JP2009160427A - 複数層ポリマーコーティングを有する薬物添加ステント - Google Patents

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Abstract

【課題】狭窄した血管系または他の身体通路の処置のために有用な、薬物添加複数層ハイブリッドポリマーコーティングを有するステントを提供すること。」
【解決手段】本発明のステントは、例えば、コーティングを有する薬物添加ステントであって、該薬物添加ステントは、以下:(a)1以上のポリマーの第一組成物を含む下塗り層、および(b)1以上のポリマーの第二組成物を含む薬物レザバ層を備え、該第一組成物は、該第二組成物とは異なり、そして該薬物レザバ層は、1以上の活性薬剤をさらに含み、該コーティングは、ステントが拡張した際およびその後の持続期間の間インタクトなままであり、そして有効量の該活性薬剤をステント拡張の部位で放出する。
【選択図】図1

Description

(発明の分野)
本発明は、狭窄した血管系または他の身体通路の処置に有用な、薬物添加複数層ハイブリッドポリマーコーティングを有するステントに関する。
(発明の背景)
血管形成術は、閉塞した動脈の処置として、劇的に増加した。しかし、血管は、しばしば、血管形成術後に再閉塞を受ける。血管形成術後の血管の閉塞は、再狭窄として公知である。再狭窄のプロセスは、血管位置、病変の長さおよび他の変数に依存して、30%を超える症例において生じ得る。
再狭窄は、いくつかの場合、単純な機械的反射によって引き起こされ得る;例えば、動脈壁の弾性リバウンドおよび/または血管形成術によって生じる血管壁中の解離によって引き起こされる。これらの機械的な問題点は、血管を開けたままにし、そして血管の弾性リバウンドを予防するためのステントの使用によっていくらか緩和され、そして多くの患者について再狭窄のレベルを低減する。このステントは、代表的に、カテーテルによって血管内腔に導入され、そして狭窄した血管病変と接触するように展開され、それによって血管壁に対する内部支持を提供する。クリニックにおいて使用されているステントの例としては、Palmazに対して発行された特許文献1、Gianturcoに対して発行された特許文献2、およびWiktorに対して発行された特許文献3(これらは、その全体が参考として本明細書中で援用される)に開示されるステントが挙げられる。
再狭窄の別の局面は、血管形成術によって引き起こされる動脈壁の損傷に対する、天然の治癒反応であると考えられる。治癒工程の複雑な工程の最終的な結果は、血管が再び閉塞されるまでの、内膜過形成、内側の平滑筋細胞の移動および増殖である。
ステントは、代表的に、薄い金属のスクリーン様の足場である管状金属デバイスであり、そして圧縮した形態で挿入され、次いで標的部位で展開される。ステントは、長期にわたって再狭窄を防ぐために、拡張した血管についての長期の支持を提供するために意図される。不運なことに、クリニックからの最初のデータは、ステントが、その役割において完全には成功せず、そして30%より多くの症例において、1年以内に血管再狭窄が生じたことを示す。ステント表面上または隣接患者組織において生じる問題に対処するために、ステント表面上に利用可能な医薬を有することが所望される。
冠状ステントが配置される場合、患者は、しばしば、ステント表面上の血栓形成を予防するために、積極的な抗血栓性の抗血小板レジメンに供される。ステント表面上の血栓形成は、血管系における金属物体の配置の自然の結果であり得る。ステント上に形成される血栓は、ステントからはがれて、血管系の別の箇所での所望でない危険な閉塞を生じ得ることが認識される。不運にも、積極的な抗血栓レジメンは、ステント手順または必要とされ得る他の二次的な手順に伴う傷害を治癒する患者の能力を損なう。従って、冠状ステント配置に関連する積極的抗血栓治療についての必要性を減少させる方法が見出されることが所望される。
これらの問題に対処するために、種々のアプローチが提唱されている。特許文献4(Burtら)は、パクリタキセルが、ポリマー層中に取り込まれ得ることを提唱した。例としては、ポリカプロラクタム、ポリ(ラクチック−co−グリコール酸)などが挙げられた。しかし、これらの層の多くは、生分解性であり、従って、患者の酵素組成に依存し得る。酵素組成は、患者によってかなり異なることが公知である。従って、生分解プロセスおよび薬物放出速度は、おそらく、患者によって異なる速度で生じる。さらに、この開示において使用されるポリマーは、この適用について低い粘着性を有する。
特許文献5(Bergら)、特許文献6(Wolffら)および特許文献7(Chudzikら)は、ステント上の複数層のポリマー中の薬物の取り込みを記載し、ここで、薬物−ポリマー層は、1以上の連続適用において適用される。列挙されたポリマーとしては、生体吸収性の例および生体安定性の例が挙げられる。列挙された生体吸収性の例としては、ポリ(L−乳酸)、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)およびポリ(ヒドロキシブチレート−co−バレレート)が挙げられる。列挙された薬物としては、ヘパリンおよび他の抗凝集剤、グルココルチコイドまたは他の抗炎症剤、ならびに種々の抗複製剤が挙げられる。生体吸収性のポリマーは、患者の酵素組成に依存し得、そして薬物放出において、患者間のバリエーションに供され得る。また、このようなポリマーは、この適用のためには低い粘着性を有する。列挙された生体安定性ポリマーとしては、シリコーン、ポリウレタン、ポリエステル、ビニルホモポリマーおよびビニルコポリマー、アクリレートホモポリマーおよびアクリレートコポリマー、ポリエーテルならびにセルロース系物質が挙げられる。さらに、薬物放出層における単一のポリマーの使用は、この層に使用される特定のポリマーによって可能になる薬物放出にまで、薬物放出の動態を制限し、従って、ハイブリッドポリマー層を使用して可能であるのと同じ程度にまで、薬物放出の動態を調節することをあまり可能でなくする。さらに、薬物放出の動態を最適化することは、必要な粘着性およびステント上で臨床的に受容可能であるような可撓性を有するコーティングを提供しない。
内皮細胞と共に播種されるステントを提供することが提唱されている。1つの実験において、細菌性β−ガラクトシダーゼまたはヒト組織型プラスミノゲンアクチベータのいずれかについて、レトロウイルス媒介性の遺伝子移入を受けたヒツジ内皮細胞が、ステンレス鋼ステント上に播種され、そしてステントが覆われるまで増殖した。従って、これらの細胞は、細胞が治療的タンパク質を提供し得る血管壁へと送達され得る。血管壁へと治療的物質を提供する他の方法としては、単純なヘパリンコーティングされた金属ステントが挙げられ、これにより、ヘパリンコーティングは、イオン的または共有結合的にステントに結合する。
Yanに対する特許文献8は、医薬が金属の細孔にロードされる、多孔性金属ステントを記載する。このステントはまた、ポリマー性被覆を有し得、この被覆は、金属細孔中にロードされた薬物とは異なる薬物を含む。このステントは、1以上の薬物を送達する能力を有するが、1つの型のポリマーのみが使用され、そして金属細孔中の薬物がポリマー性媒体に結合していないという事実によって制限される薬物放出動態を媒介する能力を有さない。薬物のポリマー捕捉を有さない細孔の使用が、薬物の溶解性に完全に依存する、薬物放出速度/プロフィールを生じることが見出されている。
最後に、非特許文献1は、その間に非常に薄いPTFEチューブを有する2つのステントのスリーブを記載し、これは、急性冠状動脈破裂に罹患した24人の患者に移植された。この方法は、この新規冠状ステント移植片(CSG)の適切な展開を達成するために、大きすぎる高圧バルーンカテーテルの使用を命じる。さらに、内部人工器官は、標的病変区画から発する側枝の閉塞を回避するために、適切な大きさにされ、そして配置される必要があり、そして血栓形成が関心事である。
米国特許第4,733,665号明細書 米国特許第4,800,882号明細書 米国特許第4,886,062号明細書 欧州特許第0706376号明細書 米国特許第5,837,008号明細書 米国特許第5,851,217号明細書 米国特許第6,344,035号明細書 米国特許第5,843,172号明細書
Von Bergelenら「The JOSTENTTM Coronary Stent Graft−Just Another Stent?...or How Should it be Implanted?」、要約:825−4、ACC 2000/49th Annual Scientific Session、2000、March 12−15、Anaheim、CA、USA
従って、クリニックにおける冠状ステント手順後の再狭窄および血栓形成の発生率を減少させるために、ステントの表面から治療的活性を一貫して提供し得る技術についての必要性が存在する。
(発明の要旨)
1つの実施形態において、本発明は、複数のポリマー層がステント表面に適用されたステントを含み、これらのポリマー層の少なくとも1つ(全てではない)は、種々の個々の薬物または薬物カクテルについてのレザバを提供する。これらのポリマー層は、ハイブリッドポリマー層であり得、そして複数層ステントコーティングにおいて、異なる目的を果たし得る。
本発明のポリマー層は、代表的に、金属ステント表面上に直接適用され得る結合層または下塗り層を含む。中間ポリマー層は、必要に応じて、この下塗り層上に適用され得る。この中間ポリマー層は、複合ハイブリッドポリマー層の可撓性、弾性および拡張性を増強するために使用される。次に、1以上の薬物キャリアポリマー層が、この中間ポリマー層上に適用され得るか、または中間層が使用されない場合、下塗り層上に直接適用され得る。1以上のポリマー層は、ハイブリッドポリマー層であり得る。本明細書中で使用する場合、ハイブリッドポリマー層は、2以上の異なるポリマーが合わされて層を形成する層であり、均一なポリマー性アロイである。本発明において、下塗りハイブリッドポリマーは、ステント表面に足場を提供するように設計されたポリマーを含む。中間ハイブリッドポリマー層は、コーティング複合材料に増強された可撓性および弾性を付与し得、そして下塗り層および薬物放出層に粘着性を付与し得るポリマーを含む。この薬物放出層は、好ましくは、ハイブリッドポリマー層であるが、他の2つの層において使用されるポリマーとは異なるポリマーを含む。
本発明のポリマー層は、優れた可撓性および弾性を有し、そして滅菌、患者における移植およびステント展開後にもインタクトなままであるように、拡張性である。これらのポリマー層は、あまり生体分解性ではなく、その結果、ホルモン活性における患者間の差異は最小化される。これらのポリマー層は、親水性ポリマーおよび疎水性ポリマーが使用されるので、薬物放出動態を調節し得る。
本発明の薬物ロード層は、設計された生態適合性のハイブリッドポリマー層において治療薬物混合物を捕捉するための技術を提供する。本発明の1つの実施形態において、これらのポリマー層は、薬物についてのレザバとして作用し、そして滅菌および保存の間に薬物を保護および安定化する。これらのポリマー層は、体液に対して多孔性であり得、その結果、この薬物は、ポリマー層への体液の拡散を介して可溶化し得、制御された速度で、これらの層から引き続いて可溶化薬物が拡散し得る。このポリマー−薬物層は、ポリマーコーティングされたステント足場上に堆積され得、これは、カテーテルを介して、例えば、クリニックにおいて現在実行されている様式で、狭窄病変に送達可能であり得る。これらのポリマー層は、狭窄部位にて、適切な時間にわたって効果的な薬物濃度を提供するように設計される。例えば、薬物−ポリマー層は、約1〜3日間にわたる速い薬物放出、その後の1週間、2週間、30日間または必要な場合それ以上にわたってより遅い持続性薬物放出を提供し得る。速い放出および遅い放出の時間の合計は、持続期間と称され得る。これらの薬物放出層はまた、所望の場合、例えば、ポリマー薬物放出層中の疎水性ポリマーに対する親水性ポリマーの比率を調節することによって、異なる薬物放出速度プロフィールを提供するように設計され得る。
本明細書の1つの実施形態において、これらのポリマー層は、拡散動態を変更するために、またはキャスティング溶液中の成分(特に、疎水性ポリマーに対する親水性ポリマーの比率)を変化させることによって、物理的特性(例えば、粘着性、可撓性および耐摩耗性)を増強するために、ポリビニルピロリドン、セルロースエステルおよびポリウレタン、アクリレートポリマーおよびアクリレートコポリマー、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、親水性アクリレートポリマーおよび親水性アクリレートコポリマー、メラミンまたはエポキシドのポリマーアロイを含む。より速い薬物放出のために、疎水性ポリマーに対する親水性ポリマーのより高い比率が使用され、薬物放出を遅くするためにその逆が使用されることが意図される。
本発明の別の実施形態において、コーティングの表面特性は、種々の程度(例えば、高度に潤滑性から実質的に非潤滑性まで)を有する相対組成によってさらに影響され得る。表面層中に薬理学的薬剤を含ませることによって、この表面は、薬物レザバになり得、そして全身性の濃度は低いままで、高い局所的薬物濃度を提供し得る。このようなポリマーアロイは、本明細書中に記載され、そしてまた、米国特許第5,069,899号、Whitboureneら、表題「Anti−thrombogenic,anti−microbial compositions containing heparin」、米国特許第5,525,348号、Whitbourneら、表題「Coating compositions comprising pharmaceutical agents」、米国特許第6,086,547号、Hanssenら、表題「Wire for medical use coated with polymer sulphone and a copolymer」および米国特許第6,110,483号Whitbourneら、表題「Adherent,flexible hydrogel and medicated coatings」、公開されたPCT国際出願WO10/15526号、表題「Anti−infective covering for percutaneous and vascular access devices and coating method」、1999年11月18日出願の米国出願番号09/442,891、表題「Flexible sealed coil−like devices」ならびに2001年4月13日に出願された仮出願、米国出願番号60/196,781、表題「Targeted therapeutic agent release devices and methods of making and using the same」(これらは、本明細書中で参考として援用される)に記載される。
コーティング組成物は、種々のステントをコーティングするために使用され得る。非限定的な例としては、以下が挙げられる:自己展開ステント(例えば、Wallstentの変種)またはバルーン展開ステント(種々の型(例えば、Gianturco−Roubin、Palmaz−Shatz、Wiktor、Strecker、Cordis、AVE Micro Stent、Boston Sientific NirステントおよびGuidant MULTI−LINK(登録商標)冠状ステント)にて利用可能であるような)。これらのステントは、代表的に、ステンレス鋼またはタンタルのような材料あるいはニチノールから調製される。これらは、尖った縁を有する種々のメッシュパターンを有し、そしてより短いかまたはより長く、そしてより小さいかまたは大きい直径を有する。本発明のコーティングは、全てのこのようなステントおよび当業者に公知であるかまたは引き続いて開発される他のステントに適切である。
本発明の1つの実施形態は、以下を含むコーティングを有する薬物添加ステントに関する:(a)第一の組成の1以上のポリマーを含む下塗り層、および(b)第二の組成の1以上のポリマーを含む薬物レザバ層であり、この薬物レザバ層のポリマー組成は、下塗り層のポリマー組成とは異なり、そしてこの薬物レザバ層は、1以上の活性薬剤をさらに含み、このコーティングは、ステント展開の際およびその後の持続期間の間にインタクトなままであり、そしてステント展開部位で有効量の活性薬剤を放出する。
別の実施形態において、薬物添加ステントは、下塗り層と薬物レザバ層との間に中間層をさらに含み得、この中間層は、下塗り層および薬物レザバ層のポリマー組成とは異なるポリマー組成を含む。この薬物添加ステントは、これらの層の1つまたは別個の層中に、1以上の造影材料をさらに含み得、この造影剤は、このデバイスが、超音波、核磁気共鳴画像化、X線画像化および/または他の画像化様式を受ける場合に、可視性を増強し得る。
薬物添加ステントは、同じ層および/または異なる層内に含まれる異なる薬剤を含み得る。下塗り層および/または薬物レザバ層は、単一の層であり得るか、あるいは2以上の層を含み得る。さらに、中間層は、複数の層を含み得る。薬物添加ステントは、1種より多い活性薬剤を含み得る。
なお別の実施形態において、下塗り層は、以下からなる群より選択される1以上のポリマーを含む:アクリレートポリマー/コポリマー、アクリレートカルボキシルおよび/またはヒドロキシルコポリマー、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー(PVP/VA)、オレフィンアクリル酸コポリマー、エチレンアクリル酸コポリマー、エポキシポリマー、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドンコポリマー、ポリアミドポリマー/コポリマー、ポリイミドポリマー/コポリマーおよび/またはポリエーテルスルホン。中間層は、以下からなる群より選択される1以上のポリマーを含み得る:アクリレートポリマー/コポリマー、アクリレートカルボキシルおよび/またはヒドロキシル、PVP/VA、ポリウレタン、シリコーンウレタンポリマー、ポリカーボネートウレタンポリマー、ポリビニルブチラールおよび/またはエポキシポリマー。
下塗り層および/または中間層および/または薬物レザバ層は、ポリウレタン、ポリカーボネートウレタンポリマーおよびシリコーンウレタンポリマーからなる群より選択される1以上のポリマーを含み得る。
さらなる実施形態において、薬物添加ステントは、1000psiより大きい曲げ率および200%より高い破断時の伸びを有する、1以上のポリマーを含み得る。薬物添加ステントは、アクリレートポリマー/コポリマー、アクリレートカルボキシルおよび/またはヒドロキシルコポリマー、ポリビニルピロリドン(PVP)、PVP/VA、セルロースエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート−ウレタンポリマー、シリコーン−ウレタンポリマー、エポキシポリマー、ポリエチレングリコールおよび/またはポリエチレンオキシドから選択されるポリマーを含む薬物レザバ層を有し得る。薬物添加ステントは、ポリウレタン、硝酸セルロース、および/または1以上の他のセルロースエステルポリマーの1以上を含む薬物レザバを有し得る。
さらなる実施形態において、薬物添加ステントは、アクリレートポリマー/コポリマー、カルボキシル基および/またはヒドロキシル基を含むアクリレートポリマー/コポリマー、硝酸セルロースおよび/または他のセルロースエステルから選択される1以上のポリマーを含む薬物レザバ層を有し得る。薬物添加ステントは、狭窄部位にて有効な抗再狭窄剤を含む、活性薬剤を有し得る。コーティングの合計の厚さは、約0.3ミクロン〜約30ミクロンの間であり得る。薬物添加ステントはまた、約0.1ミクロン〜約5ミクロンの厚さを有する下塗り層、および約0.1ミクロン〜約10ミクロンの厚さを有する薬物レザバ層を有し得る。さらに、薬物添加ステントは、約0.1ミクロン〜約15ミクロンの厚さを有する中間層を含み得る。
本発明の他の実施形態において、活性薬剤は、以下の1以上から選択される:抗血栓剤、抗炎症剤、抗新生物剤、抗増殖剤、細胞成長抑止剤、細胞傷害性剤、抗菌剤、抗再狭窄剤、抗血小板剤および抗凝固剤。活性薬剤はまた、以下の1以上から選択され得る:抗フィブリン剤およびフィブリン溶解剤、抗血小板剤、プロスタサイクリン(およびアナログ)、糖タンパク質、IIb/IIIa剤、トロンボキサンインヒビター、抗トロンビン剤、抗凝固剤、抗有糸分裂剤、抗増殖剤および細胞成長抑止剤、抗血管形成剤および血管形成阻害剤、ACEインヒビター、増殖因子アンタゴニスト、抗酸化剤、ビタミン、カルシウムチャネルブロッカー、魚油(ω3−脂肪酸)、ホスホジエステラーゼインヒビター、硝酸供与体、ソマトスタチンアナログ、免疫抑制剤および抗炎症剤、抗菌剤、α、βおよびγ放射同位体を含む放射性核種、COX−2インヒビター、内皮促進剤、キナーゼインヒビター、上皮増殖因子キナーゼインヒビター、チロシンキナーゼインヒビター、MAPキナーゼインヒビター、タンパク質トランスフェラーゼインヒビター(単独または組み合わせで)。
さらなる実施形態において、活性薬剤は、以下の1以上から選択され得る:プラスミン、ストレプトキナーゼ、単鎖ウロキナーゼ、ウロキナーゼ、t−PA(組織型プラスミノゲンアクチベータ)、アミノカプロン酸、アスピリン、モノクローナル抗体、ペプチド、薬物(例えば、ReoPro、Cilastagel、エプチフィバチド(eptifibatide)、チロフィバン(tirofiban)、チクロピジン、Vapiprost、ジピリダモール、フォルスコリン、アンジオペプチン(angiopeptin)、アルガトロバン、デキスタン(dextan)、ヘパリン、LMWヘパリン、Enoxaparin、Dalteparin、ヒルジン、組換えヒルジン、抗トロンビン、合成抗トロンビン、トロンビンインヒビター、Warfarin、他のクマリン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、パクリタキセルおよびそのアナログ、メトトレキサート、シスプラチン、フルオロウラシル、ラパマイシン、アザチオプリン、シクロホスファミド、ミコフェノール酸、コルチコステロイド、コルヒチン、ニトロプルシド、パクリタキセル、アンギオスタチンおよびエンドスタチン;遺伝物質、オリゴヌクレオチド、Cilazapril、Lisinopril、Captopril、VEGF、FGF、Probucol、Tocopherol、ニフェジピン、ジピリダモール、Molsidomine、アンギオペプチン、プレドニゾロン、グルココルチコイド、デキサメタゾン、リファマイシン、Re−188、Re−186、I−125、Y−90セレコキシブ(celecoxib)、Vioxx、ジピリダモール、テオフィリン(単独または組み合わせで)。
別の実施形態において、薬物添加ステントは、アクリレート/カルボキシルポリマー、エポキシポリマー、ポリビニルピロリドン酢酸ビニルコポリマー(PVP/VA)の1以上を含む下塗り層を有し得る。この下塗り層はまた、エチレンアクリル酸コポリマー(EAA)、エポキシポリマーおよびポリカーボネートウレタンの1以上を含み得る。
本発明のなお異なる実施形態において、中間層は、ポリカーボネートポリウレタンを含み得る。薬物添加ステントは、アクリレート/カルボキシルポリマー、エポキシポリマーおよびポリビニルピロリドン酢酸ビニルコポリマー(PVP/VA)の1以上を含む薬物放出層を有し得る。薬物放出層は、ニトロセルロースを含み得る。薬物放出層はまた、ニトロセルロースならびに以下の1以上を含み得る:ポリテトラメチレンエーテルグリコールウレタン、ポリカーボネート−ウレタン、シリコーン−ウレタンポリマー、ポリエチレングリコール、ポリメチルメタクリレート−2−ヒドロキシエチルメタクリレートコポリマー、ポリエチルメタクリレート−2−ヒドロキシエチルメタクリレートコポリマー、ポリプロピルメタクリレート−2−ヒドロキシエチルメタクリレートコポリマー、ポリブチルメタクリレート−2−ヒドロキシエチルメタクリレートコポリマー、ポリメチルアクリレート−2−ヒドロキシエチルメタクリレートコポリマー、ポリエチルアクリレート−2−ヒドロキシエチルメタクリレートコポリマー、ポリプロピルアクリレート−2−ヒドロキシメタクリレートコポリマー、ポリブチルアクリレート−2−ヒドロキシエチルメタクリレートコポリマー、メチルビニルエーテル無水マレイン酸コポリマーおよびポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)。活性薬剤は、パクリタキセル、ヘパリン複合体、リファマイシンおよびメトトレキサートからなる群より選択され得る。
本発明の別の局面は、ステント展開の際に分離される支柱を有する薬物添加ステントを作製するための方法に関し、この方法は、以下の工程:揮発性媒体中に1以上のポリマーを含む下塗りポリマー液を適用する工程、揮発性媒体中に1以上のポリマーを含む薬物レザバポリマー液(1以上の薬物レザバポリマー液は、1以上の下塗り層ポリマーとは異なる)を適用する工程、および薬物レザバポリマー液を適用する工程と同時かまたはこの工程の後のいずれかに、活性薬剤を適用する工程、ならびに揮発性媒体を除去する工程、を包含し、これらの層は、ステントの支柱間にコーティングブリッジを形成することなく適用され得、これらの層は、ステント展開の際にインタクトなままであり、そしてステント展開部位にて有効量の活性薬剤を放出する。他の実施形態は、1種以上の活性薬剤が適用されるか、または適用工程を1回以上繰り返すことを必要とし得る。本発明は、下塗り層および薬物レザバ層の1つ以上のポリマーとは異なる1以上のポリマーを含む、中間可撓化ポリマー液の適用を含み得る。揮発性媒体は、約110℃より高い沸点を有し得る。これらの液体は、約20cpsと約70cpsとの間の粘度を有し得る。
なお別の局面において、本発明は、薬物添加ステントを作製するための方法に関し、この方法は、下塗りポリマー層ならびに少なくとも2種のポリマーおよび1種以上の活性薬剤を含む薬物レザバ層を適用する工程を包含し、ここで、下塗りポリマーと薬物レザバとのポリマー組成は異なり、ステントの支柱間にコーティングブリッジを形成せず、コーティングはステント展開の際にインタクトなままであり、そしてステント展開部位で有効量の活性薬剤を放出する。
さらなる局面において、本発明は、被験体の標的部位に生体活性薬剤を投与するための方法に関し、この方法は、以下の工程を包含する:被験体の標的部位にてステントを移植する工程(このステントは、下塗り層および薬物放出層を有するコーティングを含み、この薬物放出層は、生体活性薬剤を含み、そしてこの下塗り層および薬物放出層は、異なるポリマーを含む)、ステントを展開する工程、および生体活性薬剤を、展開期間の間にコーティングから溶出させる工程(このコーティングは、移植の間、ステント展開の間、および長期間にわたって、インタクトなままである)。
本発明はまた、薬物添加ステントに関し、このステントは、以下:ステント本体、生物学的に活性な薬剤、この薬剤を含み、そして長期間にわたってこのステントから薬剤を制御可能に放出するための手段(これは、第一ポリマーを含む)、ならびにこのステント本体に含む手段を結合するための手段(これは、第二ポリマーを含む)を備え、この含む手段および結合する手段は、ステント展開時および長期間にわたってインタクトなままである。
本発明は、さらに以下を提供する。
(項目1)
コーティングを有する薬物添加ステントであって、該薬物添加ステントは、以下:
(a)1以上のポリマーの第一組成物を含む下塗り層、および
(b)1以上のポリマーの第二組成物を含む薬物レザバ層
を備え、該第一組成物は、該第二組成物とは異なり、そして該薬物レザバ層は、1以上の活性薬剤をさらに含み、該コーティングは、ステントが拡張した際およびその後の持続期間の間インタクトなままであり、そして有効量の該活性薬剤をステント拡張の部位で放出する、薬物添加ステント。
(項目2)
前記下塗り層と前記薬物放出層との間に、前記第一組成物および前記第二組成物とは異なるポリマー組成物を含む中間層をさらに備える、項目1に記載の薬物添加ステント。
(項目3)
前記層のうちの1つまたは別の層に、超音波、磁気共鳴画像化またはX線画像化において視感度を増強し得る1以上の画像増強物質をさらに備える、項目1または2に記載の薬物添加ステント。
(項目4)
異なる薬剤が、同じ層および/または異なる層に含まれる、項目1または2に記載の薬物添加ステント。
(項目5)
前記下塗り層および/または前記薬物レザバ層が、一層である、項目1または2に記載の薬物添加ステント。
(項目6)
前記下塗り層および/または前記薬物レザバ層が、2以上の層を含む、項目1または2に記載の薬物添加ステント。
(項目7)
前記中間層が、複数層を含む、項目2に記載の薬物添加ステント。
(項目8)
1より多くの活性薬剤を含む、項目1または2に記載の薬物添加ステント。
(項目9)
前記下塗り層が、アクリレートポリマー/コポリマー、アクリレートカルボキシルおよび/もしくはヒドロキシルコポリマー、ポリビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマー(PVP/VA)、オレフィンアクリル酸コポリマー、エチレンアクリル酸コポリマー、エポキシポリマー、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピリジンコポリマー、ポリアミドポリマー/コポリマー、ポリイミドポリマー/コポリマー、ならびに/またはポリエーテルスルホンからなる群より選択される1以上のポリマーを含む、項目1または2に記載の薬物添加ステント。
(項目10)
前記中間層が、アクリレートポリマー/コポリマー、アクリレートカルボキシルおよび/もしくはヒドロキシル、PVP/VA、ポリウレタン、シリコーンウレタンポリマー、ポリカルボネートウレタンポリマー、ポリビニルブチラール、ならびに/またはエポキシポリマーからなる群より選択される1以上のポリマーを含む、項目2に記載の薬物添加ステント。
(項目11)
前記下塗り層および/または中間層および/または薬物レザバ層が、ポリウレタン、ポリカルボネートウレタンポリマー、およびシリコーンウレタンポリマーからなる群より選択される1以上のポリマーを含む、項目1または2に記載の薬物添加ステント。
(項目12)
1000psiより大きな曲げ率および200%より大きな破断時拡張を有する1以上のポリマーを含む、項目1または2に記載の薬物添加ステント。
(項目13)
アクリレートポリマー/コポリマー、アクリレートヒドロキシルおよび/もしくはカルボキシルコポリマー、ポリビニルピロリドン(PVP)、PVP/VA、セルロースエステル、ポリウレタン、ポリカルボネート−ウレタンポリマー、シリコーン−ウレタンポリマー、エポキシポリマー、ポリエチレングリコール、ならびに/またはポリエチレンオキシドから選択されるポリマーを含む薬物レザバ層を有する、項目1または2に記載の薬物添加ステント。
(項目14)
1以上のポリウレタン、硝酸セルロース、および/または1以上の他のセルロースエステルポリマーを含む薬物レザバを有する、項目1または2に記載の薬物添加ステント。
(項目15)
アクリレートポリマー/コポリマー、カルボキシル基および/もしくはヒドロキシル基を含むアクリレートポリマー/コポリマー、硝酸セルロースならびに/または他のセルロースエステルから選択される1以上のポリマーを含む薬物レザバ層を有する、項目1または2に記載の薬物添加ステント。
(項目16)
前記活性薬剤が、ステント付加部位において有効な抗再狭窄剤を含む、項目1または2に記載の薬物添加ステント。
(項目17)
約0.3ミクロンと約30ミクロンとの間の総コーティング厚さを有する、項目1または2に記載の薬物添加ステント。
(項目18)
前記下塗り層が、約0.1ミクロンと約5ミクロンとの間の厚さを有し、そして前記薬物レザバ層が、約0.1ミクロンと約10ミクロンとの間の厚さを有する、項目1または2に記載の薬物添加ステント。
(項目19)
前記中間層が、約0.1ミクロンと約15ミクロンとの間の厚さを有する、項目2に記載の薬物添加ステント。
(項目20)
前記活性薬剤が、抗トロンボゲン形成剤、抗炎症剤、抗腫瘍剤、抗増殖剤、細胞増殖抑制剤、細胞傷害剤、抗微生物剤、抗再狭窄剤、抗血小板剤、および抗凝固剤のうちの1以上から選択される、項目1または2に記載の薬物添加ステント。
(項目21)
前記活性薬剤が、抗フィブリンおよび線維素溶解剤、抗血小板剤、プロスタサイクリン(およびアナログ)、糖タンパク質IIb/IIIa剤、トロンボキサンインヒビター、抗トロンビンおよび抗凝固剤、抗有糸分裂、抗増殖および細胞増殖抑制剤、抗脈管形成および血管増殖抑制剤、ACEインヒビター、増殖因子アンタゴニスト、抗酸化剤、ビタミン、カルシウムチャネルブロッカー、魚油(ω3−脂肪酸)、ホスホジエステラーゼインヒビター、硝酸ドナー、ソマトスタチンアナログ、免疫抑制および抗炎症剤、抗微生物剤、α放射同位体、β放射同位体およびγ放射同位体を含む放射性核種、COX−2インヒビター、内皮プロモーター、キナーゼインヒビター、上皮増殖因子キナーゼインヒビター、チロシンキナーゼインヒビター、MAPキナーゼインヒビター、ならびにタンパク質トランスフェラーゼインヒビターのうちの1以上から選択される、項目1または2に記載の薬物添加ステント。
(項目22)
前記活性薬剤が、プラスミン、ストレプトキナーゼ、単鎖ウロキナーゼ、ウロキナーゼ、t−PA(組織型プラスミノゲンアクチベータ)、アミノカプロン酸、アスピリン、モノクローナル抗体、ペプチド、ReoPro、Cilastagel、エプチフィバチド、チロフィバン、チクロピジン、Vapiprost、ジピリダモール、フォルスコリン、アンジオペプチン、アルガトロバン、デキスタン、ヘパリン、LMWヘパリン、Enoxaparin、Dalteparin、ヒルジン、組換えヒルジン、アンチトロンビン、合成アンチトロンビン、トロンビンインヒビター、Warfarin、他のクマリン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、パクリタキセルおよびそのアナログ、メトトレキサート、シスプラチン、フルオロウラシル、ラパマイシン、アザチオプリン、シクロホスファミド、ミコフェノール酸、コルチコステロイド、コルヒチン、ニトロプルシド、パクリタキセル、アンジオスタチンおよびエンドスタチン;遺伝物質、オリゴヌクレオチド、Cilazapril、Lisinopril、Captopril、VEGF、FGF、Probucol、Tocopherol、ニフェジピン、ジピリダモール、Molsidomine、アンジオペプチン、プレドニゾロン、グルココルチコイド、デキサメタゾン、リファマイシン、Re−188、Re−186、I−125、Y−90セレコキシブ、Vioxx、ジピリダモールならびにテオフィリンのうちの1以上から選択される、項目1または2に記載の薬物添加ステント。
(項目23)
前記下塗り層が、アクリレート/カルボキシルポリマー、エポキシポリマー、ポリビニルピロリドンビニルアセテートコポリマー(PVP/VA)のうちの1以上を含む、項目1または2に記載の薬物添加ステント。
(項目24)
前記下塗り層が、エチレンアクリル酸コポリマー(EAA)、エポキシポリマー、およびポリカルボネートウレタンのうちの1以上を含む、項目1または2に記載の薬物添加ステント。
(項目25)
前記中間層が、ポリカルボネート−ポリウレタンを含む、項目1または2に記載の薬物添加ステント。
(項目26)
前記薬物放出層が、アクリレート/カルボキシルポリマー、エポキシポリマー、およびポリビニルピロリドンビニルアセテートコポリマー(PVP/VA)のうちの1以上を含む、項目1または2に記載の薬物添加ステント。
(項目27)
前記薬物放出層が、ニトロセルロースを含む、項目1または2に記載の薬物添加ステント。
(項目28)
前記薬物放出層が、ニトロセルロースと、ポリテトラメチレンエーテルグリコールウレタン、ポリカルボネートウレタン、シリコーン−ウレタンポリマー、ポリエチレングリコール、ポリメチルメタクリレート−2−ヒドロキシエチルメタクリレートコポリマー、ポリエチルメタクリレート−2−ヒドロキシエチルメタクリレートコポリマー、ポリプロピルメタクリレート−2−ヒドロキシエチルメタクリレートコポリマー、ポリブチルメタクリレート−2−ヒドロキシエチルメタクリレートコポリマー、ポリメタクリレート−2−ヒドロキシエチルメタクリレートコポリマー、ポリエチルアクリレート−2−ヒドロキシエチルメタクリレートコポリマー、ポリプロピルアクリレート−2−ヒドロキシメタクリレートコポリマー、ポリブチルアクリレート−2−ヒドロキシエチルメタクリレートコポリマー、コポリマーメチルビニルエーテルマレイン酸無水物コポリマー、およびポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)のうちの1以上とを含む、項目1または2に記載の薬物添加ステント。
(項目29)
前記活性薬剤が、パクリタキセル、ヘパリン複合体、リファマイシン、およびメトトレキサートからなる群より選択される、項目1または2に記載の薬物添加ステント。
(項目30)
薬物添加ステントを作製するための方法であって、以下:
揮発性媒体中に1以上のポリマーを含む下塗りポリマー液体を塗布する工程、
揮発性媒体中に1以上のポリマーを含む薬物レザバポリマー液体を塗布する工程であって、該1以上の薬物レザバポリマーは、該1以上の下塗り層ポリマーとは異なる、工程、および
活性薬剤を、該薬物レザバポリマー液体を塗布する工程と一緒に、または該薬物レザバポリマー液体を塗布する工程の後のいずれかで塗布する工程、および
該揮発性媒体を除去する工程
を包含し、該層が、該ステントの支柱の間にコーティング架橋を形成することなく塗布され、該層は、被験体の治療部位でのステントの挿入および拡張の際にインタクトなままであり、そして有効量の該活性薬剤を該治療部位に放出する、方法。
(項目31)
1より多くの活性薬剤を塗布する工程を包含する、項目30に記載の方法。
(項目32)
1以上の前記塗布する工程を繰り返すことを含む、項目30に記載の方法。
(項目33)
前記下塗り層および前記薬物レザバ層の前記1以上のポリマーとは異なる1以上のポリマーを含む中間可橈化ポリマー液体を塗布する工程をさらに包含する、項目30に記載の方法。
(項目34)
前記揮発性媒体が、約110℃より高い沸点を有する、項目30に記載の方法。
(項目35)
前記液体が、約20cpsと約70cpsとの間の粘度を有する、項目30に記載の方法。
(項目36)
薬物添加ステントを作製するための方法であって、少なくとも2つのポリマーおよび1以上の活性薬剤を含む、下塗りポリマー層および薬物レザバ層を、該ステントの支柱の間にコーティング架橋を形成することなく塗布する工程を包含し、ここで、該下塗りおよび該薬物レザバのポリマー組成が異なっており、該コーティングが、ステントの拡張の際にインタクトなままであり、そして有効量の該活性薬剤を放出する、方法。
(項目37)
被験体内の標的部位に生体活性薬剤を投与するための方法であって、以下:
ステントを該被験体の該標的部位に移植する工程であって、該ステントは、下塗り層および薬物放出層を有するコーティングを含み、該薬物放出層は、該生体活性薬剤を含み、そして該下塗り層および薬物放出層は、異なるポリマーを含む、工程、
該ステントを拡張する工程、および
該生体活性薬剤を、長期間の間、該コーティングから溶出させる工程であって、該コーティングは、移植の間、ステント拡張の間および該長期間の間、インタクトなままである、工程
を包含する、方法。
(項目38)
薬物添加ステントであって、以下:
ステント本体、
生物学的活性薬剤、
該薬剤を含みかつ該薬剤を該ステントから長期間にわたって制御可能に放出させるための手段であって、第一ポリマーを含む、手段、および
該含む手段を該ステント本体に結合させるための手段であって、第二ポリマーを含む、手段
を備え、該含む手段および該結合させるための手段は、ステント拡張の際および該長期間の間、インタクトなままである、方法。
本明細書中に引用される本発明の要素は、当業者に明らかなように、記載される特定の実施形態の中で組み合わせられ得るか、または除外され得る。
図1は、表1、実施例1からのデータを含み、336時間(14日間)にわたる、溶出したパクリタキセルの累積量をμgで示す。約10%のパクリタキセルが、14日間にわたって溶出した。溶出した薬物の総量および溶出時間の長さは、薬物放出層のコーティングの量または数、層の親水性、および薬物が放出される媒体中での薬物の溶解性によって影響される。
(発明の詳細な説明)
本発明の好ましい実施形態を記載する際に、特定の用語が、明確さのために使用される。しかし、本発明は、そのように選択された特定の用語に限定されることを意図しない。各特定の要素は、類似の目的を達成するために類似の様式で作用する、全ての技術的等価物を含むことが理解されるべきである。本発明の実施形態は、上記の教示の下で当業者によって理解されるように、本発明から逸脱することなく、改変または変更され得、そして要素が付け加えられるかまたは省略される。本明細書中に引用される全ての参考文献は、その各々が個々に参考として援用されるかのように、参考として援用される。
標的化治療のためのハイブリッドポリマー送達系を開発するために、その物理的特性および薬物放出特性の両方に関して、この系の特性を制御および操作し得ることが重要である。この活性薬剤は、表面ハイブリッドポリマー層に吸収され得るか、またはハイブリッドポリマーコーティング溶液に直接組み込まれ得る。表面ポリマー層に薬物を吸収させることは、研究室においてポリマー−薬物の性能を評価するために有効な方法であるが、市販品については、ポリマーおよび薬物が成形混合物中で予め混合されることが好ましくあり得る。より大きな効果は、コーティングにおける活性薬剤とポリマーとの比を制御するために、コーティング混合物において2つのエレメントを合わせることにより達成され得る。このような比は、薬物添加層の最終的な特性に対する重要なパラメーターである。すなわち、これらは、活性薬剤濃度および薬理学的活性の寿命のより良い制御を可能にする。
薬物放出系において使用される代表的なポリマーとしては、水不溶性セルロースエステル、種々のポリウレタンポリマー(親水性版および疎水性版を含む)、親水性ポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリビニルピロリドン(PVP)、PVPコポリマー(例えば、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)およびメチルメタクリレート(PMMA−HEMA)のようなコポリマー)、ならびに官能基(例えば、カルボキシルおよび/またはヒドロキシル)を含む他の親水性および疎水性のアクリレートポリマーおよびコポリマーが挙げられ得る。
セルロースエステル(例えば、酢酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、および硝酸セルロース)が使用され得る。セルロースエステルは、好ましくは、ハイブリッドポリマー組成物におけるポリマー成分として作用する。硝酸セルロースは、その活性薬剤との適合性ならびにコーティングに対して非粘着性および接着性を与えるその能力が理由で好ましい。硝酸セルロースは、環境条件および処理条件において捕捉された薬物を安定化させることが示されている。好ましくは、硝酸セルロース(窒素含量=11.8〜12.2%)が、本発明において使用されるが、より低い硝酸濃度を有する等級のポリマーが使用され得る。粘性等級(例えば、3.5、0.5、または0.25秒)が、これらの処方物において使用されるコーティング固体と合わされた場合に適切な流体力学的特性を提供するために使用される。より高い粘性等級またはより低い粘性等級が使用され得る。しかし、より高い粘性等級は、本発明において好まれる固体濃度で得られる高い粘性が理由で、使用することがより困難であり得る。より低い粘性等級(例えば、3.5、0.5、または0.25秒)が、好ましくは、これらの処方物において使用されるコーティング固体と合わされた場合に適切な流体力学的特性を提供するために使用される。物理的特性(例えば、張力、伸長性、可撓性、および軟化点)が粘性(分子量)に関連し、そしてより低い分子量種(特に0.25秒未満の等級)により減少し得る。
セルロース誘導体は、アンヒドログルコース構造を含む。硝酸セルロースは、疎水性の、水不溶性ポリマーであり、そして高い防水特性を有する。この構造は、多くの活性薬剤との高い適合性を導き、硝酸セルロースに捕捉された薬物に提供される高い程度の安定性の原因となる。ニトロセルロースの構造は、以下に与えられる。
Figure 2009160427

硝酸セルロースは、剛性の、比較的非可撓性のポリマーであり、そして医療デバイスを作製するために代表的に使用される多くのポリマーに対する限定された接着性を有する。また、薬物溶出動態の制御は、1つのみのポリマーが結合マトリクスにおいて使用される場合に限定される。なぜならば、ステントは、コーティングの厚みおよびポリマーと捕捉された薬物との比のような重要な変数を有するからである。1つの実施形態において、本発明は、ハイブリッドポリマー薬物充填マトリクスにおいて、硝酸セルロースと共にポリウレタンポリマーを使用する。ポリウレタンは、より高い可撓性および本発明のポリマーコートステント表面への接着性を有するハイブリッドポリマーマトリクスを提供する。ポリウレタンはまた、コーティングからの薬物溶出を遅延させるために使用され得る。脂肪族、芳香族、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、およびポリカーボネートは、ポリウレタンに含まれ、コーティングにおいて使用され得る。
以下の構造から、ポリマー構造に含まれる親水性基の数に基づいてどの程度大きいかまたはどの程度小さい親水性ポリウレタンポリマーが生成され得るかを見ることが可能である。本発明において使用されるポリウレタンは、水不溶性であり、可撓性であり、そしてセルロースエステルと適合性である。
Figure 2009160427

ポリビニルピロリドン(PVP)は、異常な錯化特性およびコロイド特性を有するポリアミドであり、そして本質的に生理学的に不活性である。PVPおよび他の親水性ポリマーは、代表的に、生物適合性である。PVPは、薬物放出率を増大させるために、薬物充填ハイブリッドポリマー組成物中に組み込まれる。1つの実施形態において、薬物充填ハイブリッドポリマー組成物において使用されるPVPの濃度は、20%未満であり得る。この濃度は、この層を生物腐食性または潤滑性にしない。さらに、1%未満から80%よりも高いPVP濃度が、実施可能であるとみなされる。
Figure 2009160427

アクリレートポリマーならびにポリメチルメタクリレート(PMMA)およびポリメチルメタクリレートヒドロキシエチルメタクリレート(PMMA/HEMA)を含むコポリマーが、コンタクトレンズおよび眼内レンズの用途におけるそれらの広範な使用の結果として、それらの生物適合性について知られている。ステント用の薬物放出コーティングにおけるこのようなコポリマーの使用を記載したいくつかの研究が、文献にて報告されている。コーティングは、極僅かな平滑筋および内皮細胞の増殖、および非常に低い炎症応答(Bar)しか誘発しないことが見出された。これらのポリマー/コポリマーは、薬物ならびに本発明の他のポリマーおよび層と適合性である。
Figure 2009160427

薬物充填コーティングは、有機溶媒中のコーティング溶液として調製され得る。この溶液は非反応性であり、そして室温にて保存される場合に18ヶ月までの有効期限を有し得る。とりわけ、単純な手順(例えば、浸漬、噴霧、その後の風乾)が、このハイブリッドポリマー表面をステントに適用するために使用され得る。高温(40〜120℃)でこのデバイスを乾燥させることにより、残存する溶媒を除去し、約0.3〜30ミクロンの厚みの生物適合性表面層を生成し得る。一旦乾燥すると、この表面層は、このハイブリッドポリマー層に捕捉された薬物および保存条件に依存して、滅菌パッケージングの期間(一般的に、3〜5年)実質的に安定である。
下塗り層に使用されるポリマーは架橋可能であり得、そしてコーティングは、ポリマーに対する架橋剤(例えば、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、他のアミノ樹脂、およびフェノール性樹脂)を含み得る。ポリマーは、カルボキシ官能基アクリル性ポリマー、ヒドロキシ官能基アクリル性ポリマー、アミン官能基アクリル性ポリマー、メチロール官能基、およびアミド官能基アクリル性ポリマーから選択され得る。それらは、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、エチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレートアクリル酸、メタクリル酸、スチレンメタクリレート、およびスチレンアクリレート、ならびにそれらのコポリマーから選択される架橋可能なアクリルであり得、そして他の非アクリル性ポリマー(例えば、ポリウレタン、ポリカーボネート−ウレタン、ケイ素−ウレタン、脂肪族ポリウレタン、ポリビニルピリジンコポリマー、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリアミドコポリマー、ポリイミドコポリマー、当該分野で公知の他のポリマー)が、下塗り層において使用され得る。
下塗り層は、好ましくは、溶液中の親水性ポリマーと有意に反応しない水不溶性ポリマーであり、低い水吸収性を有し、高い程度の可撓性を提供し、そして改善されたステント基材への結合性を有する疎水性ポリマーを含む。本発明において使用され得る適切な市販品としては、ACRYLOID.RTM.(Rohm&Haas)AT−63、AT−51、AT−81、WR−97のようなアクリル;PRIMACOR.TM.(DOW)5989、5990のようなエチレンアクリル酸コポリマー;CYMELO.RTM.ヘキサメトキシメチルメラミン(CYTEC Industries)303、370、380;EPON(Shell)1001のようなエポキシ;およびBUTVAR B−79(Monsanto)のようなポリビニルブチラール、Tecoflex 93A、Chronoflex ARのようなポリウレタンが挙げられる。好ましいアクリル性安定化ポリマーは、エポキシと反応し得るがそのポリマーに親水性を付与しないヒドロキシルまたはカルボキシのような反応基を含む。
1つの実施形態において、本発明のコーティングは、下塗り層および/または薬物レザバ層において使用される親水性ポリマー(例えば、水溶性ポリオレフィン(例えば、極性ペンダント基を有する親水性ビニルポリマー)、親水性エステル化基を有するポリアクリレートまたはメタクリレート、ポリエーテル、ポリエチレングリコール、あるいは当該分野で公知の親水性特性を有する他のポリマー)を含む。親水性ポリマーは、好ましくは、PVPまたはPVP/酢酸ビニル(例えば、PVP/VA(GAF)E−335およびE−635)である。
親水性成分は、Concise Encyclopedia of Polymer Science and Engineering,Kroschwitz編(Wiley 1990),pp.458−59(本明細書中で参考として援用される)において議論されているクラスのいずれかであり得る。ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、またはポリビニルアルコールのようなポリマーは、単独でかまたは組み合わせて受け入れられ得る。適切な親水性ポリマーの例としては、以下の化合物のホモポリマーまたはコポリマーが挙げられる:極性ペンダント基を有するビニルポリマーのようなポリオレフィン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルラクタム、N−ビニルブチロラクタム、N−ビニルカプロラクタム、スチレンスルホン酸ナトリウムモノマー、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸ナトリウム、ビニルピリジン、親水性エステル化基を有するアクリレートまたはメタクリレート。他の親水性ポリマーとしては、適切な親水性が存在する限り、ポリエーテル、ポリエチレングリコール、ポリサッカリド、親水性ポリウレタン、ポリヒドロキシアクリレート、ポリメタクリレート、およびビニル化合物とヒドロキシアクリレートまたはアクリル酸とのコポリマーが挙げられる。他の例としては、デキストラン、キサンタン、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリアクリルアミド、およびポリペプチドが挙げられる。他の親水性成分は、当業者に公知である。
本発明は、例えば、ACRYLOID Thermoplastic Acrylic Ester Resins for Industrial Finishing,Rohm&Haas,Bulletin 82A37(1987)に規定されるようなアクリル(例えば、ポリマーおよびアクリル酸とメタクリル酸とのコポリマーならびにそれらのエステル)(カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミド基、またはメチロール基を含む少なくとも1つの成分を有する架橋可能なアクリルを含む)を必要とし得る。所定の官能基を有する以下のACRYLOIDポリマーが好ましい:AT−51(ヒドロキシル)、AT−63(ヒドロキシル)、AT−81(カルボキシル)、およびWR−97(ヒドロキシル)。架橋可能なアクリル性エマルジョン(例えば、RHOPLEX B−15J(Rohm&Haas))およびスチレンアクリル性エマルジョン(例えば、AROLON.RTM.820−W−49(Reichhold))もまた使用され得る。
種々のポリマー(例えば、エポキシ樹脂、特に、硬化されたエポキシポリマー(例えば、EPOTUF.RTM.38−505(Reichhold)、および好ましくはポリアミドによって硬化されたエポキシポリマー(例えば、EPOTUF.RTM.37−618(Reichhold))、ビニルポリマー、特に酢酸ビニル、ビニルアセタール(例えば、ポリビニルブチラール)、およびエチレン酢酸ビニルコポリマー)が使用され得る。必須の特性を有する他の適切なポリマーは、当業者に明らかである。このポリマーは、好ましくは(しかし必須ではない)反応基または反応点(例えば、ヒドロキシル、第1級アミン、第2級アミン、および第3級アミン、酸(例えば、カルボキシル、アミド)または化学的反応点を示す他の基)を含む。アクリルの場合、これは、架橋可能な「官能性」を有するとして言及される。ポリマーおよび化学反応点は、誘引力(例えば、医療デバイス表面への水素結合、ならびに親水性ポリマーおよび/または生物活性薬剤への水素結合)を形成し得る。このような結合は非常に強力であり、そしておそらく共有結合、イオン結合、または他の結合を伴わないで、コーティングに対して望ましい接着性および可撓性を提供する。
反応性基を有するポリマーは、ステントにおける下塗り層(これは、金属基板を与える)において好ましい。しかし、このような基を欠くポリマー(例えば、アクリル樹脂またはスチレンコポリマー)もまた効果的に使用され得る。この反応性基はまた、反応して架橋したマトリックスを形成し得るか、または架橋したマトリックスの形成を補助する。所望の場合、架橋剤(例えば、尿素樹脂、メラミン、イソシアネート、フェノール樹脂など)は、ポリマー鎖上の化学的反応性の点と相互作用して本発明のポリマー自体と架橋させるために組み込まれ得る。あるいは、架橋剤は、ポリマーを安定化しながらそれ自体と反応して架橋したマトリックスを形成し得、このマトリックスにおいて、親水性ポリマーは、メッシュ状になり(enmeshed)、接着性の可撓性コーティングを生じる。架橋は、次の層が塗布された場合に、溶媒がポリマー層を広範にわたって攻撃して分解しないことを確実にすることにより、効果的な接着を促進する際に有用である。
薬物レザバ層は、いくらかの親水性ポリマーの混合物を含む。疎水性ポリマーは、本開示において以前に記載されたような官能基を含むかまたは含まないセルロースエステル(例えば、硝酸セルロース、ポリカーボネート−ウレタン、アクリレートポリマーおよびコポリマー)を含む。親水性ポリマーは、親水性ペンダント基を有するビニルポリマー(例えば、PVPおよびそのコポリマー)、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、HEMA、HEMA−アクリレートおよびメタクリレートコポリマー、ならびに本開示において以前に記載される親水性ポリマー/コポリマーを含む。
本発明のコーティングは、実施例において示されるように、接着試験および屈曲試験に供された場合でさえ非常に耐久性である。このような増強された接着性および可撓性は、驚くべき結果である。本発明によるコーティングは、コーティングされたデバイスの有用な寿命の全体にわたってコーティングの所望の品質を保持するのに十分な厚さおよび耐久性で、生物医学的なデバイスまたは他のデバイスの表面に適用され得る。本発明のコーティングは、生体組織とは非反応性であり、そして血液中でトロンボゲン非形成性である。これらは、実質的に生分解性ではない。
本発明のコーティングは、0.9〜100ミクロンのオーダーで薄くなり得、好ましくは約50または30ミクロン未満であり得、そして製造された場合にステント上に連続的な表面層を形成するという点において密着性(coherent)であり得、そして膨張後にステント上で密着性を保持し得る。これらは、水性流体中への長期の浸漬の際の除去に対して耐性であり、そして広範な種々の基材に対して接着性である。
コーティングは、浸漬、注入、ポンプ、噴霧、刷毛、すりのばし(wipe)、または当業者に公知の他の方法のような種々の技術により塗布される。コーティング溶液は、低い粘度(代表的に100CPS未満)を有し、そして良好な広がり特性を有する。このコーティングは、有機溶媒を追い出すために、好ましくは高温(代表的には50℃〜140℃)で焼付けされる。コーティングとの相互作用および基材に対する接着を促進するために、ポリエチレンのようないくらかの表面を、ガスプラズマまたは他のイオン化処理で処理する必要があり得る。
このコーティングは、デバイスの表面に対する接着を促進するために好ましくは内部層に、安定化ポリマーに加えて、ポリウレタン、ポリエステル、スチレンポリブタジエン、塩化ポリビニリデン、ポリカーボネート、およびポリ塩化ビニルのようなポリマーを含有し得る。
(抗再狭窄剤および他の活性薬剤)
本発明のハイブリッドポリマーキャリア層と組み合わされる活性薬剤の例としては、以下が挙げられる:抗フィブリン剤および抗線維素溶解剤(プラスミン、ストレプトキナーゼ、単鎖ウロキナーゼ、ウロキナーゼ、t−PA(組織型プラスミノゲン賦活剤)、アミノカプロン酸を含む);抗血小板剤(アスピリン、プロスタサイクリン(およびアナログ)を含む);糖タンパクIIb/IIIa剤(モノクローナル抗体、ペプチド(例えば、ReoPro、Cilastagel、エプチフィバチド、チロフィバン、チクロピジン、Vapiprost、ジピリダモール、フォルスコリン、アンギオペプチン、アルガトロバン、トロンボキサンインヒビターを含む);抗トロンビン剤および抗凝固剤(デキストラン、ヘパリン、LMWヘパリン(Enoxaparin、Dalteparin)、ヒルジン、組換えヒルジン、抗トロンビン、合成抗トロンビン、トロンビンインヒビター、ワルファリン(および他のクマリン類)を含む);抗有糸分裂剤、抗増殖剤および細胞増殖抑制剤(ビンクリスチン、ビンブラスチン、パクリタキセル、メトトレキサート、シスプラチン、フルオロウラシル、ラパマイシン、アザチオプリン、シクロホスファミド、ミコフェノール酸、コルチコステロイド、コルヒチン、ニトロプルシドを含む);抗脈管形成剤および脈管形成抑制(angiostatic)剤(パクリタキセル、アンギオスタチンおよびエンドスタチンを含む);遺伝物質およびオリゴヌクレオチド;ACEインヒビター(例えば、シラザプリル(Cilazapril)、リジノプリル、カプトプリル);成長因子(例えば、VEGF、FGF)アンタゴニスト;抗酸化剤およびビタミン類(例えば、プロブコール、トコフェロール);カルシウムチャネル遮断薬(例えば、ニフェジピン);魚油(ω3−脂肪酸);ホスホジエステラーゼインヒビター(例えば、ジピリダモール);硝酸ドナー(例えば、Molsidomine);ソマトスタチンアナログ(例えば、アンギオペプチン);免疫抑制剤および抗炎症剤(例えば、プレドニゾロン、グルココルチコイドおよびデキサメタゾン);抗菌剤(例えば、リファマイシン)および放射性核種(α放射同位体、β放射同位体、およびγ放射同位体(例えば、Re−188、Re−186、I−125、Y−90)を含む);COX−2インヒビター(例えば、CelecoxibおよびVioxx);キナーゼインヒビター(例えば、上皮成長因子キナーゼインヒビター、チロシンキナーゼインヒビター、MAPキナーゼインヒビター、タンパク質トランスフェラーゼインヒビター、Resten−NG、ならびに他の生物学的活性薬剤および生物学的応答変更薬剤、ならびに単独か、または再狭窄を防止し、そして他の所望の生物学的効果を提供するために複数の作用を同時に行うために組み合わされるその他の活性薬剤。
本発明に従って生成されたコーティング中に負荷される活性薬剤の量は、約25〜約600マイクログラムの範囲であるが、より低いかまたはより高い負荷が、以下を含む種々の要因に依存して使用され得る:薬物、所望の投薬レベル、薬物放出層の組成、ステントの型、ステントの直径および長さ、層の数および活性薬剤の適用方法、コーティング厚さ、活性薬剤の化学的特性、ならびに他の要因。これらの要因は、長期間にわたって所望の量の活性薬剤を制御可能に放出する耐久性コーティングを提供するように調整される。代表的な所望の放出パターンにおいて、活性薬剤の25%が最初の数日で放出され、残りは、30日以上をかけて徐々に放出される。他の放出パターンは、望まれる治療効果(例えば、抗脈管形成、抗癌など)に依存して、本発明の方法および組成物を使用して容易に達成され得る。
本発明のハイブリッドポリマー層は、ステントでのそれらの有用な適用を可能にする物理的特性を有する。例えば、本発明のハイブリッドポリマーは、金属ステント表面に対する優れた接着を達成する。本発明のハイブリッドポリマー層の接着は、米国特許第5,997,517号(本明細書中にその全体が参考として援用される)に記載されるような特定の結合層の使用により可能にされる。
さらに、本発明のハイブリッドポリマーは、多重層複合構造と共に、ステントの拡張の間でさえ薬物層がステント表面に十分に接着したままであり、そして長期の移植の間にその接着性を失わないことを確実にする。本発明のポリマーは、機械的なステントの機能(例えば、拡張に必要な力、およびステントが移植後の崩壊に耐えるような強度)を変更しない。
本発明の一実施形態において、ステントの製造は、結合下塗り層の塗布で開始し得る。一実施形態におて、下塗り層は、約0.1〜約5ミクロンのオーダーの厚さであり得る。架橋した下塗り層は、架橋していない層よりも薄くあり得る。この下塗り層は、このステントを下塗りコーティング溶液に浸漬し、次いでコーティング溶液中の溶媒を追い出し、そして下塗り層を硬化および架橋するために高温で乾燥することにより塗布され得る。
この下塗り層は、乱気流に供されて、硬化工程の前に発生する任意の架橋(bridging)を開き得る。下塗りコーティングをステント上に噴霧することも可能である。代表的な硬化スケジュールは、100℃〜120℃で50分〜60分間乾燥する工程を包含する。ハイブリッドポリマー下塗り層は、以下のようなポリマーおよびコポリマーを含むポリマーアロイを含む:特にアミン、ヒドロキシルおよびカルボキシルなどの官能基を有するアクリレートポリマーおよびコポリマー、エポキシ樹脂、アミン樹脂、エチレンアクリル酸コポリマー、ポリウレタン(特により疎水性のバージョン)、ポリビニルピロリドンのコポリマー(例えば、酢酸ビニル、ポリエーテルスルホンとのコポリマー)、ならびにその他。
1つ以上の中間層の使用は、任意であるが、好ましい。この中間層は高温における同様の硬化スケジュールを含めて、下塗り層について記載された方法と実質的に同じ方法を使用して下塗り層上に塗布され得る。この中間層は、複合コーティング層の可撓性特性、弾性特性、および拡張特性を増強するために使用される。適切に構築された場合の複合材中の薄層が、その構成要素の特性を獲得することが認識される。この中間層は、複合層の可撓性特性、弾性特性、および拡張特性に寄与し、そして増強することを意図される。この役割を十分に果たすポリマーの例は、1,000または3,000より高い曲げ率(1%セカント率(secant modulus)(psi)(ASTM手順D790))、および200%または300%より大きい破断時の伸びを有するポリカーボネート−ポリウレタンである。代表的な実施形態において、下塗り層は、好ましくは約0.1〜約5ミクロンの厚さであり、そして中間層は、約0.1〜約15ミクロンの厚さである。この理由は、超可撓性中間層が、複合コーティングの可撓性に実質的に寄与し、従って好ましくは少なくとも隣接する層と同程度の厚さであることを意図するからである。
実際には、本発明は、中間層において有用であるポリマーおよびコポリマーを使用し、これらとしては、ビニルアセタール(特にポリビニルブチラール)、より可撓性でかつ弾性で拡張可能なポリウレタン(ポリカーボネートポリウレタンは、この目的のために特に有用である)、弾性で可撓性でかつ拡張可能なアクリレートポリマーおよびコポリマーが挙げられる。他のポリマーおよびコポリマーもまた、それらが適切な物理的特性に寄与し、隣接層への接着に適合性であり、そして生体適合性であることを条件として、この適用において使用され得る。
薬物放出ハイブリッドポリマー層は、有機溶媒または溶媒混合物に溶解され得る、1つ以上の薬物と共に2つ以上のポリマーを含み得る。薬物は、通常有機溶媒混合物に溶解されるが、固体粒子の分散としても存在し得る。ハイブリッドポリマーマトリックスは、乾燥の際にポリマーアロイを形成する。好ましい実施形態において、この層は、代表的に約1〜約10ミクロンの厚さであり得る。このハイブリッドポリマーマトリックスは、一層としてか、または2つ以上の層として塗布され得、そして異なる薬物が、同じ層かまたは異なる層に存在し得る。複数の層が使用される場合、異なる層は、同じ薬物放出特性かまたは異なる薬物放出特性を有し得る。
可溶性薬物もまた、分子レベルでポリマーアロイを形成し得る。有機溶媒または溶媒混合物は、液体形成の間、および乾燥プロセス全体を通して、ポリマー成分および可溶性薬物成分に対して相互溶媒であるように選択され得る。溶媒が基材を膨潤する能力を有する場合、それにより薬物ハイブリッドポリマー成分のいくらかが、基材表面の表層に浸透し、そして改善された接着を得ることを可能にすることもまた好ましい。薬物放出層のポリマー成分は、薬物成分を安定化および保存するためのセルロースエステルを含み得、そして通常は、比較的親水性のポリウレタンを含有する。ポリウレタンは、薬物放出層に対して可撓性、弾性、および拡張性に寄与する。他のポリマーもまたこの層に組み込まれ得、これらとしては、親水性で水溶性のポリマー(例えば、ポリビニルピロリドン(PVP)、PVPコポリマー、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド水溶性セルロースエステルおよびヒドロキシメチルセルロースのようなエステルなど)が挙げられる。以前に記載された群から選択される薬物は、単独または組み合わせて組み込まれ得る。
本発明の一実施形態において、コーティング溶液は、最初にポリマー成分を溶媒混合物に溶解することにより調製される。個々のポリマー成分を別々に溶液に溶解し、次いで個々のポリマーの別々の溶液を一緒に合わせることも可能である。次いで薬物は、通常、ハイブリッドポリマー溶液に組み込まれるが、薬物は、ポリマーの前に加えられ得る。薬物放出コーティングは、次いで、他のポリマーコーティングに使用された方法と同じ方法を使用して、既に1つ以上のポリマーコーティングを有するステント上に塗布される。コーティング後、そのコーティングは、5〜60分間40℃〜120℃の温度で乾燥される。
コーティングされたステントは、パッケージングされて滅菌され得る。エチレンオキシドは、本発明に従って調製されたステントの滅菌に有用である。
以下の実施例は、本発明の実施形態を例示することを意図され、本発明の範囲を限定することを意図しない。実施例の溶液の成分の濃度は、本発明の範囲内で変更され得、そしてこれらの成分は、上記のようなさらなるポリマーまたは異なるポリマーとの異なる組合せで使用され得ることが理解されるべきである。
本発明のコーティングにおいて、下塗り(結合)層は、以下のポリマーの組合せを使用する:
(1)アクリレート/カルボキシルポリマー+エポキシポリマー+ポリビニルピロリドンビニルアセテートコポリマー(PVP/VA)または
(2)エチレンアクリル酸コポリマー(EAA)+エポキシポリマー+ポリカーボネートウレタン。
他のポリマーが、この役割で使用され得、これらのポリマーとしては、ポリイミドコポリマー、ポリアミドコポリマー、ポリエーテルスルホンポリマー、ポリエチレングリコールポリマー、ポリエチレンオキシドポリマー、代表的に金属下塗り適用において使用されるその他のポリマーが挙げられる。
中間層は、ポリカーボネートポリウレタン、アクリル酸ブチルを含有する可撓性アクリレートポリマー/コポリマー、ポリビニルブチラール、単独でかまたはハイブリッドポリマーの組み合わせで使用される、他の弾性ポリマーであり得る。
本発明とともに使用するのに適切な薬物放出層のポリマーの組み合わせは、アクリレート/カルボキシルポリマー+エポキシポリマー+ポリビニルピロリドンビニルアセテートのコポリマー(PVP/VA)、RSニトロセルロース+以下のいずれかであり得る:
ポリテトラメチレンエーテルグリコールウレタン、ポリカーボネート−ウレタン、PVP、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、メチルビニルエーテル無水マレイン酸コポリマー、および/またはポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)。
これらの組み合わせコーティングとともに使用される活性成分としては、パクリタキセル、ベンズアルコニウムヘパリネート、リファマイシン、およびメトトレキセートが挙げられる。
実施例において詳述される、これらのポリマーの組み合わせおよび割合は制限されず、他の適切な組み合わせおよび割合が、本発明の所望な接着効果および薬物放出効果を提供する限り、使用され得る。
以下の実施例において、ポリウレタン1は、ポリカーボネートウレタンであり;ポリウレタン2およびポリウレタン3は、ポリテトラメチレンエーテルグリコールウレタンであり;セルロースエステル1は、RSニトロセルロース(1/4秒等級)であり;セルロースエステル2は、RSニトロセルロース(5〜6秒等級)である。用語ニトロセルロースおよびセルロースニトレートはまた、これら後者の化合物のために使用される。
(実施例1)
以下の溶液を調製した。
(組成物1)
アクリレート/カルボキシルポリマー、55.5%溶液(1) 8.33g
テトラヒドロフラン(THF) 39.58g
シクロヘキサノン 41.60g
PVP/VAポリマー溶液(2) 2.73g
エタノール 1.37g
エポキシポリマー溶液(3) 1.20g
(組成物2)
エポキシポリマー溶液(3) 2.56g
PVP/VAポリマー溶液(2) 2.79g
アクリレート/カルボキシルポリマー、55.5%溶液(1) 8.50g
シクロヘキサノン 42.70g
THF 36.70g
エタノール 5.56g
パクリタキセル 1.00g
(1)このコポリマー溶液は、芳香族150/ブチルセロソルブ(87.5/12.5)中、55.5%(w/w)固体である。
(2)このコポリマー溶液は、エタノール中、50.0%(w/w)固体である。
(3)このエポキシポリマーは、キシレン中、75%(w/w)固体である。
組成物1を、ステンレス鋼製の冠状ステント上にコーティングし、そして120℃にて60分間乾燥した。この層を、2回塗布した。次いで、組成物2を、下塗り層を覆ってコーティングし、そして120℃にて60分間乾燥した。50〜60μgの範囲で、このステントへの薬物の充填を、組成物2で3回塗布することによって行い、各塗布の後に乾燥した。3層の組成物2を伴うこのステントサンプルを、336時間までの間、室温のリン酸緩衝化生理食塩水中で溶出に供し、表1に作成される以下の結果を得た。
(表1.パクリタキセル抽出物に対する放出特性)
Figure 2009160427

このデータは、およそ10%のパクリタキセルが14日間の期間にわたって溶出したことを示す。図1にプロットしたデータは、336時間(14日間)の期間にわたって溶出したパクリタキセルの累加量(μg)を示す。その結果によって束縛されることは望まないが、この薬物溶出速度は、コーティングされた層の数とは無関係であり、そして溶出した薬物の総量および溶出時間の長さは、薬物放出層のコーティングの量または数、この層の親水性、およびこの薬物が放出される培地中へのこの薬物の溶解性によって影響されると考えられる。
(実施例2)
この実施例は、3つの可撓性ポリマー層またはハイブリッドポリマー層の複合コーティングを提供する。このハイブリッドポリマー結合層溶液を塗布し、そして120℃にて60分間乾燥した。中間層を塗布し、そして120℃にて60分間乾燥した。薬物放出ハイブリッドポリマー層を塗布し、そして75℃にて60分間乾燥した。高沸点溶媒を各処方物中に含め、プロセシングを補助した。薬物は、この薬物放出ハイブリッドポリマー層内に吸収され得るが、好ましい方法は、薬物/ポリマー層を制御できるように、活性薬剤をこのコーティング液に加えることである。
(他に詳述されなければ、全ての値は、重量/重量%である)
(結合層)
ポリウレタン1 0.78%
EAA 3.05%
エポキシ 0.90%
ジメチルアセトアミド(DMAC) 2.67%
シクロヘキサノン 33.66%
THF 58.94%
(中間層)
ポリウレタン1 8.80%
DMAC 66.20%
シクロヘキサノン 25.00%
(薬物放出ハイブリッドポリマー層)
ポリウレタン2 6.07%
セルロースエステル1 2.43%
THF 54.64%
エタノール 21.85%
DMSO 15.01%
この実施例を用いてコーティングされたステントサンプルは、染料試験に基づいて、良好な均一性を有した。拡張したコーティングステントは、非常に可撓性を示し、基板に対して優れた接着力を示した。
(実施例3)
この実施例は、3つの可撓性ポリマー層またはハイブリッドポリマー層の複合コーティングを考慮する。ハイブリッドポリマー結合層溶液を塗布し、そして120℃にて60分間乾燥した。中間層を塗布し、そして120℃にて60分間乾燥した。以下に概略を示すように、薬物放出ハイブリッドポリマー層を塗布し、そして75℃にて60分間乾燥した。この薬物放出ハイブリッドポリマー層は、実施例2においては含まれていない、1種のさらなる超親水性成分を含有する。実施例3は、実施例2と比較して、より迅速に溶出すると予測された。高沸点溶媒を各処方物中に含めて、プロセシングを補助した。この薬物放出ハイブリッドポリマー層は、実施例2の薬物放出層よりも、この薬剤が、溶液からこの層により吸収されやすい。好ましい方法は、活性薬剤をこのコーティング液に加えて、薬物/ポリマー比のより良好な制御を行うことである。
(結合層)
実施例2と同様。
(中間層)
実施例2と同様。
(薬物放出ハイブリッドポリマー層)
ポリウレタン2 5.05
ポリウレタン3 2.17
セルロースエステル2 1.28
THF 46.75
エタノール 29.75
DMSO 15.00
この実施例を用いてコーティングされたステントサンプルは、染料試験に基づいて、良好な均一性を有した。拡張したコーティングステントは、良好な可撓性および基板に対する接着力を示し、亀裂を生じなかった。
(実施例4)
この実施例は、3つの可撓性ポリマー層またはハイブリッドポリマー層の複合コーティングを考慮する。結合層溶液を塗布し、そして120℃にて60分間乾燥した。中間層を塗布し、そして120℃にて60分間乾燥した。薬物放出ハイブリッドポリマー層を塗布し、そして75℃にて60分間乾燥した。実施例3は、実施例5と比較した場合に、望ましい。これは、プロセシング用の高沸点溶媒(例えば、約110℃を越える沸点)および低粘度溶液(例えば、約20〜70cps)(これらは、コーティング液に望ましい範囲である)に起因する。
(結合層)
ポリウレタン1 0.80
EAA 3.90
エポキシ 1.15
DMAC 3.40
シクロヘキサノン 15.60
THF 75.15
(中間層)
ポリウレタン1 11.7
DMAC 88.3
(薬物放出ハイブリッドポリマー層)
ポリウレタン2 7.14
セルロースエステル1 2.86
THF 64.29
エタノール 25.71
実施例3の実施形態は、実施例4の実施形態よりも好ましい。なぜなら、実施例3では、高沸点溶媒が薬物放出ハイブリッドポリマー層に組み込まれているからである。この実施形態は、プロセシングを改善し、コーティングがステントの支柱間で架橋するのを防ぐことを容易にし、かつ低粘度の溶液を提供する。
(実施例5)
この実施例は、2つの可撓性ポリマー層またはハイブリッドポリマー層の複合コーティングに関する。結合層は塗布しなかった。溶液を塗布し、そして120℃にて60分間乾燥した。薬物放出ハイブリッドポリマー層を塗布し、そして75℃にて60分間乾燥した。
(中間層)
ポリウレタン1 11.7
DMAC 88.3
(薬物放出ハイブリッドポリマー層)
ポリウレタン2 7.14
セルロースエステル1 2.86
THF 64.29
エタノール 25.71
実施例3は、この実施例5よりも好ましい。これは、結合層によって与えられる接着力によりもたらされる改善された複合完全性に起因する。特に、実施例3の複合体は、室温にて水に浸したときに指でこすってすり減らした際に、基板に対して強力な接着力を示した。この実施例の複合コーティングは、水に浸した間に、湿らせてこすった際に、ある程度の破壊/離層を示した。
(実施例6)
この実施例において、2種の薬物(パクリタキセルおよびベンズアルコニウムヘパリネート)を、薬物放出層内で一緒に合わせ、そしてステンレス鋼ステント上にコーティングした。浸漬コーティングによって結合層を塗布し、そして過剰なコーティングを窒素で吹き払い、そして100℃にて30分間乾燥した。浸漬コーティングによって中間層を塗布し、そして過剰なコーティングを窒素によって吹き払い、そして100℃にて30分間乾燥した。浸漬コーティングによって薬物放出層を塗布し、そして過剰なコーティングを窒素によって吹き払い、そして75℃にて60分間乾燥した。
(結合層)
ポリウレタン1 0.79%
EAA 3.06%
エポキシ 0.90%
シクロヘキサノン 33.64%
DMAC 2.67%
THF 58.94%
(中間層)
ポリウレタン1 8.80%
DMAC 66.20%
シクロヘキサノン 25.00%
(薬物放出層)
ポリウレタン2 5.89%
ニトロセルロース2 2.36%
THF 53.00%
エタノール 21.19%
DMSO 14.56%
パクリタキセル 1.00%
ベンズアルコニウムヘパリネート 2.00%
この実施例は、良好なコーティングの均一性、良好な湿潤耐磨耗性、および金属ステント表面に対する良好な接着力を示した。
(実施例7)
この実施例は、薬物放出層がベンズアルコニウムヘパリネートのみを含むこと以外は、実施例6と類似している。実施例6と同じ手順を使用して、このコーティングをステンレス鋼ステント上に塗布した。
(結合層)
実施例6と同様。
(中間層)
実施例6と同様。
(薬物放出層)
ポリウレタン2 5.89%
ニトロセルロース2 2.36%
THF 53.00%
エタノール 21.19%
DMSO 14.56%
ベンズアルコニウムヘパリネート 3.0%
この実施例はまた、良好なコーティングの均一性、良好な湿潤耐磨耗性、および金属ステント表面に対する良好な接着力を示した。
(実施例8)
この実施例は、薬物放出層がリファマイシンのみを含むこと以外は、実施例6と類似している。実施例6と同じ手順を使用して、このコーティングをステンレス鋼ステント上に塗布した。
(結合層)
前記実施例と同様。
(中間層)
前記実施例と同様。
(薬物放出層)
ポリウレタン2 5.89%
ニトロセルロース2 2.36%
THF 53.00%
エタノール 21.19%
DMSO 14.56%
リファマイシン 3.00%
(実施例9)
この実施例において、メトトレキセートを、水溶液から薬物放出層に吸収させた。結合層および中間層は、実施例6において使用したものと同じであり、同じ手順を使用して塗布した。
(結合層)
上記と同様。
(中間層)
上記と同様。
(薬物放出層)
ポリウレタン2 6.07%
ニトロセルロース2 2.43%
THF 54.64%
エタノール 21.85%
DMSO 15.01%
薬物放出層を、実施例8におけるように塗布および処理した。オーブン硬化手順の後、ステントを室温まで冷却し、次いでメトトレキセート水溶液(25mg/ml)中に短時間浸し、空気乾燥した。このコーティングは、この水溶液から薬物を吸収した。
(実施例10)
ステントを、以下の下塗り(BOND−COAT(登録商標),STS Biopolymers,Inc.)層および中間層でコーティングし、そして各塗布の後、100℃にて15分間乾燥した。
(BOND−COAT(登録商標)下塗り層)
ポリカーボネートポリウレタン 0.78%
エチレンアクリレートコポリマー 3.05%
エポキシ樹脂 0.90%
DMAC 2.67%
シクロヘキサノン 33.66%
THF 58.94%
(中間層)
ポリカーボネートポリウレタン 1.28%
DMAC 71.67%
シクロヘキサノン 27.05%
次に、このステントを以下の薬物レザバ層でコーティングし、そして75℃にて15分間乾燥した。
(薬物レザバ層)
ポリカーボネートポリウレタン 2.5g
硝酸セルロース 1.0g
メチルエチルケトン 30.0g
n−ブタノール 20.0g
ジメチルアセトアミド 41.4g
シクロヘキサノン 27.6g
パクリタキセル 2.0g
シリコーンポリウレタン 2.5g
この溶液を、均一にコーティングし、滑らかで透明な層が生じた。
(実施例11)
冠状ステントを、実施例10におけるように、下塗り層および中間層でコーティングした。次に、このステントを、以下の薬物レザバ層でコーティングし、そして実施例10と同じスケジュールを使用して乾燥した。
(薬物レザバ層)
シクロヘキサノン 6.29g
ジメチルアセトアミド 4.31g
n−ブタノール 4.40g
ポリエチレングリコール3350 0.37g
硝酸セルロース 0.15g
パクリタキセル 0.015g
この溶液を、均一にコーティングし、滑らかで透明な層が生じた。
(実施例12)
冠状ステントを、実施例10におけるように、下塗り層および中間層でコーティングした。次に、このステントを、以下の薬物レザバ層でコーティングし、そして実施例10と同じスケジュールを使用して乾燥した。
(薬物レザバ層)
テトラヒドロフラン 7.0g
ジメチルアセトアミド 4.0g
シクロヘシサノン 6.0g
メチルビニルエーテル無水マレイン酸コポリマー 0.37g
硝酸セルロース 0.03g
パクリタキセル 0.015g
この溶液は、コーティングの間に、中間層への溶媒攻撃を示した。
(実施例13)
冠状ステントを、実施例10におけるように、下塗り層および中間層でコーティングした。次に、このステントを、以下の薬物レザバ層でコーティングし、そして実施例10と同じスケジュールを使用して乾燥した。
(薬物レザバ層)
ジメチルアセトアミド 8.0g
ベンジルアルコール 8.0g
ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート) 0.25g
パクリタキセル 0.019g
この溶液を、均一にコーティングし、滑らかで透明な層が生じた。
(実施例14)
冠状ステントを、実施例10におけるように、下塗り層および中間層でコーティングした。次に、このステントを、以下の薬物レザバ層でコーティングし、そして実施例10と同じスケジュールを使用して乾燥した。
(薬物レザバ層)
ポリカーボネートポリウレタン 2.5g
硝酸セルロース 1.0g
メチルエチルケトン 30.0g
n−ブタノール 20.0g
ジメチルアセトアミド 18.9g
シクロヘキサノン 27.6g
パクリタキセル 2.0g
この溶液を、均一にコーティングし、滑らかで透明な層が生じた。
ステントを拡張させて、クラッキングおよび接着の破損について調べた。クラッキングおよびチッピングは、ステントを拡張させた後にも観察されなかった。いくつかのコーティングステントを、37℃のリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)中で、10日間までの種々の時間にわたってインキュベートした。ステントを、指定した時点で血清から取り出し、そしてアセトニトリル中に浸してコーティングを除去した。このアセトニトリル抽出物を、HPLCによって試験し、そのインキュベーション期間後に各ステント上にどれだけのパクリタキセルが残存しているかを決定した。60.4%の開始パクリタキセルが、PBSでのインキュベーションから10日後のステント上に残存していた。
(実施例15)
この比較実施例は、金属ステントに対するゼラチンおよびヒトアルブミンの接着力を評価する。
(実験)
ステンレス鋼ステントを、2種の生分解性ポリマー溶液(5%ゼラチンおよび5%ヒトアルブミン)でコーティングし、そして接着力について試験した。
(材料)
市販の15mmのステンレス鋼ステント
VEE GEE 150 Bloom Type A Economix Gelatin,Vyse Gelatin Company
5%ヒトアルブミン溶液(Alpha Therapeutic Corporation)
1,1,1トリクロロエタン(EM Science)
ステンレススチールタブ(1cm×8cm)
Triton X−100非イオン性界面活性剤(Ruger Chemical Company)。
(プロトコル)
濾過した脱イオン水95g中にゼラチンを5g溶解することによって、このゼラチンの5% w/w溶液を調製する。0.1gのTriton X−100を24.9gの5% w/wゼラチン溶液に混合することによって、0.4% w/w Triton X−100を加える。
ヒトアルブミンは、5% w/v溶液である。0.1gのTriton X−100を24.9gの5% w/vヒトアルブミン溶液に混合することによって、0.4% w/w Triton X−100を加える。
1,1,1トリクロロエタンでこのスチールタブを洗浄し、次いで浸漬コーティング方法によって、各ポリマー溶液でコーティングする。5秒の休止時間および約3cm/秒の引き出し(draw)速度を使用する。サンプルを、室温にて1/2時間空気乾燥し得、次いで45℃にて1時間オーブン乾燥し得る。いわゆるテープ試験方法を使用して接着力を試験する(この試験において、Scotch 810 Tapeのストリップを、このコーティング表面上にしっかりと押しつけ、次いで急激に引っ張る)。どれほどのコーティングがこのコーティング表面から剥がれたかどうかを見ることで、コーティングされた物品およびテープを調べる。この試験によって、コーティングが取り除かれてはならない。この試験方法は、使用におけるコーティング製品の性能の有用な予測法(predictor)として、被覆産業の一員によって多年間にわたって広く受け入れられてきた。
1工程を追加する以外は、15mmのステンレス鋼ステントを使用するスチールタブ手順を繰り返す。コーティング溶液由来のサンプルを引き出した後、ヘリウムを使用して、任意の過剰なポリマーをステントから吹き払う(ステントの孔を満たし得るいかなるポリマーも除去する)。
(結果/要旨)
これらコーティング溶液の両方が、スチールタブ上に均一なコーティングを作製する。しかしながら、テープ乾燥接着試験は、コーティングの両方ともが破損したことを示す。これらのコーティングは最初の試験で失敗したので、他の試験は実施しなかった。
コーティングステントを、Gentian Violet溶液で染色し、そして染色したコーティングされていないステントと比較した。このステントの小片を溶液中に浸して、ペーパータオルで吸い取り乾燥した。両方のコーティングステントは明紫色を示したが、コーティングされていないステントは明紫色を示さなかった。このことは、ステントがポリマーコーティングで覆われていることを示す。これらのサンプルは、乾燥接着テープ試験を受け、そしてこれらのサンプルを顕微鏡下で観察した。ポリマー鎖の終結が見られ、これは、このサンプルが接着試験に失格したことを示している。これらのサンプルは最初の試験で失格したので、他の試験は実施しなかった。
(結論)
ゼラチンおよびヒトアルブミンポリマーは、スチールタブにもステンレス鋼ステントにも接着できないコーティングを作製する。本発明のコーティングは、かなり優れていた。

Claims (1)

  1. 本明細書中に記載の方法。
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