JP2009159701A - スピンドルモータ、及びディスク駆動装置 - Google Patents

スピンドルモータ、及びディスク駆動装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ヘッド部及びキャリッジ部を下げることができるようにシールド部材の形状を改良すると共に、小型化、薄型化を図ることができるスピンドルモータ、及びディスク駆動装置を提供することを目的とする。
【解決手段】シールド部材26の径方向において段差部26bを形成し、径方向内側の第1平面部261と径方向外側の第2平面部262とを設けた。このため、シールド部材26の径方向に設けた段差は、ヘッド部6とキャリッジ部7との段差に対応しており、シールド部材26の第1平面部261の径方向外方と第2平面部262の軸方向他方側の面とディスク4の軸方向一方側の面とからなる空間中にキャリッジ部7を納めることができる。また、シールド部材26の径方向の段差に対応するように、ステータ22の巻線層24の層厚を径方向に不均一にした。
【選択図】図3

Description

本発明は、スピンドルモータ、及び当該スピンドルモータを備えるディスク駆動装置に関する。
近年、パーソナルコンピュータやカーナビゲーション等に使用される磁気ディスクや光ディスク等の記録ディスク駆動装置の小型化、薄型化に伴い、それに内蔵されるモータの小型化、特に薄型化に対する要求が高まっている。この種のモータとしては、ステータの径方向内側でロータが回転するインナーロータ型と、逆にステータの径方向外側でロータが回転するアウターロータ型とがあるが、以下の説明ではインナーロータ型スピンドルモータについて説明する。
従来のインナーロータ型スピンドルモータは、ステータの上側に磁気シールド板からなるシールド部材が配置され、主に回転駆動時にステータで発生する磁束が、シールド部材より上側の領域に多量に流れることを防止している。
このような従来のスピンドルモータについては、例えば、特許文献1に開示されている。
特開平04−178160号公報
スピンドルモータの薄型化を行う場合、記録ディスクの配置高さを低くする必要がある。しかしながら、シールド部材がステータの上側に配置されているために、記録ディスクに対して情報の読み出し及び/又は書き込みを行うヘッド部、及びヘッド部を支持し、回転軸を中心に回転可能なキャリッジ部を低く配置することができない。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、ヘッド部及びキャリッジ部を下げることができるようにシールド部材の形状を改良すると共に、小型化、薄型化を図ることができるスピンドルモータ、及びディスク駆動装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、前記シールド部材と間隔をおいて対峙する前記ヘッド部が、前記シールド部材の径方向にスイング動作し、その動作領域に重なる前記シールド部材の部位に径方向において段差部を形成し、前記段差部を介して径方向内側の第1平面部と径方向外側の第2平面部とを有し、前記第1平面部が、前記第2平面部より、前記ディスクに近接していることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のスピンドルモータにおいて、少なくとも前記ヘッド部の動作領域近傍に位置する前記ティースの巻線層は、前記第1平面部と対向するティースの部位に巻回された径方向内側巻線層の最大層厚が、前記第2平面部と対向するティースの部位に巻回された径方向外側巻線層の最大層厚に比べて厚いことを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載のスピンドルモータにおいて、前記径方向内側巻線層と前記径方向外側巻線層との境界部分が、前記シールド部材の前記段差部と軸方向に隣接することを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項2又は請求項3に記載のスピンドルモータにおいて、前記複数のティース全てにそれぞれ巻回された巻線層は、前記径方向内側巻線層の最大層厚が、前記径方向外側巻線層の最大層厚に比べて厚いことを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1に記載のスピンドルモータにおいて、前記巻線層の層厚は径方向に均一であり、前記シールド部材の第1平面部と前記巻線層との間に空間が形成されていることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のスピンドルモータにおいて、前記ステータは、前記複数のティースの径方向外側の端部同士を接続する環状のコアバックを有し、前記コアバックは、前記コアバックから前記シールド部材側に向かって突出する突出部を備え、前記シールド部材の前記第2平面部には、前記突出部と重なる位置に切り欠き部を有することを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のスピンドルモータにおいて、前記シールド部材の前記第1平面部は径方向内側から前記段差部側へ、前記第2平面部は前記段差部側から径方向外側へ、それぞれ放射状に拡がる略扇形状を成していることを特徴とする。
請求項8に係る発明は、請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のスピンドルモータにおいて、前記シールド部材は、前記ヘッド部の動作領域の前記第1平面部及び前記第2平面部と、前記ヘッド部の動作領域以外の第3平面部とから構成され、前記第1平面部及び前記第2平面部と、前記第3平面部とは、前記シールド部材の周方向に隣接することを特徴とする。
請求項9に係る発明は、請求項8に記載のスピンドルモータにおいて、前記シールド部材の前記第3平面部が、前記第1平面部より、前記ディスクに近接していることを特徴とする。
請求項10に係る発明は、請求項8に記載のスピンドルモータにおいて、前記シールド部材の前記第3平面部と前記第1平面部とが共に、前記ディスクに対して等距離に近接していることを特徴とする。
請求項11に係る発明は、請求項1乃至請求項10のいずれかに記載のスピンドルモータにおいて、前記シールド部材の前記巻線層側の面に、絶縁層が被覆されていることを特徴とする。
請求項12に係る発明は、ディスクを回転させるディスク駆動装置であって、ベース部材と、前記ベース部材の内部に固定された請求項1乃至請求項11のいずれかに記載のスピンドルモータと、前記ディスクに対して情報の読み出しおよび/または書き込みを行うヘッド部と、前記ヘッド部を前記ディスクの周方向の端面に沿って移動させる移動手段とを備えることを特徴とする。
請求項1〜12に記載の発明によれば、前記シールド部材と間隔をおいて対峙する前記ヘッド部が、前記シールド部材の径方向にスイング動作し、その動作領域に重なる前記シールド部材の部位に径方向において段差部を形成し、前記段差部を介して径方向内側の第1平面部と径方向外側の第2平面部とを有し、前記第1平面部が、前記第2平面部より、前記ディスクに近接している。このため、シールド部材の径方向に設けた段差は、ヘッド部とキャリッジ部との段差に対応しており、シールド部材の第1平面部の径方向外方と第2平面部の軸方向他方側の面とディスクの軸方向一方側の面とからなる空間中にキャリッジ部を納めることができる。従来のシールド部材は、その径方向の面において、そのようなキャリッジ部を納めるだけの空間がなかったため、本発明の構成にしたことにより、スピンドルモータを従来より軸方向に薄くすることができ、スピンドルモータを薄型化、小型化することができる。
特に、請求項2に記載の発明によれば、少なくとも前記ヘッド部の動作領域近傍に位置する前記ティースの巻線層は、前記第1平面部と対向するティースの部位に巻回された径方向内側巻線層の最大層厚が、前記第2平面部と対向するティースの部位に巻回された径方向外側巻線層の最大層厚に比べて厚い。このとき、ティース上に巻回した導線の数は、径方向内側近傍では多くし、径方向外側近傍では少なくしているが、ティースに巻回した導線の総数は従来のものと変わらないようにしている。そのため、スピンドルモータのトルクは従来と変わることなく、ティース上の巻線層を径方向に不均一化することができる。
特に、請求項3に記載の発明によれば、前記径方向内側の巻線層と前記径方向外側の巻線層との境界部分が、前記シールド部材の前記段差部と軸方向に隣接する。このため、巻線層を従来より中心軸側近傍に移動した分、シールド部材も軸方向下方に移動することができる。結果として、従来よりスピンドルモータのトルクを変えることなく、スピンドルモータの薄型化、小型化を図ることができる。
特に、請求項4に記載の発明によれば、前記複数のティース全てにそれぞれ巻回された巻線層は、前記径方向内側巻線層の最大層厚が、前記径方向外側巻線層の最大層厚に比べて厚い。このため、ティース上の巻線層を径方向に不均一化することができる。
特に、請求項5に記載の発明によれば、前記シールド部材の第1平面部と前記巻線層との間に空間が形成されている。このため、ティースに巻線層を巻回した後に、巻線層の軸方向上面にシールド部材を固定するとき、上から押さえつけたときの圧力に耐えきれなくなり、導線が切断するといった耐圧不良を防止することができる。
特に、請求項6に記載の発明によれば、前記ステータは、前記複数のティースの径方向外側の端部同士を接続する環状のコアバックを有し、前記コアバックは、前記コアバックから前記シールド部材側に向かって突出する突出部を備え、前記シールド部材の前記第2平面部には、前記突出部と重なる位置に切り欠き部を有する。コアバックから突出する突出部は、ティース間に導線を渡す渡り線係止部としての機能を奏し、このため、従来のように、渡り線用に別途合成樹脂リング等を設ける必要もなくなり、ステータの一層の薄形化を図ることができる。また、シールド部材の第2平面の切り欠き部に突出部の先端部が挿入されることにより、突出部の先端部が、シールド部材の第2平面部より、ディスク側に近接するように配置することができる。その結果、モータの薄型化を図ることができる。
特に、請求項7に記載の発明によれば、前記シールド部材の前記第1平面部は径方向内側から前記段差部側へ、前記第2平面部は前記段差部側から径方向外側へ、それぞれ放射状に拡がる略扇形状を成している。このため、第1平面部及び第2平面部上をヘッド部が余裕をもって径方向にスイング動作することができる。
特に、請求項9に記載の発明によれば、前記シールド部材の前記第3平面部が、前記第1平面部より、前記ディスクに近接している。このため、ディスクへの近接距離は、近い方から第3平面部、第1平面部、第2平面部の順になっており、ディスクと第1平面部との微小間隙中にヘッド部を、ディスクと第2平面部との微小間隙中にキャリッジ部をそれぞれ配置することができる。
特に、請求項10に記載の発明によれば、前記シールド部材の前記第3平面部と前記第1平面部とが共に、前記ディスクに対して等距離に近接している。このため、周方向一方側から周方向他方側へ向かう第1平面部の延長面上に、第3平面部が位置させることができる。
特に、請求項11に記載の発明によれば、前記シールド部材の前記巻線層側の面に、樹脂材料からなる絶縁層が被覆されている。シールド部材は導電性材料であるため、このような構成にすることにより、シールド部材と巻線層とが金属接触して短絡するのを防ぐことができ、結果として、信頼性の高いスピンドルモータを提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明では、説明の便宜上、中心軸Lに沿ってディスク4側を「上」とし、巻線層24側を「下」とする。しかしながら、これにより本発明に係るスピンドルモータ1、及びディスク駆動装置2の設置姿勢が限定されるものではない。
<1.ディスク駆動装置の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るスピンドルモータ1を備えたディスク駆動装置2の縦断面図、図2はディスク駆動装置2の内部構造を説明するための上平面図である。ディスク駆動装置2は、2枚の磁気ディスク4を回転させつつ、磁気ディスク4からの情報の読み出し及び磁気ディスク4への情報の書き込みを行うハードディスク装置である。図1に示したように、ディスク駆動装置2は、主として、装置ハウジング3、2枚の磁気ディスクや光ディスク等の記録ディスク(以下、単に「ディスク」という)4、これを一定速度で回転させるスピンドルモータ1、ディスク4に対して情報の読み出しおよび/または書き込みを行うヘッド部6、ヘッド部を支持し、回転軸を中心に回転可能なキャリッジ部7、キャリッジ部7を回転駆動し、ヘッド部6を情報の読み出しおよび/または書き込みを行うためにディスク4に位置決めする揺動部8を備えている。
装置ハウジング3は、カップ状の第1ハウジング部材31と、板状の第2ハウジング部材32とを有している。第1ハウジング部材13は、上部に開口を有し、第2ハウジング部材32は、第1ハウジング部材31の上部の開口を覆うように第1ハウジング部材31に接合されている。第1ハウジング部材31と第2ハウジング部材32とに囲まれた装置ハウジング3の内部空間33に、2枚のディスク4、アクセス部5、ステータ22及びスピンドルモータ1が収容されている。装置ハウジング3の内部空間33は、塵や埃が少ない清浄な空間とされている。
第1ハウジング部材31の底面には、凹んだ略円形状のベース311が形成されていて、そのベース311にスピンドルモータ1とステータ22が設置されている。ベース311の中央部には、中心軸Lに沿ってベース311を貫通する貫通孔311aが形成されている。また、ベース311の貫通孔311aよりも外周側(中心軸Lに対する外周側。以下同じ。)には、軸方向(中心軸Lに沿った方向。以下同じ。)に突出した略円筒形状のホルダ部311bが形成されている。なお、本実施形態では、第1ハウジング部材31とベース311とが単一の部材により構成されているが、第1ハウジング部材31とベース311とが別体になっていてもよい。
2枚のディスク4は、いずれも中央部に孔を有する円板状の情報記録媒体である。各ディスク4は、スピンドルモータ1のロータハブ15に装着され、スペーサ41を介して互いに平行かつ等間隔に積層配置されている。
一方、アクセス部5は、2枚のディスク4の上面及び下面に対向する4つのヘッド部6と、各ヘッド6を支持するキャリッジ部7と、第1ハウジング部材31の底面に固定され、キャリッジ部7を備える揺動部8とを有している。
キャリッジ部7は、ヘッド部6をその先端に支持するスプリングアーム71と、スプリングアーム71を固定する取付アーム72とを有し、回転軸9に回動自在に支持されており、回転軸9に対して取付けアーム72の反対側に設けられたボイスコイルモータの駆動によって、回転軸9を中心にスイング駆動する。このボイスコイルモータは、キャリッジ部7と一体的に回動するコイル101と、そのコイル101を軸方向に挟むように装置ハウジング3の内側に固定して配置されたマグネット102a・102bとから構成される。なお、キャリッジ部7とボイスコイルモータとで揺動部8(アクチュエータ部)を構成している。
アクセス部5は、コイル101に電流を流すことで、ボイスコイルモータの駆動により、4本のキャリッジ部7をディスク4に沿ってスイング動作させ、4つのヘッド部6をディスク4の必要な位置にアクセスさせることにより、回転する各ディスク4の記録面に対して情報の読み出し及び書き込みを行う。コイル101に流れる電流の向きを制御することにより、キャリッジ部7を矢印C方向に付勢したり、矢印D方向に付勢したりできるように構成されている。なお、ヘッド部6は、ディスク4の記録面に対して情報の読み出し及び書き込みのいずれか一方のみを行うものであってもよい。
<2.スピンドルモータの構成>
続いて、上記のスピンドルモータ1の詳細な構成について説明する。図3は、スピンドルモータ1の一部縦断面図である。図3に示すように、本実施形態に係るスピンドルモータ1は、基本的には、ベース311に固定される軸受ハウジング11と、この軸受ハウジング11の内周部に固定されるスリーブ12と、このスリーブ12によって回転自在に支持されるロータ部13とから構成されている。
中空円筒状の軸受ハウジング11は、軸受ハウジング11の軸方向下方を閉塞する板状のカウンタープレート14を備えている。軸受ハウジングの下平面部の内縁部分に切り欠き部11aを形成し、そこにカウンタープレート14の外端部を当て、接着固定している。軸受ハウジング11は、例えば、SUS303、SUS304、SUS420J2、及び樹脂部材等から形成される。
軸受ハウジング11の内周面11bには、中心部に軸方向に貫通する軸受穴を有する円筒状のスリーブ12が接着等の手段によって固定されている。このスリーブ12は、オイルが含浸された多孔質焼結体から成形され、その材質は特に限定するものではなく、各種金属粉末や金属化合物粉末、非金属粉末を原料として成型、焼結したものが使用される。原料としては、例えば、Fe−Cu、Cu−Sn、Cu−Sn−Pb、Fe−C等を含有する。なお、このような軸受ハウジング11及びスリーブ12は、例えば、銅や銅合金等からも成形可能である。なお、本実施形態では、中空円筒状の軸受ハウジング11の下方にカウンタープレート14を固定し開口を閉塞していたが、それらが一体となった軸受ハウジング、つまり、カップ状の軸受ハウジングを活用することも可能である。
ロータハブ15は、スピンドルモータ1における中心軸Lとなるシャフト16の周囲において径方向に広がる形状を有し、その中心部には、中心軸を中心とした貫通孔15aが形成されており、シャフト16に固定されている。その形状についてより詳細に説明すると、ロータハブ15は、シャフトの外周面に固定される第1円筒部151と、第1円筒部151の上端部から径方向外側へ向けて広がる平面部152と、平面部152の外周縁から垂下する第2円筒部153とを有している。第2円筒部153の外周面15bは、ディスク4の内周部(内周面又は内周縁)に当接する当接面となる。また、第2円筒部153の下端部付近には、径方向外側へ向けて突出し、その上面がディスク4を載置するフランジ面15cとなる台部154(ディスク載置部)が形成されている。このようなロータハブ15は、例えば、SUS420J2等から形成される。また、台部154の下方で第2円筒部153の外周面には、円環状に形成されたロータマグネット17が接着剤等により固定されている。
ロータマグネット17は、N極とS極とが周方向に交互に配列し、これら各磁極の磁束方向がロータマグネット17の径方向と略一致する所謂ラジアル異方性もしくは等方性のネオジウム磁石である。このロータマグネット17は、その外周面17aと後述するティース231との間に一定の隙間を有するように位置している。
2枚のディスク4は、ロータハブ15のフランジ面15c上に水平姿勢で、かつ等間隔に積層配置される。すなわち、最下層のディスク4がフランジ面15c上に載置され、その上部に、他のディスク4(最上層のディスク4)がスペーサ41を介して載置される。そして、最上層のディスク4の上面は、ロータハブ15の平面部152に取り付けられた押さえ部材155により押圧固定される。このような構成により、ディスク4は、ロータハブ15のフランジ面15cと押さえ部材155とによって挟持され、ロータハブ15と一体的に回転することができる。
回転部材であるロータ部13は、スリーブ12の内周面と径方向に微小間隙を介し対向するシャフト16と、シャフト16の下端外周面から径方向外側に張り出す環状かつ円板状のスラストプレート18と、このシャフト16と一体に形成される略カップ状のロータハブ15とから構成されている。
シャフト16は、中心軸Lに沿って配置された略円柱形状の部材である。シャフト16の外周面には、ロータハブ15の第1円筒部151が径方向に微小間隙を介して対向し、また、シャフト16の下端面は、スリーブ12の下面よりの僅かに軸方向下側に配置されている。
スリーブ12の下方には、スリーブの下面と微小間隙を介して軸方向に対向し、シャフト16の外周面から径方向外側に張り出す環状かつ円板状のスラストプレート18が形成され、シャフト16のフランジ部を構成している。スラストプレート18は、スリーブ12の外径より僅かに小さい外径を有している。なお、本実施形態では、スラストプレート18とシャフト16とが単一部材から構成されたものを記載したが、それぞれ別個に製造し、スラストプレート18の上面と、シャフト16の下端面とが隙間なく当接するように固定することも可能である。
次に、軸受構造について、図4に基づいて説明する。
スラストプレート18は、その上面18a及び下面18bは、スリーブ12の下平面部12a及びカウンタープレート14の上面14aとそれぞれ軸方向に微小間隙を介し対向し、その外周面18cは軸受ハウジング11の内周面11bと径方向に微小間隙を介し対向している。なお、スラストプレート18は必要とする機械的強度や寸法安定性などから適宜選択できるが、シャフト16の端部に固定されシャフト16と一体に回転することから、シャフト16と同程度の熱膨張係数を有する材質が好ましい。
このような構成においては、軸受ハウジング11の上面11c、及びスリーブ12の上面12cと、ロータハブ15の平面部152の下面152aとの微小間隙と、ロータハブ15の第1円筒部151の外周面151aとスリーブ12の内周面12bとの微小間隙と、スリーブ12の下面12aとスラストプレート18の上面18aとの微小間隙と、及びカウンタープレート14の上面14aとスラストプレート18の下面18bとの微小間隙と、は連通しており、その連通した微小間隙には、潤滑流体として潤滑オイル19が途切れることなく保持され、フルフィル構造を形成している。
ロータハブ15の第1円筒部151の径方向外側に位置するロータハブラジアル軸受面と、それに対向するスリーブ12のスリーブラジアル軸受面との微小間隙には、径方向の荷重を支持するラジアル動圧軸受部を備えており、シャフトラジアル軸受面又はスリーブラジアル軸受面の少なくとも一方に、相対回転時に潤滑オイル19に流体動圧を誘起するヘリングボーン形状のラジアル動圧溝列20が形成されている。
本実施形態では、スリーブ12の内周面12bには、軸方向に間隔をおいて上下に「く」字状のヘリングボーン形状のラジアル動圧溝列20a・20bが形成されている。なお、ラジアル動圧溝列20は、ヘリングボーン状やスパイラル状やテーパードランド状に限らず、流体動圧軸受として機能すれば、どのような溝パターンでもよい。なお、本実施形態では、ラジアル動圧溝列20をスリーブラジアル軸受面に形成したが、ロータハブラジアル軸受面であるロータハブ15の第1円筒部151の外周面151aに形成する構成にしてもよい。また、本実施形態では、スリーブ12とシャフト16との間にロータハブ15の第1円筒部151を挟んだ構成になっているが、これに限定されず、ロータハブ15の第1円筒部151がない状態、つまり、スリーブスラスト軸受面に対向する面としてシャフトスラスト軸受面を設けることも可能である。
モータ1の回転により、スリーブ12に対してロータハブ15とシャフト16とが一体的に回転駆動すると、ラジアル動圧溝列20a・20bのポンピング作用により、微小間隙中に充填された潤滑オイル19に流体動圧を誘起して、シャフト16と固定又は一体加工されたロータハブ15は、スリーブ12と非接触となりつつも径方向に支持され、スリーブ12に対して回転自在に支承される。
また、ロータハブ15の平面部152の下方に位置するロータハブスラスト軸受面と、それに対向する軸受ハウジング11の上方に位置する軸受ハウジングスラスト軸受面との微小間隙には、スラスト軸受部を備えており、ロータハブスラスト軸受面又は軸受ハウジングスラスト軸受面の少なくとも一方に、相対回転時に潤滑オイル19に流体動圧を誘起するスパイラル形状のスラスト動圧溝列21aが形成されている。
また、同様に、スリーブ12の下方に位置するスリーブスラスト軸受面と、それに対向するスラストプレート18の上方に位置するスラストプレートスラスト軸受面との微小間隙には、スラスト軸受部を備えており、スリーブスラスト軸受面又はスラストプレートスラスト軸受面の少なくとも一方に、相対回転時に潤滑オイル19に流体動圧を誘起するスパイラル形状のスラスト動圧溝列21bが形成されている。
本実施形態では、軸受ハウジング11の上面11cには、軸受ハウジング11の上面11cとスリーブ12の上面12cとの間に充填される潤滑オイル19に流体動圧を発生させるためのスラスト動圧溝列21aが中心軸側から径方向外方へ放射状に刻設されている。また、スリーブ12の下面12aにも、スリーブ12の下面12aとスラストプレート18の上面18aとの間に充填される潤滑オイル19に流体動圧を発生させるためのスラスト動圧溝列21bが中心軸側から径方向外方へ放射状に刻設されている。なお、本実施形態では、スラスト動圧溝列21aを軸受ハウジングスラスト軸受面に、スラスト動圧溝列21bをスリーブスラスト軸受面それぞれに形成したが、スラスト動圧溝列21aをロータハブスラスト軸受面に、スラスト動圧溝列21bをスラストプレートスラスト軸受面にそれぞれ形成する構成にしてもよい。また、ロータハブスラスト軸受面に対向するスラスト軸受面として、本実施形態では、軸受ハウジング11の上方に位置する軸受ハウジングスラスト軸受面としたが、同じくロータハブスラスト軸受面に対向するスラスト軸受面として、スリーブ12の上方に位置するスリーブスラスト軸受面にスラスト動圧溝列21aを形成してもよい。このとき、スラスト動圧溝列21aを形成するのは、軸受ハウジングスラスト軸受面とスリーブスラスト軸受面のいずれか一方でも両方にでも構わない。
従って、スラスト動圧溝列21aによるロータ部13に対する浮上作用と、スラスト動圧溝列21bによるスラストプレート18に対する押し下げ作用とにより、ロータ部13は上下方向に押圧される。そしてこれらの動圧力がバランスする位置においてロータ部13の回転浮上位置が安定する。スラスト動圧溝列21a・21bを形成することにより、スラスト動圧溝列21a・21bで発生する軸支持力が軸方向に相対向する方向から協働して作用することになるので、ロータハブ15の回転を安定して支持することができる。
なお、スラスト動圧溝列21a・21bには、いずれもスパイラル溝が形成されているが、これに限らず、スラスト動圧溝列21a・21bの一方または両方にヘリングボーン溝を形成することも可能である。その場合、スラスト動圧溝列21aに形成するヘリングボーン溝は、発生する動圧により潤滑オイル19が径方向内方に向かう、アンバランスなヘリングボーン溝であることが望ましい。この径方向内方に向かうオイル動圧により、このアンバランスなヘリングボーン溝より半径方向内方のオイル全体の内圧を高め、負圧を防止することで、気泡発生を防止するためである。
<3.ステータの構成>
次に、第1ハウジング部材31のベース311に固定されているステータ22について、図5に基づいて説明する。ステータ22は、先端を中心軸に向けて中心軸を中心に放射状に配置された複数のティース231及び、複数のティース221の径方向外側の端部同士を等間隔に接続する環状のコアバック232とを有するステータコア23と、複数のティース231のそれぞれに導線241を巻回することにより形成された巻線層(コイル)24と、を有し、ロータマグネット17の外周面17aと径方向に微小間隙を介し対向している。ステータコア23は、金属薄板、例えば、略環状のケイ素鋼板等の電磁鋼板を複数枚軸方向に積層させた積層鋼板により形成されている(本実施形態では2枚の金属薄板23a・23bを積層することにより形成している)。
また、互いに隣接する2つのティース231・231間におけるコアバック232の内周辺232aには、導線241の渡り線242がコアバック232より径方向内側に侵入しないように、コアバック232から径方向内側に張り出した突起を軸方向上側に折り曲げて形成された複数の渡り線係止用の突出部25が設けられている。なお、渡り線242は、一の巻線層24から突出部25の径方向外方を経由して他の巻線層24に到るように配線されている。コアバック232から突出する突出部25を設けることにより、ティース231・231間に導線241を渡す渡り線係止部としての機能を奏し、このため、従来のように、渡り線用に別途合成樹脂リング等を設ける必要もなくなり、ステータ22の一層の薄形化を図ることができる。
なお、図5では、9本のティース231のうち、3本のティース231に巻線層24を巻回した図となっているが、実際はその3本以外のティースにも同様に巻線層24が巻回されている。
<3−1.渡り線係止用の突出部について>
ここで、渡り線係止用の突出部25について、図6に基づいて詳細に説明する。ステータコア23を組み立てる際、図6(a)に示すように、金属薄板23a上に所定枚数(本実施形態では1枚)の金属薄板23bを積層してティース231の位置を一致させ(ティースは金属薄板23a・23bを積層して形成される)、この状態で同図中(b)に示すように、突出部25に相当する箇所の金属薄板23aを上向きに略90度折り曲げて、垂直部25aを金属薄板23bの内周面23ba(コアバック232の内周辺232aに対応した面)に当接させる。なお、本実施形態では、ティース231をステータコア23を形成するのと同等枚数の2枚の金属薄板を積層させて形成したが、そのうちの1枚から形成する構成にしてもよい。
このように垂直部25aが金属薄板23bの内周面23baに当接することにより、金属薄板23a・23b間の回止めが施される。なお、予め垂直部25aをコアバック232に対して直角に折り曲げた上で、この金属薄板23a上に金属薄板23b積層するようにしてもよい。
続いて、同図中(c)に示すように、最も上方の金属薄板23bの内周面23baの上端部Sから、垂直部25aの先端部が上記金属薄板23bのコアバック232の表面(上面)側へ所定角度K、好ましくは、金属薄板23a・23bの法線方向に対し略30乃至40度の範囲の角度Kで折り曲げられることにより、折曲部25bが形成される。本実施形態にでの突出部25とは、この折曲部25bのことをいう。このように、垂直部25a及びその折曲部25bで金属薄板23bが抱き込まれることにより、金属薄板23a・23bが相互に結合される。
ここで、折曲部25bの折曲角度Kを略30乃至40度の範囲としたのは、金属薄板23a・23b同士の十分な結合力を得るため、及び折曲部25bと最も上方の金属薄板23bのコアバック232表面との間に渡り線242を係止する十分なスペースを確保するためである。
なお、最も上方の金属薄板23bの上面からの折曲部25bの垂直方向への突出寸法Iは、折曲部25bに係止される渡り線242の本数に応じて決定され、通常、実際に係止される本数より若干本(例えば、1乃至2本程度)多めの渡り線242が係止可能な寸法とされる。
例えば、後述のように、各折曲部25bに係止される渡り線242の本数が最大3本であり、かつ個々の渡り線242の線径(導線241の線径)が0.075乃至0.15mm程度であれば、上記突出寸法Iは、例えば、4本程度の渡り線18が係止可能な寸法となり、具体的には、0.25乃至0.5mm程度とされる。
各金属薄板23a・23bを積層した後、これらの金属薄板23a・23bの表面に図示しない絶縁膜が形成し、その後、ティース231に導線241が巻回される。3相駆動の本実施形態のスピンドルモータにおいては、導線241は、通常、120度間隔で3相に施され、図3に示すように、突出部25の径方向外側に3本の渡り線242がそれぞれ係止されている。
なお、本実施形態では、突出部25を所定角度K折り曲げているが、折り曲げずに垂直のまま渡り線242を係止する構成でもよい。
<4.シールド部材の構成>
次に、本実施形態におけるシールド部材26について、図3、図7乃至図10、図12乃至図14に基づいて説明する。
シールド部材26は、磁気シールド効果を有する軟磁性材料から成形された環状の金属部材であり、ディスク4と巻線層24との間に軸方向に形成された微小間隙中に配置されている。磁気シールド効果は、材料の透磁率に比例し、高透磁率の材料を用いて磁束を吸収させることで、通過する磁束を抑制することができる。そのため、シールド部材26に、高透磁率である軟磁性材料である金属磁性材料を使用することで、回転駆動時に巻線層24から出入りする磁束が、シールド部材26より上側に多量に漏洩することを防止し、ヘッド部6やディスク4に到達することを防ぐことができる。その結果、巻線層24から発生する磁束がディスク4に影響して、ディスク4の読み取りにエラーが発生したり、最悪の場合、ディスク4に書き込まれた情報が消滅してしまうといった問題を防ぐことができ、また、磁束がヘッド部6に影響して、ヘッド部6に磁気的作用を起こしてヘッド部6がクラッシュしてしまうといった問題を防ぐことができる。シールド部材26の材料としては、磁気シールド効果を有する磁性材料であればなんでもよく、例えば、マルテンサイト系ステンレスや、高透磁率材のパーマロイ(Ni合金)やセメンジュール(Ni−Co合金)でもよい。なお、これらパーマロイやセメンジュールは、特に、周波製の高い交流磁場に対して効率よく作用するものである。本実施形態では、駆動時に巻線層24で発生した磁束の内上側に流れていく磁束は、シールド部材26に捕捉されシールド部材26の内部を流れ再び巻線層24に戻る。なお、シールド部材26は、磁気シールド板を1枚若しくは複数枚軸方向に積層させた積層磁気シールド板により形成されている。
シールド部材26と巻線層24との軸方向における位置関係について、図3に基づいて説明する。シールド部材の26外縁部分26aを、第1ハウジング部材の底面から凹んだ略円形状のベース311への外縁部分311cに固定することで、巻線層24の上方に所定間隔をおいてシールド部材26を配置したり、シールド部材26の下面に接着剤等を塗布しておき、巻線層24の上面に直接接着したりすることができる。シールド部材26により巻線層24の上方を覆って巻線層24からの磁束の漏れを防止するような位置関係であれば特に限定はしない。
<4−1.シールド部材の段差>
次に、本実施形態にかかるシールド部材26の形状について以下説明する。本実施形態に係るシールド部材26は、図13、図14に示したように、シールド部材26と間隔をおいて対峙するヘッド部6が、シールド部材26の径方向にスイング動作し、その動作領域に重なるシールド部材26の部位に径方向において段差部26bを形成し、段差部26bを介して径方向内側の第1平面部261と径方向外側の第2平面部262とを有し、第1平面部261が、第2平面部262よりディスク4に近接するように構成されている(図3参照)。
第1平面部261及び第2平面部262の形状は、第1平面部261は径方向内側から段差部側へ、第2平面部262は段差部側から径方向外側へ、それぞれ放射状に拡がる平面視略扇形状を成している。また、その第1平面部261及び第2平面部262の周方向の面積は、ヘッド部(第2平面部上方ではキャリッジ部)が余裕をもってスイング動作できる面積であり、つまり、図12、図13に示されるように、ヘッド部6がスイング動作する軌跡Sを含んだ通過領域に相当若しくは通過領域より余裕のある面積である。このような構成にしたことにより、シールド部材26の径方向に設けた段差は、ヘッド部6とキャリッジ部7との段差に対応しており、ディスク4と第1平面部261との微小間隙中にヘッド部6を、シールド部材26の第1平面部261の径方向外方と第2平面部262の上方とディスク4の下方とからなる空間中にキャリッジ部7を、それぞれ納めることができる。従来のシールド部材は、その径方向の面において、そのようなキャリッジ部7を納めるだけの空間がなかったため、本発明の構成にしたことにより、スピンドルモータ1を従来より軸方向に薄くすることができ、スピンドルモータ1を薄型化、小型化することができる。
また、シールド部材26は、ヘッド部6の動作領域の第1平面部261及び第2平面部262と、ヘッド部6の動作領域以外の第3平面部263とから構成され、第1平面部261及び第2平面部262と、第3平面部263とは、シールド部材26の周方向に隣接するように構成されている。
<4−2.シールド部材:第1、2、3平面部の高低関係>
第1平面部261、第2平面部262、第3平面部263の軸方向の高低関係について、図7に基づいて説明する。第2平面部262がディスク4から軸方向に最も離れており、シールド部材26の第3平面部263が、第1平面部261より、ディスク4に近接した構成をしている。また、他の実施形態として、図8に示すように、周方向一方側から周方向他方側へ向かう第1平面部261の延長面上に、第3平面部263が位置させ、第3平面部263の高さを第1平面部261と同じにする構成も可能である。
なお、シールド部材26の段差部26b、26cは、スロープ状でも直角状でも構わない。
<4−3.シールド部材:第2平面部に切り欠き部>
次に、シールド部材26の第2平面部262について、図3、図9に基づいて更に詳細に説明する。シールド部材26の下にはステータ22が配置されており、特に、第2平面部262の下には渡り線係止用の突出部25が配置されている。突出部25は上述したように、ステータ22のコアバック232から上方(シールド部材26側)に向かって突出しているため、この突出部25と第2平面部262とが当接してしまわないように、第2平面部262には、突出部25と重なる位置に切り欠き部262aが形成されている。したがって、第2平面部262の切り欠き部262aに突出部25の先端部が挿入若しくは貫通されることにより、第2平面部262を突出部25の先端部よりも軸方向下側に配置することができる。その結果、モータの薄型化を図ることができる。
なお、本実施形態では、第2平面部262の切り欠き部262aとして、図9に示すように、第2平面部262の外周縁から突出部25に重なる位置まで切り欠いたが、そういった切り欠き部262aではなく、突出部25と重なる位置に貫通孔を形成し、そこから突出部25の先端部を突出させるような構成にすることも可能である。第2平面部262の下方から上方に突出部25を貫通させる構成であれば切り欠き部262aや貫通孔の形状は問わない。
次に、シールド部材26の切り欠き部262aと、コイル24(ステータ22)から発生する磁束との関係について説明する。ステータ22から磁束が最も発生するのは、ロータマグネット17と径方向に対向しているティース231の中心軸側近傍であり、ステータ22に突出部25が配置されている位置は、ロータマグネット17から離れたティース231の径方向外側近傍である。また、ここはヘッド部6からも離れている位置でもある。したがって、この切り欠き部262aから漏洩する磁束の影響はほとんどない。
なお、図10に示すように、シールド部材26の巻線層24側の面には、絶縁層27が被覆されている。シールド部材26は導電性であるため、シールド部材26に絶縁層27を被覆することにより、シールド部材26と巻線層27とが電気的に絶縁して、金属接触して短絡するのを防ぐことができる。絶縁層27の材料としては、例えば、エポキシ系、ポリイミド系、ポリエステル系、PES系、或いはアクリル系等の樹脂を用いることができる。絶縁層27の形成方法としては、片面にPSA(Pressure Sensitive Adhesive)等の接着剤を塗布したシート状の絶縁フィルムをシールド部材26の面に貼着させる。なお、本実施形態では、絶縁フィルムをPSA等の接着剤によりシールド部材26に貼着しているが、例えば、両面テープ等により固着するようにしても構わない。また、別の方法として、溶融した樹脂剤をシールド部材26の面に塗布して硬化させるといった方法で絶縁層を被覆することも可能である。絶縁層27の面積は、シールド部材の面積と同等かそれ以下とする。
<5.巻線層>
ティース231に導線241を巻回することにより形成された巻線層24の層厚の構成について、巻線層24の層厚が均一な場合と不均一な場合について、図3、図11に基づいて以下それぞれ説明する。本実施形態のステータコア23では、図5に示すように、中心軸を中心として9本のティース231を有している。以下説明に用いる図3、11では、1つのティース231が図示されているが、特に断り書きがない場合は、その他のティース231についても同じ構成を有している。
<5−1.巻線層が均一:第1実施形態>
まず、巻線層24の層厚が径方向に均一である場合について、図11に基づいて説明する。詳しくは、少なくともヘッド部6の動作領域近傍に位置するティース231の巻線層24は、第1平面部261と対向するティース231の部位に巻回された径方向内側巻線層24aの最大層厚が、第2平面部262と対向するティース231の部位に巻回された径方向外側巻線層24bの最大層厚と等しく、そのため、シールド部材26の第1平面部261と径方向内側巻線層24aとの間に空間28が形成されている。このため、ティース231に巻線層24を巻回した後に、巻線層24の上面にシールド部材26を固定するとき、上から押さえつけたときの圧力に耐えきれなくなり、導線241が切断するといった耐圧不良を防止することができる。
<5−2.巻線層が不均一:第2実施形態>
次に、巻線層24の層厚が径方向に不均一である場合について、図3に基づいて説明する。上述したように、本実施形態に係るシールド部材26は、径方向において段差部26bを形成し、第1平面部261と第2平面部262とを有し、第2平面部262を従来のシールド部材より下方に下げる構成とした。本実形態では、その形状に合わせるために、巻線層24を径方向に不均一にする。
ティース231に導線を巻回して巻線層24を形成するとき、少なくともヘッド部6の動作領域近傍に位置する前記ティース241の巻線層24は、第1平面部261と対向するティース231の部位に巻回された径方向内側巻線層24aの最大層厚が、第2平面部262と対向するティース231の部位に巻回された径方向外側巻線層24bの最大層厚に比べて厚くなるように構成する。
本実施形態では、第1平面部261と対向するティース231の部位には、導線241を4層に巻回して径方向内側巻線層24aとし、その他の、第2平面部262と対向するティース231の部位には、径方向内側巻線層24aに電気的につながっている導線241を2層に巻回して径方向外側巻線層24bを形成している。
なお、ティース231に導線241を巻回して巻線層24を形成するとき、第1平面部261と対向するティース231の部位では巻線層24aの巻回数を多くし、その他の、第2平面部262と対向するティース231の部位では巻線層24bの巻回数を少なくするが、ティース231全体の巻線層24の巻回数の合計は、従来のスピンドルモータにおける巻線層の巻回数と同じである。そのため、中心軸を中心としてロータ部13を回転させるためのトルクは従来と変わることなく、ティース231上の巻線層24を径方向に不均一化することができる。
次に、ステータ22上にシールド部材26を接着剤等で接着したときの、ティース231の径方向内側巻線層24a及び径方向外側巻線層24bと、シールド部材26との位置関係について、図3に基づいて説明する。
ティース231の径方向内側巻線層24a及び径方向外側巻線層24b上にシールド部材26を重ねたとき、径方向内側巻線層24aと径方向外側巻線層24bとの境界部分24cが、シールド部材26の段差部26bと軸方向に隣接するように構成する。このため、巻線層24を従来より中心軸側近傍に移動した分、シールド部材26も軸方向下方に移動することができる。結果として、従来よりスピンドルモータのトルクを変えることなく、スピンドルモータの薄型化、小型化を図ることができる。
なお、図12に示すように、ティース231aはその径方向途中上方にシールド部材26の段差部26bがあり、径方向内側と径方向外側それぞれに層厚の異なる巻線層を形成しているが、ティース231bや231cのように、第1平面部261と第2平面部262との段差部26b下だけでなく、第1平面部261及び第2平面部262と、第3平面部263と、の段差部26c下にティースがある場合は、ティース231bや231cも、ティース231aと同様に径方向に不均一に巻線層を形成するようにする。
なお、本実施形態では、少なくともヘッド部6の動作領域近傍に位置するティース231の巻線層24について説明したが、これに限定されず、複数のティース231全てにそれぞれ巻回された巻線層24についても同様な構成にしてもよい。
なお、本実施形態では、第1平面部261と対向するティース231の部位に巻回された径方向内側巻線層24aを4層、第2平面部262と対向するティース231の部位に巻回された径方向外側巻線層24bを2層としたが、巻線層の数についてはこれに限定されるものではない。例えば、径方向内側巻線層24aを5層にすることも、径方向外側巻線層24bを1層にすることも可能である。
なお、段差を形成したシールド部材26の構成について、第1平面部261、第2平面部262、第3平面部263それぞれ別個に成形しておき、それらを積層して1つのシールド部材26を構成したり、また、磁気シールド板を1枚若しくは複数枚軸方向に積層して構成したシールド部材26を、プレス等の塑性加工にて折り曲げて、第1平面部261、第2平面部262、第3平面部263それぞれを形成したりしてもよい。
本発明の一実施形態に係るスピンドルモータを備えたディスク駆動装置の縦断面図である。 ディスク駆動装置の内部構造を説明するための上平面図である。 スピンドルモータ1の一部縦断面図である。 スピンドルモータのラジアル及びスラスト動圧軸受部を説明するための縦断面図である。 ステータの説明図である。 渡り線係止用の突出部の組立図である。 本発明の一実施形態に係る3段構成のシールド部材を示す図である。 本発明の一実施形態に係る2段構成のシールド部材を示す図である。 本発明の一実施形態に係る3段構成のシールド部材をステータ上に配置した上平面図である。 シールド部材の裏面に絶縁層を被覆した図である。 巻線層の層厚が径方向に均一な場合のスピンドルモータ1の一部縦断面図である。 本発明の一実施形態に係るシールド部材の第2平面部下方に配置された巻線層を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係る3段構成のシールド部材を備え、ディスクを除いたディスク駆動装置の内部構造を説明するための上平面図である。 本発明の一実施形態に係る2段構成のシールド部材を備え、ディスクを除いたディスク駆動装置の内部構造を説明するための上平面図である。
符号の説明
1 スピンドルモータ
2 ディスク駆動装置
3 装置ハウジング
311 ベース
311c 表面の外縁部分
4 ディスク
5 アクセス部
6 ヘッド部
7 キャリッジ部
8 揺動部
11 軸受ハウジング
11b 内周面
11c 上面
12 スリーブ
12a 下面
12b 内周面
12c 上面
13 ロータ部
14 カウンタープレート
14a 上面
15 ロータハブ
15a 貫通孔
15b 外周面
15c フランジ面
15d 内周面
151 第1円筒部
151a 外周面
152 平面部
152a 下面
153 第2円筒部
154 台部
16 シャフト
16a 外周面
16b 下端面
17 ロータマグネット
17a 外周面
18 スラストプレート
18a 上面
18b 下面
18c 外周面
19 潤滑オイル
20a、20b ラジアル動圧溝列
21a、21b スラスト動圧溝列
22 ステータ
23 ステータコア
23a、23b 金属薄板
231 ティース
232 コアバック
232a 内周面
24 巻線層
24a 径方向内側巻線層
24b 径方向外側巻線層
241 導線
242 渡り線
25 突出部
25a 垂直部
25b 折曲部
26 シールド部材
26a 外縁部分
26b 段差部(径方向)
26c 段差部(周方向)
261 第1平面部
262 第2平面部
262a 切り欠き部
263 第3平面部
27 絶縁層
28 空間
L 中心軸

Claims (12)

  1. ディスクに対して情報の読み出しおよび/または書き込みを行うヘッド部と、前記ヘッド部を前記ディスクの平面に沿って移動させる移動手段とを備えたディスク駆動装置内に備えられるスピンドルモータであって、
    磁極が環状に配列されたロータマグネットと、
    前記ディスクが載置されるディスク載置部と、
    を有して、中心軸を中心として軸受機構によって回転自在に支持されるロータ部と、
    先端を中心軸に向けて前記中心軸を中心に放射状に配置された複数のティースと、
    前記複数のティースのそれぞれに導線を巻回することにより形成された巻線層と、
    を有して、前記ロータマグネットの外周部と半径方向に微小間隙を介し対向するステータと、
    前記ディスクと前記巻線層との間に軸方向に形成された微小間隙中に配置され、軟磁性材料から成形された環状の金属部材であるシールド部材と、
    を備え、
    前記シールド部材と間隔をおいて対峙する前記ヘッド部が、前記シールド部材の径方向にスイング動作し、その動作領域に重なる前記シールド部材の部位に径方向において段差部を形成し、前記段差部を介して径方向内側の第1平面部と径方向外側の第2平面部とを有し、前記第1平面部が、前記第2平面部より、前記ディスクに近接していることを特徴とするスピンドルモータ。
  2. 請求項1に記載のスピンドルモータにおいて、
    少なくとも前記ヘッド部の動作領域近傍に位置する前記ティースの巻線層は、前記第1平面部と対向するティースの部位に巻回された径方向内側巻線層の最大層厚が、前記第2平面部と対向するティースの部位に巻回された径方向外側巻線層の最大層厚に比べて厚いことを特徴とするスピンドルモータ。
  3. 請求項2に記載のスピンドルモータにおいて、
    前記径方向内側巻線層と前記径方向外側巻線層との境界部分が、前記シールド部材の前記段差部と軸方向に隣接することを特徴とするスピンドルモータ。
  4. 請求項2又は請求項3に記載のスピンドルモータにおいて、
    前記複数のティース全てにそれぞれ巻回された巻線層は、前記径方向内側巻線層の最大層厚が、前記径方向外側巻線層の最大層厚に比べて厚いことを特徴とするスピンドルモータ。
  5. 請求項1に記載のスピンドルモータにおいて、
    前記巻線層の層厚は径方向に均一であり、
    前記シールド部材の第1平面部と前記巻線層との間に空間が形成されていることを特徴とするスピンドルモータ。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のスピンドルモータにおいて、
    前記ステータは、前記複数のティースの径方向外側の端部同士を接続する環状のコアバックを有し、前記コアバックは、前記コアバックから前記シールド部材側に向かって突出する突出部を備え、前記シールド部材の前記第2平面部には、前記突出部と重なる位置に切り欠き部を有することを特徴とするスピンドルモータ。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のスピンドルモータにおいて、
    前記シールド部材の前記第1平面部は径方向内側から前記段差部側へ、前記第2平面部は前記段差部側から径方向外側へ、それぞれ放射状に拡がる略扇形状を成していることを特徴とするスピンドルモータ。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のスピンドルモータにおいて、
    前記シールド部材は、前記ヘッド部の動作領域の前記第1平面部及び前記第2平面部と、前記ヘッド部の動作領域以外の第3平面部とから構成され、
    前記第1平面部及び前記第2平面部と、
    前記第3平面部とは、
    前記シールド部材の周方向に隣接することを特徴とするスピンドルモータ。
  9. 請求項8に記載のスピンドルモータにおいて、
    前記シールド部材の前記第3平面部が、前記第1平面部より、前記ディスクに近接していることを特徴とするスピンドルモータ。
  10. 請求項8に記載のスピンドルモータにおいて、
    前記シールド部材の前記第3平面部と前記第1平面部とが共に、前記ディスクに対して等距離に近接していることを特徴とするスピンドルモータ。
  11. 請求項1乃至請求項10のいずれかに記載のスピンドルモータにおいて、
    前記シールド部材の前記巻線層側の面に、絶縁層が被覆されていることを特徴とするスピンドルモータ。
  12. ディスクを回転させるディスク駆動装置であって、
    ベース部材と、
    前記ベース部材の内部に固定された請求項1乃至請求項11のいずれかに記載のスピンドルモータと、
    前記ディスクに対して情報の読み出しおよび/または書き込みを行うヘッド部と、
    前記ヘッド部を前記ディスクの周方向の端面に沿って移動させる移動手段とを備えることを特徴とするディスク駆動装置。
JP2007333491A 2007-12-26 2007-12-26 スピンドルモータ、及びディスク駆動装置 Withdrawn JP2009159701A (ja)

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