JP2009161367A - 粒状緩効性窒素肥料 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の粒状緩効性窒素肥料よりも更に窒素成分の溶出速度が遅く、長期持続性、窒素成分の徐放性に優れた粒状緩効性窒素肥料を提供する。
【解決手段】尿素−アルデヒド類縮合物と酸化ワックスとの混合物を粒状化してなる粒状緩効性窒素肥料。酸化ワックスの含有量は3〜25重量%、特に5〜15重量%であることが好ましい。酸化ワックスは、その極性基の存在のために尿素−アルデヒド類縮合物との均一混合性に著しく優れ、このため、本発明の粒状緩効性窒素肥料において、難溶性の尿素−アルデヒド類縮合物が著しく均一な分散状態で存在することにより、土壌中への溶出速度が遅くなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、土壌中への肥料成分、とりわけ窒素成分の溶出速度が制御可能な粒状緩効性窒素肥料に関する。詳しくは、土壌中への肥料成分(窒素)の溶出が安定して行われ、被覆等を用いず、そして緩効性肥料の粒径が同等でも溶出速度の異なる粒状緩効性窒素肥料に存する。
農作物の栽培には、その生長段階に応じた肥料が必要であり、その必要時期に合わせるために従来から元肥、追肥等、作物の収穫までに数回の施肥を行ってきた。近年、農業が近代化され、また農業人口の減少に伴い、より手間の掛からない、施肥回数が少なくて済む肥料の開発が求められ、肥料成分の溶出を作物の養分要求特性に適合させるように制御すべく様々な肥料が開発された。
例えば、速効性窒素肥料の施肥に際しては、作物に対する高窒素濃度障害の回避や窒素肥料の利用率向上の為に、必要量を数回に分けて施肥が行われている。
一方で、緩効性窒素肥料、例えば尿素―イソブチルアルデヒド縮合物(イソブチリデン2尿素。以下、「IBDU」と記すことがある。)に代表される尿素−アルデヒド類縮合物系肥料は、尿素−アルデヒド類縮合物が水への溶解度が低いために土壌中では徐々に分解することを利用したものであり、必要量を一度に施肥することが可能であり施肥作業が省力化でき、また溶脱・流亡が生じ難いので作物の利用効率が高いという利点がある。またこのような緩効性肥料においては、その溶解速度が粒状緩効性肥料の表面積に比例するので、比表面積を調整すべく肥料の粒径を変え、施肥条件に見合う溶解速度を有する粒状緩効性肥料とすることがなされていた。
近年では、窒素、燐酸、加里等の各種肥料成分を含有する肥料を施肥前にブレンドし用いる、いわゆるバルクブレンド肥料(以下「BB肥料」と記すことがある。)が普及してきている。このような肥料では、肥料成分の偏りの原因となる分級、つまり保存容器中や施肥機械中に於いて、大きい粒は上に、小さい粒は下に集まることを防止するため、各種肥料の粒径をそろえることが重要となっている。また、側条施肥機やブロードキャスター等の各種施肥機を用いた機械施肥方法も、省力化の要望に応え盛んになってきている。このような機械を用いた施肥の際には、一つの機械で扱える粒状肥料の粒子径が限られている。よって、このような施肥方法に用いる場合には、窒素を主成分とする肥料に於いても、窒素成分以外の、燐酸成分や加里成分含有粒状肥料と粒子径をそろえる必要がある。
しかし、従来の粒状緩効性肥料、とりわけ尿素−イソブチルアルデヒド縮合物を用いる粒状緩効性窒素肥料においては、粒子径を調整することによって溶出速度の異なる粒状緩効性窒素肥料としているので、その使用が限られてしまうという問題が生じてきた。更に、BB肥料や機械施肥方法に用いる肥料においては、先述の通り、粒度分布が揃った、且つ粒硬度の比較的高い粒状肥料を用いる為に、従来からの緩効性窒素肥料、例えば尿素―アルデヒド類縮合物等であっても、粒子径が小さく、そして比較的大きな粒子径を有するものを製造することが困難である上に、粒硬度が低いので、BB肥料や機械施肥方法に供する窒素成分肥料としては問題があった。
これに対し、本出願人は、水への溶解度が低い緩効性窒素肥料において、その表面積と土壌中への窒素成分の溶出速度が密接な関係にあることに着目し、そして緩効性肥料粒子に於いて、その粒子内部を多孔質化して比表面積を調整することによって窒素成分の溶解速度を調整できることを見出し、尿素−アルデヒド類縮合物を含む連続相と、易水溶性物質を含む分散相とを有し、その重量比が95:5〜50:50である粒状緩効性窒素肥料を提案した(特許文献1)。
特許文献1の粒状緩効性窒素肥料であれば、尿素−アルデヒド類縮合物を含む連続相中の易水溶性物質を含む分散相の存在により、その粒径を変更せずとも窒素成分の溶出速度を極めて広い範囲で調整することができる。
特願2005−35828号公報
特許文献1で提供される粒状緩効性窒素肥料は、易水溶性物質を含む分散相の存在により、易水溶性物質を含む分散相を有しない、尿素−アルデヒド類縮合物のみの場合に比べて、窒素成分の溶出速度が速くなる傾向にある。
これに対して、従来の尿素−アルデヒド類縮合物のみの場合よりも、更に溶出速度の遅い、窒素成分の徐放性、長期持続性を高めた粒状緩効性窒素肥料も望まれている。
従って、本発明は従来の粒状緩効性窒素肥料よりも更に窒素成分の溶出速度が遅く、長期持続性、窒素成分の徐放性に優れた粒状緩効性窒素肥料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、尿素−アルデヒド類縮合物に酸化ワックスを混合して造粒することにより、尿素−アルデヒド類縮合物の溶出速度がより一層遅くなり、長期持続性、窒素成分の徐放性に優れた粒状緩効性窒素肥料を得ることができることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は以下を要旨とする。
[1] 尿素−アルデヒド類縮合物と酸化ワックスとの混合物を粒状化してなることを特徴とする粒状緩効性窒素肥料。
[2] [1]において、酸化ワックスの含有量が3重量%以上、25重量%以下であることを特徴とする粒状緩効性窒素肥料。
[3] [2]において、酸化ワックスの含有量が5重量%以上、15重量%以下であることを特徴とする粒状緩効性窒素肥料。
[4] [1]ないし[3]のいずれかにおいて、酸化ワックスが下記(1)及び/又は(2)の条件を満たすことを特徴とする粒状緩効性窒素肥料。
(1)酸価:3〜25mg−KOH/g
(2)ケン化価:10〜70mg−KOH/g
[5] [1]ないし[4]のいずれかにおいて、尿素―アルデヒド類縮合物が、同一縮合度を有する縮合物を70重量%以上含有することを特徴とする粒状緩効性窒素肥料。
[6] [1]ないし[5]のいずれかにおいて、尿素―アルデヒド類縮合物が、尿素―イソブチルアルデヒド縮合物であることを特徴とする粒状緩効性窒素肥料。
本発明の粒状緩効性窒素肥料は、酸化ワックスを混合したことにより、従来の粒状緩効性窒素肥料よりも更に尿素−アルデヒド類縮合物の溶出速度が遅く、長期持続性、窒素成分の徐放性に優れる。
本発明において、尿素−アルデヒド類縮合物に対して酸化ワックスを混合したことによる緩効性の向上効果の作用機構の詳細は明らかではないが、酸化ワックスは、その極性基の存在のために尿素−アルデヒド類縮合物との均一混合性に著しく優れ、このため、本発明の粒状緩効性窒素肥料において、難水溶性の尿素−アルデヒド類縮合物が粒子中に極めて均一な分散状態で存在することにより、土壌中への溶出速度が遅くなることによるものと推定される。
以下に本発明の粒状緩効性窒素肥料の実施の形態を詳細に説明する。
<尿素−アルデヒド類縮合物>
まず、本発明で用いる肥料成分の尿素−アルデヒド類縮合物について説明する。
本発明に係る尿素−アルデヒド類縮合物は、尿素とアルデヒド類を脱水縮合反応させて得られたものであり、その製造方法は任意である。
この脱水縮合反応に用いるアルデヒド類は任意のものを使用することができる。具体的には、イソブチルアルデヒド、クロトンアルデヒド、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド等が挙げられる。これらのアルデヒド類は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、この反応に用いる尿素としては、その形状は任意であり、固体、液体(溶融液)等のいずれでもよい。
本発明で用いる尿素−アルデヒド類縮合物としては、例えば、尿素−イソブチルアルデヒド縮合物(IBDU)、尿素−ホルムアルデヒド縮合物(ウレアホルム。以下、「UF」と記すことがある。)、及び尿素−クロトンアルデヒド縮合物(クロトニリデン2尿素。以下「CDU」と記すことがある。)等が挙げられる。例えば、UF等は、その縮合度を調整するという工業的に困難な手法を取らずとも、溶出速度を調整することができる。中でも本発明においては、尿素とアルデヒド類とを縮合して得られた尿素―アルデヒド類縮合物が、複数の縮合度を有するものからなる際に、同一縮合度の尿素―アルデヒド類縮合物を70重量%以上含有することが、緩効性窒素肥料としての溶出曲線が安定するので好ましく、中でも80重量%以上、特に90重量%以上含有するものであることが好ましい。具体的には、その製造過程で様々な縮合物を生じる為に同一縮合度を有する縮合物の含有量が50重量%程度のUFに比べて、IBDUやCDUを用いることによって、同一縮合度を有する縮合物を70重量%以上含有する縮合物が容易に得られるので好ましい。
尿素−アルデヒド類縮合物は平均粒径が通常1mm以下、好ましくは0.7mm以下、特に0.5mm以下の粉体として用いられる。
<酸化ワックス>
次に、上述のような尿素−アルデヒド類縮合物と混合して用いる酸化ワックスについて説明する。
本発明で用いる酸化ワックスとは、常温で半固体〜固体状のオレフィン類やパラフィン類等の脂肪族炭化水素類にカルボキシル基、エステル基、水酸基等の極性基を導入したものであり、一般的には、酸化ワックスとして市販されているものを用いることができる。
酸化ワックスの極性基の導入の程度は、酸価、ケン化価、ヒドロキシル価等で表すことができ、本発明で用いる酸化ワックスは、下記(1)及び/又は(2)の条件を満たす程度に極性基が導入されたものであることが好ましい。
(1)酸価:3〜25mg−KOH/g、好ましくは5〜20mg−KOH/g
(2)ケン化価:10〜70mg−KOH/g、好ましくは20〜50mg−KOH/g
本発明で好適に用いることができる酸化ワックスの市販品(いずれも日本精鑞(株)製)の仕様を以下に示すが、本発明に係る酸化ワックスは、何らこれに限定されるものではない。
Figure 2009161367
これらの酸化ワックスは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
なお、酸化ワックスは、造粒時の取扱性、尿素−アルデヒド類縮合物との均一混合性の面から、粒径0.5mm以下、好ましくは0.25mm以下に粉砕して用いることが好ましい。
本発明の粒状緩効性窒素肥料において、酸化ワックスの含有量が少な過ぎると、酸化ワックスを用いたことによる緩効性の向上効果を十分に得ることができない。
従って、本発明の粒状緩効性窒素肥料中の酸化ワックスの含有量は3重量%以上、特に5重量%以上であることが好ましい。ただし、酸化ワックスの含有量が多過ぎると相対的に尿素−アルデヒド類縮合物の含有量が減ることで肥料としての有効性が低下することとなることや、乾燥時に余剰の酸化ワックスが粒子外へ滲み出てしまうことから、酸化ワックスの含有量は25重量%以下、好ましくは15重量%以下であることが好ましい。
<製造方法>
本発明の粒状緩効性窒素肥料は、尿素―アルデヒド類縮合物と、酸化ワックスとを所定の割合で混合して造粒することにより製造することができる。造粒に際しては造粒液等を用いてもよく、造粒液としては、例えば水、易水溶性物質水溶液、メチロール尿素液、及び尿素―アルデヒド類縮合物を水に分散させたもの等が挙げられる。メチロール尿素液や尿素−アルデヒド類縮合物懸濁液を造粒液として用いると、造粒液由来の乾燥物も尿素−アルデヒド類縮合物となるので、肥料の有効成分を確保する上で好ましい。特に、メチロール尿素液を用いた場合は、造粒後の乾燥時にメチレン化反応が起こるため、形成される粒子の硬度が非常に高くなり、BB肥料や機械施肥法に適した物性が得られる点で好ましい。
なお、造粒液等を用いて尿素−アルデヒド類縮合物と酸化ワックスを造粒した場合、得られる粒状緩効性窒素肥料中の尿素−アルデヒド類縮合物含有量は、75重量%以上、特に85〜95重量%となるように造粒液を用いることが、肥料の有効成分量を確保する上で好ましい。
本発明の粒状緩効性窒素肥料の製造に用いる造粒装置としては、従来公知の粒状肥料製造技術のうち、任意のものを適宜選択して採用すればよい。例えば造粒容器自体が回転するタイプの皿型造粒機やドラム型造粒機、造粒容器内部の撹拌羽根が高速回転するタイプの撹拌(混合)型造粒装置等が挙げられる。本発明の主原料である尿素−アルデヒド縮合物は、一般の化成肥料に比べ比重が軽く、撥水性も高い故に造粒性が悪い。従って、上記装置の中でも、造粒能力が高い(粒にかかる圧縮応力が高い)という理由から、撹拌(混合)型の造粒装置を用いることが好ましい。
本発明の粒状緩効性窒素肥料の製造方法においては、このような造粒装置を用い、例えば造粒装置により粒状緩効性窒素肥料の核となる粒子を転動させ、これに造粒液と尿素−アルデヒド類縮合物及び酸化ワックスを交互或いは同時に添加することを続け、粒を必要な粒径まで成長(造粒)させればよい。粒径の調節は、造粒液の添加量、添加速度、造粒機の機械的条件、及び造粒時間等を適宜調節する等の従来公知の技術により行えばよい。
また、尿素−アルデヒド類縮合物粉体と酸化ワックス粉体とを予め混合しておき、その粉体を造粒する方法や、造粒時にこの両方の粉体を別々に添加する方法等も採用可能である。その際、本発明の粒状緩効性窒素肥料内部の酸化ワックスの分散性を考慮すると、両粉体を同時に添加することが好ましい。また、造粒液の添加方法も任意であるが、造粒物が十分に転動している部分になるべく均一に添加すれば、製品粒径の取得率が向上するので好ましい。また、造粒操作終了後、所望の粒径に満たない小粒径品が生じた際には、これを次の造粒操作における粒状緩効性窒素肥料の核となる小粒子として用いることが好ましい。
このような造粒後は、必要に応じて得られた粒状緩効性窒素肥料を乾燥してもよい。乾燥温度は、粒状緩効性窒素肥料中の尿素―アルデヒド類縮合物や、酸化ワックスが分解しない範囲内で行うことが好ましく、具体的には室温〜120℃、中でも40〜120℃、特に60〜100℃の範囲内にて行うことが好ましい。例えば、造粒液の一部としてメチロール尿素水溶液を用いて造粒した際には、このメチロール尿素が酸触媒の作用でメチレン化反応を起こし、尿素樹脂接着剤として物性維持に寄与するよう、60〜120℃、特に80〜100℃の温度範囲内で乾燥することが好ましい。
本発明の粒状緩効性窒素肥料の粒子径は任意であり、用途に合わせて適宜調整すればよい。一般的には0.5〜15mm、中でも1〜10mm、更には2〜6mmが好ましく、特にBB肥料や機械施肥用の粒状緩効性窒素肥料とするに際しては2〜4mmであることが好ましい。
また、本発明の粒状緩効性窒素肥料の形状も任意であるが、真球性が高い程、例えばバルクブレンド肥料とした際や機械施肥用肥料とした際の取扱性が良好となるので好ましい。
こうして得られた本発明の粒状緩効性窒素肥料は、尿素−アルデヒド類縮合物と酸化ワックスとが著しく高度な均一混合状態で分散した構造となり、このような造粒物が土中に施肥されると、土壌中の水分により尿素−アルデヒド類縮合物が溶出する際、その均一分散性ゆえに溶出速度が遅くなり、その酸化ワックス含有量に応じて、同一の粒径でありながら溶出速度の異なる、しかも従来よりも更に溶出速度の遅い粒状緩効性窒素肥料となる。
本発明の粒状緩効性窒素肥料の用途は特に限定されるものではなく、作物の養分要求特性に合わせて適宜選択される。例えば、従来の尿素−アルデヒド類縮合物単独造粒物(粒径2〜4mm)では肥効期間が短すぎて適用できなかった、比較的長期間の栽培体系(水稲全量基肥栽培、トマト、ナス、イチゴなどの果菜類の栽培等)における窒素成分の施肥に際して使用可能となり、緩効性窒素肥料の適用範囲の拡大を図ることができる。
なお、本発明の粒状緩効性窒素肥料は、その他の肥料成分を含む肥料粒とブレンドし、バルクブレンド肥料として使用してもよい。この場合、用いる肥料粒としては従来公知の任意ものを使用でき、例えば硫安、塩安、硝安、石灰窒素、過燐酸石灰、重過石、重焼燐、塩加、硫加等の単肥の他に、N、P、KO等の2成分以上からなる燐安、化成肥料、およびこれらを2種以上複合したバルクブレンド肥料が挙げられる
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[粒状緩効性肥料の製造]
<実施例1>
核となる小粒子にIBDU小粒品(粒径0.7〜2.5mm)を、まぶし粉としてIBDU粉体(粒径0.5mm以下)と酸化ワックス粉体(日本精鑞(株)製「NPS−9210」,粒径0.25mm以下)を表2の通り計量し準備した。
脱塩水365.6gに尿素394.8g及びホウ砂9.9gを添加し、50℃に加温してこれにパラホルムアルデヒド(86%濃度)229.7gを添加し、60分間撹拌し、メチロール尿素水溶液を調整した。このメチロール尿素水溶液に、メチレン化触媒として50%クエン酸を造粒操作の使用直前に19.4g/1000gの割合で添加し、造粒液とした。
撹拌型造粒機(大和加工機製、NG−350型)に核用のIBDU小粒品を780g入れ、撹拌羽根の回転数が300±50rpmとなるように撹拌しながら、表2に示す量の造粒液とIBDU粉体と酸化ワックス粉体の混合物を徐々に加えながら、約10分間造粒操作を行った。得られた造粒物を篩い分けし、2.36〜4mmのものを更に100℃で1時間乾燥した。
<実施例2,3>
酸化ワックス粉体として、実施例2においては(日本精鑞(株)製「NPS−6010」,粒径0.25mm以下)を用い、実施例3においては酸化ワックス(日本精鑞(株)製「NPS−9125」,粒径0.25mm以下)を用いたこと以外は、実施例1と同様に、表2の量にて肥料を造粒した。
<実施例4,5,6>
IBDU粉体(粒径0.5mm以下)と酸化ワックス粉体(日本精鑞(株)製「NPS−9210」,粒径0.25mm以下)の比率を表2の通り変更した以外は、実施例1と同様に、肥料を造粒した。
<比較例1>
酸化ワックスを用いなかったこと以外は、実施例1と同様に、表2に記載の量にて肥料を造粒した。
<比較例2>
酸化ワックスの代りに、極性基の導入されていないワックス(日本精鑞(株)製「LUVAX−1266」,粒径0.25mm以下)を用いたこと以外は、実施例1と同様に、表2に記載の量にて肥料を造粒した。
実施例1〜6及び比較例1で用いた酸化ワックスの特性値を表3に示す。また、実施例1〜6及び比較例1,2で得られた造粒物の特性値を表4に示す。
Figure 2009161367
Figure 2009161367
Figure 2009161367
[水中溶出試験]
実施例1〜6及び比較例1,2で得られた造粒物を用いて、以下の水中溶出試験を行い、結果を図1,2に示した。
製造した粒状緩効性窒素肥料200mgと海砂(15〜20mesh)20gを混合し、不織布の袋に詰め、溶出用パックとした。200ml容のスチロール製容器に脱塩水200mlと溶出用パックを入れ、蓋をした後25℃の恒温器内に静置した。所定期間経過後、容器内を軽く撹拌し、溶出液の窒素含量を測定した。溶出液中の窒素含量と予め求めておいた仕込み窒素量から、溶出率を算出した。残りの溶出液は廃棄し、新たに脱塩水200mlを加え、再度25℃の恒温器内に静置した。以上の操作を積算溶出率が80%を超えるまで繰り返した。
図1より、尿素−アルデヒド類縮合物(IBDU)を造粒する際、ワックス類を添加することにより、窒素成分の溶出を抑制できることが分かる。更に、酸化ワックスを用いた実施例1〜3ではその効果が高く、とりわけ実施例1,2(NPS−9210、NPS−6010)の場合には、顕著な効果が認められた。これは、適度な極性基の存在により、酸化ワックスがIBDU造粒物中で良好に分散したためと推察された。一方、極性基の無い比較例2(LUVAX−1266)では、オレフィンの分散性が悪く、溶出抑制効果が低かったと推察された。また、実施例の中でも極性基の極端に多い実施例3(NPS−9125)では抑制効果がやや劣った。これは、極性基が多過ぎると、酸化ワックスの撥水性や防湿性が不十分になるためと推察された。
図2より、酸化ワックスの5重量%添加で溶出抑制効果が認められること、添加量の増大に伴い溶出効果が高まることが分かる。但し、20重量%添加しても抑制効果はあまり増大しなかった。20重量%添加した実施例6では、乾燥時に溶融した酸化ワックスの粒外部への染み出しが見られ、添加量が限界に近付いていることが示唆された。
実施例1〜3及び比較例1,2における粒状肥料の水中溶出パターンを示すグラフである。 実施例1,4〜6及び比較例1における粒状肥料の水中溶出パターンを示すグラフである。

Claims (6)

  1. 尿素−アルデヒド類縮合物と酸化ワックスとの混合物を粒状化してなることを特徴とする粒状緩効性窒素肥料。
  2. 請求項1において、酸化ワックスの含有量が3重量%以上、25重量%以下であることを特徴とする粒状緩効性窒素肥料。
  3. 請求項2において、酸化ワックスの含有量が5重量%以上、15重量%以下であることを特徴とする粒状緩効性窒素肥料。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、酸化ワックスが下記(1)及び/又は(2)の条件を満たすことを特徴とする粒状緩効性窒素肥料。
    (1)酸価:3〜25mg−KOH/g
    (2)ケン化価:10〜70mg−KOH/g
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、尿素―アルデヒド類縮合物が、同一縮合度を有する縮合物を70重量%以上含有することを特徴とする粒状緩効性窒素肥料。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項において、尿素―アルデヒド類縮合物が、尿素―イソブチルアルデヒド縮合物であることを特徴とする粒状緩効性窒素肥料。
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