JP2009159585A - 異種無線通信システム間における干渉抑圧方法、基地局連携干渉抑圧システム及び移動通信システム - Google Patents

異種無線通信システム間における干渉抑圧方法、基地局連携干渉抑圧システム及び移動通信システム Download PDF

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Abstract

【課題】同一周波数帯を用いる異種の第1及び第2の無線システムが共存する場合に、第1の無線通信システムの基地局から第2の無線通信システムの無線局に与える干渉を抑圧しつつ、第1の無線通信システムの基地局と端末との間の通信を可能とすること。
【解決手段】異種の無線通信システムの無線局(衛星システム地上局ES)の近傍に設けられたセンサ局150によって複数の基地局110、120、130、140からの受信レベルを測定し、任意の2つの基地局を組み合わせてその複素振幅を測定結果に基づいて制御することで無線局ESの位置にヌル点を形成し、かつ、前記組み合わせとは異なる任意の2つの基地局を組み合わせてその複素振幅を測定結果に基づいて制御することで無線局ESの位置にヌル点を形成するようにした。
【選択図】図2

Description

本発明は、互いに同一周波数帯域を用いる異種の無線通信システムである第1及び第2の無線通信システム間における、前記第1の無線通信システムから前記第2の無線通信システムに与える干渉を抑圧することで、異種のシステム間での周波数共用を可能とする技術に関する。
高速伝送を行う移動体通信システム(例えば携帯電話システム)においては、広い無線通信周波数帯域幅が必要となる。よって、このような移動体通信システムを構築する場合には、広い周波数帯域を確保する必要がある。
一般的に、移動体通信においては、端末が移動することが前提となっているため、マイクロ波帯以下の周波数帯が候補となる。ところが、マイクロ波帯以下の周波数は、一般的に既に固定マイクロ波通信システムや衛星通信システムのような既存のシステムに使用されている場合が多い。従って、広い周波数帯域を確保するためには、これらの既存の無線通信システムに干渉を与えないようにシステムを構成しなければならない。
複数システムが共存する周波数帯域の例としては、例えば2.45GHz帯に代表されるISMバンドが挙げられる。この周波数帯では、一般的にキャリアセンスが用いられる。共存する他の無線通信システムが所望の周波数帯を使用していないことがキャリアセンスによって判明されれば、当該システムでその周波数帯を用いて無線通信を行うことができる。
しかし、携帯電話システムにおいては、常時かつ面的にサービスを提供することが必要なため、ISMバンドのように時間的に周波数帯域を共有することはできない。また、TDMAと、CDMAも互いに異種のシステムであるため導入は困難である。
これらのことより、アンテナ指向性を用いた空間多重(SDMA)は、こうした異種のシステム間における周波数共用技術の有力な候補である。
例えば、SFN(Single Frequency Network)OFDMシステムと呼ばれる複数の基地局が単一周波数を用いる移動体通信システムと、衛星通信システムとが同一周波数帯域で共存する場合について説明する。なお、以下の説明では、移動体通信システムの端末をMSと呼び、衛星システム地球局をESと呼ぶこともある。
衛星システム地球局ESでは、パラボラアンテナ等の高利得開口面アンテナが衛星に向けられる。実際には、衛星方向に鋭いビーム(通常半値角2〜3°程度)が向けられる。他の方向では、サイドローブ又はヌル指向性により、ビームのピーク方向に比して、受信レベルが50dB程度減衰される。
この衛星通信システムと同一周波数にて、衛星通信システムとは異種のシステムである携帯電話システム等の移動体通信システムを運用した場合を考える。移動体通信システムの基地局は、現在の技術を用いる場合、例えば、オムニ指向性、又は120°、90°等のセクタ指向性にて送信する。
しかし、このような指向性送信技術を用いて、衛星システム地球局ESを避けた方向に指向性送信を行ったとしても、衛星システム地球局ESにおける衛星からの受信電力は非常に小さいので、移動体通信システムの基地局からの干渉は大きな問題となる。前述のように、衛星システム地球局ESでは、ビーム方向以外は低い利得となるように設計されているが、宇宙局からの受信信号強度は非常に低いため、サイドローブ方向に移動体通信システムの基地局があった場合でも、この基地局からの信号が干渉となる。
そこで、移動体通信システムの基地局において、衛星システム地球局ESで使用される所定のサブキャリアに対して、アダプティブアレイアンテナ制御又は基地局間で振幅・位相重み付けを行うことで、衛星システム地球局ESが使用している帯域への干渉電力を所定値以下とするヌル点制御を行うこと、つまり干渉軽減のためにSDMA技術を適用することが考えられる。
なお、ここまでの説明では、衛星通信システムが代替できる他の通信システムが無い点で典型的な例のため、移動体通信システムと共存する無線通信システムの例として衛星通信システムを挙げたが、他の異種の無線通信システム間でも同様のことが考えられる。
従来のSDMAとしては、例えば、特許文献1に記載された、アンテナの指向性制御方式がある。特許文献1では、端末からの接続要求信号に基づき端末の方向を求め、この方向に対して不要輻射を含む電波エリアが存在しないヌル点を向けることで、通信を可能とする方法が開示されている。
図13に、特許文献1で開示されているSDMA無線基地局の構成を示し、図14に、指向性制御の様子を示す。SDMA無線基地局1は、アレイアンテナ2によって受信された端末Zからの接続要求信号をアダプティブアレイ14及びパラメータ推定器15に供給する。パラメータ推定器15は、アダプティブアレイ14の出力とアンテナ2から供給された信号とに基づいて、端末Zの方向の情報を検出する。検出結果は、メモリ16に一時記憶される。
次に、既に指向性エリアを設けている端末Aからの信号がアレイアンテナ2によって受信され、信号合成器17に供給される。信号合成器17は端末Aの信号とメモリ16に記憶されている端末Zの情報とを合成し、端末Aに対する指向性エリアを変更することなく、端末Zの方向に対し電波が存在しないアンテナ指向性のヌル点を向ける。
このように、特許文献1においては、同一システム内の各端末に対する干渉を回避するために、アレイアンテナのヌル点を制御するSDMA技術が開示されている。
また、他のSDMA技術として、偏在アンテナの例が非特許文献1で開示されている。非特許文献1においては、サービスエリア内に遍在配置されている無線基地局と中央制御局とがRadio-on-Fiberリンクで接続された遍在アンテナシステムが開示されている。そして、遍在アンテナシステムの下りリンクにおいて、同一周波数信号の空間多重を実現するプレ重み付け複局同時送信方式が提案されている。
非特許文献1で提案されている方式は、上りリンクで得られる伝搬路パラメータ推定値に基づいて、各受信端末の信号対干渉電力比が受信時に最大となるように制御局で最適なプレ重み付けを行った信号を、複数の無線基地局から同時送信するようになされている。これにより、受信端末側で特別な信号処理を行うことなく、空間多重を実現している。また、この技術では、光ファイバで接続されたRFヘッドによって、ネットワーク負荷を軽減できる。
非特許文献1には、図15に示すように、4つの基地局BS1〜BS4で4つの移動端末MT1〜MT4に対して、ヌル点制御を行うことで、他局干渉を抑圧する例が示されている。図15の例では、各移動端末MT1〜MT4の移動局点におけるチャネル推定結果に基づいて、4つ基地局BS1〜BS4の送信複素振幅を決定することにより、移動端末MT2、MT3、MT4に対してはヌル点が向けられ受信電力が極小とされ、移動端末MT1に対してのみ所望信号が送信されるようになっている。
このように、非特許文献1においては、同一システム内の各端末に対する干渉を回避するために、前記各端末と同一システムの複数基地局によって端末位置のヌル点を制御するSDMA技術が開示されている。
特許第3229857号 「アンテナの指向性制御方法」 電子情報通信学会 無線通信システム信学技報 RCS2002, Vol.102 No.86,p.p.7-12, May.2002.「プレ重み付け複局同時送信による遍在アンテナシステムのダウンリンクにおける同一周波数空間多重の提案」 H. Zhang and H. Dai, "Cochannel Interference Mitigation and Cooperative Processing in Downlink Multicell Multiuser MIMO Networks," EURASIP J. Wirel. Commun. Netw., vol. 2004, no. 2, pp. 222-235, 2004
しかしながら、上記従来技術はいずれも同一システム内での干渉抑圧を前提としており、ヌル点の制御は基地局と同一システムである移動端末局からの即時的なフィードバック情報(例えばチャネル推定結果)に基づいて行われる。
一方、例えば、上述した移動体通信システムと衛星通信システムに代表される異種の無線通信システムが共存する場合には、互いに異種のシステムであるため、移動体通信システムの基地局と衛星システム地球局ESとの間で例えば通信品質情報等が交換されることは無い。このため、非特許文献1に示される方式を用いようとしても、移動体通信システムの基地局は、衛星システム地球局ESからのチャネル推定情報を得られないので、衛星システム地球局ESにヌル点を形成しつつ、移動体通信システム内の所望の端末との通信を確立するための正確な演算を行うことは困難である。
また、特許文献1に示される方法においては、基地局が1つのエリアをカバーすることを前提としているため、基地局が衛星システム地球局ESにヌル点を向けた場合、その方向にMSが存在すると、基地局とMS間での送受信が不可能となるという課題があった。
本発明は、かかる点を考慮してなされたものであり、同一周波数帯を用いる異種の第1及び第2の無線システムが共存する場合に、第1の無線通信システムの基地局から第2の無線通信システムの無線局に与える干渉を抑圧しつつ、第1の無線通信システムの基地局と端末との間の通信を可能とすることで、システム間での周波数共用を可能とする、異種無線通信システム間における干渉抑圧方法、基地局連携干渉抑圧システム及び移動通信システムを提供する。
本発明の異種無線通信システム間における干渉抑圧方法の一つの態様は、互いに同一周波数帯域を用いる異種の無線通信システムである第1及び第2の無線通信システム間における、前記第1の無線通信システムから前記第2の無線通信システムに与える干渉を抑圧する異種無線通信システム間における干渉抑圧方法であって、前記第2の無線通信システムの無線局の近傍に設けられたセンサ局によって、前記第1の無線通信システムの複数の基地局からの受信レベルを測定し、前記複数の基地局の中の任意の2つの基地局を組み合わせ、組み合わせられた基地局の送信信号の複素振幅を前記測定結果に基づいて制御することで、前記第2の無線通信システムの無線局の位置にヌル点を形成し、前記組み合わせとは異なる任意の2つの基地局を組み合わせ、組み合わせられた基地局の送信信号の複素振幅を前記測定結果に基づいて制御することで、前記第2の無線通信システムの無線局の位置にヌル点を形成する。
本発明の基地局連携干渉抑圧システムの一つの態様は、互いに連携して、異種の無線通信システムの無線局の位置に、ヌル点を形成する第1の基地局群と、互いに連携して、前記異種の無線通信システムの無線局の位置に、前記第1の基地局群とは異なるヌル点を形成する第2の基地局群と、を具備する構成を採る。
本発明の移動体通信システムの一つの態様は、複数の基地局と、異種のシステムの無線局の近傍に設置されたセンサ局と、を有し、前記複数の基地局は、それぞれ、OFDM信号を形成するOFDM信号形成手段と、形成されたOFDM信号の複素振幅を制御する複素振幅制御手段と、前記センサ局に間欠的にパイロット信号を送信するパイロット信号間欠送信手段と、前記センサ局からのフィードバック情報を基に、異種のシステムの無線局の位置においてヌル点が形成されるような前記複素振幅を決定するヌル形成振幅決定手段と、を有し、前記センサ局は、前記複数の基地局のパイロット信号間欠送信手段から送信されたパイロット信号の受信レベルを測定するレベル測定手段と、前記レベル測定結果を前記複数の基地局にフィードバックするレベル情報送信手段と、を有し、前記複数の基地局のうち第1の組み合わせの複数基地局の前記パイロット信号間欠送信手段から第1の期間に同時にパイロット信号が送信され、前記複数の基地局のうち第2の組み合わせの複数基地局の前記パイロット信号間欠送信手段から第2の期間に同時にパイロット信号が送信される、構成を採る。
本発明の干渉抑圧方法の一つの態様は、互いに同一周波数帯域を用いる異種の無線通信システムである第1及び第2の無線通信システム間における、前記第1の無線通信システムから前記第2の無線通信システムに与える干渉を抑圧する異種無線通信システム間における干渉抑圧方法であって、前記第1の無線通信システムの基地局は、複数の基地局が連携して、前記第1の無線通信システムの端末に同時に信号を送信するものであり、前記第1の無線通信システムの前記端末が、前記連携した複数の基地局からの受信信号に基づいて、前記連携した複数の基地局との間の第1のチャネル推定値を求めるステップと、前記第2の無線通信システムの無線局の近傍に設けられたセンサ局が、当該無線局の受信点における第2のチャネル推定値を求めるステップと、前記連携した複数の基地局が、前記第1及び第2のチャネル推定値に基づいて前記連携した複数の基地局の送信信号の複素振幅を制御することで、前記第2の無線通信システムの前記無線局の位置にヌル点を形成しかつ前記第1の無線通信システムの前記端末との間の通信容量を増大させるステップと、を含む。
本発明の基地局連携干渉抑圧システムの一つの態様は、互いに同一時間に同一の周波数を用いて信号を送信する基地局群を有し、前記基地局群は、互いに連携して送信信号の複素振幅を制御することで、前記基地局群とは異種の無線通信システムの前記無線局の位置にヌル点を形成しかつ前記基地局群と同一の無線通信システムの前記端末との間の通信容量を増大させる。
本発明によれば、例えば移動体通信システムと衛星通信システムのように、同一周波数帯を用いる異種の第1及び第2の無線システムが共存する場合に、第1の無線通信システムの基地局から第2の無線通信システムの無線局に与える干渉を抑圧しつつ、第1の無線通信システムの基地局と端末との間の通信を、第1の無線通信のサービス範囲に制限を与えることなく行うことができる。よって、例えば既に衛星通信システムの無線局が設置されているエリアでも、新たに衛星通信システムと同一周波数帯域を用いる移動体通信システムを設置することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態では、互いに同一周波数帯域を用いる異種の無線通信システムとして、移動体通信システムと衛星通信システムとを共存させる場合を例にとって説明する。
図1に、本実施の形態の基地局連携干渉抑圧システムの構成を示す。なお、図1では、図を簡単化するために、本発明に関わる要部のみが示され、その他の部分は省略されている。基地局連携干渉抑圧システム100は、複数の基地局110、120、130、140と、センサ局150とを有する。基地局110、120、130、140は、移動体通信システム(例えば携帯電話システム)の基地局である。センサ局150は、図2に示すように、衛星通信システムの衛星システム地球局ESの近傍に設けられている。
各基地局110、120、130、140は、OFDM信号形成部112、122、132、142で形成したOFDM信号を複素振幅制御部111、121、131、141に送出する。複素振幅制御部111、121、131、141は、OFDM信号の複素振幅を制御する。実際上、複素振幅制御部111、121、131、141は、所定のサブキャリアに対して位相重み付けを行うことで、複素振幅を制御する。複素振幅制御部111、121、131、141によって複素振幅が制御されたOFDM信号は、下り回線の個別チャネル(DL−DCH)の信号として、送信アンテナ116、126、136、146から送信される。
因みに、本実施の形態の移動体通信システム(基地局連携干渉抑圧システム100に相当する)は、SFN(Single Frequency Network)−OFDMシステムを前提としており、基地局110、120、130、140の間で同一周波数にて同一のOFDM信号を生成する。各基地局110、120、130、140から送出されたOFDM信号は、同一信号であるため、当該移動体通信システムの移動端末受信点では互いに干渉波となる。しかし、SFN−OFDMシステムでは、各基地局110、120、130、140からのOFDM信号の移動端末への到達時間差がガードインターバル内に収まっていれば、周波数選択性フェージング信号が受信されたものと見なすことができるので、移動端末は、インタリーブや誤り訂正処理が施されたOFDM信号を復調することができる。
また、各基地局110、120、130、140は、パイロット信号間欠送信部113、123、133、143を有する。パイロット信号間欠送信部113、123、133、143は間欠的なパイロット信号を形成し、このパイロット信号は下り回線の報知チャネル(DL−BCH)の信号としてOFDM送信される。
具体的には、基地局110のパイロット信号間欠送信部113と、基地局120のパイロット信号間欠送信部123とで、特定の同一のタイミングで、等電力のパイロット信号を送信する。このとき、基地局110の送信パイロットの位相に対して、基地局120の送信パイロットの位相が0°から360°まで連続的又は離散的に変化するパイロット信号を生成する。
基地局120と基地局130の間でも同様に、特定の同一のタイミングで、等電力のパイロット信号を、位相をスイープさせながら送信する。基地局130と基地局140の間でも同様に、特定の同一のタイミングで、等電力のパイロット信号を、位相をスイープさせながら送信する。
このように、本実施の形態の場合、複数の基地局110、120、130、140のうちの任意の2つの基地局の組み合わせで、順次、同一のタイミングで、等電力のパイロット信号が、位相をスイープされながら送信される。
センサ局150は、受信アンテナ157で、基地局110、120、130、140から送信されたパイロット信号を受信する。因みに、センサ局150においては、バンドパスフィルタ等を用いることにより、衛星システム地球局ESの受信周波数のみの信号を受信する。
センサ局150は、任意の2つの基地局から同時送信されたパイロット信号の合成信号の受信電界強度の変化を、複数基地局レベル測定部151によって測定する。実際には、複数基地局レベル測定部151は、期間T1では、基地局110、120から同時送信され位相が変化させられたパイロット信号の合成受信電界強度の変化を測定し、期間T2では、基地局120、130から同時送信され位相が変化させられたパイロット信号の合成受信電界強度の変化を測定し、期間T3では、基地局130、140から同時送信され位相が変化させられたパイロット信号の合成受信電界強度の変化を測定する。
複数基地局レベル測定部151により得られた受信レベル情報は、レベル情報送信部152及び送信アンテナ156を介して、全ての基地局110、120、130、140に無線にてフィードバックされる。
このレベル情報は、基地局110、120、130、140において、受信アンテナ117、127、137、147で受信され、レベル情報受信部114、124、134、144で各基地局110、120、130、140に関連するレベル情報が抽出される。ヌル形成振幅決定部115、125、135、145は、レベル情報に基づいてセンサ局150においてヌル点(合成レベルが最小となる点)が形成される位相を判別し、この位相に対応した複素振幅を決定する。決定された複素振幅の情報は、複素振幅制御部111、121、131、141に送出される。各複素振幅制御部111、121、131、141は、OFDM信号の複素振幅をヌル形成振幅決定部115、125、135、145によって決定された複素振幅に制御する。以降、通常の移動体通信システムのサービスがその複素振幅を用いて行われる。
ここで、典型的な例として、センサ局150が、各基地局110、120、130、140から等距離にあった場合について説明する。この場合には、空間の伝搬損失が同じであるため、同時送信された基地局110と基地局120のパイロット信号は、基地局110のパイロット信号に対して基地局120のパイロット信号の位相が反転すなわち位相差180°のときに、センサ局150での受信電力が0となる。基地局120と基地局130、基地局130と基地局140の組み合わせにおいても同様である。
基地局とセンサ局間の距離が等しく無い場合には、両者の受信信号強度が異なるため受信電力が0となる点(ヌル点)は存在しないが、パイロット信号の位相の変化に応じて、合成レベルが最小となる点が存在する。本実施の形態では、この最小の合成レベルをヌル点と判別する。
図2に、本実施の形態による基地局連携干渉抑圧システム100における、ヌル点制御動作の1例を示す。図2において、曲線201は基地局110と基地局120との連携により形成された第1のヌル点の集合を示し、曲線202は基地局120と基地局130との連携により形成された第2のヌル点の集合を示し、曲線203は基地局130と基地局140との連携により形成された第3のヌル点の集合を示す。
ここで、複数の基地局により移動体通信システムのエリアが構成されている場合、基地局からの送信信号がエリア内に存在している衛星システム地球局ESに干渉を与えてしまう。本実施の形態では、複数基地局110、120、130、140が連携してヌル点を作ることにより、衛星システム地球局ESへの干渉を軽減又は抑圧する。
なお、図2からも分かるように、本実施の形態では、センサ局150を、衛星システム地球局ESと同じ位置に設置している。例えば衛星システム地球局ESがある程度の大きさを持つパラボラアンテナのような開口面アンテナを有する場合においては、一次放射器の近傍に設置するとよい。また、センサ局150は、衛星システム地球局ESと同じ位置に恒常的に設置してもよく、または、基地局の送信信号の複素振幅を決める際に一時的に設置してもよい。
以下に、複数基地局110、120、130、140が連携して衛星システム地球局ESの使用帯域にヌル点を向ける動作を詳細に説明する。
図2において、基地局110、120の2局によって衛星システム地球局ESの方向に方向ヌル点が形成される。このヌル点の集合201は、基地局110、120に設けられた複素振幅設定部111、121によって複素振幅がそれぞれ複素振幅a1、a2に設定されることにより、基地局110、120から衛星システム地球局ESを見込んだ角度全体に形成される。
また、基地局120、130の2局によって衛星システム地球局ESの方向に方向ヌル点が形成される。このヌル点の集合202は、基地局120、130に設けられた複素振幅設定部121、131によって複素振幅がそれぞれ複素振幅b1、b2に設定されることにより、基地局120、130から衛星システム地球局ESを見込んだ角度全体に形成される。
これらの動作により、基地局110、120の連携によって形成されるヌル点の集合201と、基地局120、130の連携によって形成されるヌル点の集合202との交点が衛星システム地球局ESの設置地点となるので、その地点が基地局110、120、130からの受信信号強度が最も弱い場所となる。
また、基地局130、140についても同様で、基地局130、140の2局によって衛星システム地球局ESの方向に方向ヌル点が形成される。このヌル点の集合203は、基地局130、140に設けられた複素振幅設定部131、141によって複素振幅がそれぞれ複素振幅c1、c2に設定されることにより、基地局130、140から衛星システム地球局ESを見込んだ角度全体に形成される。基地局130、140の連携によって形成されるヌル点の集合203は、ヌル点の集合201及びヌル点の集合202と衛星システム地球局ESの設置地点で交差するので、その地点が基地局110、120、130、140からの受信信号強度が最も弱い場所となる。
このような基地局連携を行うことで、干渉を抑制したい所望ポイント(衛星システム地球局ESの設置地点)での受信信号レベルを最も小さくしつつ、それ以外のエリアでヌルが発生する場所率を軽減できるようになる。この結果、衛星システム地球局ESが存在する地点での受信レベルを最も小さくして衛星システム地球局ESへの干渉を抑制しつつ、その地点以外のエリアでの受信レベルを確保できる。よって、衛星システム地球局ESが存在する地点以外に存在する移動端末と基地局110、120、130、140との通信は確保できる。
例えば、移動端末が衛星システム地球局ESの設置地点を除くヌル点の集合201の位置に存在する場合、基地局110、120からの受信レベルは小さいが、他の基地局130、140からの受信レベルは確保されるので、通信が確保される。つまり、衛星システム地球局ESの設置地点を除いた場所では、ある組の基地局によってヌル点が形成されていたとしても、他の組の基地局からの信号はヌル点とが形成されていなので、基地局からの信号を受信できる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、異種の無線通信システムの無線局(例えば衛星システム地球局ES)の近傍に設けられたセンサ局150によって複数の基地局110、120、130、140からの受信レベルを測定し、任意の2つの基地局を組み合わせてその複素振幅を測定結果に基づいて制御することで無線局ESの位置にヌル点を形成し、かつ、前記組み合わせとは異なる任意の2つの基地局を組み合わせてその複素振幅を測定結果に基づいて制御することで無線局ESの位置にヌル点を形成するようにした。
このように、組み合わせが異なる複数の基地局群を形成し、各基地局群で複数の基地局が連携して干渉抑制地点を含む位置にヌルを形成したことにより、干渉抑制地点では複数のヌル点が重なり合うので干渉が抑制され、かつその他の地点では受信レベルが確保される。この結果、異種の無線通信システムの無線局に与える干渉を抑圧しつつ、自システムにおける基地局と端末との間の通信を確保できる。
なお、本実施の形態においては、互いに隣同士の基地局を連携させてヌルを形成する場合について述べたが、ヌルの幅が衛星システム地球局ESの物理的大きさに比して小さくならない限り、連携する基地局は任意に選んでよい。また、当然、連携する基地局の総数は4つに限らない。
また、本実施の形態においては、各基地局110、120、130、140に、同一周波数、同一信号のOFDM信号を形成するOFDM信号形成部112、122、132、142を設けた場合について述べたが、1つの基地局でのみOFDM信号を形成し、それを有線又は無線によって他の基地局に送信し、各基地局はその信号を再送信する構成にしてもよい。
また、本実施の形態においては、レベル情報送信部152によってレベル情報を全ての基地局110、120、130、140に無線にてフィードバックした場合について述べたが、電話回線やインターネット等の有線にてフィードバックしてもよい。
また、本実施の形態においては、センサ局150の受信アンテナ157は、センサ局150に新たに備えられているが、これに限らず、センサ局は、衛星システム地球局ESのアンテナで受信された信号を用いて、複数基地局からの受信レベルを測定してもよい。
さらに、本実施の形態において、互いに同一周波数帯域を用いる異種の無線通信システムの例として、移動体通信システムと衛星通信システムとを例に挙げて説明したが、他の異種のシステム間でも同様に実施できる。
(実施の形態2)
図3に、本発明の実施の形態2による基地局連携干渉抑圧システムの構成例を示す。本実施の形態の基地局連携干渉抑圧システムでは、衛星システム地球局ESの近傍に複数のセンサ局301、302、303、304が設置されている。各基地局110、120、130、140及びセンサ局301〜304の構成及び動作は、実施の形態1と同様である。
センサ局301〜304は、衛星システム地球局ESにできるだけ近接された状態で設置される。本実施の形態の例では、干渉を与える基地局は4局であり、センサ局は4局設置されると仮定して説明する。
センサ局301は、基地局110、120からのパイロット信号を受信する。基地局110、120は、センサ局301からのフィードバック情報に基づいて、センサ局301の位置で、ヌル点が形成されるように複素振幅a1、a2を調整する。
センサ局302は、基地局120、130からのパイロット信号を受信する。基地局120、130は、センサ局302からのフィードバック情報に基づいて、センサ局302の位置で、ヌル点が形成されるように複素振幅b1、b2を調整する。
センサ局303は、基地局130、140からのパイロット信号を受信する。基地局130、140は、センサ局303からのフィードバック情報に基づいて、センサ局303の位置で、ヌル点が形成されるように複素振幅c1、c2を調整する。
センサ局304は、基地局140、110からのパイロット信号を受信する。基地局140、110は、センサ局304からのフィードバック情報に基づいて、センサ局304の位置で、ヌル点が形成されるように複素振幅d1、d2を調整する。
これらの結果から、センサ局301〜304の近傍では、ヌル点に近いレベルの受信電界領域が形成されるので、衛星システム地球局ESの周辺では干渉電力が軽減される。
かかる構成によれば、衛星システム地球局ESは、単一ヌルの幅で干渉が抑圧されるのでなく、複数ヌル点付近のサイドローブのレベルで干渉が抑圧される。この結果、衛星システム地球局ESの大きさが波長に比して大きい場合においても干渉を軽減できるようになる。
(実施の形態3)
図4に、本発明の実施の形態3による基地局連携干渉抑圧システムの基地局の構成例を示す。本実施の形態では、基地局110に張り出し基地局410が結合されている。張り出し基地局410は、複素振幅制御部411と、送信アンテナ416とを有する。本実施の形態の場合、張り出し基地局410は、既存の基地局110に有線又は無線で結合され、基地局110によって形成されたOFDM信号に対して複素振幅の制御のみを行う。
図5に、本実施の形態の基地局連携干渉抑圧システムの構成例を示す。基地局110には張り出し基地局410が接続され、基地局120には張り出し基地局420が接続されている。なお、張り出し基地局420の構成は、図4に示した張り出し基地局410の構成と同様である。
張り出し基地局410、420は、それぞれ、基地局110、120の近くに設置される。第1の例として、張り出し基地局410、420は、それぞれ、結合された基地局110、120と逆相の信号を送信する。また、第2の例として、張り出し基地局410、420は、次に示す方法により、ヌル点の集合の交点を衛星システム地球局ESの近傍に形成することで、衛星システム地球局ESへの干渉レベルを抑圧する。
前記第2の例について、図6を用いて説明する。図6は、距離方向のヌル点の特性を示す図である。図6(a)に、基地局110と、張り出し基地局410と、センサ局150の配置の例を示す。図6(b)に、センサ局150の配置に応じた受信レベルの変化の例を示す。
図6(a)のように、基地局110と張り出し基地局410とを結んだ線と、その線に対するセンサ局150からの法線の交点を0としたとき、交点0と基地局110の距離をaa、交点0と張り出し基地局410の距離をbb、交点0とセンサ局150の距離をccとする。
周波数を5GHz、aa=250m、bb=245mとし、基地局110と張り出し基地局410から等振幅、等位相のOFDM信号を送信した場合の、距離減衰を考慮しない、センサ局150における受信レベルの変化を、次式により求めると、図6(b)に示すような受信レベル特性曲線601が得られる。
Figure 2009159585
なお式(1)は、大地反射による2波モデルの伝搬式から求められる。受信レベル特性曲線601に示されるようにccが増大するに従い、ヌル点の間隔は増大し、この例においては位置602でヌルが最大となる。張り出し基地局410の位置は自由に設定できるので、衛星システム地球局ESの物理的大きさがこのヌル幅に収まるようにaa、bbを設定すればよい。
図7は、複数の衛星システム地球局ES1、ES2が基地局エリア内に設置されている場合の張り出し基地局の配置例を示したものである。同図に示されるように、複数の衛星システム地球局ES1、ES2がエリア内に設置されて場合でも、張り出し基地局410、420を適宜設置することにより、衛星システム地球局ES1、ES2への干渉を軽減することができる。
例えば、図7の場合には、連携群1を構成する基地局110、120及び張り出し基地局420がセンサ局150−1からのフィードバック情報を基に、実施の形態1で説明したような連携を行うことで、衛星システム地球局ES1への干渉を抑制した通信を行う。同様に、連携群2を構成する基地局130、140及び張り出し基地局410がセンサ局150−2からのフィードバック情報を基に、実施の形態1で説明したような連携を行うことで、衛星システム地球局ES2への干渉を抑制した通信を行う。
以上のように、本実施の形態によれば、張り出し基地局を設けたことにより、距離方向のヌル幅を自由に設定できるので、衛星システム地球局ESの物理的大きさを考慮した干渉回避が可能となる。
(実施の形態4)
ところで、移動体通信システム(例えば携帯電話システム)の基地局は一般に、携帯電話サービスエリアが最適になる位置に設置されるので、他システムの端末局(例えば衛星システム地球局)の配置によって、基地局の設置位置が制約を受けることは最小限にすることが望ましい。しかしながら、基地局の位置が、他システムの端末局に近接する場合においては、近接した基地局は出力電力を小さくする必要があり、その結果、周波数の利用効率が低下する。
また、実施の形態1で提示した方法によれば、衛星システム地球局への干渉が最小となるように、移動体通信システムの基地局からの送信が制御されるが、このとき移動体通信システムにおける通信容量が必ずしも最大となるような送信制御がなされるわけではない。
本実施の形態では、実施の形態1と同様に異種のシステムである衛星通信システムに与える干渉を抑圧するといった効果に加えて、移動体通信システムの通信容量の低下を低減できる(換言すれば、移動通信サービスを高品位で維持することができる)方法及び構成を提示する。
本実施の形態では、移動体通信システムが、マルチアンテナ通信及びマルチキャリア通信を行うシステムであることを前提する。また、本実施の形態では、移動体通信システムが、マルチアンテナ通信としてMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)通信を採用しており、マルチキャリア通信としてOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)通信を採用しているシステムである場合、つまりMIMO−OFDM通信を行う場合を例に説明する。
また、本実施の形態では、実施の形態1と同様に、移動体通信システムの複数の基地局が連携して同一周波数にて同一のOFDM信号を生成する、いわゆるSFN−OFDMシステムを採用した通信を行う場合を前提に説明する。
図8及び図9を用いて、本実施の形態の基地局連携干渉抑圧システムの構成を説明する。先ず、図8を用いて、システムの概要を説明する。図8には、移動体通信システムの基地局510、520、530と、移動体通信システムの移動端末610、620、630と、衛星システムの宇宙局SATと、衛星システム地球局ESと、センサ局700とが示されている。
基地局510、520、530は、複数のアンテナを有し、MIMO−OFDM信号を送信するようになっている。加えて、基地局510、520、530は、互いに連携することでSFN(Single Frequency Network)−OFDMシステムを構築している。
移動端末610、620、630は、基地局510、520、530から送信された信号をMIMO受信するようになっている。なお、本実施の形態では、基地局510、520、530及び移動端末610、620、630が複数のアンテナを有する場合について説明するが、基地局510、520、530及び移動端末610、620、630は、1本のアンテナのみを有していてもよい。
センサ局700は、衛星システム地球局ESの近傍に設けられている。なお、センサ局700は、衛星システム地上局ESの異種通信システム受信器800(図9)内に配置されていても。また、センサ局700は、図9に示すように、衛星システム地球局ESのアンテナ801によって受信された信号を用いてもよく、または、センサ局700用の独立のアンテナを衛星システム地球局ESの近傍に設けて、そのアンテナによって受信された信号を用いてもよい。
図9に、基地局510、520、530、移動端末610、620及びセンサ局700の構成を示す。なお、図9では、図を簡単化するために、本発明に関わる要部のみが示され、その他の部分は省略されている。また、図8の移動端末630は、移動端末610、620と同様の構成のため省略されている。
各基地局510、520、530は、下り回線の個別チャネル(DL−DCH)で送信するデータを情報信号生成部513−1、523−1、533−1によって生成し、報知チャネル(DL−BCH)で送信するパイロット信号をパイロットチャネル生成部513−2、523−2、533−2によって生成する。OFDM信号形成部512、522、532は、生成されたこれらの信号が所定のサブキャリアにマッピングされたOFDM信号を生成し、生成したOFDM信号を複素振幅制御部511、521、531に送出する。ここで、OFDM信号形成部512は、複数アンテナ分のOFDM信号を形成する。OFDM信号形成部522、532も同様に、複数アンテナ分のOFDM信号を形成する。
複素振幅制御部511によって複素振幅が制御された複数系統のOFDM信号は、それぞれ、送信アンテナ部516に設けられた複数のアンテナに供給される。同様に、複素振幅制御部521によって複素振幅が制御された複数系統のOFDM信号は、それぞれ、送信アンテナ部526に設けられた複数のアンテナに供給される。同様に、複素振幅制御部531によって複素振幅が制御された複数系統のOFDM信号は、それぞれ、送信アンテナ部536に設けられた複数のアンテナに供給される。このようにして、基地局510、520、530は、MIMO−OFDM送信を行う。
かかる構成に加えて、基地局510は、チャネル推定情報受信部514と、複数基地局振幅決定部515とを有する。チャネル推定情報受信部514は、センサ局700、移動端末610、620、………から上り回線(UL)で送信されたチャネル推定情報を受信アンテナ517を介して受信し、このチャネル推定情報を複数基地局振幅決定部515に送出する。複数基地局振幅決定部515によって決定された基地局毎の複素振幅値は、ケーブル等を介して各基地局520、530に送出される。なお、複数基地局振幅決定部515による複素振幅の決定処理については後述する。
なお、本実施の形態では、チャネル推定情報受信部514は基地局510のみに搭載され、受信したチャネル推定情報をケーブル等を介して他の基地局520、530へ通知する場合について述べるが、他の基地局520、530それぞれにチャネル推定情報受信部を設けて、受信したチャネル推定情報を用いて、それぞれの基地局520、530に設けた複数基地局振幅決定部にて複素振幅制御部521、531で用いる複素振幅値を決定してもよい。
移動端末610、620は、それぞれ、複数基地局チャネル推定部611、621と、チャネル行列送信部612、622とを有する。複数基地局チャネル推定部611、621は、各基地局510、520、530から送信されたパイロット信号の受信状態に基づいて、複数基地局の複数アンテナと自局の複数アンテナとの間のチャネル推定行列を求める。また、複数基地局チャネル推定部611、621は、宇宙局SATから送信された信号の受信状態に基づいて、宇宙局SATと自局の複数アンテナとの間のチャネル推定行列を求める。
すなわち、複数基地局チャネル推定部611は、基地局510の複数アンテナと自局のアンテナ613との間のチャネル推定行列と、基地局520の複数アンテナと自局のアンテナ613との間のチャネル推定行列と、基地局530の複数アンテナと自局のアンテナ613との間のチャネル推定行列と、宇宙局SATと自局のアンテナ613との間のチャネル推定行列とからなる複数基地局チャネル推定行列を求める。
同様に、複数基地局チャネル推定部621は、基地局510の複数アンテナと自局のアンテナ623との間のチャネル推定行列と、基地局520の複数アンテナと自局のアンテナ623との間のチャネル推定行列と、基地局530の複数アンテナと自局のアンテナ623との間のチャネル推定行列と、宇宙局SATと自局のアンテナ623との間のチャネル推定値とからなる複数基地局チャネル推定行列を求める。
なお、宇宙局SATとの間のチャネル推定値は、本実施の形態では、必ずしも必要な情報ではないため省略してもよい。
複数基地局チャネル推定部611で求められた複数基地局チャネル推定行列は、チャネル行列送信部612によって基地局510が受信可能な信号に変換され、アンテナ614を介して基地局510に送信される。同様に、複数基地局チャネル推定部621で求められた複数基地局チャネル推定行列は、チャネル行列送信部622によって基地局510が受信可能な信号に変換され、アンテナ624を介して基地局510に送信される。
センサ局700は、干渉チャネル行列推定部701と、干渉チャネル行列送信部702とを有する。センサ局700は、衛星システム地球局ESのアンテナ801で受信された信号を干渉チャネル行列推定部701に入力する。干渉チャネル行列推定部701は、各基地局510、520、530から送信されたパイロット信号に基づいて、基地局510の複数アンテナと衛星システム地球局ESのアンテナ801との間のチャネル推定行列と、基地局520の複数アンテナとアンテナ801との間のチャネル推定行列と、基地局530の複数アンテナとアンテナ801との間のチャネル推定行列とを、干渉チャネル行列として求める。
干渉チャネル行列推定部701によって求められた、複数基地局との間の干渉チャネル行列は、干渉チャネル行列送信部702によって基地局510が受信可能な信号に変換され、アンテナ704を介して基地局510に送信される。なお、干渉チャネル行列推定部701によって求められた干渉チャネル推定行列は、電話回線等のケーブルによって異種通信システム(すなわち衛星通信システム)受信器800や干渉チャネル行列送信部から有線を介して基地局510に伝送されてもよい。また、センサ局700は、衛星システム地球局ESと同じ位置に恒常的に設置してもよく、または、基地局の送信信号の複素振幅を決める際に一時的に設置してもよい。
このようにして、基地局510には、移動端末と基地局との間のチャネル推定行列、衛星システム地球局と基地局との間の干渉チャネル推定行列が通知される。基地局510のチャネル推定情報受信部514は、これらのチャネル推定情報を受信し復調して、複数基地局振幅決定部515に送出する。
ここで、上述のようにして基地局510に収集されるチャネル推定情報は、次式のようなチャネル推定行列として表すことができる。
Figure 2009159585
なお、式(2)において、HUBは基地局と移動端末との間のチャネル(MIMO(Multiple Input Multiple Output)チャネル)推定行列、HEBは基地局と衛星システム地球局との間の干渉チャネル(MIMOチャネル)推定行列、hUSは宇宙局と移動端末との間の干渉チャネル(SIMO(Single Input Multiple Output)チャネル)、hESは宇宙局と衛星システム地球局との間のチャネル(SIMO(Single Input Multiple Output)チャネル)を表す。hESで、衛星システム地球局を複数チャネルとして定義しているのは衛星システム地球局を単一数に限定しないためである。なお、hUSと、hESは全体の干渉関係を分かり易くするための要素であり、本発明には必要の無い要素である。
式(2)のチャネル推定行列を用いることにより、移動体通信システムと衛星通信システムにおける、送信信号と受信信号の関係は、次式のように表すことができる。
Figure 2009159585
なお、式(3)において、yは移動端末の受信信号ベクトル、yは衛星システム地球局の受信信号ベクトル、xは基地局の送信ベクトル、xは衛星の送信ベクトルを示す。
ここで、基地局の送信ベクトルxは、複数の基地局510、520、530の複素振幅制御部511、521、531おいて、複素振幅制御前の送信信号sに重みベクトルTを乗ずることにより得られる。つまり、送信ベクトルxは、次式のように表すことができる。
Figure 2009159585
ここで、重みベクトルTは、次式のように表すことができる。
Figure 2009159585
なお、式(5)において、Nは基地局数、Nは基地局アンテナ数、Nは移動端末数、Lはu番目の移動端末に送信するストリーム数を示す。
複数基地局振幅決定部515において、具体的に式(5)の重みベクトルTを決定する際には、平均周波数効率を最大化すると言う観点と、予め定められた通信容量を確保するサービスエリアを最大化すると言う観点が存在する。
本実施の形態の複数基地局振幅決定部515は、平均周波数効率を最大化する重みベクトルTを決定することにより、又は通信容量を確保するサービスエリアを最大化する重みベクトルTを決定することにより、基地局510、520、530と移動端末610、620との間の通信容量を増大させるようになっている。加えて、本実施の形態の複数基地局振幅決定部515は、重みベクトルTとして、衛星システム地球局ESの位置(すなわちセンサ局700の位置)への与干渉を最小化するものを決定するようになっている。つまり、複数基地局振幅決定部515は、衛星システム地球局ESへの与干渉を最小化しつつ、移動端末610、620との間の通信容量を増大させる重みベクトルTを決定するようになっている。
後述するが、重みベクトルTを決定するにあたっては、先ず、衛星システム地球局ESへの与干渉を最小化するものを選定し、これを拘束条件として、移動端末610、620との間の通信容量を最大化するものを最終的な重みベクトルTとして決定するようになっている。
ここで、平均周波数効率を最大化するためには、式(6)及び式(7)の拘束条件の下に、式(8)を最大化すればよい。
Figure 2009159585
Figure 2009159585
Figure 2009159585
なお、HEB,eはHEBのe行目、IEB,lim,eはe番目の衛星システム地球局における干渉の上限値、Rは移動端末の周波数利用効率、P(T)は電力の拘束関数、Plim,pは送信電力の上限値を示す。電力の拘束関数P(T)は、重みベクトルTに関して、総電力又は基地局毎の電力又はアンテナ毎の電力の上限値を定めるものである。総電力の上限値を決める場合には、pの値は1である。基地局毎の電力の上限値を定める場合にはp=1,2,………,Nとなり、アンテナ毎の電力の上限値を定める場合にはp=1,2,………,Nとなる。
一方、予め定められた通信容量を確保するエリアを最大とするためには、式(9)及び式(10)の拘束条件の下に、式(11)の値を最大化すればよい。
Figure 2009159585
Figure 2009159585
Figure 2009159585
なお、Z(T,s)は周波数利用効率が所望の値以上になるときは1、ならないときは0となる関数、Nは試験測定ポイントの総数を示す。
ここで、式(7)と式(10)については、現実的に想定される拘束条件としては、例えば、総電力で上限値が決定されている場合、基地局毎の電力の上限値が決定されている場合、アンテナ毎の電力の上限値が決定されている場合が考えられる。これらの場合には、上記の式(7)及び式(10)を、以下に示すような具体的なTの関数式とすることができる。
すなわち、総電力で上限値が決定されている場合には、上記の式(7)及び式(10)を、次式の関係式とすることができる。なお、Tr(TT)はTTのトレース(対角要素の和)、Ptotは総電力の上限値である。
Figure 2009159585
Figure 2009159585
また、基地局毎の電力の上限値が決定されている場合には、上記の式(7)及び式(10)を、次式の関係式とすることができる。なお、T[p]はTの中で基地局pに相当する列を選択した行列、Pbase,pは基地局毎の電力の上限値である。
Figure 2009159585
Figure 2009159585
また、アンテナ毎の電力の上限値が決められている場合には、上記の式(7)及び式(10)を、次式の関係式とすることができる。なお、T{p}はTの中でアンテナpに相当する列を選択したベクトル、Pant,pはアンテナ毎の電力の上限値である。
Figure 2009159585
Figure 2009159585
複数基地局振幅決定部515は、上記拘束条件の下で、式(8)又は式(11)を最大化する重みベクトルTを求める。
図10に、複数基地局振幅決定部515による重みベクトルTの決定方法の例を示す。複数基地局振幅決定部515は、図10に示す演算を行うことで、衛星システム地球局ESへの与干渉を最小化しつつ、移動端末610、620との間の通信容量を増大させる重みベクトルTを決定することができる。
複数基地局振幅決定部515は、ステップST10で処理を開始すると、続くステップST11において、チャネル推定情報受信部514から、基地局510、520、530と移動端末610、620との間のチャネル行列HUBと、基地局510、520、530と衛星システム地球局ESとの間の干渉チャネル行列HEBとを取得する。
複数基地局振幅決定部515は、続くステップST12において、次式によってヌル空間行列Qorthを算出する。
Figure 2009159585
ここで、null(HEB)はHEBのヌル空間行列を示す。このQorthがHEBをヌルにする重み付けTを決定する拘束条件となる。
次に、複数基地局振幅決定部515は、ステップST13において、次式によってQnullを算出する。
Figure 2009159585
ここで、は複素共役転置を示す。
次に、複数基地局振幅決定部515は、ステップST14において、次式により、Qnullで送信電力の最も大きくなる行を検索し、Qnullを指定要素を正規化することでQfullを算出する。
Figure 2009159585
ここで、Qnull {p}はQnullのp行目、すなわち送信電力の大きいアンテナ番号をを示す。
式(20)で求めたQfullは式(19)に示すようにでQorth始まる重みベクトルであるため、複素振幅制御部511、521、531にて送信信号に乗ずれば、衛星システム地球局ESからのチャネル行列HEBにヌルを与えて与干渉を抑圧(最小化)することができる。ただし、本実施の形態では、衛星システム地球局ESへの与干渉を抑圧(最小化)するだけでなく、移動端末610、620との間の通信容量を増大させるために、以下の処理を続ける。
すなわち、複数基地局振幅決定部515は、先ずステップST15において、次式によりHnullを算出する。
Figure 2009159585
次に、複数基地局振幅決定部515は、ステップST16において、ウエイトVを算出する。ウエイトVの演算には、例えば非特許文献2などに記述されている任意の基地局連携マルチユーザーMIMO方式を適用すればよい。例えば、ZF(Zero-Forcing)にて演算を行う場合、次式に基づいてHnullの疑似逆行列をウエイトとするVを求める。
Figure 2009159585
次に、複数基地局振幅決定部515は、ステップST17において、次式によりGを算出する。
Figure 2009159585
このGを複素振幅制御部511、521、531にて送信信号に乗ずれば、移動端末からのチャネル行列HUBによりHUB・Gが単位行列となることで移動端末610、620との間の通信容量を増大させることができるが、次式により、複数基地局振幅決定部515は、ステップST18において、送信電力が既定値を超えないように、調整係数Ωを算出する。すなわち、基地局あたりの電力が規定値以下になるように、あるいは、アンテナあたりの電力が規定値以下になるように調整するための係数Ωを求める。
次に、複数基地局振幅決定部515は、ステップST19において、次式により調整係数Ωによって電力調整された重みベクトルTを算出し、ステップST20で重みベクトル算出処理を終了する。
Figure 2009159585
なお、ヌル形成の際に(衛星システム地球局ESへの与干渉を最小化する際に)、ヌルレベルに何dBm以下という拘束を与えてヌル深度を緩和すれば、各基地局のウエイト生成の値の範囲が広がるので、その値を端末容量を増加させるために使うこともできる。
基地局510、520、530は、このようにして求められた重みベクトルTを用いて、送信するOFDM信号の複素振幅を制御することで、衛星地球局に対する与干渉を最小化し、かつ各移動端末に対する通信容量を最大化することができる。
このように、本実施の形態によれば、衛星地球局ESの近傍にセンサ局700を設置し、センサ局700により得られたチャネル推定値(干渉チャネル)と、移動端末からフィードバックされたチャネル推定値とを組み合わせ行列として用いて、各基地局での複素振幅制御に用いる重みベクトルTを算出したことにより、衛星地球局に対する干渉を抑制しつつ、移動端末に対する通信容量が確保できる。
なお、本実施の形態において、互いに同一周波数帯域を用いる異種の無線通信システムの例として、移動体通信システムと衛星通信システムとを例に挙げて説明したが、他の異種のシステム間でも同様に実施できる。
(実施の形態5)
図11は本発明の実施の形態5の処理を示す図である。実施の形態5は実施の形態4の一つの変形であり、図10と同様の処理は、図10と同一の番号を付してその説明を省略する。
複数基地局振幅決定部515は、ステップST21において、式(25)、式(26)及び式(27)の演算を行うことで、HUBのヌル空間行列Qと、Qのヌル空間行列Qとを求め、さらにそれらからヌル空間Qを求める。
Figure 2009159585
Figure 2009159585
Figure 2009159585
ステップST22では、前式で求めたヌル空間QとステップST−11で取得したHUB、HEBを用いて、次式の下三角ブロック行列を満たす要素L、L、LEBを求める。
Figure 2009159585
ステップST23では、Lに乗じた場合に、通信容量を最大化するウエイトVを求める。ここでは、ZFを例にとり、次式の疑似逆行列に基づきウエイトVを求める。
Figure 2009159585
同様にステップST24では、Lに乗じた場合に、通信容量を最大化するウエイトVを求める。ここでは、ZFを例にとり、次式の疑似逆行列に基づきウエイトVを求める。なお、ウエイトVは最終的にDPC(Dirty paper cording)により消失するのでどのような値でもよい。なお、DPCの詳細は、例えば非特許文献2に記載されている。
Figure 2009159585
ステップST25では、送信重みベクトルGを決定する。ここでは、[HUBEB]に乗算じた場合に、[L 0]となるDPCを用いて、次式の演算を行う。
Figure 2009159585
この結果はHEBにヌルを与えるために、実施の形態4のようにアンテナ数による自由度を割当てる必要が無いことを意味し、全ての自由度を移動端末の通信容量の最大化のために利用することができる。
(実施の形態6)
図12は本発明の実施の形態6の構成を示す図である。図12においては、実施の形態4及び実施の形態5の構成に加えて張り出し基地局900が備えられている。そして、本実施の形態では、基地局510が他の基地局520、530と連携する代わりに、張り出し基地局900と連携した送信を行うようになっている。なお、基地局520、530と連携することに加えて、張り出し基地局900とも連携してもよい。
張り出し基地局900は、複素振幅制御部901と送信アンテナ902とを有する。本実施の形態では、基地局510と張り出し基地局900からの送信信号が、衛星地球局ESにおいて干渉がゼロになるように、複素振幅制御部511、901が制御される。
張り出し基地局900は、光ケーブル等で基地局510に接続されることにより、基地局510からの無線周波数信号が張り出し基地局900に伝送される。
ここで、実施の形態4に示した基地局連携による干渉抑圧時の移動通信システム通信容量の計算値と、本実施の形態による干渉抑圧時の移動通信システム通信容量の計算値とを比較する。
衛星地球局が4つの基地局から等距離の点に有る場合には、それぞれの基地局からの送信電力はほぼ一定となり、位相の制御のみにより干渉抑圧がなされるために通信容量の劣化は少ない。また、各基地局からの送信電力が規定値内であるエリア内に衛星地球局が存在する場合も、基地局の連携により干渉抑圧を行うことができる。
一方、衛星地球局が基地局のどれかの近傍に設置されていてかつ各基地局からの送信電力が規定値内であるエリア外に衛星地球局が存在する場合、実施の形態4に示した構成では、その近傍基地局は干渉を軽減するために送信出力を下げる必要があるので、その分だけ通信容量が低下する。これに対して、本実施の形態の構成を用いれば、張り出し基地局900によって、干渉抑圧がなされるので、通信容量が低下しない。
以上より、本実施の形態においては、移動体通信システムの特定の基地局の近傍かつ各基地局からの送信電力が規定値内であるエリア外に衛星地球局が存在する場合には、張り出し基地局が移動体通信システムの特定の基地局の送信信号の複素振幅を可変することで、特定の基地局と張り出し基地局が連携して干渉抑圧を行う。
一方、移動体通信システムの複数の基地局から等距離、または各基地局からの送信電力が規定値内であるエリア内に衛星地球局が存在する場合には、複数の基地局の複素振幅を可変することで、複数の基地局が連携して干渉抑圧を行う。
これにより、本実施の形態によれば、衛星システム地球局が移動体通信システムの基地局の近傍に設置された場合にも、移動体通信システムの通信容量を低下させることなく、衛星システム地上局への干渉を抑圧することが可能となる。
本発明にかかる異種無線通信システム間における干渉抑圧方法、基地局連携干渉抑圧システム及び移動通信システムは、例えば、同一周波数を共用する移動通信システムと衛星通信システムを共存する場合に有用である。
本発明の実施の形態1に係る基地局連携干渉抑圧システムの構成を示すブロック図 実施の形態1による基地局連携干渉抑圧システムにおける、ヌル点制御動作の1例を示す図 実施の形態2による基地局連携干渉抑圧システムの構成例を示す図 実施の形態3による基地局連携干渉抑圧システムの基地局の構成例を示す図 実施の形態3による基地局連携干渉抑圧システムの構成例を示す図 図6(a)は基地局と張り出し基地局とセンサ局の配置の例を示す図、図6(b)はセンサ局の配置に応じた受信レベルの変化を示す特性図 複数の衛星システム地球局が基地局エリア内に設置されている場合の、張り出し基地局の配置例を示す図 実施の形態4による基地局連携干渉抑圧システムの概要を示す図 実施の形態4による基地局連携干渉抑圧システムの構成例を示す図 複数基地局振幅決定部による重みベクトルTの決定方法例を示すフローチャート 複数基地局振幅決定部による重みベクトルTの決定方法例を示すフローチャート 実施の形態6による基地局連携干渉抑圧システムの構成例を示す図 特許文献1で開示されたSDMA無線基地局の構成を示すブロック図 図13のSDMA無線基地局による指向性制御の様子を示す図 非特許文献1で開示された、複数の基地局による複数の移動端末に対するヌル点制御の様子を示す図
符号の説明
100 基地局連携干渉抑圧システム
110、120、130、140、510、520、530 基地局
111、121、131、141、411、511、521、531、901 複素振幅制御部
112、122、132、142 OFDM信号形成部
113、123、133、143 パイロット信号間欠送信部
114、124、134、144 レベル情報受信部
115、125、135、145 ヌル形成振幅決定部
150、301〜304、700 センサ局
151 複数基地局レベル測定部
152 レベル情報送信部
410、420、900 張り出し基地局
514 チャネル推定情報受信部
515 複数基地局振幅決定部
610、620、630 移動端末
611、621 複数基地局チャネル推定部
701 干渉チャネル推定部
ES 衛星システム地球局

Claims (16)

  1. 互いに同一周波数帯域を用いる異種の無線通信システムである第1及び第2の無線通信システム間における、前記第1の無線通信システムから前記第2の無線通信システムに与える干渉を抑圧する異種無線通信システム間における干渉抑圧方法であって、
    前記第2の無線通信システムの無線局の近傍に設けられたセンサ局によって、前記第1の無線通信システムの複数の基地局からの受信レベルを測定し、
    前記複数の基地局の中の任意の2つの基地局を組み合わせ、組み合わせられた基地局の送信信号の複素振幅を前記測定結果に基づいて制御することで、前記第2の無線通信システムの無線局の位置にヌル点を形成し、
    前記組み合わせとは異なる任意の2つの基地局を組み合わせ、組み合わせられた基地局の送信信号の複素振幅を前記測定結果に基づいて制御することで、前記第2の無線通信システムの無線局の位置にヌル点を形成する、
    異種無線通信システム間における干渉抑圧方法。
  2. 前記第1の無線通信システムの前記複数の基地局は、移動体通信システムの基地局であり、
    前記第2の無線通信システムの前記無線局は、衛星通信システム地球局である、
    請求項1に記載の異種無線通信システム間における干渉抑圧方法。
  3. 互いに連携して、異種の無線通信システムの無線局の位置に、ヌル点を形成する第1の基地局群と、
    互いに連携して、前記異種の無線通信システムの無線局の位置に、前記第1の基地局群とは異なるヌル点を形成する第2の基地局群と、
    を具備する基地局連携干渉抑圧システム。
  4. 前記異種の無線通信システムの無線局の近傍に設けられ、前記第1及び第2の基地局群からの受信レベルを測定するセンサ局を、さらに具備し、
    前記第1及び第2の基地局群は、前記センサ局の測定結果に基づいて、前記ヌル点を形成する、
    請求項3に記載の基地局連携干渉抑圧システム。
  5. 前記第1及び第2の基地局群を構成する基地局は、移動体通信システムの基地局であり、
    前記異種の無線通信システムの前記無線局は、衛星通信システム地球局である、
    請求項3又は請求項4に記載の基地局連携干渉抑圧システム。
  6. さらに、前記基地局に結合された張り出し基地局を具備し、
    前記基地局と前記張り出し基地局とが連携して、ヌル点を形成する、
    請求項3から請求項5のいずれかに記載の基地局連携干渉抑圧システム。
  7. 複数の基地局と、
    前記複数の基地局とは異種の無線通信システムの無線局の近傍に設置されたセンサ局と、
    を有し、
    前記複数の基地局は、それぞれ、
    OFDM信号を形成するOFDM信号形成手段と、
    形成されたOFDM信号の複素振幅を制御する複素振幅制御手段と、
    前記センサ局に間欠的にパイロット信号を送信するパイロット信号間欠送信手段と、
    前記センサ局からのフィードバック情報を基に、異種のシステムの無線局の位置においてヌル点が形成されるような前記複素振幅を決定するヌル形成振幅決定手段と、
    を有し、
    前記センサ局は、
    前記複数の基地局のパイロット信号間欠送信手段から送信されたパイロット信号の受信レベルを測定するレベル測定手段と、
    前記レベル測定結果を前記複数の基地局にフィードバックするレベル情報送信手段と、
    を有し、
    前記複数の基地局のうち第1の組み合わせの複数基地局の前記パイロット信号間欠送信手段から第1の期間に同時にパイロット信号が送信され、前記複数の基地局のうち第2の組み合わせの複数基地局の前記パイロット信号間欠送信手段から第2の期間に同時にパイロット信号が送信される、
    移動体通信システム。
  8. 互いに同一周波数帯域を用いる異種の無線通信システムである第1及び第2の無線通信システム間における、前記第1の無線通信システムから前記第2の無線通信システムに与える干渉を抑圧する異種無線通信システム間における干渉抑圧方法であって、
    前記第1の無線通信システムの基地局は、複数の基地局が連携して、前記第1の無線通信システムの端末に同時に信号を送信するものであり、
    前記第1の無線通信システムの前記端末が、前記連携した複数の基地局からの受信信号に基づいて、前記連携した複数の基地局との間の第1のチャネル推定値を求めるステップと、
    前記第2の無線通信システムの無線局の近傍に設けられたセンサ局が、当該無線局の受信点における第2のチャネル推定値を求めるステップと、
    前記連携した複数の基地局が、前記第1及び第2のチャネル推定値に基づいて前記連携した複数の基地局の送信信号の複素振幅を制御することで、前記第2の無線通信システムの前記無線局の位置にヌル点を形成しかつ前記第1の無線通信システムの前記端末との間の通信容量を増大させるステップと、
    を含む異種無線通信システム間における干渉抑圧方法。
  9. 前記連携する複数の基地局の総数は、前記第1のチャネル推定値をフィードバックする前記第1の無線通信システムの端末数と、前記第2のチャネル推定値をフィードバックする前記センサ局との和以上である、
    請求項8に記載の異種無線通信システム間における干渉抑圧方法。
  10. DPCを用いることで前記連携する複数の基地局の総数は、前記第1のチャネル推定値をフィードバックする前記第1の無線通信システムの端末数と同数である、
    請求項8に記載の異種無線通信システム間における干渉抑圧方法。
  11. 前記連携する複数の基地局のうちの少なくとも一つは、張り出し基地局に結合され、
    前記張り出し基地局は、前記結合された基地局と同一の信号を、複素振幅を制御して送信する、
    請求項8に記載の異種無線通信システム間における干渉抑圧方法。
  12. 前記センサ局は、前記第2の無線通信システムの前記無線局から分配された受信信号に基づいて、前記第2のチャネル推定値を求める、
    請求項8に記載の異種無線通信システム間における干渉抑圧方法。
  13. 前記第1の無線通信システムの前記複数の基地局及び前記端末は、移動体通信システムの基地局及び端末であり、
    前記第2の無線通信システムの前記無線局は、衛星通信システム地球局である、
    請求項8に記載の異種無線通信システム間における干渉抑圧方法。
  14. 互いに同一時間に同一の周波数を用いて信号を送信する基地局群を有し、
    前記基地局群は、互いに連携して送信信号の複素振幅を制御することで、前記基地局群とは異種の無線通信システムの前記無線局の位置にヌル点を形成しかつ前記基地局群と同一の無線通信システムの前記端末との間の通信容量を増大させる、
    基地局連携干渉抑圧システム。
  15. 前記基地局群とは異種の無線通信システムの前記無線局の位置にヌル点を形成しかつ前記基地局群と同一の無線通信システムの前記端末との間の通信容量を増大させるために、
    前記基地局群の中の少なくとも1つの基地局は、
    前記基地局群と同一の無線通信システムの端末からフィードバックされた前記基地局群との間の第1のチャネル推定値と、前記基地局群とは異種の無線通信システムの無線局の近傍に設けられたセンサ局からフィードバックされた第2のチャネル推定値とに基づいて、前記基地局群を構成する各基地局の複素振幅を決定する、
    請求項14に記載の基地局連携干渉抑圧システム。
  16. 複数の基地局と、
    前記基地局からの信号を受信する移動端末と、
    前記複数の基地局とは異種の無線通信システムの無線局の近傍に設置されたセンサ局と、
    を有し、
    前記複数の基地局は、それぞれ、
    OFDM信号を形成するOFDM信号形成手段と、
    形成されたOFDM信号の複素振幅を制御する複素振幅制御手段と、
    前記センサ局に間欠的にパイロット信号を送信するパイロット信号間欠送信手段と、
    を有し、
    前記移動端末は、
    前記複数の基地局のパイロット信号間欠送信手段から送信されたパイロット信号に基づいて、前記複数の基地局との間の第1のチャネル推定値を求める複数基地局チャネル推定手段と、
    前記第1のチャネル推定値を前記複数の基地局のうちの少なくとも1つにフィードバックする送信手段と、
    を有し、
    前記センサ局は、
    前記複数の基地局のパイロット信号間欠送信手段から送信されたパイロット信号に基づいて、前記複数の基地局との間の第2のチャネル推定値を求める複数基地局チャネル推定手段と、
    前記第2のチャネル推定値を前記複数の基地局のうちの少なくとも1つにフィードバックする送信手段と、
    を有し、
    前記複数の基地局のうちの少なくとも1つは、
    前記移動端末及び前記センサ局からフィードバックされた前記第1及び第2のチャネル推定値を受信するチャネル推定情報受信手段と、
    前記第1及び第2のチャネル推定値に基づいて、前記異種の無線通信システムの前記無線局では与干渉が最小となりかつ前記移動端末との間の通信容量が最大となる、前記各基地局の複素振幅を決定する複数基地局振幅決定手段と、
    を有し、
    前記複数基地局の前記複素振幅制御手段は、
    前記複数基地局振幅決定手段によって決定された前記複素振幅に基づいて、前記OFDM信号の複素振幅を制御する、
    移動体通信システム。
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