解質膜11を介してカソード13に透過すること(いわゆるクロスリーク)、水素分子は非常に小さいため、単セル間(セパレータ間)のシール部材などから微量の水素が外部に漏洩すること(いわゆるアウトリーク)による。なお、水素濃度の推定方法は、マップに限定されるものではなく、テーブルや関数などを用いて推定してもよい。
ステップS160において、ECU51は、圧力センサ53からアノード圧力を検出して、アノード系20内から排出される水素の排出量(燃料ガスの排出量)を推定する(燃料ガス排出量予測手段)。なお、アノード圧力は、圧力センサ53によって検出されるものに限定されず、例えばシステム停止時間に基づいて推定するようにしてもよい。
ステップS170aにおいて、ECU51は、パージ弁23の開弁時間を決定する。なお、パージ弁23の開弁時間は、アノード系20内の水素濃度とアノード圧力に基づいて決定される。まず、図3(b)のマップに基づいて、アノード系20内の水素濃度が高くなるに比例してパージ弁23の開弁時間が短い時間となるように設定される(パージ弁開弁時間算出手段)。これは、水素濃度が高い場合に開弁時間を長くすると、希釈ボックス35の希釈能力を超えるからである。なお、図3(b)のマップの縦軸は、パージ弁23の1回の開弁時間である。
そして、ステップS160で検出したアノード圧力に基づいて、図3(b)のマップを補正する。すなわち、アノード圧力が低い場合には、アノード系20内の水素濃度が高い場合であってもパージ弁23の開弁時間が長くなるほうへ補正する(パージ弁開弁時間補正手段)。
ステップS180において、ECU51は、図3(c)のマップに基づいて総パージ量を決定する。図3(c)に示すように、システム停止時間が長くなるにつれて、クロスリークやアウトリークによってアノード系20内の水素濃度が低下するので、アノード系20をパージする際の総パージ量を少なくできる。なお、前回の運転終了時のアノード圧力を検出し、アノード圧力が高い場合には総パージ量を増加させ、低い場合には総パージ量を減少させるように補正してもよい。
ステップS190において、ECU51は、カソード掃気(第1の掃気)を実行する。すなわち、ECU51は、図示しない蓄電装置(バッテリなど)の電力を利用して背圧弁32およびエアポンプ31を作動させ、背圧弁32の開度を全開にした状態において、エアポンプ31からの空気(エア)を、燃料電池10のカソード13側に導入する。これにより、燃料電池10のカソード流路15aや配管c1〜c3などに残留している水(生成水、凝縮水など)が外部(車外)に排出される。
また、ステップS200において、ECU51は、カソード掃気と同時に、アノード12側をパージ(水素抜き、希釈)する制御を行う。すなわち、ECU51は、エア導入弁42を開弁した状態において、ステップS170aで決定した開弁時間(所定時間)だけパージ弁23を開弁する。これにより、エアポンプ31からの空気の一部がエア導入配管41からアノード12側に導入され、アノード系20内すなわちアノード流路14a、配管a2〜a5に残留している水素が希釈ボックス35を介して外部(車外)に排出される。なお、希釈ボックス35に導入された水素は、カソード13から排出された空気など(カソードオフガス)によって所定の水素濃度以下にまで希釈された後に排出される。
ステップS210において、ECU51は、アノードパージ(水素抜き)が完了したか否かを判断する。ステップS210にいて、アノードパージが完了していない場合には(No)、ステップS220aに進む。なお、アノードパージ完了の判断条件としては、例えば、パージ弁23の開弁中の水素排出量を算出し、その水素排出量が所定の閾値1に達したと判断した場合、またはアノードパージ開始からの経過時間が所定の閾値2に達した場合である。
ステップS220aにおいて、ECU51は、図4のマップに基づいてパージ弁23の開弁時間を変更する。すなわち、図4に示すように、2回目のパージは、初回のパージによって水素が排出されて水素濃度が低下しているので、破線で示すように、パージ弁23の開弁時間を初回のパージよりも長く設定できる。また、再度パージ弁23の開弁時間を変更する場合には、さらに水素濃度が低下しているので、一点鎖線で示すように、3回目のパージ弁23の開弁時間を2回目よりも長く設定できる。このようにして、アノードパージが完了するまで、パージ弁23の開弁時間を長く変更しながらアノードパージを実行する。なお、アノードパージとアノードパージとの間のパージ弁23の各OFF時間(閉弁時間)はいずれも同じ時間に設定する。
ステップS210において、ECU51は、アノードパージが完了したと判断した場合には(Yes)、ステップS230に進み、カソード掃気が完了したか否かを判断する。なお、カソード掃気完了の判断条件としては、例えばカソード掃気開始から所定時間が経過することにより判断できる。また、所定時間(カソード掃気+後記するアノード掃気)は、予め実験等によって求められたマップなどを用いて判断でき、燃料電池10の発電停止から第1の掃気(カソード掃気)までのシステム停止時間が長くなるにしたがって短い時間に設定される(酸化剤ガス供給量算出手段)。また、掃気完了条件としては、時間に限定されるものではなく、エアポンプ31の下流に流量センサを設けて、所定(掃気完了と判断できる)の積算流量を超えたときに掃気完了と判断するようにしてもよい。
ステップS230において、ECU51は、カソード掃気が完了していないと判断した場合には(No)、ステップS230を繰り返し、カソード掃気が完了したと判断した場合には(Yes)、ステップS240に進み、アノード掃気(第2の掃気)を実行する。アノード掃気では、背圧弁32を閉じて、エアポンプ31からの空気をエア導入配管41を介して燃料電池10のアノード12側に導入する。これにより、アノード流路14a、配管a2〜a5に残留する生成水や凝縮水が、空気の圧力によって吹き飛ばされて、外部(車外)に排出される。
そして、ステップS250において、ECU51はアノード掃気が完了したか否かを判断し、アノード掃気が完了していないと判断した場合には(No)、ステップS250を繰り返し、アノード掃気が完了したと判断した場合には(Yes)、処理を終了する。なお、アノード掃気完了の判断条件としては、例えば所定時間が経過したか否かによって判断できる。
一方、ステップS120において、ECU51は、システム停止時間が所定時間以上であると判断した場合には(Yes)、アノード系20内の水素濃度が非常に少ないと判断して、ステップS130に進み、アノードパージを行なうことなく、カソード掃気を実行する。この場合のカソード掃気では、エア導入弁42およびパージ弁23を開弁することなく、燃料電池10のカソード13に空気(掃気ガス)を供給して掃気する。そして、ステップS140において、ECU51は、所定時間が経過したか否かによってカソード掃気が完了したか否かを判断する。そして、カソード掃気完了後、アノード掃気を実行する(S240,S250)。なお、この場合(水素抜きが不要の場合)には、アノード掃気、カソード掃気の順で行ってもよい。
また、本実施形態の燃料電池システム1の動作について図5を参照して説明する。すなわち、イグニッションスイッチがオフ(IG−OFF)にされると(時刻t1)、図示しないコンタクタ(燃料電池10と、走行モータや補機などとの間に設けられた電気的に接続・遮断するもの)が遮断されて、燃料電池10からの発電電流(電力)の取り出しが停止する。また、遮断弁22が閉じられて水素の供給が停止し、エアポンプ31の駆動が停止する。
そして、システム温度が所定温度に達すると(時刻t2)、システム停止時間が決定し、これにより、アノード系20内の水素濃度を推定でき、水素濃度とアノード圧力に基づいてパージ弁23の開弁時間などが決定される(S100〜S180)。
そして、時刻t2において、エアポンプ31を駆動してカソード13に空気を導入してカソード掃気を実行するとともに(S190)、エア導入弁42を開弁し、パージ弁23を開閉してアノードパージを実行する(S200)。このアノードパージでは、例えば、パージ弁23を、所定時間Tm1開弁し、所定時間Ts閉弁し、所定時間Tm2開弁し、所定時間Ts閉弁し、所定時間Tm3開弁し、所定時間Ts閉弁する(S200〜S220a)。ちなみに、初回の開弁時間Tm1は、水素濃度が高いため短い開弁時間に設定され、3回目の開弁時間Tm3は、水素の排出が進んでいるので、長い開弁時間が設定される(Tm1<Tm2<Tm3)。これは、初回は水素濃度の濃い水素が排出されるので、開弁時間を長くすると、希釈ボックス35の希釈能力を超えてしまうからである。
このように閉弁時間Tsをそれぞれ一定にして、パージ弁23の開弁時間をパージ毎に長くすることにより、希釈ボックス35から均一な水素量で排出され、アノード系20内の水素が所定濃度まで徐々に低下する。
そして、アノードパージとともにカソード掃気が完了すると(S230,Yes)、時刻t3において、エア導入弁42を開弁したままで、パージ弁23を連続的に開弁して、アノード掃気を実行する(S240、S250)。これにより、アノード系20内に残留した所定濃度以下の水素が、アノード系20内(アノード流路14a、配管a2〜a4)に残留している生成水および凝縮水とともに外部に排出される。
以上説明したように、本実施形態によれば、システム停止時間(アノード系内水素濃度)とアノード圧力とによりパージ弁23の開弁時間を決定することで、システム停止時間が短くアノード系20内の水素濃度が高い場合でも、アノード圧力が低い場合には排出される水素量が少なくなるため、パージ弁23の開弁時間を長く設定できる。よって、排出される水素量(アノード圧力)に応じてパージ弁23の開弁時間を変更することで、水素量(水素濃度)を一定にした状態で排出することが可能になるため、必要以上に希釈が行われるのを防止できるようになる。これにより、アノードパージにおける水素の希釈時間(水素抜きに要する時間)を短縮することができ、掃気時間を短縮することが可能になるとともに、掃気に必要なエネルギを必要最小限まで削減できる。
また、本実施形態によれば、図5において説明したように、アノードパージを繰り返す毎にアノード系20内の水素濃度は低下するので、パージ弁23の開弁時間を長くすることにより、排出される水素量を一定にでき、希釈時間および掃気時間のさらなる短縮が可能になる。
また、本実施形態によれば、システム停止時間に基づいて総パージ量を決定することにより(図3(c)参照)、水素濃度を精度よく決定できるので、アノードパージが無駄に行われるのを防止でき、エネルギ消費の削減が可能になる。
また、本実施形態によれば、システム停止時間が長時間に及ぶと、アノード系20内の圧力および水素濃度がアノードパージ不要となる状態(所定濃度以下)まで低下するので、アノードパージが不要になる。よって、システム停止時間が長時間に及んだ場合にはカソード掃気中のアノードパージを行わないように制御することにより、希釈する際に必要であったエネルギ(例えば、パージ弁23の開閉に必要な電力)を削減することが可能になる。
(第2実施形態)
図6は第2実施形態の掃気制御を示すフローチャート、図7はアノード系内水素濃度とパージ弁のインターバル時間との関係を示すマップ、図8はパージ毎のシステム停止時間とパージ弁の開弁時間との関係を示すマップ、図9はアノードパージにおけるパージ弁のインターバル動作の変化を示すタイムチャートである。なお、第2実施形態は、図1に示す燃料電池システム1のECU51において、パージ弁開弁時間制御手段に替えてパージインターバル時間制御時間、パージ弁開弁時間補正手段に替えてパージインターバル時間補正手段を備える点において、第1実施形態と相違している。なお、図6において、第1実施形態と同様の処理(ステップ)については、同一のステップ符号を付してその説明を省略する。また、図7の縦軸は、1回のインターバル時間である。
図6に示すように、ステップS170bにおいて、ECU51は、パージ弁23のインターバル時間(OFF時間、閉弁時間)を決定する。このパージ弁23のインターバル時間は、アノード系20内のシステム停止時間(水素濃度)と圧力に基づいて決定される。まず、図7のマップに示すように、アノード系20内の水素濃度が高くなるに比例してパージ弁23のインターバル時間が長い時間となるように設定される(パージインターバル時間算出手段)。これは、水素濃度が高い場合にインターバル時間を短くすると、希釈ボックス35の希釈能力を回復させることができないからである。また、図7のマップに示すように、アノード圧力が低い場合には、アノード系20内の水素濃度が高い場合であってもパージ弁23のインターバル時間が短くなるほうへ補正する(パージインターバル時間補正手段)。なお、インターバル時間は、排出された水素が十分に希釈されるような時間に設定される。
また、ステップS210において、ECU51は、アノードパージが完了していないと判断した場合には(No)、ステップS220bに進み、図8のマップに基づいてパージ弁23のインターバル時間を変更する。すなわち、図8に示すように、2回目のパージは、初回のパージによって水素が排出されて水素濃度が低下しているので、破線で示すように、パージ弁23のインターバル時間を初回のパージよりも短く設定できる。また、再度パージ弁23のインターバル時間を変更する場合には、さらに水素濃度が低下しているので、一点鎖線で示すように、3回目のパージ弁23のインターバル時間を2回目よりも短く設定できる。このようにして、アノードパージが完了するまで、パージ弁23のインターバル時間を短く変更しながらアノードパージを実行する。なお、パージ弁23の開弁時間(ON時間)はいずれも同じ時間に設定される。
図9に示すように、イグニッションスイッチがオフ(IG−OFF)にされると(時刻t1)、図示しないコンタクタが遮断されて、燃料電池10からの発電電流(電力)の取り出しが停止する。また、遮断弁22が閉じられて水素の供給が停止され、エアポンプ31の駆動が停止される。
そして、システム温度が所定温度まで低下すると(時刻t2)、水素濃度とアノード圧力に基づいてパージ弁23のインターバル時間などが決定される(S100〜S180)。
そして、時刻t2において、エア導入弁42を開弁した状態において、エアポンプ31を駆動し、カソード13に空気を導入してカソード掃気を実行するとともに(S190)、パージ弁23を開閉してアノードパージを実行する(S200)。このアノードパージでは、例えば、パージ弁23を、所定時間Tm開弁し、所定時間Ts1閉弁(インターバル)し、所定時間Tm開弁し、所定時間Ts2閉弁(インターバル)し、所定時間Tm開弁し、所定時間Ts3閉弁(インターバル)する(S200〜S220a)。ちなみに、初回のインターバル時間Ts1は、水素濃度が高いため長いインターバル時間を設定しないと希釈ボックス35の希釈能力を回復できず、3回目のインターバル時間Ts3は、水素の排出が進んでいるので、短いインターバル時間で希釈ボックス35の希釈能力を回復できる(Ts1>Ts2>Ts3)。
このようにパージ弁23の所定時間(開弁時間)Tmをそれぞれ一定にして、パージ弁23のインターバル時間Ts1〜Ts3をパージ毎に短くすることにより、希釈ボックス35から均一な水素量で排出されながら、アノード系20内の水素が所定濃度まで徐々に低下する。
このように、第2実施形態によれば、アノードパージにおけるパージ弁23のインターバル時間をシステム停止時間(アノード系内水素濃度)とアノード圧力とにより決定することで、システム停止時間が短くアノード系20内の水素濃度が高い場合でも、アノード圧力が低い場合には排出される水素量が少なくなるため、パージ弁23のインターバル時間を短く設定できる。よって、排出される水素量(アノード圧力)に応じてパージ弁23のインターバル時間を変更することで、水素量(水素濃度)を一定状態で排出することが可能になるため、必要以上に希釈が行われるのを防止できるようになる。これにより、アノードパージにおける水素の希釈時間(水素抜きに要する時間)を短縮することができ、掃気時間を短縮することが可能になるとともに掃気に必要なエネルギを必要最小限まで削減できる。
また、第2実施形態によれば、図9において説明したように、アノードパージを繰り返す毎にアノード系20内の水素濃度は低下するので、パージ弁23のインターバル時間を短くすることにより、排出される水素量を一定にすることが可能になり、希釈時間および掃気時間のさらなる短縮が可能になる。
なお、本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、例えば、本実施形態では、パージ弁23およびエア導入弁42をそれぞれ単一の構成としたが、複数で構成されていてもよい。また、第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせて、アノードパージ毎にパージ弁23の開弁時間が長くなるように、かつ、パージ弁23のインターバル時間が短くなるようしてもよい。
本実施形態の燃料電池システムを示す全体構成図である。 第1実施形態の掃気制御を示すフローチャートである。 (a)はシステム停止時間とアノード系内水素濃度との関係を示すマップ、(b)はアノード系内水素濃度とパージ弁の開弁時間との関係を示すマップ、(c)はシステム停止時間と総パージ量との関係を示すマップである。 パージ毎のシステム停止時間とパージ弁の開弁時間との関係を示すマップである。 アノードパージにおけるパージ弁の開弁時間の変化を示すタイムチャートである。 第2実施形態の掃気制御を示すフローチャートである。 アノード系内水素濃度とパージ弁のインターバル時間との関係を示すマップである。 パージ毎のシステム停止時間とパージ弁の開弁時間との関係を示すマップである。 アノードパージにおけるパージ弁のインターバル動作の変化を示すタイムチャートである。
符号の説明
1 燃料電池システム
10 燃料電池
12 アノード
13 カソード
23 パージ弁
35 希釈ボックス(燃料排ガス希釈手段)
41 エア導入配管(連通流路)
42 エア導入弁(連通弁)
51 ECU
52 温度センサ(状態監視手段)
a1〜a5 配管(燃料ガス流通路)
c1〜c3 配管(酸化剤ガス流通路)

Claims (6)

  1. アノードに供給される燃料ガスとカソードに供給される酸化剤ガスとの反応により発電を行なう燃料電池と、
    前記燃料電池に燃料ガスを流通させる燃料ガス流通路と、
    前記カソードに酸化剤ガスを流通させる酸化剤ガス流通路と、
    前記燃料ガス流通路と前記酸化剤ガス流通路とを連通する連通流路と、
    前記連通流路の開閉を行う連通弁と、
    前記燃料電池の発電停止後の状態変化を監視する状態監視手段と、
    前記燃料電池の発電停止後に前記状態変化が所定条件になったときに、前記連通弁を開弁して前記酸化剤ガスで前記カソードを掃気する第1の掃気を行い、その後、前記アノードを掃気する第2の掃気を行う掃気手段と、
    前記第1の掃気および前記第2の掃気に必要な前記酸化剤ガスの供給量を求める酸化剤ガス供給量算出手段と、を備えた燃料電池システムにおいて、
    前記アノードから排出された燃料排ガスを酸化剤ガスによって希釈して外部へ排出する燃料排ガス希釈手段と、
    前記アノードからの燃料排ガスを前記燃料排ガス希釈手段にパージするパージ弁の開弁時間を制御するパージ弁開弁時間制御手段と、
    前記燃料電池の発電停止後の前記第1の掃気までのシステム停止時間に基づいて前記燃料排ガス中の燃料ガスの濃度を予測する燃料ガス濃度予測手段と、
    前記燃料電池の発電停止後に前記状態変化が所定条件になったときのアノード圧力に基づいて前記アノードからの燃料ガスの排出量を予測する燃料ガス排出量予測手段と、
    前記第1の掃気の際に前記パージ弁開弁時間制御手段により前記パージ弁の開弁時間を、前記燃料ガス濃度予測手段および前記燃料ガス排出量予測手段により予測された前記燃料ガスの濃度および排出量に基づいて、
    前記燃料ガスの濃度が高ければ高いほど前記パージ弁の開弁時間を短い時間とするパージ弁開弁時間算出手段と、
    前記燃料ガスの濃度が高い場合であっても、前記燃料ガスの排出量が少なければ少ないほど前記パージ弁の開弁時間を長い時間として補正するパージ弁開弁時間補正手段と、をさらに備えたことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記パージ弁開弁時間補正手段は、N回目(N=1,2,3,・・・)のパージにおける開弁時間より、(N+1)回目のパージにおける開弁時間を長く設定することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. アノードに供給される燃料ガスとカソードに供給される酸化剤ガスとの反応により発電を行なう燃料電池と、
    前記燃料電池に燃料ガスを流通させる燃料ガス流通路と、
    前記カソードに酸化剤ガスを流通させる酸化剤ガス流通路と、
    前記燃料ガス流通路と前記酸化剤ガス流通路とを連通する連通流路と、
    前記連通流路の開閉を行う連通弁と、
    前記燃料電池の発電停止後の状態変化を監視する状態監視手段と、
    前記燃料電池の発電停止後に前記状態変化が所定条件になったときに、前記連通弁を開弁して前記酸化剤ガスで前記カソードを掃気する第1の掃気を行い、その後、前記アノードを掃気する第2の掃気を行う掃気手段と、
    前記第1の掃気および前記第2の掃気に必要な前記酸化剤ガスの供給量を求める酸化剤ガス供給量算出手段と、を備えた燃料電池システムにおいて、
    前記アノードから排出された燃料排ガスを酸化剤ガスによって希釈して外部へ排出する燃料排ガス希釈手段と、
    前記アノードからの燃料排ガスを前記燃料排ガス希釈手段にパージするパージのインターバルを制御するパージインターバル時間制御手段と、
    前記燃料電池の発電停止後の前記第1の掃気までのシステム停止時間に基づいて前記燃料排ガス中の燃料ガスの濃度を予測する燃料ガス濃度予測手段と、
    前記燃料電池の発電停止後に前記状態変化が所定条件になったときのアノード圧力に基づいて前記アノードからの燃料ガスの排出量を予測する燃料ガス排出量予測手段と、
    前記第1の掃気の際に前記パージインターバル時間制御手段により前記パージのインターバルを、前記燃料ガス濃度予測手段と前記燃料ガス排出量予測手段により予測された前記燃料ガスの濃度と排出量とに基づいて、
    前記燃料ガスの濃度が高ければ高いほど長い時間とするパージインターバル時間算出手段と、
    前記燃料ガスの濃度が高い場合であっても、前記燃料ガスの排出量が少なければ少ないほど短い時間として補正するパージインターバル時間補正手段と、をさらに備えたことを特徴とする燃料電池システム。
  4. 前記パージインターバル時間補正手段は、N回目(N=1,2,3,・・・)のパージにおけるインターバルより、(N+1)回目のパージにおけるインターバルを短く設定することを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 前記システム停止時間に基づいて、前記燃料ガスの総パージ量を算出することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  6. 前記システム停止時間が所定以上の場合には、前記第1の掃気中のパージを行わないことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
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