JP2009172477A - プレフィルター層を有する多層膜の製造方法 - Google Patents
プレフィルター層を有する多層膜の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】 多孔膜の細孔部分が保護剤で充填された成形物を得る工程、前記成形物の少なくとも片側の表層に溶剤を接触させて表層を粗大化する工程、前記保護剤および前記溶剤を除去する工程を含むことを特徴とする、プレフィルター層と除去層から構成される多層膜の製造方法。
【選択図】 なし
Description
そこで、プレフィルターと除去膜が一体となった多層膜の製造方法が提案されてきた。特許文献1には、融点の異なるポリオレフィンフィルムを加熱状態で圧着した後、延伸し、プレフィルターと除去膜が一体となった多層膜を製造する方法が示されている。該方法では、これまでの圧着法で問題となっていたフィルム同士の剥がれ等は改善されているが、フィルムそれぞれに適した方法で製造した後、圧着しなければならないため、製造装置が増え、製造工程も煩雑となってしまう。
2. 前記工程(a)が、予め準備された多孔膜の細孔部分にグリセリンとアルコールの混合液、流動パラフィンとアルコールの混合液から選ばれる保護剤を充填して成形物を得る工程であることを特徴とする請求項1に記載の液体処理用分離膜の製造方法。
3. 前記多孔膜を構成する材質がポリフッ化ビニリデンであることを特徴とする2に記載の液体処理用分離膜の製造方法。
4. 前記工程(a)が、多孔膜の原料と、その可塑剤である保護剤とを、溶融成形して成形物を得る工程であることを特徴とする1に記載の液体処理用分離膜の製造方法。
5. 前記多孔膜を構成する材質がポリフッ化ビニリデンであることを特徴とする4に記載の液体処理用分離膜の製造方法。
6. 前記可塑剤がフタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジ(n−ブチル)、リン酸トリフェニル、リン酸ジフェニルクレジルから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする5に記載の液体処理用分離膜の製造方法。
7. 前記溶剤がN−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする3、5、6のいずれかに記載の液体処理用分離膜の製造方法。
本発明は、多孔膜の細孔部分が保護剤で充填された成形物を得る工程(a)、前記成形物の少なくとも片側の表層に溶剤を接触させて表層を粗大化する工程(b)、前記保護剤および前記溶剤を除去する工程(c)を含むことを特徴とする、プレフィルター層と除去層から構成される多層膜の製造方法である。
また、溶媒の拡散の速度を制御することによって、プレフィルター層の孔径は表層が大きく、除去層に近づくにつれて小さくなったり、プレフィルター層の全域にわたってほぼ同じ孔径としたりすることが可能であり、具体的には、溶媒の温度を上げると溶媒の拡散の速度がはやくなりプレフィルター層の全域にわたってほぼ同じ孔径となる。
多孔膜から直径25 mmの円形状に切り抜いた膜を評価膜とした。評価膜をフィルターホルダー(アドバンテック株式会社製、PP-25 商品名)にセットし、温度25℃の純水を空気圧0.1 MPaで加圧して一定時間透過させ、その透過量を測定した。透過量および評価膜の膜面積から(1)式により透水量を算出した。
透水量 [L/m2/hr/(0.1 MPa)]
=(純水の透過量 [L])/(膜面積[m2])/(純水の透過時間 [hr]/
(膜間差圧 [0.1 MPa]) ・・・(1)
バブルポイント最大孔径は、除去層の粒子の除去性の指標として用いた。ASTM F316-86に準拠したバブルポイント法から求められるバブルポイントをASTM F316-86に記載の(2)式を基に、(3)式によってBP最大孔径として換算した。多孔膜を浸漬する試験液として、表面張力が12 mN/mのフッ素系液体(住友スリーエム株式会社 パーフルオロカーボンクーラントFX-3250 商品名)を用いた。
最大孔径 [μm] = 2860×(表面張力)/(バブルポイント [Pa]) ・・・(2)
従って、
最大孔径 [nm] = 最大孔径 [μm]×1000
={2860×(表面張力)/(バブルポイント [Pa])}×1000
= 2.86×(表面張力)/(バブルポイント [MPa]) ・・・(3)
多孔膜から任意の大きさに切り取った膜を、エタノールで満たしたゼラチンカプセル(和光純薬製、ゼラチンカプセルNo.00)に入れ、液体窒素中で凍結し、カプセルごと割断し、風乾した後、導電性両面テープにより試料台に固定した。試料に10〜20 nm程度の白金コーティングを施して観察用の試料とした。走査型電子顕微鏡装置(株式会社日立製作所製、S-3000N)を用い、加速電圧5.0 kV、および所定の倍率で多孔膜の断面の構造観察を実施した。
ポリフッ化ビニリデン(PVDF、株式会社クレハ製、KFポリマーW#1300)50wt%、PVDFの可塑剤であるフタル酸ジシクロヘキシル(DCHP、大阪有機工業株式会社製、工業品)50wt%となるよう秤量し、ヘンシェルミキサー(株式会社カワタ製、SMV-100、容量100L)を用いて3分間攪拌混合した。得られた混合原料を210℃に昇温した押出機(株式会社プラスチック工学研究所製 BTN-25-S2-45-L型、同方向2軸押出機、特注品)に投入しTダイから押出して成形し、ロールの温度を30℃としたキャスト装置(大機工業株式会社製、特注品)を通すことによって、溶融状態の組成物を冷却し固化した。続いて、30℃のイソプロピルアルコール(IPA、和光純薬株式会社製、特級)中へ30分浸漬させる操作を4回繰り返しDCHPを除去した後、室温で風乾させ、多孔膜を得た。該多孔膜の片面を含む断面写真を図1に示す。該多孔膜の透水量は21.1 L/m2/hr/(0.1 MPa)、バブルポイント最大孔径は28.8 nmであった。
多孔膜のNMPへの浸漬時間を30秒とした以外は実施例1に従って、プレフィルター層を有する多層膜を得た。該多層膜の断面をSEMにより観察した。多層膜の片面を含む断面写真を図3に示す。図1〜図3より、NMPへの浸漬時間を長くすると粗大化がより促進されたことがわかった。多層膜の透水量は16.2 L/m2/hr/(0.1 MPa)、バブルポイント最大孔径は32.3 nmであった。多孔膜とプレフィルター層を有する多層膜では、透水量およびバブルポイント最大孔径に大きな変化がないことが確認でき、除去層の透水性能および粒子の除去性を維持できたことがわかった。
多孔膜をグリセリン/IPA混合溶液に浸漬させる工程を省いた以外は実施例1に従った。結果、多孔膜がNMPに全て溶けた。
PVDF50wt%、DCHP50wt%となるよう秤量し、ヘンシェルミキサーを用いて3分間攪拌混合した。得られた混合原料を210℃に昇温した押出機に投入しTダイから押出して溶融成形し、ロールの温度を30℃となるよう調整したキャスト装置を通して冷却し、シート状の溶融成形物を得た。
溶融成形にて得られた成形物を30℃のNMPへ10秒浸漬させてから、30℃のIPA中へ30分浸漬させる操作を4回繰り返しDCHPを除去した後、2時間室温にて乾燥し、多層膜を得た。該多層膜の断面をSEMにより観察した。片面を含む断面写真を図5に示す。図5より、プレフィルター層が形成されたことがわかった。また、このプレフィルター層が形成させた多層膜の透水量は27.3 L/m2/hr/(0.1 MPa)、バブルポイント最大孔径は32.4 nmであり、処理前後において、透水量およびバブルポイント最大孔径に大きな変化がないことが確認でき、除去層の透水性能および粒子の除去性を維持できたことがわかった。
Claims (7)
- 多孔膜の細孔部分が保護剤で充填された成形物を得る工程(a)と、前記成形物の少なくとも片側の表層を多孔膜の溶剤を接触させて表面処理をする工程(b)と、前記保護剤および前記溶剤を除去する工程(c)とを経て製造されることを特徴とする液体処理用分離膜の製造方法。
- 前記工程(a)が、予め準備された多孔膜の細孔部分にグリセリンとアルコールの混合液、流動パラフィンとアルコールの混合液から選ばれる保護剤を充填して成形物を得る工程であることを特徴とする請求項1に記載の液体処理用分離膜の製造方法。
- 前記多孔膜を構成する材質がポリフッ化ビニリデンであることを特徴とする請求項2に記載の液体処理用分離膜の製造方法。
- 前記工程(a)が、多孔膜の原料と、その可塑剤である保護剤とを、溶融成形して成形物を得る工程であることを特徴とする請求項1に記載の液体処理用分離膜の製造方法。
- 前記多孔膜を構成する材質がポリフッ化ビニリデンであることを特徴とする請求項4に記載の液体処理用分離膜の製造方法。
- 前記可塑剤がフタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)、フタル酸ジ(n-ブチル)、リン酸トリフェニル、リン酸ジフェニルクレジルから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項5に記載の液体処理用分離膜の製造方法。
- 前記溶剤がN−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項3、5、6のいずれかに記載の液体処理用分離膜の製造方法。
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JP2008011856A JP2009172477A (ja) | 2008-01-22 | 2008-01-22 | プレフィルター層を有する多層膜の製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2022506431A (ja) * | 2018-11-01 | 2022-01-17 | インテグリス・インコーポレーテッド | 非対称細孔構造を有する多孔質ポリエチレンフィルター膜ならびに関連するフィルターおよび方法 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH06218253A (ja) * | 1992-11-04 | 1994-08-09 | Millipore Corp | 複合微孔性濾過膜 |
WO2003026779A1 (fr) * | 2001-08-01 | 2003-04-03 | Asahi Kasei Kabushiki Kaisha | Film microporeux multicouches |
JP2005525926A (ja) * | 2002-05-17 | 2005-09-02 | ミリポア・コーポレイション | 高スループットの非対称メンブレン |
-
2008
- 2008-01-22 JP JP2008011856A patent/JP2009172477A/ja active Pending
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JP7402871B2 (ja) | 2018-11-01 | 2023-12-21 | インテグリス・インコーポレーテッド | 非対称細孔構造を有する多孔質ポリエチレンフィルター膜ならびに関連するフィルターおよび方法 |
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