JP2009172465A - 都市ごみ焼却主灰の最終処分方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】埋め立てが終了した最終処分場を早期に廃止可能とする都市ごみ焼却主灰の最終処分方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、カルシウムアルミネート成分を含む都市ごみ焼却主灰の処分方法であって、焼却炉の焼却残渣である前記主灰中、篩目開き2mmの篩で通過する部分と、酸性の廃液又は汚泥を生石灰又は消石灰で中和して得られる、石膏を含む汚泥とを、攪拌混合した後、最終処分場に埋め立てることを特徴とする都市ごみ焼却主灰の最終処分方法、を提供する。
【選択図】図2

Description

本発明は、都市ごみの焼却処理により発生する主灰を廃棄物最終処分場へ最終処分する方法に関する。
従来、都市ごみ焼却灰は、主にストーカ式焼却炉あるいは流動床式焼却炉において焼却され、焼却炉の焼却残渣は、焼却灰として一般廃棄物最終処分場または産業廃棄物の管理型最終処分場に、搬入車両から直接ダンピングされ重機などで成形しながら埋立処分される。その際、混合や分級等の前処理が施されることなく、埋め立てられるのが通常である。管理型最終処分場は、埋立地に遮水工事を施すとともに、自然降雨等による埋立地内の保有水を集水する設備を有する。集水された保有水は適切な水質にまで浄化した後に自然環境へ放流される。
最終処分場は早いもので5年、通常15年〜20年で満杯となるが、埋立てが終了した時点でその処分場を廃止できるわけではなく、最終処分場を廃止するためには、以下の廃止要件を満たす必要がある。
1 保有水等の水質が2年以上にわたって排水基準を満足すること。
2 埋立地ガスの発生がほとんど認められず、そのガスの発生量の増加が2年以上にわたって認められないこと。
3 埋立て地の内部温度が周辺の地中温度に比して異常な高温となっていないこと。
最終処分場の埋め立てが終了した時点から、上記廃止要件を満たすようになるまでの水処理の期間が短ければ、それだけ最終処分場を早期に廃止できることとなり、最終処分場の維持管理期間の短縮が図れて好適である。しかし、一般に埋め立て終了時点から廃止までの期間は、20年程度と長く、この期間を短縮する決定的な手段がなく、十分な技術と更なる改善が求められていた。
特開2002−177918号公報
特許文献1には、湿式処理により、焼却灰の団粒状態をほぐし、その後上記焼却灰から所定の粒径以上の粒状体を分級して、ダイオキシン類の含有量と重金属類や塩類、カルシウムなどの濃度を所定の基準値以下にした後、埋め立て後の堆積層の透水係数が1×10-3 cm/sec以上となるように、上記分級された所定の粒径以上の粒状体を最終処分場の埋立地内に埋立てるようにした廃棄物最終処分場が開示されている。しかし、所定の粒径以上の粒状体を分級して、取り除いた所定の粒径未満の焼却灰の処理については、記載がなく、最終処分場の安定化に寄与できる面が少なかった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、都市ごみ焼却主灰の所定の粒径未満の焼却灰の処理を行い、埋め立てが終了した最終処分場を早期に廃止可能とする最終処分方法を提供することを目的とする。
都市ごみの焼却によって発生する焼却主灰(以下「主灰」)には、少ないもので約3重量%程度、多いもので約12重量%程度の有機物が未燃焼の状態で残っている。この有機物が、最終処分場内の埋め立て地におけるガスの発生や浸出水の汚濁の原因物質となる。
しかし、埋め立て後の最終処分場の地中に適度な水分および十分な空気(酸素)の浸透がなされるのであれば、微生物活動による有機物の分解が好気的に進行するので、埋め立て後の時間の経過に伴って比較的短期間で発生ガス量が減少し、浸出水中の汚濁物質の量も減少し、最終処分場を早期に廃止することができる。
ところが、最終処分場に埋め立てられた都市ごみの主灰は、ゲーレナイト、アノーサイト、石英、カルシウムシリケートおよびカルシウムアルミネート等であるが、カルシウムシリケートおよびカルシウムアルミネートは、水和反応により固化し、上からの埋め立て廃棄物の重量による加圧でさらに密実に固化する。更に、ストーカ炉から排出された際に冷却のために、水没されて、すでに、水和物が生成している場合は、埋立後に水和物が炭酸化することによっても固化が進行する。埋め立てられた廃棄物中の固化物は、低透水層、低通気層を形成することとなる。このような層が形成されると、水は層上の一部に偏在して、周辺に行渡ることもなく、降水の均一な浸透が妨げられると同時に空気の流通も阻害されて、有機物への到達が妨げられる結果となる。
そこで、本発明は、カルシウムアルミネート成分を含む都市ごみ焼却主灰の処分方法であって、焼却炉の焼却残渣である前記主灰中、2mm以下の所定篩目開きの篩で通過する部分と、酸性の廃液又は汚泥を生石灰又は消石灰で中和して得られる、石膏を含む汚泥とを、攪拌混合して、最終処分場に埋め立てることを特徴とする都市ごみ焼却主灰の最終処分方法、を提供する。
さらに、前記酸性の廃液又は汚泥を生石灰又は消石灰で中和して得られる、石膏を含む汚泥が塩酸廃液、硫酸廃液、硝酸廃液のいずれかの一つ以上の中和処理に伴って発生する汚泥であり、中和によって生成する石膏の含有率(汚泥の風乾ベース)が、二水石膏換算で、3質量%%以上であることを特徴とする前段落に記載の最終処分方法、を提供する。
本処分方法に適している都市ごみ焼却主灰は、シリカ、アルミナ、カルシアの三酸化物成分の含有率を測定して、その合計量を100%として、ダイヤグラムにプロットしてその組成範囲を表示すると、カルシア含有率が30%以上、アルミナ含有率が、10%以上である。本組成領域で、水和活性のあるカルシウムアルミネートが生成している。好ましくはカルシア含有率35%以上、アルミナ含有率20%以上である。より好ましくはカルシア含有率40%以上であり、アルミナ含有率が、30%以上となるものである。図1に、適切な試料組成を黒丸でプロットした。好ましい範囲、より好ましい範囲では、より多くの水和活性のあるカルシウムアルミネートが生成していると思われる。白丸でプロットされた組成物は、主灰表面が炭酸化されていたが、内部に水和活性のあるカルシウムアルミネートが残存しており、篩目開き2mmの篩で通過する部分汚泥との混合時に活性化されてエトリンガイトが生成し、突起状の造粒物が生成した。
ここで、水和活性の高いカルシウムアルミネートは、2mm以下、特に1mm以下、さらに、0.85mm以下の細かな粒度分画に含まれることが多い。従って、篩の目開きが小さすぎると処理すべき通過分の主灰量は減少するが、主灰全体としてカルシウムアルミネートが十分処理できない。2mmを超える目開きの篩通過分では、処理すべき通過分の処理量が増加するが、カルシウムアルミネートの含有量自体があまり増加しない。
細かな粒度分画は、その性状から、乾式で弱い力で磨砕した後、所定目開きの篩により上記細かな粒度分画部分を取り出す。1mm以下、さらに、0.85mm以下の細かな粒度分画の主灰は、水和活性の高いカルシウムアルミネートの含有率が相対的に大きく、この分画を未処理で埋め立てたときは、水和物の生成により、固結して、適度な空隙率と連通孔を保持できない。
そこで、特にこの分画に注目して、硫酸イオンを含む石膏含有汚泥と反応させ、突起状の造粒物を生成し、適度のパッキング状態を実現し、埋立後の主灰の固化を防止することで、処分場内の廃棄物層の通気および透水状態を良好な状態に維持して、有機物の分解を好気的に進行させ、より早期に浸出水の水質の回復を図ることを目的として見出されたものである。
本発明に係る最終処分方法によれば、都市ごみの主灰は、2mm以下の目開きの篩で上記細かな粒度分画部分を取り出し、硫酸イオンを含む石膏含有汚泥との反応により、突起状の造粒物を生成するので、これを埋め立てると、適度な空隙率と連通孔を保持して、最終処分場にパッキングされ、埋立後の主灰の固化を防止することで、低透水層、低通気層の形成を阻止できる。従って、堆積物中の埋め立てられた廃棄物の全域に亘り、有機物の分解が促進され、最終処分場を早期に廃止できる。
主灰を構成する主要な鉱物は炭酸カルシウム、石英、長石、ゲーレナイト等であるが、これらのほかに水との接触により水和するカルシウムシリケートおよびカルシウムアルミネートなどを含んでいる。特に、カルシウムアルミネートは、水和活性が高く、固結の原因と成り得る。また、カルシウムアルミネートは、特に1mm以下の粒度分画に多い。
主灰中の水和活性のあるカルシウムアルミネートを取り出すのは、焼却炉から主灰が排出される直後から最終処分場で埋め立てられるまでの任意の時期でよい。しかし、エトリンガイト等が生成し、これが成長してからでは、除去が困難となることもあることから、焼却炉を出て、望ましくは、焼却炉から水没工程を経ずに、乾燥灰として、或いは、湿分が5%以下の状態で、入手し、分級処理をすることが望ましい。
ストーカ式焼却方式を採用する都市ごみ焼却施設では、炉から排出される主灰は消火および冷却を目的として、炉排出直後に水没処理がなされるのが通常である。この水没過程において、カルシウムアルミネート、カルシウムシリケートおよびフリーライム等は水和して水和物を生成する。このような既に水和物が生成しているような湿潤した主灰であっても、表面での水和物生成にとどまることがある。分級処理を行う場所は、湿潤した主灰を発生する焼却処理施設と異なる場所であっても構わない。
分級方法は、例えば、回転篩、振動篩を用いることができる。分級の前処理として、解砕、粗粉砕等を行うことも望ましい。
特別管理産業廃棄物となっている汚泥は、処分するための処理(中間処理)を行い、判定基準(特別管理産業廃棄物の収集、運搬、処分等の基準)に適合すれば管理型処分場に処分し,不適であればしゃ断型処分場に処分することになる。特別管理産業廃棄物となっていない、産業廃棄物の汚泥も中間処理を行い判定基準(産業廃棄物の収集、運搬、処分等の基準)にかなっているか判定を行う。汚泥は、通常、脱水処理された後、天蓋付車両等により産業廃棄物管理型最終処分場まで運搬されて、そのまま直接、埋め立てられ、最終処分がなされている。
最終処分の対象が硫酸混合廃液中和汚泥であると、生石灰又は消石灰による中和で生じた二水石膏を含有するため、主灰中のカルシウムアルミネートと反応して針状のエトリンガイトが生成可能である。亜硫酸イオウまたは、硫化物イオウを含む産業廃棄物でも後に酸化処理によって硫酸イオンに変換できる廃棄物は、本発明に使用することが出来る。
本発明において使用される石膏含有汚泥は上記のものならば特に限定はないが、具体的には、例えば、硫酸を含む廃酸の中和処理に伴い発生する汚泥のことである。また、例えば、石膏含有しない汚泥にあっては、廃脱石膏のような石膏を添加して用いることもできる。
所定粒径以下の主灰に石膏含有汚泥を配合させる時期、段階、場所は特に限定はなく、特に、汚泥の処理施設がある敷地内で行なってもよいし、最終処分場の敷地内で行なってもよく、また、その他の場所で行なってもよい。石膏量は、汚泥に対して、3質量%以上含有される形態とする。3質量%に満たないと、十分なエトリンガイトの生成が認められない。
配合方法は、例えば、主灰、汚泥、を各タンクに収納した後、計量フィーダーで引き出し、バッチ式リボンミキサー(水平回転軸に付けたリボン状の羽根で、粉は横断面から見て、横8の字状に動かされ混合されるもの)、リボンパドルミキサー(連続式・水平回転軸に取りつけたリボン状の羽根とパドル(角度の調整できる攪拌板)で、原料粉体は上下運動を行いながら搬送され連続的に排出するもの。パドルの角度調整をする事により滞留時間を変化させ、混合精度を上げることができる)で混合することができる。
更に、パンペレタイザイー等の回転式造粒機が特に好ましい。
石膏含有汚泥の配合の割合は所定粒径以下の主灰中のカルシウムアルミネートによって変化するので、特に限定はないが、3%程度のC3Aを有する主灰を基準として、所定粒径以下の主灰の乾燥重量に対して二水石膏を30%程度含有する汚泥を、5質量%以上40質量%以下、添加することが好ましい。5質量%未満では、エトリンガイトの生成が不十分であり、40質量%より多いときは、石膏が過剰で、透水性の良い混合物が得られない。より好ましくは10質量%から30質量%の範囲である。この範囲でより効果の高い混合物が得られる。
所定粒径以下の主灰のカルシウムアルミネートに対する石膏含有汚泥中の石膏の比率が、エトリンガイトのC3A・3CaSO4・32H2Oの式量から想定される1:3のモル比に相当する量以上の石膏量であると、エトリンガイト針状物の生成が容易である。この配合割合が石膏過少であると、突起を有する粒状物の生成量が減少し、本発明の効果が低減する。
実積率とは、容器の中に入った物の粒子が占めるその物の実際の容積の割合をいい、粒形状の判定のための実積率を、JIS A 1110(粗骨材の比重および吸水率試験方法)に規定する方法により、比重および吸水率を求め、 JIS A 1104(骨材の単位容積重量および実積率試験方法)に規定する方法により単位容積質量を求めて、算出することができる。
突起を有する造粒物の生成量が少なすぎると、実績率が大きくなり、汚泥中の粒の細かい無機質の粘土質粒子が固結層を形成し、汚泥の固結を防止できず、埋め立てられた廃棄物中に、低透水層、低通気層を形成することとなる。このような層が形成されると、水は層上の一部に偏在して、周辺に行渡ることもなく、浸透が妨げられる。空気の拡散も阻害されて、有機物への到達が妨げられる結果となる。
一方、石膏を含有する汚泥の配合割合が40質量%以上となり、所定粒径以下の主灰中に含まれるカルシウムアルミネートに対して相対的に、多すぎると、主灰中に含まれるカルシウムアルミネートとの反応に寄与しない石膏が残ることに加えて、低透水の原因となる微粒子分が増加するため埋立後の混合物層の透水性が悪化する。
造粒物は、1m〜2mの高さに積み上げて、湿度を適度に保って養生し、粒の強度を高める。その養生期間は、好ましくは1日以上、より好ましくは3日以上、さらに好ましくは1週間以上である。1m以下では、広い処理スペースが必要となる、適度な湿分が保持できないとの不利があり、2m以上では、湿分管理は容易であるが養生中に突起がつぶれ、粒自体が付着する不利がある。その後、最終処分場へ処分する。
以下、本発明の効果について更に詳しく説明する。ただし、そこには一部、本発明の作用・原理が記載されているが、本発明はその作用・原理の範囲に限定されるものではない。
石膏含有汚泥が配合された所定粒径以下の主灰は、最終処分場に埋め立てられるが、埋め立て後に、降水等による水と接触しても、突起を有する粒状物のパッキングで粘土質粒子が比較的大きな固化層を形成することなく、堆積物の固結を防止できる。前記空隙は、中空連通管を形成し、長期にわたり埋め立て初期の良好な通気・透水状態が、維持されることになる。その結果、微生物活動による有機物分解が好気的に進行するので、短期間で水質の回復が図られる。
また、汚泥と所定粒径以下の主灰の混合対象物を真球で考えた場合、混合対象物の最密充填の実積率は、74%であるので、真球状の混合対象物では、本願発明等の条件を満たさないことになり、実積率を小さくするような、球状からの変形が必要になる。本願発明では、突起状を有する粒状物のため、実積率が60%程度以下となる。通常、砕石が、実積率が60%程度で良品と不良品とに区別されるが、本願では、実積率が60%程度以下の所謂不良品相当の粒状物となることが、好ましい。
更に、又、数値上は、同じ実積率であっても、混合物空隙サイズが大きすぎるとほぐれた汚泥中の無機質粒子が、空隙中で介在する水がバインダーとなって再結合して固結する恐れがある。しかし、粒状物の径を5mm以上限定すれば、前記造粒物の再結合による固結は軽減される。
適切な水分及び酸素の供給がなされるのであれば、埋め立てられた廃棄物中の有機物の分解は好気的な微生物活動により進行するので、埋め立て後の時間の経過に伴って、比較的短期間で発生ガス量が減少すると共に浸出水中の汚濁物質の量も減少していく。
ところが、埋め立て後に地中で所定粒径以下の主灰の固結が起こり、大気や降水の供給が阻害されたり、不均一となったりすると、微生物活動による有機物の分解は、分解速度が極めて遅い嫌気的条件で進行するようになるため、いつまでたっても埋め立て地からのガスの放出は継続するとともに、浸出水中の汚濁物質の量も減少しないことになる。
本発明は、所定粒径以下の主灰に石膏を含む汚泥を配合することによって、埋め立て後の主灰の固化を防止・抑制させることで、最終処分場内の廃棄物層の通気状態や透水状態を良好な状態に維持させ、有機物の分解を好気的に進行させ、より早期に浸出水の水質の回復を図ることができる。また、その他の前記廃止要件も早期に満たすようにでき、その結果、最終処分場を早期に廃止させることができる。
以下に、実験例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
硫酸排水処理施設において生石灰投入により発生した二水石膏を含む汚泥は民間の廃棄物中間処理会社から入手した。この汚泥をフィルタープレスによる脱水処理をした後、水分量を50%に調整し、所定粒径以下の焼却主灰を配合した。その後、2ヶ月、5ヶ月、9ヶ月の期間ごとに、固化の状況をハンドリングと目視により判定し、汚泥との配合効果を評価した。また、期間ごとに、透水係数を測定した。具体的操作は以下の通りである。
前記汚泥は、水分量が、79.5質量%、有機物を含む灼熱減量は22質量%であった。フィルタープレス後の汚泥の水分量は、50%であり、二水石膏の含有率は30質量%、シリカ成分の含有率は2%程度であった。
本発明における都市ごみ焼却主灰は、地方自治体が管理運営する都市ごみ焼却処理施設から入手した。実績率は、JIS A 1110(粗骨材の比重および吸水率試験方法)に規定する方法により、比重および吸水率を求め、 JIS A 1104(骨材の単位容積重量および実積率試験方法)に規定する方法により単位容積の質量を求めて、算出し、45%の値を得た。
前記汚泥と1mm目開きの篩通過分の所定粒径以下の都市ごみ焼却主灰は、主灰全体の25〜40重量%であり、0.85mm目開きの篩通過分は、全体の1〜32重量%であった。また、1mm目開き篩非通過分のクリンカリング部分は、粉末X線回折により、ゲーレナイトが認められ、同部分の粉末X線回折によるカルシウムアルミネート定量値は、定量下限に満たないものであった。これに対し、1mm目開き篩通過分におけるカルシウムアルミネートの含有率は、平均6.4重量%であった。元の所定粒径以下の都市ごみ焼却主灰全体に対して、フィルタープレス後の汚泥を、10質量%、20質量%、30質量%、40質量%、又は50質量%とした。この配合の結果、実施例の混合物中、前記主灰のカルシウムアルミネートが約6.6質量%程度であったので、前記汚泥由来の石膏の比率が、エトリンガイトのC3A・3CaSO4・32H2Oの式量から計算されるC3A:CaSO4=1:3のモル比に対して、1:0.7〜1:3.3のC3A量対石膏量比となる。一部のC3Aがフリーデル氏塩を形成し、すべてがエトリンガイトとならないので、理論値と異なる範囲で最適な配合が決定されると考えられる
受け入れた前期汚泥と前記1mm以下の粒径の主灰を貯蔵タンクに収納し、各廃棄物を計量フィーダーで引き出し、連続式リボンパドルミキサーに投入した。パドルの角度調整をする事により滞留時間を変化させて混合した。各々の配合による混合試料を均一に混合し、北川鉄工所社製ペレガイヤにより造粒物を作製した。この造粒物を内径200mm、高さ400mmの塩化ビニル製の円筒形モールドに、20N/cm2の圧力で充填し、所定の材齢まで常温で保存し室内実験試料とした。一方、実際の処分場への堆積は、ミキサーによる混合物を処分場へコンベアを介して行った。
所定の材齢に到達した室内実験試料は、透水係数の測定を行なった。
10質量%、20質量%、30質量%、40質量%又は50質量%において、9ヶ月材齢の試験体の透水係数は、0.1〜0.00029cm/sの範囲であり、10質量%、20質量%、30質量%及び40質量%のとき、視覚により、固結の抑制効果が確認され、0.04cm/s以上の透水係数となった。
一方、前記室内実験例の攪拌混合処理をおこない、造粒した後、養生最終処分場に実際の堆積をおこなった最終処分場での実験では、堆積の後、1年経過して堆積層の固結の度合いを目視と、スコップで実際に堆積物をハンドリングして、固結の状況を点検した。得た結果を前記透水係数の結果とともに、表1に示す。
混合率が40%を下回る混合物については、1年経過後の処分場堆積物に粒子同士の固着が認められたが高い空隙率を維持した。
表1の通り、篩通過主灰のみおよび汚泥のみの室内実験試料の透水係数は、それぞれ0.0008cm/sおよび0.000015cm/s程度であった。汚泥混合率が10から40%の室内実験試料は、9ヶ月後も透水係数が、ほぼ、0.04cm/s以上となり、高い透水性が維持できることが示された。また、この場合の試験体に相当する混合物は、処分場への堆積1年後の堆積層においても高い透水性を維持した。
Figure 2009172465
無処理汚泥が処分場の廃止条件を満たすまでには通常30年程度要するが、汚泥の混合割合が乾燥重量で40%以下の混合物については、透水係数が大であり、堆積1年後も高い透水性が維持されるので、短期間で処分場の廃止条件が満たされることとなり、監視期間の短縮が計れる。
本発明の処分に適した主灰の組成範囲を示す図である。 本発明の造粒物の構造を模式的に示す図である。

Claims (2)

  1. カルシウムアルミネート成分を含む都市ごみ焼却主灰の処分方法であって、
    焼却炉の焼却残渣である前記主灰中、2mm以下の所定篩目開きの篩で通過する部分と、
    酸性の廃液又は汚泥を、生石灰又は消石灰で中和して得られる、石膏を含む汚泥とを、
    攪拌混合した後、最終処分場に埋め立てることを特徴とする都市ごみ焼却主灰の最終処分方法。
  2. 前記酸性の廃液又は汚泥を、生石灰又は消石灰で中和して得られる、石膏を含む汚泥が、塩酸廃液、硫酸廃液、硝酸廃液のいずれかの一つ以上の中和処理に伴って発生する汚泥であり、中和によって生成する石膏の含有率(汚泥の風乾ベース)が、二水石膏換算で、3質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の最終処分方法。
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