JP2009159244A - 磁性体アンテナ - Google Patents
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Abstract
【課題】更なる小型化を図るとともに、簡便な構造で容易に製作することができる磁性体アンテナを提供する。
【解決手段】接地導体20が広く形成された基板10の一端にはフェライト基板30が設けられており、導体によるアンテナパターン32がスクリーン印刷により形成されている。このアンテナパターン32と上述した接地導体20の間には、導体40,42が接地線,給電線として形成されている。フェライト基板30として六方晶フェライトを使用することで、磁性体の透磁率μによる波長短縮効果のみならず、誘電率εによる波長短縮効果も期待でき、アンテナの小型化を図ることができる。
【選択図】図1
【解決手段】接地導体20が広く形成された基板10の一端にはフェライト基板30が設けられており、導体によるアンテナパターン32がスクリーン印刷により形成されている。このアンテナパターン32と上述した接地導体20の間には、導体40,42が接地線,給電線として形成されている。フェライト基板30として六方晶フェライトを使用することで、磁性体の透磁率μによる波長短縮効果のみならず、誘電率εによる波長短縮効果も期待でき、アンテナの小型化を図ることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、特に携帯電話などに好適な磁性体アンテナに関し、更に具体的には、その小型化,量産化のための改良に関する。
近年、携帯電話などの携帯通信機器に搭載するアンテナは内蔵化が一般的であり、できる限り性能を劣化させることなくアンテナを小型化することが要求されている。例えば、下記特許文献1には、薄型筐体の携帯電話において内蔵アンテナの有効体積を確保するために、金属製の前面筐体と板金とによって逆F型アンテナを構成することでアンテナの実効体積を増大させるようにした携帯電話機の内蔵アンテナが開示されている。また、下記特許文献2には、アンテナ素子を折り曲げるようにすることで、折りたたみ式携帯電話の小型化を図るようにした折り返し線状逆F型アンテナが開示されている。
ところで、アンテナの小型化を図るための代表的な手法として、波長短縮,すなわち誘電体中を電波が伝搬する際に波長が短くなる性質を利用するものがある。誘電体による波長短縮効果は、一般的には、λg=λ/(ε1/2)で表される。ここで、λgは短縮後の波長,λは短縮前の波長,εは誘電率である。一般的には、セラミックス材料などの高誘電率の誘電体材料を使用してアンテナの小型化を実現している。例えば、誘電率ε=4程度のガラスエポキシ基板などを使った場合に比べて、誘電率ε=10程度のセラミックスなどを使った場合のほうが波長短縮効果が大きくなり、アンテナの小型化が可能になる。
特開平11−355022号公報
特開2006−197528公報
しかしながら、上述した誘電率を大きくする波長短縮効果によるアンテナの小型化には限界があり、更には材料による設計自由度の制限もある。加えて、上述した特許文献1ないし2のいずれも立体的な構造となっており、構造が複雑で製作に手数を要するといった不都合もある。
本発明は、以上の点に着目したもので、アンテナの更なる小型化を図るとともに、簡便な構造で容易に製作することができる磁性体アンテナを提供することを、その目的とするものである。
前記目的を達成するため、本発明は、アンテナ導体及び接地導体を備えており、信号電力が前記アンテナ導体に供給されるアンテナであって、前記アンテナ導体を、誘電体と磁性体の性質を兼ね備えた材料によってスクリーン印刷により形成した基板上に形成したことを特徴とする。主要な形態の一つは、前記誘電体と磁性体の性質を兼ね備えた材料として、六方晶フェライトを使用したことを特徴とする。本発明の前記及び他の目的,特徴,利点は、以下の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
本発明によれば、誘電体と磁性体の性質を兼ね備えた材料を使用することで、誘電率と透磁率の両方による波長短縮効果を得ることができ、磁性体アンテナの小型化を図ることができる。また、構造も簡略されるためにスクリーン印刷の方法を適用することができ、生産性も向上する。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて詳細に説明する。
図1には、本発明の実施例の全体構成が示されている。同図において、適宜の絶縁性の基板10の主面上には、接地(アースないしGND)導体20が広く形成されている。また、基板10の一端には、フェライト基板30が設けられており、導体によるアンテナパターン32が形成されている。このアンテナパターン32と上述した接地導体20の間には、導体40,42が形成されている。
以上の各部のうち、基板10は、例えばガラスエポキシ基板によって形成されている。携帯電話におけるケースなどを利用してもよい。フェライト基板30としては、六方晶フェライトが好適である。六方晶フェライトは、AFe12O19(ただし、AはBa,Sr,Pbなど)の組成をもち、磁性体としての性質のみならず、誘電体としての性質も備えている。このため、磁性体の透磁率μによる波長短縮効果のみならず、誘電率εによる波長短縮効果も期待できる。更に、上述した導体40,42のうち、導体40は接地線で、接地導体20に接続している。導体42は給電線で、信号電力源60に接続している。
上述したフェライト基板30上のアンテナパターン32は、スクリーン印刷の手法によって渦巻き状に形成されている。図2には、その形成手順の一例が示されており、同図(A)のフェライト基板30上に、予め導体パターン50が形成されたスクリーン52を利用してAgやPdなどの導体ペーストパターン54を印刷形成する(同図(B)参照)。そして、適宜の温度で乾燥することで(同図(C)参照)、フェライト基板30上にアンテナパターン32が形成される(同図(D)参照)。
本実施例は、いわゆる逆F型のアンテナ形状となっており、基本的なアンテナとしての動作も、一般的な逆Fアンテナとしての動作と同様である。上述したように、本実施例では、誘電率ε及び透磁率μを利用して波長短縮を行なっている。その様子を、VSWR(Voltage Standing Wave Ratio,電圧定在波比)特性によって説明する。図3〜図4には、透磁率及び誘電率を変化させたときの有限要素法によるVSWR特性の計算例が示されている。
図3(A)は誘電率「1」,透磁率「1」の場合である。透磁率「1」であって誘電率を「4」としたときを図3(B)に示し、更に誘電率を「10」としたときを図4(A)に示している。これらのグラフに示すように、VSWR最小値は、誘電率と透磁率の値によって変化しているが、構造を変更することで最適化が可能である。一方、VSWRが最小となる共振周波数[GHz]は、誘電率が大きくなるほど低くなり、1.49(誘電率1)→1.34(誘電率4)→1.20(誘電率10)と変化する。
更に、誘電率「10」に加えて、透磁率を「1」から「2.5」と増加すると、図4(B)に示すように、VSWRの最小値はほとんど変化しないものの、共振周波数[GHz]が1.20から1.09まで低くなる。図5には、図4(B)に対応する実測値が示されており、計算値とよく対応していることが分かる。
このように、本実施例によれば、誘電体と磁性体の性質を兼ね備えた六方晶フェライトを使用することで、誘電率と透磁率の両方の特性を利用した波長短縮効果を得ることができ、アンテナの小型化を図ることができる。また、スクリーン印刷の手法でアンテナを製作することができ、構造も簡便で量産性に優れている。
なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることができる。例えば、以下のものも含まれる。
(1)前記実施例は、本発明を逆F型アンテナに適用した例であるが、他の型のアンテナ,例えば、モノポールアンテナ,ダイポールアンテナ,ヘリカルアンテナ,ミアンダラインアンテナ,パッチアンテナ,コニカルアンテナなどにも応用が可能である。
(2)また、適用対象となる機器としては携帯電話やPHSが好適な例であるが、各種の無線通信機器の内蔵アンテナに適用してよい。
(1)前記実施例は、本発明を逆F型アンテナに適用した例であるが、他の型のアンテナ,例えば、モノポールアンテナ,ダイポールアンテナ,ヘリカルアンテナ,ミアンダラインアンテナ,パッチアンテナ,コニカルアンテナなどにも応用が可能である。
(2)また、適用対象となる機器としては携帯電話やPHSが好適な例であるが、各種の無線通信機器の内蔵アンテナに適用してよい。
本発明によれば、磁性体アンテナの小型化を図ることができ、生産性も向上するので、例えば携帯電話などの内蔵アンテナとして好適である。
10:基板
20:接地導体
30:フェライト基板
32:アンテナパターン
40,42:導体
50:導体パターン
52:スクリーン
54:導体ペーストパターン
60:信号電力源
20:接地導体
30:フェライト基板
32:アンテナパターン
40,42:導体
50:導体パターン
52:スクリーン
54:導体ペーストパターン
60:信号電力源
Claims (2)
- アンテナ導体及び接地導体を備えており、信号電力が前記アンテナ導体に供給されるアンテナであって、
前記アンテナ導体を、誘電体と磁性体の性質を兼ね備えた材料によって形成した基板上にスクリーン印刷により形成したことを特徴とする磁性体アンテナ。 - 前記誘電体と磁性体の性質を兼ね備えた材料として、六方晶フェライトを使用したことを特徴とする請求項1記載の磁性体アンテナ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007334383A JP2009159244A (ja) | 2007-12-26 | 2007-12-26 | 磁性体アンテナ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007334383A JP2009159244A (ja) | 2007-12-26 | 2007-12-26 | 磁性体アンテナ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009159244A true JP2009159244A (ja) | 2009-07-16 |
Family
ID=40962784
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007334383A Withdrawn JP2009159244A (ja) | 2007-12-26 | 2007-12-26 | 磁性体アンテナ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009159244A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102544761A (zh) * | 2010-12-22 | 2012-07-04 | 和硕联合科技股份有限公司 | 电子装置 |
CN102953482A (zh) * | 2011-08-31 | 2013-03-06 | 深圳光启高等理工研究院 | 一种玻璃幕墙 |
-
2007
- 2007-12-26 JP JP2007334383A patent/JP2009159244A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN102544761A (zh) * | 2010-12-22 | 2012-07-04 | 和硕联合科技股份有限公司 | 电子装置 |
CN102953482A (zh) * | 2011-08-31 | 2013-03-06 | 深圳光启高等理工研究院 | 一种玻璃幕墙 |
CN102953482B (zh) * | 2011-08-31 | 2015-02-04 | 深圳光启高等理工研究院 | 一种玻璃幕墙 |
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