JP2009165772A - 棒状物のロック機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成で、係止力を増大したり操作性を向上する。
【解決手段】 棒状物7を被取付部材6に対し解除可能に係止するロック機構5において、前記棒状物7は先端部に係止部7aを有し、ロック機構5は棒状物7を挿入可能な開口24及び棒状物7の係止部7aと係合する係止部23を有したロック部材2と、ロック部材2を前記係合方向へ付勢する付勢手段Sと、ロック部材2を操作する操作部3とを備え、棒状物7を開口24へ挿入すると、ロック部材2が付勢手段Sの付勢により移動して、係止部同士の係合により該棒状物7を引き抜き不能にするロック状態となり、ロック部材2が操作部3を介した操作によって移動前のロック解除状態に復帰されるようにした。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば、寝台などを構成している差込式側柵を固定フレームに解除可能に係止するに好適なロック機構に関するものである。
例えば、病院等で使用されている寝台には、寝台側部に立設されて布団や患者等の落下を防止したり寝台への乗り降りをし易くするため側柵(サイドレール)が取り外し可能に設けられている。その側柵は、特許文献1に開示のごとく固定フレームに対しロック機構を介して不用意に外れないよう固定される。そのロック機構は、側柵の脚部に装着される弾性のロック具と、固定フレーム(サイドレール)側に設けられる被係止部とからなる。被係止部は、側柵の脚部を差し込むホルダー部の周囲に貫通孔として形成に設されている。ロック具は、本体及び該本体の先端から下向きに延設された片部と、該片部に設けられて前記被係止部に係脱する凸形の係止部及び解除用操作部とを有している。そして、この構造では、脚部が固定フレーム側ホルダー部に差し込まれると、前記係止部及び解除用操作部が該脚部に設けられた対応する貫通孔からそれぞれ外へ突出配置されて脚部を引き抜き不能にするロック状態となり、操作部を押すと被係止部に係合している係止部が係合解除されて脚部を引き抜くことができる。
特開2003−299553号公報
以上のロック機構では、特に患者が不用意に解除操作し難いことと、係止力が高く簡単に抜けないこと、老人などが側柵を着脱し易いように操作性に優れていることが要求される。ところが、従来構造では、係止力がロック具の弾性を利用しているため増大し難く、また、例えば操作部を押して全てのロック機構を解除し、その解除状態を保って側柵を引き抜かなければならず操作性が悪かった。
そこで、本発明の目的は、例えば、簡単な構成で、係止力を増大したり、操作性を向上することにある。
上記目的を達成するため請求項1の本発明は、棒状物を被取付部材に対し解除可能に係止するロック機構において、前記棒状物は先端部に係止部を有し、前記ロック機構は前記棒状物を挿入可能な開口及び前記棒状物の係止部と係合する係止部を有したロック部材と、前記ロック部材を前記係合方向へ付勢する付勢手段と、前記ロック部材を操作する操作部とを備え、前記棒状物を前記開口へ挿入すると、前記ロック部材が前記付勢手段の付勢力により移動して、前記係止部同士の係合により該棒状物を引き抜き不能にするロック状態となり、前記ロック部材が前記操作部を介した操作によって前記移動前のロック解除状態に復帰されることを特徴としている。
以上の本発明において、棒状物は、取付部が棒状であればよく主要部としては側柵など何でもよい。被取付部材は、棒状物をロック機構を介して固定する部材や該部材の取付部である。そして、棒状物は、先端側に設けられた係止部を有し、該係止部がロック機構を構成しているロック部材の係止部と係合する。作動特徴は、特許文献1に比べてロック部材を付勢力により移動して棒状物をロック状態にするため係止力を増大できることと、形態に示したようにロック部材がロック解除状態でもロック状態でも棒状物の開口への挿入によりロック部材の付勢力による移動を伴って常にロック状態となり、また、ロック部材が操作部を介した操作により移動前のロック解除状態に切り換えられ点にある。
以上の本発明は、請求項2〜4のように具体化されることがより好ましい。
(ア)請求項1において、前記ロック部材の移動を案内する略J字形の溝と、前記ロック部材に設けられて前記溝に嵌合している二つの軸とを有し、前記軸の一方が前記溝の折り曲がった鉤部に入ったときに前記ロック部材を前記ロック解除状態に維持する構成である(請求項2)。
(イ)請求項1及び2において、前記ロック解除状態から、前記棒状物の前記開口への挿入に連動して前記ロック部材を揺動して前記ロック状態に切換可能にする連動切換手段を有している構成である(請求項3)。
(ウ)請求項1から3の何れかにおいて、前記棒状物の係止部は先端側を径大部にしその上を径小部にした略首状をなし、前記ロック部材の係止部は前記径小部に係合する略U状をなし、かつ上面が前記棒状物の下端で押されると該ロック部材を移動可能にする傾斜面となっている構成である(請求項4)。
請求項1の発明では、棒状物を開口へ挿入すると、ロック部材が付勢力による移動を伴って、棒状物側係止部とロック部材側係止部とが係合してロック状態となる。この利点は、ロック部材の係止力を強くできことに加え、棒状物が図4のロック解除状態に限られず図5のロック状態でも常にロックされるため操作性を向上できる。また、ロック部材が操作部を介した操作によって図6のごとく移動前のロック解除状態に復帰されるため、棒状物の取り外し操作性も向上できる。
請求項2の発明では、略J字形の溝とロック部材側の軸との簡単な構成によって、ロック部材を安定移動したり付勢力に抗してロック解除状態に保つことが可能で、それにより、例えば、形態のごとく複数の棒状物を対応するロック機構を介して固定する場合、各ロック機構を予めロック解除状態にした後、棒状物を両手を使って固定操作できる。
請求項3の発明では、ロック解除状態から、棒状物の挿入に伴ってロック部材を連動切換手段を介してロック状態に切り換えるため操作性に優れている。
請求項4の発明では、ロック部材がロック状態において、棒状物の挿入により一旦ロック解除方向へ移動した後、再び付勢力で係合方向へ移動されて棒状物をロック状態に切り換える構成例であり、簡易に実施可能となる。
以下、本発明の最適な形態を図面を参照しながら説明する。図1はロック機構の適用例を示し、図2と図3はロック機構の構成を示し、図4〜図6はロック機構の作動を示している。
(機構)形態のロック機構5は、ケース1、ロック部材2、操作部材3、付勢ばねS、可動ピン4を備え、図1(a)に示されるごとく固定フレーム6に対し着脱する物品(例えば、寝台を構成している側柵)の対応フレーム部8に設けられた複数の棒状物7,7を解除可能に係止する場合に好適なものである。各棒状物7は先端側に係止部7aを形成している。この係止部7aは、棒状物先端側を径大部にしその上を径小部にした略首状をなしている。なお、ケース1、ロック部材2、操作部材3は樹脂成形品であるが、樹脂以外でも差し支えない。
ケース1は、内部が上面10及び下面11、両側面12、一方端面13で区画されて、他方端面が矩形窓状に開口14されている。上面10は、左右が長くなっており、その延長部に設けられた取付孔10aと、中央部に設けられた差込孔15とを有している。上面10及び下面11の内面には、幅方向に延びた略筒状取付部16が複数設けられている。両側面12は、対向して設けられた略J字形の溝17、及び内面にあって左右に延びているガイド溝18とを有している。溝17は、水平方向に延びた直線溝部17aと、直線溝部17aの先端から下向きに延びた鉤部17bとで構成されている。ガイド溝18は、操作部材3をガイドする断面コ形状の溝である。開口14は操作部材3の対応部を出没する窓である。下面11には、図5に示されるように、開口14側にあってほぼ中間位置に小片部19が設けられている。該小片部19の内側(一方端面13と対向している側)は、傾斜面に形成されているとともに、該傾斜面の上側にばね用掛止部19aを有している。
以上のケース1は、ロック部材2、操作部材3、付勢ばねS、可動ピン4を組み込んだ後、各側面12が止め具8を使用して対応取付部16に固着される。また、固定フレーム6に対し上面10を当接した状態で取付孔10aを介して固着されることになる。固定フレーム6には、差込孔6aがケース側の差込孔15と同軸線上に設けられている。
ロック部材2は、図2〜図4に示されるように、前部20及びその内側に設けられた係止部23と、両側部21と、後部22とで区画された概略小ブロック状をなし、中央部が上下貫通した開口24となっている。前部20は、上下幅が小さく、内側に棒状物7の係止部7aと係合する係止部23を形成している。この係止部23は、前部20及び両側部21に一体化された状態で略U状となっているとともに、上面が前側から後側へ向かって低くなる傾斜面23aに形成されている。両側部21は、前端にあって左右対向して設けられたボス部25a及び該ボス部中心に突設された軸26と、略前後中間にあって左右対向して設けられたボス部25b及び該ボス部中心に突設された軸27と、後側にあって左右対向して設けられた傾斜溝28とを有している。この傾斜溝28は、前側に行くほど下に変位する傾きとなっている。なお、ボス部25aは、ボス部25bより少し高く設けられている。後部22は、下に行くほど前側に逃げる傾斜壁となっており、該傾斜壁の下端中央に突設したばね用掛止部29を有している。
以上のロック部材2には、可動ピン4が傾斜溝28と傾斜溝28との間に摺動自在に組み込まれる。可動ピン4は、金属製であり、両端が対応する傾斜溝28に通された状態で溝外側から溝幅より大きな部材で抜け止め処理されている。なお、可動ピン4及び傾斜溝28は本発明の連動切換手段を構成している。
操作部材3は、ケース側開口14に対応した形状の後部30と、後部30の前端に一体化されてロック部材2の後側を内側に配置可能な略コ形状の前部31とからなる。後部30の後端面32は、ロック部材3をロック状態からロック解除状態に切り換えるときに指等で押す操作面となる。後部30の上下両側の各角部33,34は、摺動特性及び外観特性の点から面取り処理されている。また、後部30には、図2(b)のごとく前部31の後側に向かって切り欠いた空洞35が設けられている。この空洞35は、前と下側を開口し、付勢ばねS及びケース側の小片部19を逃げる大きさとなっている。これに対し、前部31は、概略三角形状になっていて、先端側にあって対向して設けられた軸孔31aと、両側面から後部30の各側面に亘って設けられている突部36とを有している。
以上の操作部材3には、ロック部材2が前部31の各軸孔31aに対応する軸27を嵌合することにより回動可能に支持される。ロック部材2及び操作部材3は、その状態から、ケース1に対し付勢ばねSとともに組み込まれる。まず、付勢ばねSは、一端がケース小片部側の掛止部19aに係止され、他端がロック部材側の掛止部29に係止される。両側面12は、ロック部材側の各軸26,27が対応するJ字形の溝17に嵌合されるとともに、操作部材側の各突部36が対応するガイド溝18に嵌合させた状態で、ケース1に対し固定操作されることになる。図1(b)と(c)のロック機構5はそのようにしてケース1を介してユニット化されたロック装置である。
(作動)以上のロック機構5の主な作動を図4〜図6を参照しながら詳述する。図4と図5は棒状物7を挿入して抜け止めするときの2つの作動例を示し、図6は棒状物7を引き抜くときの作動例を示している。このロック機構5は、棒状物7を被取付部材に対し解除可能に係止するものであるが、単独ではロック解除状態又はロック状態となっている。ロック解除状態では、ロック部材2が操作部材3と共に付勢ばねSに付勢力に抗して(付勢力蓄積)各図の左側へ移動され、軸27を支点として前部20を下側へ回動した姿勢で、軸26がガイド溝17の鉤部17bに嵌合し、軸27が直線溝部17aに嵌合している。図1(b)と図4(a)及び図6(b),(c)はそのロック解除状態を示している。ロック状態では、ロック部材2が操作部材3と略並行な姿勢で共に付勢ばねSの付勢力により(付勢力解放)各図の右側、つまり操作部材3が開口14から突出する方向へ移動され、軸26及び軸27が直線溝部17aに嵌合している。図1(c)と図4(c)及び図5(a),(c)はロック状態を示している。
(ア)図4はロック機構5のロック解除状態で棒状物7を挿入係止する場合を示している。この例では、棒状物7がケース側差込孔15からロック部材2の開口24に挿入されると、図3(a)のごとく可動ピン4に当たって該可動ピン4を下向きに押圧する。すると、ロック部材2は、直線溝部17に嵌合している軸27を支点として同図の矢印方向へ回動し、軸26が鉤部17aから直線溝部17に移行する。すると、この機構では、棒状物7が開口24内に挿入されると同時に、ロック部材2が操作部材3と共に付勢ばねSの付勢力により図3(c)の矢印方向へ移動される。この結果、棒状物7は、係止部7aがロック部材側係止部23と係合されて引き抜き不能なロック状態となる。
(イ)図5はロック機構5のロック状態で棒状物7を挿入係止する場合を示している。この例では、棒状物7がケース側差込孔15からロック部材2の開口24に挿入されてくると、図3(b)において、左側の棒状物7のごとく該棒状物先端が傾斜面23aに当たって傾斜面23aを押圧する。すると、ロック部材2は、その押圧の水平方向の応力により前方へ押されて、付勢ばねSの付勢力に抗して図5(b)の矢印方向へ移動される。すると、この機構では、棒状物7が傾斜面23aを通り抜けと同時に、ロック部材2が付勢ばねSの付勢力により元の図5(c)の矢印方向へ移動される。この結果、棒状物7は、係止部7aがロック部材側係止部23と係合されて引き抜き不能なロック状態となる。
(ウ)図6は図4(c)や図5(c)のロック状態からロック解除状態に切り換えて棒状物7を引き抜く場合を示している。この例では、操作部材3の操作面32を図6(a)の矢印方向へ押して、操作部材3をロック部材2と共に付勢ばねSの付勢力に抗してケース内側へ移動する。すると、ロック部材2は、図6(b)のごとく軸26が直線溝部17aから鉤部27bに移行されて、ロック機構5としてはロック解除状態に維持される。このロック解除状態から、棒状物7を引き抜く。この過程では、図3(b)において、右側の棒状物7のごとく該棒状物先端の径大部が可動ピン4に当たって、該可動ピン4を傾斜溝28の下から上側へ逃がすことで、棒状物7が可動ピン4に邪魔されることなくスムースに引き抜かれることになる。以上の可動ピン4は、付勢ばねなどによりロック部材2側に付勢しておき、棒状物7を引き抜くときに可動ピン4をその付勢力に抗して傾斜溝28に沿って逃がすようにすることが好ましい。その場合は、可動ピン4が棒状物7に対する仮保持機能としても作用することになる。
なお、本発明のロック機構は、以上の形態をベースにして細部は必要に応じて種々変更したり展開可能なものであり、また、抜止機構として捉えたり、ケースを含めてロック装置として捉えることも可能である。
本発明形態としてロック機構の適用例を示し、(a)は棒状物及び被取付部材並びにロック機構の配置例を示し、(b)はロック機構をロック解除状態で示し、(c)はロック状態で示している。 上記ロック機構の要部を示し、(a)はケース側板を外した状態で示し、(b)はロック部材と操作部材との関係を示す構成図である。 上記ロック部材と操作部材との作動を示し、(a)はロック部材が棒状物の挿入により回動されてロック解除状態からロック状態に切り換えられる作動を示し、(b)はロック部材の回動後の動き及び棒状物がロック状態で挿入されたときの動きをを示している。 上記ロック機構の作動として、(a)は棒状物がロック部材のロック解除状態で挿入されるところを示し、(b)はロック部材が挿入される棒状物により回動したところを示し、(c)はロック部材がロック状態に切り換えられたところを示している。 上記ロック機構の作動として、(a)は棒状物がロック部材のロック状態で挿入されるところを示し、(b)はロック部材が挿入される棒状物により移動されるところを示し、(c)はロック部材がロック状態に切り換えられたところを示している。 上記ロック機構の作動として、(a)は棒状物をロック部材のロック状態から引き抜くところを示し、(b)はロック部材が引き抜かれる棒状物によりロック解除状態に切り換えられるところを示し、(c)は棒状物を引き抜いたところを示している。
符号の説明
1…ケース(10は上面、11は下面、12は側面)
2…ロック部材(23は係止部、23aは傾斜面、24は開口)
3…操作部材(操作部)
4…可動ピン(連動切換手段)
5…ロック機構
6…固定フレーム(被取付部に相当し、8aは差込孔)
7…側柵の棒状物(7aは係止部)
26,27…軸
28…傾斜溝
S…付勢ばね(付勢手段)

Claims (4)

  1. 棒状物を被取付部材に対し解除可能に係止するロック機構において、前記棒状物は先端部に係止部を有し、前記ロック機構は前記棒状物を挿入可能な開口及び前記棒状物の係止部と係合する係止部を有したロック部材と、前記ロック部材を前記係合方向へ付勢する付勢手段と、前記ロック部材を操作する操作部とを備え、
    前記棒状物を前記開口へ挿入すると、前記ロック部材が前記付勢手段の付勢力により移動して、前記係止部同士の係合により該棒状物を引き抜き不能にするロック状態となり、前記ロック部材が前記操作部を介した操作によって前記移動前のロック解除状態に復帰されることを特徴とする棒状物のロック機構。
  2. 前記ロック部材の移動を案内する略J字形の溝と、前記ロック部材に設けられて前記溝に嵌合している二つの軸とを有し、前記軸の一方が前記溝の折り曲がった鉤部に入ったときに前記ロック部材を前記ロック解除状態に維持することを特徴とする請求項1に記載の棒状物のロック機構。
  3. 前記ロック解除状態から、前記棒状物の前記開口への挿入に連動して前記ロック部材を揺動して前記ロック状態に切換可能にする連動切換手段を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の棒状物のロック機構。
  4. 前記棒状物の係止部は先端側を径大部にしその上を径小部にした略首状をなし、前記ロック部材の係止部は前記径小部に係合する略U状をなし、かつ上面が前記棒状物の下端で押されると該ロック部材を移動可能にする傾斜面となっていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の棒状物のロック機構。
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