JP2009158996A - A/d変換回路及び電子機器 - Google Patents

A/d変換回路及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】様々な周波数帯域の入力信号に対応できるA/D変換回路、電子機器の提供。
【解決手段】A/D変換回路は、入力信号VINのフィルタ処理を行う連続時間型フィルタ30と、連続時間型フィルタ30の後段側に設けられ、入力信号VINの周波数帯域に応じてカットオフ周波数が可変に設定され、連続時間型フィルタ30を前置フィルタとしてフィルタ処理を行うSCF40と、SCF40の後段側に設けられ、連続時間型フィルタ30及びSCF40を前置フィルタとしてA/D変換を行うA/D変換器50と、A/D変換器50の後段側に設けられ、入力信号VINの周波数帯域に応じてカットオフ周波数が可変に設定され、連続時間型フィルタ30及びSCF40を前置フィルタとしてデジタルフィルタ処理を行うデジタルフィルタ100を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、A/D変換回路及び電子機器等に関する。
いわゆるユビキタスネット社会の実現のためには、複数のセンサをネットワークを介して接続し、各センサからの情報を取得して、状況を総合的に判断するセンサネットワークが必要になる。このようなセンサネットワークでは、温度センサ、煙センサ、光センサ、人感センサ、圧力センサ、生体センサ、ジャイロセンサなどの様々なセンサが使用される。そしてセンサの検出信号の周波数帯域は、使用されるセンサに応じて様々に異なる。
ところで、センサの検出信号(センサ信号)はアナログ信号であるため、CPU等により情報の解析・判断処理を行うためには、このアナログ信号をデジタルデータに変換する必要がある。このような目的のために、センサからのアナログの検出信号をデジタルデータに変換するA/D変換回路(アナログフロントエンド回路)が用いられる。このA/D変換回路の従来技術としては例えば特許文献1、2などがある。
特開2007−117586 特開2007−285745
しかしながら、これまでのA/D変換回路は、特定のセンサに専用のICとして開発されるものが殆どであった。従って、新たなセンサを開発した場合に、そのセンサ用のA/D変換回路のICを新たに試作・開発しなければならず、多大な費用がかかるという問題があった。この場合に、汎用品のA/D変換回路のICを用いる手法も考えられるが、センサの検出信号の周波数帯域は様々であるため、汎用品で対応することは実質的に困難であった。従って、様々なセンサ用のICを手軽に試作できる環境をユーザに提供できないという課題があった。
本発明の幾つかの態様によれば、様々な周波数帯域の入力信号に対応できるA/D変換回路及びこれを含む電子機器を提供できる。
本発明は、入力信号のフィルタ処理を行う連続時間型フィルタと、前記連続時間型フィルタの後段側に設けられ、前記入力信号の周波数帯域に応じてカットオフ周波数が可変に設定され、前記連続時間型フィルタを前置フィルタとしてフィルタ処理を行うスイッチトキャパシタフィルタと、前記スイッチトキャパシタフィルタの後段側に設けられ、前記連続時間型フィルタ及び前記スイッチトキャパシタフィルタを前置フィルタとしてA/D変換を行うA/D変換器と、前記A/D変換器の後段側に設けられ、前記入力信号の前記周波数帯域に応じてカットオフ周波数が可変に設定され、前記連続時間型フィルタ及び前記スイッチトキャパシタフィルタを前置フィルタとしてデジタルフィルタ処理を行うデジタルフィルタとを含むA/D変換回路に関係する。
本発明によれば、連続時間型フィルタの後段側にスイッチトキャパシタフィルタが設けられ、スイッチトキャパシタフィルタの後段側にA/D変換器が設けられ、A/D変換器の後段側にデジタルフィルタが設けられる。そしてスイッチトキャパシタフィルタは、連続時間型フィルタを前置フィルタとしてフィルタ処理を行い、デジタルフィルタは、連続時間型フィルタ及びスイッチトキャパシタフィルタを前置フィルタとしてフィルタ処理を行う。そしてスイッチトキャパシタフィルタ及びデジタルフィルタは、入力信号の周波数帯域に応じてそのカットオフ周波数が可変に設定される。従って、様々な周波数帯域の入力信号に対応できるA/D変換回路を提供できる。
また本発明では、前記スイッチトキャパシタフィルタのカットオフ周波数と前記デジタルフィルタのカットオフ周波数を可変に設定する処理を行う制御回路を含んでもよい。
このようにすれば、制御回路の制御により、スイッチトキャパシタフィルタとデジタルフィルタのカットオフ周波数を任意に設定することが可能になる。
また本発明では、前記連続時間型フィルタのカットオフ周波数をfc0とし、前記スイッチトキャパシタフィルタのカットオフ周波数をfc1とし、前記デジタルフィルタのカットオフ周波数をfc2とした場合に、fc0>fc1>fc2に設定されてもよい。
このようにすれば、様々な周波数帯域の入力信号に対応した可変フィルタ機能を小規模な構成で実現できる。
また本発明では、前記スイッチトキャパシタフィルタのサンプリング周波数をfck1とし、前記スイッチトキャパシタフィルタのカットオフ周波数をfc1とし、前記A/D変換器の分解能をnビットとし、周波数fck1−fc1における前記連続時間型フィルタの減衰率をAT1デシベルとした場合に、AT1≦20×log(1/2)であってもよい。
このようにすれば、スイッチトキャパシタフィルタによる折り返し雑音になる高調波信号を、例えばA/D変換器の1LSB分の電圧以下に減衰できる。
また本発明では、前記デジタルフィルタのサンプリング周波数をfck2とし、前記デジタルフィルタのカットオフ周波数をfc2とし、周波数fck2−fc2における前記連続時間型フィルタ及び前記スイッチトキャパシタフィルタの合成減衰率をAT2デシベルとした場合に、AT2≦20×log(1/2)であってもよい。
このようにすれば、デジタルフィルタによる折り返し雑音になる高調波信号を、例えばA/D変換器の1LSB分の電圧以下に減衰できる。
また本発明では、前記連続時間型フィルタのカットオフ周波数fc0が固定され、前記スイッチトキャパシタフィルタのカットオフ周波数fc1及び前記デジタルフィルタのカットオフ周波数fc2が可変に設定されてもよい。
このようにカットオフ周波数fc0を固定すれば、例えば外付けの素子を不要にすることなどが可能になり、利便性を向上できる。
また本発明では、前記スイッチトキャパシタフィルタのサンプリング周波数fck1が固定され、前記スイッチトキャパシタフィルタのカットオフ周波数fc1が可変に設定されてもよい。
このようにサンプリング周波数fck1を固定にすれば、折り返し帯域の周波数が変動しないようになるため、フィルタの周波数特性の設計を容易化できる。
また本発明では、前記スイッチトキャパシタフィルタが有する複数のキャパシタ間の容量比により、前記スイッチトキャパシタフィルタのカットオフ周波数fc1が可変に設定されてもよい。
このようにすれば、回路の大規模化を抑えながら、カットオフ周波数fc1の可変設定が可能になる。
また本発明では、前記デジタルフィルタのサンプリング周波数fck2及びカットオフ周波数fc2が共に可変に設定されてもよい。
このようにすれば、入力信号の周波数帯域に応じたフィルタ特性の実現が可能になる。
また本発明では、前記デジタルフィルタのサンプリング周波数fck2は、前記スイッチトキャパシタフィルタのカットオフ周波数fc1が低くなるにつれて低くなるように設定されてもよい。
このようにすれば、例えば入力信号の周波数帯域に応じてスイッチトキャパシタフィルタのカットオフ周波数fc1を低くすることで、デジタルフィルタのサンプリング周波数fck2を低くすることができ、無駄な電力の消費等を防止できる。
また本発明では、前記デジタルフィルタのカットオフ周波数fc2は、前記入力信号の前記周波数帯域が低くなるにつれて低くなるように設定されてもよい。
このようにすれば、入力信号の周波数帯域が低い場合にも、デジタルフィルタのカットオフ周波数fc2を低くすることで、低い周波数帯域の入力信号にも対応できるようになる。
また本発明では、前記A/D変換器のサンプリング周波数をfck1’とした場合に、前記デジタルフィルタのサンプリング周波数fck2は、fck1’≧fck2を満たす範囲で可変に設定されてもよい。
このようにすればA/D変換器の間欠動作等が可能になる。
また本発明では、前記A/D変換器は、fck1’>fck2である場合には、(fck1’/fck2)回に1回ずつ間欠的にA/D変換を行って、間欠的なA/D変換により得られたデジタルデータを前記デジタルフィルタに出力してもよい。
このようにA/D変換器を間欠動作させれば、A/D変換動作を行った後の期間においいて、A/D変換器を休ませたり、他のチャンネルの信号のA/D変換を行わせたりすることなどが可能になる。
また本発明では、カスケード接続された複数の増幅器を有し、前記スイッチトキャパシタフィルタの前段側に設けられ、前記入力信号が入力される増幅回路を含み、前記増幅回路の前記複数の増幅器により前記連続時間型フィルタが構成されてもよい。
このようにすれば、入力信号を増幅する増幅回路を有効活用して、前置フィルタである連続時間型フィルタを実現できる。
また本発明は、上記のいずれかに記載のA/D変換回路を含む電子機器に関係する。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
1.A/D変換回路の構成
図1に本実施形態のA/D変換回路(A/D変換装置、アナログフロントエンド回路)の構成例を示す。このA/D変換回路は、連続時間型フィルタ30、SCF(スイッチトキャパシタフィルタ)40、A/D変換器50、デジタルフィルタ100を含む。また制御回路70を含むことができる。なおA/D変換回路は図1の構成に限定されず、その一部の構成要素(例えば制御回路)を省略したり、他の構成要素(例えばデジタル処理部、セレクタ)を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
連続時間型フィルタ30は入力信号VIのフィルタ処理を行う。具体的には入力信号VIに対してN次(Nは自然数)のローパスフィルタ(LPF)処理を行う。この場合のカットオフ周波数はfc0に設定されている。
この連続時間型フィルタ30は、離散時間型フィルタであるSCF40及びデジタルフィルタ100とは異なり、折り返し雑音が生じないフィルタである。連続時間型フィルタ30は、抵抗、キャパシタ、インダクタ等のパッシブ素子により構成されるパッシブフィルタであってもよいし、1又は複数の増幅器により構成されるアクティブフィルタであってもよい。なおアクティブフィルタの増幅器は例えばパッシブ素子(抵抗、キャパシタ等)とオペアンプにより構成できる。
SCF40(スイッチトキャパシタフィルタ)は、連続時間型フィルタ30の後段側に設けられる。具体的には連続時間型フィルタ30の出力信号RCQを受け、LPF処理などのフィルタ処理を行って、フィルタ処理後の信号SCQをA/D変換器50に出力する。このSCF40は、スイッチ素子とオペアンプとキャパシタを含み、サンプリング周波数fck1でサンプルホールド動作を行う。
SCF40は、連続時間型フィルタ30を前置フィルタ(アンチエイリアシング・フィルタ)としてフィルタ処理を行う。即ち、高調波信号が入力信号VIの周波数帯域に折り返すことによる折り返し雑音が、A/D変換器50の1LSB分の電圧(量子化誤差の電圧)を超えないようにするためのフィルタ処理を行う。
またSCF40(広義には第1の離散時間型フィルタ)は、例えば入力信号VIの周波数帯域(通過帯域)に応じてそのカットオフ周波数fc1が可変に設定される。例えば入力信号VIの周波数帯域(通過帯域のカットオフ周波数)が低くなるにつれて、そのカットオフ周波数fc1が低くなるように設定される。
A/D変換器50はSCF40の後段側に設けられる。具体的にはSCF40からの出力信号SCQを受けて、A/D変換を行い、A/D変換により得られたデジタルデータADQをデジタルフィルタ100に出力する。このA/D変換器50は、連続時間型フィルタ30及びSCF40を前置フィルタとしてA/D変換を行う。
A/D変換器50には、入力電圧範囲を規定(設定)する高電位側の基準電圧と低電位側の基準電圧が供給される。そしてこれらの基準電圧で規定される入力電圧範囲においてnビット(例えばn=10)の分解能でA/D変換を行って、A/D変換後のデジタルデータADQ(デジタル出力値)を出力する。例えばA/D変換器50は、A/D変換用のサンプリングクロックで信号SCQをサンプルホールドし、サンプルホールド後の信号をA/D変換する。
A/D変換器50としては例えば逐次比較型のA/D変換器を採用できる。この場合にはA/D変換器50は、図示しないサンプルホールド回路やコンパレータや逐次比較レジスタやD/A変換器を含むことができる。そしてコンパレータはD/A変換器からのD/A変換後のアナログ信号と、サンプルホールド回路からのサンプルホールド信号を比較する。逐次比較レジスタは、コンパレータの出力信号のデータを格納する。D/A変換器は、逐次比較レジスタからのデジタルデータをD/A変換して、アナログ信号を出力する。なおA/D変換器50は逐次比較型に限定されず、例えば並列比較型、追従比較型などの様々なタイプのA/D変換器を採用できる。
デジタルフィルタ100はA/D変換器50の後段側に設けられる。具体的にはA/D変換器50からのデジタルデータADQを受け、LPF処理などのデジタルフィルタ処理を行い、デジタルフィルタ処理後のデジタルデータDGQを出力する。
デジタルフィルタ100は、連続時間型フィルタ30及びSCF40を前置フィルタとしてフィルタ処理を行う。このデジタルフィルタ100としては、IIR(Infinite Impulse Response)フィルタを用いてもよいし、FIR(Finite Impulse Response)フィルタを用いてもよい。
またデジタルフィルタ100(広義には第2の離散時間型フィルタ)は、例えば入力信号VIの周波数帯域(通過帯域)に応じてそのカットオフ周波数fc2が可変に設定される。例えば入力信号VIの周波数帯域が低くなるにつれて、そのカットオフ周波数fc2が低くなるように設定される。またデジタルフィルタ100では、サンプリング周波数fck2も可変に設定される。
制御回路70はA/D変換回路内の各回路の制御処理等を行う。具体的にはSCF40のカットオフ周波数fc1とデジタルフィルタ100のカットオフ周波数fc2を可変に設定する処理(制御)を行う。またデジタルフィルタ100のサンプリング周波数fck2を可変に設定する処理を行ってもよい。
更に具体的には制御回路70は、カットオフ周波数(fc1、fc2等)やサンプリング周波数(fck2等)を設定するための内部レジスタを有する。そして外部機器(例えば電子機器を制御するソフトウェア、ファームウェア)から図示しないインタフェースを介して内部レジスタにカットオフ周波数やサンプリング周波数が設定される。すると制御回路70は、内部レジスタへの設定内容に基づいて、SCF40やデジタルフィルタ100に対して、カットオフ周波数、サンプリング周波数の設定の指示を行う。これによりSCF40やデジタルフィルタ100は、これらのカットオフ周波数、サンプリング周波数に従ったフィルタ処理を行う。
以上に説明した本実施形態のA/D変換回路によれば、フィルタ帯域を可変に設定できる。即ち入力信号VIの周波数帯域(通過帯域)に応じてフィルタのカットオフ周波数が可変に設定される。
例えば従来のA/D変換回路では、入力信号の周波数帯域は、仕様等に応じてある程度決まっていた。このため、その仕様に沿った周波数帯域の入力信号のA/D変換を行えば十分であった。
ところが、センサ(センサデバイス)等の検出信号のA/D変換を行う場合には、検出信号の周波数帯域は、センサの種類に応じて様々に異なる。従って、入力信号の周波数帯域が仕様等により決まってる従来のA/D変換回路では、このような様々な周波数帯域のセンサの検出信号をA/D変換することは難しかった。このため、新規のセンサの開発・試作を行う場合には、センサ毎に異なるA/D変換回路を開発する必要があり、開発コストの増加や開発期間の長期化などの問題を招く。
そこで本実施形態のA/D変換回路では、入力信号VIの周波数帯域に応じてフィルタのカットオフ周波数が可変に設定される構成になっている。具体的にはSCF40のカットオフ周波数fc1やデジタルフィルタ100のカットオフ周波数fc2を、入力信号VIの周波数帯域に応じて可変に設定する。このようにすることで、例えば1Hzから16KHzの範囲でカットオフ周波数を可変に設定することが可能になり、様々な周波数帯域の入力信号VIに対応できるようになり、これまでにないタイプのA/D変換回路を提供できる。
即ち従来では、例えば1Hzの周波数の検出信号を出力する第1の種類のセンサと、16KHzの周波数の検出信号を出力する第2の種類のセンサの両方に対して、1つのA/D変換回路で対応することは難しかった。このため、第1の種類のセンサ用のA/D変換回路(IC)と、第2の種類のセンサ用のA/D変換回路(IC)を別々に開発しなければならなかった。
この点、本実施形態では、A/D変換回路が可変フィルタ機能を有しているため、1つのA/D変換回路で第1、第2の種類のセンサの両方に対応できる。従って、開発コストの増加や開発期間の長期化を防止できる。また、ユーザは、検出信号の周波数帯域をそれほど気にすることなく、センサをA/D変換回路に接続して試すことができ、ユーザにとって使い勝手の良いA/D変換回路を提供できる。
また本実施形態では、連続時間型フィルタ30はSCF40の前置フィルタとして機能し、連続時間型フィルタ30及びSCF40がデジタルフィルタ100(及びA/D変換器50)の前置フィルタとして機能する。このようにすることで、例えば1Hz〜16KHzというような広い範囲での帯域可変が可能になる。
例えば本実施形態の比較例として、SCF40を設けずに、デジタルフィルタ100の前置フィルタとして連続時間型フィルタ30のみを設ける手法も考えられる。しかしながら、この比較例の手法では、例えば連続時間型フィルタ30としてRCフィルタを用いた場合に、抵抗値と容量値の積であるRC積の逆数でカットオフ周波数が決まる。従って、様々な周波数帯域に対応するためには、抵抗値を大きくしたり、容量値を大きくする必要がある。このため、抵抗やキャパシタのICチップ内への内蔵が難しくなり、抵抗やキャパシタを外付けにせざるを得なくなるという問題がある。
この点、本実施形態では、連続時間型フィルタ30とA/D変換器50の間にSCF40が設けられる。そしてSCF40のカットオフ周波数fc1及びデジタルフィルタ100のカットオフ周波数fc2の両方が可変に設定される。従って、様々な周波数帯域の入力信号VIに対応して、システム全体のフィルタ特性を可変に設定できる。また、SCF40のカットオフ周波数fc1は、後述するように複数のキャパシタ間の容量比により可変設定され、サイズ依存性が無い。従って、RCフィルタである連続時間型フィルタ30のみによりカットオフ周波数を設定する手法に比べて、抵抗やキャパシタのICチップ内への内蔵が容易になるという利点がある。
2.周波数特性
次に本実施形態のA/D変換回路により実現される可変フィルタの周波数特性の詳細について説明する。なお、以下、説明の簡素化のために、図1の連続時間型フィルタ30をRCフィルタ30を呼ぶこととする。
図2のD1、D2、D3は、各々、RCフィルタ30、SCF40、デジタルフィルタ100の減衰率の周波数特性の例である。D1のRCフィルタ30のカットオフ周波数をfc0とし、D2のSCF40のカットオフ周波数をfc1とし、D3のデジタルフィルタ100のカットオフ周波数をfc2とすると、例えばfc0>fc1>fc2の関係が成り立つ。このようなカットオフ周波数の関係にすることで、様々な周波数帯域の入力信号に対応したA/D変換回路の可変フィルタ機能を小規模な回路構成で実現できる。
例えば図2では周波数軸がLOG軸になっている。これに対して図3は周波数軸をリニア軸で表している。
SCF40は離散時間型フィルタであるため、図3のD4に示すように、アンチエイリアシングによりSCF40のサンプリング周波数fck1付近において高調波信号が通過してしまい、折り返し雑音の原因となる。
この点、本実施形態では、RCフィルタ30がSCF40の前置フィルタとして機能する。従って図3のD5に示すように、RCフィルタ30の減衰特性により、折り返し雑音になる高調波信号を例えばA/D変換器50の1LSB分の電圧以下(量子化誤差以下)に減衰できる。
またデジタルフィルタ100も離散時間型フィルタであるため、図3のD6に示すようにデジタルフィルタ100のサンプリング周波数fck2付近(折り返し帯域)において、アンチエイリアシングにより高調波信号が通過してしまい、折り返し雑音の原因となる。
この点、本実施形態では、RCフィルタ30及びSCF40がデジタルフィルタ100の前置フィルタとして機能する。従って図3のD7、D8に示すように、RCフィルタ30及びSCF40の合成の減衰特性により、折り返し雑音になる高調波信号を例えばA/D変換器50の1LSB分の電圧以下に減衰できる。
例えば図4に、A/D変換回路のシステム全体でのフィルタの減衰率の周波数特性を示す。A/D変換器50の分解能のビット数をnとすると、高調波信号を1LSB分の電圧以下にするために必要な減衰率ATは、AT=20×log(1/2)と表せる。従って、n=10ビットとすると、減衰率ATは約−60dBになる。
そして図4のE1でのフィルタの減衰率は、−60dB以下になっており、高調波信号をA/D変換器50の1LSB分の電圧以下に減衰している。なお図4では周波数軸がLOG軸になっているが、図5は周波数軸をリニア軸で表した図になっている。
以上のように本実施形態によれば、離散時間型フィルタによる折り返し雑音についてはその前置フィルタにより除去できる。従って、入力信号の周波数に応じて、デジタルフィルタ100のカットオフ周波数fc2を可変に変化させることで、様々な周波数帯域の入力信号に対応できる可変フィルタを小さな回路規模で実現できる。
例えば図3のD5に示すようにRCフィルタ30はSCF40の折り返し雑音を除去できるフィルタであれば十分である。従って、図2のD1に示すようにRCフィルタ30のカットオフ周波数fc0を高い周波数に設定できる。即ち、fc0>fc1>fc2というように、RCフィルタ30のカットオフ周波数fc0を、SCF40、デジタルフィルタ100のカットオフ周波数fc1、fc2に比べて十分に高い周波数に設定できる。そしてカットオフ周波数fc0は、RC積の逆数に比例する。従って、fc0が高い周波数に設定されるということは、RCフィルタ30の抵抗値や容量値を小さくできることを意味する。従って本実施形態によれば、抵抗値や容量値を小さくすることができ、抵抗やキャパシタのレイアウト面積を小さくできるため、回路の小規模化を図れる。また抵抗やキャパシタを外付け部品にしなくても済むようになり、ユーザの利便性を向上できる。
一方、本実施形態ではRCフィルタ30とデジタルフィルタ100の間にSCF40を設けることで、図3のD8に示すように、このSCF40によりデジタルフィルタ100の折り返し雑音を除去できる。またD7に示すようにRCフィルタ30も、デジタルフィルタ100の折り返し雑音の除去に寄与する。これにより、デジタルフィルタ100のサンプリング周波数fck2を低い周波数に設定することが可能になる。つまり、サンプリング周波数fck2が低くなると、D6の示すfck2付近の折り返し帯域が低周波数側にシフトすることになるが、この場合にも、D8に示すSCF40の減衰特性により、折り返し雑音を十分に減衰して除去できるからである。
そして、このようにデジタルフィルタ100のサンプリング周波数fck2を低くできると、図2のD3に示すように、デジタルフィルタ100のカットオフ周波数fc2も低い周波数に設定できる。即ち、fc0>fc1>fc2というように、デジタルフィルタ100のカットオフ周波数fc2を、RCフィルタ30、SCF40のカットオフ周波数fc0、fc1に比べて十分に低い周波数に設定できる。
このように、デジタルフィルタ100のカットオフ周波数fc2を低く設定することができれば、入力信号の周波数帯域に応じて、カットオフ周波数fc2を設定することが可能になる。
例えば入力信号の周波数帯域が0〜1Hzというように低い場合には、デジタルフィルタ100のカットオフ周波数fc2を例えば1Hzに設定することで、この低い周波数帯域の入力信号に対応できるようになる。
また入力信号の周波数帯域が0〜256Hzである場合には、デジタルフィルタ100のカットオフ周波数fc2を例えば256Hzに設定することで、この入力信号に対応できる。
なお、入力信号の周波数帯域が例えば0〜16KHzというように高い場合には、デジタルフィルタ100及びSCF40のフィルタ処理を無効にして、カットオフ周波数がfc0=16KHzであるRCフィルタ30のみにより、この高い周波数帯域の入力信号のフィルタ処理を行えばよい。
3.減衰率
次に、フィルタの減衰率の設定手法の詳細について図6を用いて説明する。図6のF1において、fck1、fc1は、各々、SCF40のサンプリング周波数、カットオフ周波数であり、nは、A/D変換器50の分解能を表すビット数である。AT1(デシベル)は、周波数fck1−fc1におけるRCフィルタ30(連続時間型フィルタ)の減衰率である。この場合には、AT1≦20×log(1/2)の関係が成り立つ。
即ちSCF40のサンプリング周波数をfck1とすると、図7(A)のF4に示すfck1−fc1〜fck1+fc1の帯域の高調波信号は、F3に示す0〜fc1の帯域にアンチエイリアシングにより折り返す。このため、A/D変換器50の1LSB分の分解能を維持するためには、少なくとも周波数fck1−fc1において、高調波信号を20×log(1/2)だけ減衰させる必要がある。従って、SCF40の前置フィルタとして機能するRCフィルタ30の周波数fck1−fc1における減衰率AT1は、AT1≦20×log(1/2)となる。例えばn=10の場合には、AT1≦−60dBになる。
また図6のF2において、fck2、fc2は、各々、デジタルフィルタ100のサンプリング周波数、カットオフ周波数であり、nは、A/D変換器50の分解能を表すビット数である。AT2(デシベル)は、周波数fck2−fc2におけるRCフィルタ30及びSCF40の合成減衰率である。この場合には、AT2≦20×log(1/2)の関係が成り立つ。
即ちデジタルフィルタ100のサンプリング周波数をfck2とすると、図7(B)のF6に示すfck2−fc2〜fck2+fc2の帯域の高調波信号は、F5に示す0〜fc2の帯域にアンチエイリアシングにより折り返す。このため、A/D変換器50の1LSB分の分解能を維持するためには、少なくとも周波数fck2−fc2において、高調波信号を20×log(1/2)だけ減衰させる必要がある。従って、デジタルフィルタ100の前置フィルタとして機能するSCF40及びRCフィルタ30の周波数fck2−fc2における合成減衰率AT2は、AT2≦20×log(1/2)となる。例えばn=10の場合には、AT2≦−60dBになる。
図6のF1、F2に示すような関係が成り立てば、図4のE1に示すように高調波信号を適正に減衰させることができ、折り返し雑音によりA/D変換器50の1LSB分の分解能を維持できなくなってしまう事態を効果的に防止できる。
4.周波数設定
次に本実施形態のカットオフ周波数、サンプリング周波数の設定手法の詳細について説明する。図8に周波数の設定例を示す。
図8のG1ではRCフィルタ30のカットオフ周波数はfc0=f0に固定されている。ここでf0は例えば10KHz〜20KHzの範囲の中の周波数である。このようにカットオフ周波数fc0をf0に固定すれば、例えば抵抗やキャパシタの外付けを不要にすることが可能になり、ユーザの利便性を向上できる。なおカットオフ周波数fc0を可変にする変形実施も可能である。
一方、図8のG2、G4に示すように、SCF40のカットオフ周波数fc1及びデジタルフィルタ100のカットオフ周波数fc2は可変に設定される。具体的にはfc1は、例えば周波数f11〜f15の範囲で可変に設定される。ここでf11は例えば10Hz〜100Hzの範囲の中の周波数である。またf14、f15は、入力信号と同じ周波数であり、例えばf14=4KHz、f15=8KHzである。
またデジタルフィルタ100のカットオフ周波数fc2は、例えば周波数1Hz〜1024Hzの範囲で可変に設定される。具体的には入力信号の周波数帯域に一致するようにカットオフ周波数fc2が設定される。例えば入力信号の周波数帯域が1Hz(0〜1Hz)である場合には、fc2=1Hzに設定され、2Hz(0〜2Hz)であれば、fc2=2Hzに設定される。
なお、入力信号の周波数帯域が4KHz、8KHzである場合には、デジタルフィルタ100のフィルタ処理が無効にされ、SCF40のカットオフ周波数fc1が4KHz、8KHzに設定される。また入力信号の周波数帯域が16KHzである場合には、デジタルフィルタ100及びSCF40のフィルタ処理が無効にされ、RCフィルタ30のカットオフ周波数fc0=f0により全体のカットオフ周波数が設定される。
また図8のG2、G3に示すように、SCF40は、サンプリング周波数fck1が周波数fs1に固定され、カットオフ周波数fc1が可変に設定される。
即ち、SCF40のサンプリング周波数fck1が変化してしまうと、図3のD4に示すSCF40の折り返し帯域の周波数が変動してしまい、フィルタの周波数特性の設計が難しくなる。そこで図8のG3ではサンプリング周波数fck1については周波数fs1に固定している。ここで、周波数fs1は例えば50KHz〜200KHzの範囲の中の周波数であり、例えばデジタルフィルタ100のサンプリング周波数fck2=fs24と同じ周波数である。なおサンプリング周波数fck1を可変にする変形実施も可能である。
一方、図8のG2ではSCF40のカットオフ周波数fc1については可変に設定している。具体的には、SCF40が有する複数のキャパシタの容量比により、カットオフ周波数fc1を可変に設定している。即ちSCF40のカットオフ周波数fc1は、サンプリング周波数fck2により設定することも可能であるが、このようにすると、上述のようにフィルタの周波数特性の設計が難しくなるという問題がある。そこで図8のG2、G3では、サンプリング周波数fck1をfs1に固定する一方で、SCF40のキャパシタの容量比の設定を変えることで、カットオフ周波数fc1を可変に設定している。
ここで、キャパシタの容量比にはサイズ依存がないため、カットオフ周波数fc1を可変にしても、キャパシタのレイアウト面積がそれほど増えることがない。従って、回路の大規模化を抑えながら、カットオフ周波数の可変設定が可能になるという利点がある。
また図8のG4、G5に示すように、デジタルフィルタ100は、サンプリング周波数fck2及びカットオフ周波数fc2が共に可変に設定される。
具体的にはG2、G5に示すように、デジタルフィルタ100のサンプリング周波数fck2は、SCF40のカットオフ周波数fc1が低くなるにつれて低くなるように可変に設定される。例えばSCF40のカットオフ周波数がfc1=f11の場合には、デジタルフィルタ100のサンプリング周波数はfck2=fs21に設定される。またfc1=f12の場合にはfck2=fs22に設定され、fc1=f13の場合にはfck2=fs23又はfs24に設定される。ここでf11<f12<f13<f14<f15、fs21<fs22<fs23<fs24の関係が成り立つ。
また図8のG4に示すようにデジタルフィルタ100のカットオフ周波数fc2は、入力信号の周波数帯域が低くなるにつれて低くなるように設定される。具体的には、入力信号の周波数帯域が1、2、4、8、16、32、64、128、256、512、1024Hzの場合には、カットオフ周波数fc2も1、2、4、8、16、32、64、128、256、512、1024Hzに設定される。
例えば図9に示すように、デジタルフィルタ100では、1つのサンプリング周波数fck2に対して所定数の種類(例えば5種類)のカットオフ周波数fc2を設定できる。図9では、fck2=fs21の場合には、fc2=1、2、4、8、16Hzのカットオフ周波数を設定でき、fck2=fs22の場合には、fc2=4、8、16、32、64Hzのカットオフ周波数を設定できる。fck2=fs23、fck2=fs24の場合も同様である。
そして図8では、図9の丸印に示すように、fck2=fs21の場合には、fc2=1、2、4、8、16Hzを選択し、fck2=fs22の場合には、fc2=32、64Hzを選択し、fck2=fs23の場合には、fc2=128、256Hzを選択し、fck2=fs24の場合には、fc2=512、1024Hzを選択する。このようにすれば、簡素で小規模な構成のデジタルフィルタ100を用いて、そのカットオフ周波数fc2を、入力信号の周波数帯域に応じた周波数に設定することが可能になる。
即ち本実施形態ではSCF40をデジタルフィルタ100の前置フィルタにしているため、デジタルフィルタ100の折り返し雑音を、図3のD8に示すようにSCF40により十分に減衰することができる。従って、D6に示す折り返し帯域の周波数に対応するサンプリング周波数fck2を、低周波数側にシフトできる。これにより、デジタルフィルタ100のサンプリング周波数fck2を低くでき、デジタルフィルタ100を遅い周波数で動作させることが可能になる。
そしてデジタルフィルタ100では、サンプリング周波数fck2とカットオフ周波数fc2との周波数差が小さいほど、フィルタの次数を小さくできる。従って、サンプリング周波数fck2を低くできるということは、フィルタの次数を小さくしてデジタルフィルタ100の回路を小規模化できることを意味する。そしてサンプリング周波数fck2を低くできると、カットオフ周波数fc2を低くできるため、1Hzというような低い周波数帯域の入力信号にも対応できるようになる。即ち、入力信号の周波数帯域が低い場合にも、その周波数帯域に対応するようにデジタルフィルタ100のカットオフ周波数fc2を設定することができる。従って、例えば1Hz〜16KHzというような幅広い範囲の入力信号に対応することができ、様々なセンサを接続することができるA/D変換回路を提供できる。
5.A/D変換器の間欠動作
本実施形態では、A/D変換器50のサンプリング周波数fck1’はSCF40のサンプリング周波数fck1と例えば同じ周波数に設定される。そして上述のようにデジタルフィルタ100のサンプリング周波数fck2は低くできるため、fck2を、fck1’≧fck2を満たす範囲で可変に設定できる。従ってA/D変換器50は、図10のH1に示すタイミングでA/D変換動作を行った後、H2、H3、H4に示すタイミングではA/D変換動作を行わないようにし、H5に示すタイミングでA/D変換動作を行った後、H6、H7に示すタイミングではA/D変換動作を行わないようにする間欠動作(間引き動作)が可能になる。
具体的には例えば図11では、入力信号の周波数帯域が1Hzであり、デジタルフィルタ100のカットオフ周波数がfc2=1Hzに設定されている。この場合に、A/D変換器50のサンプリング周波数は例えばfck1’=fck1=fs1=128KHzに設定される。一方、デジタルフィルタ100のサンプリング周波数はfck2=fs21=2KHzというように、fck1=128KHzよりも十分に小さな周波数に設定される。従って、このようにfck1>fck2(即ちfck1’>fck2)である場合には、A/D変換器50は、(fck1’/fck2)=(fck1/fck2)=(128/2)=64回に1回ずつ、間欠的にA/D変換を行う。つまり、A/D変換器50はデジタルフィルタ100の1/64の周期でA/D変換を行う。そして間欠的なA/D変換により得られたデジタルデータをデジタルフィルタ100に出力する。
また図12では、入力信号の周波数帯域が256Hzであり、デジタルフィルタ100のカットオフ周波数がfc2=256Hzに設定される。またA/D変換器50のサンプリング周波数は例えばfck1’=fck1=128KHzに設定される。一方、デジタルフィルタ100のサンプリング周波数はfck2=fs23=32KHzに設定される。従って、この場合には、A/D変換器50は、(fck1’/fck2)=(fck1/fck2)=(128/32)=4回に1回ずつ、間欠的にA/D変換を行う。つまり、A/D変換器50はデジタルフィルタ100の1/4の周期でA/D変換を行う。
また図13では、入力信号の周波数帯域が1024Hzであり、デジタルフィルタ100のカットオフ周波数がfc2=1024Hzに設定される。またA/D変換器50のサンプリング周波数は例えばfck1’=fck1=128KHzに設定される。一方、デジタルフィルタ100のサンプリング周波数はfck2=fs24=128KHzに設定される。従って(fck1’/fck2)=(fck1/fck2)=1回になるため、A/D変換器50は間欠動作ではない通常動作を行う。つまり、A/D変換器50はデジタルフィルタ100と同じ周期でA/D変換を行う。
図10〜図12のようにA/D変換器50を間欠動作させれば、図10のH1でA/D変換動作を行った後、H2、H3、H4に示す期間では、A/D変換器50を休ませてスリープモードに移行することが可能になる。従って、入力信号の周波数帯域が低い場合に、A/D変換器50が無駄に動作して消費電力が無駄に消費されてしまう事態を防止できる。またA/D変換器50の動作速度を低くできるため、A/D変換器50の小規模化も実現できる。
また例えばA/D変換器50の前段に、各チャンネルがRCフィルタ30及びSCF40からなる複数のチャンネルを設け、A/D変換器50が、これらの各チャンネルからの信号を時分割でA/D変換することも可能になる。具体的にはA/D変換器50が、例えば図10のH1のタイミングで第1のチャンネルからの信号のA/D変換を行い、次のH2のタイミングで第2のチャンネルからの信号のA/D変換を行い、次のH3のタイミングで第3のチャンネルからの信号のA/D変換を行う。従って、1つのA/D変換器50を用いて複数チャネルのA/D変換が可能になり、多チャンネルのA/D変換回路を少ない回路規模で実現できる。なおA/D変換器50のサンプリング周波数fck1’は、必ずしもSCF40のサンプリング周波数fck1と同じ周波数である必要はなく、異なる周波数であってもよい。例えばサンプリング周波数fck1’とfck1は逓倍の関係であればよい。
6.増幅器を用いた連続時間型フィルタ
図14に本実施形態の詳細な構成例を示す。図14ではSCF40の前段側に増幅回路10が設けられている。なおSCF40と増幅回路10の間に他の回路(例えばセレクタ等)を設けてもよい。
増幅回路10は複数の増幅器AM1〜AMN(第1〜第Nの増幅器)を含む。この複数の増幅器AM1〜AMNは例えばカスケード接続されている。具体的には第1の増幅器AM1は、センサ等からの入力信号VIを受け、第1の出力信号AQ1を出力する。第2の増幅器AM2(広義には第jの増幅器。jは1<j≦Nを満たす整数)は、第1の増幅器AM1(広義には第j−1の増幅器)の出力信号AQ1(広義には第j−1の出力信号)を受け、第2の出力信号AQ2(広義には第jの出力信号)を出力する。第Nの増幅器AMNは、第N−1の増幅器AMN−1の出力信号AQN−1を受け、第Nの出力信号AQNを出力する。なお増幅器AM1〜AMNは、例えばゲイン調整機能やオフセット調整機能を持つことができる。増幅器AM1〜AMNにゲイン調整機能を持たせた場合には、そのゲインを2のべき乗に設定してもよい。また増幅器AM1〜AMN(後段側の増幅器)は複数の反転増幅器を含むことができる。但し非反転増幅器を用いてもよい。また初段の増幅器AM1は差動入力信号を増幅する差動増幅器であってもよい。
そして図14では、複数の増幅器AM1〜AMNにより連続時間型フィルタ(RCフィルタ)が構成される。即ち増幅器AM1〜AMNによりアクティブのローパスフィルタが構成される。このようにすれば、入力信号を増幅する増幅回路10を有効活用して、前置フィルタである連続時間型フィルタを実現でき、増幅回路10に、連続時間型フィルタとしての機能と入力信号の増幅機能の両方を持たせることが可能になる。また増幅器AM1〜AMNにゲイン調整機能やオフセット調整機能を持たせれば、自動ゲイン調整や自動オフセット調整も可能になる。
図15に増幅器AM1、AM2、AM3の具体的な回路構成例を示す。増幅器AM1はAM11及びAM11により構成される。増幅器AM11は、オペアンプOP01、OP02と、抵抗R01、R02、R03を含み、例えば抵抗R02、R03が可変抵抗になっている。増幅器AM12は、オペアンプOP1と、抵抗R11、R12、R13、R14を含み、例えば抵抗R12、R14が可変抵抗になっている。これらの増幅器AM11、AM12により、3つのオペアンプOP01、OP02、OP1を用いた計装アンプ(instrumentation amplifier)が構成される。この計装アンプは、差動入力・シングルエンド出力の平衡入力アンプであり、同相信号除去比(CMRR)を大きくとれるという特徴がある。このような計装アンプを初段の差動増幅器に用いれば、差動の検出信号を出力するセンサとシングルエンドの検出信号を出力するセンサの両方を接続することが可能になる。例えば差動の検出信号を出力するセンサを接続する場合には、差動の検出信号を構成する第1の信号(正極側)を、信号VIPとして入力し、差動の検出信号を構成する第2の信号(負極側)を、信号VINとして入力すればよい。またシングルエンドの検出信号を出力するセンサを接続する場合には、シングルエンドの検出信号を信号VIPとして入力し、VIN側の端子は例えばAGNDに設定すればよい。
増幅器AM2は、オペアンプOP2と抵抗R21、R22を含む。そして例えば抵抗R22が可変抵抗になっており、これによりAM2のゲインG2が調整される。増幅器AM3はオペアンプOP3と抵抗R31、R32を含む。そして例えば抵抗R32が可変抵抗になっており、これよりAM3のゲインG3が調整される。これらの増幅器AM2、AM3は反転増幅器となっている。
具体的には、オペアンプOP2は、その出力端子が反転増幅器AM2の出力ノードに接続される。第1の抵抗R21は、オペアンプOP2の反転入力端子(広義には第1の入力端子)と反転増幅器AM2の入力ノードとの間に設けられる。第2の抵抗R22は、反転増幅器AM2の出力ノードとオペアンプOP2の反転入力端子との間に設けられる。またオペアンプOP2の非反転入力端子(広義には第2の入力端子)は例えばAGND(基準アナログ電圧)に接続される。なお反転増幅器AM3の構成も反転増幅器AM2の構成と同様である。
このようにAM2、AM3として反転増幅器を用いれば、AM2、AM3のオペアンプOP2、OP3としてレール・ツー・レールのオペアンプを使用しなくても済むようになる。例えば増幅器AM2、AM3として非反転増幅器を用いると、大振幅の信号の時に信号が歪んでしまい、これを避けるためにはレール・ツー・レールのオペアンプを使用する必要がある。しかしながら、レール・ツー・レールのオペアンプは、その回路規模が大きくなると共に、オペアンプの特性を向上することが難しいという問題がある。増幅器AM2、AM3として反転増幅器を用いれば、このような問題を解消できる。
なおCP1、CP2、CP3は、増幅器AM1、AM2、AM3の出力信号AQ1、AQ2、AQ3をモニタするためのコンパレータである。具体的には、コンパレータCP1、CP2、CP3は、増幅器AM1、AM2、AM3の出力信号AQ1、AQ2、AQ3の電圧と、高電位側、低電位側の判定電圧とを比較する。ここで、高電位側の判定電圧は、A/D変換器50の入力範囲を決める高電位側の基準電圧により設定され、低電位側の判定電圧は、A/D変換器50の入力範囲を決める低電位側の基準電圧により設定される。またCP1、CP2、CP3は、ヒステリシス機能を有するコンパレータになっている。
図16に、増幅器AM1、AM2、AM3の他の構成例を示す。図16では、図15の構成に対して更にD/A変換器DAC1、DAC2、DAC3が追加されている。これらのDAC1、DAC2、DAC3を用いればA/D変換回路のオフセット調整を実現できる。具体的には、オペアンプOP1、OP2、OP3のオフセット電圧VOS1、VOS2、VOS3をキャンセルするオフセット調整や、入力信号のDCオフセットを調整してA/D変換のダイナミックレンジを向上させるオフセット調整を実現できる。
本実施形態では図15、図16の増幅器AM12、AM2、AM3により連続時間型フィルタ(RCフィルタ)が実現される。具体的には増幅器AM12は、カットオフ周波数がf0となる1次のローパスフィルタになる。また増幅器AM2、AM3は、カットオフ周波数がf0となる2次のローパスフィルタになる。これらの増幅器により構成される連続時間型フィルタでは、カットオフ周波数付近での周波数特性は重要ではない。従って、回路規模が小さくなり、且つ、折り返し帯域での減衰量が大きくなるように、そのQ値を決定すればよい。
以上のように、SCF40の前段側に、複数の増幅器AM1〜AMNを有する増幅回路10を設け、各増幅器によりゲインやオフセットの自動調整を行えば、振幅やDCオフセットが異なる様々な入力信号VIが入力された場合にも、最適な電圧範囲の信号がA/D変換器50に入力されるようになるため、A/D変換回路のダイナミックレンジを向上できる。
例えば、これまでのA/D変換回路では、入力信号の振幅等は、仕様等に応じてある程度決まっている。このため、その仕様に合わせた入力電圧範囲でA/D変換を行えば十分であった。
ところが、センサ(センサデバイス)等の検出信号のA/D変換を行う場合には、図17のA1、A2に示すように、入力信号VI(検出信号)のDCオフセットは、センサの種類に応じて様々に異なる。またA3、A4に示すように、入力信号VIの振幅もセンサの種類に応じて様々に異なる。従って、従来のA/D変換回路を用いてA/D変換を行うと、図18のB1に示すように、A/D変換の分解能を高くしなければ、ダイナミックレンジを向上できないという課題があった。即ち、これまでは、入力信号の振幅等の変動幅も吸収できるようにA/D変換の分解能のビット数を大きくしていた。そしてこのように分解能のビット数を大きくすると、回路の大規模化や消費電力の増加等を招くと共に、設計も複雑化するという問題がある。
この点、図14の構成では、入力信号VIのDCオフセットや振幅が図17のA1、A2、A3、A4のように変動した場合にも、自動のゲイン調整やオフセット調整を行うことで、A/D変換器50への入力信号の振幅であるA/D入力振幅(スイングレベル)をA5のようにほぼ一定にできる。これにより、ダイナミックレンジを大幅に向上できる。
例えばダイナミックレンジDRは、A/D変換器50のA/D入力振幅(最大入力振幅)をVATとし、A/D変換器50の1LSB分の電圧をVLSBとした場合に、DR=VAT/VLSBと表すことができる。これまでは、図17のA3のように入力信号VIの振幅が小さい場合には、A/D入力振幅VATも小さくなってしまう。このため、ダイナミックレンジDR=VAT/VLSBを大きくするためには、図18のB1に示すように、A/D変換の分解能のビット数を大きくして、VLSBを小さくする必要があり、ダイナミックレンジDRの向上には限界があった。
この点、図14の構成では、図17のA3のように入力信号VIの振幅が小さい場合にも、A5に示すようにA/D入力振幅を大きくできる。このため、図18のB2に示すように、例えばA/D変換の分解能を一定にしたまま(例えば10ビット)、ダイナミックレンジDRを高くすることが可能になる。
また、例えば新規のセンサの開発・試作段階においては、センサの検出信号のDCオフセットや振幅が既知ではない場合がある。このような場合にも図14の構成によれば、
ユーザは、検出信号のDCオフセットや振幅や周波数帯域をそれほど気にすることなく、センサをA/D変換回路に接続して試すことができ、ユーザにとって使い勝手の良いA/D変換回路を提供できる。またセンサの種類に応じて、新たなICを試作する必要もないため、開発コストを低くできる。
7.SCF
図19(A)、図19(B)にSCF40の構成例を示す。図19(A)はサンプリング期間でのスイッチのオン・オフの状態を表す図であり、図19(B)はホールド期間でのスイッチのオン・オフの状態を表す図である。なおSCF40の構成は図19(A)、図19(B)に限定されず、その構成要素や接続関係を変更する変形実施が可能であり、公知の様々なSCFの構成を採用できる。
図19(A)、図19(B)のSCF40は、オペアンプOPA1、OPA2、スイッチ素子SA1〜SA6、キャパシタCA1〜CA8を含む。入力ノードNA1とノードNA2の間にはスイッチ素子SA1、キャパシタCA1が設けられる。ノードNA2とオペアンプOPA1の反転入力端子のノードNA3の間にはスイッチ素子SA2が設けられる。なおオペアンプOPA1、OPA2の非反転入力端子のノードはAGND(アナログ基準電圧)に接続される。
オペアンプOPA1の出力端子のノードNA4とノードNA3の間にはキャパシタCA2が設けられる。ノードNA4と、オペアンプOPA2の反転入力端子のノードNA5の間にはスイッチ素子SA3、キャパシタCA3、スイッチ素子SA4が設けられる。オペアンプOPA2の出力端子のノードNA6とノードNA5の間にはキャパシタCA4が設けられる。
ノードNA7とノードNA6、NA8、NA2との間には、各々、スイッチ素子SA6、キャパシタCA6、CA5が設けられる。ノードNA8とノードNA5、NA2の間には、各々、スイッチ素子SA5、キャパシタCA7が設けられる。ノードNA5とNA1の間にはキャパシタCA8が設けられる。この図19(A)、図19(B)によれば、Q値が低いSCバイカッドフィルタを実現できる。なおキャパシタCA7、CA8を省略する構成としてもよい。
そして本実施形態ではSCF40が有する複数のキャパシタCA1〜CA8間の容量比により、SCF40のカットオフ周波数fc1が設定される。
例えば連続時間型のバターワースLPFの理想的な伝達関数は下式(1)のように表される。
Figure 2009158996
上式(1)を、例えばS=(2/T)×{(1−Z−1)/(1+Z−1)}を用いて時間離散型のZ関数に変換すると、下式(2)が得られる。
Figure 2009158996
一方、図19(A)、図19(B)のSCF40の回路構成をZ関数で表すと、伝達関数は下式(3)のようになる。なおキャパシタCA2、CA4の容量値を、各々、C、Cとした場合に、キャパシタCA1、CA3、CA5、CA6、CA7、CA8の容量値は、各々、K、K、K、K、K、Kに設定される。
Figure 2009158996
上式(2)のHZ_idと上式(3)のHZ_ansが等しいとして、HZ_id=HZ_ansを解く。この場合に図8のG3に示すようにサンプリング周波数fck1=fs1に固定する。すると、カットオフ周波数fc1を、f11、f12、f13、f14、f15というように可変設定したときの上式(3)の係数K、K、K、K、K、Kを得ることができる。即ち、fc1をf11、f12、f13、f14、f15に可変設定するための、キャパシタCA1〜CA8間の容量比が決まる。
このようにすることで、本実施形態では、サンプリング周波数fck1を固定しながら、キャパシタキャパシタCA1〜CA8間の容量比を変えることで、SCF40のカットオフ周波数fc1を可変に設定することに成功している。
そしてサンプリング周波数fck1を固定の周波数に設定すれば、SCF40の折り返し帯域が変動しないようになるため、フィルタの周波数特性の設計が容易化される。また、キャパシタの容量比にはサイズ依存がないため、回路の大規模化を抑えながら、カットオフ周波数の可変設定が可能になる。
8.デジタルフィルタ
図20(A)、図20(B)にデジタルフィルタ100の構成例を示す。図20(A)では、2次のIIRフィルタ102、104をカスケード接続することで、4次のデジタルフィルタ100を実現している。即ちIIR102には、A/D変換器50からの信号ADQが入力され、その出力信号が次段のIIR104に入力される。そしてIIR104の出力信号がデジタルフィルタ100の出力信号DGQになる。
図20(B)では、A/D変換器50からの信号ADQが入力される2次のIIRフィルタ102、104が並列に設けられる。そしてIIRフィルタ102、104の出力信号が加算器106により加算されて、信号DGQが出力される。
図20(C)にIIRフィルタ102、104の各IIRフィルタの構成例を示す。図20(C)において、遅延素子114、116はフリップフロップ等により実現される。増幅素子120、122、124、126、128は、乗算係数a1、a2、b0、b1、b2の係数メモリと、乗算器により実現される。加算器110、112は足し算回路により実現される。なお実際のハードウェア構成は、乗算器と係数メモリと加算器と複数のレジスタを設け、出力信号を入力に戻すなどのループ処理を行って、4次のIIRフィルタを実現できる。またデジタルフィルタ100の構成は図20(A)〜図20(C)には限定されず、その次数を変えたり、IIRフィルタ以外のフィルタを用いることもできる。
9.電子機器
次に本実施形態の電子機器について図21(A)〜図21(C)を用いて説明する。なお本実施形態の電子機器は図21(A)〜図21(C)の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
図21(A)は本実施形態の電子機器の第1の構成例である。この第1の構成例の電子機器は、センサデバイス500と、アナログフロントエンド(AFE)である本実施形態のA/D変換回路510を含む。図21(A)の電子機器では、センサデバイス500(物理量トランスデューサ)が、各種の物理量(力、加速度、質量等)を検出する。そして物理量を電流(電荷)や電圧等に変換して、検出信号として出力する。このセンサデバイス500はセンサ502と検出回路504を含む。なお検出回路504を含まない構成としてもよい。
A/D変換回路510は、センサデバイス500からの検出信号を受け、検出信号のA/D変換を行ったり、必要であればA/D変換後のデジタルデータに対する演算処理(信号処理)を行う。そして、得られたデジタルデータを、後段のシステム(システム基板、CPU等のシステムデバイス)側に出力する。
図21(A)の第1の構成例によれば、煙センサ、光センサ、人感センサ、圧力センサ、生体センサ、ジャイロセンサなどを内蔵した様々な電子機器を実現できる。
図21(B)は本実施形態の電子機器の第2の構成例である。この第2の構成では、図21(A)の第1の構成例に対して更に通信回路(無線回路)520とアンテナ522の構成要素が追加されている。通信回路520は、A/D変換回路510からのデジタルデータに対して変調処理などを行い、アンテナ522を用いて外部機器(相手側の電子機器)に送信する。またアンテナ522を用いて、外部機器からのデータを受信し、ID認証を行ったり、センサデバイス500の制御等を行ってもよい。
図21(B)の第2の構成例によれば、図21(A)の第1の構成例で実現できる電子機器に加えて、例えば無線通信を利用して非接触でデータの書き込みと読み出しを行うRFID(Radio Frequency Identification)に用いられるICタグ(RFタグ)などの電子機器を実現できる。
図21(C)は本実施形態の第3の構成例である。図21(C)の電子機器は、図21(A)の第1の構成例に対して更に処理部530、インターフェース(I/F)532の構成要素が追加されている。処理部530は、A/D変換回路510からのデジタルデータを受け、各種の処理を行う。I/F532は、例えばUSB、IEEE1394等の規格に準拠したデータ転送を、PC(パーソナルコンピュータ)等の外部機器との間で行う。
図21(C)の第3の構成例によれば、図21(A)、図21(B)の第1、第2の構成例で実現できる電子機器に加えて、例えばセンサデバイス500の開発・試作等に使用される評価装置(評価ボード)などの電子機器を実現できる。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。またA/D変換回路、電子機器の構成、動作も本実施形態で説明したものに限定に限定されず、種々の変形実施が可能である。
本実施形態のA/D変換回路の構成例。 周波数軸がLOG軸である場合の各フィルタの周波数特性の例。 周波数軸がリニア軸である場合の各フィルタの周波数特性の例。 周波数軸がLOG軸である場合のシステム全体の周波数特性の例。 周波数軸がリニア軸である場合のシステム全体の周波数特性の例。 減衰率の設定手法の説明図。 図7(A)、図7(B)も減衰率の設定手法の説明図。 各フィルタのカットオフ周波数、サンプリング周波数の設定例。 デジタルフィルタのサンプリング周波数とカットオフ周波数の関係を示す図。 A/D変換器の間欠動作を説明する波形図。 A/D変換器の間欠動作における周波数設定の説明図。 A/D変換器の間欠動作における周波数設定の説明図。 A/D変換器の間欠動作における周波数設定の説明図。 複数の増幅器により連続時間型フィルタを実現する手法の説明図。 各増幅器の具体的な回路構成例。 各増幅器の具体的な他の回路構成例。 A/D変換のダイナミックレンジを向上する手法の説明図。 ダイナミックレンジと分解能の関係を示す図。 図19(A)、図19(B)はSCFの構成例。 図20(A)〜図20(C)はデジタルフィルタの構成例。 図21(A)〜図21(C)は本実施形態の電子機器の構成例。
符号の説明
AM11、AM12、AM1〜AMN 増幅器、
CP1〜CP3 コンパレータ、DAC1〜DAC3 D/A変換器、
OP01、OP02、OP1、OP2、OP3 オペアンプ
R01〜R03、R11〜R14、R21、R22、R31、R32 抵抗、
10 増幅回路、30 連続時間型フィルタ(RCフィルタ)、40 SCF、
50 A/D変換器、70 制御回路、100 デジタルフィルタ、
102、104、IIRフィルタ、106、110、112 加算器、
114、116 遅延素子、120、122、124 126、128 増幅素子、
500 センサデバイス、502 センサ、504 検出回路、
510 A/D変換回路、520 通信回路、522 アンテナ、530 処理部、
532 I/F

Claims (15)

  1. 入力信号のフィルタ処理を行う連続時間型フィルタと、
    前記連続時間型フィルタの後段側に設けられ、前記入力信号の周波数帯域に応じてカットオフ周波数が可変に設定され、前記連続時間型フィルタを前置フィルタとしてフィルタ処理を行うスイッチトキャパシタフィルタと、
    前記スイッチトキャパシタフィルタの後段側に設けられ、前記連続時間型フィルタ及び前記スイッチトキャパシタフィルタを前置フィルタとしてA/D変換を行うA/D変換器と、
    前記A/D変換器の後段側に設けられ、前記入力信号の前記周波数帯域に応じてカットオフ周波数が可変に設定され、前記連続時間型フィルタ及び前記スイッチトキャパシタフィルタを前置フィルタとしてデジタルフィルタ処理を行うデジタルフィルタと、
    を含むことを特徴とするA/D変換回路。
  2. 請求項1において、
    前記スイッチトキャパシタフィルタのカットオフ周波数と前記デジタルフィルタのカットオフ周波数を可変に設定する処理を行う制御回路を含むことを特徴とするA/D変換回路。
  3. 請求項1又は2において、
    前記連続時間型フィルタのカットオフ周波数をfc0とし、前記スイッチトキャパシタフィルタのカットオフ周波数をfc1とし、前記デジタルフィルタのカットオフ周波数をfc2とした場合に、fc0>fc1>fc2に設定されることを特徴とするA/D変換回路。
  4. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
    前記スイッチトキャパシタフィルタのサンプリング周波数をfck1とし、前記スイッチトキャパシタフィルタのカットオフ周波数をfc1とし、前記A/D変換器の分解能をnビットとし、周波数fck1−fc1における前記連続時間型フィルタの減衰率をAT1デシベルとした場合に、AT1≦20×log(1/2)であることを特徴とするA/D変換回路。
  5. 請求項4において、
    前記デジタルフィルタのサンプリング周波数をfck2とし、前記デジタルフィルタのカットオフ周波数をfc2とし、周波数fck2−fc2における前記連続時間型フィルタ及び前記スイッチトキャパシタフィルタの合成減衰率をAT2デシベルとした場合に、AT2≦20×log(1/2)であることを特徴とするA/D変換回路。
  6. 請求項1乃至5のいずれかにおいて、
    前記連続時間型フィルタのカットオフ周波数fc0が固定され、
    前記スイッチトキャパシタフィルタのカットオフ周波数fc1及び前記デジタルフィルタのカットオフ周波数fc2が可変に設定されることを特徴とするA/D変換回路。
  7. 請求項1乃至6のいずれかにおいて、
    前記スイッチトキャパシタフィルタのサンプリング周波数fck1が固定され、前記スイッチトキャパシタフィルタのカットオフ周波数fc1が可変に設定されることを特徴とするA/D変換回路。
  8. 請求項7において、
    前記スイッチトキャパシタフィルタが有する複数のキャパシタ間の容量比により、前記スイッチトキャパシタフィルタのカットオフ周波数fc1が可変に設定されることを特徴とするA/D変換回路。
  9. 請求項1乃至8のいずれかにおいて、
    前記デジタルフィルタのサンプリング周波数fck2及びカットオフ周波数fc2が共に可変に設定されることを特徴とするA/D変換回路。
  10. 請求項9において、
    前記デジタルフィルタのサンプリング周波数fck2は、前記スイッチトキャパシタフィルタのカットオフ周波数fc1が低くなるにつれて低くなるように設定されることを特徴とするA/D変換回路。
  11. 請求項10において、
    前記デジタルフィルタのカットオフ周波数fc2は、前記入力信号の前記周波数帯域が低くなるにつれて低くなるように設定されることを特徴とするA/D変換回路。
  12. 請求項1乃至11のいずれかにおいて、
    前記A/D変換器のサンプリング周波数をfck1’とした場合に、前記デジタルフィルタのサンプリング周波数fck2は、fck1’≧fck2を満たす範囲で可変に設定されることを特徴とするA/D変換回路。
  13. 請求項12において、
    前記A/D変換器は、
    fck1’>fck2である場合には、(fck1’/fck2)回に1回ずつ間欠的にA/D変換を行って、間欠的なA/D変換により得られたデジタルデータを前記デジタルフィルタに出力することを特徴とするA/D変換回路。
  14. 請求項1乃至13のいずれかにおいて、
    カスケード接続された複数の増幅器を有し、前記スイッチトキャパシタフィルタの前段側に設けられ、前記入力信号が入力される増幅回路を含み、
    前記増幅回路の前記複数の増幅器により前記連続時間型フィルタが構成されることを特徴とするA/D変換回路。
  15. 請求項1乃至14のいずれかに記載のA/D変換回路を含むことを特徴とする電子機器。
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