以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明を適用した実施の形態における通信システム1の構成を示す図である。通信システム1は、遠隔操作装置(リモートコントローラ、以下、「リモコン」という。)100と、このリモコン100との間で無線通信を行う電気機器の一例であるテレビジョン受像機200とを備えるものである。
リモコン100は、テレビジョン受像機200に対するユーザの操作に基づく操作信号を入力する操作キーが配列されたキー操作部の他に、ICカード(図示せず)に記録された情報の読み出し及び書き込みを行うリーダ/ライタを備える。テレビジョン受像機200は、通常のテレビジョン放送受信機としての機能の他に、インターネットに接続する機能を有し、サービスプロバイダが提供する映画、アニメーション、ドラマ、スポーツ、ゲーム等のコンテンツをインターネットを介してダウンロードして再生することが可能である。
通信システム1に適用される短距離無線通信方式としては、データ転送速度が最高250kbps、最大伝送距離が30mであり、1つのネットワークに多数の機器を接続でき、さらに低消費電力であるものが挙げられる。この近距離無線通信方式は、家電の遠隔制御等に応用されており、物理層のインターフェースにはIEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers) 802.15.4が使用され、国内では無線LAN(Local Area Network)規格のIEEE 802.11bと同じ2.4GHz帯の搬送波周波数帯域を16のチャンネルに分割して利用する。なお、米国では915MHz帯が、欧州では868MHzが利用可能である。
リモコン100とテレビジョン受像機200とは、このIEEE802.15.4通信方式による搬送波周波数2.4GHzのRF(Radio Frequency)信号を用いた双方向の近距離無線通信により信号の送受信を行う。
ICカードは、EEPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)等の書き換え可能な半導体メモリ、CPU(Central Processing Unit)等が搭載されたICチップが組み込まれており、複雑なデータ処理を行うことが可能である。本実施の形態のリモコン100によって情報が読み出し及び書き込みされるICカードは、リモコン100が有するリーダ/ライタに接触させなくても情報の読み出し及び書き込みが可能な非接触型のICカードが用いられており、このリーダ/ライタから発振される電波を利用してリモコン100と信号の送受信を行う。
リモコン100が読み出し及び書き込みを行うICカードには、コンテンツの購入時に課金処理される電子マネー、電気機器とアクセスを可能にするための暗証番号、バスワード等の情報が書き込まれ、読み出される。
図2は、リモコン100の構成を示すブロック図である。リモコン100は、テレビジョン受像機200との間で無線通信を行うためのアンテナ101と、アンテナ101を介してRF信号を送受信するRF送受信部102と、CPU103と、CPU103に接続されたメモリ104と、キー操作部105と、ICカードに記録された情報の読み出し及び書き込みを行うリーダ/ライタ106と、ICカードに対して電磁的相互作用を行わせるためのアンテナ107と、各部に電力を供給する電池・電源部108とを備えて構成される。
リーダ/ライタ106は、いわゆるRFID(Radio Frequency Identification)の技術を用いてICカードに対する情報の読み出し及び書き込みを行う。具体的には、アンテナ107に電流を流すとアンテナ107に交流磁界が発生し、この磁界の中にあるリーダ/ライタ106のカード情報読み取り部位にICカードが近接されると、ICカードが有するアンテナコイルに交流電圧が誘起される。この交流電圧は、ICカード内で直流電圧に変換され、これによりICチップが動作する。また、ICカードのアンテナに電流を流すと磁界が発生し、アンテナ107に影響を与える。リーダ/ライタ106は、ICカードとやり取りされる搬送波に対して振幅偏移変調(ASK)、周波数偏移変調(FSK)、位相偏移変調(PSK)等を行うことによりICカードと通信を行う。リーダ/ライタ106は、このようなRFIDにおける電磁波周波数13.56MHzの電磁誘導方式を用いてアンテナ107とICカードが備えるアンテナとを磁束結合させてICカードに対して信号の送受信を行う。
キー操作部105は、例えばチャンネル選択キー、音量キー、決定キー等、ユーザの操作に基づくテレビジョン受像機200に対する操作命令を入力するための操作キーが配列されており、この内、一部の操作キーは、ICカード内の情報を用いた処理に必要なキーとして代用される。
メモリ104は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を有する。
CPU103は、メモリ104のROMに記録されているプログラムを読み出してメモリ104のRAM上に展開することによりリモコン100における信号処理全般を制御する。
RF送受信部102は、テレビジョン受像機200に対し、アンテナ101を介してIEEE802.15.4通信方式による搬送波周波数2.4GHzのRF信号を用いた近距離無線通信により信号の送受信を行う。
RF送受信部102は、CPU103の制御に基づいて、テレビジョン受像機200に対し、テレビジョン受像機200に対する音量調節、チャンネル切り替え等の通常の操作命令を片方向の上記近距離無線通信で送信し、ICカードに対して読み出し及び書き込みする情報を双方向の上記近距離無線通信で送受信する。
電池・電源部108は、リモコン100を駆動するための電池とともに、リーダ/ライタ106がICカードに対して情報の読み出し及び書き込みを行うための電流を供給する電源を備える。
この近距離無線通信において、リモコン100は、RF信号が無指向性であることから周囲に障害物があってもテレビジョン受像機200との間で通信が可能であり、また、ICカードに対して読み出し及び書き込みを行うデータが大容量であっても高速に送受信することが可能である。
図3は、テレビジョン受像機200の構成を示す図である。テレビジョン受像機200は、リモコン100との間で無線通信を行うためのアンテナ201と、アンテナ201を介してRF信号を送受信するRF送受信部202と、リモコン100の制御を行うリモコン制御CPU203と、リモコン制御CPU203に接続されたメモリ204と、セットCPU205と、セットCPU205に接続されたセットメモリ206と、画面表示部207と、通信回線を介してインターネットに接続されるインターネット接続部208とを備えて構成される。
RF送受信部202は、リモコン100に対し、アンテナ201を介してIEEE802.15.4通信方式による搬送波周波数2.4GHzのRF信号を用いた近距離無線通信により信号の送受信を行う。
画面表示部207は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)の場合、液晶パネル、バックライト等を有し、テレビジョン番組、インターネットより取得したコンテンツ等やリモコン操作における選択画面等を表示する。
インターネット接続部208は、ブロードバンド等の通信回線を介してインターネットに接続され、セットCPU205の制御に基づいて、サーバより、映画、スポーツ、ドラマ、ゲーム等のコンテンツをダウンロードすることが可能である。なお、インターネット接続部208は、別筐体として、HDMI(High Definition Multimedia Interface)ケーブル等によりテレビジョン受像機200の背面に設置されるようにしてもよい。
セットメモリ206は、RAM、ROM等を有する。
セットCPU205は、セットメモリ206のROMに記録されているプログラムを読み出してセットメモリ206のRAM上に展開して実行することにより、テレビジョン受像機200における信号処理全般を制御する。具体例として、セットCPU205は、インターネット接続部208を介してインターネット上でデータ処理を行ったり、画面表示部207が表示する画像の画像処理の制御等を行う。また、セットCPU205は、インターネット接続部208を介してサーバよりインターネット上でデータ処理される情報を取得し、リモコン制御CPU203に対してこの情報を送受信する。
メモリ204は、RAM、ROM等を有する。
リモコン制御CPU203は、メモリ204のROMに格納されているプログラムを読み出してメモリ204のRAM上に展開することによりRF送受信部202がリモコン100に対して行う信号の送受信を制御する。
リモコン制御CPU203は、上述の近距離無線通信によりリモコン100に対してセットCPU205より取得したサーバからの情報を伝え、リモコン100のCPU103を介してICカードに対して情報の読み出し及び書き込みを行う。すなわち、リモコン100のリーダ/ライタ106が行うICカードに対する情報の読み出し及び書き込みは、テレビジョン受像機200により受信した命令により制御される。
なお、テレビジョン受像機200は、大容量で書き換え可能なHDD(Hard Disc Drive)等のメモリをさらに有し、ユーザが希望する動画コンテンツをこのメモリに記録するようにしてもよい。
次に、通信システム1におけるリモコン100とテレビジョン受像機200との通信動作について説明する。
ユーザがリモコン100のキー操作部105に配列されている操作キーを操作すると、CPU103は、操作命令が入力されたことを判断し、RF送受信部102、アンテナ101を介してテレビジョン受像機200に対応する命令を送信する。
テレビジョン受像機200において、リモコン制御CPU203は、アンテナ201、RF送受信部202を介して取得した命令を判断してこの命令に対応した制御処理を行う。
ユーザは、インターネットより、映画、アニメーション、ドラマ、スポーツ、ゲーム等のコンテンツを購入しようとする場合、テレビジョン受像機200が表示する操作画面を見ながらリモコン100にて必要な操作を行い、購入するコンテンツを選択して決定する。ユーザがICカードを用いてコンテンツの支払い方法を決定し、購入代金を支払う場合、テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203は、RF送受信部202、アンテナ201を介して上述の近距離無線通信によりリモコン100に対してICカードと通信を行う旨の情報を送信する。リモコン100のCPU103は、リーダ/ライタ106の電源をオンとし、ICカードの読み出し及び書き込みに必要な電磁波をアンテナ107から発生させ、ICカードに記録されている情報の読み出しを行う。ICカードから読み出された情報は、RF送受信部102及びアンテナ101を介してテレビジョン受像機200に送信される。
テレビジョン受像機200は、ICカードから読み出した情報をインターネットを介して対応するサーバへ送信する。サーバからの返答を受け取ったテレビジョン受像機200のセットCPU205から情報を受け取ったリモコン制御CPU203は、RF送受信部202を介して上述の近距離無線通信によりリモコン100に対してセットCPU205が取得したサーバからの情報を伝え、リモコン100のCPU103を介してICカードに対して情報の読み出し及び書き込みを行う。
この様な手順を何度か繰り返すことにより、ICカードを用いた代金の支払い処理が完了し、ICカードに対する読み出し及び書き込みが必要でなくなると、テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203は、リモコン100のCPU103にその旨の情報が伝えられ、リーダ/ライタ106の電源は、オフとされる。
一方、テレビジョン受像機200に対し、ユーザが音量調節、チャンネル切り替え等の通常の操作をする場合、リモコン100のCPU103は、ユーザのキー操作部105での入力操作に対応した操作命令をRF送受信部102、アンテナ101を介してテレビジョン受像機200へ送信するのみの処理を行う。
この際、テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203は、リモコン100から受信した操作命令に対応した制御を行うのみで、リモコン100に応答信号を送信することは必ずしも必要ではない。
したがって、リモコン100が備えるリーダ/ライタ106の電源は、オフにされた状態のままであり、これらの操作時には一切関係しない。
以上のように、通信システム1では、リモコン100にICカードに対する情報の読み出し及び書き込みを行うRFID通信方式を用いたリーダ/ライタを備えることにより、ユーザは、インターネット上で行われる課金等のICカードを用いた処理における操作をテレビジョン受像機200から離れた位置で行うことができる。
また、通信システム1では、テレビジョン受像機200に対するリモコン100からの通常操作における通信方式とICカードに対する情報の送受信における通信方式とを同一とすることにより、通信方式が異なる複数の通信経路を設けることなく、部品点数の増加やこれに伴うコスト増大を防止し、機器の小型化を実現できる。
また、通信システム1では、リーダ/ライタ106の電源が、操作命令の送信等の通常のキー操作ではオフの状態であり、ICカードの読み出し及び書き込みが必要な時のみオンされることにより、電池の消費を削減することができる。
なお、本実施の形態では、通信システム1が電気機器としてテレビジョン受像機200を備える場合について説明したが、リモコンから操作命令を受信する電気機器であれば何れのものを備えるようにしてもよい。
次に、以上のように構成されるリモコン100の各構成の配置等について詳細に説明する。
図4は、本実施の形態に係るリモコン100の正面図の一例である。また、図5は、リモコン100の内部を概略的に示す図である。
図4及び図5に示すように、リモコン100は、表面カバー10a及び裏面カバー10bからなる箱状の筐体10と、キー操作部105を構成し、ラバー材料等から形成されている操作キー部材11a〜11cと、筐体10に配置され裏面カバー10bに取り付けられる基板12とから構成されている。
筐体10は、操作キー部材11a〜11cの内、ユーザによって操作される凸部を貫通させる穴のあいた表面カバー10aと、裏面カバー10bとからなる。裏面カバー10bは、内部に取り付け部(図示せず)が備えられており、基板12をその取り付け部に取り付けて格納する。さらに、この裏面カバー10bには、電源用の乾電池を収納する電池収納部(図示せず)が設けられている。この電池収納部は、筐体10の裏面の一部となる裏蓋により覆われており、乾電池を交換する際には、裏蓋の爪部と筐体裏面との係合が外されて、裏蓋を開くことができるようになっている。
操作キー部材11a〜11cは、図4に示すように、テレビジョン受像機200の電源のオン/オフを制御するための電源キー13と、テレビジョン受像機200の画面表示部207に表示された案内に基づいて、表示画面に表示されるカーソルを移動させるために操作する「←」、「↑」、「→」、「↓」の表示がされたリング状の方向キー14a、中央位置の円形の決定キー14b、及び、番組表等の画面を表示させるための各種表示選択キー14cからなる選択キー14と、アップダウン選局のためのアップダウン選局キー15と、音量調節のための音量調節キー16と、各種機能キー17と、リモコン100の略中央に配列されたチャンネル選局のための「1」から「12」までの数字を配した数字キー18a〜18lとが配列されている。
選択キー14a〜14cは、例えば、ユーザが、インターネットのサーバより、映画、アニメーション、ドラマ、スポーツ、ゲーム等のコンテンツの配信を希望する場合に、テレビジョン受像機200の表示画面上に表示された案内に基づいて、コンテンツを選択決定する際等に使用されるものである。具体的には、インターネットを介して配信された購入可能なコンテンツの一覧が載せられたコンテンツ選択画面がテレビジョン受像機200の表示画面上に表示されると、ユーザは、リモコン100の中央部に配置された方向キー14aを操作することにより、画面上に表示された所望のコンテンツの表示位置までカーソルを移動させ、所望のコンテンツの表示位置において決定キー14bを押下することにより、配信を希望するコンテンツを決定する。次に、購入手続きの画面に移動すると、オンライン上においてそのコンテンツの購入手続きに進む。その際、コンテンツの変更等がある場合には、「戻る」が表示された選択キー14cを押下することにより、コンテンツ選択画面に戻ることができる。このように、図4に示す選択キー14は、例えば、インターネットを介したサービスの選択又はコンテンツ購入手続の際に操作が必要となるキーである。
なお、この選択キー14a〜14cは、インターネットを介したサービスの提供時にのみ使用するというわけではなく、テレビジョン受像機における通常のテレビ操作において使用する操作系としてもよいことは言うまでもない。
アップダウン選局キー15及び音量調節キー16は、それぞれ「+」と「−」の表示からなる操作キーであり、「+」キーを押下することによって、アップダウン選局キー15では、局番号が大きくなる方向に選局が可能となり、音量調節キー16では、音量を大きくすることが可能となる。また「−」キーを押下することによって、これとは反対の操作が可能となる。なお、リモコン100は、ICカードに対する情報の読み出し及び書き込みを行う際には、アップダウン選局キー15及び音量調節キー16は、情報の読み書き処理に必要な操作キーとして代用されることが可能である。詳しくは後述する。
また、数字キー18a〜18lは、直接選局のための操作キーであり、数字キー18a〜18lに記載されている番号は、それぞれチャンネル番号と対応しており、ユーザが所望のチャンネル番号に対応する数字キー18a〜18lを押下することによって、テレビジョン受像機200が受信するテレビジョン放送のチャンネルを変更させる。本実施の形態におけるリモコン100において、この数字キー18a〜18lが配置される部位は、ICカードのカード読み取り部20に重なっており、この操作キーが配置される同一基板面上にリーダ/ライタ106のアンテナ107が配設されるようになっている。詳しくは後述する。
また、その他の各種機能キー17は、例えば、VOD(Video On Demand)サービスを受信するためのサービスプロバイダ選択画面に切り替える画面切り替えキー、入力切換キー、アナログ放送又はデジタル放送を選択する放送切り替えキー、録画キー、録画予約キー等からなるが、各種機能キー17は、これらに限られるものではなく、また、必須のものでもない。
本実施の形態に係るリモコン100は、これらの各種の操作キーからなる操作キー部材11a〜11cを樹脂等によって凸部を形成して押圧可能に形成し、各操作キーをはめ込み可能な穴が形成された表面カバー10aに取り付けることによって、キー操作部105を構成している。なお、これら各種の操作キーの機能は、上述したものに限られるものではなく、また、必須のものでもない。さらに、各操作キーの種類及びリモコン表面上のキー配置は、上述の種類及び配置に限られるものではないことは言うまでもなく、種々の操作キーを配置させることができる。
なお、本実施の形態においては、リモコン100の正面図を示す図4を正視したリモコン100の状態をリモコン100の正面方向というものとする。なお、ユーザによる操作時には、必ずしもこの正面方向をテレビジョン受像機200に向けて操作する必要はなく、上述したように、テレビジョン受像機200との通信においてはRF信号による通信を行っているので、当該正面方向とは逆方向にリモコン100を向けても、テレビジョン受像機200と無線通信を行うことは可能である。
基板12は、筐体10を構成する裏面カバー10bに取り付けられており、テレビジョン受像機200と通信を行うためのアンテナ101と、RF信号を送受信するRF送受信部102と、リモコン100を制御するCPU103と、メモリ104と、ICカードに記録された情報の読み出し及び書き込みを行うリーダ/ライタ106の回路基板と、ICカード内のICチップを動作させるための電圧を発生して給電し、ICカードと通信を行うアンテナ107とを備えて構成されている。
図6は、本実施の形態に係るリモコン100の基板12上の各構成部材の配置構成を概略的に示す図である。この図6に示すように、テレビジョン受像機200と通信を行うためのRF送受信部102及びアンテナ101は、リモコン100の正面方向先端部に配置されており、また、ICカードに対する情報の読み出し及び書き込みを制御するリーダ/ライタ106の回路基板が、別基板としてリモコン100の略中央部に配置されており、その後方部にはリモコン100自体を制御するCPU103が配置されている。また、リモコン100では、直接チャンネル選局のための数字キー18a〜18lが配置されている基板部位の周囲を取り囲むようにして、リード線をループ状に形成したループアンテナ19が、リーダ/ライタ106用のアンテナ107として配置されている。さらに、リモコン100では、電源となる電池が、ループ状に形成されたリーダ/ライタ106のアンテナ107に相当するループアンテナ19の内側に、ループアンテナ19から離れて配置されている。なお、この基板12上の配置構成は、これに限られるものではない。
ループアンテナ19は、ICカード等の電子情報記録媒体に給電及び読み書きを行うための交流磁界を発生するものであり、基板12上に構成されているリーダ/ライタ106の回路基板に接続されており、リーダ/ライタ106用のアンテナ107として機能するものである。このループアンテナ19で受信した信号はリーダ/ライタ106のCPUに伝えられ、また、リーダ/ライタ106のCPUからの制御を起点として生成された電流信号は、ループアンテナ19に流されることによりICカードに対して情報の読み書きを行う。
ここで、上述したように、リモコン100は、基板12を取り囲むようにして基板端に設けられたループアンテナ19の内側に、数字キー18a〜18lの他、各種機能キー17を配置している(図5又は図6参照)。したがって、ループアンテナ19が形成された部位が、ICカードに対して情報の読み出し及び書き込みを行うカード読み書き部20となり、ループアンテナ19により磁界が発生したカード読み書き部20にICカードを近接させることによって、リーダ/ライタ106による情報の読み出し及び書き込みが行われる。そして、当該部位は、数字キー18a〜18l等の操作部位となっている。
このように、リモコン100においては、基板12の外周部の基板端をリード線が通るようにしてループアンテナ19を形成することにより、ループアンテナ19の内側に操作キーを配置することができるようになり、カード読み書き部20と同一面上に操作キーを配置することが可能となる。
なお、上述の説明においては、基板12の外周部にリード線を取り囲むようにしてループアンテナを形成する形態について説明したが、図5において、二点鎖線で仮想的に示される部位に銅箔等でパターンを形成してループアンテナ19aとすることによっても、上述のリード線でループアンテナを形成した場合と同様の効果を実現することができる。また、アンテナの性能を落とさないようにするために、リード線やパターンで形成されたループアンテナ19,19aと、それ以外のパターンや電子部品とは、できるだけ離して配置させるようにすることがより好ましい。
このように、リモコン100は、ループアンテナ19を上述のように配置し、リモコン100の正面方向の上部から正投影視したときに、操作キーをカード読み書き部20と重なるように配置することによって、本体表面を有効に活用することができ、例えば、図7に示すような、カード読み書き部30を設け、数字キーが設けられていないリモコンと比較して、ユーザにとってより容易なリモコン操作が可能となる。
また、リモコン100は、カード読み取り部と数字キーとを別の位置に設けた場合のように、リモコン本体が大きくなることを防止することができ、使い勝手の良いリモコンを実現することができる。さらに、同一基板上にループアンテナと操作キーを配置することによって、基板のサイズを小さく抑えることができ、基板の製造コストを抑えることが可能となる。
また、リモコン100では、上述のように基板12を取り囲むように、その外周部にリード線又はパターンでループアンテナ19を形成し、ICカードに対する情報の読み書きが可能となるようにしているので、ループアンテナ19と接触しない限り、図6に示すように、ループアンテナ19が形成されている内側に、アンテナから発生する電磁波を大きく阻害することなく電池・電源部108を構成する電池を配置することができる。これにより、別の位置に電池を配置するスペースを設ける必要がなくなり、リモコンをより小さくすることが可能となる。なお、この場合、基板12の外周部を取り囲んでいるアンテナ107の内部に配置される電池は、アンテナからの絶対距離が遠くなる位置、すなわち中央位置に配置することが、より好ましい。
なお、電池・電源部108となる電池は、上述の位置、すなわちループアンテナ19が形成される内側に必ず配置されるというわけではなく、ループアンテナ19の外側の離れた位置に配置させるようにしても当然構わない。
さらに、本実施の形態に係るリモコン100は、ループアンテナ19を基板12の周囲を取り囲むように、その基板端に設けているので、基板に配置された金属部材によって磁界が阻害されることがなくなり、ループアンテナ19から発生する磁界の到達距離がリモコン100の裏面側(裏面カバー10b側)まで及ぶようになり、リモコン100の表面側(操作キー配置側)からICカードに対する情報の読み出し及び書き込みが可能であるだけでなく、リモコン100の裏面側からでもICカードに対する情報の読み出し及び書き込みを行うことが可能となる。このことより、例えば、非金属のテーブル状に置かれたICカードに対し、リモコン100のカード読み書き部20を裏面側からかざすことによって、課金処理や電子決済等を行うことができるようになる。なお、この場合、ループアンテナ19より下部(本体裏面側)には、アンテナから発生する磁界を阻害する金属等からなる電子部品を配置しないようにする。
なお、他の実施形態として、図8に示すようにループアンテナ19bを形成してもよい。この図8は、当該他の実施形態に係るリモコン100の内部構成を示す模式図であり、図8(A)は表面カバー10aを取り除き、リモコン100の表面から正投影した図であり、図8(B)はこのリモコン100の断面模式図であり、図8(C)は裏面カバー10bを取り除き、リモコン100の裏面から正投影した図である。具体的に説明すると、この他の実施形態に係るリモコン100は、操作キーが配列された基板の裏面側にループアンテナ19bをパターン形成して設けた両面基板を配置させたものであり、このループアンテナ19bによりカード読み書き部20が形成され、リモコン100の正面方向の上部から正投影視したときに、複数の操作キーのうちの少なくとも1つの操作キーがカード読み書き部20に重なるように配置されるようにしたものである。この場合には、そのカード読み書き部20が、リモコン100の裏面側(裏面カバー10b側)に形成されることとなり、ユーザがリモコン100の裏面側のカード読み書き部20をICカードに対して位置させることによって、リーダ/ライタ106による情報の読み書きが行われることとなる。
また、基板12上の部品の材質や配置、配線などを考慮することにより、リモコン100の表面側からでもICカードに対する情報の読み出し及び書き込みが可能となる。
このように、リモコン100の筐体10内に、操作キーが配列された基板12の裏面側にループアンテナ19bをパターン形成した両面基板を配置し、少なくとも1つの操作キーとカード読み書き部20とが重なるように配置させることによって、リモコン100の表面を有効に活用することができ、操作キーの数を減らさなくても十分な操作キーとカード読み書き部20とを設けることが可能になるとともに、ユーザは、リモコン100の裏面側のカード読み書き部20をICカードに対して位置させることによって操作するようになるので、リモコン100の表面に設けられたすべての操作キーがICカードによって隠れることがなくなり、カード読み書き時に必要となる操作も簡単に行うことができる。なお、ループアンテナを別基板で形成し、操作キーが配列された基板と多層を形成するようにしてもよい。また、パターンを形成してループアンテナとするだけではなく、リード線によってループアンテナを形成し、そのリード線を操作キーの基板の裏面に設けるようにしてもよい。
なお、この場合には、電源部108を構成する電池は、リモコン100の正面方向の上部から正投影視したときに基板に重ならない基板とは別の位置に、ループアンテナから離れて配置することで、電池の金属部がループアンテナに与える影響をより一層少なくさせることができる。
次に、リーダ/ライタ106を備えたリモコン100の、ユーザによるICカードに対する情報の読み出し/書き込み操作について、インターネットのサービスプロバイダより、映画、アニメーション、ドラマ、スポーツ、ゲーム等のコンテンツを購入する場合を例に挙げて具体的に説明する。
ユーザは、インターネットのサービスプロバイダより映画やアニメーション等のコンテンツを購入する場合、テレビジョン受像機200に表示されたコンテンツの一覧や操作画面を見ながらリモコン100にて必要な操作、具体的には選択キー14(例えば、「←」、「↑」、「→」、「↓」からなる方向キー14a)を操作して購入するコンテンツの選択を行い、決定キー14bを押下して購入を決定する。そして、ユーザがICカードを用いたコンテンツの支払い方法を決定し、購入代金を支払う場合には、リモコン100のリーダ/ライタ106は、ICカード内に記録された情報の読み出し処理及びICカードに対する情報の書き込み処理を行う。その際、ユーザは、ICカードをリモコン100に設けられたカード読み書き部20にかざしながら操作を行う。
このように、ユーザは、リモコン100のカード読み書き部20にICカードをかざしながら、選択キー14を操作することによって、コンテンツの購入操作を行う。
ICカードから読み出された情報は、RF送受信部102及びアンテナ101を介してテレビジョン受像機200に送信され、テレビジョン受像機200により、この情報はインターネットを経由してサーバへと送られる。サーバからの返答を受け取ったテレビジョン受像機200のCPU203は、上述の近距離無線通信にてリモコン100へサーバからの情報を伝え、リモコン100のCPU103を介してICカードに対して情報の読み出し及び書き込みを行う。そしてこの処理を何度か繰り返すことによって、コンテンツ購入手続きは完了する。
従来では、上述したようなインターネットを介して配信された映画等のコンテンツの購入手続きにおいては、ユーザがテレビジョン受像機に備えられたリーダ/ライタのカード読み書き部、又はテレビジョン受像機にUSB(Universal Serial Bus)等で接続されたリーダ/ライタにICカードを近づけることによってICカード内に記憶された情報の読み取り等を行っていたので、テレビジョン受像機のチャンネル制御等は、リモコンを用いて遠隔で操作することができるにも拘らず、コンテンツの購入手続き等においてICカードの読み書きが必要になると、テレビジョン受像機の設置場所まで移動して操作しなければならなかった。
本実施の形態におけるリモコン100は、ICカードに情報を読み出し及び書き込みするリーダ/ライタ106がその内部に備えられているので、ユーザは、テレビジョン受像機200の電源のオン/オフやチャンネル選択等における操作と同様に、リーダ/ライタ106によるICカードに対する情報の読み出し及び書き込みの処理における操作も、手元でリモコン100のカード読み書き部20にICカードをかざすことによって行うことができ、より簡単で、快適なユーザ操作を実現できる。
また、リモコン100は、ループアンテナ19が形成される部位の内側の基板、すなわちICカードに対する情報の読み出し及び書き込み処理を実行するためのカード読み書き部20と同一部位に、「1」〜「12」の番号が表示された数字キー18a〜18lが配置されているため、電子決済時等のカード読み書き時に、ICカードをカード読み書き部20にかざすことよって当該数字キー18a〜18lが隠れてしまうことになる。上述したように、ICカードに対する情報の読み出し及び書き込み時には、ユーザは、主に、リモコン100の操作キーのうちコンテンツ等を選択するための方向キー14aや、その購入を決定する決定キー14b等を使用して課金手続きを行う。したがって、ICカードに対する情報の読み出し及び書き込み時においては、ICカードをカード読み書き部20にかざすことにより隠れてしまう数字キー18a〜18lを使用する頻度は低く、リモコン100の操作が不便になるということはない。
このように、本実施の形態に係るリモコン100では、リーダ/ライタ106のループアンテナ19が形成される部位の内側に、数字キー18a〜18lを配置するようにしても、ICカードに対する情報の読み出し及び書き込み時に必要となる操作キーは不自由なく操作することが可能である。すなわち、リーダ/ライタ106によるICカードに対する情報の読み出し及び書き込み時に必要となる操作キー(本実施例における方向キー14a等)は、ICカードをカード読み書き部20にかざしても、ICカードによって隠れない位置に配置されているので、ユーザがリモコン100の使い勝手を悪くすることがないようになっている。
一方で、ICカードに対する情報の読み出し及び書き込み時に、例えばコンテンツ購入金額設定や購入数量設定等を行う場合に、カード読み書き部20にICカードをかざすことによって、ICカードにより隠れてしまう数字キー18a〜18lを操作する必要が生じる場合もある。このような場合に、ユーザは、カード読み書き部20からICカードを離して当該部位に近接させるのを止め、数字キー18a〜18lを押下しようすると、ループアンテナ19から発生する磁界がICカードに到達されなくなり、リーダ/ライタ106によるICカードに対する情報の読み出し及び書き込み処理が正常に行われなくなってしまう。すると、電子マネー情報等が記録されたICカードに対する情報の読み出し及び書き込み処理に、思わぬトラブルを招くおそれが生じてしまうことにもなる。
そこで、リモコン100は、リーダ/ライタ106によるICカードに対する情報の読み出し及び書き込み時には、リモコン100のCPU103が、配置された操作キーの機能を変更するように制御することによって、ユーザはICカード読み書き時に必要となるすべての操作を、機能が変更された代替キーを用いて行うことが可能となっている。
具体的には、リモコン100のCPU103は、ICカードに対する情報の読み出し及び書き込み時であって、リーダ/ライタ106がオンの状態になったことを認識すると、例えば、アップダウン選局キー15の「+」/「−」キーを金額の上げ下げを操作する機能に、また音量調節キー16の「+」/「−」キーを購入数量の上げ下げを操作する機能に、それぞれ割り付けて自動的に変更するように制御し、リーダ/ライタ106がオフの状態になったことを認識すると、その操作キーの機能の変更を解除し、操作キーを通常の機能の意味合いに戻すように制御するようになっている。これにより、ICカードをカード読み書き部20にかざすことによって隠れてしまう数字キー18a〜18lを操作しなくても、ICカードによって隠れていない、機能が代替された操作キーで操作することにより、例えば購入金額を設定したり、購入数量を設定したりすることが可能となる。
このように、リモコン100は、リーダ/ライタ106による情報の読み出し及び書き込み時に操作キーの機能を変更するように制御しているので、ICカードをカード読み書き部20にかざすことによって操作が不可能となった操作キーの機能を別のキーに代行させることが可能になる。また、この操作キー機能の変更処理をリモコン100のCPU103が自動的に判断して制御するようにしているので、モードキーを使って機能を切り換える処理をしたり、シフトキーを押しながら同時押しすることによって操作キーの機能を変更したりするなどの煩わしい操作をユーザに強いることなく、簡単に操作することが可能となっている。
なお、リモコン100は、テレビジョン受像機200との間で双方向の無線通信を行うことが可能であることから、上述のように操作キーの機能が変更された場合には、リーダ/ライタ106によるICカードの読み書き時に、例えばリモコン100のCPU103が、テレビジョン受像機200に対し、リモコン100の操作方法を案内する案内表示を画面上に表示させるコマンドを送信するように制御してもよい。これにより、ユーザは、簡単な操作で、しかも案内に沿って操作することができるようになり、取扱説明書等を参照しながら機能が変更した操作キーを確認するという手間を省くことができる。
また、リモコン100は、ICカードに対する情報の読み書き時には、操作キーの機能が切り替わっていることを示すLEDを点灯させるようにしてもよい。この場合、操作キーの切り替わりは、リーダ/ライタ106のオン・オフと同時のタイミングでよいことから、リモコン100のCPU103が、リーダ/ライタ106のオン・オフを検知することによって、LEDの点灯及び消灯を制御することができ、また、このLEDの点灯表示は、リーダ/ライタ106が動作中であることを示す表示と兼ねることもできる。
さらにまた、リモコン100は、テレビジョン受像機200との間で双方向の無線通信が可能であり、リーダ/ライタ106のオン・オフも把握することが可能であるので、テレビの画面上に操作キーが切り替わっていることを表示するようにしてもよい。
次に、リモコンと、リモコンから操作されるデバイス(テレビジョン受像機等の電気機器)との間で、RF信号を用いて近距離無線通信される送受信データのデータフォーマットについて説明する。
上記図1〜3に示したテレビジョン受像機200とリモコン100との間では、上述したように、通常のリモコン操作における通信方式とICカードに対する情報の送受信における通信方式とを同一(例えば、IEEE802.15.4通信方式による搬送波周波数2.4GHzのRF信号を用いた近距離無線通信)としており、さらに、これらのデータを同一フォーマットのパケットにより送受信している。
より具体的には、リモコンデータと、リモコン制御用コマンド、リーダ/ライタコマンドを同一フォーマットのパケットにのせて送信している。ここで、リモコンデータはリモコン100が送信し、リモコンから操作するデバイスであるテレビジョン受像機200が受信するコマンドデータ(電気機器に対する操作命令)である。リモコン制御用コマンドは、リモコン100が持ち合わせているリーダ/ライタ機能の設定及び確認等のために使われるコマンド(遠隔制御装置に対する制御命令)であり、リモコン100とテレビジョン受像機200との双方が送信し受信するデータであると共に、双方がそのコマンドの返答データを送信し受信するデータである。リーダ/ライタコマンドは、リモコン100から操作するデバイスであるテレビジョン受像機200が送信しリモコン100が受信し、そのコマンドの返答データをリモコン100が送信しリモコンから操作するテレビジョン受像機200が受信するデータである。このリーダ/ライタコマンドは、上述したようなRFIDを利用したICカード等の情報記録媒体に対して情報の読み出し及び書き込みを行う場合において、情報記録媒体に書き込む情報及び情報記録媒体から読み出した情報を送受信するためのコマンドデータである。
すなわち、リモコン100は、リモコンデータ、リモコン制御用コマンド及びその返答データ、及びリーダ/ライタコマンドの返答データを送信し、リモコン制御用コマンド及びリーダ/ライタコマンドを受信する。リモコンから操作する操作対象デバイスであるテレビジョン受像機200は、リモコン制御用コマンド及びその返答データ、及びリーダ/ライタコマンドを送信し、リモコンデータ、リモコン制御用コマンド及びその返答データ、及びリーダ/ライタコマンドの返答データを受信する。
図9は、上記リモコンデータ、リモコン制御用コマンド及びリーダ/ライタコマンドを送信するためのパケットのフォーマットの一例を示している。この図9の(B)、(C)において、リモコン用のデータ、リモコン制御用コマンド、リーダ/ライタコマンドを、RF通信用のパケット内のコマンドデータcmdDATAに格納し、これにRF通信用のパラメータ等を格納するRF通信用のヘッダrfHD、RF通信用のエラーチェック用のパリティ等を格納するRF通信用のフッタrfFT、コマンド種別などを格納するコマンドヘッダcmdHDと共に送信する。コマンドヘッダcmdHD内のコマンド種別により、リモコンデータとリモコン制御用コマンド、リーダ/ライタコマンドの区別をすることができる。
ここで、リーダ/ライタコマンドは、一般にデータ長が長く、RF通信で1回に送信できるパケットよりも長くなる可能性が高い。よって、リーダ/ライタコマンドの送受信は分割併合可能なフォーマットを用いている。分割併合した場合、RF通信用ヘッダあるいはコマンドヘッダに記録する分割に関するデータは、該当データが分割の最後か、そうでないかを示すデータのみである。リーダ/ライタコマンドに関しては再送を行わないため順番の入れ替えが発生する可能性は無く、パケットIDを付与するなどの管理を行う必要が無い。また、リーダ/ライタ通信用フッタにパリティを含めることにより、分割途中のデータ欠損が発生してもデータ異常を確認ができるため、複雑な処理と余分なデータ転送を削除したデータ送信が可能となる。
図9の例では、(A)のリーダ/ライタコマンドデータrwDATA及びリーダ/ライタ通信用フッタ(エラーチェック用のパリティ等)rwFTの全長が、(B)、(C)のRF通信用のパケット内のコマンドデータcmdDATAの長さよりも長い場合を示している。すなわち、この図9の例では、(A)のリーダ/ライタコマンドデータrwDATA及びリーダ/ライタ通信用フッタrwFTを2分割して、(B)、(C)の2つのRF通信用のパケット内のコマンドデータcmdDATAに格納している。
本実施の形態のリモコン及びリモコンから操作するデバイスにおいて、リモコン制御用コマンドは再送しない。これは、リーダ/ライタという特性上、通信が不安定な通信経路を使用してカード決済などのセキュリティが必要とされるアクセスを強行するのは適切ではないことに加え、通信が不安定な場合は通信が不安定として最初からリーダ/ライタ機能の使用者に使えないと告知した方が適切であるため、再送でリモコン制御用コマンドを救うことはメリットにならないためである。
また、本実施の形態のリモコンにおいて、リーダ/ライタコマンドは再送管理しない。リーダ/ライタコマンドは一般にリモコンデータに比べて大きいため、再送のための複雑なバッファ管理やIDによるパケット管理によるメモリ圧迫を回避する。また、リーダ/ライタ用コマンドは方向性が決まっており、リモコンにおいては、送信するリーダ/ライタ用コマンドは返答データのみであるため再送の必要度が低く、また通信状態が悪くなった場合に、メモリに余裕度が高いコマンドの送信側であるリモコンから操作するデバイスからのコマンドの再送と重なる可能性があるため、管理が複雑になるのを回避することもできる。
次に、上述したパケット伝送におけるデータフォーマットの具体例について、図10、図11を参照しながら説明する。図10は、リモコンから操作するデバイスであるテレビジョン受像機200内のセットCPU205とリモコン制御CPU203との間で送受信される信号のデータフォーマットの一例を、図11は、テレビジョン受像機200の内リモコン制御CPU203とリモコン100内のCPU103との間で送受信される信号のデータフォーマットの一例をそれぞれ示している。
図10の(A)は、上記テレビジョン受像機200内のセットCPU205とリモコン制御CPU203との間で送受信されるパケットそのもののデータフォーマットの具体例を示しており、この図10の(A)のパケット先頭から2バイトがヘッダ、次の1バイトがバージョンに用いられている。この例では、ヘッダは常に“abh、25h”(hは16進数を表す。)とされ、バージョンは“10h”となっているが、これに限定されるものではない。図10の(A)のパケットの先頭から4バイト目はカテゴリとされ、“e4h”のときセットCPU205からリモコン制御CPU203へのコマンドを、“e5h”のときリモコン制御CPU203からセットCPU205への応答を示す。このカテゴリに応じて、5バイト目から(n−1)バイト目までが定められ、バイト数(長さ)は可変となっている。この5バイト目から(n−1)バイト目までを、図10の(B)に示している。図10の(A)のパケットの最後のnバイト目は、該パケットの1バイト目から(n−1)バイト目までのデータのチェックサム(パリティ)となっている。
図10の(B)は、図10の(A)のパケットの5バイト目から(n−1)バイト目までを取り出して示しており、先頭バイト(元のパケットの5バイト目)はこれに続くデータ全体、すなわち元のパケットの6バイト目から(n−1)バイト目までの長さ(データ長)を示し、01h(1バイト)からFFh(255バイト)までを表すことができる。次のバイト(元のパケットの6バイト目)は、データカテゴリを示すコードとされ、これに続くデータ、すなわち元のパケットの7バイト目から(n−1)バイト目までがこのカテゴリに従ったデータとなる。データカテゴリとしては、リード/ライトコマンドデータやリモコン制御コマンドデータ等が挙げられる。なお、この図10のパケットの7バイト目から(n−1)バイト目までが、上記図9のリーダ/ライタコマンドデータrwDATA及びリーダ/ライタ通信用フッタrwFTを合わせた部分に相当する。
次に、図11の(A)は、上記テレビジョン受像機200の内リモコン制御CPU203とリモコン100内のCPU103との間で送受信されるパケットの主要部のデータフォーマットの具体例を示し、図11の(B)は、(A)のパケットの6バイト目から最後のmバイト目までを取り出して示している。
図11の(A)に示すパケットの1バイト目から6バイト目まではヘッダ情報として用いられており、例えば、4バイト目がパケットの連続性等を示すコントロールデータ、5バイト目がこれに続く6バイト目からmバイト目までのデータ長、6バイト目がデータカテゴリを示すコードとされている。4バイト目のコントロールデータとしては、例えば、“21h”のとき次に続くパケットがあることを示し、“22h”のとき当該パケットで完結する(次に続くパケットがない)ことを示すようにすることが挙げられる。5バイト目のデータ長の情報としては、01h(1バイト)から62h(98バイト)までを表すことができ、最大データ長が上記図10のパケットの場合の最大255バイトよりも短くなっている。このため、図10のパケットの6バイト目から(m−1)バイト目までのデータ長が98バイトを超える場合には、これを分割して、図11の(A)に示すフォーマットを有する複数のパケット内に配分して伝送するようにしている。図11の(A)のパケットの6バイト目のデータカテゴリの情報は、図10のパケットの6バイト目をコピーして用いるようにしてもよい。なお、上記図9のコマンドデータcmdDATAは、図11の(A)のパケットの7バイト目からnバイト目までのデータに相当し、このパケットの1バイト目から6バイト目までの部分が、上記図9のコマンドヘッダcmdHDに相当する。
図11の(B)は、図11の(A)のパケットの6バイト目から最後のmバイト目までを取り出して示すものであり、先頭バイト(元のパケットの6バイト目)はデータカテゴリとなっている。このデータカテゴリの1バイトは、例えば上位4ビットがコマンドコードとして、リモコン制御用コマンド、リーダ/ライタコマンド、あるいはリモコン用のデータのような種類を表し、下位4ビットが後述するようなリモコンを識別するためのリモコンIDに用いられる。このデータカテゴリにより、これに続くデータがリモコン制御用コマンドとされた場合には、次のバイト(元のパケットの7バイト目)でコマンドの種類が示される。このコマンドの種類としては、後述するようなリモコン確認コマンド、リモコン電力確認コマンド、オン状態継続コマンドなどが挙げられる。
ここで、本発明の実施の形態においては、リモコンから操作されるデバイスである例えばテレビジョン受像機に対して、複数のリモコンを使用可能としており、これらのリモコンを識別するために装置識別情報(リモコンID)を上記コマンドに付加するようにしている。具体的には、例えば上記図11のパケットの6バイト目(データカテゴリ)の下位4ビットの一部データが用いられる。この装置識別情報は、リモコンの固有IDとは別に割り振られるものであり、少なくともリーダ/ライタに対するコマンドに付加されて送受信される。この装置識別情報は、例えばテレビジョン受像機とリモコンとの相互認証(ペアリング)が行われた後、テレビジョン受像機からリモコンに対して通信を行う際に割り振るようにすればよい。
また、一般の赤外線リモコンは、ボタン等を操作したときのみ電源が入ってコマンドを赤外線信号としてテレビジョン受像機等の被制御機器に送信し、送信し終わると電源をオフしているものが多いが、本発明の実施の形態のようなRF通信リモコンの場合には、テレビジョン受像機からの送信データを受信するために電源をオンしておく必要がある。しかしながら、常時電源をオンしておくと電力消費が嵩むため、適切な省電力制御が必要とされる。これは、リモコン自体の省電力制御のみならず、特に、リーダ/ライタの電力消費が多いため、リーダ/ライタを有するリモコンの場合にはリーダ/ライタについての省電力制御が重要となる。
以下、リモコンから操作されるデバイスである例えばテレビジョン受像機に対して、複数のリモコンが用いられる場合における、装置識別情報の割り付けについて説明し、次に、リモコン自体の省電力制御について説明した後、リーダ/ライタを有するリモコンのリーダ/ライタの省電力制御について説明する。
図12は、本発明の実施の形態の通信システム1の他の具体例として、テレビジョン受像機200との間で上述のIEEE802.15.4通信方式による搬送波周波数2.4GHzのRF信号を用いた近距離無線通信を行う複数のリモコン1001,1002,・・・,100nを備える場合を示している。なお、本実施の形態では、リモコン1001,1002,・・・,100nの構成は、リモコン100の構成と同一とし、リモコン100が備える構成と同一の構成については、例えばリモコン100のCPU103に相当する構成をそれぞれCPU1031,1032,・・・,103nとするようにそれぞれ対応する符号を付して説明するが、リモコン1001,1002,・・・,100nの構成は、これに限られず、例えばリーダ/ライタを備えない構成であってもよい。
この場合、通信システム1では、リモコン1001,1002,・・・,100nを個別に認識するために、リモコン1001,1002,・・・,100nの各リモコンにおいてID(装置識別情報)を割り振る処理を行う。
以下、通信システム1におけるリモコン1001,1002,・・・,100nに対してIDを割り振るようなID設定処理の処理動作について説明する。このID設定処理において、図13は、リモコン1001,1002,・・・,100nの処理動作を説明するためのフローチャート、図14は、テレビジョン受像機200の処理動作を説明するためのフローチャート、図15及び図16は、テレビジョン受像機200とリモコン1001,1001,1002とが行うデータ送受信を説明するためのシーケンス図である。
このID設定処理においては、リモコン1001,1002,・・・,100nの電源オン時、具体的には例えば電池が挿入されたとき、リモコン操作されるデバイスであるテレビジョン受像機等の電気機器に対して、相互認証が行われる。この相互認証は、ユーザが任意のタイミングで実行するようにしてもよい。
図13及び図14のフローチャートに示すように、リモコン1001のCPU1031,リモコン1002のCPU1032,・・・,リモコン100nのCPU103n、及び、テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203は、それぞれステップS1、ステップS21において、IEEE802.15.4通信方式による搬送波周波数2.4GHzのRF信号を用いた近距離無線通信における相互認証を開始する。リモコン1001のCPU1031,リモコン1002のCPU1032,・・・,リモコン100nのCPU103nとテレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203とは、それぞれこのステップS1、ステップS21において、例えば互いに自身が有する相互認証用のコマンドのパケットに付加されたMAC ID、IP(Internet Protocol)アドレス等からなる固有IDを送受信する。
ステップS2、ステップS22において、それぞれリモコン1001のCPU1031,リモコン1002のCPU1032,・・・,リモコン100nのCPU103n、及び、テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203は、互いに相手先の固有IDを受信して相手先を認識したか否かを判断し、相手先を認識した場合には相互認証が成功したと判断し、それぞれステップS4、ステップS24に進む。一方、ステップS2において、リモコン1001のCPU1031,リモコン1002のCPU1032,・・・,リモコン100nのCPU103nは、テレビジョン受像機200より固有IDを受信できず相互認証ができなかった場合にはステップS3に進み、また、ステップS22において、テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203は、リモコン1001,1002,・・・,100nの固有IDが受信できず相互認証ができなかった場合にはステップS23に進む。
ステップS3において、リモコン1001,1002,・・・,100nの内のテレビジョン受像機200が固有IDを受信することができなかったリモコンのCPUは、再度テレビジョン受像機200と相互認証を行うか否かを判断し、再度相互認証を行う場合にはステップS1に戻る。
ステップS23において、テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203は、再度相互認証を行うか否かを判断し、再度相互認証を行う場合にはステップS21に戻る。なお、リモコンの電源投入時等に、メモリに既に相互認証された電気機器の情報があるリモコンは、ステップS1〜ステップS3の処理を省略し、同様に、メモリに既に相互認証されたリモコンの情報があるテレビジョン受像機200は、ステップS21〜ステップS23の処理を省略する。
テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203は、例えば、メモリ204の一部領域にテーブル(図示せず)を作成し、相互認証が成功したリモコンに対してこのリモコンを識別するための例えば0番から始まる簡略化された装置識別情報を設定し、このリモコンの固有IDに対応付けて管理することができる。
ステップS24において、テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203は、セットCPU205等から何らかのコマンド(通常コマンド)を受信したか否かを判断し、何らかのコマンドを受信したと判断した場合にはステップS25に進み、何れのコマンドも受信していないと判断した場合にはステップS28に進む。ここで、装置識別情報の設定処理の際のコマンドの例としては、装置識別情報設定コマンドを用いたり、上記リモコンのリーダ/ライタに対する読み出しや書き込みに先立つリモコン確認のコマンド等を用いたりすることが挙げられ、例えばリモコン確認コマンドをリモコンに送信する際に、相互認証されたリモコンに対して例えば0番から始まる簡略化された装置識別情報を割り振るようにしてもよい。
ステップS25において、テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203は、受信したコマンドがリモコン1001,1002,・・・,100nの全てのリモコン宛てのコマンドか否かを判断し、リモコン1001,1002,・・・,100nの全てのリモコンに送信するコマンドであると判断した場合にはステップS26に進み、リモコン1001,1002,・・・,100nの内の特定のリモコン宛てのコマンドであると判断した場合にはステップS27に進む。
ステップS26において、テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203は、リモコン1001,1002,・・・,100nの全てのリモコンに順にコマンドを送信し、ステップS24に戻る。
ステップS27において、テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203は、特定の宛先のリモコンに対してコマンドを送信し、ステップS24に戻る。
本実施の形態では、このステップS26、ステップS27において、リモコン制御CPU203が、上記簡略化された装置識別情報をコマンドに付してそれぞれ該当するリモコンに送信することが挙げられる。
ステップS4において、リモコン1001のCPU1031,リモコン1002のCPU1032,・・・,リモコン100nのCPU103nは、テレビジョン受像機200よりコマンドを受信したか否かを判断する。このステップS4において、リモコン1001のCPU1031,リモコン1002のCPU1032,・・・,リモコン100nのCPU103nは、テレビジョン受像機200よりコマンドを受信したと判断した場合にはステップS5に進み、テレビジョン受像機200よりコマンドを受信していないと判断した場合にはステップS4の処理を繰り返す。
ステップS5において、リモコン1001,リモコン1002,・・・,リモコン100nの内、テレビジョン受像機200よりコマンドを受信したリモコンのCPUは、テレビジョン受像機200より受信したコマンドがID設定のためのコマンドであるか否かを判断し、ID設定処理のためのコマンドであると判断した場合にはステップS6に進み、ID設定のためのコマンドではないと判断した場合にはステップS7に進む。このID設定のためのコマンドは、上述の装置識別情報が付加されたものである。
ステップS6において、リモコン1001,リモコン1002,・・・,リモコン100nの内、テレビジョン受像機200より装置識別情報が付加されたコマンドを受信したリモコンのCPUは、このコマンドに基づいて自身にIDを設定する。
ステップS7において、リモコン1001,リモコン1002,・・・,リモコン100nの内、テレビジョン受像機200より装置識別情報が付加されたコマンドを受信したリモコンのCPUは、受信したコマンドに基づくデータ処理を行う。
ステップS8において、リモコン1001のCPU1031は、テレビジョン受像機200に対して返信する必要があるか否かを判断する。このステップS9において、リモコン1001のCPU1031は、テレビジョン受像機200に対して返信する必要があると判断した場合にはステップS9に進み、返答する必要がないと判断した場合にはステップS4に戻る。
ステップS9において、リモコン1001のCPU1031は、装置識別情報を付加したコマンドをテレビジョン受像機200に送信し、ステップS4に戻る。
ステップS28において、テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203は、相互認証を行うためのコマンドを新たに受信したか否かを判断し、相互認証を行うためのコマンドを新たに受信したと判断した場合にはステップS29に進み、相互認証を行うためのコマンドを受信していないと判断した場合にはステップS24に戻る。
ステップS29において、テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203は、新たにリモコンと相互認証を行い、ステップS24に戻る。
また、本実施の形態では、ステップS24において、セットCPU205がリーダ/ライタを備えたリモコンに対しリーダ/ライタへの情報の読み出し及び書き込みを要求するコマンドをプログラムにおいて発行し、リモコン制御CPU203がこのコマンドを受信する例が挙げられる。この場合、リモコン制御CPU203は、リーダ/ライタを備えたリモコンとの通信開始時に、ステップS26又はステップS27において、リモコンに対してリーダ/ライタへの情報の読み出し及び書き込みを要求するコマンドを送信する。リーダ/ライタを備えたリモコンは、このリーダ/ライタへの情報の読み出し及び書き込みを要求するコマンドを受信すると、テレビジョン受像機200より自身に割り当てられた装置識別情報をこの要求コマンドに応答するコマンドに付加してテレビジョン受像機200に対して返信する。これにより、テレビジョン受像機200は、複数のリモコン(リモコン1001,1002,・・・,100n)のリーダ/ライタ機能を区別して使用することが可能となる。
以下、テレビジョン受像機200とリモコン1001及びリモコン1002との間で行われるID設定処理の一例について、図15のシーケンス図を参照して詳細に説明する。
ステップS101において、テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203は、リモコン1001のCPU1031と相互認証を行う。このステップS101において、リモコン制御CPU203は、例えば、リモコン1001から固有IDを受信すると、リモコン1001に対して、この固有IDとは別の簡略化された装置識別情報を設定し、リモコン1001の固有IDと対応付けてメモリ204のテーブルにて管理する。
ステップS102において、テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203は、リモコン1002のCPU1032と相互認証を行う。このステップS102において、リモコン制御CPU203は、例えば、リモコン1002から固有IDを受信すると、リモコン1002に対して、この固有IDとは別の簡略化された装置識別IDを設定し、リモコン1002の固有IDと対応付けてメモリ204のテーブルにて管理する。
ステップS103において、テレビジョン受像機200のセットCPU205は、リモコン制御CPU203に対し、リモコン制御CPU203を確認するためのコマンド(リモコン制御CPU203確認コマンド)を送信する。
ステップS104において、リモコン制御CPU203は、セットCPU205に対し、受信したリモコン制御CPU203確認コマンドに応答するための応答コマンド(リモコン制御CPU203応答コマンド)を送信する。
ステップS105において、セットCPU205は、リモコン制御CPU203に対し、リモコン1001を確認するためのコマンド(リモコン1001確認コマンド)を送信する。この確認コマンドとしては、例えばリモコン1001がリーダ/ライタ機能等の各種機能を有しているか否かを問い合わせる機能確認コマンドを用いることができる。
ステップS106において、リモコン制御CPU203は、リモコン1001のCPU1031に対し、リモコン1001の装置識別情報に付加したリモコン1001確認コマンドを送信する。
ステップS107において、リモコン1001のCPU1031は、リモコン制御CPU203より装置識別情報が付加されたリモコン1001確認コマンドを受信すると、この装置識別情報を例えばメモリ1041に記憶して、自分自身の装置識別情報の設定、すなわちリモコンID設定を行う。
ステップS108において、CPU1031は、テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203に対し、リモコン1001確認コマンドに対する応答コマンド(リモコン1001応答コマンド)を送信する。この応答コマンドに、上記リモコン制御CPU203から送信された確認コマンドに付加されたリモコン1001の装置識別情報を付加して、テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203に対し送信する。この応答コマンドとしては、例えばリモコン1001がリーダ/ライタ機能等の各種機能の有無情報を含むような機能応答コマンドを用いることが挙げられる。
ステップS109において、リモコン制御CPU203は、セットCPU205に対し、リモコン1001応答コマンドを送信する。
ステップS110において、セットCPU205は、リモコン制御CPU203に対し、リモコン1002を確認するためのコマンド(リモコン1002確認コマンド)を送信する。
ステップS111において、リモコン制御CPU203は、リモコン1002のCPU1032に対し、リモコン1002の装置識別情報を付加したリモコン1002確認コマンドを送信する。
ステップS112において、リモコン1002のCPU1032は、リモコン制御CPU203よりリモコン1002確認コマンドを受信すると、このリモコン1002確認コマンドに付加された装置識別情報をメモリ1042に記憶して自身に装置識別情報を設定する。
ステップS113において、CPU1032は、テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203に対し、リモコン1002確認コマンドに対する応答コマンド(リモコン1002応答コマンド)を送信する。
ステップS114において、リモコン制御CPU203は、セットCPU205に対し、リモコン1002応答コマンドを送信する。
ステップS115において、セットCPU205は、リモコン制御CPU203に対し、リモコン1003を確認するためのコマンド(リモコン1003確認コマンド)を送信する。
同様に、ステップS116において、セットCPU205は、リモコン制御CPU203に対し、リモコン100nを確認するためのコマンド(リモコン100n確認コマンド)を送信する。
ステップS117において、テレビジョン受像機200のセットCPU205は、リモコン1001〜100nからリモコン1001を選択する。
ステップS118において、セットCPU205は、リモコン制御CPU203に対し、リモコン1001の電力を確認するためのコマンド(リモコン1001電力確認コマンド)を送信する。
ステップS119において、リモコン制御CPU203は、リモコン1001のCPU1031に対し、リモコン1001電力確認コマンドを送信する。
ステップS120において、CPU1031は、テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203に対し、リモコン1001電力確認コマンドに対する応答コマンド(リモコン1001電力応答コマンド)を送信する。
ステップS121において、リモコン制御CPU203は、セットCPU205に対し、リモコン1001電力応答コマンドを送信する。
ステップS122において、セットCPU205は、リモコン制御CPU203に対し、リモコン1001に対するデータパケット(リモコン1001用パケット)を送信する。
ステップS123において、リモコン制御CPU203は、リモコン1001のCPU1031に対し、リモコン1001用パケットを送信する。
ステップS124において、CPU1031は、リモコン制御CPU203に対し、リモコン1001用パケットを送信する。
ステップS125において、リモコン制御CPU203は、セットCPU205に対し、リモコン1001用パケットを送信する。
なお、このID設定処理は、上述した例の他にも、例えば、図16のシーケンス図に示すようなコマンド送受信を行うようにしてもよい。
図16のステップS201において、テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203は、リモコン1001のCPU1031と相互認証を行う。このステップS201において、リモコン制御CPU203は、リモコン1001から固有IDを受信すると、リモコン1001に対して上述の装置識別情報を設定し、リモコン1001の固有IDと対応付けてメモリ204のテーブルにて管理する。
ステップS202において、リモコン1001のCPU1031は、テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203に対してリモコン1001に装置識別情報を設定するように要求するためのコマンド(IDリクエストコマンド)を発行してリモコン制御CPU203に送信する。
ステップS203において、テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203は、リモコン1001のCPU1031に対し、リモコン1001に設定した装置識別情報をリモコン1001の固有IDとともに付加したIDリクエストコマンドを送信する。
ステップS204において、リモコン1001のCPU1031は、リモコン制御CPU203より装置識別情報及び固有IDが付加されたIDリクエストコマンドを受信すると、このIDリクエストコマンドに付加された装置識別情報をメモリ1041に記憶して自身に装置識別情報を設定する。
ステップS205において、テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203は、リモコン1002のCPU1032と相互認証を行う。このステップS205において、リモコン制御CPU203は、リモコン1002から固有IDを受信すると、リモコン1002に対して上述の装置識別情報を設定し、リモコン1002の固有IDと対応付けてメモリ204のテーブルにて管理する。
ステップS206において、リモコン1002のCPU1032は、テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203に対してリモコン1002に装置識別情報を設定するように要求するためのIDリクエストコマンドを発行してリモコン制御CPU203に送信する。
ステップS207において、テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203は、リモコン1032のCPU1032に対し、リモコン1002に設定した装置識別情報をリモコン1001の固有IDとともに付加したIDリクエストコマンドを送信する。
ステップS208において、リモコン1002のCPU1032は、リモコン制御CPU203より装置識別情報及び固有IDが付加されたIDリクエストコマンドを受信すると、このIDリクエストコマンドに付加された装置識別情報をメモリ1042に記憶して自身に装置識別情報を設定する。
ステップS209において、テレビジョン受像機200のセットCPU205は、リモコン制御CPU203に対し、リモコン制御CPU203を確認するためのコマンド(リモコン制御CPU203確認コマンド)を送信する。
ステップS210において、テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203は、セットCPU205に対し、受信した確認コマンドに応答するための応答コマンド(リモコン制御CPU203応答コマンド)を送信する。
ステップS211において、セットCPU205は、リモコン制御CPU203に対し、リモコン1001を確認するためのコマンド(リモコン1001確認コマンド)を送信する。
ステップS212において、テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203は、リモコン1001のCPU1031に対し、リモコン1001確認コマンドを送信する。
ステップS213において、リモコン1001のCPU1031は、テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203に対し、リモコン1001確認コマンドに応答するためのコマンド(リモコン1001応答コマンド)を送信する。
ステップS214において、テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203は、セットCPU205に対してリモコン1001応答コマンドを送信する。
ステップS215において、セットCPU205は、リモコン制御CPU203に対し、リモコン1002を確認するためのコマンド(リモコン1002確認コマンド)を送信する。
ステップS216において、リモコン制御CPU203は、リモコン1002のCPU1032に対してリモコン1002確認コマンドを送信する。
ステップS217において、リモコン1002のCPU1032は、テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203に対し、リモコン1002確認コマンドに応答するためのコマンド(リモコン1002応答コマンド)を送信する。
ステップS218において、テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203は、セットCPU205に対してリモコン1002応答コマンドを送信する。
ステップS219において、テレビジョン受像機200のセットCPU205は、リモコン制御CPU203に対し、リモコン1003を確認するためのコマンド(リモコン1003確認コマンド)を送信する。
ステップS220において、テレビジョン受像機200のセットCPU205は、リモコン制御CPU203に対し、リモコン100nを確認するためのコマンド(リモコン100n確認コマンド)を送信する。
ステップS221において、テレビジョン受像機200のセットCPU205は、リモコン1001,1001,・・・,100nからリモコン1001を選択する。
ステップS222において、テレビジョン受像機200のセットCPU205は、リモコン制御CPU203に対し、リモコン1001の電力を確認するためのコマンド(リモコン1001電力確認コマンド)を送信する。
ステップS223において、テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203は、リモコン1001のCPU1031に対してリモコン1001電力確認コマンドを送信する。
ステップS224において、リモコン1001のCPU1031は、テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203に対し、リモコン1001電力確認コマンドに応答するためのコマンド(リモコン1001電力応答コマンド)を送信する。
ステップS225において、テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203は、セットCPU205に対してリモコン1001電力応答コマンドを送信する。
ステップS226において、セットCPU205は、リモコン制御CPU203に対し、リモコン1001に対するデータパケット(リモコン1001用パケット)を送信する。
ステップS227において、リモコン制御CPU203は、リモコン1001のCPU1031に対し、リモコン1001用パケットを送信する。
ステップS228において、CPU1031は、リモコン制御CPU203に対し、リモコン1001用パケットを送信する。
ステップS229において、リモコン制御CPU203は、セットCPU205に対し、リモコン1001用パケットを送信する。
このように、本実施の形態では、複数のリモコンに対し、固有IDとは別のテレビジョン受像機200によって識別されるための装置識別IDを設定することにより、複数のリモコンを同時に利用した場合であっても、例えばリーダ/ライタ等の機能を区別して使用することが可能となる。
また、本実施の形態では、リモコンの電源投入時又はテレビジョン受像機との通信における相互認証終了時に、各リモコンに対して装置識別IDを割り振ることにより、確実に装置識別IDを設定することができる。
また、本実施の形態では、各リモコンが、テレビジョン受像機200に対して装置識別IDを割り振るように要求するコマンドを送信することにより、確実に装置識別IDを設定することができる。
また、本実施の形態では、テレビジョン受像機200が、リモコンが備えるリーダ/ライタとの間の通信を要求する際に、全ての通信可能なリモコンに対してコマンドを送信し、返信可能なリモコンは、全て自身に対して割り振られた装置識別IDをコマンドに付加して返答することにより、テレビジョン受像機200が複数のリモコンを確実に識別することができる。
上述したように、リモコン100は、電池・電源部108からの電力の供給によって駆動されており、さらに電磁波を発生させるなど電力を大量に消費するリーダ/ライタ106を備えているので、リモコン100の電力消費量はとても大きいものとなっている。
本実施の形態に係るリモコン100は、低消費電力状態に移行制御させることが可能となっており、低消費電力駆動を可能にすることによって、消費電力を少なく抑えることができるようになっている。
以下、本実施の形態に係るリモコン100の低消費電力制御について、リモコンCPU103自身を低諸費電力状態に移行させる処理動作について説明し、続いてリモコン100が備えているリーダ/ライタ106を低消費電力状態に設定するための処理動作について説明する。
上述したように、リモコン100は、電池・電源部108からの電力の供給によって駆動されているため、低消費電力駆動を可能にすることによって、消費電力を少なく抑えることが可能となる。通常は、リモコンの特性上、操作キーを押した状態の場合のみ動作し、それ以外の場合には低消費電力状態に設定することによって電力消費を抑える処理が行われていた。しかし、本実施の形態に係るリモコン100のように、ICカード等の情報記録媒体に対する情報の読み出し及び書き込み処理を行うリーダ/ライタ106を内蔵しているリモコンの場合には、そのリーダ/ライタ106の特性上、コマンドを送信するタイミングはリモコン100から操作されるテレビジョン受像機200等の電気機器側でしか判らないため、リモコン100側が独自の判断で低消費電力状態に入ってしまうと、テレビジョン受像機200から送信されるコマンドを受信することができなくなったり、リーダ/ライタ106によるICカードに対する情報の読み書き処理が途中で断絶されてしまい、失敗に終わってしまうことにもなり、延いては課金処理等において思わぬトラブルを招いてしまうことになる。
そこで、本実施の形態に係るリモコン100は、リモコン100に設けられた操作キー入力時、RF受信時(テレビジョン受像機からコマンド受信時)及びリーダ/ライタ106からのコマンド受信時に、リモコンCPU103を低消費電力状態に移行するために設けられたタイマーを開始する(又はタイマーをリセットする)ようにし、一定時間が経つまで通常の電力状態を維持させることによって、上述の問題を解決するようにしている。
以下では、リーダ/ライタを内蔵させた場合のほか、テレビジョン受像機からコマンドを受信する機能を備えたリモコンにおいて、そのリモコンを低消費電力状態に設定するための最適な駆動制御処理について、図17に示すフローチャート、及び図18〜図21に示すシーケンス図を参照しながら説明する。なお、以下では、テレビジョン受像機からコマンドを受信する機能を備えたリモコンのうち、特に具体的に、リーダ/ライタ機能を備えたリモコンを例に挙げて説明するが、リーダ/ライタ機能を有するリモコンに限られず、例えば、テレビジョン受像機からのコマンドに基づいてリモコンに設けられた液晶表示画面に情報を表示する機能を有するリモコンや、テレビジョン受像機からの音声コマンドを受信して当該リモコンから副音声を視聴することが可能なリモコン等にも、以下で説明する低消費電力状態への駆動制御処理を適用することが可能である。
本実施の形態に係るリモコン100に備えられたリーダ/ライタ106は、ICカード等の情報記録媒体と情報の読み書きを行うための通信を行うために、テレビジョン受像機200等の電気機器から送信されるコマンドを受信することが可能なようにコマンド受信待機状態にしておくとともに、情報の読み書きの開始から終了まではアンテナから磁界を発生し続けなければならないことから、その電気消費量は非常に大きく、したがってリーダ/ライタ106を使用しないときにはリーダ/ライタ106を低消費電力状態に設定させておくことが好ましい。さらに、チャンネル選択等の通常の操作処理も含め、リモコン100自体の不使用時においても、リモコンCPU103自身を低消費電力状態に設定して電気消費量を抑えることによって、リーダ/ライタ106と同一の電池・電源部108から供給される電力の消費量が抑えられ、延いてはリーダ/ライタ106への電力消費量低減にもつながることになり、より好ましい。
一般的に、ユーザは、リモコン100のキー操作部105に設けられた操作キーを操作することによって、テレビジョン受像機200等の電気機器を操作処理し、さらに、例えばICカード等の情報記録媒体に対する情報の読み出し及び書き込みを行うリーダ/ライタ機能を使用する。したがって、リモコン100の操作キー入力に基づく信号入力がなければ、テレビジョン受信機200からのコマンド受信やリーダ/ライタ106からのコマンド受信も生じることがないので、操作キー入力がなされるまでは、リモコン100のRF送受信部102やリモコンCPU103自身を低消費電力状態にし、操作キー入力に伴って、リモコンCPU103を通常電力状態に移行するとともに、リモコン100が有するリモコンCPU103を低消費電力状態に移行するためのタイマーをリセットするようにする。以下、図17のフローチャートに基づいて、具体的に説明する。
ステップS31において、リモコンCPU103は、自らを低消費電力状態にする設定を開始する。なお、リモコンCPU103の低消費電力設定については、周知の技術を用いて行われる。このように、リモコンCPU103自らを低消費電力状態に設定することにより、リモコン100の不使用時の電力消費量を低減させることができる。
次に、ステップS32において、リモコンCPU103は、リモコン100のキー操作部105に設けられた操作キー入力(キーの押圧)に基づく信号入力があったか否かを判断する。この操作キー入力とは、例えばリーダ/ライタ機能を実行するために特別に設けられたキーを意味するだけでなく、リモコン100の通常操作、すなわちテレビジョン受信機200が受像するテレビジョン放送番組のチャンネル切り替えキー(図4における数字キー18a〜18l等)や、音量を調節する音量調節キー(図4における音量調節キー16)等の操作キー入力を含むものである。
このステップS32において、操作キー入力に基づく信号入力があった場合には、ステップS33に進み、リモコンCPU103は自らの低消費電力状態設定を終了するように電力状態を制御し、通常の電力状態に移行させる。一方、操作キー入力に基づく信号入力がなかった場合には、リモコンCPU103はそのまま自らを低消費電力状態に維持させる。すなわち、このステップS33の処理動作は、リモコンCPU103が操作キー入力に基づく信号入力あったと判断するまで繰り返し行われ、操作キー入力に基づく信号入力が通常電力状態に移行させるためのトリガーとなっている。なお、このように、操作キー入力に伴って低消費電力状態から通常電力状態に電力状態を移行するように制御しても、ユーザによるリモコン100の操作キーの入力がなければ、テレビジョン受信機200からコマンドが受信されることはないことから、不都合を生じることはない。
ステップS33において、リモコンCPU103は、操作キー入力に基づく信号入力がなされたことにより、リモコンCPU103自らの低消費電力設定を終了し、通常の電力状態にリモコン100を設定する。そして、次にステップS34において、リモコンCPU103を低消費電力状態への移行させるための所定時間を計時するタイマー及び後述する回数カウンタ(図示せず)をリセットする。
このように、本実施の形態に係るリモコン100は、リモコンCPU103自身を所定時間経過後に低消費電力状態に移行させるためのタイマーを有しており、操作キー入力がなされてから直ぐに低消費電力状態に移行させるのではなく、操作キー入力に基づく信号入力があってから、所定時間の経過後に低消費電力状態に移行させるようにし、そのために先ずタイマーをリセットして、タイマーカウントをはじめるようにする。この処理により、操作キーの入力後、リモコンCPUが直ぐに低消費電力状態に移行してしまい、テレビジョン受信機200又はリーダ/ライタ106から送信されてきたコマンドを正常に受信することができなくなる事態を回避し、所定時間内は通常電力状態を維持させるように制御することで、テレビジョン受信機200又はリーダ/ライタ106から送信される電力確認コマンドや機能確認コマンド等のコマンドを、正常に受信することが可能となる。
次に、ステップS35において、リモコンCPU103は、低消費電力状態への移行するためのタイマーが所定の設定時間に達したか否かを判断し、タイマーがタイムアップしたと判断した場合には、リモコンCPU103は自らを低消費電力状態に移行させるための設定を行う。これにより、上記の特定キー入力が、例えばテレビジョン放送のチャンネル切り替えキー入力等であった場合など、テレビジョン受像機200からのコマンド受信処理がなされない操作が行われた場合に、タイマーで設定された所定時間の経過後に直ぐにリモコンCPU103を低消費電力状態に移行することが可能となり、リモコン100の電気消費量を有効に削減させることができるようになっている。
一方で、リモコンCPU103を低消費電力状態に移行するためのタイマーがタイムアップしていない場合には、リモコン100は、ステップS36において、操作キー入力に基づく信号入力があったか否かを判断する。そして、リモコン100に対して操作キー入力があったと判断した場合にはステップS37に進み、カウントアップされていたタイマーをリセットする処理を行う。すなわち、改めてタイマーがはじめからカウントされるようになっており、例えば、テレビジョン受信機200の表示画面の指示に従って複数の操作を行い、その操作の後に、テレビジョン受像機200からコマンドを受信するような場合に、最初のキー入力からコマンド受信まで通常電力状態を維持し、正常にコマンドを受信することができるようになっている。
一方で、リモコン100に対してキー入力がないと判断した場合には、ステップS38に進み、コマンド受信があったか否かの判断が行われる。
ステップS38において、コマンドを受信したか否かを判断し、コマンドを受信したと判断した場合にはステップS39に進み、ステップS39において、カウントアップされていた低消費電力状態へ移行するためのタイマーがリセットされる。一方で、コマンドを受信していないと判断した場合は、タイマーはリセットされずにステップS41に進む。ここで、ステップS38におけるコマンド受信について説明すると、このコマンドは、テレビジョン受像機200からの、電力確認コマンドやリーダライタ用パケット送信コマンド等のRF送受信部102を介したコマンドだけでなく、リーダ/ライタ106からの返答コマンド等をも含むものである。
そして、ステップS38においてリモコンCPU103が、テレビジョン受像機200のセットCPU205からリモコン制御CPU203を介して、又はリーダ/ライタ106からコマンドを受信したと判断し、ステップS39においてタイマーをリセットすると、ステップS40に進む。
ステップS40においては、リモコンCPU103が、受信したコマンドを処理する。そして、このステップS40においてコマンドを処理すると、次にステップS41に進む。なお、このコマンド処理は、例えば、リーダ/ライタ106に対する機能設定処理等のコマンドに応じたデータ処理や、受信したコマンドデータを送信するのに適したデータにする処理等を含むものである。
次に、ステップS41においては、リーダ/ライタ106に対し、又はテレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203に対してコマンドを送信したか否か判断する。そして、リモコンCPU103がコマンドを送信していないと判断した場合には、ステップS35に戻り、低消費電力状態へ移行するためのタイマーがタイムアップしたか否かが再び判断され、上述の処理の流れが繰り返される。
一方で、ステップS41において、リモコンCPU103がコマンドを送信したと判断した場合には、ステップS42に進み、コマンド送信の回数カウンタを更新する。
このコマンド送信回数カウンタは、リモコンCPU103がコマンドを送信する度にカウンタが+1ずつアップされ、リモコンCPU103がコマンドを送信するコマンド送信回数をカウントするようになっており、ステップS42において、このコマンド送信回数カウンタの更新処理が行われる。なお、このコマンド送信回数カウンタは、コマンドが正常に送信され、送信先からそのコマンド送信に対するACKや返答コマンドが送信されてきた場合にはリセットされるようになっている。
このように、ステップS42においては、ステップS41におけるリモコンCPU103からのコマンド送信に基づき、送信の度にコマンド送信の回数カウンタが+1されて更新されていくが、この回数カウンタは予め定められた上限値を有しており、ステップS43において、コマンド送信の度に更新されていく回数カウンタが所定の上限値に到達したか否かが判断される。
具体的に説明すれば、この上限値を、例えば32回に予め設定する。ステップS41において、リモコンCPU103が、リーダ/ライタ106に対しコマンドを送信すると、ステップS42においてコマンド送信の回数カウンタが+1されて、回数カウンタが更新される。しかし、このコマンド送信に対して、送信先のリーダ/ライタ106からの返答コマンドが一定時間内に送信されてこなければ、再度、リモコンCPU103は、同一送信先であるリーダ/ライタ106に同一のコマンドを送信(再送)し、コマンドの再送と共にコマンド送信回数カウンタはさらに+1されて更新される。そしてこの動作処理は、送信先のリーダ/ライタ106からの返答コマンドが送信されない場合には、回数カウンタの上限値である32回がカウントされるまで繰り返され、ステップS43において、回数カウンタが予め定められた上限値の32回をオーバーしたことが判断される。
そして、ステップS43において、回数カウンタが上限値である32回をオーバーしたことが判断された場合、すなわち、リモコンCPU103からのコマンド送信(回数カウンタ上限値までの再送)に対して、返答コマンドが送信されてこなかった場合には、リモコンCPU103は自らを低消費電力状態に移行設定する。
一方で、リモコンCPU103からのコマンド送信に対して、リーダ/ライタ106がリモコンCPU103に対して返答コマンドを送信した場合には、その回数カウンタがリセットされるとともに、ステップS35に戻り、上述した動作処理が繰り返される。
このように、リモコンCPU103からのコマンド送信回数をカウントし、そのコマンド送信に対する返答コマンドを監視することにより、例えば、リーダ/ライタ106への結線が断線した場合など、繰り返しのコマンド送信に対しても、返答がないような場合、つまり、予め定められた所定上限値に等しい回数までコマンドを再送し、当該回数までコマンドを再送しても返答が得られない場合には、リモコンCPU103は自らを低消費電力状態に移行させるようにすることによって、いつまで経っても低消費電力状態に移行させることができずに、電気消費量が大きくなることを回避することができる。
なお、ステップS41〜ステップS43についての上述の具体的な説明では、リモコンCPU103がリーダ/ライタ106に対してコマンドを送信し、その送信に対するリーダ/ライタ106から返答コマンドを監視する例について説明したが、これに限られず、リモコンCPU103がテレビジョン受信機200のリモコン制御CPU203に対してコマンドを送信した場合にも同様に処理することができ、RF通信異常等が生じた場合などに、同様の処理を行うことによって、リモコンCPU103自身を低消費電力状態に移行するように制御することで、電力消費が続いてしまう事態を回避することができる。なお、その場合には、リモコンCPU103は、RF送受信部102をOFFにするとともに、電力を大量に消費するリーダ/ライタ106を低消費電力状態に設定するコマンドを発行し、正しく設定することができたことを確認してから、リモコンCPU103自らを低消費電力状態に落とすように制御するとよい。詳しくは後述する。
以上のように、本実施の形態に係るリモコン100は、リモコン100の特定キー入力時、RF受信時(テレビジョン受像機からコマンド受信時)、及びリーダ/ライタ106からのコマンド受信時に、リモコンCPU103を低消費電力状態に移行するためのタイマーをリセットし、はじめからタイマーを開始するようにして、所定時間が経つまでRF送受信部102をONにするように制御している。これにより、実際に操作を行っているリモコン100のみが、RF信号を受信して動作するわかりやすいインタフェースを実現することができ、所定時間後には、リモコンCPU103自らを低消費電力状態に移行可能にし、消費電力を抑えつつ、正常にテレビジョン受像機からコマンドを受信し、リーダ/ライタ106によるICカードに対する情報の読み書き処理が行えるように制御することが可能となっている。
次に、以上で説明したリモコン100自身の低消費電力状態設定の処理動作を、図18に示すシーケンス図を参照し、テレビジョン受像機200のセットCPU205と、テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203と、リモコン100のリモコンCPU103と、リモコン100に内蔵されたリーダ/ライタ106との各装置及び各構成間におけるコマンドの送受信を明瞭にして、さらに具体的に説明する。
図18のシーケンス図は、テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203とリモコンCPU103との相互認証処理から、リーダ/ライタ用パケット送信及びパケット返答までの、各装置間及び各構成間における基本的なリーダ/ライタ機能を実行するためのコマンド処理の流れを示している。
先ず、ステップS301〜ステップS308において、テレビジョン受像機200とリモコン100との間における相互認証処理及びリモコン100に対するID設定処理を行う。なお、これらのステップS301〜ステップS308の処理は、図15のシーケンス図を用いて説明したステップS101〜ステップS109(またはステップS114)に対応しており、詳細な説明は上述の通りであることから、ここでは詳細な説明を省略する。なお、ステップS304〜ステップS308における処理においては、リモコンがリーダ/ライタ機能を有しているかの確認を行えるようにしてもよい。
ステップS301〜ステップS308において相互認証処理及びID設定処理を終了すると、次に、ステップS309において、リモコンCPU103は、リーダ/ライタ106に対し、リーダ/ライタ起動コマンドを送信する。このリーダ/ライタ起動コマンドは、リーダ/ライタ106を起動させ、テレビジョン受像機200やリモコンCPU103から送信されたすべてのコマンドを受信することができる状態にするコマンドであるが、このコマンドによって起動されたリーダ/ライタからは、まだ電磁波は発生していない。なお、複数のリモコンに対して、上述のステップS301〜ステップS308でID設定がなされた場合には、IDが割り振られた、リーダ/ライタ機能を有するすべてのリモコンがリーダ/ライタを起動させ、コマンド受信可能な状態で待機することとなるが、後述するステップにおいて、テレビジョン受像機200からリモコン電力確認コマンドが送信されてこないリモコンは、各リモコンに設けられた、リーダ/ライタを低消費電力状態に移行させるためのタイマーがタイムアップして、低消費電力状態に移行することとなる。
このように、このステップS309から下記のステップS311までの処理において、リーダ/ライタ106を起動させる。
ステップS310において、リーダ/ライタ106は、リモコンCPU103に対し、リモコンCPU103からのリーダ/ライタ起動コマンド受信に関するACKを送信する。そして、リーダ/ライタ106は、リモコンCPU103からのリーダ/ライタ起動コマンドに基づいて、リーダ/ライタを起動させる。
ステップS311において、リーダ/ライタ106は、リモコンCPU103に対し、起動確認処理に基づき、正常にリーダ/ライタ106が起動した場合には、リーダ/ライタ起動コマンドに返答するための返答コマンド(起動コマンド返答)を送信する。一方で、正常に起動しなかった場合には、返答コマンドを返答しないか、若しくは正常に起動しない旨を返答する返答コマンドを送信する。なお、もし正常に起動しなかった場合には、IDが割り振られた、リーダ/ライタ機能を有する他のリモコンであって、起動コマンドに対して正常に起動可能である旨を返答したリモコンに対し、後述するリモコン電力確認コマンドが送信されることとなる。
このように、ステップS309〜ステップS311における処理を行うことによって、リーダ/ライタ106が正常に起動するか否かの確認を行う。なお、図示はしていないが、もしリーダ/ライタ106が正常に起動しない場合には、リモコンCPU103が、テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203を介してセットCPU205に対して、その旨の情報を含んだコマンドを送信するようにしてもよい。
次に、ステップS312において、テレビジョン受像機200のセットCPU205は、リモコン制御CPU203に対し、リモコン100の電力を確認するためのコマンド(リモコン100電力確認コマンド)を送信する。この電力確認コマンドは、後にリーダ/ライタ用パケットデータを送信した時に、そのデータを処理することができるだけのバッテリー残量を有しているか等を確認するためのコマンドである。
ステップS313において、テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203は、リモコン100に対し、受信したリモコン100電力確認コマンドを送信する。
ステップS314において、リモコンCPU103は、リモコン制御CPU203から受信したリモコン100電力確認コマンドに基づき、リーダ/ライタ106に対し、リードライト出力設定コマンドを送信する。このリードライト出力設定コマンドは、リーダ/ライタ106に対し、ICカード等の電子情報記録媒体と通信を行うための電磁波を発生させるものであり、このステップS314から下記のステップS320までの処理において、テレビジョン受像機200のセットCPU205から受信した電力確認コマンドに対する電力確認、すなわちリーダ/ライタ機能による処理が可能なバッテリー残量を有しているか等の確認を行う。
ステップS315において、リーダ/ライタ106は、リモコンCPU103に対し、リモコンCPU103からのリードライト出力設定コマンド受信に関するACKを送信する。
ステップS316において、リーダ/ライタ106は、ICカード等と通信を行うアンテナから電磁波を発生させる。そして、リーダ/ライタ106は、リモコンCPU103に対し、リードライト出力設定コマンドに対する返答コマンド(リードライト出力設定返答)を送信する。すなわち、リーダ/ライタ106は、例えば、電磁波発生可能時間等を含んだ返答コマンドをリモコンCPU103に対して送信する。
ステップS317において、リモコンCPU103は、リーダ/ライタ106から受信したリードライト出力設定返答コマンドに基づき、電磁波を発生することができるか否かの電力確認を行う。
ステップS318において、リモコンCPU103は、リーダ/ライタ106に対し、リードライト停止設定コマンドを送信する。
ステップS319において、リーダ/ライタ106は、リモコンCPU103に対し、リードライト停止設定コマンド受信に関するACKを送信する。
ステップS320において、リーダ/ライタ106は、リモコンCPU103に対し、リードライト停止設定コマンドに対する返答コマンド(リードライト停止設定返答コマンド)を送信する。
ステップS321において、リモコンCPU103は、テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203に対し、リーダ/ライタ106からのリードライト停止設定返答コマンドの受信に基づいて、リモコン100電力確認コマンドに対する応答コマンド(リモコン100電力応答コマンド)を送信する。この応答コマンドは、先のステップで行った電力確認の結果を含むものであり、リーダ/ライタ機能を実行するのに必要な電磁波をリーダ/ライタ106から発生させることができるか否かの結果を知らせるためのコマンドである。
ステップS322において、リモコン制御CPU103は、テレビジョン受像機200のセットCPU205に対し、リモコン100電力応答コマンドを送信する。
このように、ステップS312〜ステップS322において、テレビジョン受像機200のセットCPU205からのリモコン電力確認コマンドに基づき、リードライト出力設定をし、リーダ/ライタ機能を実行するのに必要な電磁波を発生させるための電力を有しているか否かを確認することによって、ICカードに対する情報の読み書きの処理の途中で電力がなくなり、情報の読み書きが正常に終了できなくなることを防止することができる。
そして、以上のように電力確認が行われると、次に、ステップS323において、セットCPU205は、リモコン制御CPU203に対し、リーダ/ライタ用パケットを送信する。
ステップS324において、リモコン制御CPU203は、リモコンCPU103に対し、セットCPU205から受信したリーダ/ライタ用パケットを、RF送受信部202を介して送信する。
ステップS325において、リモコンCPU103は、リーダ/ライタ106に対し、テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203から受信したリーダ/ライタ用パケットを送信する。
ステップS326において、リーダ/ライタ106が、リーダ/ライタ用パケット受信に関するACKをリモコンCPU103に対し送信すると、このACKは、ステップS327〜ステップS328において、リモコンCPU103からテレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203を介して、セットCPU205へ送信される。
ステップS329において、リーダ/ライタ106は、リモコンCPU103に対し、受信したリーダ/ライタ用パケットに対する返答コマンド(パケット返答コマンド)を送信する。
ステップS330において、リモコンCPU103は、テレビジョン受像機200のリモコン制御203に対し、パケット返答コマンドを送信する。
ステップS331において、リモコン制御CPU203は、セットCPU205に対し、パケット返答コマンドを送信する。
以上の図18のシーケンス図に示すステップS301〜ステップS331までの処理の流れが、リーダ/ライタ用パケット送信までの基本的な処理の流れであり、このような各装置間及び各構成間におけるコマンドの送受信を経て、リーダ/ライタ106におけるICカード等の情報記録媒体に対する情報の読み書き処理が行われる。
次に、以上のようなコマンド処理を経て行われたリーダ/ライタ106によるICカードに対する情報の読み書き処理の終了後、リモコンCPU103を低消費電力状態に設定するまでのコマンド処理の流れを、図19に示すシーケンス図を参照にして説明する。なお、上述の図18において説明したコマンド処理と同一の処理については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図19に示すように、ステップS323〜ステップS331において、テレビジョン受像機200のセットCPU205から、テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203及びリモコンCPU103を介し、リーダ/ライタ106に対してリーダ/ライタ用パケット送信がなされ、それに対するパケット返答が行われて、正常に課金処理等のICカードに対する情報の読み書き処理が実行されると、リーダ/ライタ処理が終了する。
ステップS332において、テレビジョン受像機200のセットCPU205は、テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203に対し、リーダ/ライタを終了するコマンド(リーダ/ライタ終了コマンド)を送信する。
ステップS333において、リモコン制御203は、リモコンCPU103に対し、受信したリーダ/ライタ終了コマンドを送信する。
ステップS334において、リモコンCPU103は、リーダ/ライタ106に対し、受信したリーダ/ライタ終了コマンドを送信する。
ステップS335において、リーダ/ライタ106は、リーダ/ライタ終了コマンド受信に関するACKをリモコンCPU103に対し送信する。すると、このACKは、ステップS336〜ステップS337において、リモコンCPU103からテレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203を介して、セットCPU205へ送信される。
ステップS338において、リーダ/ライタ106は、リモコンCPU103に対し、リーダ/ライタ終了コマンドに対する返答コマンドを送信する。
ステップS339において、リモコンCPU103は、テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203に対し、受信した返答コマンドを送信する。
ステップS340において、リモコン制御CPU203は、セットCPU205に対し、受信した返答コマンドを送信する。
ここで、ステップS338において、リモコンCPU103がリーダ/ライタ106からリーダ/ライタ終了コマンドに対する返答コマンドを受信すると、図17のフローチャートにおけるステップS38〜ステップS39において説明したように、本実施の形態に係るリモコン100は、コマンドを受信すると同時に、リモコンCPU103自身を低消費電力状態に移行させるためのタイマーのカウントがリセットされるようになっている。そして、タイマーがリセットされてカウントがはじめからスタートしている間に、リモコンCPU103は、受信した返答コマンドをテレビジョン受像機200のリモコン制御203に対して正常に送信する。このシーケンス図においては、リモコンCPU103によるリモコン制御CPU203に対しての返答コマンドの送信後には、操作キー入力や、テレビジョン受像機200のセットCPU205からのリモコン制御CPU203を介したコマンド受信や、リーダ/ライタ106からのコマンド受信がないことから、上述したリモコンCPU103によるリーダ/ライタ106からの返答コマンドの受信からカウントされているタイマーは継続され(ステップS341)、設定されたタイマーの所定の時間が経過すると、リモコンCPU103は、自らを低消費電力状態に移行させる(ステップS342)。
このように、本実施の形態に係るリモコン100のリモコンCPU103は、リーダ/ライタ106からのコマンド、又はテレビジョン受像機200のセットCPU205からリモコン制御CPU203を介したコマンドを受信すると、その時点で低消費電力状態に移行するためのタイマーがリセットされるようになっているので、テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203に対し、又はリーダ/ライタ106に対し、受信したコマンドに対する返答コマンド等を正常に送信することできるようになっている。
また、このようにコマンド受信時にタイマーをリセットして、低消費電力状態へ移行される時間を延ばすことにより、特に、リモコンCPU103が、テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203から受信したコマンド(例えば、リーダ/ライタ用パケット)をリーダ/ライタ106に対して送信し、リーダ/ライタ106においてそのコマンドが実行され、コマンド実行後にリーダ/ライタ106から送信されたコマンド(例えば、返答コマンド)をリモコンCPU103が受信するときのように、コマンド送信から返答コマンド受信までの間にリーダ/ライタ106におけるコマンド実行に伴う時間間隔が生じるような場合に、リモコンCPU103が低消費電力状態となってスリープ状態にあり、リーダ/ライタ106からの返答コマンドを受信することができず、正常に処理が行われなくなるという事態を回避することができるようになっている。
次に、図20のシーケンス図を参照して、リモコンCPU103が、RF送受信部102をOFFにするとともにリモコンCPU103自らを低消費電力状態に設定するだけではなく、リーダ/ライタ106を低消費電力状態に設定するためのコマンドを発行する機能を有する実施形態について説明する。
このシーケンス図におけるステップS350〜ステップS358における処理は、図18及び図19のシーケンス図で説明したステップS323〜ステップS331に対応するものであり、同様にICカードに対する情報の読み書きに関するリーダ/ライタ用パケット及び返答コマンドの送受信が行われる。
次に、ステップS359において、テレビジョン受像機200のセットCPU205は、テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203に対し、新しいリーダ/ライタ用パケットを送信する処理を行う。
そして、ステップS360において、リモコン制御CPU203は、リモコンCPU103に対し、受信したリーダ/ライタ用パケットを送信する処理を行う。
しかし、この実施形態においては、テレビジョン受像機200とリモコン100との間におけるRF通信が正常に行われない状態(RF通信異常状態)にあり、テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203からリモコンCPU103に対する新たなリーダ/ライタ用パケットの送信が正常に行われず、リーダ/ライタ106において、ICカードに対する情報の読み書き処理が行われない状態が発生している。このとき、リーダ/ライタ106は通常電力状態を維持して電磁波を発生させているが、ICカードとの通信が行われない状態にあり、電磁波を発生させていることに伴う電力のみが消費されて続けている。さらに、RF通信異常が生じていることから、テレビジョン受像機200からのリーダ/ライタ終了コマンドも受信することができず、またリーダ/ライタ106が低消費電力状態に移行しない限り、リモコンCPU103自身も低消費電力状態に移行することができない状態にあり、リーダ/ライタ106及びリモコンCPU103は、大きな電力消費を生じてしまうことになっている。
そこで、本実施の形態においては、リモコンCPU103に対し、所定時間内にテレビジョン受像機200のセットCPU205からリモコン制御CPU203を介したコマンドの送信がなされなければ、リモコンCPU103は自らを低消費電力状態に移行するだけでなく、リーダ/ライタ106を低消費電力状態に移行させるためタイマーを利用して、リーダ/ライタ終了コマンドを発行し、リーダ/ライタ106を低消費電力状態に移行させるようにしている。そして、リーダ/ライタ106が低消費電力状態に移行したことを確認してから、リモコンCPU103自らを低消費電力状態に制御するようにしている。
すなわち、ステップS356において、リーダ/ライタ106が、リモコンCPU103に対し、パケット返答を送信すると、ステップS357において、リモコンCPU103は、リーダ/ライタ106からのパケット返答を受信し、テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203に対し、そのパケット返答を送信する。
その際、ステップS358´において、リモコンCPU103は、図17のフローチャートのステップS38〜ステップS39において説明したように、リモコンCPU103自身を低消費電力状態に移行するためのタイマーをリセットしてカウントをはじめからスタートさせる処理を行うとともに、さらに、ステップS359´において、リーダ/ライタ106を低消費電力状態に移行させるためのタイマーのカウントをスタートさせる処理を行う。
このリーダ/ライタ106を低消費電力状態に移行させるためのタイマーは、いずれかのコマンドを受信することによってリセットされるようになっているが、この実施形態のように、RF通信に異常が生じ、テレビジョン受像機200からのコマンドを受信することができない状況では、コマンド受信はなく、タイマーはリセットされず、所定時間の経過後にタイムアップするようになっている。
そして、このタイマーがタイムアップすると、ステップS360´において、リモコンCPU103は、リーダ/ライタ106に対し、リーダ/ライタ終了コマンドを発行する。
このリモコンCPU103からのリーダ/ライタ終了コマンドをリーダ/ライタ106が受信すると、ステップS361´において、リーダ/ライタ106は、リーダ/ライタ終了コマンド受信に関するACKをリモコンCPU103に対して送信する。
なお、このステップS361´において、リモコンCPU103がリーダ/ライタ106からACKを受信すると、ステップS358´においてはじめからカウントが開始されていたリモコンCPU103を低消費電力状態に移行するためのタイマーはリセットされる。
そして、ステップS362´において、リーダ/ライタ106は、リモコンCPU103に対し、リーダ/ライタ終了コマンドに対する返答コマンドを送信し、リーダ/ライタ106は低消費電力状態に移行する。
なお、このステップS362´においても、リモコンCPU103がリーダ/ライタ106から返答コマンドを受信することによって、再び低消費電力状態に移行するためのタイマーがリセットされることとなる。
そして、ステップS363´において、リモコンCPU103を低消費電力状態に移行させるタイマーがカウントされていき、その間に、RF通信が正常に復帰しなければ、タイマーがタイムアップし、ステップS364´において、リモコンCPU103は自らを低消費電力状態に移行させる。
なお、このステップS363´におけるカウント継続中に、RF通信異常状態が修復して正常通信可能となり、リモコンCPU103に対し、テレビジョン受像機200のセットCPU205からリモコン制御CPU203介してコマンドが送信されてくると、リモコンCPU103による当該コマンドの受信に伴って、低消費電力状態に移行させるためのタイマーはリセットされて、処理は継続することとなる。
このように、この実施形態に係るリモコン100のリモコンCPU103は、リーダ/ライタ106から返答コマンドなどを受信したときに、自らを低消費電力状態に移行させるためのタイマーをリセットしてはじめからカウントされるように制御するとともに、リーダ/ライタ106を低消費電力状態に移行させためのタイマーのカウントをスタートさせるように制御し、そのリーダ/ライタ106用のタイマーの所定時間が経過した後に、リーダ/ライタ終了コマンドをリーダ/ライタ106に対して発行して、リーダ/ライタ106を低消費電力状態に移行させるようにしている。
これにより、RF通信に異常が生じた場合などのように、リモコンCPU103に対し、テレビジョン受像機200から正常にコマンドが送信されず、いつまで経ってもリーダ/ライタ106及びリモコンCPU103自身を低消費電力状態に移行させることができない場合に、電気消費量が大きくなってしまうという事態に対応することができるようになっている。
なお、リーダ/ライタ106の低消費電力状態設定については、後で詳細に説明する。
次に、リーダ/ライタ106への結線が断線している場合等、コマンドの送受信が正常に行われない状態におけるリモコンCPU103の低消費電力状態移行設定処理について、図21のシーケンス図を参照にして説明する。
図18及び図19におけるシーケンス図と同様に、ステップS400において、テレビジョン受像機200のセットCPU205は、テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203に対し、リーダ/ライタ用パケットを送信する。
ステップS401において、リモコン制御CPU203は、リモコンCPU103に対し、受信したリーダ/ライタ用パケットを送信する。
次に、ステップS402において、リモコンCPU103は、リーダ/ライタ106に対し、受信したリーダ/ライタ用パケットを送信する。
しかし、本実施の形態においては、リーダ/ライタ106への結線が断線等しているために、リモコンCPU103からリーダ/ライタ106に対し、リーダ/ライタ用パケットを送信することができない状態にあり、当然にリーダ/ライタ106からリーダ/ライタ用パケットの受信に関するACK、さらにはパケット返答コマンドが送信されない状態にある。
このような場合に、リモコンCPU103がリーダ/ライタ106からのコマンド受信を待ってから、リモコンCPU103自らを低消費電力状態に移行するように制御すると、リーダ/ライタ106への結線の断線が復帰するまで、リモコンCPU103が低消費電力状態に移行することができなくなってしまい、その間はリモコンCPU103の電力は消費されたままの状態となってしまう。
そこで、本実施の形態に係るリモコン100は、リーダ/ライタ106からのコマンドを監視し、コマンドの返答が得られない回数をカウントして所定回数以上になった場合には、返答結果を待たずにリモコンCPU103を低消費電力状態に移行する機能を持たせるようにしている。
つまり、具体的には、本実施の形態に係るリモコン100のリモコンCPU103は、コマンドを送信した回数をカウントするコマンド送信回数カウンタを有しており、ステップS402において、リモコンCPU103が、リーダ/ライタ106に対してリーダ/ライタ用パケットを送信すると、このリーダ/ライタ106へのコマンド送信の度に、そのコマンド送信回数カウンタが更新されるようになっている。そして、リーダ/ライタ106へのコマンド送信後、一定時間内にリーダ/ライタ106からACKやパケット返答が得られない場合には、再度、リモコンCPU103がリーダ/ライタ106に対して同一のコマンドを再送する。すると、そのコマンドの再送によって、再びコマンド送信回数カウンタが+1されて、カウンタが更新される。
このようにリーダ/ライタ106へのコマンド送信後、一定時間内にリーダ/ライタ106から返答が得られない場合には、リーダ/ライタ106に対して同一コマンドを再送し、その送信の度にコマンド送信回数カウンタを+1して更新するようにし、リーダ/ライタ106から返答が得られるまで、この動作処理を繰り返す。
そして、このコマンド送信回数カウンタには予め上限値が設定されており、例えば32回に設定された上限値までカウンタがアップすると、上述したように図17のフローチャートのステップS43において、回数カウンタがカウンタオーバーになったと判断され、同フローチャートのステップS31に戻り、リモコンCPU103は自らを低消費電力状態に移行させるようになっている(ステップS403)。なお、このコマンド送信回数カウンタの上限値は、32回に限られるものではない。また、リモコン100は、リーダ/ライタ106から正常な返答コマンドを、コマンド送信回数カウンタが上限値に到達するまでに受信できた場合には、そのコマンド送信回数カウンタをリセットするように制御している。
このように、本実施の形態に係るリモコン100は、リモコンCPU103によるコマンドの送信後、リーダ/ライタ106から一定時間内にコマンド送信に対する返答が得られない場合に、リモコンCPU103がコマンドを再送するとともに、コマンド送信回数カウンタを更新し、コマンドを送信した回数をカウントすることによって、コマンド送信先からの返答を監視するようにしている。そして、コマンド送信回数カウンタが予め定められた所定の上限値にまでカウントアップされたか否かを判断し、上限値に到達した場合には、リモコンCPU103が自らを低消費電力状態に移行するように制御している。これにより、リーダ/ライタ106への結線が断線している場合等、リモコンCPU103とリーダ/ライタ106との間におけるコマンドの送受信が正常に行われない状態において、リーダ/ライタ106からの返答を待ち続けて低消費電力状態に移行することができず、電力が大きく消費されてしまうことを回避することができるようになっている。
なお、リモコンCPU103が、リーダ/ライタ106に対してコマンドを送信してリーダ/ライタ106からのコマンド返答が得られない場合にのみ、上述の制御がなされるわけではなく、リモコンCPU103が、テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203に対してコマンドを送信した場合においても、同様の制御を行うことができる。
以上に説明したように、本実施の形態に係るリモコン100のリモコンCPU103は、リモコン100の操作キーが入力されるのに伴って、低消費電力状態にあったリモコン100を通常の電力状態に設定するとともに、タイマーを開始し、タイマーで設定した所定時間が経つまで、リモコンCPU103を低消費電力状態に設定しないようにしてRF送受信部102をONにしたままにし、テレビジョン受信機200からのコマンド受信を可能にしている。リモコン100の操作キーとテレビジョン受像機200の処理は同期しており、操作キーによるリモコン100の操作によってテレビジョン受像機200の機能を開始することから、このように制御することによって、例えば、リモコン100でテレビジョン受像機200を操作し、そのテレビジョン受像機200のメモリ204、例えばROMに格納されているプログラムにおいて、ICカード等の情報記録媒体に対する情報の読み書きを行うリーダ/ライタ機能が必要になった場合に、電力確認コマンドやリーダ/ライタ機能を持ち合わせているかを確認するコマンド等のコマンドのテレビジョン受像機200からの発行に対して、リモコンCPU103が低消費電力状態であり、そのコマンドを受信することができず、リーダ/ライタ機能を利用するのに必要なリモコンが見つけられなかったり、リーダ/ライタ機能を使用することができないという事態を回避することができる。
また、本実施の形態に係るリモコンCPU103は、テレビジョン受像機200からのRF受信時(テレビジョン受像機からコマンド受信時)及びリーダ/ライタ106からのコマンド受信時に、リモコンCPU103自身を低消費電力状態に移行させるためのタイマーをリセットして、タイマーを再度はじめからカウントされるようにしているので、例えば、テレビジョン受像機200からリモコンCPU103を介してリーダ/ライタ106に送信されたコマンドにおいて、リモコンCPU103が当該コマンドをリーダ/ライタ106に送信してから、リーダ/ライタ106が当該コマンドを実行し、返答コマンドをリモコンCPU103に送信するまでの間に、コマンド実行に伴う時間の間隔が生じたとしても、リーダ/ライタ106からリモコンCPU103への返答コマンドが送信される前に、リモコンCPU103自身が低消費電力状態に設定されてしまい、正常に返答コマンドを受信することができずに処理が完了できなくなるといった事態を回避することができる。
さらに、本実施の形態に係るリモコン100は、リーダ/ライタ106からのコマンドに対する返答を監視し、コマンドの返答が得られない回数をカウントして一定量以上になった場合に結果を待たずに低消費電力状態に設定するようにしている。すなわち、リモコン100は、リーダ/ライタ106へのコマンド送信毎にコマンド送信回数カウンタを+1し、所定時間内に返答が得られない場合には、再度コマンドを送信するとともにカウンタをさらに+1し、これを繰り返して、所定のカウント数まで返答が得られなければ、送信したコマンドに対するリーダ/ライタ106からの結果を待たずに、リモコンCPU103を低消費電力状態に設定するようにしている。これにより、リーダ/ライタ106への結線が断線した場合など、コマンドを送信してもリーダ/ライタ106から返答が得られない状況において、コマンドを送信してからいつまで経ってもリモコンCPU103を低消費電力状態に移行させることができないという事態を回避することができる。さらにまた、上述のように制御しても、リモコン100のCPU103は、リーダ/ライタ106から正常な返答コマンドを受信できた場合には、コマンド送信回数カウンタをリセットするように制御しているので、リーダ/ライタ106が正常に動作できる状態に結線が復帰したときに、リーダ/ライタ106へのコマンド発行を止めてしまうという事態を回避することが可能となっている。
以上が、本実施の形態に係るリモコン100における、リモコンCPU103自身を低消費電力状態に設定するための制御処理の説明であり、上述のように制御することによって、電池・電源部108が備える電池により駆動し、駆動時間が電池寿命により限界があるリモコン100の電力消費量を低減させることが可能になるとともに、リーダ/ライタ106等のテレビジョン受像機200からコマンド等を受信して制御する機能の処理を正常に行わせることが可能となる。
上述した本実施の形態に係るリモコン100のように、リーダ/ライタを備えるリモコンは、リーダ/ライタ106からの電磁波発生等により、電力を大量に消費し、電池・電源部108が備える電池寿命はますます短くなることから、本来リモコンに備えられることは適当でない。さらに、リモコン100は、上述のようにリモコンCPU106自体を効率的に低消費電力状態に制御することが可能であっても、リーダ/ライタ106が通常電力状態のままでは、リモコンCPU106自体を低消費電力状態に移行させることはできず、ますます電力消費量が増大することとなる。
そこで、本実施の形態に係るリモコン100は、そのリモコン100に備えられたリーダ/ライタ106を効率的に低消費電力状態に制御するために、電池が設定された電源投入時にリーダ/ライタ106を低消費電力状態に設定する。
また、リモコン100は、RF信号を用いた通信を行うため、突然、通信不能状態に陥ることがある。そこで、本実施の形態のリモコン100は、通信状態を監視して処理する制御を行うようにする。
以下、リーダ/ライタ106を低消費電力状態に設定するための処理動作について、図22及び図23のフローチャートを参照しながら説明する。この低消費電力設定処理において、図22はリモコン100の処理動作、図23はテレビジョン受像機200の処理動作をそれぞれ説明するものである。
例えば電源投入時等に、リモコン100、テレビジョン受像機200は、それぞれリーダ/ライタ106に対する低消費電力設定処理を開始する。
ステップS51において、リモコン100のCPU103は、リーダ/ライタ106を低消費電力状態に移行するためのコマンドを発行し、リーダ/ライタ106を低消費電力状態に設定する。これにより、リモコン100は、リーダ/ライタ106が使用されていない時の電力消費量を削減することが可能となる。
テレビジョン受像機200がリモコン100より操作命令を受信し、ステップS71において、テレビジョン受像機200のセットCPU205は、セットメモリ206のROMに格納されているプログラムにおいてリーダ/ライタ106のように情報記録媒体に対して情報の読み出し及び書き込みを行う機能(以下、リーダ/ライタ機能という。)を使用するか否かを判断する。
このステップS71において、セットCPU205は、リーダ/ライタ機能が必要であると判断した場合には、ステップS72に進み、セットメモリ206に格納されているプログラムにおいてリモコンがリーダ/ライタ機能を有するか否かを確認するためのコマンド(リーダ/ライタ確認コマンド)を発行し、テレビジョン受像機200との間で通信が可能な全てのリモコンに対してこのリーダ/ライタ確認コマンドを送信し、リモコン制御CPU203は、テレビジョン受像機200との間で通信が可能な全てのリモコンに対してこのリーダ/ライタ確認コマンドを送信し、リーダ/ライタ機能を有するか否かを問い合わせる。一方、このステップS71において、セットCPU205は、リーダ/ライタ機能が不必要であると判断した場合には、再度ステップS71の処理を行う。なお、本実施の形態では、リモコンに対して、リーダ/ライタ機能のみを問い合わせることに限定されず、リモコンが有する一般的な機能をまとめて問い合わせるような機能確認コマンドを用い、リーダ/ライタ機能も含む種々の機能についての確認が行えるようにしてもよい。
リモコン100のCPU103は、ステップS52において、テレビジョン受像機200よりリーダ/ライタ確認コマンドを受信したか否かを判断する。このステップS52において、リモコン100のCPU103は、テレビジョン受像機200よりリーダ/ライタ確認コマンドを受信したと判断した場合にはステップS53に進み、リーダ/ライタ機能を有する旨をテレビジョン受像機200に返答すると共に、以降のリーダ/ライタ106用のコマンドを受信するためにリーダ/ライタ106に対して低消費電力状態を終了するためのコマンド(低消費電力終了コマンド)を発行し、リーダ/ライタ106に対して低消費電力状態を終了するように設定する。一方、このステップS52において、リモコン100のCPU103は、テレビジョン受像機200よりリーダ/ライタ確認コマンドを受信していないと判断した場合には再度ステップS52の処理を行う。なお、本実施の形態は、リモコン100ではなくリーダ/ライタ機能を有しないリモコンを備えるようにしてもよく、この場合、リーダ/ライタ確認コマンドに対し、返答しないかリーダ/ライタ機能を有しない旨を返答する。
ステップS53において、リモコン100のCPU103は、リーダ/ライタ106の低消費電力状態を終了する設定を行う。
テレビジョン受像機200のセットCPU205は、ステップS73において、リーダ/ライタ機能を有するリモコンが存在するか否かを判断する。このステップS73において、セットCPU205は、リーダ/ライタ機能を有するリモコンが存在すると判断した場合にはステップS74に進む。一方、このステップS73において、セットCPU205は、リーダ/ライタ機能を有するリモコンが存在しないと判断した場合にはステップS71に戻る。
ステップS74において、テレビジョン受像機200のセットCPU205は、テレビジョン受像機200との間で通信が可能なリモコンの内、リーダ/ライタ機能を有するリモコンが一つだけ存在するか又は複数存在するかを判断する。このステップS74において、セットCPU205は、テレビジョン受像機200との間で通信が可能なリモコンの内、リーダ/ライタ機能を有するリモコンが一つだけ存在する(以下、これをリモコン100として説明する。)と判断した場合にはステップS76に進む。一方、このステップS74において、セットCPU205は、テレビジョン受像機200との間で通信が可能なリモコンの内、リーダ/ライタ機能を有するリモコンが複数存在すると判断した場合にはステップS75に進み、これらの複数のリモコンの中からテレビジョン受像機200と通信を行うリモコンを任意に一つ選択する(以下、この選択されたリモコンをリモコン100として説明する)。
リーダ/ライタ106は、電力を大量に消費するため、リモコン100とテレビジョン受像機200との間の通信が遮断されてしまった場合等、リーダ/ライタ機能を継続して使用できなくなった場合には早々にリーダ/ライタ機能の出力を止めるべきである。しかしながら、例えば、リモコン100のCPU106は、テレビジョン受像機200のプログラムよりコマンドの出力命令を受信した場合、その直後にリモコン100との間の通信が遮断されてしまった場合にリーダ/ライタ機能の出力を低下させることができない。そこで、リモコン100のCPU103は、予め設定された所定時間をカウントし、この所定時間の経過後にカウントをリセットするタイマー(図示せず)を備え、リーダ/ライタ106が低消費電力状態になっていない場合には常にこの所定時間をカウントし、カウントが一定時間に達した場合には、自ら低消費電力状態へ移行するためのコマンドを発行する。
リモコン100のCPU103は、リーダ/ライタ106が低消費電力状態ではない通常状態の場合、例えばステップS54において、タイマーをリセットして新たにカウントを開始する。
リモコン100のCPU103は、カウントが一定回数以上に達した場合にはリーダ/ライタ106を低消費電力状態に移行するためのコマンドを発行する。しかしながら、リモコン100が正常動作を行っている間は、リモコン100を低消費電力状態に移行しないようにする必要がある。ステップS55において、リモコン100のCPU103は、カウントを継続しており、その間、リモコン100に対する有効なコマンドをRF信号により受信したか否か、又は、リーダ/ライタ106より正常なコマンドを受信したか否かを判断する。このステップS55において、リモコン100のCPU103は、リモコン100に対する有効なコマンドをRF信号により受信した、又は、リーダ/ライタ106より正常なコマンドを受信したと判断した場合にはステップS56に進む。一方、このステップS55において、リモコン100のCPU103は、何れかのコマンドを受信する前にタイマーがカウントする所定時間がタイムアップした場合には、ステップS51に戻る。
なお、このステップS55においては、リモコン100のCPU103が自らプログラムにおいてリーダ/ライタ106を低消費電力に設定するためのコマンドを発行した場合、又は、テレビジョン受像機200のセットCPU205がプログラムにおいてリーダ/ライタ106を低消費電力に設定するためのコマンドを発行し、リモコン100がこれを受信した場合にはステップS56に進む処理を行うようにしてもよい。
テレビジョン受像機200のセットCPU205は、ステップS76において、リモコン100にリーダ/ライタ106を用いた処理を行うだけの十分な電力があるか否かを確認するための電力確認コマンドを発行し、リモコン制御CPU203にこの電力確認コマンドをリモコン100に送信するように命令し、リモコン制御CPU203は、この電力確認コマンドをリモコン100に送信してリーダ/ライタ106を用いた処理を行うだけの十分な電力があるか否かを確認する。
リモコン100のCPU103は、ステップS56において、テレビジョン受像機200より電力確認コマンドを受信したか否かを判断する。このステップS56において、リモコン100のCPU103は、テレビジョン受像機200より電力確認コマンドを受信したと判断した場合にはステップS57に進む。
ステップS57において、リモコン100のCPU103は、リーダ/ライタ106に対して電力確認を行う電力確認コマンドを発行する。
テレビジョン受像機200より電力確認コマンドを受信したと判断したリモコン100のCPU103は、ステップS58において、リーダ/ライタ106を用いた処理を行うのに十分な電力があるか否かを判断する。このステップS58において、リモコン100のCPU103は、一旦、リーダ/ライタ106より、ICカードに対するデータの読み出し及び書き込みに必要な電磁波を出力させ、即座にこの電磁波の出力を停止する。リモコン100のCPU103は、電磁波の出力の開始から停止までの所定時間にリーダ/ライタ106のバッテリー残量、パワー等を計測し、リーダ/ライタ106がICカードに対して正常にデータの読み出し及び書き込みを行うのに十分な電力量を有するか否かを判断する。このステップS58において、リモコン100のCPU103は、リーダ/ライタ106がICカードに対して正常にデータの読み出し及び書き込みを行うのに十分な電力量を有すると判断した場合にはステップS59に進み、リーダ/ライタ106がICカードに対して正常にデータの読み出し及び書き込みを行うのに十分な電力量を有しないと判断した場合にはステップS51に戻る。
ステップS59において、リモコン100のCPU106は、リーダ/ライタ10十分な電力量がある旨を返答するための電力確認コマンドをテレビジョン受像機200に対して送信し、ステップS54に戻る。
ステップS77において、テレビジョン受像機200のリモコン制御CPU203は、電力確認コマンドを受信したか否かを判断し、電力確認コマンドを受信したと判断した場合にはステップS78に進み、電力確認コマンドを受信していないと判断した場合にはステップS71に戻る。
ステップS78において、テレビジョン受像機200のセットCPU205は、タイマーのカウントによって定められる一定時間内にリーダ/ライタ106に対して送信するコマンドがあるか否かを判断する。このステップS78において、セットCPU205は、リーダ/ライタ106に対して送信するコマンドがあると判断した場合にはステップS79に進み、リーダ/ライタ106に対して送信するコマンドがないと判断した場合にはステップS80に進む。
ステップS79において、テレビジョン受像機200のセットCPU205は、リーダ/ライタ106の機能を発揮させるためのコマンドを発行し、リモコン制御CPU203にこのコマンドをリモコン100に送信するように命令し、リモコン制御CPU203は、このコマンドをリモコン100に送信し、ステップS78に戻る。
ステップS80において、テレビジョン受像機200のセットCPU205は、リーダ/ライタ106の使用を終了するか否かを判断し、リーダ/ライタ106の使用を終了すると判断した場合にはステップS71に戻り、リーダ/ライタ106の使用を終了しないと判断した場合にはステップS81に進む。
テレビジョン受像機200のセットCPU205は、画面表示部207やインターネット接続部208を介したネットワーク等へのアクセスに対する待ち時間の間にリーダ/ライタ106の機能が自動的にオフとなることを防止する必要がある。
そこで、テレビジョン受像機200のセットCPU205は、ステップS81において、リモコン100が備えるタイマーが行うカウントよりも短い間隔で、リモコン100に対して通信状態が正常であるか否かを確認するためのコマンド(通信状態確認コマンド)を発行し、リモコン制御CPU203にこの通信状態確認コマンドをリモコン100に送信するように命令し、リモコン制御CPU203は、この通信状態確認コマンドをリモコン100に送信する。
これにより、たとえ通信状況に問題がない場合であってもリモコン100側でリーダ/ライタ106の機能が使用できなくなることを回避するとともに、通信状況の確認のためにリモコン100がRF信号を出力する必要がなくなるため、リモコン100の電力消費を抑制することが可能となる。
リモコン100のCPU103は、ステップS60において、テレビジョン受像機200より通信状態確認コマンドを受信したか否かを判断し、受信したと判断した場合はステップS54に戻り、受信していないと判断した場合にはステップS61に進む。
ステップS61において、リモコン100のCPU103は、テレビジョン受像機200より、リーダ/ライタ106に情報の読み出し及び書き込みを行うためのコマンドを受信したか否かを判断し、受信したと判断した場合にはステップS62に進み、受信していないと判断した場合にはステップS55に戻る。
ステップS62において、リモコン100のCPU103は、テレビジョン受像機200より受信したコマンドに基づくデータ処理、例えばリーダ/ライタ106に情報の読み出し及び書き込みを行い、ステップS54に戻る。
このように、通信システム1においては、リモコン100の電源投入時にリーダライタ106に低消費電力状態への移行コマンドを発行することにより、従来のリモコンにおける電源投入時よりも低消費電力を実現することが可能となる。
また、通信システム1においては、リモコン100が正常に動作している場合には低消費電力状態に移行しないように、リモコン100は、リモコン100に対する有効なコマンドをRF信号により受信した場合、又はリーダ/ライタ106から正常なコマンドを受信した場合にはタイマーのカウントをリセットし、また、リモコン100は、自ら発行したか、テレビジョン受像機200のプログラムにおいて発行されたリーダ/ライタ106を低消費電力状態に設定するためのコマンドを受信してコマンド処理に成功した場合には、このタイマーのカウントをリセットして停止することにより、リモコン100が無駄にリーダ/ライタ機能を有効な状態にし続けることを防止できる。
また、通信システム1においては、リモコン100は、テレビジョン受像機200よりリーダ/ライタ機能の存在を確認するコマンドを受信した場合に、リーダライタ106に低消費電力状態を終了するためのコマンドを発行することにより、リーダ/ライタ106は、リモコン100によって操作されるテレビジョン受像機200からのコマンドに対して即時に返答ができ、低消費電力状態に設定した場合であっても高速な反応が実現できる。
また、通信システム1においては、リモコン100によって操作されるテレビジョン受像機200からリーダ/ライタ106を有効にするためのコマンドを受信した場合、一度リーダ/ライタ106の機能を出力して電力状態を測定し、その後、リーダ/ライタ106の機能の出力を止めるようにすることにより、コマンドの処理途中にではなくコマンドの処理開始時点でリモコン100の電力不足を確認することが可能となる。
また、通信システム1においては、リモコン100によって操作されるテレビジョン受像機200から、リーダ/ライタ106の電力確認コマンドを受信した場合に、タイマーはカウントを開始し、一定時間テレビジョン受像機200又はリーダ/ライタ106から有効なコマンドを受信しなかった場合に、リーダ/ライタ106に低消費電力状態への移行コマンドを発行することにより、テレビジョン受像機200との通信が遮断された場合に、リモコン100のリーダ/ライタ106の機能を出力し続けて電力を無駄に消費することを回避できる。
また、通信システム1においては、リーダ/ライタ106を低消費電力状態へ移行するためのタイマーをリセットするように命令するコマンドを発行することにより、リモコン100のリーダ/ライタ106の機能の出力が必要なタイミングを判っているテレビジョン受像機がリーダ/ライタ106の機能の出力の継続を指示できるようになり、リーダ/ライタ機能を出力するタイミングを正確に制御することが可能となる。
なお、本発明は上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
例えば、上述の実施形態においては、リモコン100は、RFIDにより非接触型のICカードに対して情報の読み出し及び書き込みを行うようにしたが、リモコンが接触型の磁気カードに対して情報の読み出しまたは書き込みを行うような構成としてもよい。また、非接触型の情報記録媒体としては、ICカードに限られず、例えば、非接触ICカードの機能を備えた携帯電話等の電子機器等を用いるようにしてもよいことは上述の通りである。
また、このリモコン100の基板上の各部材の配置構成を、図6において示したが、当該各部材の配置は、これに限られるものではない。
1 通信システム、100 リモコン、101 アンテナ、102 RF送受信部、103 CPU、104 メモリ、105 キー操作部、106 リーダ/ライタ、107 アンテナ、200 テレビジョン受像機、201 アンテナ、202 RF送受信部、203 リモコン制御CPU、204 メモリ、205 セットCPU、206 セットメモリ、207 画像表示部、208 インターネット接続部
10 筐体、10a 表面カバー、10b 裏面カバー、11a〜11c 操作キー部材、12 基板、13 電源キー、14 選択キー、14a 方向キー、14b 決定キー、14c 表示選択キー、15 アップダウン選局キー、16 音量調節キー、17 機能キー、18a〜18l 数字キー、19,19a,19b ループアンテナ、20 カード読み書き部、30 カード読み書き部