JP2009155303A - 血糖値上昇抑制補助剤、血糖値上昇抑制剤および糖尿病治療剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】インスリンによる血糖値上昇抑制効果を高めることができる血糖値上昇抑制補助剤、血糖値上昇抑制剤および糖尿病治療剤を提供する。
【解決手段】ラクチュロースを有効成分として含有し、インスリンと併用投与される血糖値上昇抑制補助剤。インスリンとラクチュロースとを組み合わせてなる血糖値上昇抑制剤および該血糖値上昇抑制剤からなる糖尿病治療剤。ラクチュロースは、インスリンと併用時においてインスリンの作用を増強する効果を有しており、ラクチュロースを併用することで、インスリン投与量がそれ単独では血糖値の上昇効果を抑制しない量であっても血糖値の上昇を充分に抑制できる効果を有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、インスリンと併用投与される血糖値上昇抑制補助剤、血糖値上昇抑制剤および糖尿病治療剤に関する。
糖尿病には、膵臓に存在するβ細胞の破壊によって生じた絶対的インスリン欠乏を伴う1型、インスリン分泌低下やインスリン抵抗性の上昇に基づくインスリンの相対的不足を伴う2型などが存在する(非特許文献1)。
1型糖尿病の治療には主にインスリン製剤が使われており、2型糖尿病の治療にはインスリン製剤の他にスルホニルウレア系経口血糖降下薬やαグルコシダーゼ阻害剤などが使われている(非特許文献2)。
インスリン製剤を使用するインスリン療法における最も深刻な副作用は、死をも招来し得る低血糖であり、インスリン療法を徹底するほど医原性低血糖が生じると言われている(非特許文献3〜4)。そのため、インスリンの使用量を低減でき、しかも同等の血糖値上昇抑制効果を期待できる手段が求められている。
これまで、血糖値の上昇を抑制する方法として様々な方法が提案されている。
たとえばガラクトースと、ニ糖以上である糖質およびその誘導体ならびにN−アセチルノイラミン酸を含有する糖質およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種類との組み合わせがインスリン分泌を促進する作用を有し、これらを含有する薬剤を、血糖値上昇抑制剤、糖尿病改善剤等として用いることが提案されている(特許文献1)。
また、インスリン持続注入下にアミリン誘導体を投与すると食後血糖値の上昇を抑制することが報告されている(非特許文献5)。
しかし、これらの方法は、吐き気を始めとする副作用があるなど、その有用性は十分なものではない。
上野宏行, 他: 日本臨床, 第60巻、増刊号7, 2002年、p.28−35 Laurence L. Brunton, John S. Lazo, Keith L. Parker, editors.:グッドマン・アンド・ギルマンズ・ザ・ファーマコロジカル・ベーシス・オブ・セラピューティクス(Goodman and Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics)第11版、New York: McGraw-Hill発行、2006年、pp1624-1641 Cryer PH:ダイアベティス(Diabetes)、1993年、第42巻、p.1691−1693 高橋秀夫:日本臨床、第60巻、増刊号9, 2002年、p.291−296 Kolterman, et al.:ダイアベトロジア(Diabetologia)、1996年、第39巻、p.492−499 特開2003−292444号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、インスリンによる血糖値上昇抑制効果を増強できる血糖値上昇抑制補助剤、血糖値上昇抑制剤および糖尿病治療剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、驚くべきことに、ラクチュロースが、インスリンと併用時においてインスリンの作用を増強する効果を有しており、ラクチュロースを併用することで、インスリン投与量がそれ単独では血糖値の上昇効果を抑制しない量であっても血糖値の上昇を充分に抑制できることを見出した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、以下の態様を有する。
[1]ラクチュロースを有効成分として含有し、インスリンと併用投与されることを特徴とする血糖値上昇抑制補助剤。
[2]インスリンとラクチュロースとを組み合わせてなる血糖値上昇抑制剤。
[3][2]記載の血糖値上昇抑制剤からなる糖尿病治療剤。
本発明によれば、インスリンによる血糖値上昇抑制効果を高めることができる血糖値上昇抑制補助剤、血糖値上昇抑制剤および糖尿病治療剤を提供できる。
≪血糖値上昇抑制補助剤≫
本発明の血糖値上昇抑制補助剤は、ラクチュロースを有効成分として含有する。ここで「有効成分として含有する」とは、ラクチュロースを、目的とする効果(インスリンによる血糖値上昇抑制効果を高める効果)を得ることができる有効量で含有することを意味する。
ラクチュロースは、ミルクオリゴ糖の一種であり、難消化性の化合物である。
ラクチュロースは、公知の製造方法で得られるものを適宜使用でき、市販品からも容易に入手できる。ラクチュロースの製造方法として、具体的には、たとえば特許第2848721号公報、特許第2834807号公報、特許第2977654号公報、特許第3013954号公報、特許第3022699号公報等に記載された方法が挙げられる。
なお、ラクチュロースについては、ビフィズス菌増殖作用や非う蝕原性を有していることが知られている。また、肝臓障害に起因する高アンモニア血症の治療や緩下剤としても使われている(Laurence L. Brunton, John S. Lazo, Keith L. Parker, editors.:グッドマン・アンド・ギルマンズ・ザ・ファーマコロジカル・ベーシス・オブ・セラピューティクス(Goodman and Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics)第11版、New York: McGraw-Hill発行、2006年、pp992−993)。さらに、空腸潅流標本において生理食塩液の一部をラクチュロースに置き換えるとグルコースの吸収が抑制されることが報告されている(Gastroenterol Jpn.、1972年、第7巻、p.316−317)。また、インシュリン非依存性糖尿病患者において、ラクチュロースを経口的に反復投与するとグルコース経口投与後の血糖値の上昇を抑制することが知られている(Diab.Nutr.Metab.1992年、第5巻、p.295−297)。さらに、肥満患者において、食物繊維と共にラクチュロースを摂取させると、食後血糖値の上昇を抑制すると共に血糖値上昇抑制に起因すると思われる血中インシュリン濃度上昇の抑制が知られている(Scand.J.Gastroenterol Suppl.1997年、第222巻、p.62−64)。
しかし、ラクチュロースがインスリンの作用を増強することはこれまで知られていない。
本発明の血糖値上昇抑制補助剤に適用される投与経路としては、特に限定されず、経口であってもよく、非経口であってもよい。非経口の場合の投与経路の具体例としては、静脈内、直腸内、皮下、筋肉内等が挙げられる。これらの中でも、経口または静脈内投与が好ましい。
ラクチュロースの1日あたりの投与量は、糖尿病等の疾患の程度、患者の年齢、体重等によっても異なるが、経口投与の場合は成人あたり100mg〜20gが好ましく、500mg〜5gがより好ましい。非経口投与の場合は成人あたり0.05mg〜50mgが好ましく、0.2mg〜10mgがより好ましい。上記範囲の下限値以上であるとインスリンの作用を増強する効果が高く、上限値を超えると、かえって効果が減弱する可能性がある。また、経口投与の場合は、ラクチュロースが難消化性であるために、投与量が多すぎると下痢等の症状を惹き起こす恐れがある。
本発明の血糖値上昇抑制補助剤は、上記1日あたりの投与量の全量を1回で投与しても良く、複数回に分け間隔を置いて投与してもよい。
複数回に分けて投与する場合は、1日の合計量が上記投与量となればよい。この場合、1日の投与回数は、特に限定されないが、利便性等を考慮すると、3〜4回が好ましい。
本発明の血糖値上昇抑制補助剤が経口投与されるもの(経口剤)である場合、該経口剤の剤型としては、たとえば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤等の固形剤であってもよく、懸濁液、エマルジョン剤、シロップ剤、エリキシル剤等の液剤であってもよい。

本発明の血糖値上昇抑制補助剤が非経口投与されるもの(非経口剤)である場合、該非経口剤の剤型として、たとえば注射剤、坐剤等が挙げられる。
本発明の血糖値上昇抑制補助剤は、ラクチュロースをそのまま用いてもよく、公知の製剤学的製法に準じ、製剤として薬学的に許容され得る担体、添加剤等と共に医薬組成物として製剤化してもよい。
前記添加剤としては、特に制限はなく、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味矯臭剤、着色剤、希釈剤、注射剤用溶剤等の一般的に医薬組成物に用いられている添加剤を使用できる。
たとえば本発明の血糖値上昇抑制補助剤が錠剤、散剤等の固形剤である場合、デンプン、乳糖、白糖、マンニット、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩類等の賦形剤を用いて常法に従って製造することができる。
また前記賦形剤の他に、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、流動性促進剤、矯味剤、矯臭剤、着色剤、香料等を含有させることができる。
具体的には、結合剤として、デンプン、デキストリン、アラビアゴム末、ゼラチン、ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、エチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール等が例示される。
崩壊剤としては、デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロース、低置換ヒドロキシプロピルセルロース等が例示される。
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、大豆レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、ポリソルベート80等が例示される。
滑沢剤としては、タルク、ロウ類、水素添加植物油、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ポリエチレングリコール等が例示される。
流動性促進剤は、打錠機等への充填時の流動性を促進させる必要のある場合に配合される。流動性促進剤としては、軽質無水ケイ酸、乾燥水酸化アルミニウムゲル、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム等が例示される。
製剤化される場合、当該血糖値上昇抑制補助剤におけるラクチュロースの含有量は、特に限定されず、一日に投与される血糖値上昇抑制補助剤に含まれているラクチュロースの合計量が所定の1日あたりの投与量となるように、剤型、投与経路、投与回数等に応じて適宜設定すればよい。
本発明の血糖値上昇抑制補助剤は、インスリンと併用投与されるものである。
本発明の血糖値上昇抑制補助剤と併用投与されるインスリンとしては、市販のインスリン製剤を用いることができる。
インスリンの投与方法は、従来公知の方法が利用できる。通常、インスリンは非経口投与され、主に注射剤として皮下、静脈内または筋肉内に投与される。
インスリンの1日あたりの投与量は、成人あたり、1〜100単位が好ましく、1〜50単位がより好ましく、1〜20単位がさらに好ましい。
本発明の血糖値上昇抑制補助剤およびインスリンを併用投与する方法としては、生体内にてインスリンとラクチュロースとが共存するように、投与経路等を考慮して適宜設定すればよく、特に限定されない。たとえば血糖値上昇抑制補助剤とインスリンとを同時に投与してもよく、血糖値上昇抑制補助剤の投与とインスリンの投与との間に所定の投与間隔を設けてもよい。
本発明においては、インスリンによる血糖値上昇抑制効果を充分に享受するためには、インスリンを投与した際に、生体内にラクチュロースが存在しているように投与されていることが好ましい。
インスリンは通常非経口投与されるため、本発明の血糖値上昇抑制補助剤を経口投与する場合は、吸収に要する時間を考慮すると、インスリンの投与の前に本発明の血糖値上昇抑制補助剤を投与することが好ましい。
本発明の血糖値上昇抑制補助剤を非経口投与する場合は、該血糖値上昇抑制補助剤の投与は、インスリンの投与前であってもよく、インスリンの投与と同時であってもよい。
上述したように、インスリン分泌障害を持つ糖尿病患者において血糖値の抑制には主にインスリンが使用されているが、インスリンの大量投与は前記のとおりの重篤な副作用を惹起する恐れがあった。
本発明の血糖値上昇抑制補助剤は、後述する試験結果からも示されるとおり、インスリンの血糖値上昇抑制効果を増強する効果を奏するものであることから、インスリンと、本発明の血糖値上昇抑制補助剤とを併用することにより、所望の血糖値上昇抑制効果を得るために必要なインスリンの使用量を従来に比べて低減できる。なお、従来、インスリン分泌障害を持つ糖尿病患者の治療に用いられているインスリンの1日あたりの投与量は、成人あたり、4〜100単位程度であるが、本発明の血糖値上昇抑制補助剤を併用することで、該投与量を半分以下にしても充分に血糖値上昇を抑制できる。
このように、インスリンの使用量を低減できることから、本発明の血糖値上昇抑制補助剤は、インスリン分泌障害を持つ糖尿病患者の治療における有用性が極めて高いものである。
したがって、本発明の血糖値上昇抑制補助剤は、インスリン製剤による治療が行われる糖尿病治療用として有効であり、中でも、インスリン分泌障害を持つ緩徐進行性の糖尿病(1型、2型を含む)の治療用として好適である。
≪血糖値上昇抑制剤、糖尿病治療剤≫
本発明の血糖値上昇抑制剤は、インスリンとラクチュロースとを組み合わせてなるものである。
上述のように、ラクチュロースは、インスリンの血糖値上昇抑制効果を増強し、その血糖値上昇抑制効果を高める作用を有している。したがって、インスリンとラクチュロースとを組み合わせてなる本発明の血糖値上昇抑制剤によれば、インスリンとしての投与量を少なくしても、充分な血糖値上昇抑制効果を奏する。
したがって、本発明の血糖値上昇抑制剤は、インスリン製剤による治療が行われる糖尿病治療剤として有効であり、中でも、インスリン分泌障害を持つ緩徐進行性の糖尿病(1型、2型を含む)の治療剤として好適である。
本発明の血糖値上昇抑制剤におけるラクチュロースおよびインスリンの投与方法(投与経路、投与量等)は前記本発明の血糖値上昇抑制補助剤で説明したのと同様である。
本発明の血糖値上昇抑制剤は、たとえばインスリンを含有する薬剤(インスリン製剤)と、ラクチュロースを含有する薬剤とからなるキットとして使用することができる。
また、本発明の血糖値上昇抑制剤は、インスリンとラクチュロースを同一の薬剤中に混合した配合剤として用いてもよい。
次に実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
ラクチュロース(和光純薬工業社製)90gおよび乳糖(メグレ社製)10gを混和し、散剤(血糖値上昇抑制補助剤)100gを製造した。
得られた散剤1g当たりのラクチュロース含有量は、0.9gであった。
[実施例2]
注射用水(大塚製薬社製)1mlに、ラクチュロース(和光純薬工業社製)1mg及び塩化ナトリウム(和光純薬工業社製)9mgの割合で溶解し、水酸化ナトリウム(和光純薬工業社製)及び塩酸(和光純薬工業社製)でpHを約7に調整した後、濾過滅菌し、1mlずつアンプルに充填して注射用の血糖値上昇抑制補助剤を製造した。
[実施例3]
注射用水 (大塚製薬社製)1mlに、ラクチュロース(和光純薬工業社製)1mg及びD−マンニット(和光純薬工業社製)49mgの割合で溶解し、リン酸緩衝剤粉末(和光純薬工業社製)の水溶液でpHを約7に調整した後、濾過滅菌し、5mlずつバイアル瓶に充填して注射用の血糖値上昇抑制補助剤を製造した。
[試験例]
(1.実験材料)
実験には、10週令のウイスター系雄性ラット(日本エスエルシー)を購入し、12時間明暗周期(午前8時より午後8時まで点灯)のほぼ一定した環境下(気温22±2℃、湿度55±10%)で1週間以上予備飼育して用いた。
実験には、ラクチュロース(和光純薬工業)、アロキサン(和光純薬工業)、インスリン(ノボノルディスクファーマ)を用いた。
なお、Dunnらがアロキサンにより糖尿病動物を作成できると報告して以来、アロキサン誘発糖尿病動物を用いて多数の研究がなされている(岩島保法:日本臨床,第60巻、増刊号8,2002年、p.47−51)。また、アロキサンは、特開2005−325025号公報にて、インスリン分泌障害を持つ緩徐進行性2型糖尿病(緩徐進行性1型糖尿病を含む)を誘発させるために体重1kg当たり120mg投与し糖尿病を誘発させるために使用されている。
(2.試験方法)
上記予備飼育したラットを、一晩絶食させた後、アロキサン(140mg/kg)を腹腔内投与し、一晩摂食させた。このラット(アロキサン前処理ラット)を以下の試験1〜3に供した。
以下の各試験においては、試料として、ボールマンケージに保定したラットの尾静脈より血液を25μLずつ採取した。
また、投与薬物(インスリン、ラクチュロース)の希釈または溶解には、生理食塩液(大塚製薬)または注射用水(大塚製薬)を使用した。
[試験1]
アロキサン前処理ラットの血糖値に対するインスリン投与の効果を確認するために、以下の試験を行った。
まず、アロキサン前処理ラットをボールマンケージに保定し、採血(初回採血)を行った。
初回採血から1時間後に、生理食塩液に溶解したインスリンを表1に示す投与量となるように筋肉内投与した。「U/kg」はラットの体重1kgあたりのインスリンの投与量(U(単位))を示す。また、対照として、生理食塩液を筋肉内投与した。
初回採血時(0時間)から1時間後、2時間後、4時間後および6時間後に採血を行い、その血糖値を測定した。
血糖値は、血液に対し9倍量の3%過塩素酸を添加し、徐蛋白後、組試薬(Fキット・グルコース、ロシュ・ダイアグノスティックス)を用い酵素法で測定した。その結果を表1に示す。表1中の数値は、各群の例数の平均値である。
また、上記で求めた0時間の血糖値(100%)に対する1時間後、2時間後、4時間後および6時間後の血糖値(%)を表1中([ ]内)に示す。
[試験2]
アロキサン前処理ラットの血糖値に対するラクチュロース経口投与とインスリン筋肉内投与との併用効果を確認するために、以下の試験を行った。
まず、アロキサン前処理ラットをボールマンケージに保定し、注射用水に溶解したラクチュロースを、表2に示す投与量となるように、初回採血直前に経口投与した。「mg/kg」はラットの体重1kgあたりのラクチュロースの投与量(mg)を示す。また、対照として、注射用水を経口投与した。
初回採血から1時間後に、生理食塩液に溶解したインスリンを表2に示す投与量となるように筋肉内投与した。また、対照として、生理食塩液を投与した。
初回採血時(0時間)から4時間後に採血を行い、その血糖値を試験1と同様にして測定した。その結果を表2に示す。表2中の数値は、各群の例数の平均値である。
[試験3]
アロキサン前処理ラットの血糖値に対するラクチュロース静脈内投与とインスリン筋肉内投与との併用効果を確認するために、以下の試験を行った。
まず、アロキサン前処理ラットをボールマンケージに保定し、生理食塩液に溶解したラクチュロースを、表3に示す投与量となるように、初回採血直後に尾静脈内に投与した。また、対照として、生理食塩液を投与した。
初回採血から1時間後に、生理食塩液に溶解したインスリンを表3に示す投与量となるように筋肉内投与した。また、対照として、生理食塩液を投与した。
初回採血時(0時間)から6時間後に採血を行い、その血糖値を試験1と同様にして測定した。その結果を表3に示す。表3中の数値は、各群の例数の平均値である。
Figure 2009155303
Figure 2009155303
Figure 2009155303
(3.試験結果及び考察)
表1に示すように、ボールマンケージによる保定下において、アロキサン前処理ラット(インスリン分泌障害を持つラット)の血糖値は徐々に上昇する。このとき、インスリン0.2U/kgを筋肉内投与した場合には、血糖値の上昇は抑制されたが、インスリン0.05U/kgの筋肉内投与は、血糖値の上昇に対する影響がほとんど見られなかった。
表2に示すように、ラクチュロース(500mg/kg)の経口投与、インスリン0.05U/kgの筋肉内投与のいずれか一方のみを単独で行った場合は、血糖値の上昇に対する影響はほとんど見られなかった。
しかし、ラクチュロース(500mg/kg)の経口投与を、表3に示すように、単独では影響のない量のインスリン(0.05U/kg)投与と併用すると、血糖値の上昇は抑制された。
同様に、ラクチュロース(1mg/kg)の静脈内投与を、表3に示すように、単独では影響のない量のインスリン(0.05U/kg)投与と併用すると、血糖値の上昇は抑制された。
上記の結果から、ラクチュロースが、インスリンの作用を増強する作用を有しており、インスリンの使用量低減に有効であることは明らかである。

Claims (3)

  1. ラクチュロースを有効成分として含有し、インスリンと併用投与されることを特徴とする血糖値上昇抑制補助剤。
  2. インスリンとラクチュロースとを組み合わせてなる血糖値上昇抑制剤。
  3. 請求項2記載の血糖値上昇抑制剤からなる糖尿病治療剤。
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