JP2009175300A - 複屈折フィルムおよび偏光素子 - Google Patents
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(1)本発明の複屈折フィルムは下記一般式(I)で表わされるエステル系ポリマーを含むことを特徴とする。
(2)本発明の複屈折フィルムは前記一般式(I)において、R1がメチル基、R2が炭素数2〜4の直鎖もしくは分枝のアルキル基であることを特徴とする。
(3)本発明の複屈折フィルムは前記一般式(I)において、R3〜R6が独立して炭素数1〜4の直鎖もしくは分枝のアルキル基であることを特徴とする。
(4)本発明の複屈折フィルムは下記一般式(II)で表わされる共重合体エステル系ポリマーを含むことを特徴とする。
(5)本発明の複屈折フィルムは前記一般式(II)で表わされる共重合体エステル系ポリマーにおいて、l/(l+m)の値が0.3〜0.8であることを特徴とする。
(6)本発明の複屈折フィルムは前記一般式(I)または(II)で表わされるエステル系ポリマーのガラス転移温度が100℃以上、300℃以下であることを特徴とする。
(7)本発明の複屈折フィルムはフィルム厚み方向の屈折率nzがフィルム面内の屈折率の最大値nxより小さいことを特徴とする。
(8)本発明の偏光素子は上記の複屈折フィルムと偏光子とを含むことを特徴とする。
(9)本発明の偏光素子は、上記の複屈折フィルム/接着層/偏光子/接着層/透明保護フィルムがこの順に積層されたことを特徴とする。
(10)本発明の偏光素子は、(上記の複屈折フィルムと基材との積層体)/接着層/偏光子/接着層/透明保護フィルムがこの順に積層されたことを特徴とする。
(1)チオフェン環は5員環であるため、ポリマー鎖を適度に屈曲させて溶解性を高めることができ、またπ電子が豊富であるため芳香族環どうしの相互作用を強めて厚み方向の複屈折率Δnxzを大きくすることができる。
(2)R3〜R6、R9〜R12のいずれかに導入される特定の置換基は、その置換基の大きさに応じて、隣り合う2つのベンゼン環を互いにねじれるように変形させ、溶解性を高めることができる。またポリマー構造の直線性を維持して厚み方向の複屈折率Δnxzの低下を抑えることができる。
本発明の複屈折フィルムは一般式(I)または(II)で表わされるエステル系ポリマーを含むことを特徴とする。本明細書において「複屈折フィルム」とは、フィルム面内および厚み方向の一方もしくは両方に屈折率異方性を有する透明フィルムをいう。本発明の複屈折フィルムは、好ましくは、フィルム厚み方向の屈折率nzがフィルム面内の屈折率nxよりも小さい、すなわちnx>nzの関係を満たす。
本発明の複屈折フィルムは下記一般式(I)で表わされるエステル系ポリマーを含むことを特徴とする。
上記のエステル系ポリマーは、通常、ビフェノール化合物とジカルボン酸化合物とを重縮合させて得ることができる。重縮合方法に特に制限はないが、相間移動触媒の存在下、ビフェノール化合物とジカルボン酸化合物とをアルカリ水溶液と水非混和性有機溶剤の2相系で反応させる界面重合法が好ましく用いられる。このような重合法によれば透明性に優れた分子量の大きなエステル系ポリマーを得ることができる。
本発明の複屈折フィルムは溶液流延法や溶融押し出し法などの任意の方法により成膜することができる。本発明に用いられるエステル系ポリマーは、溶媒の揮発過程で、フィルム厚み方向の屈折率nzがフィルム面内の屈折率の最大値nxより小さくなるように、ポリマー環が自発的に配向する性質を有する。このため本発明の複屈折フィルムは複屈折性の発現性の観点から溶液流延法が好ましく用いられる。
本発明の偏光素子は本発明の複屈折フィルムと偏光子とを含む。偏光子は光を2つの直交する偏光成分に分離したとき、一方の偏光成分を透過し、他方の偏光成分を吸収、散乱ないし反射するものであれば任意のものが用いられる。偏光子は、例えばポリビニルアルコールを二色性色素で染色して延伸したものである。偏光子の厚みには特に制限はないが、例えば10μm〜200μmである。
本発明の複屈折フィルム、偏光素子は光学異方性を活かして各種の光学素子に用いられるが、特に各種液晶パネル、例えばパソコンモニター、ノートパソコン、コピー機などのOA機器、携帯電話、時計、デジタルカメラ、携帯情報端末(PDA)、携帯ゲーム機器などの携帯機器、ビデオカメラ、テレビ、電子レンジなどの家庭用機器、バックモニター、カーナビゲーション、カーオーディオなどの車載用機器、店舗用モニターなどの展示機器、監視用モニターなどの警備機器、介護用モニター、医療用モニターなどの液晶パネルに好適に用いられる。
攪拌装置を備えた反応容器の中で表1に示すように、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン2.00gとベンジルトリエチルアンモニウムクロライド0.07gを1M水酸化ナトリウム水溶液30mlに溶解させた。この溶液に、テレフタル酸クロライド0.62gとチオフェン−2,5−ジカルボニルクロライド0.64gを25mlのクロロホルムに溶解させた溶液を攪拌しながら一度に加え、室温(23℃)で90分間攪拌した。その後重合溶液を静置分離してポリマーを含んだクロロホルム溶液を分離し、酢酸水で洗浄し、さらにイオン交換水で洗浄した後、メタノールに投入してポリマーを析出させた。析出したポリマーを濾過し、減圧乾燥させて白色の下記構造式(III)のポリマー2.57gを得た。
攪拌装置を備えた反応容器の中で表1に示すように、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン1.50gとベンジルトリエチルアンモニウムクロライド0.06gを1M水酸化ナトリウム水溶液30mlに溶解させた。この溶液に、テレフタル酸クロライド0.47gとイソフタル酸クロライド0.47gを15mlのクロロホルムに溶解させた溶液を攪拌しながら一度に加え、室温(23℃)で90分間攪拌した。その後重合溶液を静置分離してポリマーを含んだクロロホルム溶液を分離し、酢酸水で洗浄し、さらにイオン交換水で洗浄した後、メタノールに投入してポリマーを析出させた。析出したポリマーを濾過し、減圧乾燥させて白色の下記構造式(IV)のポリマー1.83gを得た。
攪拌装置を備えた反応容器の中で表1に示すように、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)2.28gとベンジルトリエチルアンモニウムクロライド0.07gを1M水酸化ナトリウム水溶液30mlに溶解させた。この溶液に、テレフタル酸クロライド1.02gとイソフタル酸クロライド1.02gを30mlのクロロホルムに溶解させた溶液を攪拌しながら一度に加え、室温(23℃)で90分間攪拌した。その後重合溶液を静置分離してポリマーを含んだクロロホルム溶液を分離し、酢酸水で洗浄し、さらにイオン交換水で洗浄した後、メタノールに投入してポリマーを析出させた。析出したポリマーを濾過し、減圧乾燥させて白色の下記構造式(V)のポリマー3.37gを得た。
実施例のエステル系ポリマー(構造式(III))は各溶媒(シクロペンタノン、トルエン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル)に対して良好な溶解性を示し、さらにこのエステル系ポリマーから得られた複屈折フィルムは高い複屈折率(Δnxz(550)=0.020)を示した。
[ガラス転移温度]
示差走査熱量計(セイコー社製 製品名「DSC−6200」)を用いて、JIS K 7121(1987 プラスチックの転移温度測定方法)に準じて測定した。具体的には3mgの粉末サンプルを窒素雰囲気下(窒素ガス流量50ml/分)において、昇温速度10℃/分で室温から220℃まで昇温させた後、降温速度10℃/分で30℃まで降温させて1回目の測定を行なった。次に昇温速度10℃/分で350℃まで昇温して2回目の測定を行なった。ガラス転移温度としては2回目の測定データを採用した。なお熱量計は標準物質(インジウム)を用いて温度補正した。
重量平均分子量は各試料を0.1%テトラヒドロフラン溶液に調整し、0.45μmメンブレンフィルターにて濾過した後、GPC本体としてゲルパーミエーションクロマトグラフ装置(東ソー社製 製品名「HLC−8820GPC」)を用い、検出器としてRI(GPC本体に内蔵)を用いて測定した。具体的にはカラム温度40℃、ポンプ流量0.35ml/分とし、データ処理は予め分子量既知の標準ポリスチレンの検量線を用いて、ポリスチレン換算分子量より分子量を求めた。なお使用カラムはSuperHZM−M(径6.0mm×15cm)、SuperHZM−M(径6.0mm×15cm)およびSuperHZ2000(径6.0mm×15cm)を直列につないだものを用い、移動相としてはテトラヒドロフランを用いた。
王子計測機器社製 製品名「KOBRA−WPR」を用いて波長550nmで測定した。厚み方向の複屈折率Δnxz(550)は、正面位相差値およびサンプルを40度傾けた際の位相差値(R40)から、装置に付属のプログラムにより計算して求めた。膜厚はSloan社製 製品名「Dektak」により求めた値を用いた。
各溶剤を入れたサンプル瓶にポリマーを少しずつ加え、溶解の程度を目視観察した。
Claims (10)
- 前記一般式(I)において、R1がメチル基、R2が炭素数2〜4の直鎖もしくは分枝のアルキル基であることを特徴とする請求項1に記載の複屈折フィルム。
- 前記一般式(I)において、R3〜R6が独立して炭素数1〜4の直鎖もしくは分枝のアルキル基であることを特徴とする請求項1または2に記載の複屈折フィルム。
- 前記一般式(II)で表わされる共重合体エステル系ポリマーにおいて、l/(l+m)の値が0.3〜0.8であることを特徴とする請求項4に記載の複屈折フィルム。
- 前記一般式(I)または(II)で表わされるエステル系ポリマーのガラス転移温度が100℃以上、300℃以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の複屈折フィルム。
- フィルム厚み方向の屈折率nzがフィルム面内の屈折率の最大値nxより小さいことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の複屈折フィルム。
- 請求項1から7のいずれかに記載の複屈折フィルムと偏光子とを含むことを特徴とする偏光素子。
- (請求項1から7のいずれかに記載の複屈折フィルム)/接着層/偏光子/接着層/透明保護フィルムがこの順に積層されたことを特徴とする偏光素子。
- (請求項1から7のいずれかに記載の複屈折フィルムと基材との積層体)/接着層/偏光子/接着層/透明保護フィルムがこの順に積層されたことを特徴とする偏光素子。
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