JP2009161934A - 単管足場用支柱とこれを用いた単管足場構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】建屋外壁と敷地境界との間の狭小地に構築する単管足場用の支柱として、地上と足場通路との間や上下の足場通路間での直接的な行き来を可能にするものを提供する。
【解決手段】パイプ支柱本体11の径方向両側に、長手方向所定間隔置きに短パイプ材の基端側をパイプ支柱に溶接した足掛け部12…を略水平状態に突設する。
【選択図】図1

Description

本発明は、敷地一杯に建てられた低層住宅等の建屋外壁と敷地境界との間の狭小地に構築する単管足場用に適した支柱と、この支柱を用いた単管足場構造に関する。
一般的に、単管足場では、建屋壁面に対して内外2本ずつのパイプ支柱を壁面方向に沿って所定間隔置きに立設すると共に、内側支柱同士を上下複数箇所でパイプ製の水平バーにて連結すると共に、内外支柱間を横桟やブラケットで連結し、これら横桟やブラケットを利用して足場板を壁面と平行に架設し、また要所に昇り降り用の階段や梯子を取り付けるようにしている。しかるに、地価の高い大都市近郊の住宅や市街地の建物では、建屋外壁から隣との敷地境界までの幅が例えば60cm以下と狭小で、上述のような内外二本ずつの支柱による足場構築が困難な場合が多々ある。
そこで、狭小地に構築する単管足場では、パイプ支柱を内外2本ずつとせずに壁面方向に沿って1列に立設して水平バーで連結した一側足場とし、各パイプ支柱に取り付けたブラケットを介して足場板を片持ち状態に保持したり(特許文献1)、各パイプ支柱に固着した受け枠に、狭幅の足場板の両端に設けたフック金具を掛止したり(特許文献2)する構造が採用されている。
特開平10−77734号公報 特開2004−116193号公報
しかしながら、上述のような一側足場においても、構築場所が特に狭小で階段や梯子を設置する空間的余裕がない場合、作業者は各足場通路には足場の側方端部から回り込んで行くしかなく、地上と足場通路との間や、上下の足場通路間での直接的な行き来ができないため、外壁の仕上げ作業や改修作業等に非常に不便であり、作業内容によっては作業能率が著しく低下するという問題があった。
本発明は、上述の情況に鑑み、特に低層住宅等の建屋外壁と敷地境界との間の狭小地に構築する単管足場用として、地上と足場通路との間や、上下の足場通路間での直接的な行き来を可能にする支柱と、この支柱を利用して高い作業能率を達成できる単管足場構造とを提供することを目的としている。
上記目的を達成するための手段を図面の参照符号を付して示せば、請求項1の発明に係る単管足場用支柱1は、パイプ支柱本体11の径方向両側に、長手方向所定間隔置きに足掛け部12…が略水平状態に突設されてなる構成としている。
請求項2の発明は、上記請求項1の単管足場用支柱1において、足掛け部12…がパイプ支柱本体11に基端側を溶接した短パイプ材12aからなるものとしている。
請求項3の発明は、上記請求項1又は2の単管足場用支柱1において、足掛け部12…の先端側に上方へ突出した踏み外し防止用の突縁部13が一体形成されてなるものとしている。
請求項4の発明は、上記請求項1〜3のいずれかの単管足場用支柱1において、パイプ支柱本体11の径方向一方側の足掛け部12と、径方向他方側の足掛け部12とが上下に段違いに配置してなるものとしている。
請求項5の発明に係る単管足場構造は、上記請求項1〜4のいずれかにの単管足場用支柱1の複数本が建造物外壁Fに沿って所定間隔置きに一列に立設されると共に、これら支柱1…が上下複数箇所で水平バー2…を介して相互に連結されてなるしてなる構成としている。
請求項6の発明は、上記請求項5の単管足場構造において、隣接する支柱1,1間に、両端にパイプ用クランプ具32を固着した足場板3が該クランプ具32を介して架設されてなるものとしている。
請求項7の発明は、上記請求項5又は6の単管足場構造において、一列に立設する複数本の支柱1…と上下複数箇所の水平バー2…とで構築された単管足場S1と、異方向の外壁に沿って構築された単管足場S2とが、頂部側において火打4にて相互に連結されてなる構成としている。
次に、本発明の効果について図面の参照符号を付して示せば、請求項1の発明に係る単管足場用支柱1によれば、足掛け部12…を利用して当該支柱1を簡単に昇り降りできるから、この支柱1…を用いて狭小地に構築した単管足場S1において、地上と足場通路との間や、上下の足場通路間を直接的に行き来でき、もって外壁の仕上げ作業や改修作業等を能率よく行える。
請求項2の発明によれば、単管足場用支柱1の足掛け部12…が、パイプ支柱本体11への短パイプ材12aの溶接によって容易に且つ安価に形成できる。
請求項3の発明によれば、単管足場用支柱1の足掛け部12…の先端側に設けた突縁部13により、該支柱1の昇り降りに際し、該足掛け部12…に掛けた足が外側へ滑って外れる懸念がなく、もって安全に昇り降りを行える。
請求項4の発明によれば、パイプ支柱本体11の足掛け部12…が径方向両側で上下に段違いに配置するから、該支柱1の昇り降りをより容易に行える。
請求項5の発明に係る単管足場構造によれば、狭小地に一側足場の形態で構築した単管足場S1において、支柱1…の足掛け部12…を利用して、地上と足場通路との間や、上下の足場通路間を直接的に行き来できるから、外壁の仕上げ作業や改修作業等を能率よく行える。
請求項6の発明によれば、上記の単管足場構造において、隣接する支柱1,1間に、足場板3を両端のパイプ用クランプ具32を介して容易に且つ確実に架設できる。
請求項7の発明によれば、上記の単管足場構造において、狭小地に一側足場の形態で構築した単管足場S1は、異方向の外壁に沿う単管足場S2に対して頂部側で火打4にて連結されるため、安定した立設状態に保たれる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。図1は構築した単管足場S1の外観、図2は隣接する建屋間の狭小地に構築した同単管足場S1の側面、図3は同単管足場に用いる種々の長さの支柱部材とその連結に用いる管継手、図4は同支柱部材の要部、図5は他の実施形態に係る支柱部材の要部、図6は単管足場用支柱に対する足場板の取付状態、図7は同単管足場S1と異方向の単管足場S2との連結状態、をそれぞれ示す。
図1及び図2に示す単管足場S1は、所定間隔置きに一列に立設配置した複数本の支柱1…が上下複数箇所(図では4箇所)で丸パイプからなる水平バー2…を介して連結されると共に、各隣接する支柱1,1間の上下2カ所に足場板3…が架設されて、一側足場を構成している。そして、各支柱1は、パイプ支柱本体11の長手方向一定間隔置きに、短パイプ状の足掛け部12…が径方向両側で交互に段違いに配置するように突設されており、根元がパイプジャッキベース5に嵌着されている。
なお、各支柱1は、例えば図3(A)〜(D)に示すような足掛け部12が8段の支柱部材1A、同5段の支柱部材1B、同4段の支柱部材1C、同2段の支柱部材1D等、長さの異なる支柱部材を適当に組み合わせて連結することにより、所要の全長に設定される。図3(E)に示すジョイント部材6は、パイプ支柱本体11と同外径の基部6aの両側に、細径パイプ状の挿管部6bが一体形成されており、その両挿管部6b,6bを連結すべき支柱部材1A〜1Dの各々の端部に挿入し、支柱部材側の端部に設けたピン穴14と当該挿管部6bの根元側のピン穴61にロックピン(図示省略)を通して抜け止めするようになっている。
図4(A)(B)に示すように、各支柱1の足掛け部12は、短パイプ材12aの基端側をパイプ支柱本体11に溶接して水平状態に固着したものであり、先端に径大円盤状の端板12bをやや軸心が上側へずれるように溶接固着することにより、該先端に踏み外し防止用の上向きの突縁部13が形成されている。なお、図1〜図4で示す足掛け部12は支えなしの構造であるが、足掛け部12の下面側とパイプ支柱本体11との間に補強用として、例えば図5(A)(B)に示す斜め配置の支持フレーム15等の支え部材を溶接固着した構造としてもよい。
足場板3は、図6(A)(B)に示すように、狭小地用として幅100〜150程度の狭幅に形成されて表面に滑止め凹凸を有する足場板本体31の両端に、パイプ用クランプ具32が溶接固着されており、該クランプ具32を支柱1のパイプ支柱本体11に締着固定することにより、隣接する支柱1,1間に水平に架設されている。
各水平バー2は、各支柱1との交叉部分において、自在クランプ具6を介して当該支柱1のパイプ支柱本体11に連結されている。この自在クランプ具6は、詳細な図示を省略しているが、足場板3に設けたパイプ用クランプ具32と同様のクランプ金具の2個が相対回転自在に連結したものである。なお、水平バー2は、支柱1の下部では根絡み、足場板3の上位では手摺りとして機能する。
上記構成の単管足場S1では、例えば図2に示すように、近接して建つ家屋H,Hの外壁F,F間の幅Wが60cmに満たないような狭小地Gに一側足場として構築した場合、階段や梯子等を付設できないが、各支柱1が足掛け部12…によって昇り降り可能になっているから、作業者が地上と足場通路との間や上下の足場通路の間で移動するのに、いちいち足場両端の外側位置から回り込んで来る必要がなく、その狭小地Gの狭い空間内でも各支柱1を利用した昇り降りによって直接的に行き来でき、もって外壁Fの仕上げ作業や改修作業等を能率よく行える。
なお、このような一側足場形態の単管足場S1においては、直立状態に保持する上で、例えば図2の立地状況では両側の外壁F,Fに対して適当な突張り具を当てがうようにしてもよいが、より安定した立設状態に保つために、例えば図7に示すように、当該単管足場S1の屋根Rから突出した頂部において火打4によって異方向の単管足場S2と連結することが推奨される。
すなわち、図7の構成では、工事対象とする家屋Hの異方向の壁面に沿って内外2列に支柱10…が配置する通常形態の単管足場S2が構築されており、その単管足場S2の内側における最上部の水平バー20と、狭小地G側に構築した既述の単管足場S1における最上部の水平バー2との間に、丸パイプ製の火打4が両端部で各々自在クランプ具6を介して連結されている。また、この場合には、両単管足場S1,S2の端部の支柱1,10同士も連結杆7とクランプ具(図示省略)を介して連結している。図中、30は単管足場S2側の広幅の足場板であり、両端のフック30a,30aを内外支柱10,10間の横桟21に掛止させている。なお、図7では単管足場S1の一側のみを示しているが、他側においても同様に火打4によって異方向の単管足場S2と連結される。
図1及び図2では、各支柱1の足掛け部12…が水平バー2…に沿う向きになっているが、当該単管足場S1を構築する部位の広さと周辺状況により、該足掛け部12…の向きを水平バー2…に対して直交する向きとしたり、局所的に異なる向きとしてもよい。また、足場板3…及び水平バー2…の架設位置と架設段数、支柱1…の配列間隔と高さ等は、工事対象の建物の大きさと形態や工事の種類によって様々に変更し得ることは言うまでもない。
なお、支柱1の足掛け部12…は、同位置で径方向両側に突出する配置形態とすることも可能である。しかるに、例示したように足掛け部12…を径方向両側で段違いに配置する形態では、設置数が少なくて済むことに加え、径方向片側で上下の足掛け部12,12間が広くなり、作業者が支柱1位置を横切る際に通行し易いという利点がある。また、足掛け部12をアングル材やチャンネル材、これらを適当な形状に折り曲げた金属枠等で形成してもよいが、例示した短パイプ材12aによれば足掛け部12を安価に且つ容易に形成できる利点がある。更に、該足掛け部12の踏み外し防止用の突縁部13は、少なくとも上方へ突出する形状であればよく、例示したような径大円盤状の端板12b以外の種々の形態の材料でも形成可能である。一方、足場板3については、例示したクランプ具32による架設方式に限らず、例えば支柱1側に適当な受け部を設け、足場板3側の掛止金具を該受け部に掛着する等、種々の架設方式を採用できる。
本発明の一実施形態に係る単管足場の斜視図である。 同単管足場の側面図である。 本発明の一実施形態に係る単管足場用支柱に用いる部材を示し、(A)〜(D)は足掛け部の段数及び長さが異なる支柱部材の正面図、(E)はジョイント部材の正面図である。 同単管足場用支柱における足掛け部の形成部分を示し、(A)は正面図、(B)は側面図である。 他の実施形態に係る単管足場用支柱における足掛け部の形成部分を示し、(A)は正面図、(B)は側面図である。 単管足場用支柱に対する足場板の取付状態を示し、(A)は横断平面図、(B)は正面図である。 同単管足場と異方向の単管足場との連結状態を示す平面図である。
符号の説明
1 支柱(単管足場用支柱)
11 パイプ支柱本体
12 足掛け部
12a 短パイプ材
13 突縁部
2 水平バー
3 足場板
31 足場板本体
32 パイプ用クランプ具
4 火打

Claims (7)

  1. パイプ支柱本体の径方向両側に、長手方向所定間隔置きに足掛け部が略水平状態に突設されてなる単管足場用支柱。
  2. 前記足掛け部がパイプ支柱本体に基端側を溶接した短パイプ材からなる請求項1に記載の単管足場用支柱。
  3. 前記足掛け部の先端側に上方へ突出した踏み外し防止用の突縁部が一体形成されてなる請求項1又は2に記載の単管足場用支柱。
  4. パイプ支柱本体の径方向一方側の足掛け部と、径方向他方側の足掛け部とが上下に段違いに配置してなる請求項1〜3のいずれかに記載の単管足場用支柱。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の単管足場用支柱の複数本が建造物外壁に沿って所定間隔置きに一列に立設されると共に、これら支柱が上下複数箇所で水平バーを介して相互に連結されてなる単管足場構造。
  6. 隣接する支柱間に、両端にパイプ用クランプ具を固着した足場板が該クランプ具を介して架設されてなる請求項5に記載の単管足場構造。
  7. 前記一列に立設する複数本の支柱と上下複数箇所の水平バーとで構築された単管足場と、異方向の外壁に沿って構築された単管足場とが、頂部側において火打にて相互に連結されてなる請求項5又は6に記載の単管足場構造。
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