[実施例1] 《画像形成装置の全体的な概略構成》:図1は本実施例のカラー電子写真画像形成装置の外観斜視図、図2は左断面図、図3は図2の部分的な拡大図である。このカラー電子写真画像形成装置1は、電子写真プロセスを用いた、4色フルカラーのレーザープリンターである。該装置はパソコン・イメージリーダ等の外部ホスト装置(不図示)から制御回路部2に入力する電気的画像信号に基いて記録媒体(例えば、用紙、OHPシート、ラベル等)Sに画像形成を行う。即ち、画像形成装置1は、カートリッジを装置本体1Aに取り外し可能に装着して、記録媒体Sにカラー画像を形成するものである。以下の説明において、画像形成装置1に関して、前側(正面側)とは装置開閉ドア3を配設した側である。後側とはそれとは反対側である。前後方向とは、装置の後側から前側に向かう方向(前方向)と、その逆の方向(後方向)である。左右とは装置を前側から見て左または右である。左右方向とは、右から左に向かう方向(左方向)と、その逆の方向(右方向)である。また、電子写真感光体ドラムの長手方向(軸線方向)の一端側が駆動側、他端側が非駆動側である。
1Bはプロセスカートリッジ収容部であって、画像形成装置1の装置本体1A内に設けられている。カートリッジ収容部1Bには、装置本体1Aの後側から前側にかけて、第1から第4の4つのプロセスカートリッジPY・PM・PC・PKを水平方向(横方向)に並べて配設(インライン構成、タンデム型)してある。各カートリッジは、収容されている現像剤の色が異なるだけで、互いに同様の電子写真プロセス機構である。カートリッジPY・PM・PC・PKは、カートリッジ収容部1Bに収容されている。カートリッジ収容部1Bは、各カートリッジが収容される部屋である。後述する通り、この部屋に位置しているカートリッジに装置本体1Aから回転駆動力が伝達される。また、後述する通り、この部屋に位置しているカートリッジに装置本体1Aからバイアスが供給される。本実施例の各カートリッジは、電子写真感光体ドラム(以下、ドラムと称す)4と、該ドラム4に作用するプロセス手段としての帯電手段5及びクリーニング手段7を備えたドラムユニット(第一枠体)31を有する。また、各カートリッジは、プロセス手段としての現像手段を有する現像ユニット(第二枠体)6を有する。また、前記ドラムユニット8と現像ユニット6は互いに回動可能に結合されている。尚、帯電手段5としては帯電ローラを用いている。クリーニング手段7としてはクリーニングブレードを用いている。現像手段としては現像ローラ6aを用いている。第1のカートリッジPYは、現像容器内にイエロー(Y)の現像剤を収容しており、ドラム4面にY色の現像剤像を形成する。第2のカートリッジPMは、現像容器内にマゼンタ(M)の現像剤を収容してあり、ドラム4面にM色の現像剤像を形成する。第3のカートリッジPCは、現像容器内にシアン(C)の現像剤を収容してあり、ドラム4面にC色の現像剤像を形成する。第4のカートリッジPKは、現像容器内にブラック(K)の現像剤を収容しており、ドラム4面にK色の現像剤像を形成する。
カートリッジPY・PM・PC・PKの上方には、レーザースキャナユニット8が配設されている。このスキャナユニット8は、外部ホスト装置(不図示)から制御回路部2に入力する各色の画像情報に対応して変調したレーザー光Lを出力する。そして、レーザー光Lは、カートリッジの上面に設けた露光窓部9を通過して、各カートリッジのドラム面を走査露光する。
カートリッジPY・PM・PC・PKの下方には、転写部材としての中間転写ベルトユニット10を配設してある。このベルトユニット10は、可撓性を有するエンドレスベルト(転写ベルト)12と、このベルト12を張設して循環移動させる駆動ローラ13・ターンローラ14・テンションローラ15と、を有する。駆動ローラ13とテンションローラ15は装置本体1A内の後側に配設されている。ターンローラ14は装置本1A内の前側に配設されている。各カートリッジのドラム4は、その下面が、ベルト12の上面に接している(一次転写ニップ部)。ベルト12の内側には、上行側ベルト部分を介して各カートリッジのドラム4に対向させて一次転写ローラ16を配設している。駆動ローラ13には、ベルト12を介して二次転写ローラ17を当接させてある。ベルトユニット10の下方には、給送ユニット18を配設してある。このユニット18は、トレイ19、給出ローラ20、分離パッド21等を有する。トレイ19は装置本体1Aの前側から出し入れ自由である(フロントローデング)。
装置本体1A内の後側の上部には、定着ユニット22と、排出ユニット23を配設してある。装置本体1Aの上面は排出トレイ24である。定着ユニット22は定着フィルムアセンブリ22aと加圧ローラ22bを有する。排出ユニット23は、ローラ23aとコロ23bを有する。収容部1Bに収容されている各カートリッジは、加圧機構(不図示)により上から加圧されて装置本体側の位置決め部(不図示)に位置決めされ、固定されている。また、カートリッジの駆動入力部に対して装置本体側の駆動出力部が結合している。また、カートリッジ側の入力電気接点に対して装置本体側の給電系統が導通している。これらの構成については、後述する。
フルカラー画像を形成するための動作は次のとおりである。第1〜第4の各カートリッジPY・PM・PC・PKのドラム4が矢印の反時計方向に所定の速度で回転駆動される。ベルト12も矢印の時計方向(ドラム回転に順方向)にドラム4の速度に対応した速度で回転駆動される。スキャナユニット8も駆動される。この駆動に同期して、各カートリッジにおいてそれぞれ所定の制御タイミングで帯電ローラ5がドラム4の表面を所定の極性・電位に一様に帯電する。スキャナユニット8は各ドラム4の表面を各色の画像信号に応じて変調されたレーザー光Lで走査露光する。これにより、各ドラム4の表面に対応色の画像信号に応じた静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、現像ローラ6aにより現像される。
上記のような電子写真画像形成プロセス動作により、第1のカートリッジPYのドラム4にはフルカラー画像のイエロー成分に対応するY色現像剤像が形成される。そして、その現像剤像がベルト12上に一次転写される。第2のカートリッジPMのドラム4にはフルカラー画像のマゼンタ成分に対応するM色現像剤像が形成される。そして、その現像剤像が、ベルト12上にすでに転写されているY色の現像剤像に重畳されて一次転写される。第3のカートリッジPCのドラム4にはフルカラー画像のシアン成分に対応するC色現像剤像が形成される。そして、その現像剤像が、ベルト12上にすでに転写されているY色+M色の現像剤像に重畳されて一次転写される。第4のカートリッジPCのドラム4にはフルカラー画像のブラック成分に対応するK色現像剤像が形成される。そして、その現像剤像が、ベルト12上にすでに転写されているY色+M色+C色の現像剤像に重畳されて一次転写される。このようにして、ベルト12上にY色+M色+C色+K色の4色フルカラーの未定着現像剤像が形成される。各カートリッジにおいて、一次転写後にドラム4の表面に残留した現像剤はクリーニング手段7により除去される。
一方、所定の制御タイミングで給出ローラ20が駆動される。これにより、ローラ20と分離パッド21との協働で、トレイ19上に積載されている記録媒体Sが1枚分離されて、給送される。そして、記録媒体Sは、二次転写ローラ17とベルト12とのニップ部(二次転写ニップ部)に導入される。これにより、記録媒体Sが該ニップ部を搬送されていく過程で、ベルト12上の4色重畳の現像剤像が記録媒体用紙Sの面に順次に一括転写される。記録媒体Sはベルト12の面から分離されて定着ユニット22へ導入される。そして、定着ニップ部で加熱・加圧される。これにより、各色現像剤像の記録媒体Sへの定着がなされる。そして記録媒体Sは、定着ユニット22を出て、フルカラー画像形成物として排出ユニット23によりトレイ24上に排出される。記録媒体Sを分離した後のベルト12の表面に残留した二次転写残現像剤は、ベルトクリーニング器25にて除去される。
《カートリッジ交換方式》:第1〜第4の各カートリッジPY・PM・PC・PKは、画像形成に使用されるにつれて、それぞれ、現像ユニット6に収容されている現像剤が消費される。そこで、例えば、個々のカートリッジの現像剤の残量を検知する検知手段(不図示)をカートリッジに設ける。そして、装置本体1Aに設けた制御回路部2において、前記検知手段によって検知した残量値を、予め設定したカートリッジ寿命予告や寿命警告のための閾値と比較させる。そして、前記残量値が閾値よりも少ない残量値まで現像剤が減少したカートリッジについては、表示部(不図示)に、そのカートリッジについての寿命予告あるいは寿命警告を表示させる。これにより使用者に、交換用のカートリッジの準備を促す、あるいはカートリッジの交換を促して、出力画像の品質を維持している。本実施例の画像形成装置において、カートリッジの交換は、ユーザービリティ向上のために、カートリッジをカートリッジトレイに乗せ、フロントアクセスにより交換する方式である。カートリッジトレイはプロセスカートリッジを複数個支持した状態で、電子写真画像形成装置の装置本体の内側と外側との間を直線的に移動可能な移動部材である。カートリッジトレイが装置本体1Aの最も外側に引き出された際には、全てのカートリッジが装置本体1Aの外側に出る。従って、使用者が、カートリッジトレイに対してカートリッジを交換する際に、交換作業が行い易い。また、画像形成装置1の前面側には、装置本体1A内へカートリッジを挿入させる、及び、装置本体1Aからカートリッジを取り出すために、カートリッジを通過させる開口26を設けてある。そして、この開口26を閉じる閉鎖位置と、開口26を開放する開放位置と、の間を移動可能な開閉部材としてのドア3を設けてある。本実施例においては、このドア3は、ドア下側の軸(ヒンジ軸)27を中心に装置本体1Aに対して開閉回動可能である。ドア3は、ヒンジ軸27を中心にして、装置本体1Aに対して回動する。そして、図1・図2に示すように、ドア3を装置本体1Aに閉じた状態にする。このドア3の閉じ動作により開口26が閉鎖される。また、ドア3は、ヒンジ軸27を中心にして、装置本体1Aの手前側に回動する。そして、図4・図5に示すように、装置本体1Aから開いた状態にすることができる。これにより、開口26が大きく開放される。3aはドア3に設けた取手部である。尚、開口26は、装置本体1Aの前面に設けられている。
メインフレームの左フレームの内側と右フレームの内側には対向させて、一対のトレイ保持部材(移動手段)28L・28R(図4)が配設されている。この保持部材28L・28R間に、カートリッジトレイ29を、前後方向に水平にスライド移動可能に保持している。カートリッジPY・PM・PC・PKはこのトレイ29に支持されている。尚、メインフレームは、装置本体1Aの骨格となるものである。トレイ29は、前記各カートリッジを横方向に並べて支持している。ドア3と保持部材28L・28Rはドアリンク30を介して連結している。そして、ドア3の開き動作に連動して、保持部材28L・28Rがドアリンク30により引かれて装置本体1A内をガイド部材(不図示)に沿って前方向と上方とに所定量移動する。これにより、図4・図5に示すように、保持部材28L・28Rはその前側が、開口26から装置本体1Aの外方に所定量突出した位置に引き出される。この保持部材28L・28Rの移動に連動して、各カートリッジPY・PM・PC・PKの駆動入力部(後述する)に対する装置本体側の駆動出力部(後述する)の結合が解除された状態になる(駆動解除)。各カートリッジを位置決め及び固定している加圧機構によるカートリッジの加圧が解除される(加圧解除)。また、トレイ29の位置決め固定が解除される。各カートリッジ側の入力電気接点に対する装置本体側の給電系統の導通が解除される(給電解除)。そして、各カートリッジPY・PM・PC・PKを支持しているトレイ29が保持部材28L・28Rとともに上方に移動する。これにより、各カートリッジが位置決め部より浮き上がる。従って、各カートリッジのドラム4の下面がベルト12の面から離間して非接触状態(図1→図5)になる。そして、トレイ29は装置本体1Aより引出し可能となる。そこで、使用者が、開口26から露呈している取手部29aをつかんでトレイ29を保持部材28L・28Rに対して前方向に水平にスライド移動させる。そして、図6・図7に示すように、トレイ29を開口26から装置本体1Aの外側の所定の引出し位置まで十分に引き出す。これにより、トレイ29に保持されている第1〜第4の4つカートリッジPY・PM・PC・PKの全体が開口26を通過して装置本体1Aの外側に露出する。そして、全カートリッジの上面が開放される。トレイ29は、所定引き出されると、ストッパーS1・S2によりそれ以上の引き出し移動が阻止される(図7)。また、トレイ29は、所定の引出し位置まで水平に引き出されている状態が、保持部材28L・28Rにより安定に保たれる。トレイ29は、個々のカートリッジを真上に取り出すことができるようにラフに支持している。また、トレイ29は、個々のカートリッジを真下に向かって落とし込むことによって支持する。そこで、使用者は、図7の2点鎖線で示すように、交換すべき使用済みのカートリッジを、トレイ29から上方に持ち上げて抜き出す。そして、新しいカートリッジをトレイ29に対して上から嵌め込む。
使用者は、トレイ29に対するカーリッジの新旧交換をしたら、こんどは上記とは逆の手順で、引き出されているトレイ29を保持部材28L・28Rに対して後方向に水平にスライド移動させる(図17に示す矢示H方向)。そして、トレイ29を開口26から装置本体1aの内側に押し入れる。トレイ29は、ストッパーS1によりそれ以上の押し入れが阻止されるまで、装置本体1Aに十分に押し込まれる。そしてトレイ29は、図4・図5に示す状態に戻る。そして、ドア3を閉じるために装置本体1Aに対して回動する。このドア3の閉じ動作に連動して、保持部材28L・28Rがドアリンク30で押されて装置本体1A内をガイド部材(不図示)に沿って奥方向と下方に戻し移動する。保持部材28L・28Rの前記戻し移動に連動して、カートリッジ加圧機構が各カートリッジを加圧する。各カートリッジは、前記加圧力によって、装置本体1A内に設けられた位置決め部に位置決される。また、各カートリッジPY・PM・PC・PKの駆動入力部に対する装置本体側の駆動出力部の結合がなされる。また、各カートリッジ側の入力電気接点に対する装置本体側の給電系統の導通化がなされる。また、トレイ29の位置決め及び固定がなされる。また、各カートリッジPY・PM・PC・PKの有するドラム4の下面がベルト12の面に接触状態になる。すなわち、各カートリッジPY・PM・PC・PKが装置本体1A内における潜像形成位置に装着された図1・図2に示す状態に復帰する。即ち、各カートリッジは、カートリッジ収容部1Bに収容される。そして、画像形成装置1は、画像形成動作が可能な状態になる。上記において、トレイ29は、各カートリッジを横方向へ並べて支持した状態で、カートリッジが有するドラム4の長手方向(軸線方向)とは交差する方向に直線的に移動可能である。そして、トレイ29は、装置本体1Aの内側と外側との間を移動可能である。また、トレイ29は、前記開口26を通過してカートリッジを装置本体1Aの外側において着脱出来る引出し位置と、カートリッジを装置本体1Aの内側に装着するための装着位置と、ドラム4に静電潜像を形成できる潜像形成位置と、を取り得る。ここで、トレイ29が移動部材である。
本実施例においては、トレイ29は、装置本体1Aの外側から内側へ移動する移動方向において、上流側から下流側へ、それぞれ、K色、C色、M色、Y色の現像剤を収納しているカートリッジPK、PC、PM、及びPYをこの順番に並べて支持している。このように本実施例によれば、他のカートリッジと比較して現像剤の消費の多い、即ち、交換頻度の高いカートリッジPKが、装置本体1Aの手前側でもって、トレイ29に支持されている。従って、カートリッジPKを交換する際には、トレイ29を僅かに装置本体1Aの外側へ引き出せば、カートリッジPKを装置本体1Aの外側へ露出することができる。カートリッジPKを交換する際に、ストッパーS1・S2によって引き出し移動を規制される位置までトレイ29を引き出すことは必要ない。よって、カートリッジPKの交換操作性が向上した。尚、ストッパーS1はトレイ29に設けられている。また、ストッパーS2は装置本体1Aに設けられている。そして、トレイ29を引き出す際には、ストッパーS1が図7のようにストッパーS2に接触して、引き出し移動を規制する。また、トレイ29を押し込む際には、ストッパーS1が装置本体1Aの固定部(不図示)に接触して移動を規制する。また、左右の保持部材28L・28Rが、トレイ29をカートリッジを着脱出来る引出し位置に移動する前に、トレイ29を装着位置から上方向に移動させる、および、装着位置へ向かって下方向に移動させる。即ち、保持部材28L・28Rは、トレイ29を支持する支持部材であって、トレイ29を前記引出し位置と前記装着位置との間で移動させるための第一の位置と、トレイ29を前記潜像形成位置に位置させるための第二の位置とを取り得る。そして、ドア3が閉じるのに連動して、保持部材28L・28Rは、前記第一の位置から前記第二の位置に移動する。また、ドア3が開かれるのに連動して、保持部材28L・28Rは、前記第二の位置から前記第一の位置に移動する。この保持部材28L・28Rが、移動手段である。
《カートリッジ》:本実施例において、第1から第4のカートリッジPY・PM・PC・PKは何れも同様の構成をとっている。図8〜図14を用いて、カートリッジの構成を説明する。図8はカートリッジを駆動側から見た斜視図、図9は非駆動側から見た斜視図、図10は図9とは見る角度を変えた斜視図である。図11はカートリッジの駆動側の側面図(右側面図)、図12は非駆動側の側面図(左側面図)である。図13はドラム4に現像ローラ6aが接触している状態時のカートリッジの横断面図である。図14はドラム4から現像ローラ6aが離間している状態時のカートリッジの横断面図である。前記カートリッジは、ドラム4の軸線方向a−aを左右方向とし、この左右方向を長手とする横長のアセンブリである。そして、前記カートリッジは、ドラムユニット(第一の枠体)31と、現像ユニット(第二の枠体)6と、左側板32Lと、右側板32Rとを有する。ドラムユニット31は、クリーニング容器(クリーニング枠体)31aに、ドラム4と、帯電ローラ5と、クリーニングブレード7と、現像剤漏れ防止シート7aを備えている(図13を参照)。ドラム4は、容器31aの左右の側板間に軸受部材を介して回転自在に取り付けられている。帯電ローラ5は、ドラム4に接触させて、容器31aの左右の側板間に軸受部材を介して回転自在に取り付けられている。ブレード7は、基部を容器31aに固定した弾性ゴムブレードである。そして、ブレード7は、ドラム4の回転方向に対してカウンター方向にドラム4に当接させて取り付けられている。ブレード7はドラム4に残留した現像剤を除去する役目をする。このブレード7によりドラム4の周面から除去された現像剤は、容器31a内に収容される。シート7aは基部を容器31aに固定した弾性樹脂シート部材である。そして、シート7aは、ブレード7の下方においてドラム回転方向に対して順方向にドラム4に当接して取り付けらけられている。このシート7aは容器31aとドラム4との隙間部から現像剤が漏れるのを防ぐ。
現像ユニット6は、現像容器(現像枠体)6eに、現像ローラ6aと、現像剤供給(塗布)ローラ6bと、現像剤規制部材6cと、現像剤漏れ防止シート6dを備えている。そして、容器6e内に現像剤を収容している。現像ローラ6aは弾性ゴムローラである。現像ローラ6aは、容器6eの左右の側板間に軸受部材を介して回転自在に取り付けられている。現像剤供給ローラ6bは現像ローラ6aに現像剤を供給(塗布)する部材である。供給ローラ6bは、現像ローラ6aに接触して、容器6eの左右の側板間に軸受部材を介して回転自在に取り付けられている。現像剤規制部材6cは、基部を容器6eに固定した弾性薄板部材である。規制部材6cは、供給ローラ6bよりも現像ローラ6aの回転方向下流側において、現像ローラ6aの回転方向に対してカウンター方向に現像ローラ6aに当接して取り付けられている。この規制部材6cは、供給ローラ6bにより現像ローラ6aに塗布された現像剤を一定の厚みに規制する。シート6dは、基部を容器6eに固定した弾性樹脂シート部材である。シート6dは、現像ローラ6aの回転方向に対して順方向に現像ローラ6aに当接して取り付けられている。このシート6dは、容器6eとドラム4との隙間部からの現像剤が漏れるのを防ぐ。
左側板32Lと右側板32Rは、それぞれ、容器31aの左側面と右側面とに外側より固定して取り付けられている。左側板32Lと右側板32Rは、それぞれ、容器31aから後方へ延びた延長部を有している。そして、現像ユニット6はその左右の延長部の間に配置されている。現像ユニット6は、この延長部に対して、ドラム軸線a−aと平行な軸線b−bを回動中心にして揺動可能に支持されている。即ち、現像ユニット6は、ドラムユニット31と回転可能に結合されている。現像ユニット6の回動中心b−bは、駆動側である右側板32R側においては後述する現像駆動カップリング(第2駆動入力部、現像ローラ駆動力受け部)34の中心をとるように構成している。また、非駆動側である左側板32L側においては支持軸35の中心をとるように構成としている。支持軸35の位置は、カップリング34の中心と断面座標で実質的に一致するように構成している。すなわち、カップリング34の中心軸線と支持軸35の中心軸線は実質的に一致させている。
前記カートリッジの駆動側の側面部には、ドラム駆動カップリング(第1駆動入力部、ドラム駆動力受け部)33と、現像駆動カップリング34と、駆動側回転止め部(凸部:第一の被回転規制部、被回転規制部)36Rが設けられている。また、駆動側保持受け部(第一の被支持部)37Rと、駆動側被支持部(第一の被位置決め部、被回転規制部)38Rが設けられている。ドラム駆動カップリング33の中心はドラム軸線に一致させている。カートリッジの非駆動側の側面部には、非駆動側回転止め部(凹部:第二の被回転規制部)36Lと、非駆動側保持受け部(第二の被支持部)37Lと、非駆動側被支持部(第二の被位置決め部)38Lを配設してある。カップリング33とカップリング34に対しては、それぞれ、カートリッジが装置本体に装着された状態(収容部1Bに収容された状態)で装置本体側の第1駆動出力部(不図示)と第2駆動出力部(不図示)が結合した状態になる。そして、前記第1駆動出力部からカップリング33に駆動が伝達されることで、ドラム4が、反時計方向(図13において)に所定の速度で回転駆動する。帯電ローラ5はこのドラム4の回転に従動して回転する。また、前記第2駆動出力部からカップリング34に駆動が伝達されることで、駆動伝達ギア列(不図示)を介して現像ローラ6aと現像剤供給塗布ローラ6bがそれぞれ、時計方向(図13において)に所定の速度で回転駆動する。容器6e内の現像剤は回転する供給ローラ6bによって、回転している現像ローラ6aに供給(塗布)される。現像ローラ6aに塗布された現像剤は現像剤規制部材6cによって一定の厚みに規制される。そして、現像剤は、現像ローラ6aの回転により現像ローラ6aとドラム4の接触部である現像部位に搬送される。これによって、現像剤は、ドラム4に形成された静電潜像の現像に供される。現像後に現像ローラ6aの周面に残された現像剤は、現像ローラ6aの回転により容器6e内に戻される。そして前記現像剤は、供給ローラ6bによって現像ローラ6aの周面から除去される。この現像剤の除去と同時的に現像ローラ6aには、供給ローラ6bによって新たに現像剤が塗布される。
即ち本実施例によれば、カートリッジが装置本体1Aに装着された状態で、装置本体1Aから感光体ドラム4を回転するための駆動力を受ける、感光体ドラム4の長手方向の一端側に設けられたドラム駆動カップリング33を有する。ドラム駆動カップリング33が第1駆動入力部(ドラム駆動力受け部)である。また、カートリッジが装置本体1Aに装着された状態で、装置本体1Aから現像ローラ6aを感光体ドラム4とは反対方向へ回転するための駆動力を受ける、前記長手方向の一端側であって第二の枠体6に設けられた現像駆動カップリング34を有する。現像駆動カップリング34が現像ローラ駆動力受け部である。
図15は駆動側から見たカートリッジトレイの外観斜視図である。図16は非駆動側から見たカートリッジトレイの外観斜視図である。図15、図16に示すように、駆動側と非駆動側の回転止め部36R・36Lは、後述するように、カートリッジをトレイ29に挿入した際にトレイ29側の係合部(29h、29i)と係合する。そして、カートリッジの装置本体に対する位置決め時にはカートリッジの回転止めとして作用する。即ち、回転止め部36R・36Lは、カートリッジが装置本体1Aから回転駆動力を受けた際に、カートリッジが回転しようとするのを規制する。尚、前記カートリッジをトレイ29に落し込んで、前記カートリッジをトレイ29によって支持した状態では、回転止め部36R・36Lは、前記係合部(29h、29i)の内面と接触している場合もあるし、接触していない場合もありえる。しかしながら、カートリッジが装置本体1Aから回転駆動力を受けた際には、回転止め部36R・36Lは、前記係合部(29h、29i)の内面と接触して、前記カートリッジが回転しようとするのを規制する。駆動側と非駆動側の被支持部37R・37Lは、それぞれ、右側板32Rと左側板32Lの上辺側において外方に突出させて設けられている。この被支持部37R・37Lは、カートリッジの短手方向に沿って設けられており、長細形状である。この被支持部(第一の被支持部、第二の被支持部)37R・37Lは、カートリッジをトレイ29に挿入した際にトレイ29の上面29x(図15)の部分29m・29nと係合して、カートリッジがトレイ29をすり抜けて下方に落下するのを防止する。即ち、本実施例によれば、被支持部37Rは、前記長手方向の一端側であって第一の枠体31に設けられており、カートリッジをトレイ29に支持するためにトレイ29に支持される。また、被支持部37Lは、前記長手方向の他端側であって第一の枠体31に設けられており、カートリッジをトレイ29に被支持部37Rと協働して支持するためにトレイ29に支持される。
尚、図6、図7に示すように、72R、72Lは押圧部材である。トレイ29を装置本体1Aに挿入する際に、トレイ29から上方に浮いているカートリッジをトレイ29の正しい支持位置へ移動させるものである。即ち、押圧部材72Rが被支持部37Rを押圧して、被支持部37Rを上面29xの部分に押圧する。また、他端側(左側)にも同様の押圧部材(不図示)を有しており、その押圧部材が被支持部37Lを押圧して、被支持部37Lを上面29xに押圧する。また、73R、73Lは支持板である。支持板73Rは押圧部材72Rを有しており、保持部材28Rに取り付けられている。また、支持板73Lは押圧部材72Rと同様の押圧部材(不図示)を有しており、保持部材28Lに取り付けられている(図6、図7)。図11、図12に示すように、駆動側に設けられた第一の被位置決め部38Rは、円弧状の下向き凸部である。そして、被位置決め部38Rは、右側板32Rの下辺であって、ドラム4と同軸線上に設けられている。非駆動側に設けられた第二の被位置決め部38Lも、円弧状の下向き凸部である。そして、被位置決め部38Lは、左側板32Lの下辺であって、ドラム4と同軸線上に設けられている。この被支持部38R・38Lは、カートリッジが装置本体1Aの収容部1Bに収容された状態で、装置本体1Aに設けられた本体側位置決め部(不図示)と係合する。そして、カートリッジの収容部1Bにおける位置決めをする。尚、被位置決め部38R・38Lは、トレイ(移動部材)29が前記転写ベルト12に向かって下降する際にトレイ29が下降する途中で、前記本体側位置決め部(不図示)に位置決めされる。
図12に示すように、左側板32Lの外面には第1の入力電気接点39を設けている。また、容器6eの非駆動側の側面には、第2の入力電気接点40と第3の入力電気接点41とを設けている。第2の入力電気接点40は左側板32Lに設けた窓穴部32aから外部に露出している。第3の入力電気接点41は、図12のように、水平面に対して斜め下向きに傾かせて設けている。第1の入力電気接点39は、帯電ローラ5に対する帯電バイアス印加用の電気接点(帯電ローラバイアス電気接点)である。この電気接点39はその延長部を帯電ローラ5の軸端面に弾性的に当接させてあり、軸端面で摺動しながら帯電ローラ5と電気的に導通を取っている。即ち、第1の入力電気接点(入力帯電バイアス電気接点)39は、カートリッジが装置本体1Aに装着された状態で、装置本体1Aから帯電ローラ5へ供給する帯電バイアスを受ける。そして、電気接点39は、前記他端側の端面から露出して設けられている。第2の入力電気接点40は、現像ローラ6aに対する現像バイアス印加用の電気接点(現像ローラバイアス電気接点)である。この電気接点40はその延長部を現像ローラ6aの軸端面に弾性的に当接させてあり、軸端面で摺動しながら現像ローラ6aと電気的に導通を取っている。即ち、第2の入力電気接点(入力現像バイアス電気接点)40は、カートリッジが装置本体1Aに装着された状態で、装置本体1Aから現像ローラ6aへ供給する現像バイアスを受ける。そして、入力電気接点40は、前記他端側の端面から露出して設けられている。第3の入力電気接点41は、現像剤供給(塗布)ローラ6bに対するバイアス印加用の電気接点(供給(塗布)ローラバイアス電気接点)である。この電気接点41はその延長部を現像剤塗布ローラ6bの軸端面に弾性的に当接させてあり、軸端面で摺動しながら現像剤塗布ローラ6bと電気的に導通を取っている。
現像ユニット6は加圧バネ(不図示)により回動中心b−bを中心に現像ローラ6aがドラム4に当接する方向F(図13)に回動付勢されている。また、カートリッジには、現像ユニット6を加圧バネに抗して回動中心b−bを中心に現像ローラ6aがドラム4から離間する方向G(図14)に回動させてその回動姿勢を保持する加圧解除カム42を有する。このカム42は、操作ノブ42aにより加圧方向と加圧解除方向に選択的に回動される。カートリッジの物流時や保管時にはカム42を加圧解除方向に回動させておく。これにより、現像ローラ6aが、ドラム4から離間αした状態(図14に示す)に保持されて、現像ローラ6aのへたり等が防止される。使用時にはカム42を加圧方向に回動させる。これにより、現像ローラ6aがドラム4に対して当接した状態(図13に示す)になる。そして、カートリッジは、画像形成が可能となる。加圧状態(図13に示す)のカートリッジにおいて、ドラムユニット31と現像ユニット6との間に隙間が設けられる。この隙間が露光窓部9となる。
《カートリッジトレイ》:図15・図16を用いて、トレイ29を説明する。このトレイ29は、4つの枠部29b・29c・29d・29eを結合させて矩形の大枠部を構成している。その大枠部内を3枚の仕切り板29kで前後方向に略等分に4つに仕切っている。そして、後枠部分29c側から前枠部分29b側へ順に、第1〜第4の横長小枠部29(1)〜29(4)を設けている。各小枠部29(1)〜29(4)がそれぞれ第1〜第4の4つカートリッジPY・PM・PC・PKを挿入して支持させる部分(カートリッジ収容空間、カートリッジ装着部)である。トレイ29は各横長小枠部29(1)〜29(4)において、カートリッジPY・PM・PC・PKをラフに支持する。即ち、前述した通り、各カートリッジの有する被支持部37R・37Lを、小枠部29(1)〜29(4)(トレイ29の上面)と係合して、カートリッジがトレイ29をすり抜けて下方に落下するのを防止する。各小枠部29(1)〜29(4)において、右枠部(駆動側)29eには、装置本体1A側の第1と第2の駆動出力部がトレイ29に対して出入りする穴部29f・29gを設けている。また、駆動側回転止め部36Rが係合する係合部29hを設けている。また、左枠部(非駆動側)29dには、カートリッジの非駆動側回転止め部36Lが嵌合する係合部29iを設けている。また、カートリッジが有する第1〜第3の入力電気接点39〜41とそれぞれ電気的に接続する第1〜第3の中間電気接点43〜45を設けている。中間電気接点43〜45はそれぞれ各カートリッジ収容空間29(1)〜29(4)の内側に位置する内側接触部(a)と、外側に位置する外側接触部(b)とを有している。内側接触部(a)と外側接触部(b)は導通している。カートリッジがトレイ29に支持された状態で、中間電気接点43〜45の内側接触部(a)とカートリッジ側の第1〜第3の入力電気接点39〜41とがそれぞれ電気的に接続する。また、カートリッジがカートリッジ収容部1Bに収容された状態で、中間電気接点43〜45の外側接触部(b)と装置本体1Aの出力電気接点(本体電気接点:不図示)とがそれぞれ電気的に接続する。
各カートリッジPY・PM・PC・PKは、対応するカートリッジ収容空間29(1)〜29(4)内に上から落とし込んで挿入される。カートリッジを挿入していくと、駆動側と非駆動側の回転止め部36R・36Lが、それぞれ、トレイ29側の係合部29hと29iに係合していく。即ち、止め部36Rが係合部29hに嵌り込んでいく。また、止め部36Lが、係合部29iに嵌り込んでいく(図15)。さらにカートリッジがトレイ29の小枠部に収まるように下方へ移動すると、被支持部37Rの下面がトレイ29の枠部29eの上面に受け止められる。また、被支持部37Lの下面がトレイ29の枠部29dの上面に受け止められる(図16)。これにより、カートリッジがトレイ29に乗って支持された状態になる。すなわち、トレイ29は、各カートリッジを真上に取り出し可能に支持しており、各カートリッジを真下に向かって移動させることによって支持する。また、カートリッジ側の第1〜第3の入力電気接点39〜41と、トレイ29側の中間電気接点43〜45の内側接触部(a)とが接触してそれぞれ電気的に接続した状態になる。トレイ29は装置本体内に移動されて、各カートリッジが潜像形成位置に装着された状態においては、トレイ29側の中間電気接点43〜45の外側接触部(b)が装置本体側の出力電気接点に接触して電気的に接続した状態になる。すなわち、各カートリッジの第1〜第3の入力電気接点39〜41に対して装置本体側の給電系統がトレイ29側の中間電気接点43〜45を介して導通化する。中間電気接点43〜45は装置本体側の出力電気接点から受けたバイアスをカートリッジ側に供給する。
《中間電気接点とカートリッジの関係》:図15・図16・図17を用いて、トレイ29に配置した中間電気接点43〜45とカートリッジの関係を説明する。トレイ29の各カートリッジ収容空間29(1)〜29(4)において、第1〜第3の中間電気接点43〜45は、本実施例においては、トレイ29の非駆動側に設けている。第1と第2の中間電気接点43と44の内側接触部(a)は、それぞれ、各カートリッジ収容空間29(1)〜29(4)において、左枠部29dの内面に配設してある。また、第3の中間電気接点45の内側接触部(a)は、各カートリッジ収容空間29(1)〜29(4)のカートリッジが入るスペース下方において、トレイ29が装置本体1Aの外側から内側に向って移動する移動方向H(図17)の下流側に配置している。上記第1〜第3の中間電気接点43〜45の内側接触部(a)は、それぞれ、バネ材を用いた弾性力を有する。第1と第2の中間電気接点43〜44の内側接触部(a)は非駆動側に弾性的に撓む。第3の中間電気接点45の内側接触部(a)は上記移動方向Hに弾性的に撓む。
カートリッジ側において、第1の入力電気接点39は左側板32Lの外面に設けている。また、第2の入力電気接点40は現像容器6eの非駆動側の側面に設けている。そして、電気接点40は、左側板32Lに設けた窓穴部32aから外部に露呈している。第3の入力電気接点41は、カートリッジがトレイ29に支持された状態で、上記の移動方向Hの先端に設けてある。そして、カートリッジがトレイ29に支持された状態で、斜め下方へ向って設けられている(図12、図17)。カートリッジは、トレイ29に対して、ドラム4の軸線a−a方向が上記移動方向Hと交差する方向に支持され、上記第3の入力電気接点41は、カートリッジの短手方向外側に配置されている。カートリッジがトレイ29の対応する小枠部に挿入されて支持された状態において、カートリッジ側の第1の入力電気接点39は第1の中間電気接点43の内側接触部(a)に対してこれを弾性的に撓ませて接触する。そして、両者は電気的に導通する。カートリッジ側の第2の入力電気接点40は第2の中間電気接点44の内側接触部(a)に対してこれを弾性的に撓ませて接触する。そして、両者は電気的に導通する。カートリッジ側の第3の入力電気接点41は第3の中間電気接点45の内側接触部(a)に対してこれを弾性的に撓ませて接触する。そして、両者は電気的に導通する。第1と第2の中間電気接点43の内側接触部(a)は、上記の撓み反力により、トレイ29に保持されたカートリッジを非駆動側から駆動側の駆動側の側板に押圧する。これにより、カートリッジは装置本体から精度良く駆動力の伝達を受けることができる。カートリッジ側の第3の入力電気接点41は、第3の中間電気接点45の内側接触部(a)に、水平に対して傾いて当接する(図17)。そのため、第3の入力電気接点41は第3の中間電気接点45の内側接触部(a)から該内側接触部の撓み反力により、斜め上方(図21の矢印Jで示す方向)に向って、押圧される。この第3の入力電気接点41の押圧方向は、現像ユニット6の回動中心b−bに対して現像ユニット(第二枠体)6の現像ローラ6aがドラムユニット(第一枠体)31のドラム当接方向に向いている。この第3の中間電気接点45による第3の入力電気接点41の弾性的押圧により、カートリッジは、回転止め36L方向に力を受け、回転止め36Lとトレイ29側の係合部29iとの嵌合ガタ内でガタ寄せされた状態で安定する。即ち、電気接点45の有する弾性力よって、回転止め36Lが係合部29iの内面に接触した状態となる。本実施例においては、第3の入力電気接点41が第3の中間電気接点45の内側接触部(a)と接触する。そして、カートリッジがこの接触部(a)から弾性的に押圧された状態で、回転止め36Lの内面が、トレイ29側の係合部29iと接触する。回転止め36Lが、カートリッジ側接触部である。このカートリッジ側接触部である回転止め36Lは前記移動方向Hの上流側に設けられている。また、カートリッジ上方へ押圧力が働く。そのために、カートリッジが自重落下でトレイ29のカートリッジ収容空間に収まる前に、第3の中間電気接点45の内側接触部(a)が、衝撃吸収の効果をもつ。
図6・図7に示すように、トレイ29は装置本体1Aから引き出た位置においてカートリッジの新旧交換を行う。そして、トレイ29を装置本体1Aの外側から内側に向って移動する。これによって、装置本体1A内にカートリッジを収容する。使用者がトレイ29を装置本体1Aの外側から内側に向って移動する際に、勢い良く移動すると、装置本体1Aにトレイ29が収まった際に、衝撃力が発生する。特に、ストッパーS1が装置本体1Aの固定部(不図示)に衝突した際に、カートリッジは衝撃を受ける。本実施例に拠れば、その際、前述のように第3の入力電気接点41の内側接触部(a)による弾性力によって、カートリッジはトレイ29のカートリッジ収容空間内に安定して収まっている。即ち、カートリッジは、各カートリッジ収容空間29(1)〜29(4)内で、トレイ29の移動方向Hにおいて、移動を規制された状態で支持されている。そのため、上記の衝撃力をトレイ29が受けた場合でも、カートリッジはトレイ29で大きく変動することはない。従って、カートリッジが受ける衝撃力が緩和できる。これを実現するために、本実施例においては、第3の中間電気接点45の内側接触部(a)を、移動方向Hの下流側に設けている。また、内側接触部(a)と接触する第3の入力電気接点41を、移動方向Hの下流側に設けている。即ち、本実施例では、供給ローラへバイアスを供給するための第3の入力電気接点41を前記移動方向Hの先端に設けた。そのうえで、第3の中間電気接点45の内側接触部(a)を、各カートリッジ収容空間29(1)〜29(4)内で、前記移動方向Hの下流側に設け、かつ、前記移動方向Hの方向に弾性的に撓むように設けた。さらに、入力電気接点41が電気接点45の内側接触部(a)(中間電気接点)によって弾性的に押圧された際に、前記回転止め36L(カートリッジ側接触部)の内面が、トレイ29に設けられた係合部29iと接触するように構成した。
尚、本実施例では、各カートリッジの重量は、500g〜650gである。これに対して、中間電気接点45の弾性力を1.5N〜3.5N(ニュートン)とした。これによって、カートリッジは、前記回転止め36L(カートリッジ側接触部)の内面が、トレイ29に設けられた係合部29iと接触するに十分な、押圧力を受けることができる。本実施例では中間電気接点45はネジリコイルバネを使用している。尚、本実施例は、これらの数値に限定されるものではなくて、適宜選択すれば良い。これによって、本実施例によれば、トレイ29が移動時、特に、トレイ29がストッパーS2に接触した際に、カートリッジが受ける衝撃、振動を緩和することができる。
尚、本実施例によれば、カートリッジをトレイ29に支持した際に、カートリッジ内において、帯電ローラ5及び現像ローラ6aと比べて、前記移動方向Hの下流側に配置される第3の入力電気接点41を前記移動方向Hの先端に設けた。第3の入力電気接点41は供給ローラ6bへバイアスを供給するための電気接点である。これによって、他の電気接点を前記移動方向Hの先端に設ける場合と比較して、入力電気接点41と供給ローラ6bとの間の配線を短くできる。また、本実施例によれば、カートリッジをトレイ29に支持した際に、入力電気接点41は、斜め下方向かって設けられている。そして、入力電気接点41は電気接点45の内側接触部(a)によって斜め上方へ向かって押圧される。従って、カートリッジは、斜め下方から斜め上方へ向かって押圧されることになり、前記回転止め36L(カートリッジ側接触部)の内面が、係合部29iとより確実に接触することができる。また、前記回転止め36Lと係合部29iを、カートリッジが装置本体1Aから回転力を受ける際の回転止めとしてだけではなくて、衝撃緩和にも兼用できる。また、カートリッジはトレイ29内にガタ寄せされて安定して収まっている。そのため、使用者がトレイ29を装置本体1Aの内側から外側に向って移動(図17の矢示すHと反対方向)する際に勢い良く移動した場合にも、衝撃力、振動が緩和できる。本実施例においては、カートリッジには、現像ローラ6aやクリーニングブレード7の下方に現像剤漏れ防止シート6d・7aを配置している。このような構成であっても、振動、衝撃を緩和することができるので、現像剤が漏れる虞が低減できる。本実施例によれば、カートリッジを支持した状態で、装置本体1Aの外側と内側又は内側と外側との間を移動可能なトレイ29が移動した際に、カートリッジに加わる衝撃を緩和する機能部材を中間電気接点45に持たせた。即ち、本実施例によれば、電気接点45に電気を供給する機能と、衝撃緩和の機能を持たせた。これにより、部品の低減、装置構成の簡略化をすることができた。上記の実施例では、電気接点類をカートリッジの非駆動側とトレイ29の非駆動側に配置したが、この例に制限することなく、駆動側に配置しても良い。また、本実施例によれば、カートリッジをトレイ29に支持した際に、中間電気接点を前記移動方向Hの先端に設けた。しかし本実施例はこれに限定されるものではない。中間電気接点を前記移動方向Hにおいて先端と後端の両方に配置しても良い。しかしながら、中間電気接点を前記移動方向Hの先端に設けた場合には、後端に設けた場合と比較して、トレイ29が装置本体の外側から内側へ移動する際の衝撃をより効率的に緩和することができる。即ち、使用前のカートリッジの衝撃を緩和することができるので、より実用的である。
《カートリッジの装置本体に対する位置決め固定》:次に、各カートリッジの装置本体1Aに対する位置決め固定方法について説明する。図18は画像形成装置1の装置本体1Aの正面方向(ドア3方向)からの内部断面を示す模式図である。トレイ保持部材28L・28Rは、それぞれ、装置本体1Aの骨格となるメインフレームの左フレーム(非駆動側)100Lの内側と右フレーム(駆動側)100Rの内側に対向させて設けられている。保持部材28L・28R間には、カートリッジトレイ29が前後方向に実質的に水平方向にスライド移動可能に保持されている。カートリッジPY・PM・PC・PKはトレイ29に複数個並んで支持されている。従って、トレイ29は、装置本体1Aの外側から内側へ向かって、及び、装置本体1Aの内側から外側へ向かって、水平方向に移動可能である。尚、水平方向とは、画像形成装置1の載置面に実質的に水平であることである。
図19は各カートリッジの非駆動側の装置本体1Aに対する位置決め状態を示している。図20は各カートリッジの駆動側の装置本体1Aに対する位置決め状態を示している。各カートリッジは装置本体1Aに装着された状態で、非駆動側の被支持部(第二の被支持部)38Lが装置本体側の非駆動側の本体側位置決め部(第二の本体側位置決め部)71Lに係合して装置本体1Aに下方から支持される。また、駆動側の被支持部(第一の被支持部)38Lが装置本体側の駆動側の本体側位置決め部(第一の本体側位置決め部)71Lに係合して装置本体1Aに下方(画像形成装置内姿勢下方)から支持される。すなわち、各カートリッジはドラム4の長手方向において少なくとも2箇所で装置本体1A内に支持される。
本実施例においては、非駆動側と駆動側の本体側位置決め部71Lと71Rは、それぞれ、装置本体1A内の右側と左側に対向させて固設している。位置決め部71Lと71Rは、ステー部材70Lと70Rに長手方向に沿って設けられた略V字形状を有するV字溝である。このV字溝に被支持部38L・38Rの下向き円弧部が嵌り込んでカートリッジの位置決めがなされる。すなわち、被支持部38L・38Rは、ドラム軸線を中心軸とした下向きの円弧形状である。そして、前記円弧形状の一部である2箇所の円弧面と、本体側位置決め部71L・71Rに設けられた略V字形状を有する2つの斜面が各々係合する。また、図18に、装置本体内1Aでのカートリッジの長手方向の位置決め構成を示す。すなわち、カートリッジの非駆動側の側板32Lに被長手位置決め部49(カートリッジ側突き当て面)が設けられている。また、左フレーム(非駆動側)100Lに支持されたトレイ保持部材28Lの一部に長手位置決め部60(本体側突き当て面)が設けられている。そして、被位置決め部49が長手位置決め部60(本体側突き当て面)に当接する。これによって、装置本体1A内でのカートリッジの長手方向の位置決めがなされる。即ち、カートリッジは、その長手方向の他端側が装置本体1Aに対して位置決めされる。本実施例においては、トレイ保持部材28Lが一体的に長手位置決め部60を有しているが、左フレーム100Lに一体的に設けられたものでも良い。
ドア3を、十分に開いた開状態(図4・図5)から、十分に閉められた閉状態(図1・図2)に向けて閉め始める。これによって、ドアリンク30を介してトレイ保持部材28L・28Rが水平方向に移動した後、図5の左下方に押し下げられる。よって、トレイ29が下がる。そして、各カートリッジの被位置決め部38L・38Rは装置側位置決め部71L・71Rに係合し、位置決めされ、ドラム4は転写ベルト12に接触し、図2に示された状態に至る(図21、図22中、動作1)。即ち、本実施例によれば、保持部材28L・28Rは、ドア3の閉じ動作に連動するリンク30によって、水平方向に移動して開口26を通過して装置本体内へ進入する。そして、ストッパーS1が装置本体1Aに設けられた固定部(不図示)に接触すると、保持部材28L・28Rは、降下する。そして、トレイ29も降下して、トレイ29に設けられた係合部29yが本体1Aに設けられた係止部50に係止することによって、トレイ29は本体1Aに位置決めされる(図2、図5)。装置本体1Aは、各カートリッジの上方に、被位置決め部38L・38Rを本体側位置決め部71L・71Rに付勢させるための押圧構成を有している。その押圧構成は、カートリッジを下方向に押圧する非駆動側の押圧部80と駆動側の押圧部82を有している。また、カートリッジには、押圧部80に対応する被駆動側の被押圧部(第一の被押圧部)90、また、押圧部82に対応する駆動側の被押圧部(第二の被押圧部)83を有している。上記の押圧構成の組み合わせは、位置決め構成の組み合わせと同様にカートリッジの長手方向両端に構成している。
非駆動側の押圧構成に関して図21を用いて詳細に説明する。押圧部80は、カートリッジの上面に設けられた被押圧部(第一の被押圧部)90を押圧する押圧部材80aと押圧力を発生させるための弾性部材80sを有する。そして、この押圧部80と弾性部材80sは、装置本体1Aに設けられた押圧部保持部材130に支持されている。また、押圧部80aと被押圧部90の中央には電気接点部99を設けている。更に引き続き、ドア30を十分に閉められた閉状態(図1・図2)に向けて閉めていくと、ドアリンク30を介して保持部材130が下方に押し下げられる。そして、押圧部80が被押圧部90に当接して、被押圧部90を押圧する(図21中の動作2)。また、同時に電気接点部99において電気的接続を行う。電気接点部99はカートリッジに設けられたメモリー(不図示)の電気接点である。この電気接点部99における電気的接続により、装置本体の制御部2とメモリーとの間で電気的情報の通信ができる。ここで、図23・図24を用いて、上記押圧構成について具体的な実施例を説明する。図23は第一の押圧構成を示す斜視図、図24は、図21におけるA−A断面であり、第一の押圧構成の断面図である。弾性部材80sは圧縮コイルバネであり、装置本体1Aの正面(図21における矢視A)から見て、カートリッジを非駆動側に付勢させる押圧力Fxと、本体側位置決め部71Lに付勢させる押圧力Fyの合力Fを発生する。すなわち、上記の押圧力Fxと押圧力Fyの合力Fが発生するように、押圧部材80aのバネ座面80zと保持部材130のバネ座面130zは斜面形状であり、弾性部材80sを斜めに配置している。これにより、カートリッジを装置本体1Aに装着した状態で、ドラム4の長手方向及び半径方向において、カートリッジを装置本体1Aに精度良く位置決めすることができる。即ち、第一の被位置決め部38Rは第一の本体側位置決め部71Rに位置決めされ、第二の被位置決め部38Lは第二の本体側位置決め部71Lに位置決めされる。そして、第一の被位置決め部38R、及び、第二の被位置決め部38Lが上記のように位置決めされた状態で前記長手方向の他端側であって第一の枠体31の上面に設けられた第一の被押圧部90を有する。
そして、被押圧部90は、カートリッジを前記他端側に向かって付勢して、カートリッジの他端側を装置本体1Aに対して位置決めするために、及び、第二の被位置決め部38Lを第二の本体側位置決め部71Lに押圧するために弾性力を受ける。即ち、被押圧部90は、装置本体1Aに設けられたバネ80s(第一の本体側弾性部材)の弾性力を斜め上方から受ける。また、前記の《カートリッジトレイ》の項に記載したように、第1と第2の中間電気接点43・44の弾性力を有する内側接触部(a)はカートリッジを長手方向の駆動側へ押圧している。押圧部80はカートリッジを、前記押圧力よりも強い逆方向(非駆動側方向)の押圧力Fxで非駆動側に付勢させる。これにより、各カートリッジをドラム4の長手方向に精度良く位置決めさせることができる。また、前記各接触部との電気的接続を確実に行うことができる。また、第3の中間電気接点45の弾性力を有する内側接触部(a)はカートリッジを斜め上方に押圧している。押圧部80はカートリッジを、前記押圧力よりも更に強い逆方向(下方向)の押圧力Fyで位置決め部71Lに付勢させる。これにより、ドラム4の半径方向に精度良く位置決めさせると同時に、接触部での電気的接続を確実に行うことができる。また被押圧部90へ押圧力Fを効果的に伝達、作用させるために、被押圧部90には上面から突出した凸形状部91を、押圧部材80aには前記凸形状91に係合する凹形状部81を有している。これにより、カートリッジを非駆動側に付勢させる押圧力Fxを被押圧部90の当接面90xに、及び、第二の被位置決め部38Lを第二の本体側位置決め部71Lに付勢させる押圧力Fyを当接面90yに効果的に作用させることができる。ここで凹形状81と凸形状部91の配置は押圧部材80a、被押圧部90において逆の配置でも同様の効果を得ることができる。以上が、非駆動側押圧における第一の構成例である。
更に、図22を用いて、駆動側の押圧構成に関して詳細に説明する。図22は駆動側の押圧構成を示してものである。装置本体1Aは押圧部材82(コイルバネ)を有している。そして、ドア3を十分に閉めた閉状態(図1・図2)に向けて閉めていくと、ドアリンク30を介して、押圧部材(第二の本体側弾性部材)82が揺動中心82aを中心として図示の反時計回りに回転し始める。更にドア3をしめていくと、枠体上面に設けられた被押圧部83に、押圧部材82が押圧を行い、枠体が垂直方向上方からの押圧力を受ける(図22中の動作2)。尚、本実施例では、前記押圧力Fyは8N〜15N(ニュートン)、押圧力Fxは3N〜7Nとした。しかしこれに限定されず適宜選択される。即ち、本実施例によれば、前記長手方向の一端であって第一の枠体31の上面に設けられた駆動側の被押圧部(第二の被押圧部)83を有する。被押圧部83は、カートリッジを下方へ付勢して、第一の被位置決め部38Rを第一の本体側位置決め部71Rに押圧するために、装置本体1Aに設けられた押圧部材82の弾性力を垂直方向上方から受ける。これにより、駆動側においても、被位置決め部38Rを本体側位置決め部71Rへ付勢することができる。従って、カートリッジを装置本体1Aに装着した状態で、ドラム4の半径方向において、カートリッジを装置本体1Aに精度良く位置決めすることができる。カートリッジを装置本体1Aに位置決めし、カートリッジ側電気接点39〜41をトレイ29側の中間電気接点43〜45の接触部(a)に付勢させるために、ドラム4の長手方向及び半径方向に押圧する構成を非駆動側に備えている。また、ドラム4の半径方向に押圧する構成を駆動側に備えている。ここで、両側にドラム4の長手方向及び半径方向に押圧する構成を用い、中間電気接点43〜45の接触部(a)に付勢させても、同様の効果を得ることができる。また、非駆動側にドラム4の半径方向に押圧、駆動側にドラム4の長手方向及び半径方向に押圧する構成を配置して、中間電気接点43〜45の接触部(a)に付勢させても、同様の効果を得ることができる。
《カートリッジの回転規制部》:画像形成時、カートリッジには、装置本体1Aからドラム駆動カップリング33と現像駆動カップリング34に、時計方向(図11に示す)の回転駆動力が入力される。これによって、カートリッジには、被位置決め部38L・38Rを中心として回転しようとする回転モーメントが発生する。カートリッジが装置本体1Aに装着された状態では、カートリッジに設けられた被回転規制部36L・36Rとトレイ26に設けられた回転規制部29h・29iが各々係合している。そのために、前記回転モーメントを規制することができる。以上により、カートリッジが装置本体から回転駆動力(ドラム駆動力及び現像ローラ駆動力)を受けた状態であっても、カートリッジを装置本体1Aに精度良く位置決めすることができる。また、回転規制部29h・29iをトレイ29に設けたことにより、カートリッジの装置本体への装着時のガタつきを抑えることができる。従って、カートリッジを位置決め部71L・71Rに対して精度良く位置決めすることができる。
《本体押圧部とカートリッジ被押圧部材の他の実施例》:更に、非駆動側における装置本体の押圧部80とカートリッジの被押圧部90の実施例について、第二、第三の実施例を説明する。図25及び図26は非駆動側における押圧構成の第二の実施例を示した図である。図25は第二の押圧構成を示す斜視図である。図26は、構成は異なるが図21におけるA−A断面と同じ部位を示した断面図であり、第二の押圧構成を示す断面図である。装置本体1Aを正面から見て、カートリッジを非駆動側に付勢させる押圧力Fxと本体側位置決め部71Lに付勢させる押圧力Fyの合力Fが発生するよう、押圧部材80aのバネ座面80zと押圧部保持部材130のバネ座面130zは斜面形状部を有する。そして、弾性部材80sを斜めに配置している。更に押圧部材80aと被押圧部90の当接面90xyを、装置本体1Aを正面から見て、斜めに配置している。これにより、第一の実施例と同様に、カートリッジを装置本体1Aに装着した状態で、ドラム4の長手方向及び半径方向において、カートリッジを装置本体1Aに精度良く位置決めすることができる。また同時に、電気接点を有する他端側(非駆動側)に付勢させることにより、各接点での電気的接続を確実に行うことができる。
図27及び図28は、非駆動側における押圧構成の第三の実施例を示した図である。図27は第三の押圧構成を示す斜視図、図28は、構成は異なるが図21におけるA−A断面と同じ部位を示した断面図であり、第三の押圧構成を示す断面図である。装置本体1Aを正面から見て、カートリッジを非駆動側に付勢させる押圧力Fxと装置本体の位置決め部71Lに付勢させる押圧力Fyの合力Fが発生するよう、押圧部材80aのバネ座面80zと押圧部保持部材130のバネ座面130zは斜面形状部である。そして、弾性部材80sを斜めに配置している。更に、被押圧部90に押圧部80aとの当接点90a、90b、90cを3箇所設けた。そして、当接点90bには、カートリッジを非駆動側に付勢させる押圧力Fxが、当接点90a、90cにはカートリッジを位置決め部71Lに付勢させる押圧力Fyが作用するよう押圧部80aを配置する。これにより、第一の実施例と同様に、カートリッジを装置本体に装着した状態で、ドラム4の長手方向及び半径方向において、カートリッジを装置本体に精度良く位置決めすることができる。また同時に、電気接点を有する他端側(非駆動側)に付勢させることにより、各接点での電気的接続を確実に行うことができる。
以上説明したように、装置本体1Aに複数個のカートリッジを支持した状態で装置本体1Aの外側より内側に向かって、及び、内側から外側へ向かって実質的に水平移動可能なトレイ29によって使用者がカートリッジの交換を容易に行うことができる。トレイ29が移動部材である。また、トレイ29の下降の途中で、第一、第二の本体側位置決め部71R、71Lにカートリッジの第一、第二の被位置決め部38R、38Lが位置決めされる。即ち、トレイ29が下降する途中で、第一の被位置決め部38Rが第一の本体側位置決め部71Rに位置決めされる。また、第二の被位置決め部38Lが第二の本体側位置決め部71Lに位置決めされる。これによって、各々のカートリッジの有する第一、第二の被位置決め部38R,38Lを、装置本体の有する第一、第二の本体側位置決め部71R、71Lに略同時に位置決めすることができる。また、カートリッジの長手方向の他端側(非駆動側)において、枠体上面に設けられた被押圧部90に、装置本体1Aに設けられた弾性部材80s(本体側弾性部材)が押圧を行い、枠体が斜め上方からの押圧力を受ける。枠体31に発生する押圧力はカートリッジをトレイ29内で長手方向の他端側(非駆動側)に寄せる力と、被位置決め部38R、38Lを本体側位置決め部71R、71Lに付勢させる力の合力である。これにより、カートリッジを装置本体1Aに装着した状態で、感光体ドラム4の長手方向及び半径方向において、カートリッジを装置本体1Aに精度良く位置決めすることができる。また同時に、感光体ドラム4の長手方向において、入力帯電バイアス電気接点(カートリッジ側帯電バイアス電気接点)39と入力現像バイアス電気接点(カートリッジ側現像バイアス電気接点)40を有する他端側(非駆動側)にカートリッジを付勢させる。これにより、各入力電気接点の出力電気接点(出力側帯電バイアス電気接点、出力側現像バイアス電気接点)との電気的接続を確実に行うことができる。これにより、装置本体内での画像形成時におけるカートリッジの位置決めが安定し、画質の向上を図ることができる。
また、被回転規制部として、長手方向の外方へ突出した突起(駆動側回転止め部36R)を、第一の枠体31の長手方向一端(駆動側)に設ける。そして、トレイ29に設けられた凹部(係合部29h)の内面と接触して、カートリッジが被位置決め部38R、38Lを中心にして回転しようとするのを規制する。これにより、カートリッジが装置本体1Aから回転駆動力(ドラム駆動力及び現像ローラ駆動力)を受けた状態で、カートリッジを装置本体に精度良く位置決めすることができる。また、被回転規制部として、長手方向の外方に向かって設けられた凹部(非駆動側回転止め部36L)を、第一の枠体31の長手方向他端(非駆動側)に設ける。そして、トレイ29に設けられた凸部(係合部29i)の外面と接触して、プロセスカートリッジが被位置決め部38R、38Lを中心にして回転しようとするのを規制する。これにより、プロセスカートリッジが装置本体1Aから回転駆動力(ドラム駆動力及び現像ローラ駆動力)を受けた状態で、カートリッジを装置本体1Aに精度良く位置決めすることができる。また更に、カートリッジの長手方向の一端(駆動側)において、枠体31の上面に設けられた被押圧部83に、装置本体1Aに設けられた押圧部82(本体側弾性部材)が押圧を行い、枠体31が垂直方向上方からの押圧力を受ける。これにより他端(非駆動側)だけでなく一端(駆動側)においても被位置決め部38Rの位置決め部71Rへの付勢を行う。これによって、カートリッジを装置本体に装着した状態で、感光体ドラム4の半径方向において、カートリッジを装置本体1Aに精度良く位置決めすることができる。前述した実施例によれば、装置本体1Aに対して、プロセスカートリッジを感光体ドラム4の長手方向、及び、前記ドラム4の半径方向の位置決めを精度良く行うことができる。