JP2009158104A - 荷電粒子線装置 - Google Patents

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俊一 栗原
Takashi Otsuka
岳志 大塚
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幸 松谷
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雅夫 井上
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Abstract

【課題】本発明は荷電粒子線装置に関し、陽電子を用いた場合にも良好な透過像を得ることができる荷電粒子線装置を提供することを目的としている。
【解決手段】荷電粒子ビームを集束する少なくとも1段の集束レンズ2と、該集束レンズ2よりも下流側に配置されている試料の保持機構3と、試料を荷電粒子ビームの通路に対して挿入・引き出しを行なう試料の駆動機構と、試料よりも下流側に配置される少なくとも1段の結像レンズ4と、試料をビーム通路に挿入して得られる結像面における透過像を記憶する手段と、試料をビーム通路から引き出して得られる結像面におけるプローブ像を記憶する手段と、前記透過像とプローブ像とから、試料面における荷電粒子プローブの電流密度分布の不均一性及び結像面での検出感度の不均一性の少なくとも一つが補正された透過像を求める透過像算出手段とを具備して構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は荷電粒子線装置に関し、更に詳しくは透過電子顕微鏡に用いて好適な荷電粒子線装置に関する。
荷電粒子ビームを試料に照射し、試料を透過したビームから試料の像を得る最も基本的な手法は、荷電粒子ビーム光源から得られる荷電粒子ビームを少なくとも1段の集束レンズで集束させて観察対象の試料に照射し、試料から透過した電子を試料下段にある少なくとも1段の結像レンズで検出面(例えばシンチレータ)に結像させ、透過像を得ることである。更に、その透過像を記憶する手段としては、検出面にフィルムやイメージングプレート等の電荷に反応する記録材を用いたり、検出面の発光をカメラによりパソコンに取り込む機構を有している。
このような装置は、例えば透過電子顕微鏡(TEM)として、実現されている。光源から引き出された電子ビームは、集束レンズで平行にされ、試料に入射する。試料を透過した電子ビームを試料下段の対物レンズ、中間レンズ、投影レンズによって拡大し、蛍光板に結像することにより、拡大した透過像を得るようになっている。
図14は透過電子顕微鏡(TEM)の構成例を示す図である。光源(電子銃)1から出射された電子線EBは、集束レンズ2で集束され、平行光となって試料15に照射される。試料15を透過した電子線は対物レンズ16で集束され、続く中間レンズ17と投影レンズ18を介して蛍光板20上に透過像19を結ぶ。この透過像は、蛍光板20上で画像化され、オペレータによりその像を観ることができる。或いは、記録材21に記録され、或いはCCDカメラ6で画像として読み込まれる。CCDカメラ6で読み込まれた画像は、図示しないディスプレイ上に表示され、観ることができる。
従来のこの種の装置としては、荷電粒子源1から放出された荷電粒子線2を電子光学的に処理し、ナイフエッジ状のマーク17が付された試料10を照射させる1次光学系3,4と、試料10から放出された荷電粒子線11を電子光学的に処理してマーク17の像を検出器14に結像させる2次光学系12,13とを備える装置を用いてビームプロファイルを測定し、試料10と検出器14との相対的な位置関係を設定し、検出器14からの出力信号を用いて光学系のビーム分解能を算出する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
また、ピンホール、ピンホールを通過した粒子ビームの強度分布を検知するイメージセンサーおよびイメージセンサーが検知した粒子ビームの強度分布像を電気信号に変換するる光電変換装置を一体化し、粒子ビーム軸に対して直交駆動する駆動装置を備える技術が知られている(例えば特許文献2参照)。
また、荷電粒子ビーム露光装置において、複数の荷電粒子ビーム偏向可能領域のうちの1個の荷電粒子ビーム偏向可能領域の一部又は全部の透過パターン形成領域には、少なくとも、透過パターン形成領域の対向する辺に沿って、同一の形状、同一の大きさの複数の透過孔を線対称に配列してなる試料電流密度分布測定用の透過パターンが形成されていることを特徴とする荷電粒子ビーム露光装置が知られている(例えば特許文献3参照)。
特開2002−124204号公報(段落0007〜0016、図1、図2) 特開平3−122589号公報(第3頁左上欄第1行〜同頁右下欄第16行、第1図〜第3図)。 特許第3254906号(段落0015〜0072、図1〜図27)
荷電粒子プローブによる試料の透過像を観察するには、観察する領域の電流密度分布が均一でしかも平行なプローブが必要である。しかしながら、光源から得られるビームの電流量が透過像を観察するのに十分な量でない場合等は、均一な電流密度分布を得るのが難しい場合がある。そのような場合、プローブの電流密度分布の不均一性は透過像の結像にも反映されてしまい、ムラのある透過像になってしまう。
図5は従来の開口絞りがない時のプローブ像と電流密度の関係を示す図である。プローブ像とその電流密度との関係が示されている。電流密度は対称で、ガウシャン分布をしていることがわかる。
従来の技術において、特に陽電子プローブによる透過像観察では、陽電子ビーム源は電流量が少なく不均一なので、透過像を取得するのに十分とはいえない。
結像面での検出感度の不均一性も透過像のムラの原因となる。不均一なビームを長時間照射することにより検出面が部分的に劣化し、結像面での検出感度の不均一性が生じる。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、強度分布の不均一な荷電粒子ビームや不均一な検出感度の結像面を用いた場合にも良好な透過像を得ることができる荷電粒子線装置を提供することを目的としている。
(1)請求項1記載の発明は、荷電粒子ビームを集束する少なくとも1段の集束レンズと、該集束レンズよりも下流側に配置されている試料の保持機構と、試料を荷電粒子ビームの通路に対して挿入・引き出しを行なう試料の駆動機構と、試料よりも下流側に配置される少なくとも1段の結像レンズと、試料をビーム通路に挿入して得られる結像面における透過像を記憶する手段と、試料をビーム通路から引き出して得られる結像面におけるプローブ像を記憶する手段と、前記透過像とプローブ像とから、試料面における荷電粒子プローブの電流密度分布の不均一性及び結像面での検出感度の不均一性の少なくとも一つが補正された透過像を求める透過像算出手段と、を有し、前記透過像算出手段は、試料のない状態でプローブ像の2次元強度分布P(i,j)を測定しておき、試料をビーム通路に置いて透過像の2次元強度分布S(i,j)を測定し、補正後の透過像をI(i,j)、規格化の定数をkとして、
I(i,j)=k・S(i,j)/P(i,j) (1)
により、補正した透過像I(i,j)を求めることを特徴とする。
(2)請求項2記載の発明は、試料をビーム通路から引き出して、プローブ像を記憶する際に試料面におけるプローブ径よりも小さい開口を試料面付近のビーム通路に挿入して、該開口を移動して得られる結像面における複数の開口像からプローブ像を求め、試料面における荷電粒子プローブの電流密度分布の不均一性及び結像面での検出感度の不均一性の少なくとも一つが補正された透過像を求める手段を備えたことを特徴とする。
(3)請求項3記載の発明は、前記開口の形状が多角形状であることを特徴とする。
(4)請求項4記載の発明は、前記開口に穴が複数あることを特徴とする。
(5)請求項5記載の発明は、前記開口の穴の大きさを調整する機構を持つことを特徴とする。
(6)請求項6記載の発明は、前記開口の位置を自動で移動させ、その都度開口像を撮影し、自動的にプローブ像を取得する機構を持つことを特徴とする。
(7)請求項7記載の発明は、前記プローブ像と透過像に長時間露光及び複数の像を積算する操作の少なくとも一つを行ない、ノイズの影響を少なくしたことを特徴とする。
(8)請求項8記載の発明は、前記プローブ像を自動で取得して比較用データとして記憶しておき、常に電流密度分布の不均一性及び結像面での検出感度の不均一性の少なくとも一つを補正した透過像を得ることを特徴とする。
(9)請求項9記載の発明は、前記荷電粒子を陽電子とすることを特徴とする。
(1)請求項1記載の発明によれば、試料のない状態でプローブ像の2次元強度分布P(i,j)を測定しておき、試料をビーム通路に置いて透過像の2次元強度分布S(i,j)を測定し、補正後の透過像をI(i,j)、規格化の定数をkとして、
I(i,j)=k・S(i,j)/P(i,j)
により、補正した透過像I(i,j)を求めることができ、陽電子を用いた場合にも良好な画像を得ることができる。
(2)請求項2記載の発明によれば、プローブ径よりも小さい開口を試料面付近のビーム通路に挿入してプローブ像を求め、荷電粒子プローブの電流密度の不均一性及び結像面での検出感度の不均一性の少なくとも一つが補正された透過像を求めることができる。
(3)請求項3記載の発明によれば、開口の形状を多角形状にすることができ、荷電粒子プローブの電流密度の不均一性及び結像面での検出感度の不均一性の少なくとも一つが補正された透過像を求めることができる。
(4)請求項4記載の発明によれば、開口の形状を複数の穴がある形状にすることができ、荷電粒子プローブの電流密度の不均一性及び結像面での検出感度の不均一性の少なくとも一つが補正された透過像を求めることができる。
(5)請求項5記載の発明によれば、開口の大きさを調整することにより、荷電粒子プローブの電流密度の不均一性及び結像面での検出感度の不均一性の少なくとも一つがより補正された透過像を求めることができる。
(6)請求項6記載の発明によれば、自動的にプローブ像を取得することができる。
(7)請求項7記載の発明によれば、ノイズの影響を少なくした透過像を得ることができる。
(8)請求項8記載の発明によれば、プローブ像を予め自動で取得して記憶しておくことにより、常に電流密度分布の不均一性及び結像面での検出感度の不均一性の少なくとも一つを補正した透過像を得ることができる。
(9)請求項9記載の発明によれば、荷電粒子線が陽電子である場合でも、電流密度の不均一性及び結像面での検出感度の不均一性の少なくとも一つを補正した透過像を得ることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形態を示す構成図で、透過型電子顕微鏡(TEM)の構成例を示している。図14と同一のものは、同一の符号を付して示す。図において、1は荷電粒子ビームを出射する荷電粒子ビーム光源で、電子ビームやイオンビームが出射される。2は該荷電粒子ビーム光源1を出射した荷電粒子ビームを集束して平行光にする少なくとも1段の集束レンズ、3は集束レンズ2の下流側に配置される試料ホルダーである。該試料ホルダー3は、試料15(図14参照)をその上に載せ、図の水平方向(図の矢印方向)に試料15を荷電粒子ビームの光軸に挿入したり、引き出したりする駆動機構(図示せず)を有している。図では、試料15を引き出した状態を示している。
4は試料位置からの荷電粒子ビーム像を結像する少なくとも1段構成の結像レンズである。5は試料像又はプローブ像の結像点に配置される検出器である。この検出器は、蛍光体であってもいいし、その他の種類の光電変換素子であってもよい。例えば、MCP等であってもよい。6は結像点位置の画像を撮影するカメラである。8は信号線7を介して送られてくる画像信号を入力して各種の画像処理等を行ない、透過像をそのディスプレイに表示するパソコンである。パソコンの代わりにマイクロプロセッサを用いてもよい。このように構成された装置の動作を説明すれば、以下の通りである。
荷電粒子ビーム光源1から引き出された荷電粒子ビームを集束レンズ2で集束し、試料位置に照射する。この時、この例では荷電粒子ビームを集束レンズ2で平行にしているが、透過像を観察するのに十分な電流量でない場合、図2に示すように集束レンズ2の下流側に結像レンズ9により試料ホルダー3上の試料に荷電粒子ビームを絞って、得られる電流像を上げて照射する場合もある。ここで、試料(図示せず)は、図示しない移動機構により図3に示すように試料ホルダー3毎、ビーム通路に対して挿入したり、図1に示すように引き出したりすることができる。
試料が挿入された状態では、試料を透過した荷電粒子が(或いは荷電粒子プローブによって散乱され放出された荷電粒子(2次電子)が)結像レンズ4によって検出器5に結像され透過像を得ることができる。試料が引き出された状態では、試料位置での荷電粒子プローブ像が検出器5に結像される。
試料観察前に、試料を荷電粒子ビームに対して引き出した状態でプローブ像P(i,j)を記憶する。ここで、P(i,j)は画素の2次元座標を意味する。なお、プローブ像は、複数回記憶して積算するか、長時間露光によってノイズの影響を減らす等の処理をしてもよい。得られたプローブ像は陽電子プローブの電流密度分布データ+検出器の検出感度分布データとして記憶しておく。
試料を観察する際には、試料ホルダー3をビーム通路に挿入し、得られた試料の透過像S(i,j)を、記憶しておいたプローブ像分布P(i,j)を基に補正し、電流密度分布の不均一及び結像面での検出感度の不均一のない透過像I(i,j)を画面出力する。この補正方法は、P(i,j)とS(i,j)が受光面の電流密度に比例している場合は、規格化の定数をkとして、
I(i,j)=k・S(i,j)/P(i,j)
を求める。この時、透過像は長時間露光や複数枚の像を積算する等して、ノイズの影響を減らす等の処理をしてもよい。この実施の形態によれば、試料のない状態でプローブ像の2次元強度分布P(i,j)を測定しておき、試料をビーム通路に置いて透過像の2次元強度分布S(i,j)を測定し、補正後の透過像をI(i,j)、規格化の定数をkとして、(1)式により、補正した透過像I(i,j)を求めることができ、強度分布の不均一な荷電粒子ビーム及び不均一な検出感度の結像面を用いた場合にも良好な画像を得ることができる。
図4は開口絞りによるプローブ像取得の説明図である。図1と同一のものは、同一の符号を付して示す。図に示す実施の形態は、開口絞りを設けた点である。ここで、開口絞りとは、試料と同じ高さに配置され、中空の穴、又は通過力が均一な膜を張った開口のことである。この開口の中を荷電粒子ビームが通過するようになっている。図の9が開口絞りである。この開口絞り9は、例えば図6に示すような細長いスリット形状となっている。
この開口絞りの穴の大きさは、調整することができるようになっていることが好ましい。開口絞りの穴の大きさを調整することにより、荷電粒子プローブの電流密度の不均一性及び結像面での検出感度の不均一性がより補正された透過像を求めることができる。プローブ像をスリットを介して取得するのは、散乱電子等のノイズ成分を除去して信号成分のみを得るためである。
なお、穴径の形状としては、図6に示すような矩形に限られるわけではなく、多角形状にすることができる。これによれば、開口の形状を多角形状にすることにより、プローブの電流密度の不均一性及び結像面での検出感度の不均一性が補正された透過像を求めることができる。このように構成された装置の動作を説明すれば、以下の通りである。
試料は試料ホルダー3ごと、図4に示すようにビーム通路に対して引き出した状態にする。そして、開口絞り9をビーム通路に入れ、開口像が得られるように結像レンズ4を調節する。ここで、開口絞りの穴径を電流密度分布に応じて調節し、開口絞りを図7に示すようにs1,s2,s3の位置に移動させ、それぞれの絞り位置でプローブ像を取得する。この時、s1,s2,s3の位置は、それぞれ領域が重なり合うようにする。
図8は各々の絞り位置におけるプローブ像取得の説明図である。(a)は位置s1におけるプローブ像、(b)は位置s2におけるプローブ像、(c)は位置s3におけるプローブ像である。これら、プローブ像の下には電流密度の状態を示す。各位置におけるプローブ像が得られたら、これらプローブ像を足し合わせてプローブの電流密度分布+検出器の検出感度分布を得る。図9はこれらプローブ像を足し合わせて作った電流密度分布を示す図である。このようにして、プローブ電流の電流密度分布P(i,j)が求まったら、この電流密度分布+検出器の検出感度分布を記憶しておく。そして、試料をビーム通路に入れ、透過像S(i,j)を求める。透過像が求まったら、得られた電流密度分布から、透過像の電流密度分布の不均一性及び結像面での検出感度の不均一性を補正し、(1)式により電流密度分布の不均一性及び結像面での検出感度の不均一性が補正された透過像I(i,j)を得る。なお、中空の開口部に装着する膜は、試料を支持する時に使用される支持膜や、透過力を比較する際に用いられる参照膜等であってよい。
図10は複数開口絞りによるプローブ像取得の説明図である。図4と同一のものは、同一の符号を付して示す。図4に示す実施の形態と異なるのは、絞り形状が図11に示すように複数の穴が開いた形状となっている点である。この図11の形状において、開口は開口像が互いに干渉しない程度の間隔をあけてある。このように構成された装置の動作を説明すれば、以下の通りである。
試料15は試料ホルダー3ごとビーム通路に対して図4に示すように引き出した状態にし、図11に示す開口絞り9を挿入する。この時の絞り穴の大きさは、プローブの大きさに対して小さくする。例えば、プローブの径を10μmにした場合、穴の大きさは一辺1μmとする。
この実施の形態では、開口穴が複数個開けられているので、それぞれの開口穴位置に対応したプローブ像ができる。このように、複数の開口が開けられた形状とすることにより、荷電粒子プローブの電流密度の不均一性及び結像面での検出感度の不均一性が補正された透過像を求めることができる。図12は複数絞りによるプローブ像取得の説明図である。(a)〜(c)がそれぞれの開口穴位置に対応したプローブ像である。各プローブ像の下には、電流密度を示す。このプローブ像を撮影し、絞りを移動させて撮影を繰り返し、それぞれの位置でのプローブ像を取得する。
取得したプローブ像から電流密度分布+検出感度分布を得る。この実施の形態によれば、プローブ径よりも小さい開口を試料面付近のビーム通路に挿入してプローブ像を求め、荷電粒子プローブの電流密度の不均一性及び結像面での検出感度の不均一性が補正された透過像を求めることができる。
図13は複数絞りによって取得した電流密度分布+検出感度分布を示す図である。図に示す格子は開口に対応している。この実施の形態によれば、一度に複数箇所のプローブ像を取得することができるので、絞りの移動・撮影の手順が少なくなり、短時間で電流密度分布+検出感度分布を取得することができる。
本発明によれば、上述したシーケンスを自動で行なうようにすることができる。即ち、開口絞りの位置をパソコン8で制御できるようにするのである。上述した実施の形態の絞り位置を調節してプローブ像を取得し、電流密度分布を取得する手順を予めプログラミングしておき、プログラムを実行すると自動で開口絞りの位置を移動させながら開口像を取得し、電流密度分布+検出感度分布を求めることができる。
また、本発明によれば、前記プローブ像を自動で取得して比較用データとして記憶しておき、常に電流密度分布の不均一性及び結像面での検出感度の不均一性を補正した透過像を得ることができる。このようにすれば、プローブ像を予め自動で取得して記憶しておくことにより、常に電流密度分布の不均一性及び結像面での検出感度の不均一性を補正した透過像を得ることができる。
本発明は、荷電粒子ビームが陽電子である場合に、特にその効果を発揮することができ、実用上の効果が大きい。陽電子は、ビーム電流量が小さくそのプローブ電流も不均一である。また、検出に用いられるMPC(マイクロチャネルプレート)も劣化しやすい。このような陽電子の場合も、本発明によってプローブ電流密度を求めることにより、ビームの不均一性及び結像面での検出感度の不均一性が補正された透過像を得ることができる。
なお、上記した本発明の実施の形態において、荷電粒子プローブの電流密度の不均一性及び結像面での検出感度の不均一性を同時に補正しているが、必要に応じてどちらかの不均一性のみが補正されるようになっていてもよいことは明らかである。
本発明の一実施の形態を示す構成図である。 本発明装置の動作説明図である。 本発明装置の動作説明図である。 開口絞りによるプローブ像取得の説明図である。 従来のプローブ像と電流密度の関係を示す図である。 絞りの形状例を示す図である。 プローブ像取得の説明図である。 絞りを使ったプローブ像取得の説明図である。 電流密度分布を示す図である。 複数開口絞り穴によるプローブ像取得の説明図である。 絞り形状例を示す図である。 複数絞りによるプローブ像取得の説明図である。 複数絞りによって取得した電流密度分布を示す図である。 透過電子顕微鏡の構成例を示す図である。
符号の説明
1 荷電粒子ビーム光源
2 集束レンズ
3 試料ホルダー
4 結像レンズ
5 検出器
6 カメラ
7 信号線
8 パソコン

Claims (9)

  1. 荷電粒子ビームを集束する少なくとも1段の集束レンズと、
    該集束レンズよりも下流側に配置されている試料の保持機構と、
    試料を荷電粒子ビームの通路に対して挿入・引き出しを行なう試料の駆動機構と、
    試料よりも下流側に配置される少なくとも1段の結像レンズと、
    試料をビーム通路に挿入して得られる結像面における透過像を記憶する手段と、
    試料をビーム通路から引き出して得られる結像面におけるプローブ像を記憶する手段と、
    前記透過像とプローブ像とから、試料面における荷電粒子プローブの電流密度分布の不均一性及び結像面での検出感度の不均一性の少なくとも一つが補正された透過像を求める透過像算出手段と、
    を有し、前記透過像算出手段は、試料のない状態でプローブ像の2次元強度分布P(i,j)を測定しておき、試料をビーム通路に置いて透過像の2次元強度分布S(i,j)を測定し、補正後の透過像をI(i,j)、規格化の定数をkとして、
    I(i,j)=k・S(i,j)/P(i,j)
    により、補正した透過像I(i,j)を求めることを特徴とする荷電粒子線装置。
  2. 試料をビーム通路から引き出して、プローブ像を記憶する際に試料面におけるプローブ径よりも小さい開口を試料面付近のビーム通路に挿入して、該開口を移動して得られる結像面における複数の開口像からプローブ像を求め、試料面における荷電粒子プローブの電流密度分布の不均一性及び結像面での検出感度の不均一性の少なくとも一つが補正された透過像を求める手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の荷電粒子線装置。
  3. 前記開口の形状が多角形状であることを特徴とする請求項1記載の荷電粒子線装置。
  4. 前記開口に穴が複数あることを特徴とする請求項3記載の荷電粒子線装置。
  5. 前記開口の穴の大きさを調整する機構を持つことを特徴とする請求項3又は4記載の荷電粒子線装置。
  6. 前記開口の位置を自動で移動させ、その都度開口像を撮影し、自動的にプローブ像を取得する機構を持つことを特徴とする請求項2乃至5の何れかに記載の荷電粒子線装置。
  7. 前記プローブ像と透過像に長時間露光及び複数の像を積算する操作の少なくとも一つを行ない、ノイズの影響を少なくしたことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の荷電粒子線装置。
  8. 前記プローブ像を自動で取得して比較用データとして記憶しておき、常に電流密度分布の不均一性及び結像面での検出感度の不均一性の少なくとも一つを補正した透過像を得ることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の荷電粒子線装置。
  9. 前記荷電粒子を陽電子とすることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の荷電粒子線装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011247870A (ja) * 2010-04-28 2011-12-08 Hamamatsu Photonics Kk X線光電子分光装置およびx線光電子分光方法

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