JP2009163507A - 熱交換機器診断システム - Google Patents

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Abstract

【課題】流体の流量と伝熱係数との関係または伝熱係数の変化を把握し熱交換機器の劣化の診断を行う熱交換機器診断システムを実現すること。
【解決手段】シミュレーションにより熱交換機器の運転状態を把握する熱交換機器診断システムにおいて、実プラントの実測値に基づき実プラントの状態をリアルタイムで再現するトラッキングシミュレータを用い、このトラッキングシミュレータをトラッキングパラメータとして伝熱係数を選択して前記実プラントと並行に動作させて実測値とシミュレータ値が一致するまで伝熱係数を調整することにより伝熱係数の推定値を求め、これら推定値の変化傾向に基づき前記熱交換機器における伝熱性能の劣化状態を判断することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、熱交換機器診断システムに関し、詳しくは、熱交換機器における伝熱性能の劣化診断に関する。
従来、化学、石油、ガスおよび薬品などの実プラント(以下、プラントという)に設置される温度センサ、流量計、バルブ、アクチュエータ、コントローラなどのフィールド機器で得られる温度、流量、圧力などのプラントの状態量(以下、実測値という)に基づき、プラントの動作をシミュレートするための数式などにより予めモデル化されたモデル式(以下、プラントモデルという)を用いてプラントの動作と並行してシミュレーション(以下、トラッキングシミュレーションという)を行い、プラントの測定不可能な部分の温度、圧力などの状態量をリアルタイムに推定し、状態量の推定値を求めるプロセスシミュレータがある。
一方、プラントでは液体や気体などの流体の熱を他の流体に移動させる熱交換を行う熱交換機器が設置されることがある。プロセスシミュレータでは、この熱交換機器の動作もモデル化されている。従来プロセスシミュレータは、プロセスシミュレーションを行って熱交換機器の運転監視および熱交換機器の内部状態を把握していた。
従来のプロセスシミュレータを利用し、熱交換機器の運転監視および熱交換機器の内部状態を把握する熱交換機器シミュレータに関連する先行技術文献としては次のようなものがある。
特開平7−281727号公報 特開2005−332360号公報
図5は、従来の熱交換機器シミュレータの構成ブロック図である。プラント1は熱交換機器11および図示しない温度センサ、流量計、圧力センサ、バルブ、アクチュエータ、コントローラなどのフィールド機器がそれぞれ設置され、プラント1内のセンサで得られる測定値(以下、実測値という)を熱交換機器シミュレータ2に送信する機能を有する。
熱交換機器シミュレータ2は、プロセスシミュレータ21、表示制御部22、LCD(Liquid Crystal Display)などの表示部23から構成される。プロセスシミュレータ2は、プラント1の動作をシミュレートするための数式などにより予めモデル化されたモデル式(以下、プラントモデル)を有しプラント1の動作を推定するシミュレート機能を有する。表示制御部22はグラフなどの画面表示を制御する表示制御機能を有している。
またプロセスシミュレータ21では、熱交換機器11の特性を表す伝熱係数の理論式である以下の数式(1)を用いて熱交換機器11の動作がモデリングされている。
U=Udes×(F・mw/Fwdesα・・・(1)
U:伝熱壁との伝熱係数
des:設計伝熱係数
F:流体の流量
mw:平均分子量
Fwdes:設計流量
α:比例指数
プラント1はプロセスシミュレータ21に接続され、プロセスシミュレータ21は表示制御部22に接続される。表示制御部22は表示部23に接続される。
図5において、プラント1はプラント1内のフィールド機器で得られる流量、熱交換機器の入口温度または出口温度などの測定値(以下、実測値)や、フィールド機器の操作量および設定値などをプロセスシミュレータ21に送信する。プロセスシミュレータ21は、実測値、操作量、設定値に基づきプラントモデルを利用してシミュレーションを行う。
プロセスシミュレータ21は、プラント1および熱交換機器11の実際の動作と並行してリアルタイムにシミュレーションを実施し、プラント1の状態量および熱交換機器11の出口温度、入口温度、流量などの状態量などの推定値を求める。
また、プロセスシミュレータ21は、実測値およびシミュレーションにより求められる推定値を表示制御部22に出力する。
表示制御部22は、プロセスシミュレータ21からの実測値および推定値に基づいて、実測値および推定値を時系列に示したトレンドグラフなどを表示部23に表示する。この結果、オペレータは表示部23のグラフに基づきプラント1および熱交換機器11の状態を把握できる。
このように、熱交換機器シミュレータ2はシミュレーションを行うことにより、プラントおよび熱交換機器の内部状態を把握できる。
ところで、熱交換機器は汚れの付着などによる経年変化によって伝熱係数が変化して性能が劣化することがあり、適宜メンテナンスや交換を行う必要がある。このような熱交換機器の性能劣化を把握するのにあたっては、プラントの停止時に熱交換換器の伝熱管の汚れ物質の量を直接計測したり、改めて実験を行っていた。
しかしながら、熱交換機器は、熱交換機器の特性を表す伝熱係数をシミュレータ上で正確にモデリングを行うことが難しいという問題点があった。
具体的には、熱交換機器の伝熱係数は、上述の数式(1)で表されるものの、熱交換機器を流れる流体が強制対流層流の場合と強制対流乱流の場合とで理論式が異なる。熱交換機器を流れる流体が強制対流層流または強制対流乱流のいずれになるかは、モデリング時には一見して把握できないので、最適なモデリングを行うには熱交換機器を流れる流量と伝熱係数との関係を事前に実験で求めておかなければならないといった問題点があった。
さらに、経年変化により熱交換機器の伝熱係数が変化してその伝熱性能が劣化すると、改めて実験をしないと熱交換機器に流れる流量と伝熱係数との関係を求めることができず最適なモデリングを行うことができないので、通常の運転中に伝熱係数の変化を把握することは困難であるという問題点があった。
本発明は上述の問題点を解決するものであり、その目的は、実験を行うことなく流体の流量と伝熱係数との関係および伝熱係数の変化を把握し、熱交換機器における伝熱性能の劣化を把握することができる熱交換機器診断システムを実現することである。
このような課題を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、
シミュレーションにより熱交換機器の運転状態を把握する熱交換機器診断システムにおいて、
実プラントの実測値に基づき実プラントの状態をリアルタイムで再現するトラッキングシミュレータを用い、
このトラッキングシミュレータをトラッキングパラメータとして伝熱係数を選択して前記実プラントと並行に動作させて実測値とシミュレータ値が一致するまで伝熱係数を調整することにより伝熱係数の推定値を求め、
これら推定値の変化傾向に基づき前記熱交換機器における伝熱性能の劣化状態を判断することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、
請求項1記載の熱交換機器診断システムにおいて、
トラッキングパラメータとして前記熱交換機器の伝熱係数を選択して前記実プラントと並行に動作させて実測値とシミュレータ値が一致するまで伝熱係数を調整することにより伝熱係数の推定値を求める前記トラッキングシミュレータと、
このトラッキングシミュレータで求めた推定値に基づき、前記熱交換機器の伝熱係数テーブルを生成するテーブル生成部と、
このテーブル生成部で生成された伝熱係数テーブルを記憶する記憶部と、
この記憶部に記憶された伝熱係数テーブルの推定値の変化傾向に基づき前記熱交換機器における伝熱性能の劣化状態を判断する解析診断部とから構成されることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、
請求項2記載の熱交換機器診断システムにおいて、
前記テーブル生成部は、
前記熱交換機器を流れる流量と伝熱係数の推定値の時間変化が安定したときに、前記熱交換機器を流れる流量および当該流量における伝熱係数に基づき前記伝熱係数テーブルを作成し前記記憶部に記憶することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、
請求項2または請求項3記載の熱交換機器診断システムにおいて、
前記解析診断部は、
前記記憶部に記憶された前記伝熱係数テーブルに基づき、前記熱交換機器を流れる流量および当該流量における伝熱係数の推定値が前記熱交換機器を流れる流量ごとにあらかじめ定められた伝熱係数の閾値に基づき前記熱交換機器における伝熱性能の劣化状態を判断することを特徴とする。
請求項5記載の発明は、
請求項2〜請求項4いずれかに記載の熱交換機器診断システムにおいて、
前記トラッキングシミュレータは、
前記熱交換機器の出口温度について、前記実プラントにおける実測値と自身が算出した推定値とを比較し、シミュレーション値の差分が許容範囲内ではない場合には前記実測値と前記推定値との差分が許容範囲内になるまで伝熱係数を調整するパラメータ調整部を有することを特徴とする。
本発明によれば、熱交換機器診断システムは、実験を行うことなく流体の流量と伝熱係数との関係および伝熱係数の変化を把握し、熱交換機器の伝熱性能劣化を把握することができる。
図1は本発明に係る熱交換機器診断システムの一実施例を示す構成ブロック図である。ところで、従来のプラントシミュレータの有するモデル式は、完全にプラントの動作を模擬するものではなく、あくまでも近似式であるので、このモデル式を用いてシミュレーションを行ったとしてもシミュレーション値と実測値とが一致しない場合もある。
このため、本発明に係る熱交換機器診断システムで利用するトラッキングシミュレータは、モデル式のパラメータの値を随時調整するパラメータ調整部を備え、高精度に制御対象の動作に追従するシミュレーションを行っている。
図1において、プラント3は熱交換機器31および図示しないフィールド機器がそれぞれ設置され、プラント3内のフィールド機器で得られる流量や熱交換機器31の入口温度や出口温度などの実測値やフィールド機器の操作量および設定値を図示しないネットワークなどを介してリアルタイムにトラッキングシミュレータ41に送信する機能を有する。
熱交換機器診断システム4は、トラッキングシミュレータ41、テーブル生成部42、記憶部43、解析診断部44から構成される。トラッキングシミュレータ41は、プラント3の動作をシミュレートするための数式などにより予めモデル化されたモデル式(プラントモデル)を有し、プラント3からの実測値、操作量、設定値に基づきプラント3および熱交換機器31の動作を算出・推定するシミュレート機能を有する。またトラッキングシミュレータ41は、主に熱交換機器31を流れる流量および出口温度などを推定する。
トラッキングシミュレータ41は、パラメータ調整部41Aから構成される。パラメータ調整部41Aは、トラッキングシミュレータ41で得られたプラント3の運転状態のシミュレーション結果(以下、推定値という)に基づき、モデル式におけるトラッキングパラメータ(以下、調整パラメータという)の値を逐次自動調整する調整機能を有する。
またパラメータ調整部41Aは、熱交換機器31の特性を示す伝熱係数を調整パラメータとして取り扱い、熱交換機器31の出口温度がプラント3における実測値とトラッキングシミュレータ41が算出した推定値とで異なる場合は、実測値と推定値とが一致する、または、推定値と実測値との差分が許容範囲内になるまで伝熱係数を調整する。
テーブル生成部42は、トラッキングシミュレータ41が算出した推定値に基づき、熱交換機器31を流れる流量および当該流量における熱交換機器31の伝熱係数の関係を示した「伝熱係数テーブル」を作成する。
記憶部43は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスクなどであって、主にテーブル生成部42で作成された「伝熱係数テーブル」を記憶する機能を有する。
解析診断部44は、記憶部43に記憶された「伝熱係数テーブル」に基づき、熱交換機器31の劣化の判定を行い、熱交換機器の伝熱係数が熱交換機器を流れる流量ごとにあらかじめ定められた閾値を下回るまたは上回る場合に熱交換機器の伝熱性能が劣化していると判断して、その旨を図示しない表示部などに表示、または、熱交換機器診断システム4の外部の装置またはオペレータなどにアラームとして送信出力する。
プラント3はトラッキングシミュレータ41に接続され、トラッキングシミュレータ41はテーブル生成部42に接続される。テーブル生成部42は記憶部43に接続され、記憶部43は解析診断部44に接続される。
熱交換機器診断システム4は、図示しない各種機能や各部の動作を制御する演算制御部(たとえばCPU)、各機器間で通信を行う通信部、OSや各機器として動作するためのプログラムやアプリケーション、これらプログラムなどの実行時に使用されるデータ、各種情報などを格納するRAMやROMなどの記憶部などのハードウェアから構成され、各部はバスにより相互に接続される。
また熱交換機器診断システム4の演算制御部は、記憶部に格納されているOSなどを起動して、このOS上で格納されたプログラムを読み出し実行することによりシステム全体(たとえば、演算制御部はプログラムを読み出し実行することによりトラッキングシミュレータ41、テーブル生成部42、記憶部43、解析診断部44などの各機能、各部)を制御し、システム固有の動作を行う。
このとき記憶部は、演算制御部によって実行されるプログラムやアプリケーションをプログラム格納エリアに展開し、入力されたデータや、プログラムやアプリケーションの実行時に生じる処理結果などのデータをワークエリアに一時的に記憶する。
なお、トラッキングシミュレータ41の演算制御部が記憶部に格納されたプログラムやアプリケーションを読み出し実行して各部や各機能を制御する動作については、以下省略する。
図2は図1の動作を説明する動作フロー図、図3および図4は熱交換機器の伝熱係数と流量との関係を説明する説明図である。図2のステップSP1において、トラッキングシミュレータ41は、プラント3内のフィールド機器で得られる流量、熱交換機器31の入口温度、出口温度などの実測値を取得し、取得した実測値に基づきモデル式を利用してトラッキングシミュレーションを行う。
このときトラッキングシミュレータ41は、プラント3の状態量や熱交換機器31の出口温度、入口温度、流量などの状態量をプラント3における実際の動作と並行してリアルタイムにシミュレートするトラッキングシミュレーションを実施し、プラント3および熱交換機器31の状態量の推定値を求める。
ここで、プラント3における流体の流入量が変更すると、熱交換機器31に流れる流量もまた変化することにより、その結果として熱交換機器31の流出口付近の温度(以下、出口温度という)が実測値とトラッキングシミュレータ41とで異なる値を示すことがある。
ステップSP2において、パラメータ調整部41Aは、熱交換機器31の出口温度についてプラント3から取得した実測値とトラッキングシミュレータ41が算出・推定した推定値とを比較してシミュレーション値の差分が許容範囲内であるか否かを判断し、許容範囲内ではないと判断した場合は調整パラメータである伝熱係数を調整してモデル式に適用する。もし許容範囲内であると判断した場合には、ステップSP3に移行する。
ステップSP3において、熱交換機器診断システム4のテーブル生成部42は、トラッキングシミュレーションにおける熱交換機器31を流れる流量の時間変化および伝熱係数の時間変化がほぼ0になったか否か(たとえば時間変化が2%以内に収まったか否か)を判断する。ここで流量の時間変化および伝熱係数の時間変化がほぼ0になる状態は、いいかえれば、流量と伝熱係数の時間変化が安定し、ある流量のときにはある伝熱係数になるという流量と伝熱係数の関係が把握できる状態のことである。
トラッキングシミュレーションにおける熱交換機器31を流れる流量の時間変化および伝熱係数の時間変化が安定したと判断した場合はステップSP4に移行する。トラッキングシミュレーションにおける熱交換機器31を流れる流量の時間変化および伝熱係数の時間変化が安定しないと判断した場合はステップSP2に戻る。
ステップSP4おいて、テーブル生成部42は、熱交換機器31を流れる流量の時間変化および伝熱係数の時間変化が安定したときに、その流量に対する伝熱係数を図3のようにマッピングして伝熱係数テーブルを作成し、記憶部43に記憶する。
たとえば、テーブル生成部42には、図3のように、流量(たとえば350kg/h)に応じた伝熱係数(たとえば300W/mK)がそれぞれ割り当てられている。
熱交換機器診断システム4は、上記ステップSP1〜SP3の動作を繰り返し行い、流量と伝熱係数の時間変化が安定したときの熱交換機器31を流れる流量および伝熱係数を記憶することにより、中長期的な熱交換機器31の内部状態を把握する。
すなわち、熱交換機器診断システム4は、伝熱係数と流量の関係を繰り返し記録することにより、図4のように熱交換機器31の伝熱係数における経年変化の変化傾向(トレンド)を把握することができる。
たとえば、流量350kg/hにおける熱交換機器31の伝熱係数は、プラント立上げ時や機器交換時は伝熱係数(図4(A)の●)が300W/mKであるのに対し、プラントを停止して修理・整備した直後(定修直後)などに求めた時は伝熱係数(図4(A)の▲)が200W/mKに変化するという、経年変化により熱交換機器31の性能が変化する傾向が把握できる。
ステップSP5において、解析診断部44は、記憶部43に記憶された伝熱係数テーブルに基づき、熱交換機器31の劣化の判定を行う。
具体的には、解析診断部44は、トラッキングシミュレータ41から取得した伝熱係数テーブルに基づき、トラッキングシミュレータ41が算出・推定した推定値(熱交換機器の伝熱係数)が熱交換機器を流れる流量ごとにあらかじめ定められた閾値を下回るまたは上回る場合は熱交換機器31が劣化していると判定する。
いいかえれば、解析診断部44は、トラッキングシミュレータ41による推定値の変化傾向に基づき前記熱交換機器の劣化の判定を行う。
たとえば図4(B)は流量が350kg/hにおける伝熱係数の経年変化を示すグラフである。解析診断部44は、図4(B)のように時間T10で得た伝熱係数があらかじめ定められた閾値200W/mKを下回るため、熱交換機器31が劣化していると判断する。
このため、熱交換器診断システム4は、伝熱係数テーブルに記憶された推定値の変化傾向に基づき熱交換機器31の性能劣化を把握できる。
ステップSP5において、解析診断部44は、熱交換機器31の性能が劣化していると判断した場合はステップSP6に移行する。熱交換機器31の性能が劣化していないと判断した場合はステップSP2に戻る。
ステップSP6において、解析診断部44は、熱交換機器31が劣化している旨を図示しない表示部などに表示する、または、熱交換機器診断システム4の外部の装置またはオペレータなどに劣化判定結果をアラームとして送信出力する。
なお解析診断部44は、ステップSP5における熱交換機器31の劣化の判定を定周期で行うものでもよい。
このように、本発明に係る熱交換機器診断システムは、トラッキングシミュレータによって得られた熱交換機器を流れる流量と伝熱係数の推定値の時間変化が安定するときの流量および伝熱係数を取得して伝熱係数テーブルを作成記憶し、この伝熱係数テーブルの推定値の変化傾向に基づき熱交換機器の劣化の判定を行うことにより、実験を行うことなく流体の流量と伝熱係数との関係および伝熱係数の変化を把握し、熱交換機器の性能劣化を把握することができる。
なお、上記実施例では、熱交換機器の流量および伝熱係数についてトラッキングシミュレーションを行いデータを記憶して経年変化による劣化を診断しているが、流量と伝熱係数の依存関係に限らず、他の機器においても依存関係が認められるパラメータの片方をトラッキングパラメータに選び、同様にパラメータの同定を行ってデータのマッピングを行うことにより経年変化による劣化などの診断に利用できるものであってもよい。
また、上記実施例の熱交換機器診断システム4は、トラッキングシミュレータ41、テーブル生成部42、記憶部43、解析診断部44の各機能から構成されているが、特にこれに限定するものではなく、上述の熱交換機器診断システム4が各機能を有し動作できるものであれば、トラッキングシミュレータ41、テーブル生成部42、記憶部43、解析診断部44はそれぞれ独立した機器から構成され相互に接続するものであってもよい。
具体的には、トラッキングシミュレータ41、テーブル生成部42、記憶部43、解析診断部44は、それぞれ図示しない各種機能や各部の動作を制御する演算制御部(たとえばCPU)、各機器間で通信を行う通信部、OSや各機器として動作するためのプログラムやアプリケーション、これらプログラムなどの実行時に使用されるデータ、各種情報などを格納するRAMやROMなどの記憶部などのハードウェアから構成され、各部はバスにより相互に接続されるような、それぞれ独立した機器から構成されるものであってもよい。
この場合、トラッキングシミュレータ41、テーブル生成部42、記憶部43、解析診断部44の演算制御部は、記憶部に格納されているOSなどを起動して、このOS上で格納されたプログラムを読み出し実行することにより各機器または各部全体を制御し、各機器または各部固有の動作を行う。このとき記憶部は、演算制御部によって実行されるプログラムやアプリケーションをプログラム格納エリアに展開し、入力されたデータや、プログラムやアプリケーションの実行時に生じる処理結果などのデータをワークエリアに一時的に記憶するものであってもよい。
また、上記実施例では、パラメータ調整部41Aは、熱交換機器31の出口温度についてプラント3から取得した実測値とトラッキングシミュレータ41が算出・推定した推定値とを比較してシミュレーション値の差分が許容範囲内であるか否かを判断し、調整パラメータである伝熱係数を調整してモデル式に適用するとしているが、特にこれに限定するものではなく、伝熱係数の推定値が一義的にある特性で決まるものであるならば、どのような実測値(たとえば熱交換機器の入口温度や流入流量など)を用いるものであっても構わない。
本発明に係る熱交換機器診断システムの一実施例を示す構成ブロック図である。 図1の動作を説明する動作フロー図である。 熱交換機器の伝熱係数と流量との関係を説明する説明図である。 熱交換機器の伝熱係数と流量との関係を説明する説明図である。 従来の熱交換機器シミュレータの構成ブロック図である。
符号の説明
1、3 プラント
2 熱交換機器シミュレータ
4 熱交換機器診断システム
11、31 熱交換機器
21 プロセスシミュレータ
22 表示制御部
23 表示部
41 トラッキングシミュレータ
41A パラメータ調整部
42 テーブル生成部
43 記憶部
44 解析診断部

Claims (5)

  1. シミュレーションにより熱交換機器の運転状態を把握する熱交換機器診断システムにおいて、
    実プラントの実測値に基づき実プラントの状態をリアルタイムで再現するトラッキングシミュレータを用い、
    このトラッキングシミュレータをトラッキングパラメータとして伝熱係数を選択して前記実プラントと並行に動作させて実測値とシミュレータ値が一致するまで伝熱係数を調整することにより伝熱係数の推定値を求め、
    これら推定値の変化傾向に基づき前記熱交換機器における伝熱性能の劣化状態を判断することを特徴とする熱交換機器診断システム。
  2. 前記トラッキングパラメータとして前記熱交換機器の伝熱係数を選択して前記実プラントと並行に動作させて実測値とシミュレータ値が一致するまで伝熱係数を調整することにより伝熱係数の推定値を求める前記トラッキングシミュレータと、
    前記トラッキングシミュレータで求めた推定値に基づき、前記熱交換機器の伝熱係数テーブルを生成するテーブル生成部と、
    このテーブル生成部で生成された伝熱係数テーブルを記憶する記憶部と、
    この記憶部に記憶された伝熱係数テーブルの推定値の変化傾向に基づき前記熱交換機器における伝熱性能の劣化状態を判断する解析診断部とから構成されることを特徴とする
    請求項1記載の熱交換機器診断システム。
  3. 前記テーブル生成部は、
    前記熱交換機器を流れる流量と伝熱係数の推定値の時間変化が安定したときに、前記熱交換機器を流れる流量および当該流量における伝熱係数に基づき前記伝熱係数テーブルを作成し前記記憶部に記憶することを特徴とする
    請求項2記載の熱交換機器診断システム。
  4. 前記解析診断部は、
    前記記憶部に記憶された前記伝熱係数テーブルに基づき、前記熱交換機器を流れる流量および当該流量における伝熱係数の推定値が前記熱交換機器を流れる流量ごとにあらかじめ定められた伝熱係数の閾値に基づき前記熱交換機器における伝熱性能の劣化状態を判断することを特徴とする
    請求項2または請求項3記載の熱交換機器診断システム。
  5. 前記トラッキングシミュレータは、
    前記熱交換機器の出口温度について、前記実プラントにおける実測値と自身が算出した推定値とを比較し、シミュレーション値の差分が許容範囲内ではない場合には前記実測値と前記推定値との差分が許容範囲内になるまで伝熱係数を調整するパラメータ調整部を有することを特徴とする
    請求項2〜請求項4いずれかに記載の熱交換機器診断システム。
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