JP2009157869A - 印刷検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】切り出した画像に対応する帳票の頁を特定することができる印刷検査装置を提供する。
【解決手段】各検査端末は、マルチフォームの1頁目を処理する場合に(S318、346、349で肯定判断)、検査領域内の文字列を解読し、ユニーク性特定領域内の文字列と正解情報とから、画像処理部から受信した画像が帳票の何頁目の画像かを判断し、マルチフォームの2頁目を処理する場合に(S318、346、349で否定判断)、画像処理部から受信した画像および画像インデクスをハードディスクに一旦保存し(S319、348、351)、頁が特定できた画像がある場合に(S368)、ハードディスクから読み出した画像の画像インデクスと既に連続帳票の何頁目の画像かが判明している画像の画像インデクスとの関係を利用して、帳票の何頁目の画像かを推定する。
【選択図】図12

Description

本発明は印刷検査装置に係り、特に、プリンタにより帳票に印刷された文字を検査する印刷検査装置に関する。
例えば、金融機関等で毎月発行される利用明細書や請求書は、印刷装置(プリンタ)でファンフォールド紙等の所定の帳票に文字(数字を含む。)や記号(以下、単に「文字」という。)が印刷され、後処理装置により帳票が切断され、更に、必要に応じて切断された帳票が折りたたまれ、インサータ装置により自動的に封筒に封入されて顧客毎に送付されている。とりわけ、利用明細書等の発行枚数が多い場合には、高精度かつ高速印刷が可能なシステムプリンタが用いられている。
ところが、システムプリンタ等の高精度のプリンタを用いても、帳票に印刷された文字の不揃い、濃度差(文字細りやカスレ、文字太りや文字潰れ)、文字抜け、文字スキューのように、プリンタの不具合、紙質、印刷環境等に起因する印刷不良が発生する。
印刷不良を防止するために、帳票内に頁画像切り出し用のマーク(スタートマーク、エンドマーク)および頁情報を有するバーコードを設け画像処理によってマークを認識して1頁毎の画像を切り出し、さらに1頁分の画像から検査領域を切り出して検査領域内の各文字の検査を行う印刷検査装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、帳票サイズを既知の情報とし、帳票の搬送量を監視して所定の搬送区間の画像を切り出す印刷システムも知られている(例えば、特許文献2参照)。
印刷検査装置や印刷システムにおける検査方法としては、帳票ページ画像のビットマップマッチング、検査領域のOCR(例えば、特許文献3参照)、または、特徴量による照合(例えば、特許文献1参照)を用いることができる。OCR検査または特徴量による照合は、帳票ページ画像の検査する領域の画像と事前に用意された検査用のデータ(正解情報)を元に合否を判定する。このため、検査にあたり、読み取った帳票ページ画像と、それを検査するための正解ページデータの紐付けが不可欠である。
このような紐付け技術としては、読み取った帳票ページ画像と正解ページデータをシーケンシャルに紐付ける技術、帳票にページ認識コードをバーコードで印字し、そのバーコードよりページを識別する技術(例えば、特許文献4参照)、帳票にページ認識コードを文字で印字し、それを画像認識してページを識別する技術、帳票にあるユニークな文字を利用してページを識別する技術などが用いられている。これらのうち、バーコード認識による紐付け(帳票にページ認識コードをバーコードで印字する技術)が信頼性や柔軟性の点で優れると云われている。
特開2007−172027号公報 特開2002−86831号公報 特開2001−283151号公報 特許第2760803号
しかしながら、上記バーコード認識による紐付けでは、ページ番号が連番である必要があり、ページ番号が連番でない場合や、マルチフォームのようにバーコードが印字されていないページがある場合には、正解ページデータと紐付けることが困難である。また、帳票が汚れていたり、印字がかすれていたりすると、バーコードが読み取れない場合もあり、このような場合の対処も考慮する必要がある。
本発明は上記事案に鑑み、切り出した画像に対応する帳票の頁を特定することができる印刷検査装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、プリンタによりマルチフォーム帳票に印刷された文字を検査する印刷検査装置において、文字列が印刷される1頁内の複数の印刷領域および頁の情報に関連付けられ前記プリンタにより前記帳票に印刷される文字の正解の情報を表す正解情報を取得する取得手段と、前記帳票を一方向に搬送する搬送手段と、前記搬送手段で搬送される帳票の画像を読み取る画像読取手段と、前記画像読取手段で読み取られた画像から所定領域の画像を切り出すとともに、該切り出した画像にシーケンシャルな画像インデクスを付与する画像切り出し手段と、前記画像切り出し手段で切り出される前記所定領域および前記印刷領域に対応して前記所定領域内の複数の領域を設定するとともに、前記所定領域内に前記プリンタにより印刷される特定のマークまたは前記帳票に予め印刷されている特定のマークの領域を設定するための設定手段と、前記判断手段の判断結果に応じて前記画像切り出し手段で切り出された画像から前記設定手段で設定されたマーク領域内に前記特定のマークが存在するか否かを判断する判断手段と、前記判断手段の判断結果に応じて前記画像切り出し手段で切り出された画像および付与された画像インデクスを記憶する記憶手段と、前記判断手段の判断結果に応じて前記画像切り出し手段で切り出された所定領域の画像から前記複数の領域内の文字列を解読する解読手段と、前記解読手段で解読された複数の領域の文字列と前記取得手段で取得された正解情報とから、前記画像切り出し手段で切り出された画像が前記帳票の何頁目の画像かを判断する頁判断手段と、を備える。
本発明では、取得手段により、文字列が印刷される1頁内の複数の印刷領域および頁の情報に関連付けられプリンタにより帳票に印刷される文字の正解の情報を表す正解情報が取得され、設定手段により、画像切り出し手段で切り出される所定領域および印刷領域に対応して所定領域内の複数の領域が設定されるとともに、所定領域内にプリンタにより印刷されるバーコードの領域が設定される。次いで、搬送手段によりプリンタで文字が印刷された帳票が一方向に搬送され、画像読取手段により搬送手段で搬送される帳票の画像が読み取られ、画像切り出し手段により画像読取手段で読み取られた画像から所定領域の画像が切り出されて該切り出された画像にシーケンシャルな画像インデクスが付与され、バーコード認識手段により画像切り出し手段で切り出された画像から設定手段で設定されたバーコード領域内にバーコードが存在するか否かが判断され、バーコード認識手段の判断結果に応じて、記憶手段により画像切り出し手段で切り出された画像および付与された画像インデクスが記憶されるか、または、解読手段により画像切り出し手段で切り出された所定領域の画像から複数の領域内の文字列が解読され、頁判断手段により解読手段で解読された複数の領域の文字列と取得手段で取得された正解情報とから、画像切り出し手段で切り出された画像が帳票の何頁目の画像かが判断されるが、バーコード認識手段による判断が肯定のときに、解読手段は画像切り出し手段で切り出された所定領域の画像から複数の領域内の文字列を解読し、頁判断手段は画像切り出し手段で切り出された画像が帳票の何頁目の画像かを判断するとともに、画像切り出し手段で付与された画像インデクスと取得手段で取得された正解情報の頁との対応関係を把握し、バーコード認識手段よる判断が否定のときに、記憶手段は画像切り出し手段で切り出された画像および付与された画像インデクスを記憶し、頁判断手段が少なくとも画像切り出し手段で切り出された1つの画像について画像切り出し手段で付与された画像インデクスと取得手段で取得された正解情報の頁との対応関係を把握した後、解読手段は、記憶手段に記憶された画像および画像インデクスを読み出して、画像切り出し手段で切り出された所定領域の画像から複数の領域内の文字列を解読し、頁判断手段は画像切り出し手段で切り出された画像が帳票の何頁目の画像かを判断する。
また、バーコード認識手段よる判断が否定のときに、記憶手段は画像切り出し手段で切り出された画像および付与された画像インデクスを、画像切り出し手段よる帳票に対する画像の切り出しが終了するまで記憶しておき、画像切り出し手段による画像の切り出しが終了し頁判断手段が画像切り出し手段で切り出された1つの画像について画像切り出し手段で付与された画像インデクスと取得手段で取得された正解情報の頁との対応関係を把握した後、解読手段は、記憶手段に記憶された画像および画像インデクスを順に読み出して、画像切り出し手段で切り出された所定領域の画像から複数の領域内の文字列を解読し、頁判断手段は画像切り出し手段で切り出された画像が帳票の何頁目の画像かを判断するようにしてもよい。
さらに、頁判断手段は、バーコード認識手段よる判断が否定のときに、記憶手段に記録された画像の画像インデクスと既に帳票の何頁目の画像かが判明している画像の画像インデクスとの差を求めることでオフセット値を算出し、該求めたオフセット値を帳票の何頁目の画像かが判明している画像の頁数に加えることで画像切り出し手段で切り出された画像が帳票の何頁目の画像かを判断することが望ましい。
また、取得手段で取得された正解情報の複数の印刷領域の文字列を組み合わせることにより、正解情報の全頁に対して各頁に印刷された文字列のユニーク性を確認するユニーク性確認手段をさらに備えるようにしてもよい。この場合に、設定手段で設定された複数の領域のうち、ユニーク性確認手段でユニーク性を確認するためのユニーク性確認領域を予め選択するための選択手段をさらに備えるようにしてもよい。このような態様では、ユニーク性確認手段は、選択手段で選択されたユニーク性確認領域により正解情報の全頁に対して各頁のユニーク性を確認する。また、ユニーク性確認手段は、取得手段で取得された正解情報の複数の印刷領域の文字列を組み合わせることにより、正解情報の全頁に対して各頁に印刷された文字列のユニーク性があるか否かを判断し、肯定判断のときに、選択手段で選択されたユニーク性確認領域の数を減らしても各頁に印刷された文字列のユニーク性があるかを判断しこの判断が肯定のときにユニーク性確認領域の数を減らし、否定判断のときに、選択手段で選択されたユニーク性確認領域に加え、設定手段で設定された複数の領域のうち選択手段で選択されていない領域をユニーク性確認領域として増やすようにしてもよい。
本発明によれば、バーコード認識手段による判断が肯定のときに、解読手段は画像切り出し手段で切り出された所定領域の画像から複数の領域内の文字列を解読し、頁判断手段は画像切り出し手段で切り出された画像が帳票の何頁目の画像かを判断するとともに、画像切り出し手段で付与された画像インデクスと取得手段で取得された正解情報の頁との対応関係を把握し、バーコード認識手段よる判断が否定のときに、記憶手段は画像切り出し手段で切り出された画像および付与された画像インデクスを記憶し、頁判断手段が少なくとも画像切り出し手段で切り出された1つの画像について画像切り出し手段で付与された画像インデクスと取得手段で取得された正解情報の頁との対応関係を把握した後、解読手段は、記憶手段に記憶された画像および画像インデクスを読み出して、画像切り出し手段で切り出された所定領域の画像から複数の領域内の文字列を解読し、頁判断手段は画像切り出し手段で切り出された画像が帳票の何頁目の画像かを判断するので、帳票がマルチフォーム、単一フォームに拘わらず、画像切り出し手段で切り出された画像に対応する帳票の頁を特定することができる、という効果を得ることができる。
以下、図面を参照して、本発明に係る印刷検査装置の実施の形態について説明する。なお、本実施形態では、プリンタで印刷された連続帳票をオフライン(プリンタによる印刷と非連動)で検査する例について説明する。
(構成)
図1に示すように、本実施形態の印刷検査装置1は、プリンタによりファンフォールド紙(送り穴付折りたたみ印刷用紙)等の連続帳票Fに印刷された画像を読み取る本体ユニット(読取ユニット)10と、連続帳票Fにプリンタで正しく文字(数字を含む。)、記号または1次元または二次元バーコード(以下、文字という。)が印刷されたかを判断する処理ユニット30と、を備えている。
図2に示すように、本体ユニット10は、略水平な搬送面10Aを有する筺体内に、連続帳票Fの両側に形成された送り穴に係合する複数の突起が形成され、連続帳票Fを一方向(図2の矢印A方向)に搬送する2本のトラクタベルト17を有している。トラクタベルト17はトラクタローラ15、16間に張架されている。なお、連続帳票Fの幅サイズに適合するように、本体ユニット10は、2本のトラクタベルト17間のトラクタ幅を調整するためのトラクタ幅調整モータTMを有している。
一方、筺体の排出口(不図示)近傍には、トラクタベルト17と共働して連続帳票Fを一方向(図2の矢印A方向)に搬送すると共に、本体ユニット10外に連続帳票Fを排出する搬送排出ローラ18、19が配置されている。トラクタローラ16および搬送排出ローラ18は駆動ローラであり、複数のギアで構成され図示を省略した駆動力伝達機構を介してステッピングモータからなる搬送モータFMからの回転駆動力が伝達される。なお、搬送排出ローラ18、19間は、連続帳票Fをセット可能なように、搬送排出ローラ19が搬送排出ローラ18に対して離間、当接の2位置間で移動可能な構造が採用されている。
トラクタローラ15、16間に張架されたトラクタベルト17の上面と、搬送排出ローラ18、19間の当接点とは略同一の高さ位置に設定されている。このため、連続帳票Fは、搬送面10Aにその裏面を摺接させて略水平に本体ユニット10の筺体内に案内され、搬送排出ローラ18、19およびトラクタベルト17間で一定の力で引っ張られることでほぼ水平状態で搬送され、搬送排出ローラ18、19により筺体外に排出される。なお、本実施形態では、連続帳票Fの最大搬送速度が1.5m/s程度に設定されている。
トラクタベルト17の上方かつ下流側(図2の左側)には、連続帳票Fの表面に印刷された画像を読み取る表面ラインスキャンカメラ11が配置されており、トラクタベルト17の下方かつ表面ラインスキャンカメラ11より若干下流側には、連続帳票Fの裏面に印刷された画像を読み取る裏面ラインスキャンカメラ13が配置されている。ラインスキャンカメラ11、13は、ケーシング内にダイクロイックフィルター、レンズおよびCCDラインセンサを有して構成されている。
ラインスキャンカメラ11、13の読取位置の両側には、それぞれ、読取位置を照射するための白色光LEDアレイ12A、12Bおよび14A、14Bが配置されている。なお、LEDアレイ12A、12B、14A、14Bの近傍には、読取位置に対し白色光をライン状に集光させるためのロッドレンズ(不図示)がそれぞれ配置されている。
また、本体ユニット10には、トラクタベルト17の上方かつ上流側に連続帳票Fが本体ユニット10にセットされているかを検出する原稿セット検出センサ21、トラクタベルト17と搬送排出ローラ18、19との間に、連続帳票Fが残留しているかを検出する残留紙検出センサ22、トラクタローラ15の回転軸に取り付けられトラクタベルト17の連続帳票Fに対する搬送量を検出するロータリエンコーダ23、2本のトラクタベルト17間のトラクタ幅を調整するためのギア(不図示)の近傍に取り付けられトラクタ幅のホームポジションを検出するトラクタ幅ホームポジション検出センサ24、搬送排出ローラ19の回転軸に取り付けられ連続帳票Fのジャムを検出するジャム検出センサ25が、それぞれ配設されている。
更に、本体ユニット10は、商用交流電源から駆動部等を駆動/作動可能な直流電源に変換する電源部(不図示)および本体ユニット10全体の動作制御を行うマイクロコンピュータ(不図示、以下、MCUと略称する。)を有している。MCUには、外部バスを介して、上述したセンサを制御するセンサ制御部、モータ駆動を制御するアクチュエータ制御部、CPUを有しラインスキャンカメラで読み取った1頁分の画像を切り出す画像処理部および処理ユニット30との通信を行うためのインターフェースが接続されている。
本体ユニット10の筺体には、連続帳票Fをセットすると共に、点検、修理用の複数の開放扉が設けられている。なお、本体ユニット10の下流側には、連続帳票Fを折りたたむ折りたたみ装置50、折りたたみ装置50の折りたたみ速度と本体ユニット10の連続帳票Fの搬送速度とを調整するためのバッファとなるループ台40が、ループ台40、折りたたみ装置50の順に配置されている。
図1および図3に示すように、処理ユニット30は、筐体内に配置された検査サーバ31と複数台の同一仕様のコンピュータからなる検査端末32(32A、32B、32C、32D、32E)とで構成されている。換言すれば、処理ユニット30は、図1に示すように、機構的には検査サーバ31および検査端末32を収容したラックであり、図3に示すように、機能的には、プリンタにより連続帳票Fに正しく文字が印刷されたかを判断するコンピュータ群である。なお、図3は、この機能面を中心に、コンピュータ単位で表した図1の等価ブロック図である。
図1に示すように、処理ユニット30の上部には検査サーバ31のディスプレイ31Aが配置されており、ディスプレイ31Aの両側には複数の操作ボタン31B(図3の検査サーバ31のキーボードに相当)が配置されている。検査サーバ31の下部には検査端末32が配置されている。また、図3に示すように、検査サーバ31、各検査端末32、本体ユニット10は、それぞれ相互間が通信回線で接続されている。
図4に示すように、本体ユニット10のインターフェースは、制御回路20、シリアライザーおよびデシリアライザーを有するキャプチャーボード10Bを有している。一方、各検査端末32には、制御回路34(34a、34b、34c、34d、34e)、シリアライザー、デシリアライザーおよび2頁分のページメモリを有するインターフェースボード33(33a、33b、33c、33d、33e)が配置されている。本体ユニット10のキャプチャーボード10Bと各検査端末32のインターフェースボードとは、キャプチャーボード10Bを最上流として通信回線を介してデージーチェーン状に接続されている。このため、本体ユニット10は、処理待ちの検査端末32に画像データ等を送信することができる。
(連続帳票)
次に、本実施形態の印刷検査装置1の検査対象となる連続帳票Fについて説明する。なお、以下、説明を簡単にするために、連続帳票Fは、図3に示すように、印刷サーバ60で制御されるシステムプリンタ70で印刷されたものとして説明する。
図5に示した連続帳票Fは利用明細書として使用される一例を模式的に示しており、連続帳票Fには、システムプリンタ70により利用明細書の内容を構成する文字列が印刷される。本実施形態では、図5に一点鎖線で示した検査領域EF内の文字が印刷検査装置1により検査される検査対象文字となる。また、検査可能領域RF内に、一次元や二次元バーコードが印刷されるバーコード領域BCも設定されており、検査対象はこのようなバーコードであってもよい。なお、本実施形態では、連続帳票Fの裏面側にも同様に印刷されるが、検査領域EFは表面側と異なる領域に設定可能である。
ここで着目すべき点は、上述した特許文献1の技術と比較して、(1)連続帳票Fの各頁に、本体ユニット10が連続帳票Fの画像を頁単位で読み取れるように、各頁の開始を表す開始マーク、各頁の終了を表す終了マーク、システムプリンタ70による連続帳票Fに対する頁情報がコーディングされたバーコード等が印刷されていない点、(2)連続帳票Fがマルチフォーム帳票である点、および、(3)バーコード領域BCが検査可能領域RF内に配置されている点である。ここで、マルチフォームとは、複数フォームで1単位を形成するフォームをいい、本例では、マルチフォームの2頁目を形成するフォーム(図5の下側のフォーム)が、マルチフォームの1頁目を形成するフォーム(図5の上側のフォーム)に対して、例えば、顧客を特定する検査領域(住所、氏名、顧客コード)、バーコード領域、自動振替金額の検査領域を欠いている点で異なっている。
(動作)
次に、本実施形態の印刷検査装置1の動作について、辞書作成処理、帳票登録処理、印刷検査処理の順に説明する。なお、辞書作成処理および帳票登録処理は印刷検査装置1による連続帳票Fの印刷検査処理を行う前に実行される。
<辞書作成処理>
辞書作成処理について一言すれば、システムプリンタ70により連続帳票Fに印刷され得る文字のそれぞれの特徴量を演算し、演算した特徴量と文字(情報)との対応関係を定めた辞書を作成するものであるが、詳しくは以下の通りである。
まず、印刷サーバ60は、システムプリンタ70により連続帳票Fに印刷され得る全ての文字のコード、フォントおよびフォントサイズを含む文字情報に対応して所定形式で辞書作成用の専用連続帳票(以下、辞書作成用連続帳票という。)に文字列を印刷させる。本実施形態では、この辞書作成用連続帳票に、図5に示した連続帳票Fとは別の予め所定文字が印刷されていない略無地、かつ、連続帳票Fと同紙質の連続帳票が用いられ、所定形式として、各行に辞書作成用の文字が印刷されることを示す識別マーク、1文字の大きさが分かる参照用文字、フォント毎に複数のフォントサイズの文字を印刷し、一つのフォントサイズに対して2個以上の文字を印刷する形式が用いられている。なお、この「所定形式」は、システムプリンタ70により辞書作成用連続帳票に文字情報を構成する全ての文字がどのように印刷されているかが処理ユニット30側でも把握可能なプトロコルを意味している。
次に、印刷サーバ60により、システムプリンタ70で辞書作成用連続帳票に印刷され得る全ての文字のコード、フォントおよびフォントサイズを含む文字情報が上述した所定形式に適合するように記録媒体に書き込まれ、記録媒体を介して文字情報が検査サーバ31に入力される。検査サーバ31は文字情報を各検査端末32に送信し、各検査端末32はハードディスクに文字情報を格納する。これにより、辞書作成処理の準備が完了する。一般に、利用明細書や請求書となる連続帳票Fに印刷される文字のフォントおよびフォントサイズは限定されているため、印刷サーバ60が記録媒体に記録する情報量はそれ程大きくはならない。従って、上述した「印刷され得る全ての文字」はシステムプリンタ70が印刷可能な全ての文字を意味するものでなく、連続帳票Fに印刷されないフォント、フォントサイズの文字は除かれる意味であるが、記録媒体に余裕がある場合にはシステムプリンタ70が印刷可能な全ての文字を記録するようにしてもよい。
オペレータにより、システムプリンタ70で印刷された辞書作成用連続帳票が本体ユニット10にセットされ、操作ボタン31Bのうち所定ボタン(プレフィードボタン)が押下されると、印刷検査装置1は辞書作成用連続帳票を所定距離搬送するためのプレフィードを開始する。
すなわち、処理ユニット30(検査サーバ31)からプレフィードのコマンドを受信した本体ユニット10のMCUは、LEDアレイ12A、12Bおよび14A、14Bを点灯させると共に、アクチュエータ制御部を介して搬送モータFMを駆動させる。これにより、辞書作成用連続帳票は図2の矢印A方向に一定速度で搬送され、ラインスキャンカメラ11、13は辞書作成用連続帳票の画像読取を開始する。また、MCUは、センサ制御部からの信号を参照して、辞書作成用連続帳票のジャム等の監視を開始する。
本体ユニット10の画像処理部(のCPU)は、表面ラインスキャンカメラ11からの出力を監視することで辞書作成用連続帳票の先端部が読取位置まで搬送されたか否かを判断しており、肯定判断のときにはその旨を本体ユニット10のMCUに報知し、否定判断のときには辞書作成用連続帳票の先端部が読取位置まで搬送されたか否かの判断を続行する。この報知を受けた本体ユニット10のMCUは、アクチュエータ制御部を介してなおも所定パルス数搬送モータFMを駆動させた後、搬送モータFMの駆動を停止させる。これにより、辞書作成用連続帳票の先端部は表面ラインスキャンカメラ11の読取位置から所定距離(例えば、3m)搬送される(プレフィードされる)。オペレータは、辞書作成用連続帳票のプレフィード搬送が終了した後に(辞書作成用連続帳票の先端部が本体ユニット10からループ台40に排出され停止した後に)、辞書作成用連続帳票の先端部を折りたたみ装置50にセットする。次いで、オペレータにより、操作ボタン31Bのうち所定ボタン(辞書作成処理ボタン)が押下されると、本体ユニット10のMCUは搬送モータFMを再度駆動させ、印刷検査装置1は辞書作成処理を開始する。なお、本体ユニット10のMCUはアクチュエータ制御部を介して搬送モータFMに出力した搬送パルス数を画像処理部(のCPU)にも報知している。
本体ユニット10の画像処理部(のCPU)は、搬送モータFMの搬送量管理(本例では連続帳票Fの先端部の位置を基準として、アクチュエータ制御部から出力された搬送パルス数をカウントすること)によって、概略の位置で1頁分の画像を切り出して、切り出した画像にシーケンシャルな画像インデクス(例えば、画像ナンバー)を付与し、切り出した1頁分の画像データと画像インデクスとをキャプチャーボード10Bの制御回路20に出力する。
一方、各検査端末32のインターフェースボード33の制御回路34は、本体ユニット10のキャプチャーボード10Bの制御回路20に対し、所定のレスポンス(応答)と各検査端末32の作動状態を表す状態情報を含むレポートの作成を行っている。レスポンスは、キャプチャーボード10Bが各検査端末32のインターフェースボード33に対して発行する初期化や画像データ転送等のコマンドを実行した結果の状態報告であり、レポートは、ページメモリの使用終了等の各検査端末32の作動状態が変わる度に制御回路34により自律的に作成される報告である。これらのレスポンスおよびレポートは、下流側の検査端末のインターフェースボードから上流側の検査端末のインターフェースボードに向けてキャプチャーボード10Bまで送信され、中間の(上流側の)検査端末のインターフェースボード(の制御回路)は、下流側のインターフェースボードが送信したレスポンスおよびレポートをキャプチャーボード10Bが受信可能なように、より上流側のインターフェースボードまたはキャプチャーボード10Bにレスポンスおよびレポートを転送する。
このため、キャプチャーボード10Bの制御回路20は、各検査端末32のインターフェースボード33からのレスポンスおよびレポートにより、各検査端末32の作動状態を把握することができる。従って、キャプチャーボード10Bは、検査端末32のうちいずれかの検査端末が1頁分の画像データ等(1頁分の画像データ、画像インデクス)を受信可能な状態になる度に、所定条件に基づいて送信先(処理待ちの検査端末)を決定し、決定した検査端末のインターフェースボードに画像処理部から出力された1頁分の画像データ等を送信する。すなわち、キャプチャーボード10Bから各検査端末のインターフェースボード33に送信する際に、検査端末に割り振られたユニークナンバーを指定して、1頁分の画像データ等を送信する。各検査端末32のインターフェースボード33の制御回路34は、指定されたユニークナンバーが自己のナンバーと一致するか否かを判断し、一致するときには、1頁分の画像データ等を取り込み、一致しないときは、下流側のインターフェースボードに受信した1頁分の画像データ等を転送する。
本実施形態では、上述した所定条件として、キャプチャーボード10Bがn番目の検査端末に画像データ等を送信すると決定する場合に、(1)1番目から(n−1)番目の検査端末がページメモリの1頁目を使用してすべて稼働中であって、n番目の検査端末がページメモリの1頁目を使用して稼働していないとき、または、(2)すべての検査端末がページメモリの1頁目を使用してすべて稼働中、かつ、1番目から(n−1)番目の検査端末がページメモリの2頁目を使用して稼働中であり、n番目の検査端末がページメモリの2頁目を使用して稼働していないとき、を条件としている。
各検査端末32は、受信した1頁分の画像データの画像について、まず、当該頁がブランクか文字等が印刷された頁かの判断を行うブランクチェックを行う。すなわち、1頁分の画像領域または1頁分の画像領域のうち所定領域(例えば、図5の顧客住所の検査領域)の黒の割合が所定値以上のときに(汚れやゴミによって生じる黒の割合以上のときに)、当該頁は文字等が印刷された頁と判断し、黒の割合が所定値未満のときに、当該頁はブランクであると判断する。当該頁がブランクであると判断したときは、当該頁について処理を行う必要はないので、次の1頁分の画像データの送信があるまで待機する。
一方、文字等が印刷された頁と判断したときは、各検査端末32は、更に、ブランクでない、当該検査端末に送信された最初の頁の画像データか否かを判断し、否定判断のときは後述する文字画像の切り出しを行い、肯定判断のときは検査サーバ31にブランクでない当該検査端末に送信された最初の頁の画像データに対応する画像インデクスを報告する。検査サーバ31は、全検査端末32からの報告(ブランクでない最初の頁に対応する画像インデクス)を参照することにより、辞書作成用連続帳票の第1頁(実際に文字等が印刷された第1頁)と画像インデクスとの対応関係を把握し、把握した対応関係を各検査端末32に報知する。これにより、各検査端末32は特徴量を演算した辞書作成用連続帳票の物理的頁と画像インデクスとの対応関係を知ることができる。なお、画像インデクスはシーケンシャルであるため、一旦画像インデクスと辞書作成用連続帳票の物理的頁との対応関係が分かると、各検査端末32は画像インデクスにより何頁の処理を行っているかを把握することができる。
また、各検査端末32は、文字等が印刷された頁と判断したときには、受信した1頁分の画像データの画像から一文字ずつ文字画像を切り出して、切り出した文字画像にシーケンシャルな文字画像インデクス(例えば、文字画像ナンバー)を付与し、切り出した文字画像の画像データ、文字画像インデクスおよび上述した画像インデクスをハードディスクに保存する。
なお、文字画像の切り出し開始前に、各検査端末32が辞書作成用連続帳票の物理的頁と画像インデクスとの対応関係について検査サーバ31から報知があれば、文字画像インデクスを用いる必要はなく、ハードディスクに格納された文字情報をインデクスとして用いることができる。しかし、処理タイミングの関係で、必ずしも文字画像の切り出し前に各検査端末が辞書作成用連続帳票の物理的頁と画像インデクスとの対応関係を検査サーバ31から報知されるとは限らない。このため、各検査端末32は、暫定的に、切り出した画像の画像データに文字画像インデクスを付与しておき、各検査端末32が辞書作成用連続帳票の物理的頁と画像インデクスとの対応関係を検査サーバ31から報知された時点で、文字画像インデクスと文字情報との対応をとり、以降、文字情報をインデクスとして使用する。
次いで、切り出した文字画像および文字画像インデクス(または文字情報)をハードディスクから1文字分ずつ読み出して、例えば、5×5の小領域に分割し8方向(45°)を基準ベクトルとしたときの、各小領域の画像形成方向の傾きについての特徴ベクトルを演算して各特徴ベクトルに重み係数を掛けた特徴量を演算する。なお、5×5の小領域に分割し8方向の基準ベクトルを用いた場合には1文字について200の特徴空間が形成されることになり、重み係数は、例えば、文字の外側部を構成する小領域の特徴ベクトルほど大きくなるように設定することができる。また、本実施形態では、同一文字(コード、フォントおよびフォントサイズが同じ文字)について辞書作成用連続帳票に2個以上の文字が印刷されているので、各検査端末32は、例えば、1頁分の文字の切り出し後、かつ、各切り出された文字の特徴量の演算開始前までに、文字画像インデクスと文字情報との対応を図り、同一文字について平均した特徴量を演算する。各検査端末32は、受信した1頁分の文字の特徴量を演算すると、文字情報をインデクスとして、文字情報、特徴量、文字の画像データを1文字ずつ対応付けて(1頁分の辞書を作成し)、画像インデクスと共に、検査サーバ31に送信する。
検査サーバ31は、1台以上の検査端末32が作成した辞書を受信し、検査端末が作成した複数の辞書を1つの辞書に再構築する。この辞書は、特徴量として追加される追加特徴量(後述)を複数持つことができるデータ構造を有している。次に、検査端末32から受信した画像インデクスを参照して、記録媒体を介して入力された文字情報を構成する全ての文字について、文字情報、特徴量および画像データの対応関係が定められたか(全ての文字について辞書が作成されたか)否かを判断し、否定判断のときには、残りの辞書の部分を作成するために、処理待ち状態の(特徴量等を検査サーバ31に送信した)検査端末32に、更に、1頁分の画像データ、印刷処理情報および当該頁の文字情報を送信し、肯定判断のときは、各検査端末32に、作成した辞書について検証させる。
すなわち、検査サーバ31は、作成した辞書のうち、数十文字分の文字情報、特徴量、画像データおよび当該画像データの画像より低い解像度の解像度情報を各検査端末32に送信する。各検査端末32は、受信した画像データから解像度情報に従って解像度を下げた画像を生成し、生成した画像を上述した所定小領域に分割し8方向を基準ベクトルとしたときの、各小領域の画像形成方向の傾きについての特徴ベクトルを演算して各特徴ベクトルに重み係数を掛けた特徴量を演算する。次に、演算した特徴量が受信した特徴量に対して予め設定された検証基準値以上か否かを判断する。肯定判断のときは、検証対象の文字の特徴量が適正である旨を表す情報を文字情報に付加し、否定判断のときは、検証対象の文字の特徴量が不適正である旨を表す情報を文字情報に付加し、数十文字分の文字についての処理が終了したときに、検査サーバ31に文字情報を送信する。
検査サーバ31は、作成した辞書の全ての文字について文字情報を受信したか否かを判断し、否定判断のときは、処理待ち状態の検査端末32に、更に、数十文字分の文字情報、特徴量、画像データおよび解像度情報を送信し、肯定判断のときは、各文字情報に付加された情報を参照することで、特徴量が不適正と判断された文字があるか否かを判断する。特徴量が不適正と判断された文字がないと判断した場合は、作成した辞書に辞書名を付与し、作成した(文字情報、特徴量、画像データ間の対応関係を定めた)辞書の内容をハードディスクに保存すると共に、各検査端末32に、作成した辞書のうち文字情報と画像データとの対応関係の情報を除く辞書の情報と辞書名とを送信して辞書作成処理を終了し、特徴量が不適正と判断された文字があると判断した場合は、当該文字について、検査端末32に検証基準値を変更させて(下げさせて)、作成した辞書の全ての文字の特徴量が適正と判断されるまで続行し、(変更した)検証基準値を後述する判定基準値として設定して(辞書の付属情報として予め設定されていた判定基準値のデフォルト値を変更して)、作成した辞書に辞書名を付与し、作成した辞書の内容をハードディスクに保存すると共に、各検査端末32に、作成した辞書のうち文字情報と画像データとの対応関係の情報を除く辞書の情報と辞書名とを送信して辞書作成処理を終了する。各検査端末32は、受信した辞書の情報および辞書名をハードディスクに保存する。
<帳票登録処理>
次に、帳票登録処理について説明する。帳票登録処理について一言すれば、文字が適正に印刷されたかの検査対象となる検査領域、検査領域を切り出すための基準となる基準位置認識領域、検査領域のうち特定の領域に印刷された文字列のユニーク性を利用して切り出された画像が何頁目の画像かを把握するためのユニーク性特定領域、一次元または二次元バーコードが印刷されるバーコード領域を設定するものであるが、詳しくは以下の通りである。
[基準位置認識領域の設定]
画像処理部のCPUは、上述した搬送量管理に従って、本体ユニット10で読み取られた連続帳票Fの1頁分の画像データをキャプチャーボード10Bの制御回路20に出力する。ここで、図6を参照して、基準位置認識領域の設定について説明する。図6に示すように、搬送量管理によって切り出される1頁分の画像領域をIAとすると、基準位置認識領域の設定では、例えば、画像領域IAの基準座標位置R(0,0)と、(罫線の一部)「┏」(以下、マーク「┏」という。)の座標位置(X,Y)との関係が設定される。搬送量管理により画像を切り出すと、連続帳票Fの先端がトラクタベルト17のピンで保持されていないため弛みが発生しやすく、弛み分だけ連続帳票Fと搬送量とに不一致が発生する(不一致分が毎頁発生する)ため、マーク「┏」を中心とした略正方形の第1基準位置認識領域RPF1および第1基準位置認識領域RPF1より小さい第2基準位置認識領域RPF2が設定される。具体的には、オペレータが操作ボタン31Bのうち所定ボタン(基準位置設定ボタン)を押下することにより、ディスプレイ31には1頁分の画像データおよび位置を入力するためのインプットボックスが表示され、オペレータは検査可能領域RFの隅部を形成するマーク「┏」を特定するとともに、インプットボックスに、順次、基準座標位置R(0,0)、マーク「┏」の座標位置(X,Y)、第1基準位置認識領域RPF1、第2基準位置認識領域RPF2の大きさ(座標)を入力する。連続帳票Fの作製時に、基準座標位置R(0,0)と検査可能領域RFの隅部を形成するマーク「┏」の座標位置(X,Y)との関係は既知である(本例では、搬送量誤差を考慮して、基準座標位置Rの位置を連続帳票の1頁の境を形成するミシン目からX、Y方向ともに3mmの位置としている。)。また、第1基準位置認識領域RPF1は弛み分の不一致を吸収可能な大きさが予め定められており(ディスプレイ31に表示され)、オペレータはこの大きさ以上に第1基準位置認識領域RPF1を設定する。なお、本例では、マルチフォームの2頁目を形成するフォームの検査領域RFの隅部を形成するマーク「┏」の位置および検査可能領域RFの位置もマルチフォームの1頁目を形成するフォームの検査領域RFの隅部を形成するマーク「┏」の位置および検査可能領域RFの位置と同じ位置に印刷されているが、両者が異なる場合には、画像領域IAの基準座標位置R(0,0)と、検査可能領域RFの隅部を形成するマーク「┏」の座標位置(X,Y)および検査可能領域RFの座標位置との関係を別に設定すればよい。
キャプチャーボード10Bの制御回路20は、本体ユニット10で読み取られた連続帳票Fの1頁分の画像データを上述したように任意の検査端末32に出力する。一方、検査サーバ31は、当該検査端末32に検査可能領域RFの隅部を形成するマーク「┏」のパターン情報を取得する。これにより、検査サーバ31は、基準座標位置R(0,0)、検査可能領域RFの隅部を形成するマーク「┏」のパターン情報、マーク「┏」の座標位置(X,Y)並びに第1基準位置認識領域RPF1、第2基準位置認識領域RPF2の座標を把握する。
[検査領域の設定]
また、検査サーバ31は、検査可能領域RFの隅部を形成するマーク「┏」の座標位置(X,Y)を基準に、検査可能領域RF(図5参照)を含むように画像を切り出して倍率補正を行いディスプレイ31Aに切り出した画像を表示させ、オペレータによる検査可能領域RFおよび検査領域EFの指定があるまで待機する。オペレータは、操作ボタン31B(または、検査サーバ31にログインした外部コンピュータ)により、まず、検査可能領域RFを指定した後、検査領域EFを順次指定し、検査サーバ31はマーク「┏」の座標位置(X,Y)として検査可能領域RFおよび検査領域EFの位置情報を取得する。なお、本例では、マルチフォームの1頁目および2頁目の検査領域EFの座標位置が異なるため、検査領域EFの座標位置の情報の他に、1頁目か2頁目を区別するための情報も併せて取得する。
検査サーバ31は検査領域EFの指定を終了する旨の操作ボタンが押下されたか(または、外部コンピュータから指定を終了するためのコマンドを受信したか)否かを判断し、否定判断のときは、検査領域EFが続けて指定される可能性があるため待機し、肯定判断のときは、取得した検査可能領域RFおよび検査領域EFの位置情報をハードディスクに格納する。
[ユニーク性特定領域の設定]
検査サーバ31は検査領域EFの指定がなされた後、指定された検査領域EFの大きさ(領域面積)を算出し、例えば、面積の小さい順の検査領域EFについてのリストを作成する。次いで、検査領域設定の場合と同様に、検査可能領域RFを含む画像の倍率補正を行いディスプレイ31Aに表示させ、オペレータによるユニーク性特定領域の特定があるまで待機する。オペレータは、操作ボタン31B(または、検査サーバ31にログインした外部コンピュータ)により検査領域EFの中からユニーク性特定領域を少なくとも1つ特定し、検査サーバ31は検査領域EFの中から特定されたユニーク性特定領域の情報を取得する。ユニーク性特定領域としては、例えば、ユニーク性を確保しやすいマルチフォームの1頁目の顧客コード(図5の「050216780」)の領域を選択することができる。
検査サーバ31はユニーク性特定領域の特定を終了する旨の操作ボタンが押下されたか(または、外部コンピュータから特定を終了するためのコマンドを受信したか)否かを判断し、否定判断のときは、ユニーク性特定領域が続けて特定される可能性があるため待機し、肯定判断のときは、面積の小さい順の検査領域EFについてのリストと特定されたユニーク性特定領域の情報をハードディスクに格納する。
[バーコード領域の設定]
検査サーバ31は、検査領域設定の場合と同様に、検査可能領域RFを含む画像の倍率補正を行いディスプレイ31Aに表示させ、オペレータによるバーコード領域BCの指定があるまで待機する。オペレータは、操作ボタン31B(または、検査サーバ31にログインした外部コンピュータ)によりバーコード領域BCを指定し、検査サーバ31はマーク「┏」の座標位置(X,Y)としてバーコード領域BCの位置情報を取得する。なお、本例では、マルチフォームの1頁目のみにバーコード領域BCが指定され、2頁目にはバーコード領域BCは指定されない。
検査サーバ31はバーコード領域BCの指定を終了する旨の操作ボタンが押下されたか(または、外部コンピュータから特定を終了するためのコマンドを受信したか)否かを判断し、否定判断のときは、バーコード領域BCが続けて特定される可能性があるため待機し、肯定判断のときは、バーコード領域BCの位置情報をハードディスクに格納する。なお、上記では、説明を明瞭にするために、検査領域の設定、ユニーク性特定領域の設定およびバーコード領域の設定を順次行う例を示したが、まとめて行うようにしてもよい。
[登録帳票情報]
検査サーバ31は、検査領域EF等が指定された連続帳票Fに登録帳票名を付与し、切り出した連続帳票Fの画像データ、検査可能領域RFの隅部を形成するマーク「┏」の特徴量、基準座標位置Rに対するマーク「┏」の位置情報(X,Y)、第1基準位置認識領域RPF1、第2基準位置認識領域RPF2の位置情報、検査可能領域RFおよび検査領域EFの位置情報、検査領域EFの中から特定されたユニーク性特定領域についての情報、バーコード領域の位置情報および面積の小さい順の検査領域EFについてのリストを登録帳票名と関連付けてハードディスクに格納する(以下、この情報を登録帳票情報という。)。
上述した登録帳票名には、オペレータが識別容易な名称を併せて付加することができ、例えば、オペレータは操作ボタン31Bを操作して(または、外部コンピュータから検査サーバ31にログインして、以下同じ。)登録帳票名に付加された名称を指定することにより、ディスプレイ31Aに検査領域EF等を表示させることができる。なお、図5では、マルチフォームの1頁目に検査領域EFが10箇所、バーコード領域BCが1箇所、マルチフォームの2頁目に検査領域EFが12箇所指定された例を示している。
<印刷検査処理>
[検査ジョブデータ]
次に、印刷検査処理について説明する。この印刷検査処理に先立って、印刷サーバ60は、システムプリンタ70に印刷データを出力して連続帳票Fにオペレータが所望する文字列を印刷させると共に、システムプリンタ70に出力した印刷データを基礎として、検査ジョブデータ(正解情報)を作成し、記録媒体に出力する。図7は、検査ジョブデータのデータ構造の一例を示したものである。検査ジョブデータには、辞書名および登録帳票情報(登録帳票名)を特定するための情報(プリンタを識別するためのコード、帳票を識別するためのコード)の他に、ページ番号、バーコードの有無、連続帳票Fのデータ(幅や1頁の長さ)、システムプリンタ70による連続帳票Fに対するジョブおよび各頁を特定するための情報や上述した文字情報が含まれている。
オペレータは、操作ボタン31Bを操作して、検査サーバ31に、印刷サーバ60で作成され記録媒体に記録された検査ジョブデータを読み取らせる(図13のステップ402、404)。検査サーバ31は、検査ジョブデータを読み取ると、読み取った検査ジョブデータをハードディスクに保存する。
[ユニーク性特定領域による頁ユニーク性の確保]
次に、検査サーバ31は、ハードディスクに保存した登録帳票情報のうちユニーク性特定領域の位置情報により、ハードディスクに保存した検査ジョブデータにおける、対応する領域のフィールド番号(図7参照)を特定し、当該フィールド番号におけるデータに頁単位で一致する(同一の)データがないか否かを判断する。マルチフォーム帳票でない同一フォーム帳票の場合、顧客コードがユニーク性特定領域として特定されているときは、一致するデータがなければ、検査ジョブデータにおける顧客コードに対応するページ番号(図7参照)を参照することにより、切り出された画像が何頁目のものかが分かる。しかし、例えば、同じ顧客に対して利用代金明細書が複数組発行される場合(例えば、先月分の決済がなされていないため、先月分と今月分の利用代金明細書を送付する場合)は、異なる頁に同一の顧客コードが印刷されているため、頁を特定することができない。このため、上述したユニーク性特定領域の設定処理では、通常、顧客コードに加え、他のユニーク性特定領域も特定される。図9は、アンダーラインを付した、顧客コードを示す検査領域EF3、利用日を示す検査領域EF5、EF7、利用金額を示す検査領域EF6、EF8が、検査領域のうちユニーク性特定領域として特定された例を示している。一方、ユニーク性特定領域の数が増えれば、頁単位のユニーク性の確保が可能な反面、処理時間が増加する。なお、マルチフォーム帳票を使用する場合には、図5に示したように、顧客コードが印刷されない頁の対応も図る必要があるが、それについては後述する。
このため、検査サーバ31は、ステップ406において、まず、検査ジョブデータを参照して、バーコードが印刷された頁(マルチフォームの1頁目)か否かを判断し(図14も参照)、肯定判断された頁について、ユニーク性特定領域に対応する複数のフィールド番号における文字列(データ)の組合せが頁単位でユニーク性があるか否かを判断する。例えば、図9の例では、顧客コードを示す検査領域EF3の他に、検査領域EF5〜EF8がユニーク性特定領域として特定されているため、異なる頁に同一の顧客コードが印刷されていたとしても(領域単位の文字列でユニーク性が確保できなくても)、検査領域EF3、EF5〜EF8の組合せにより、同一の顧客コードを有する他の頁と区別可能である(頁単位でユニーク性を確保できる。)。否定判断のときは、ディスプレイ31Aに、特定されたユニーク性特定領域では頁のユニーク性が確保できない旨を表示すると共に、面積の小さい順の検査領域EFについてのリストを参照し、ユニーク性特定領域以外の検査領域EFについて面積の小さい順に(図9に示すように、同じ面積の検査領域EFが複数ある場合には、例えば、検査領域EFの番号の若い順に)、1つずつ、検査ジョブデータにおけるフィールド番号を特定しフィールド番号の数を増やして(例えば、ユニーク性特定領域に検査領域EF9を追加される場合には、検査領域EF9に対応する検査ジョブデータにおけるフィールド番号を増やして)、増加したフィールド番号における文字列(データ)を含めて頁単位でユニーク性を確保できるまで繰り返し、ディスプレイ31Aに、ユニーク性特定領域を追加した旨を表示すると共に、登録帳票情報のユニーク性特定領域についての情報に、増加したフィール番号に対応するユニーク性特定領域についての情報を追加し、面積の小さい順の検査領域EFについてのリストを削除することで更新した登録帳票情報(以下、更新登録帳票情報という。)をハードディスクに保存する。一方、肯定判断のときは、更に、ユニーク性特定領域(フィールド番号)の数を減らしても(例えば、ユニーク性特定領域として図9の検査領域EF6、EF8を減らしても)頁単位のユニーク性の確保が可能か否かを判断し、この判断が否定のとき(ユニーク性を確保できないとき)には、登録帳票情報から面積の小さい順の検査領域EFについてのリストを削除した更新登録帳票情報をハードディスクに保存し、この判断が肯定のとき(ユニーク性を確保できるとき)には、登録帳票情報のユニーク性特定領域についての情報に、減少したフィール番号に対応するユニーク性特定領域についての情報を削除する(例えば、検査領域EF8をユニーク性特定領域として扱わない)とともに、面積の小さい順の検査領域EFについてのリストを削除した更新登録帳票情報をハードディスクに保存する。
次いで、検査サーバ31は、検査ジョブデータおよび更新登録帳票情報を各検査端末32に送信する(ステップ408)。各検査端末32は、検査ジョブデータ等の送信があると、受信し検査ジョブデータ等をハードディスクに保存する(図12のステップ302、304)。これにより、処理ユニット30(検査サーバ31および各検査端末32)側の印刷検査処理の準備が終了する。
オペレータにより、システムプリンタ70で印刷された連続帳票Fが本体ユニット10にセットされ、操作ボタン31Bのうちプレフィードボタンが押下されると(図13のステップ410)、検査サーバ31はプレフィードコマンドを本体ユニット10のMCUに送信する(ステップ412)。
検査サーバ31からプレフィードコマンドを受信した本体ユニット10のMCU(図10のステップ102)は、LEDアレイ12A、12Bおよび14A、14Bを点灯させた後(ステップ104)、画像処理部のCPUに作動開始信号を出力し、アクチュエータ制御部を介して搬送モータFMを駆動させると共に、アクチュエータ制御部に対し画像処理部にも搬送パルス数を出力させる(ステップ106)。これにより、連続帳票Fは図2の矢印A方向に一定速度で搬送され、ラインスキャンカメラ11、13は連続帳票Fの画像読取を開始する。また、MCUは、センサ制御部からの信号を参照して、連続帳票Fのジャム等の監視を開始する。
本体ユニット10のMCUから作動開始信号を受信すると(図11のステップ202)、画像処理部(のCPU)は、辞書作成処理の場合と同様に、表面ラインスキャンカメラ11からの出力を監視することで連続帳票Fの先端部が読取位置まで搬送されたか否かを判断し(ステップ204)、肯定判断のときにはその旨を本体ユニット10のMCUに報知し(ステップ206)、否定判断のときには連続帳票Fの先端部が読取位置まで搬送されたか否かの判断を続行する(ステップ204)。
本体ユニット10のMCUは、画像処理部から報知を受けると(図10のステップ108)、アクチュエータ制御部を介してなおも所定パルス数搬送モータFMを駆動させた後、搬送モータFMの駆動を停止させる(ステップ110)。これにより、連続帳票Fの先端部は表面ラインスキャンカメラ11の読取位置から所定距離搬送される。オペレータは、連続帳票Fのプレフィード搬送が終了した後に、連続帳票Fの先端部を折りたたみ装置50にセットする。
次いで、オペレータにより、操作ボタン31Bのうち所定ボタン(印刷検査処理ボタン)が押下されると(図13のステップ414)、検査サーバ31は印刷検査処理コマンドを本体ユニット10のMCUに送信する(ステップ416)。
本体ユニット10のMCUは、検査サーバ31から印刷検査処理コマンドを受信すると(図10のステップ112)、搬送モータFMを再度駆動させ(ステップ114)、印刷検査装置1は印刷検査処理を開始する。以降、本体ユニット10は印刷検査処理を実行するが、MCUは、残留紙検出センサ22が連続帳票Fの末端を検出したかを監視しており、連続帳票Fの末端を検出すると(ステップ116)、画像処理部のCPUに作動停止信号を出力すると共に、ラインスキャンカメラ11、13による読み取りを停止させ(ステップ118)、LEDアレイ12A、12Bおよび14A、14Bを消灯させ、搬送モータFMの駆動を停止させて(ステップ120)、処理を終了する。
本体ユニット10の画像処理部のCPUは、連続帳票Fの先端部が読取位置まで搬送された旨を本体ユニット10のMCUに報知した後、本体ユニット10のMCUから予め報知されている帳票のデータ(図7参照)を参照して、辞書作成処理の場合と同様に、上述した搬送量管理により、概略の位置で1頁分の画像(図6の画像領域IA参照)を切り出し(図11のステップ208)、切り出した画像にシーケンシャルな画像インデクスを付与して、キャプチャーボード10Bの制御回路20に、切り出した1頁分の画像データ等(画像データおよび画像インデクス)を出力する(ステップ210)。
キャプチャーボード10Bの制御回路20は、上述したように、検査端末のインターフェースボード33で転送されたレスポンスおよびレポートにより、各検査端末32の作動状態を把握しており、所定条件に基づいて送信先を決定し、決定した検査端末のインターフェースボードに画像処理部から出力された1頁分の画像データ等を送信する。各検査端末32のインターフェースボード33の制御回路34は、指定されたユニークナンバーが自己のナンバーと一致するか否かを判断し、一致するときには、1頁分の画像データ等を取り込み、一致しないときは、下流側の検査端末に受信した1頁分の画像データ等を転送する。従って、画像処理部のCPUは、キャプチャーボード10Bの制御回路20を介して、画像データ等を、順次、検査待ちの検査端末32に送信する。
各検査端末32は、検査サーバ31から受信した検査ジョブデータおよび更新登録帳票情報をハードディスクに保存した後、キャプチャーボード10Bの制御回路20から画像データ等の送信があるまで待機し、画像データ等(画像データ、画像インデクス)の送信があるとそれらを受信する(図12のステップ306、308)。
次に、各検査端末32は、受信した1頁分の画像データの画像について、辞書作成処理の場合と同様に、当該頁がブランクか文字等が印刷された頁かの判断を行うブランクチェックを行う(ステップ310)。当該頁がブランクであると判断したときは、印刷検査の必要がないので、次の画像データ等の送信があるまで待機する(ステップ306に戻る)。
一方、文字等が印刷された頁と判断したときは、第1基準位置認識領域RPF1内のマーク「┏」の位置誤差Δを算出する(ステップ312)。すなわち、各検査端末32は、第1基準位置認識領域RPF1内のマーク「┏」を画像認識する(更に、必要に応じて、すなわち、画像認識では精度が確保できない場合には、マーク「┏」を切り出してパターン情報を取得し)、更新登録帳票情報のマーク「┏」のパターン情報と合致する座標を検索する。次に、図8に示すように、画像領域IAの基準座標位置R(0,0)からのマーク「┏」の座標位置(X’,Y’)を取得する。連続帳票Fの弛み等の搬送誤差がなければ、マーク「┏」は本来第1基準位置認識領域RPF1の中央の位置、すなわち、画像領域IAの基準座標位置R(0,0)から座標(X,Y)の位置にあるはずである。上述したように、座標(X,Y)の位置は連続帳票を作成する際に定められており、更新登録帳票情報に含まれている。このため、各検査端末32は、位置誤差Δを(X−X’,Y−Y’)として算出する。次いで、各検査端末32は、算出した位置誤差Δを検査サーバ31に報知する(ステップ314)。
次に、各検査端末32は、位置誤差ΔのX成分(X−X’)の絶対値、Y成分(Y−Y’)の絶対値がそれぞれ予め定められた所定値以上か否かを判断する(ステップ316)。すなわち、位置誤差ΔのX成分、Y成分の絶対値いずれかが所定値以上大きい場合には、各検査領域EFを切り出す基準となるマーク「┏」の位置(以下、切り出し基準位置という。)に誤差を生じることになるため、切り出し基準位置の補正が必要となる反面、位置誤差Δが微小な場合でも切り出し基準位置の補正を行うと処理時間が長くなる。このため、ステップ316では、処理時間を犠牲にしても検査領域EFおよびバーコード領域BCの切り出し基準位置の補正が必要となるか否かを判断している。肯定判断のときは、切り出し基準位置をX方向およびY方向共に補正するための切り出し基準補正位置を算出して(ステップ317)ステップ318に進み、否定判断のときは、補正が必要ないため、そのままステップ318に進む。次に、ステップ308で受信した画像データの所定の領域(バーコード領域BC)にバーコードがあるか否かを画像認識する(ステップ318)。否定判断のときは、ステップ308で受信した画像データ等をハードディスクに一旦保存して(ステップ319)次の画像データ等の送信があるまで待機し、肯定判断のときは、検査ジョブデータから登録帳票名を認識し、登録帳票名から検査領域EFの位置情報を取得して、切り出し基準位置(ステップ316で否定判断されたとき)または切り出し基準補正位置(ステップ316で肯定判断されたとき)を基準に各検査領域EFおよびバーコード領域BCを切り出す(ステップ320)。
次に、各検査端末32は、ステップ321において、バーコード領域内のバーコードBCを、検査ジョブデータを参照して画像認識してデコードし、デコードしたバーコード情報が検査ジョブデータのバーコードのデータと一致するか否かを判断し、肯定判断のときはステップ322に進み、否定判断のときはその旨を検査サーバに報知する(不図示)。なお、バーコードを画像認識してデコードする技術は公知であり、本実施形態では、バーコードのデコードにあたりそのような公知技術が用いられている。次いで、各検査端末32は、検査領域EF内の画像から一文字ずつ文字画像を切り出し(ステップ322)、上述した所定小領域に分割して、各小領域の画像形成方向の傾きの特徴ベクトルを演算して各特徴ベクトルに重み係数を掛けた特徴量を演算する(ステップ324)。次に、全検査領域EFの文字について特徴量を演算したか否かを判断し(ステップ326)、否定判断のときには次の検査領域EFについての文字切り出しを続行するためステップ322に戻り、肯定判断のときには、ユニーク性特定領域の各文字の特徴量と一致する特徴量を有する(同一の文字列の)、検査ジョブデータの、ユニーク性特定領域に対応するフィールド番号における文字列を検索して、受信した1頁分の画像データが何頁目に相当するかを特定する(ステップ328)。これにより、検査端末32は、バーコードが含まれたマルチフォームの1頁目の画像について画像インデクスと連続帳票Fの物理的頁との関係を把握することができる。次いで、検査ジョブデータから該当する頁の文字の照合ジョブデータを抽出すると共に、検査領域EFの検査ジョブデータ(正解情報)を特定し、演算した特徴量が辞書の当該切り出された文字に対応する特徴量に対して判定基準値以上か否かを判断する(ステップ330)。肯定判断のときは、検査領域EF内の画像から切り出された文字(検査対象となる文字)が、システムプリンタ70により連続帳票Fに正しく印刷されたと判断する。
次に、各検査端末32は、判断結果を頁単位にまとめ、検査結果として検査サーバ31に送信する(ステップ332)。このとき、否定判断(適正に印刷されなかったと判断)された文字については、当該文字に関する属性情報(頁、検査領域、何文字目かの情報および文字情報)と共に、当該文字について検査領域EFから切り出した画像の画像データを検査サーバ31に送信する。これにより、文字等が印刷された最初の頁の処理が終了する。
一方、検査サーバ31は、印刷検査処理コマンドを本体ユニット10のMCUに送信した後、いずれかの検査端末から位置誤差Δの送信があるまで待機し(図13のステップ418)、送信があると位置誤差Δを受信し(ステップ420)、その後、所定時間内に、他の検査端末から位置誤差Δの送信の送信があれば、位置誤差Δを受信する(ステップ418〜422)。次に、受信した位置誤差Δの平均値を算出する(ステップ424)。なお、位置誤差Δは本体ユニット10側の連続帳票Fの弛み等に起因ため、位置誤差Δの平均値を算出する際に、必ずしも全ての検査端末32から位置誤差Δを受信する必要はなく、例えば、いずれか1つの検査端末から受信した位置誤差Δを用いるようにしてもよい(必ずしもステップ422が必要なわけではない。)。次いで、検査サーバ31は、算出した位置誤差Δの平均値を画像処理部のCPUに送信する(ステップ426)。
検査サーバ31から位置誤差Δの平均値を受信した画像処理部のCPU(図11のステップ212)は、位置誤差Δの平均値分の位置誤差をオフセットするように(なくするように)切り出し基準位置を算出し(ステップ214)、算出した切り出し基準位置を基準に検査可能領域RFを含む画像(例えば、マーク「┓」の部分的な切り欠きを防止するために、検査可能領域RFよりX、Y方向とも各3mm、合計6mm大きい画像)を切り出す(ステップ216)。そして、切り出した画像データと画像インデクスとをキャプチャーボード10Bの制御回路20に出力する(ステップ218)。これにより、切り出される1頁分の画像の領域は、画像領域IAから、切り出し基準位置を基準とする検査可能領域RFより若干大きい画像(画像領域IAより領域面積が小さい画像)に変更され、各検査端末32は検査可能領域RFを含む画像を1頁分の画像データとして取得する。なお、画像インデクスには、切り出しの基準位置と画像サイズの変更を各検査端末32に報知するために、特定の文字が付加される。以降、画像処理部のCPUは、本体ユニット10のMCUから作動停止信号を受信するまで、位置誤差をオフセットした切り出し基準位置を基準とする検査可能領域RFを含む画像の切り出しを続行し、本体ユニット10のMCUからの作動停止信号を受信すると(ステップ220)、処理を終了する。
各検査端末32は、文字等が印刷された最初の頁の処理を終了した後、次の画像データ等の送信があるか否かを判断する(図12のステップ334)。ステップ334での判断が肯定のときには、ステップ308、310の場合と同様に、画像データ等を受信して(ステップ336)、ブランクチェックを行う(ステップ338)。ブランクチェックの結果、当該頁がブランクであると判断したときは、印刷検査の必要がないので、次の画像データ等の送信があるまで待機する(ステップ334に戻る)。一方、文字等が印刷された頁と判断したときは、画像インデクスに特定の文字が付加されているか否かを判定することにより、画像データについて切り出し基準位置および画像サイズが変更されたか否かを判断する(ステップ340)。ステップ340での判断が否定のときは、ステップ312、316〜321の場合と同様に、第1基準位置認識領域RPF1内のマーク「┏」の位置の位置誤差Δを算出し(ステップ342)、位置誤差ΔのX成分(X−X’)の絶対値、Y成分(Y−Y’)の絶対値がそれぞれ予め定められた所定値以上か否かを判断し(ステップ344)、肯定判断のときは、ステップ317と同様に、切り出し基準位置をX方向およびY方向共に補正するための切り出し基準補正位置を算出して(ステップ345)ステップ346に進み、否定判断のときはステップ346に進む。次に、ステップ336で受信した画像データのバーコード領域BCにバーコードがあるか否かを画像認識する(ステップ346)。否定判断のときは、ステップ336で受信した画像データ等をハードディスクに一旦保存して(ステップ348)次の画像データ等の送信があるまで待機し、肯定判断のときは、検査ジョブデータから登録帳票名を認識し、登録帳票名から検査領域EFの位置情報を取得して、切り出し基準位置(ステップ344で否定判断されたとき)または切り出し基準補正位置(ステップ344で肯定判断されたとき)を基準に各検査領域EFおよびバーコード領域BCを切り出して(ステップ347)、バーコード領域BCのバーコードをデコードする(ステップ352)。
一方、ステップ340での判断が肯定のときには、ステップ336で受信した画像データのバーコード領域BCにバーコードがあるか否かを画像認識する(ステップ349)。否定判断のときは、ステップ336で受信した画像データ等をハードディスクに一旦保存して(ステップ351)次の画像データ等の送信があるまで待機し、肯定判断のときは、第1基準位置認識領域RPF1より領域面積の小さい第2基準位置認識領域RPF2内のマーク「┏」を画像認識し(更に、必要に応じて、マーク「┏」を切り出してパターン情報を取得し)、更新登録帳票情報のマーク「┏」のパターン情報と合致する座標を検索して、マーク「┏」の位置、すなわち、切り出し基準位置を基準に検査領域EFおよびバーコード領域BCを切り出して(ステップ350)、ステップ352に進む。次のステップ353〜362では、ステップ322〜332と同様に、各検査領域EFの文字を切り出して検査を行い、1頁分の検査結果を検査サーバ31に送信して、ステップ334に戻る。
ここで、ステップ340で否定判断された場合の処理内容(ステップ342〜347)と肯定判断された場合の処理内容(ステップ349、350)とを比較すると、(1)前者が第1基準位置認識領域RPF1内のマーク「┏」を対象にするのに対し、後者は第2基準位置認識領域RPF2内のマーク「┏」を対象にする点、および、(2)前者が位置誤差Δによる補正の必要性を判断して必要な場合に位置誤差Δによる補正を行って(切り出し基準位置の補正を行って)各検査領域EFを切り出すのに対し、後者は位置誤差Δによる補正を行うことなく各検査領域EFを切り出す点、で異なっている。これは、検査端末32が位置誤差Δを検査サーバ31に送信し(ステップ314)、検査サーバ31は位置誤差Δの平均値を算出して画像処理部のCPUに送信することで(図13のステップ424、426)、画像処理部のCPUが位置誤差Δの平均値分の位置誤差をオフセット(相殺)するように切り出し基準位置を補正して画像を切り出すため、切り出し位置の精度が高まるためである。
一方、ステップ334での判断が否定のときは、ステップ319、348、351等でハードディスクに一旦保存した画像データ等の未処理画像データ(マルチフォームの2頁目に対応する画像データおよび対応する画像インデクス)があるか否かを判断する(ステップ364)。未処理画像データがあるときには、各検査端末32において頁が特定できた画像があるか(換言すれば、当該検査端末でマルチフォームの1頁目に対応する画像が処理済みか)否かを判断する(ステップ368)。頁が特定できた画像があるときは、ステップ370において、ハードディスクに格納した画像データ等を読み出して、ステップ322〜332またはステップ353〜362と同様に、各検査領域EFの文字を切り出して検査を行い、1頁分の検査結果を検査サーバ31に送信して、ステップ334に戻る。ただし、ステップ328または358に対応する処理では、上述したように、検査端末32は、バーコードが含まれたマルチフォームの1頁目の画像について画像インデクスと連続帳票Fの物理的頁との関係を把握できるため、ハードディスクから読み出した画像の画像インデクスと既に連続帳票Fの何頁目の画像かが判明している画像の画像インデクスとの差を求めることでオフセット値を算出し、該求めたオフセット値を連続帳票Fの何頁目の画像かが判明している画像の頁数に加えることでハードディスクから読み出した画像が連続帳票Fの何頁目の画像かを推定(判断)する(図14も参照)。なお、検査サーバ31は、他の検査端末において、ある画像データの画像インデクスについて連続帳票Fの何頁目の画像かが判明した旨の報告を受けたとき(図13のステップ430)または報告を受けてから所定時間経過後に報告を受けた以外の検査端末32に画像インデクスと連続帳票Fの物理的頁との対応関係を知らせことで(図12、図13では不図示)、ハードディスクに保存される未処理の画像データを減らすことができる。また、ハードディスクから読み出した画像が連続帳票Fの何頁目の画像かを推定する際には、ハードディスクから読み出した画像の画像インデクスに近い判明している画像の画像インデクスを用いてオフセット値を求めることが好ましい。一方、未処理の画像データがないとき(ステップ364で否定判断されたとき)または頁が特定できた画像がないときは(ステップ368で否定判断されたとき)は、検査サーバ31から検査ジョブデータの削除指令が送信されたか否かを判断し(ステップ372、図13のステップ448も参照)、否定判断のときはステップ334に戻り、肯定判断のときは検査ジョブデータを削除して(ステップ374)処理を終了する。
検査結果を受信した検査サーバ31(図13のステップ428、430)は、否定判断された文字が存在するか否かを判断し(ステップ432)、肯定判断のときは、適正に印刷されなかったと判断された文字について、順次、属性情報のうちの文字情報をインデクスとして辞書を参照することで抽出した当該文字の画像と、検査領域EFから切り出され検査端末32から送信された当該文字の画像との両者を同時にディスプレイ31Aに表示し(ステップ434)、オペレータの目視によるOKまたはNGいずれかの判断を仰ぐため、操作ボタン31Bのうち所定のボタンが押下されるまで待機する(ステップ436)。操作ボタンが押下されると、検査サーバ31は入力された情報を取り込み、OKを表す情報であるときは、文字情報をインデクスとして、切り出された文字(オペレータにより目視によりOKと判断された文字)の特徴量を追加特徴量として辞書に追加登録すると共に、その画像データとの対応関係を定めた情報を辞書に付加し、更に、検査結果およびオペレータの目視による判断結果(OK)を当該頁の検査ログとして作成し、NGを表す情報であるときは、検査結果およびオペレータの目視による判断結果(NG)を当該頁の検査ログとして作成する(ステップ438、440)。なお、検査サーバ31は、図12のステップ321、352で、各検査端末32から、デコードしたバーコード情報が検査ジョブデータのバーコードのデータと一致しない旨の報知を受けた場合には、ステップ438、440での処理と同様に、一致しない旨を当該頁の検査ログとして作成する。
一方、検査サーバ31は、検査端末32から受信した検査結果に否定判断された文字が存在しないと判断したときには、検査ジョブデータのうち頁データを参照して全ての頁について検査結果を受信するまで待機して、上記と同様の処理を行って(ステップ442)全頁の検査ログを保存する(ステップ444)と共に、各検査端末32に追加特徴量が登録された文字の文字情報と追加特徴量とを送信し、辞書の情報を更新させ、更に、検査ジョブデータを削除し(ステップ446)、各検査端末32に検査ジョブデータ等の削除指令を送信する(ステップ448)ことで、印刷検査を終了する。各検査端末32は、上述したように、この指令を受信すると(図12のステップ372)、検査ジョブデータを削除して(ステップ374)、処理を終了する。これにより、処理ユニット30は、次回、システムプリンタ70により連続帳票Fに印刷された文字を検査するときには、辞書に対応付けられている特徴量が複数か否かを判断し、複数の場合には、切り出された文字の特徴量が、辞書に対応づけられている特徴量のいずれかの特徴量に対して判定基準値以上かを判断し、否定判断のときには、いずれか他の特徴量に対して判定基準値以上かを判断する。なお、NGと判断された頁は、検査ログを参照して、システムプリンタ70により再度印刷されるか、手書き等により修正される。
(作用等)
次に、本実施形態の印刷検査装置1の作用効果について説明する。
本実施形態の印刷検査装置1では、各検査端末32は、マルチフォームの1頁目を処理する場合(ステップ318、346、349で肯定判断された場合)に、検査領域EF内の文字列を解読し、ユニーク性特定領域内の文字列と検査ジョブデータ(正解情報)とから、画像処理部から受信した画像データが連続帳票Fの何頁目の画像データかを判断するとともに、画像インデクスと連続帳票Fの物理的頁との対応関係を把握し、マルチフォームの2頁目を処理する場合(ステップ318、346、349で否定判断された場合)に、画像処理部から受信した画像データおよび画像インデクスを一旦ハードディスクに格納しておき(ステップ319、348、351)、頁が特定できた画像(データ)がある場合に(ステップ368)、ハードディスクから読み出した画像データの画像インデクスと既に連続帳票Fの何頁目の画像かが判明している画像データの画像インデクスとの関係を利用して、ハードディスクから読み出した画像データが連続帳票Fの何頁目の画像かを推定している。このため、図14に示すように、マルチフォームの連続帳票Fの各頁と検査ジョブデータ(正解情報)との紐付けができ、物理的頁を把握することができる。さらに、帳票が汚れていたり、印字がかすれていたりして、バーコード自体が認識できない場合でも、ハードディスクから読み出した画像データの画像インデクスと既に連続帳票Fの何頁目の画像かが判明している画像データの画像インデクスとの関係を利用して、すなわち、マルチフォームの2頁目と同様の処理により、ハードディスクから読み出した画像データが連続帳票Fの何頁目の画像かを推定することが可能である。この場合には、検査領域EFの切り出しを誤らないように、マルチフォームの1頁目か2頁目かを、検査ジョブデータも参照して把握するようにすればよい。
また、本実施形態の印刷検査装置1では、本体ユニット10の画像処理部のCPUは、切り出し基準位置の位置誤差Δを把握する前は、搬送モータFMに出力された搬送パルス数により(搬送量管理により)検査可能領域RFより大きい画像領域IAを切り出し(ステップ208)、各検査端末32は、切り出された画像領域IAの画像から位置誤差Δを算出し(ステップ312)、位置誤差ΔのX成分またはY成分が所定値以上のときに切り出し基準位置を補正し、所定値未満のときに切り出し基準位置の補正を行わず該切り出し基準位置を基準に検査領域EFを切り出している(ステップ316〜320)。上述したように、連続帳票Fの先端は弛みが発生しやすく、この弛み分が搬送モータFMの搬送量との不一致を毎頁発生させる原因となる。このため、画像処理部のCPUは検査可能領域RFより大きい画像領域IAを切り出し、各検査端末32は、切り出し基準位置の位置誤差Δを必要に応じて補正して複数の検査領域EFを切り出すことで、補正処理の必要性が軽減され各検査端末32における処理時間を短縮することができるとともに、切り出し画像に欠落を生じることなく画像を切り出すことができる。
一方、上記の処理を継続して行うと(画像処理部が検査端末32による検査に必要な検査可能領域RFより大きい画像領域IAを切り出すと)、切り出し領域が大きくなり、画像処理部から各検査端末32への画像データの送信時間も長くなる。このため、画像処理部のCPUは、切り出し基準位置の位置誤差Δを把握した(ステップ214)後は、切り出し基準位置の位置誤差Δの平均値をオフセット(相殺)するように切り出し基準位置を補正して、該補正した切り出し基準位置を基準に検査可能領域RFの画像を切り出し(ステップ216)、各検査端末32は、切り出し基準位置の位置誤差Δを補正することなく、検査可能領域RFの画像から切り出し基準位置を基準に複数の領域を切り出している(ステップ350)。このような処理を行うことにより、画像処理部から各検査端末32へ画像データの送信時間を短縮することができるとともに、各検査端末32では、切り出し基準位置の位置誤差Δを補正することなく、検査可能領域RFの画像から切り出し基準位置を基準に複数の領域を切り出すため、補正処理に要する時間分処理時間の短縮を図ることができる。
また、本実施形態の印刷検査装置1では、帳票登録処理において、連続帳票Fの検査可能領域RFの隅部を形成するマーク「┏」およびその位置(切り出し基準位置)を予め設定しておき、帳票検査処理において、画像処理部のCPUは、切り出し基準位置の位置誤差Δを把握する前は、検査ジョブデータの「帳票のデータ」により概略1頁の画像を切り出し、切り出し基準位置の位置誤差Δを把握した後は、切り出し基準位置を基準に検査可能領域RFより若干大きい画像を切り出している。この連続帳票Fには、特許文献1で使用されている帳票のように、頁画像切り出し用のマークがない。従って、本実施形態の印刷検査装置1によれば、連続帳票Fに頁画像切り出し用のマーク(スタートマークやエンドマーク)を追加することなく(連続帳票Fの版を変更することなく)、従来使用していた帳票を用いて適正に画像を切り出すことができる。
更に、本実施形態の印刷検査装置1では、帳票登録処理において、第1基準位置認識領域RPF1と、この領域より小さく中心位置が同じ第2基準位置認識領域PRF2とを予め設定しておき、印刷検査処理において、各検査端末32は、切り出し基準位置の位置誤差Δが補正される前は、搬送誤差が大きいため、第1基準位置認識領域RPF1内でマーク「┏」を認識して検査領域EFおよびバーコード領域BCを切り出しており(ステップ312〜320、ステップ342〜347)、切り出し基準位置の位置誤差Δが補正された後は、搬送誤差による大きく固定的な誤差がなくなるため、第2基準位置認識領域RPF2内でマーク「┏」を認識して検査領域EFおよびバーコード領域BCを切り出している(ステップ350)。これにより、各検査端末32による切り出し基準位置の検索時間を短縮することができる。
更にまた、本実施形態の印刷検査装置1では、画像処理部のCPUは、切り出し基準位置の位置誤差Δがなくなるように切り出し基準位置を一度だけ補正(算出)して(ステップ212)、以降、算出した切り出し基準位置を基準に検査可能領域RFの画像を切り出している。このため、搬送誤差による大きく固定的な誤差がなくなるとともに、連続帳票Fの各頁の検査可能領域RFを切り出す毎に補正をする必要がないので、画像切り出しに要する処理時間の短縮を図ることができる。
また、本実施形態の印刷検査装置1では、印刷検査処理を行う前に、検査サーバ31は、ハードディスクに保存した登録帳票情報のうちユニーク性特定領域の位置情報により、ハードディスクに保存した検査ジョブデータにおける、対応するフィールド番号を特定し、当該フィールド番号におけるデータに頁単位で一致する(同一の)データがないか否かを判断している。このため、本実施形態の印刷検査装置1によれば、画像データの頁と実際の連続帳票の頁(物理的頁)が対応しなくなり、正解情報を誤って抽出することを防止することができる。
更に、本実施形態の印刷検査装置1では、上述したように、検査サーバ31は、帳票登録処理で設定されたユニーク性特定領域をもとに、自律的にユニーク性特定領域(フィールド番号)の数を増減している(ステップ406)。このため、本実施形態の印刷検査装置1によれば、頁単位のユニーク性確保と処理時間の短縮を図ることができる。
また、本実施形態の印刷検査装置1では、システムプリンタ70により文字情報に対応して所定形式で辞書作成用連続帳票に印刷された文字が、本体ユニット10で読み取られ、処理ユニット30で全ての文字の特徴量が演算され、演算された全ての文字の特徴量と、予め入力されシステムプリンタ70で連続帳票Fに印刷され得る全ての文字の文字情報との対応関係を定めた辞書が作成される。このため、処理ユニット30は、検査対象となる文字が外字であっても、システムプリンタ70で連続帳票Fに文字が正しく印刷されたかを判断することができる。
また、本実施形態の印刷検査装置1では、辞書作成処理において、システムプリンタ70により連続帳票Fに印刷され得る全ての文字とその特徴量との対応関係を定めた辞書が予め作成され、印刷検査処理において、連続帳票Fに印字された文字の画像を切り出して文字の特徴量が演算され、照合ジョブデータ(正解情報)をインデクスとして特徴量同士を照合する。処理ユニット30(検査端末32)は特徴量同士を照合するので、認識関数等を用いた複雑な文字認識処理は行われない。このため、文字認識のための複雑な処理が不要となり、文字認識での誤りをなくすことができると共に、特徴量同士を照合するので、文字情報毎に照合時のロジックを作成する必要がない。
更に、本実施形態の印刷検査装置1では、同一プリンタで印刷された文字の特徴量同士を照合するので、プリンタ間で微妙に異なるフォントの形状に影響されず、プリンタの個体差による影響を排除することができる。また、本実施形態の印刷検査装置1では、処理ユニット30により特徴量同士が判定基準値以上かが判定されるので、判定基準値を適性に設定することで、柔軟かつ精度よく印刷検査を行うことができる。
更にまた、本実施形態の印刷検査装置1では、処理ユニット30により、一旦判定基準値未満と判定されても、ディスプレイ31Aおよび操作ボタン31Bを介してオペレータの判断結果を入力できるため、システムプリンタ70の経年劣化にも対応することができ、更に、オペレータの判断結果に従って、一旦判定基準値未満と判定された文字の特徴量が追加特徴量として辞書に登録されると共に、辞書は追加特徴量を複数持つことがデータ構造を有しているので、複数の特徴量に対し、順次、印刷検査を行うことができ、印刷検査装置1に学習機能を付与することができる。この場合に、最初に、検査対象となる文字の特徴量が、辞書に最も新しく追加された追加特徴量に対して判定基準値以上かを判断するようにすれば、システムプリンタ70の経年劣化に対する対応性を高めることができる。
更に、本実施形態の印刷検査装置1では、検査端末32を複数のコンピュータで構成し、検査サーバ31が頁毎に読み取られた画像を処理待ち状態の検査端末32に送信して特徴量演算等の処理を並行して行うと共に、検査端末32は帳票登録処理で設定された検査領域EF内の文字についてのみ連続帳票Fに正しく印刷されたかの判断を行うので、印刷検査を迅速に行うことができる。
また、本実施形態の印刷検査装置1は、オフラインで印刷検査を行うと共に、複数のプリンタ毎に、辞書作成処理、帳票登録処理および印刷検査処理を行うことができるため(特定のプリンタに制約されないため)、高い汎用性を確保することができる。
更に、本実施形態の印刷検査装置1では、キャプチャーボード10Bの制御回路20は、検査端末のインターフェースボード33で転送されたレスポンスおよびレポートにより、各検査端末32の作動状態を把握して画像データ等の送信先の検査端末32を決定し、決定した検査端末32のインターフェースボードに1頁分の画像データを送信し、各検査端末32のインターフェースボード33の制御回路34は、指定されたユニークナンバーが自己のナンバーと一致するか否かを判断し、一致するときには、1頁分の画像データ等を取り込み、一致しないときは、下流側の検査端末のインターフェースボードに受信した1頁分の画像データ等を転送する。従って、デージーチェーン構成で印刷検査処理を行う場合に、処理待ち状態の検査端末32に順次、1頁分の画像データを送信することができ、検査端末32の稼働率を高めることができる。
なお、本実施形態では、連続帳票Fにマルチフォーム帳票を用いる例を示したが、単一フォーム帳票を用いることができることは云うまでもない。
また、本実施形態では、マルチフォームの2頁目を処理する際に、画像インデクスと連続帳票Fの物理的頁との対応関係が判明すると逐次処理する例を示したが(ステップ370)、マルチフォームの2頁目の画像を全てハードディスクに格納しておき、対応関係が判明した後、まとめてマルチフォームの2頁目の処理を行うようにしてもよい。
さらに、本実施形態では、連続帳票Fとして、1頁目と2頁目とで1単位となるマルチフォーム帳票を例示したが、本発明はこれに限らず、例えば、1頁目、2頁目、3頁目とで1単位となるマルチフォーム帳票を用いてもよいことは論を待たない。この場合、2頁目と3頁目とのフォームが異なっていてもよい。
さらにまた、本実施形態では、バーコード自体の情報を利用しない例を示したが、例えば、図14に示すように、バーコード自体の情報にシーケンシャルな番号を付与し、連続帳票Fの物理的頁、バーコード、正解情報の対応を図るようにしてもよい。
また、本実施形態では、説明を簡単にするために、検査可能領域RFの隅部を形成するマーク「┏」を基準に検査領域RFを切り出す例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、連続帳票Fの検査可能領域RF内に予め印刷されている「グローリーカードご利用代金明細書」の最初の文字「グ」を基準に、検査可能領域RFの切り出し基準位置を設定するようにしても、または、バーコード領域BC内に印刷されたバーコードを基準に、検査可能領域RFの切り出し基準位置を設定するようにしてもよい。また、本実施形態では、検査可能領域RFの隅部を形成する1つのマーク「┏」を基準に検査領域RFを切り出す例を示したが、基準となる文字、記号又はバーコードを複数設けるようにしてもよい。すなわち、例えば、検査可能領域RFの隅部を形成するマーク「┏」と、検査可能領域RFの隅部を形成しマーク「┏」に対向するマーク「┓」との2つのマークを基準に検査領域RFを切り出すようにしてもよい。
さらに、本実施形態では、画像処理部のCPUは、切り出し基準位置の位置誤差Δを把握した(ステップ214)後は、切り出し基準位置を補正して検査可能領域RFの画像を切り出し、各検査端末32は、切り出し基準位置の位置誤差Δを補正することなく、検査可能領域RFの画像から切り出し基準位置を基準に複数の領域を切り出す(ステップ350)例を示したが、本発明はこれに制限されることなく、各検査端末32は、検査領域EFを切り出すために、切り出し基準位置の位置誤差Δを補正するようにしてもよい。このようにすれば、より高精度に位置誤差Δを補正することができるため、例えば、ポイントの小さい文字の印刷検査での検査品質を向上させることができる。また、本実施形態では、位置誤差Δを単純に(X−X’,Y−Y’)とした例を示したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、上述したように、基準となる文字、記号又はバーコードを複数設ける場合には、特許文献1にも開示されているように、スキュー補正を行うことが可能となる。
また、本実施形態では、帳票登録処理において基準位置認識領域を2つ設定する例を示したが、3つ以上設定し、印刷検査処理において、位置誤差Δを複数回把握して、より小さい基準領域認識領域内に基準となる文字等が収まるかを判断し、肯定判断のときに、より小さい基準領域認識領域内で基準となる文字等を検索するようにしてもよい。
更に、本実施形態では、切り出し基準位置の位置誤差Δを、該位置誤差Δがなくなるようにソフトウエアで補正する例を示したが、本発明はこれに制限されることなく、例えば、搬送モータFMに出力される搬送パルス数を該位置誤差Δがなくなるように変更して補正するようにしてもよい。
また、本実施形態では、説明を簡単にするために、各検査領域EF内の各文字が判定基準による検査を満たすものとして受信した画像が何頁目に該当するか特定する例を示したが(ステップ328、358)、例えば、各検査領域内の文字のうち1文字以上の文字が判定基準を満たさない場合に、それまで処理をしたデータをハードディスクに保存しておき、他の頁の画像の処理でその画像が何頁目に該当するかが分かったときに、ハードディスクに保存しておいたデータを読み出して保留しておいた処理を続行し、画像インデクスがシーケンシャルであることを利用して、何頁目に画像するか分かった画像の画像インデクスとハードディスクに保存しておいたデータの画像の画像インデクスとを比較し、ハードディスクに保存しておいたデータの画像が何頁目に該当するかを判断するようにしてもよく、または、辞書作成処理の場合と同様に、検査サーバ31から報知を受けるようにしてもよい。
更に、本実施形態では、オフラインでシステムプリンタ70により印刷された連続帳票Fの文字を検査する例を説明したが、背景技術欄で説明したように、連続帳票Fへの印刷から封筒の密封まで一連の処理を連続して行う場合等には、オンライン構成を採るようにしてもよい。この場合には、システムプリンタ70から排出された連続帳票Fを、ループ台によりバッファを持たせて本体ユニット10にセットしてもよく、印刷サーバ60と処理ユニット30とを通信回線で接続してもよい。
また、本実施形態では、連続帳票の画像を高速ラインセンサで読み取る例を示したが、読み取り速度を高めるために、エリアセンサを用いるようにしてもよい。更に、本実施形態では、連続帳票Fの両面を読み取る例を示したが、片面のみを読み取るようにしてもよいことは論を待たない。
更に、本実施形態では、図7に示したように、プリンタを識別するためのコードや帳票を識別するためのコードを検査ジョブデータに持たせる例を示したが、検査ジョブデータからこれらの情報を除き、オペレータが操作ボタン31Bから入力するようにしてもよい。
また更に、本実施形態では、辞書作成処理において所定形式での文字情報で辞書作成用連続帳票に印刷され文字を特定する例を示したが、印刷検査処理と同様に正解情報を用いるようにしてもよい。また、本実施形態では、連続帳票に印刷された文字を検査する例を示したが、本発明はこれに制約されず、例えば、単票に印刷された文字を連続的ないし間欠的に検査する印刷検査装置に適用可能なことは論を待たない。
更に、本実施形態では、システムプリンタ70により連続帳票Fに印刷され得る全ての文字とその特徴量との対応関係を定めた辞書が予め作成され、連続帳票Fに印字された文字の画像を切り出して文字の特徴量が演算され、照合ジョブデータをインデクスとして特徴量同士を照合する例を示したが、印刷に使用した画像データと印刷したものから読み取った画像データを照合する画像照合や、印刷したものを読み取ってOCR処理を行い、文字認識をした上で文字データに変換した結果を照合する文字照合のいずれの技術にも適用可能である。
また、本実施形態では、インターフェースボード33が2頁分のページメモリを有する例を示したが、本発明はこれに制約されず、1頁分のページメモリや3頁分以上のページメモリを有するようにしてもよい。例えば、1頁分のページメモリを有する場合には、上述した所定条件としては、上記(1)の条件を満たすようにすればよい。更に、本実施形態では、処理待ち状態のインターフェースボードを上流側から決定する例を示したが、本発明はこれに限らず、処理待ち状態のいずれのインターフェースボードに画像データ等を送信するようにしてもよい。
本発明は切り出した画像に対応する帳票の頁を特定することができる印刷検査装置を提供するものであるため、印刷検査装置の製造、販売に寄与するので、産業上の利用可能性を有する。
本発明が適用可能な実施形態の印刷検査装置の外観斜視図である。 印刷検査装置の本体ユニットの概略断面図である。 印刷検査装置の処理ユニットの機能を模式的に示すブロック図である。 本体ユニットおよび処理ユニット間のデージーチェーン構造を示すブロック図である。 システムプリンタで連続帳票に印刷された印刷例を示す説明図である。 検査可能領域の隅部を形成するマーク「┏」を認識するための第1基準位置認識領域と第2基準位置認識領域の概念の説明図である。 検査ジョブデータのデータ構造を示す説明図である。 位置誤差Δの概念を説明するための説明図である。 連続帳票の検査領域のうちユニーク性特定領域の例を示す説明図である。 本体ユニットのMCUが印刷検査処理において実行する処理ルーチンのフローチャートである。 画像処理部のCPUが印刷検査処理において実行する処理ルーチンのフローチャートである。 検査端末が印刷検査処理において実行する処理ルーチンのフローチャートであり。 検査サーバが印刷検査処理において実行する処理ルーチンのフローチャートである。 バーコードにより連続帳票の物理的頁と正解情報との紐付けを説明する説明図である。
符号の説明
1 印刷検査装置
10 本体ユニット(画像切り出し手段)
11 表面ラインスキャンカメラ(画像読取手段)
13 裏面ラインスキャンカメラ(画像読取手段)
17 トラクタベルト(搬送手段の一部)
18、19 搬送排出ローラ(搬送手段の一部)
31 検査サーバ(取得手段、設定手段、ユニーク性確認手段、選択手段)
32 検査端末(バーコード認識手段、記憶手段、解読手段、頁判断手段)
70 システムプリンタ(プリンタ)
EF 検査領域(印刷領域、複数の領域)
EF3、EF5〜EF8 ユニーク性特定領域(ユニーク性確認領域)
F 連続帳票(マルチフォーム帳票)
FM 搬送モータ(搬送手段の一部)

Claims (7)

  1. プリンタにより帳票に印刷された文字を検査する印刷検査装置において、
    文字列が印刷される1頁内の複数の印刷領域および頁の情報に関連付けられ前記プリンタにより前記帳票に印刷される文字の正解の情報を表す正解情報を取得する取得手段と、
    前記帳票を一方向に搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段で搬送される帳票の画像を読み取る画像読取手段と、
    前記画像読取手段で読み取られた画像から所定領域の画像を切り出すとともに、該切り出した画像にシーケンシャルな画像インデクスを付与する画像切り出し手段と、
    前記画像切り出し手段により切り出される前記所定領域および前記印刷領域に対応して前記所定領域内の複数の領域を設定するとともに、前記所定領域内に前記プリンタにより印刷されるバーコードの領域を設定するための設定手段と、
    前記画像切り出し手段で切り出された画像から前記設定手段で設定されたバーコード領域内にバーコードが存在するか否かを判断するバーコード認識手段と、
    前記画像切り出し手段で切り出された画像および付与された画像インデクスを記憶する記憶手段と、
    前記画像切り出し手段で切り出された所定領域の画像から前記複数の領域内の文字列を解読する解読手段と、
    前記解読手段で解読された複数の領域の文字列と前記取得手段で取得された正解情報とから、前記画像切り出し手段で切り出された画像が前記帳票の何頁目の画像かを判断する頁判断手段と、
    を備え、
    前記バーコード認識手段による判断が肯定のときに、前記解読手段は前記画像切り出し手段で切り出された所定領域の画像から前記複数の領域内の文字列を解読し、前記頁判断手段は前記画像切り出し手段で切り出された画像が前記帳票の何頁目の画像かを判断するとともに、前記画像切り出し手段で付与された画像インデクスと前記取得手段で取得された正解情報の頁との対応関係を把握し、
    前記バーコード認識手段よる判断が否定のときに、前記記憶手段は前記画像切り出し手段で切り出された画像および付与された画像インデクスを記憶し、前記頁判断手段が少なくとも前記画像切り出し手段で切り出された1つの画像について前記画像切り出し手段で付与された画像インデクスと前記取得手段で取得された正解情報の頁との対応関係を把握した後、前記解読手段は、前記記憶手段に記憶された画像および画像インデクスを読み出して、前記画像切り出し手段で切り出された所定領域の画像から前記複数の領域内の文字列を解読し、前記頁判断手段は前記画像切り出し手段で切り出された画像が前記帳票の何頁目の画像かを判断することを特徴とする請求項1に記載の印刷検査装置。
  2. 前記バーコード認識手段よる判断が否定のときに、前記記憶手段は前記画像切り出し手段で切り出された画像および付与された画像インデクスを、前記画像切り出し手段よる前記帳票に対する画像の切り出しが終了するまで記憶しておき、前記画像切り出し手段による画像の切り出しが終了し前記頁判断手段が前記画像切り出し手段で切り出された1つの画像について前記画像切り出し手段で付与された画像インデクスと前記取得手段で取得された正解情報の頁との対応関係を把握した後、前記解読手段は、前記記憶手段に記憶された画像および画像インデクスを順に読み出して、前記画像切り出し手段で切り出された所定領域の画像から前記複数の領域内の文字列を解読し、前記頁判断手段は前記画像切り出し手段で切り出された画像が前記帳票の何頁目の画像かを判断することを特徴とする請求項1に記載の印刷検査装置。
  3. 前記頁判断手段は、前記バーコード認識手段よる判断が否定のときに、前記記憶手段に記録された画像の画像インデクスと既に前記帳票の何頁目の画像かが判明している画像の画像インデクスとの差を求めることでオフセット値を算出し、該求めたオフセット値を前記帳票の何頁目の画像かが判明している画像の頁数に加えることで前記画像切り出し手段で切り出された画像が前記帳票の何頁目の画像かを判断することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の印刷検査装置。
  4. 前記取得手段で取得された正解情報の複数の印刷領域の文字列を組み合わせることにより、前記正解情報の全頁に対して各頁に印刷された文字列のユニーク性を確認するユニーク性確認手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の印刷検査装置。
  5. 前記設定手段で設定された複数の領域のうち、前記ユニーク性確認手段でユニーク性を確認するためのユニーク性確認領域を予め選択するための選択手段をさらに備えたことを特徴とする請求項4に記載の印刷検査装置。
  6. 前記ユニーク性確認手段は、前記選択手段で選択されたユニーク性確認領域により前記正解情報の全頁に対して各頁のユニーク性を確認することを特徴とする請求項5に記載の印刷検査装置。
  7. 前記ユニーク性確認手段は、前記取得手段で取得された正解情報の複数の印刷領域の文字列を組み合わせることにより、前記正解情報の全頁に対して各頁に印刷された文字列のユニーク性があるか否かを判断し、肯定判断のときに、前記選択手段で選択されたユニーク性確認領域の数を減らしても前記各頁に印刷された文字列のユニーク性があるかを判断しこの判断が肯定のときに前記ユニーク性確認領域の数を減らし、否定判断のときに、前記選択手段で選択されたユニーク性確認領域に加え、前記設定手段で設定された複数の領域のうち前記選択手段で選択されていない領域をユニーク性確認領域として増やすことを特徴とする請求項6に記載の印刷検査装置。
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