本発明は、物品及び該物品に添付された二次元コード及び二次元コードの読取りとアンケート回答とを行う携帯端末及びアンケート設問の配信と回答の収集と記録とを行うサーバコンピュータからなるアンケート・計時を行うシステムであって、アンケートの回答の内容と回答した時刻との双方を統計する技術分野に関する。
まず、二次元コードと、二次元コード読取用の携帯端末としての携帯電話と、に関して述べる。
QRコード(デンソーウェーブ株式会社の登録商標)に代表される二次元マトリックス式バーコード(二次元コード)は、一次元バーコードに比して面積あたりの情報記録密度が非常に大きく、一次元バーコードでは記述しきれない量の情報を埋め込むことが可能であり、物流や生産工程の管理などの目的で利用が広まっている。
「二次元コードを読取る」とは、内蔵プログラムが撮影装置を用いて二次元コードを撮影しその結果をデータとして取得し、解析することで二次元コードをデコードし、デコード結果のデータ列を取得することを言う。携帯端末を使用する使用者がボタン操作等によってその内蔵プログラムを作動させることも「二次元コードを読取る」という表現に含まれる。一般的に、携帯電話を二次元コード読取用の携帯端末として用いた場合、読取結果のデータ列中にURL(UNIFORM RESOURCE LOCATOR)が文字列として含まれていれば、そのURLを携帯電話が自動的に認識し、使用者は一回から数回程度のボタン操作でそのURLが示すウェブページに接続することが出来る。
携帯端末がウェブページに接続された際に、そのウェブページを表示するウェブサーバを運営しているサーバコンピュータにおいては、接続を受けた時刻を取得すること及び、その時刻を記録するプログラムを作成することは一般に容易である。又、携帯端末によっては、携帯端末ID(各々の携帯端末に固有の識別番号)をサーバコンピュータにて取得することが可能である。
携帯電話の普及台数及び、二次元コードの読取が可能な携帯電話の普及台数について言及する。現在日本では、高校生又はそれ以上の年齢層においては殆どの人が携帯電話を保有している。具体的な台数の調査結果としては、電気通信事業者協会(TCA)による報告がある。それによると、平成19年2月7日の発表で、平成19年1月末日で携帯電話の契約数が累計9531万5200台、PHSが490万9300台で、携帯とPHSとの累計契約数は1億22万4500台とされている。QRコード(二次元コードの一種であることは前述)を読取ることが可能な携帯電話の普及台数は4000万台を超えたと推測されている。その為に、携帯電話と二次元コードを組み合わせた様々なシステムや方法が考案または発明されている。
二次元コードを用いたアンケートの例を挙げる。
特許文献1(特開2005−339072号公報)は二次元コードを用いたアンケートシステムの例である。二次元コードを用いたアンケートシステムを構築する際には、携帯電話等の二次元コード読取が可能な端末を用いて二次元コード読取を行い、読取った情報を元にしてインターネットに接続し、更には設問の受信と回答の送信とを行う回答端末として機能させることが出来る。これにより、紙媒体によるアンケートに比して大幅な手間の削減が可能となった。
二次元コードを読取った情報に基づいてインターネットに接続することで、様々なオンラインアンケートを行うことが可能となる。次に、オンラインアンケートの例を挙げる。
特許文献2(特開2001−265901号公報)はオンラインアンケート手法の例である。オンラインのアンケートの場合は、ある設問の回答内容を受けて、続く設問の内容(文面や選択肢、設問の順序など)を変更することが可能であることを示している。これにより、回答の内容によって設問の分岐を行ったり、乱数的に設問を変化させたりといったことが、プログラムを構築することで容易に実現できる。
次に、バーコードとバーコードリーダとを用いて瓶の開封時刻の計測を行う技術に関して述べる。
特許文献3(特開平8−16686号公報)は飲料用の瓶容器にバーコードを貼り付けると共に、バーコード読取り機能つきの開封器(栓抜き)で瓶容器を開封すると共に在庫管理コンピュータに開封時に得られた実時間的なデータを入力することにより、瓶飲料用在庫管理システムを提供するものである。
特許文献3における発明においては、専用のバーコードリーダー付の栓抜き器を用いることにより、開封時の時刻をサーバ(在庫管理コンピュータ)に送信してその時刻を統計するという手法を用いている。
特開2005−339072号公報
特開2001−265901号公報
特開平8−16686号公報
本発明はアンケートの回答の内容と回答した時刻との双方を関連付けて統計するシステムの提供を目的とする。
更には、ある物品(主に商品)に関してアンケートを行うとともに、その回答の内容と回答した時刻との双方を関連付けて統計するシステムの提供を目的とする。
更には、ある物品(主に商品)に関してアンケートを行うとともに、その回答の内容と回答した時刻と物品の製造時刻との三つの情報を関連付けて統計するシステムの提供を目的とする。
更には、それに加えて、本発明における携帯端末が各々に固有の識別番号を備えるとすることにより、各々の携帯端末による回答内容を統計するシステムの提供を目的とする。
更には、それに加えて、二次元コードの読取によりアンケートへのアクセスを行うことにより、アンケート参加を簡便化するシステムの提供を目的とする。
更には、それに加えて、二次元コードの読取がなされた時刻を商品の開封がなされた時刻とみなす為の技術を組込むことにより、物品における製造からの経過時間に応じてアンケート回答がどのように変化するかを統計するシステムの提供を目的とするものである。
上記のような目的を達するにあたり、従来技術では以下のような課題が解決されていない。
特許文献1では、回答情報の収集に際して時刻を計測することができない。アンケートの回答を受信した時刻を把握するのみであれば容易であるが、本発明における隠蔽構造や消去機構を用いるなどして、時刻の計測を厳密にする手法に関しては記述が無い。
本発明においては、アンケートのアクセスには二次元コードを用いている。更にその二次元コードを物品に添付するなどしてその物品に関するアンケートを実施する技術を提供するものである。それに対して特許文献2は、オンラインアンケート手法に関する文献であるが、二次元コード等を用いるなどしてオンラインアンケートに対するアクセスを簡便に実現する方法に関する記述が無い。
特許文献3は瓶の開封時刻を計測し統計することにより在庫管理等に利用可能な技術の例である。しかしながら、アンケートを行いその回答を時刻と関連付けて記録するという記載がない。
本発明は上記の課題を鑑みてなされたアンケート集計及び計時システム、及び該システム中の二次元コードが添付された物品である。
請求項1記載の発明は、二次元コードを読取った際にアンケート設問を配信し、その回答が得られた時刻を計測し統計するためのシステムである。その構成は、二次元コード1と、前記二次元コード1を読取る手段を備えたコンピュータ端末であってサーバコンピュータ3と相互通信を行いアンケート設問の受信と回答の入力と回答の送信とを行う端末プログラムを備えた携帯端末2と、該携帯端末2とネットワークを介して接続されているコンピュータであってアンケート設問を生成し前記携帯端末2に送信するとともにアンケート回答を受信するサーバプログラムを備えたサーバコンピュータ3と、からなるアンケート集計及び計時システム、及び該システム中の二次元コードが添付された物品であって、前記サーバコンピュータ3は前記サーバプログラムにより、前記携帯端末2からアンケート回答を受信した時刻を取得する手段と、前記時刻と前記アンケート回答とを関連付けてデータベースに記録する手段と、を有することを特徴とする。
更には請求項2記載の発明は、前記請求項1記載の発明に加えて、夫々の携帯端末毎に回答に関する情報を集計するシステムである。その構成は前記請求項1記載のアンケート集計及び計時システム、及び該システム中の二次元コードが添付された物品であって、前記携帯端末2は更に、各々の機体に固有の識別番号2Aを備え、前記サーバコンピュータ3は前記サーバプログラムにより更に、前記携帯端末2からアンケート回答を受信する際に前記識別番号2Aを取得する手段と、前記識別番号2Aと前記アンケート回答とを関連付けてデータベースに記録する手段と、を備えることを特徴とする。
更には請求項3記載の発明は、本発明中の二次元コードをある物品(主に商品)に添付するとともに、その二次元コードを読取ることで開始されるアンケートの回答とその物品の製造年月日時刻とを関連付けて記録するシステム、及び該システム中の二次元コードが添付された物品である。このシステムにより、ある物品に関するアンケートの回答を、その物品の製造から回答送信時までの時間の経過毎に統計することが可能となる。その構成は、前記請求項1又は2記載のアンケート集計及び計時システムであって、前記二次元コード1は、物品8に添付されており、前記サーバコンピュータ3は前記サーバプログラムにより更に、前記物品8の製造年月日時刻と前記携帯端末2からアンケート回答を受信した時刻とを関連付けてデータベースに記録する手段を備えることを特徴とする。
更には請求項4記載の発明においては、アンケート回答がなされるタイミングを把握し易くするために、二次元コードを読取可能とするためには一定の操作が必要となるものとした。その構成は前記請求項3に記載のアンケート集計及び計時システム、及び該システム中の二次元コードが添付された物品であって、前記二次元コード1は更に、該二次元コード1の隠蔽と露出が自在な構造である隠蔽構造1Aを有する表示媒体に表示されていることを特徴とする。
更には請求項5記載の発明においては、二次元コードがある物品に添付されるとともに、アンケート回答が得られた時刻を、その物品が開封された時刻として統計することができるシステムとした。その構成は前記請求項4記載のアンケート集計及び計時システム、及び該システム中の二次元コードが添付された物品であって、前記物品8は、前記隠蔽構造1Aにより前記二次元コード1を露出させる操作により開封が成される構造を有することを特徴とする。
更には請求項6記載の発明においては、前記隠蔽構造に加えて、二次元コードが読取られた時刻をより厳密にするためのシステムとした。その構成は、前記請求項4又は5記載のアンケート集計及び計時システム、及び該システム中の二次元コードが添付された物品であって、前記二次元コード1は更に、隠蔽構造1Aにより露出した後に一定時間経過後に読取り不能となる消去機構1Bを備えることを特徴とする。
本発明によれば、以下のような優れた効果を発揮する。これらはいずれも従来技術では不可能であったことである。
請求項1の発明によると、アンケート回答用の端末である携帯端末2により二次元コード1を読取り読取った情報に基づいてサーバコンピュータ3にアクセスし、サーバコンピュータ3においては携帯端末2によるアクセスを受けてその携帯端末2にアンケートの設問を配信するとともにその回答が得られた時刻と回答の内容とを関連付けて記録することにより、アンケートの回答が時刻の変化によってどのような推移となるかを統計することが可能となった。
更に、請求項2の発明によると、請求項1の発明に加えて、携帯端末2は各々の機体に固有の識別番号2Aを有するとともに、サーバコンピュータ3においてはアンケート回答のなされた時刻とその内容と識別番号2Aとを関連付けて記録する手段を有する構成とした。それにより、各々の携帯端末2に対して回答の内容やその時刻を追跡することが可能となった。携帯電話を携帯端末2として用いた場合には、アンケート回答の時間による推移に加えて、個々人のアンケート回答履歴、即ちどのようなアンケートに参加しどのような回答をいつ行ったかを追跡することが可能となる。
更に、請求項3の発明によると、請求項1又は2の発明に加えて、二次元コード1が物品8に添付されているとともに、前記サーバコンピュータ3においては、アンケート回答の記録に際して、前記物品8の製造年月日と関連付けて記録することが可能となった。この発明によると、例えば、物品8を時刻の経過によって味が変化する食品(発酵食品等)であるとして消費者がその食品を食した瞬間にアンケートに参加するとした場合、物品8における時間の経過によるアンケート回答の推移を、時間の経過による味の変化として捉えることが可能となる。そのアンケート回答の推移を、食品(物品8)の鮮度管理や物流システムの改良や新商品開発の際の指標として用いることが可能となる。
更に、請求項4の発明によると、請求項3の発明に加えて前記二次元コード1はその隠蔽と露出が自在な構造である隠蔽構造1Aを有する表示媒体に表示されているものとした。例えば、二次元コード1の添付されている物品8が商品として販売されているとする。例えば、裏面に二次元コードの印刷されたシールがその商品に添付されており、そのシールを剥ぐことによって、二次元コードが露出する構造を想定する(隠蔽構造1Aに相当)。一般的に未購入の商品に対してはシールを剥ぐという行為を行うことは出来ない。従って、ここで述べた方式を採用した場合、二次元コードを読取ることによって行われるアンケートの回答は、商品の購入時或いは購入後になされたことになる。このアンケート回答の集計を購入時点での購入者の評価として統計した場合に、商品開発に対して有用な情報を得ることが可能である。
更に、請求項5の発明によると、請求項4の発明に加えて物品8は隠蔽構造1Aにより二次元コードを露出させる操作によりその開封がなされる構造であるとした。例えば、二次元コード1の添付されている物品8が商品として販売されている缶飲料であり、前記隠蔽構造1Aが図2にあるようなプルトップ構造であったとする。すると、「缶飲料(物品8)を開封せずに二次元コード1を読取ってアンケートに回答する」という行為を行うことは不可能である。従って、前記請求項4の発明を用いた場合に比して、缶飲料を飲んだ時刻とアンケートに回答した際の時刻との差をより小さくすることが可能であり、飲んだ時点での商品の評価情報が得られる。従って、商品開発に対して極めて有用な情報を得ることが可能である。
更に、請求項6の発明によると、請求項4又は5の発明に加えて前記二次元コード1は隠蔽構造1Aにより露出した後に一定時間経過後に読取不能となる消去機構1Bを備えるものとした。例えば、前段落の例においては、缶飲料(物品8)の開封後においていつでもアンケートに参加することが可能である。しかし、請求項6の発明を適応することにより、缶飲料の開封時点から二次元コード1を読取ってアンケートに参加するまでの時間をコントロールすることが可能となり、その結果としてアンケート回答における時刻情報の信頼性をより高めることが可能である。
本発明の実施例について説明する。尚、本明細書において挙げられている全ての事例はあくまで発明の実施の一形態であって、発明はその事例に何ら限定されるものではない。
本発明の一般的な実施形態について説明する。
図1は、本発明における概略を示したネットワーク図である。二次元コード1は、その露出と隠蔽が自在な構造である隠蔽構造1Aを有するとともに、露出後は一定時間経過後に読取不能となる消去機構1Bを備えている。
インターネット6は携帯端末2やその他のコンピュータ同士を接続するための通信手段である。インターネットに限らず、有線や無線によるLANやBLUETOOTHなどの通信手段など、どのような通信手段でも良い。又、全ての接続を同一の通信手段とする必要は無く、例えば、携帯端末2とサーバコンピュータ3との通信はインターネット、その他の通信は有線によるLANであるなどの構成も可能である。
携帯端末2はインターネット6を介してサーバコンピュータ3と相互に接続されているコンピュータ端末である。又、携帯端末2は、二次元コードを読取る手段を備えており、二次元コード1を読取り、エンコードされているデータをデコードして取出し、デコード結果のデータに基づいてサーバコンピュータ3への接続を行う手段を有する。携帯端末2のハードウェア構成の詳細については後述する。
使用者7は、携帯端末2の所持者である。尚、携帯端末2における固有の識別番号2Aに対してアンケート回答履歴(回答履歴とは回答の内容と回答がなされた時刻の双方を含むものとする)を追跡した場合、使用者7の回答履歴を追跡していることになる。
サーバコンピュータ3は、インターネット6を介して携帯端末2及び生産管理コンピュータ5と相互に接続されているとともに、管理データベース10と接続されておりそのデータ読出及び更新を行うコンピュータである。サーバコンピュータ3はサーバプログラムを備え、携帯端末2からのアンケート送信要求を受けた際にアンケートを携帯端末2に配信するとともに、携帯端末2から受信するアンケート回答の結果とその時刻とを記録・統計する手段を有する。記録・統計の際のデータの格納場所として管理データベース10が利用される。
生産管理コンピュータ5は、インターネット6を介してサーバコンピュータ3と相互に接続されているとともに、製造データベース11と接続されておりそのデータ読出及び更新を行うコンピュータである。更には、物品8が商品として出荷される際の情報を製造データベース11の記録を用いて管理するコンピュータである。生産管理コンピュータ5は生産管理プログラムを備え、物品8の製造の際に、物品8と二次元コード1とを関連付けて製造に記録する手段を有する。
携帯端末2の構成を表すブロック図について、図2に沿って説明する。
携帯端末2は、インターネット6を介してサーバコンピュータ3に接続し相互通信が可能である。接続の際にはネットワークインターフェース240を用いてインターネット6を介してサーバコンピュータ3に接続される。
携帯端末2は撮影部211を備え、静止画像若しくは動画の撮影が可能である。又、CPU220は撮影部制御部221を備えており、撮影部211を制御して撮影操作を行う。このとき、携帯端末2の所持者7は入力部212を操作することで撮影を行う。
更に、CPU220は二次元コードデコード部222を備える。二次元コードデコード部222は、撮影部211によって撮影された静止画若しくは動画中に二次元コードが含まれているか否かを認識し、二次元コードが含まれている場合にはその二次元コードをデコードし、エンコードされていたデータを取得する。
更に、CPU220はアンケート送信要求部223を備える。アンケート送信要求部223は、二次元コードデコード部222によって二次元コードをデコードした結果として得られたデータを元にしてサーバコンピュータ3に接続し、アンケート送信要求を行う。尚、サーバコンピュータ3への接続の際には、ROM部250に格納されている識別番号2Aがサーバコンピュータ3に送信される。
尚、二次元コードに記録されているデータであって、サーバコンピュータ3に接続するためのデータは、サーバコンピュータ3のネットワーク上でのパスを含む。このデータをURL形式としても良く、又、携帯端末2に予めパスを記憶しておいても良い。
CPU220によるこれらの処理を行うに際して、一時記憶領域としてメモリ230が利用される。
アンケート送信要求によってサーバコンピュータ3から携帯端末2に対してアンケートにおける質問が送信される。その質問の内容は表示部213に表示される。それに対する回答は所持者7が入力部212にて入力操作を行うことにより行われる。
格納部260は、質問の表示のスタイルに関する情報や、質問の履歴に関する情報を格納できる記憶領域である。質問の表示の際にはHTMLやXMLを用いてもよく、また表示するための専用のソフトウェア用いても良い。
このような携帯端末2としては、携帯電話をハードウェアとして用い、上記の機能を実現するためのプログラムを組み込むことにより容易に実現することができる。又、携帯電話に限らず、PDAやモバイルパソコンやゲーム機やデジタルカメラや電子財布などでもよく、その他どんなコンピュータであっても良い。
隠蔽構造1Aの具体例について説明する。例えば、図3は飲料用缶のプルトップ部分を用いて隠蔽構造1Aを実現した例である。この場合、二次元コード1の添付された物品8に相当するのがこの飲料用缶である。
プルトップ部800の上部にあるプルタブ801を引き上げることによりリベット803を支点として開口部802を押開ける。この操作が容器の開封である。更に、それと同時に二次元コード1の全体が外部に露出するとともに二次元コード1の上部に覆いかぶさっていた透明なフィルムである801Aがプルタブ801とともに二次元コード1から剥離する。これにより、二次元コード1は外気に触れることとなり、その顔料若しくは印刷媒体若しくはその両方が酸化し変色をし始める。そして一定以上の変色が進行すると二次元コード1は読取不能となる。
二次元コードが商品に添付されて出荷されるまでの過程を説明する。本実施例中において物品8は、商品として販売される対象であるため、商品8と記述する。又、S3000番台とS5000番台とのステップは、夫々サーバコンピュータ3と生産管理コンピュータ5との上で動作することは明らかであり、それらの動作主体が明らかである場合にはその動作主体や文章中の主語の記述を省略することがある。
開始入力を受けることにより、生産管理コンピュータ5において生産管理プログラムが開始される。
ステップS5001により、サーバコンピュータ3に対して二次元コード発行要求がなされる。このステップは、生産管理コンピュータ5は製造データベース11中に記録されている商品を商品8として、その商品8に二次元コード1を関連付けるためになされる。
サーバコンピュータ3はステップS3001において、二次元コードIDを発行する。二次元コードIDは各々の二次元コードに対して固有の番号であるため、既に発行された二次元コードIDを重複しないIDが選ばれる。
ステップS3002において、二次元コードIDを持つ二次元コードを管理するためのデータレコードを生成し、管理データベース10中に記録する。ここで、管理データベースの詳細は図5に示してある(詳細は後述)。
次に、サーバアドレスと二次元コードIDとをエンコードして二次元コード1を画像データとして生成する(ステップS3003)。
ステップS3004により、前ステップにて生成された二次元コード1を生産管理コンピュータ5に送信する。尚、このステップにおいては、サーバコンピュータ3において二次元コードのエンコードが行われているが、エンコードの操作は生産管理コンピュータ5において行っても良い。
生産管理コンピュータ5によりステップS5011において、二次元コード1を受信する。
ステップS5012により、前ステップにて受信した二次元コード1と商品8とを関連付けて製造データベース11に記録する。
この時点で商品8の出荷準備が完了したことになる。
そして商品8が出荷されるとともに、ステップS5013により、商品8が出荷されたことを出力し、その情報を製造データベース11に記録する。
次に、出荷された商品8に添付の二次元コード1が携帯端末2によって読取られ、使用者7によってアンケートの回答がなされるまでのプロセスを図5に沿って説明する。
管理データベース10の構造については図6参照のこと。図6のPKは主キー属性を示し、FKは外部キー属性を示すものとする。
まず、使用者7が携帯端末2を操作することにより端末プログラムが動作する。
ステップS2001により、携帯端末2が二次元コードを読取る。
ステップS2002により、前ステップによって二次元コード1が読取られた結果に基づいて、サーバコンピュータ3にアンケート送信要求を行う。この場合、二次元コード1には商品8に関する情報がエンコードされており、その情報を送信することにより、アンケート設問選択がなされる。この情報は商品企画104における主キー属性である。商品企画コードを含んでいる。
商品企画104はどのような商品101に対してアンケート回答の際にどのような抽選103を行うか、又それらの情報を参照するための二次元コード102はどのような二次元コードIDを持つかといったことを関連付けるレコードを備えるデータテーブルである。
又、質問セット明細107はどのような商品企画104に対してどのようなアンケート設問を行うかを関連付けるためのデータテーブルである。アンケート設問の内容やその分野、回答方法(選択式や記述式等の情報)等はアンケート設問106に規定されている。
携帯端末105は、アンケートに参加した携帯端末2のリストを作成するためのデータテーブルである。
回答明細108は、どのようなアンケート設問106に対してどのような携帯端末がどのような回答をいつ行ったのかを記録するデータテーブルである。尚、回答明細108の属性を参照し、その値がNULLであるか否かを用いる等の方法により、同じ携帯端末2で同じ二次元コード1を複数回読取って複数回の回答を行おうとしているかなどといった判別が可能である。
ステップS3101により、サーバコンピュータ3はアンケート送信要求を受信する。
ステップS3102により、初回の回答か否かによって分岐を行う。この場合の初回とは、ある二次元コード1によるアンケートに対して同じ携帯端末2が複数回の回答を行おうとしていないか、若しくはある二次元コード1によるアンケートに対して複数回の回答が行われようとしていないか、などの複数のパターンが考えられる。
ステップS3102の分岐によってその次のステップはS3103とS3104とに分岐する。
ステップS3102後にステップS3104が実行された場合を説明する。
ステップS3104より、アンケートに参加できないことを示す情報を生成し、携帯端末2に送信する。
携帯端末2はステップS2003により、アンケートに参加できないことを示す警告情報を表示し、プロセスが終了する。
ステップS3102後にステップS3103が実行された場合を説明する。
ステップS3103により、携帯端末2に送信するアンケート設問を決定する。この設問の決定の際には、予め出題パターンを設定しておいたり、乱数を用いたりといった方法が採られる。若しくは、既に集まっている回答結果の集積された情報を、設問選択の際の要因として加えることも出来る。
ステップS3105により、携帯端末2にアンケート設問を送信する。
アンケート設問が複数問ある場合に、回答を一つずつサーバコンピュータ3に送信すると、通信回線やサーバコンピュータ3における処理の負担が大きくなる。従って、複数問の回答に関するデータを一括してサーバコンピュータ3に送信しても良い。この機能は、携帯端末2に専用のソフトを組み込んでも良いし、サーバコンピュータ3から質問を送信する際にスクリプト言語によるプログラムを携帯端末2に送信しても良い。
次に携帯端末2において、ステップS2004により、受信した設問が表示される。
ステップS2005により、設問に対する回答の入力操作を受付ける。そこで、使用者7は入力操作を行い、次のステップに処理が移行する。
ステップS2006により、前ステップにて取得した回答結果を含む情報をサーバコンピュータ3に送信する。
次に、サーバコンピュータ3においてステップS3106により、アンケート設問に対する回答結果を受信する。
ステップS3107により、アンケート設問に対する回答結果と回答結果が得られた時刻とを管理データベース10に記録する。
次に抽選の処理を行う。抽選はアンケート参加者に対して行われる。その目的は、アンケート参加者の参加意欲を向上させ、より多くの回答結果を得ることにある。
ステップS3108により、抽選を実施する。当落の決定は、予め用意されたパターンに従うか、乱数を用いるか、時間を用いる、若しくはそれらの組み合わせ等の方法によって行う。
ステップS3109により、抽選結果を携帯端末2に送信する。
次に、携帯端末2において、ステップS2007により、抽選結果を表示する。この結果表示の際に、当選者に送付する商品の送り先の入力を受付けても良い。
以上で一連のプロセスが終了する。
又、本実施例においては、携帯端末2が二次元コード1を読取ってサーバコンピュータ3にアンケート送信要求を行うことによりアンケートが開始されるが、二次元コード1の役割をRFID等で代替することもできる。この場合には、携帯端末2にRFIDの読取り機能を持たせる構成にする。
本発明の構成の概略を示すネットワーク図である。
携帯端末2の構成を示すブロック図である。
本発明における隠蔽構造1Aとして缶飲料のプルトップ形状を用いた場合の平面図及び斜視図である。
二次元コードの発行プロセスを示したフローチャート図である。
二次元コード1の読取りからアンケートの回答結果が記録されるまでのプロセスを示したフローチャート図である。
管理データベース10におけるデータベース構造を示したER(ENTITY RELATION)図である。
符号の説明
1:二次元コード
1A:隠蔽構造
1B:消去機構
2:携帯端末
2A:識別番号
210:入出力インターフェース
211:撮影部
212:入力部
213:出力部
220:CPU
221:撮影部制御部
222:二次元コードデコード部
223:アンケート送信要求部
230:メモリ
240:ネットワークインターフェース
250:ROM部
260:格納部
S2001〜S2007:携帯端末2に内蔵の端末プログラムによって実行されるステップ
3:サーバコンピュータ
S3001〜S3004、S3101〜S3109:サーバコンピュータ3に内蔵のサーバプログラムによって実行されるステップ
5:生産管理コンピュータ
S5001、S5011〜S5013:生産管理コンピュータ5に内蔵の生産管理プログラムによって実行されるステップ
6:インターネット
7:使用者
8:物品
800:プルトップ部
801:プルタブ
801A:フィルム
802:開口部
803:リベット
10:管理データベース
101〜108:管理データベース10中の各々のデータテーブルを示す。
11:製造データベース
本発明は、缶容器及び該缶容器に添付された二次元コード及び二次元コードの読取りとアンケート回答とを行う携帯端末及びアンケート設問の配信と回答の収集と記録とを行うサーバコンピュータからなるアンケートと計時を行うシステムであって、アンケートの回答内容と回答した時刻との双方を統計する技術分野に関する。
まず、二次元コードと、二次元コード読取用の携帯端末としての携帯電話と、に関して述べる。
QRコード(デンソーウェーブ株式会社の登録商標)に代表される二次元マトリックス式バーコード(二次元コード)は、一次元バーコードに比して面積あたりの情報記録密度が非常に大きく、一次元バーコードでは記述しきれない量の情報を埋め込むことが可能であり、物流や生産工程の管理などの目的で利用が広まっている。
「二次元コードを読取る」とは、内蔵プログラムが撮影装置を用いて二次元コードを撮影しその結果をデータとして取得し、解析することで二次元コードをデコードし、デコード結果のデータ列を取得することを言う。携帯端末を使用する使用者がボタン操作等によってその内蔵プログラムを作動させることも「二次元コードを読取る」という表現に含まれる。一般的に、携帯電話を二次元コード読取用の携帯端末として用いた場合、読取結果のデータ列中にURL(UNIFORM RESOURCE LOCATOR)が文字列として含まれていれば、そのURLを携帯電話が自動的に認識し、使用者は一回から数回程度のボタン操作でそのURLが示すウェブページに接続することが出来る。
携帯端末がウェブページに接続された際に、そのウェブページを表示するウェブサーバを運営しているサーバコンピュータにおいては、接続を受けた時刻を取得すること及び、その時刻を記録するプログラムを作成することは一般に容易である。又、携帯端末によっては、携帯端末ID(各々の携帯端末に固有の識別番号)をサーバコンピュータにて取得することが可能である。
携帯電話の普及台数及び、二次元コードの読取が可能な携帯電話の普及台数について言及する。現在日本では、高校生又はそれ以上の年齢層においては殆どの人が携帯電話を保有している。具体的な台数の調査結果としては、電気通信事業者協会(TCA)による報告がある。それによると、平成19年2月7日の発表で、平成19年1月末日で携帯電話の契約数が累計9531万5200台、PHSが490万9300台で、携帯とPHSとの累計契約数は1億22万4500台とされている。QRコード(二次元コードの一種であることは前述)を読取ることが可能な携帯電話の普及台数は4000万台を超えたと推測されている。その為に、携帯電話と二次元コードを組み合わせた様々なシステムや方法が考案または発明されている。
二次元コードを用いたアンケートの例を挙げる。
特許文献1は二次元コードを用いたアンケートシステムの例である。二次元コードを用いたアンケートシステムを構築する際には、携帯電話等の二次元コード読取が可能な端末を用いて二次元コード読取を行い、読取った情報を元にしてインターネットに接続し、更には設問の受信と回答の送信とを行う回答端末として機能させることが出来る。これにより、紙媒体によるアンケートに比して大幅な手間の削減が可能となった。
二次元コードを読取った情報に基づいてインターネットに接続することで、様々なオンラインアンケートを行うことが可能となる。次に、オンラインアンケートの例を挙げる。
特許文献2はオンラインアンケート手法の例である。オンラインのアンケートの場合は、ある設問の回答内容を受けて、続く設問の内容(文面や選択肢、設問の順序など)を変更することが可能であることを示している。これにより、回答の内容によって設問の分岐を行ったり、乱数的に設問を変化させたりといったことが、プログラムを構築することで容易に実現できる。
次に、バーコードとバーコードリーダとを用いて瓶の開封時刻の計測を行う技術に関して述べる。
特許文献3は飲料用の瓶容器にバーコードを貼り付けると共に、バーコード読取り機能つきの開封器(栓抜き)で瓶容器を開封すると共に在庫管理コンピュータに開封時に得られた実時間的なデータを入力することにより、瓶飲料用在庫管理システムを提供するものである。
特許文献3における発明においては、専用のバーコードリーダ付の栓抜き器を用いることにより、開栓時の時刻をサーバ(在庫管理コンピュータ)に送信してその時刻を統計するという手法を用いている。
特許文献4の発明は、 QRコードを読取る機能を備えた携帯端末とサービスセンタがネットワークで接続されたシステムに関するものである。販売促進プロモーション毎に固有のIDを付与し、そのID毎にアンケート集計操作を行うことにより、各々のプロモーション毎の効果を容易に測定せしめるものである。又、前記携帯電話はサーバ装置からアンケート回答フォームを受取る手段を有し、前記サーバ装置はアンケートの回答を日時等の情報と共にデータベースに登録させる手段を有している。
特許文献5の発明は、上下二層からなるラベルであり、下層に印刷された二次元コードは上層を剥離させることにより外部露出し、始めて読取り可能となるラベルに関するものである。
特開2005−339072号公報
特開2001−265901号公報
特開平8−16686号公報
特開2006−268763号公報
特開2006−58767号公報
本発明は、二次元コードと携帯端末を用いた缶飲料に関するアンケート調査において、開缶の時刻を補足することを可能にするための二次元コード設置部の構造及び、アンケートの回答の内容と回答した時刻との双方を関連付けて統計するシステムの提供を目的とする。
特許文献1乃至5において、缶飲料において開缶時の時刻を補足するための二次元コード設置部の構造に関しては何ら記述が見られない。
本発明は上記に係る課題を鑑みてなされたものでありその構成は、缶容器におけるプルトップ部に設置された二次元コード1と、前記二次元コード1を読取る手段を備えたコンピュータ端末であってサーバコンピュータ3と相互通信を行いアンケート設問の受信と回答の入力と回答の送信とを行う端末プログラムを備えるとともに各々の機体に固有の識別番号2Aを備えた携帯端末2と、該携帯端末2とネットワークを介して接続されているコンピュータであってアンケート設問を生成し前記携帯端末2に送信するとともにアンケート回答を受信するサーバプログラムを備えたサーバコンピュータ3と、からなるアンケート集計及び計時システムであって、前記プルトップ部は、前記二次元コード1がプルタブの裏側に設置されてプルタブにより部分的に不可視となっておりプルタブを引上げて開缶が成された後にその全体像が露出する構造を有し、前記サーバコンピュータ3は前記サーバプログラムにより、前記携帯端末2からアンケート回答を受信した時刻を取得する手段と、そのアンケート回答を受信する際に前記識別番号2Aを取得する手段と、前記時刻と前記アンケート回答と前記識別番号2Aと前記缶容器の製造年月日時刻とを関連付けてデータベースに記録する手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、以下のような優れた効果を発揮する。
缶飲料のプルタブを引上げて開缶した後に、アンケート回答用の端末である携帯端末2により二次元コード1を読取り、読取った情報に基づいてサーバコンピュータ3にアクセスし、サーバコンピュータ3においては携帯端末2によるアクセスを受けてその携帯端末2にアンケートの設問を配信するとともに、その回答が得られた時刻と回答の内容とその缶飲料の製造年月日と携帯端末2に固有の識別番号とを関連付けて記録することにより、製造年月日からの経過時刻によって例えば缶飲料の味の評価に関するアンケートの回答結果がどのように変動するかを補足することが可能となり、更に製造後に缶飲料が消費されるまでの時間経過に関する統計結果を把握することが可能となり、更に各々の識別番号に関する追跡によって携帯端末2の所有者の消費動向の把握が可能となった。
本発明の実施例について説明する。尚、本明細書において挙げられている全ての事例はあくまで発明の実施の一形態であって、発明はその事例に何ら限定されるものではない。
本発明における二次元コードを設置したプルトップ部の具体例について、図1に沿って説明する。
プルトップ部800の上部にあるプルタブ801を引き上げることによりリベット803を支点として開口部802を押開ける。この操作が缶容器の開缶である。更に、それと同時に二次元コード1の全体が外部に露出し二次元コード1が読取り可能となる。例えば、外気に触れることにより、読取り不能となるインクを用いて二次元コード1を印刷しても良い。この場合は、プルタブ801の引上げにより、二次元コード1を覆っていたフィルム等を引き剥がす構造とする等の方法が考えられる。すると、プルタブ801の引上げた後に、その顔料若しくは印刷媒体若しくはその両方が酸化し変色をし始める。そして一定以上の変色が進行すると二次元コード1は読取不能となる。
本発明の一般的な実施形態について説明する。
図2は、本発明におけるネットワーク図である。二次元コード1は缶容器8におけるプルタブ801の裏側に設置されている。
インターネット6は携帯端末2やその他のコンピュータ同士を接続するための通信手段である。インターネットに限らず、有線や無線によるLANやBLUETOOTHなどの通信手段など、どのような通信手段でも良い。又、全ての接続を同一の通信手段とする必要は無く、例えば、携帯端末2とサーバコンピュータ3との通信はインターネット、その他の通信は有線によるLANであるなどの構成も可能である。
携帯端末2はインターネット6を介してサーバコンピュータ3と相互に接続されているコンピュータ端末である。又、携帯端末2は、二次元コードを読取る手段を備えており、二次元コード1を読取り、エンコードされているデータをデコードして取出し、デコード結果のデータに基づいてサーバコンピュータ3への接続を行う手段を有する。
使用者7は、携帯端末2の所持者である。尚、携帯端末2における固有の識別番号2Aに対してアンケート回答履歴(回答履歴とは回答の内容と回答がなされた時刻の双方を含むものとする)を追跡した場合、使用者7の回答履歴を追跡していることになる。識別番号としては機体番号や電話番号、メールアドレス等を使用することが出来る。
サーバコンピュータ3は、インターネット6を介して携帯端末2及び生産管理コンピュータ5と相互に接続されているとともに、管理データベース10と接続されておりそのデータ読出及び更新を行うコンピュータである。サーバコンピュータ3はサーバプログラムを備え、携帯端末2からのアンケート送信要求を受けた際にアンケートを携帯端末2に配信するとともに、携帯端末2から受信するアンケート回答の結果とその時刻とを記録統計する手段を有する。記録統計との際のデータの格納場所として管理データベース10が利用される。
生産管理コンピュータ5は、インターネット6を介してサーバコンピュータ3と相互に接続されているとともに、製造データベース11と接続されておりそのデータ読出及び更新を行うコンピュータである。更には、缶容器8が商品として出荷される際の情報を製造データベース11の記録を用いて管理するコンピュータである。生産管理コンピュータ5は生産管理プログラムを備え、缶容器8の製造の際に、缶容器8と二次元コード1とを関連付けて記録する手段を有する。
二次元コードが缶容器8に添付されて出荷されるまでの過程を図3に沿って、説明する。又、S3000番台とS5000番台とのステップは、夫々サーバコンピュータ3と生産管理コンピュータ5との上で動作することは明らかであり、それらの動作主体が明らかである場合にはその動作主体や文章中の主語の記述を省略することがある。
開始入力を受けることにより、生産管理コンピュータ5において生産管理プログラムが開始される。
ステップS5001により、サーバコンピュータ3に対して二次元コード発行要求がなされる。このステップは、生産管理コンピュータ5が製造データベース11中に記録されている商品を缶容器8としてその缶容器8に二次元コード1を関連付けるためになされる。
サーバコンピュータ3はステップS3001において、二次元コードIDを発行する。二次元コードIDは各々の二次元コードに対して固有の番号であるため、既に発行された二次元コードIDと重複しないIDが選ばれる。
ステップS3002において、二次元コードIDを持つ二次元コードを管理するためのデータレコードを生成し、管理データベース10中に記録する。ここで、管理データベースの詳細は図5に示してある(詳細は後述)。
次に、サーバアドレスと二次元コードIDとをエンコードして二次元コード1を画像データとして生成する(ステップS3003)。
ステップS3004により、前ステップにて生成された二次元コード1を生産管理コンピュータ5に送信する。尚、このステップにおいては、サーバコンピュータ3において二次元コードのエンコードが行われているが、エンコードの操作は生産管理コンピュータ5において行っても良い。
生産管理コンピュータ5によりステップS5011において、二次元コード1を受信する。
ステップS5012により、前ステップにて受信した二次元コード1と缶容器8とを関連付けて製造データベース11に記録する。
この時点で缶容器8の出荷準備が完了したことになる。
そして缶容器8が出荷されるとともに、ステップS5013により、缶容器8が出荷されたことを出力し、その情報を製造データベース11に記録する。
次に、出荷された缶容器8に添付の二次元コード1が携帯端末2によって読取られ、使用者7によってアンケートの回答がなされるまでのプロセスを図4に沿って説明する。
管理データベース10の構造については図5参照のこと。図5のPKは主キー属性を示し、FKは外部キー属性を示すものとする。
まず、使用者7が携帯端末2を操作することにより端末プログラムが動作する。
ステップS2001により、携帯端末2が二次元コードを読取る。
ステップS2002により、前ステップによって二次元コード1が読取られた結果に基づいて、サーバコンピュータ3にアンケート送信要求を行う。この場合、二次元コード1には缶容器8に関する情報がエンコードされており、その情報を送信することにより、アンケート設問選択がなされる。この情報は商品企画104における主キー属性である。商品企画コードを含んでいる。
商品企画104はどのような商品101に対してアンケート回答の際にどのような抽選103を行うか、又それらの情報を参照するための二次元コード102はどのような二次元コードIDを持つかといったことを関連付けるレコードを備えるデータテーブルである。
又、質問セット明細107はどのような商品企画104に対してどのようなアンケート設問を行うかを関連付けるためのデータテーブルである。アンケート設問の内容やその分野、回答方法(選択式や記述式等の情報)等はアンケート設問106に規定されている。
携帯端末105は、アンケートに参加した携帯端末2のリストを作成するためのデータテーブルである。
回答明細108は、どのようなアンケート設問106に対してどのような携帯端末がどのような回答をいつ行ったのかを記録するデータテーブルである。尚、回答明細108の属性を参照し、その値がNULLであるか否かを用いる等の方法により、同じ携帯端末2で同じ二次元コード1を複数回読取って複数回の回答を行おうとしているかなどといった判別が可能である。
ステップS3101により、サーバコンピュータ3はアンケート送信要求を受信する。
ステップS3102により、初回の回答か否かによって分岐を行う。この場合の初回とは、ある二次元コード1によるアンケートに対して同じ携帯端末2が複数回の回答を行おうとしていないか、若しくはある二次元コード1によるアンケートに対して複数回の回答が行われようとしていないか、などの複数のパターンが考えられる。
ステップS3102の分岐によってその次のステップはS3103とS3104とに分岐する。
ステップS3102後にステップS3104が実行された場合を説明する。
ステップS3104より、アンケートに参加できないことを示す情報を生成し、携帯端末2に送信する。
携帯端末2はステップS2003により、アンケートに参加できないことを示す警告情報を表示し、プロセスが終了する。
ステップS3102後にステップS3103が実行された場合を説明する。
ステップS3103により、携帯端末2に送信するアンケート設問を決定する。この設問の決定の際には、予め出題パターンを設定しておいたり、乱数を用いたりといった方法が採られる。若しくは、既に集まっている回答結果の集積された情報を、設問選択の際の要因として加えることも出来る。
ステップS3105により、携帯端末2にアンケート設問を送信する。
アンケート設問が複数問ある場合に、回答を一つずつサーバコンピュータ3に送信すると、通信回線やサーバコンピュータ3における処理の負担が大きくなる。従って、複数問の回答に関するデータを一括してサーバコンピュータ3に送信しても良い。この機能は、携帯端末2に専用のソフトを組み込んでも良いし、サーバコンピュータ3から質問を送信する際にスクリプト言語によるプログラムを携帯端末2に送信しても良い。
次に携帯端末2において、ステップS2004により、受信した設問が表示される。
ステップS2005により、設問に対する回答の入力操作を受付ける。そこで、使用者7は入力操作を行い、次のステップに処理が移行する。
ステップS2006により、前ステップにて取得した回答結果を含む情報をサーバコンピュータ3に送信する。
次に、サーバコンピュータ3においてステップS3106により、アンケート設問に対する回答結果を受信する。
ステップS3107により、アンケート設問に対する回答結果と回答結果が得られた時刻とを管理データベース10に記録する。
次に抽選の処理を行う。抽選はアンケート参加者に対して行われる。その目的は、アンケート参加者の参加意欲を向上させ、より多くの回答結果を得ることにある。
ステップS3108により、抽選を実施する。当落の決定は、予め用意されたパターンに従うか、乱数を用いるか、時間を用いる、若しくはそれらの組み合わせ等の方法によって行う。
ステップS3109により、抽選結果を携帯端末2に送信する。
次に、携帯端末2において、ステップS2007により、抽選結果を表示する。この結果表示の際に、当選者に送付する商品の送り先の入力を受付けても良い。
以上で一連のプロセスが終了する。
又、本実施例においては、携帯端末2が二次元コード1を読取ってサーバコンピュータ3にアンケート送信要求を行うことによりアンケートが開始されるが、二次元コード1の役割をRFID等で代替することもできる。この場合には、携帯端末2にRFIDの読取り機能を持たせる構成にする。
本発明における二次元コード設置部のプルトップ形状の平面図及び斜視図である。
本発明におけるシステム構成の概略を示すネットワーク図である。
二次元コード1の発行プロセスを示したフローチャート図である。
二次元コード1の読取りからアンケートの回答結果が記録されるまでのプロセスを示したフローチャート図である。
管理データベース10におけるデータベース構造を示したER(ENTITY RELATION)図である。
1 二次元コード
2 携帯端末
2A 識別番号
S2001〜S2007 携帯端末2に内蔵の端末プログラムによって実行されるステップ
3 サーバコンピュータ
S3001〜S3004、S3101〜S3109 サーバコンピュータ3に内蔵のサーバプログラムによって実行されるステップ
5 生産管理コンピュータ
S5001、S5011〜S5013 生産管理コンピュータ5に内蔵の生産管理プログラムによって実行されるステップ
6 インターネット
7 使用者
8 缶容器
800 プルトップ部
801 プルタブ
802 開口部
803 リベット
10 管理データベース
101〜108 管理データベース10中の各々のデータテーブルを示す。
11 製造データベース