JP2009155189A - 水素発生用促進部材、水素発生方法および水素発生装置 - Google Patents

水素発生用促進部材、水素発生方法および水素発生装置 Download PDF

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Abstract


【課題】本発明は、水素を高速度で発生させるための水素発生用促進部材、水素発生方法および水素発生装置を提供することを目的とする。
【解決手段】枠20aに格子20bが緻密に張られた大きな表面積を有する基体20cに、水素発生用組成物20dが担持されて構成された水素発生用促進部材20を用い、この実効的に表面積が大きくなった前記水素発生用組成物20dを水と接触させることで、水素を高速度で発生できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、水から水素を製造するための水素発生用促進部材、水素発生方法および水素発生装置に関する。
従来、水素を発生させる方法としては、(1)水の電気分解法、(2)天然ガスや石油
等の炭化水素を酸素、空気または水蒸気などと高温で反応させる部分酸化法や改質法、(3)水と炭素による熱分解反応を用いる方法、(4)亜鉛などの金属を酸に溶解する方法、などが知られている。しかしながら、(1)の方法では電力を多量に消費するため製造コストが高くなる、(2)および(3)の方法では水素とともにCO等が副生するため高純度の水素が得られない、(4)の方法では酸を必要とするため取り扱いに難点がある、等の問題があり、これらに代わる新しい水素の発生方法が期待されていた。
近年、上述の期待に応えるべく新しい水素発生方法および装置が提案されている。
例えば、特許文献1には、容器内に収容した液状のインジウム・ガリウム合金に、純アルミニウムを供給管を通して供給し、さらに給水管から水を供給し、アルミニウムと水を反応させることにより、水素ガスを発生させる水素ガス生成装置が開示されている。
しかしながら、上記特許文献1に開示された技術には以下のような問題点が存在する。図2、図3に記載の水素ガス生成装置において、水素ガス生成用組成物自体の体積は大きいものの、水素ガス生成時に直接関与する部分は、水素ガス生成用組成物と水との接触部分のみに限定される。すなわち、この組成物の前記接触部分以外の部分は、前記接触部分に移動しない限り水素ガス生成に寄与することはない。このように、水素ガス生成時に直接関与する部分は、容器の横断面積(接触部分に相当)で制約されてしまう。したがって、単位時間当たりの水素ガスの発生量を増加させる(以下、「水素を高速度で発生させる」という)ためには、容器の横断面積自体を増加させなければならない。しかし、この水素ガス生成装置を例えば自動車に搭載させるような場合は、スペース上の制約で容器の横断面積を増加させることができず、その結果として自動車の加速時等に必要な水素を高速度で発生させるという要求を満足できないといった問題が生ずる。
特開2003−12301号公報
本発明の目的は、水素を高速度で発生させるための水素発生用促進部材、水素発生方法および水素発生装置を提供することにある。
この目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の発明は、基体表面の少なくとも一部が、スズとガリウムを含有した第1の金属、または、銀とガリウムを含有した第2の金属、もしくは、ガリウムからなる第3の金属と、標準電極電位がガリウムより低い金属元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属元素とを有した水素発生用組成物で覆われている水素発生用促進部材である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記基体の形態は、多孔質体状、発泡体状、網状、または、不織布状のいずれか又は組合せである。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記基体の材質は、セラミックス、ガラス、樹脂、水およびガリウムと反応しない金属のいずれか又は複合体である。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3に記載の発明において、前記第1の金属は、スズがW%(質量%の意味、以下同じ)、ガリウムがX%であり、
前記第2の金属は、銀がY%、ガリウムがZ%であり、前記第1または第2の金属は下記
式(1)〜(6)を満たし、
前記標準電極電位がガリウムより低い金属元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の
金属元素の合計量は、前記第1または第2の金属基準で0.1%以上である。
0<W≦96 … (1)
4≦X<100 … (2)
X=100−W … (3)
0<Y≦55 … (4)
45≦Z<100 … (5)
Z=100−Y … (6)
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4に記載の発明において、前記標準電極電位がガリウムより低い金属元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属元素が、アルミニウムまたはマグネシウムの少なくともいずれか1種である。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5に記載された水素発生用促進部材中の水素発生用組成物と水とを接触させることにより水素を発生させることを特徴とする水素発生方法である。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至5に記載された水素発生用促進部材と、水を収容可能な水収容手段と、を備え、前記水素発生用促進部材中の水素発生用組成物と前記水とが接触することにより水素を発生するように構成されたことを特徴とする水素発生装置である。
請求項8に記載の発明は、スズとガリウムを含有した第1の金属、または、銀とガリウムを含有した第2の金属、もしくは、ガリウムからなる第3の金属で少なくとも表面の一部が覆われた基体と、
水を収容可能な水収容手段と、
この水収容手段に前記水を供給する水供給手段と、
標準電極電位がガリウムより低い金属元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属
元素を前記水とは隔離しながら、前記第1または第2もしくは第3の金属内に供給する添加金属元素供給手段と、を備え、
前記第1または第2もしくは第3の金属と、前記添加金属元素供給手段により前記第1または第2もしくは第3の金属内に供給され拡散した前記金属元素とを有した水素発生用組成物が前記水と接触することにより水素を発生するように構成されたことを特徴とする水素発生装置である。
請求項9に記載の発明は、スズとガリウムを含有した第1の金属、または、銀とガリウムを含有した第2の金属もしくは、ガリウムからなる第3の金属が収容されたガリウム系金属収容手段と、
水を収容可能な水収容手段と、
この水収容手段に前記水を供給する水供給手段と、
標準電極電位がガリウムより低い金属元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属
元素を前記水とは隔離しながら、前記第1または第2もしくは第3の金属内に供給する添加金属元素供給手段と、
可動式基体と、を備え、
前記第1または第2もしくは第3の金属と、前記添加金属元素供給手段により前記第1または第2もしくは第3の金属内に供給され拡散した前記金属元素とを有した水素発生用組成物、および、
前記基体表面の少なくとも一部を覆った前記水素発生用組成物が前記水と接触することにより水素を発生するように構成されたことを特徴とする水素発生装置である。
請求項10に記載の発明は、請求項8または9に記載の発明において、前記第1の金属は、スズがW%(質量%の意味、以下同じ)、ガリウムがX%であり、
前記第2の金属は、銀がY%、ガリウムがZ%であり、前記第1または第2の金属は下記
式(1)〜(6)を満たし、
前記標準電極電位がガリウムより低い金属元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の
金属元素の合計量は、前記第1または第2の金属基準で0.1%以上である。
0<W≦96 … (1)
4≦X<100 … (2)
X=100−W … (3)
0<Y≦55 … (4)
45≦Z<100 … (5)
Z=100−Y … (6)
請求項11に記載の発明は、請求項8〜10に記載の発明において、前記標準電極電位がガリウムより低い金属元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属元素が、アルミニウムまたはマグネシウムの少なくともいずれか1種である。
請求項12に記載の発明は、請求項8〜11に記載の発明において、前記基体の形態は、多孔質体状、発泡体状、網状、または、不織布状のいずれか又は組合せである。
請求項13に記載の発明は、請求項8〜12に記載の発明において、前記基体の材質は、セラミックス、ガラス、樹脂、水およびガリウムと反応しない金属のいずれか又は複合体である。
本発明に係る水素発生用促進部材によれば、スズとガリウムを含有した第1の金属、または、銀とガリウムを含有した第2の金属、もしくは、ガリウムからなる第3の金属と、標準電極電位がガリウムより低い金属元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属元素とを有した水素発生用組成物が基体表面の少なくとも一部を覆っている構成であるため、水と接触する水素発生用組成物の実効表面積が大きくなり、水素を高速度で製造することができる。
また、本発明に係る水素発生方法によれば、前記水素発生用促進部材中の実効表面積の大きな水素発生用組成物と水とを接触させる方法であるため、水素を高速度で発生させる方法が提供される。また、本発明に係る水素発生装置によれば、前記水素発生用促進部材と、水を収容可能な水収容手段と、を備え、前記水素発生用促進部材中の実効表面積の大きな水素発生用組成物と前記水とが接触することにより水素を発生するように構成されているため、水素を高速度で製造できる水素発生装置が提供される。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明に係る水素発生用促進部材は、スズとガリウムを含有した第1の金属、または、銀とガリウムを含有した第2の金属、もしくは、ガリウムからなる第3の金属と、標準電極電位がガリウムより低い金属元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属元素とを有した水素発生用組成物が、基体表面の少なくとも一部を覆ったことを特徴とする。
また、前記第1の金属は、スズがW%(質量%の意味、以下同じ)、ガリウムがX%で
あり、前記第2の金属は、銀がY%、ガリウムがZ%であり、前記第1または第2の金属
は下記式(1)〜(6)を満たし、
前記標準電極電位がガリウムより低い金属元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の
金属元素の合計量は、前記第1または第2の金属基準で0.1%以上であることが好まし
い。
0<W≦96 … (1)
4≦X<100 … (2)
X=100−W … (3)
0<Y≦55 … (4)
45≦Z<100 … (5)
Z=100−Y … (6)
ここで、標準電極電位がガリウムより低い金属元素であるアルミニウム、マグネシウム
および亜鉛は酸によって、アルミニウム、亜鉛およびシリコンはアルカリによって、それ
ぞれ溶解し水素を発生する。しかしながら、こられの単体金属元素は中性の水に対しては
ほとんど反応しない。これは、中性の水に含まれる水素イオン濃度が低いためと、各単体
金属元素の表面に酸化皮膜(または水酸化物皮膜)が形成されて内部を保護するためであ
る。
これに対して、上記本発明に係る水素発生用促進部材で用いる水素発生用組成物は、中性の水でも水素を発生する。この水素発生の機構は以下のように考えられる。
すなわち、上記特許文献1で合金構成元素として提案されているインジウムは、通常の
pH5程度の弱酸性の水でも腐食し消耗するが、ガリウムはpH3程度までの酸性の水に
対しても安定であり、ほとんど消耗しない。また、スズはpH1〜2程度までの強酸性の
水に対しても安定であり、ほとんど消耗しない。さらに、銀は水素より標準電極電位が高
いため通常の酸、アルカリに対しても消耗しない。
そして、このように水に対して安定なスズ−ガリウムをそれぞれ上記所定量の割合で含
有した金属(以下、スズ−ガリウム系金属と称す)に、標準電極電位がガリウム(−0.
56V)より低い(当然、スズ(−0.1375V)よりも低い)金属元素を添加すると
、添加金属元素が選択的に水と反応することになる。また、水との反応によって添加金属
元素の表面に形成される酸化皮膜(または水酸化物皮膜)は、添加金属元素を単体で用い
たときにその表面に生成されるような通常の緻密な酸化皮膜ではなく、欠陥の多い疎な酸
化皮膜になると推定される。さらに、この疎な酸化皮膜は、上記添加金属元素の選択的な
消費による体積変化等によって容易に破壊され、また、発生する水素の気泡によって剥離
し、内部の添加金属元素と水とが容易に接触して反応が進行するため、連続的に、かつ、
効率的に水素を発生するものと考えられる。ここで、スズ−ガリウム系金属におけるスズ
の含有量を96質量%以下に限定したのは、スズ含有量が96質量%を超えると、水素発
生速度が急激に低下するためである。このようにスズ含有量が高くなると水素発生速度が
急激に低下する理由は、現在のところ不明であるが、スズ−ガリウム系金属の組織等が変
化することによる可能性も考えられる。また、標準電極電位がガリウム(−0.56V)
より低い金属元素としては、アルミニウム(−1.66V)、マグネシウム(−2.37
V)、シリコン(−0.86V)および亜鉛(−0.7628V)が、比較的安価で入手
も容易なことから、好適なものとして例示できる。また、上記スズ−ガリウム系金属に添
加する上記添加金属元素は、1種のみを単独で添加してもよいし、2種以上を一緒に添加
してもよい。また、その添加量は、上記推定機構による水素発生効果を発揮させるため、
合計量で0.1質量%以上とする。また、上記添加金属元素は、必ずしも純度の高いもの
に限定されるものではなく、例えば、アルミニウムの場合は、工業用アルミニウム合金で
もよく、水素発生用組成物には、工業用アルミニウム合金等に含まれるFe、Ti等の不
可避的不純物を有してもよい。さらに、これらの金属のスクラップ品やリサイクル品を用
いることも可能である。また、添加量の上限は特に限定されないが、過剰に添加しても水
素発生速度が徐々に鈍化する傾向を示すので、20質量%以下、さらには10質量%以下
とするのがより好ましい。第1の金属としての上記スズ−ガリウム系金属と上記添加金属
元素とを有した上記水素発生用組成物(ここに引用することで本明細書の一部をなすもの
とする特願2007−88801号に記載の水素発生用組成物、以下、スズ−ガリウム系
金属からなる水素発生用組成物と称す)は、本発明に係る水素発生用促進部材を構成する
水素発生用組成物としての高い潜在能力を有している。
何故ならば、25℃〜30℃の室温でも液体である上記のようなスズ−ガリウム系金属を用い、添加金属元素に上記金属を用いると、上記添加金属元素は上記スズ−ガリウム系金属に接触するだけで、容易に上記スズ−ガリウム系金属内に溶解し、拡散するからである。
また、上記特許文献1の図2、図3に示されているような、水素発生用組成物と水とを単に接触させる方式ではなく、如何なる方式を採用したら水素を高速度で発生できるか検討した結果、水素発生用組成物と水とが接触する実効面積を向上させるための中間媒体としての表面積の大きな基体(凹凸、開口、孔等を有することにより、実表面積が見かけ表面積以上であるような基体)を採用し、この基体表面の少なくとも一部、好ましくは全面に上記スズ−ガリウム系金属からなる水素発生用組成物を覆うとよいことを見出した。ここで、本発明に係る水素発生用促進部材とは、表面積の大きな基体表面が最初は上記スズ−ガリウム系金属で覆われており(スズ−ガリウム系金属が前記基体の外形状に追従するように覆われており)、その後、上述のように上記添加金属元素が上記スズ−ガリウム系金属内に溶解し、拡散されて構成されたもの、または、表面積の大きな基体表面が最初から上記スズ−ガリウム系金属からなる水素発生用組成物で覆われて構成されたものを含めて水素発生用促進部材という。
次に、本発明に係る水素発生用促進部材を構成する上記基体の詳細項目について、下記に説明する。基体の形態としては、多孔質体状、発泡体状、網状、または、不織布状等、表面積を大きくできるものであれば様々なものが使用可能である。また、基体の材質としては、セラミックス、ガラス、樹脂、水およびガリウムと反応しない金属(例えば、ステンレススチール)等様々なものが使用可能である。
また、本発明に係る水素発生方法は、上記水素発生用促進部材中の実効表面積の大きな水素発生用組成物と水とを接触させる方法であるため、水素を高速度で発生させる方法を提供できる。
また、本発明に係る水素発生装置は、上記水素発生用促進部材と、水を収容可能な水収容手段と、を備え、前記水素発生用促進部材中の実効表面積の大きな水素発生用組成物と前記水とが接触することにより水素を発生するように構成されているため、水素を高速度で製造できる水素発生装置を提供できる。
また、水素発生装置において、表面積の大きな基体をこの水素発生装置の中に静止固定させてもよいし、回転可能支持または揺動可能支持等の可動式に設置されていてもよい。このような表面積の大きな可動式基体を用いれば、容器に収容された上記スズ−ガリウム系金属からなる水素発生用組成物を上記基体に対して、単位時間当たり任意の量を担持させることができる。すなわち、単位時間当たりに必要な水素量に対応するように上記可動式基体を駆動すれば、所定の水素量をタイムリーに確保することができる。したがって、自動車のように装置の設置スペースの制約が大きく、かつ、始動時や加速時等のように、水素を高速度で発生させる必要がある場合には、上記構成が特に有効となる。
また、上記スズ−ガリウム系金属よりさらに水に対して安定な銀とガリウムをそれぞれ
上記所定量の割合で含有した金属(以下、銀−ガリウム系金属と称す)に、標準電極電位
がガリウム(−0.56V)より低い(当然、銀(+0.8V)よりも低い)金属元素を
添加すると、添加金属元素が選択的に水と反応することになる。この銀−ガリウム系金属
を用いた場合の水素発生の機構も、上記スズ−ガリウム系金属を用いた場合と同様である
。したがって、添加金属元素と水とが容易に接触して反応が進行するため、連続的に、か
つ、効率的に水素を発生するものと考えられる。ここで、銀−ガリウム系金属における銀
の含有量を55質量%以下に限定したのも、上記スズ−ガリウム系金属の場合と同様に、
銀含有量が55質量%を超えると、水素発生速度が急激に低下するためである。また、標
準電極電位がガリウムより低い金属元素としては、様々なものが利用可能であるが、水素
発生量の点からも、また比較的安価で入手が容易な点からも、アルミニウム、マグネシウ
ム、アルミニウムとマグネシウムの合金が、より好適なものとして例示できる。また、こ
の添加金属元素も上記スズ−ガリウム系金属の場合と同様に、1種のみを単独で添加して
もよいし、2種以上を一緒に添加してもよい。例えば、アルミニウムとマグネシウムの合
金の添加の場合は、アルミニウム単独の添加に比べて、水素発生速度が高くなる。また、
その添加量は、上記推定機構による水素発生効果を発揮させるため、合計量で0.1質量
%以上とする。また、上記添加金属元素は、必ずしも純度の高いものに限定されるもので
はなく、例えば、アルミニウムの場合は、工業用アルミニウム合金でもよく、水素発生用
組成物には、工業用アルミニウム合金等に含まれるFe、Ti等の不可避的不純物を有し
てもよい。さらに、これらの金属のスクラップ品やリサイクル品を用いることも可能であ
る。また、添加量の上限は特に限定されないが、過剰に添加しても水素発生速度が徐々に
鈍化する傾向を示すので、25質量%以下、さらには20質量%以下とするのがより好ま
しい。第2の金属としての上記銀−ガリウム系金属と上記添加金属元素とを有した上記水
素発生用組成物(ここに引用することで本明細書の一部をなすものとする特願2007−
259022号に記載の水素発生用組成物、以下、銀−ガリウム系金属からなる水素発生
用組成物と称す)を、本発明に係る水素発生用促進部材を構成する水素発生用組成物として使用することもできる。なお、第3の金属として、実質的にガリウムのみからなる金属(その他は不可避不純物)を用いても、同様の効果が得られる。
また、上記スズ−ガリウム系金属または銀−ガリウム系金属からなる水素発生用組成物
ともに接触させる水としては、完全に中性であるpH7の純水を用いることも可能である
が、当然、通常の水(安価な水道水)を用いることが推奨される。さらに、水素発生反応
を促進するため、上記スズ−ガリウム系金属または上記銀−ガリウム系金属が腐食しない
程度に弱酸性または弱アルカリ性としてもよい。なお、水は特に加熱する必要はなく、室
温でも良いし、40℃程度等に加熱しても良い。
以下、本発明の水素発生用促進部材を用いた水素発生方法および水素発生装置の一実施例について図面を参照しながら説明する。
(実施例)
図1は本発明の一実施例の水素発生装置の概略構成を示す模式図であって、(a)はそ
の模式平面図、(b)はA−A線での模式断面図、図2は図1に示す水素発生装置で用いる水素発生用促進部材の概略構成を示す模式図であって、(a)はその模式平面図、(b)はそのA部拡大説明図である。
図1において、1は室温でも液体として粘性の低い状態を呈した第1の金属としての上述のスズ−ガリウム系金属、2は水、3はガリウム系金属収容手段として、最初、下層にスズ−ガリウム系金属1を収容し、水収容手段として上層に水2を収容した共用容器、4は補給するための水2が貯留されている貯水容器、5は貯水容器4から共用容器3の上層に水2を輸送する第1のポンプ、6は第1のポンプ5の運転を制御する第1のポンプ制御手段、7は共用容器3の下層の側壁3aに密閉され、かつ、回転可能に支持された双ロール、8は標準電極電位がガリウムより低い金属元素であるアルミニウムの箔体、9は箔体8が巻かれたロール体、10は箔体8を双ロール7により引き込み、共用容器3に収容されたスズ−ガリウム系金属1内に供給するために双ロール7を駆動するためのモータ、11はモータ10の駆動を制御するモータ制御手段、20は水もしくはガリウムと反応しない金属としてのステンレススチール製の枠20aと格子20bとからなる表面積の大きな網状の基体20cとこの基体20c表面に覆われたスズ−ガリウム系金属からなる水素発生用組成物20dを備えた水素発生用促進部材(詳細は、後記図2参照)、21は基体20cに取付けられた軸、22は共用容器3に設けられた給水口、23は発生した水素、24は水素23を取出すために共用容器3に設けられた水素取出し口、25は水素取出し口24に取り付けられた水素センサ、26は水素センサ25から出力された信号、27は共用容器3の側壁3aの上層に設けられた反応副生物である水酸化アルミニウム28を水2と共に排出するための排出口、29は水酸化アルミニウム28と水2を溜めるタンクである。また、上述のスズ−ガリウム系金属からなる水素発生用組成物20dは、スズ−ガリウム系金属1に箔体8が溶解し拡散した全体としても粘性の低い状態を呈した物質である。
上述のように、共用容器3は、ガリウム系金属収容手段としてのスズ−ガリウム系金属1を収容する機能と水収容手段としての水2を収容可能な機能とを共に備えている。また、水供給手段は、貯水容器4と第1のポンプ5と第1のポンプ制御手段6とから構成されている。添加金属元素供給手段は、双ロール7とロール体9とモータ10とモータ制御手段11とから構成されている。
次に、水素発生装置の動作について説明する。
最初に、モータ制御手段11を始動させ、モータ10を駆動させることにより、ロール
体9に巻かれた箔体8が双ロール7により共用容器3内に引き込まれ、共用容器3の下層
に収容されたスズ−ガリウム系金属1内に供給される。これにより、全体として粘性の低
い状態を呈した水素発生用組成物20dが形成される。次に、この水素発生用組成物20dが予め共用容器3の上層に貯えられている水2と接触することにより、水素発生用組成物20d中に拡散しているアルミニウム元素が酸化し、水2の中にイオンとして溶け出す。これと引き換えに水2の中の水素イオンが還元され、水素23となって発生する。
さらに、図2(a)に示すように、基体20cは枠20aに格子20bが緻密に張られているため、基体20cとして極めて大きな表面積を有することになる。したがって、この基体20cが図1(b)に示すように回転すると、水素発生用組成物20dが図2(b)に示すように、枠20aや格子20bに担持される。その結果、水素発生用促進部材20は実効表面積の大きな水素発生用組成物20dを備えることになる。よって、この実効表面積の大きな水素発生用組成物20dが水2と接触すると、単位時間当たり多量の水素23が発生することになり、極めて高速度で水素23を製造できるようになる。これらの水素23を水素取出し口24より取出すと同時に、水素センサ25によりモニターしており、この水素センサ25からの出力信号26をモータ制御手段11、第1のポンプ制御手段6と基体20cの回転速度制御手段(図示せず)にフィードバックし、所定の速度(例えば、最高速度)で水素を発生できるように、モータ10と第1のポンプ5を駆動し、箔体8と水2をそれぞれ共用容器3内の下層と上層に供給し、かつ、水素発生用促進部材20を回転させる。
したがって、所定の速度で水素を発生させながら、かつ、上記反応により、水素の発生とともに減少してしまう箔体8と水2は、上記目標を満足するように常に補給されることになる。なお、供給されたアルミニウムは、前記組成物中においては、アルミニウムの濃度勾配により、水との接触界面の方に自然に拡散していく。また、上記反応を継続することにより、共用容器3の上層に次第に蓄積されてくる水酸化アルミニウム28は水2と共に排出口27からタンク29に排出される。また、このタンク19内の水2は、再び貯水容器4に戻され、有効利用される。
本実施例においては、水素発生が最高速度になるように、水素センサ25を設置し、フ
ィードバック制御する場合について説明したが、必ずしもこれに特定されるものではない
。すなわち、単に連続的な水素発生を行うのであれば、必ずしも水素センサ25を設置し
、フィードバック制御する必要はなく、事前に決められたプログラムによりモータ制御手
段11と第1のポンプ制御手段6を用いてオープンループ制御し、スズ−ガリウム系金属
1基準でアルミニウム元素が0.1%以上になるように箔体8と所定量の水2を供給しさ
えすればよい。
また、本実施例では、標準電極電位がガリウムより低い金属元素としてアルミニウムを
用いた例について説明したが、必ずしもこれに特定されるものではない。例えば、マグネ
シウム、アルミニウムとマグネシウムの合金、シリコン、亜鉛、チタン、ランタン、セリ
ウムを単独で用いる場合やアルミニウム、マグネシウムとシリコンの合金のような3種以
上を一緒に用いる場合、ランタンとセリウムの合金(ミッシュメタル)を用いる場合は割
愛したが、いずれの金属元素もガリウムより標準電極電位が低いため、当然、これらの金
属元素すべてが選択的に水と反応するので、上記発明例と同様の作用効果が得られること
が明らかである。
また、本実施例では、標準電極電位がガリウムより低い金属元素の形状として箔体を用
いた例について説明したが、必ずしもこれに特定されるものではない。例えば、線体(中
実のワイヤー、パイプやパイプの中に粉体が充填された形状)等、さまざまなものを用い
ることができる。
また、本実施例では、共用容器3内の下層に収容する物質として、第1の金属としての
上述のスズ−ガリウム系金属1を用いた例について説明したが、必ずしもこれに特定され
るものではない。例えば、第2の金属としての上述の銀−ガリウム系金属や第3の金属と
してのガリウムを用いることもできる。また、本実施例においては、共用容器3内の下層
に最初は上述のスズ−ガリウム系金属1のみを収容しておき、その後アルミニウムの箔体
8を供給していく例について説明したが、必ずしもこれに特定されるものではなく、例えば最初からアルミニウム元素が混合された水素発生用組成物20dが収容され、順次アルミニウム元素を補給していく形式であっても良い。
また、本実施例の基体20cが回転することにより、共用容器3の下層に収容された水素発生用組成物20dが攪拌されるが、共用容器3に積極的に第1の金属、または、第2の金属、もしくは、第3の金属と、添加金属元素とを攪拌する機能を備えてもよい。なお、第1の金属、または、第2の金属、もしくは、第3の金属と、添加金属元素とを攪拌する機能としては、超音波振動等により揺動させ、拡散を促進させるものでもよい。
また、本実施例では、添加金属元素供給手段として、双ロール7とロール体9とモータ10とモータ制御手段11とから構成され、双ロール7は共用容器3の下層の側壁3aに密閉された状態で取り付けられた例について説明したが、必ずしもこれに特定されるものではなく、双ロール7は、共用容器3の第1または第2の金属が収容されている側であり水とは隔離し密閉された状態で取り付けられていれば良い。さらに、添加金属元素供給手段として、例えば金属元素からなる粉体が貯蔵された粉体貯蔵容器と、この粉体貯蔵容器から粉体を共用容器3に収容された第1または第2の金属内に供給するために共用容器3の第1または第2の金属が収容されている側であり水とは隔離し密閉された状態で取り付けられたインジェクタと、このインジェクタを制御するインジェクタ制御手段とから構成する等、さまざま構成のものが考えられる。
なお、本実施例においては、スズ−ガリウム系金属からなる水素発生用組成物20dを担持させる基体20cとして、ステンレススチール製の枠20aと格子20bとからなる表面積の大きな網状のものの例について説明したが、必ずしもこれに特定されるものではない。例えば、基体の形態は、多孔質体状、発泡体状、または、不織布状のいずれか又は組合せ等、さまざまなものを用いることができる。また、基体の材質に関しても、セラミックス、ガラス、樹脂、水およびガリウムと反応しない金属のいずれか又は複合体等、さまざまなものを用いることができる。
また、本実施例においては、円形の基体20cの直径が比較的小さな例について説明したが、必ずしもこれに特定されるものではない。例えば、用途に応じてこの直径をさらに大きくすることで、水素23の発生速度を増加させることができる。さらに、この円形の基体20cを軸21の方向に多連形に並べることで、水素23の発生速度をより一層増加させることができる。また、基体20cの形状も円形に限定されるものではない。
また、本実施例においては、円形の基体20cが水素発生装置内で回転可能に支持された例について説明したが、必ずしもこれに特定されるものではない。例えば、揺動可能支持等の可動式に設置されていてもよい。
また、本実施例においては、基体20cが水素発生装置内で回転可能に支持された例について説明したが、必ずしもこれに特定されるものではなく、水素発生装置内に表面積の大きな基体を静止固定で用いることも可能である。
基体の形態は、網状、多孔質体状、発泡体状、または、不織布状等、さまざまなものを用いることができる。網状の基体ではたとえば100メッシュのステンレススチール製金網を用いることができるが、銅、チタンの金網も用いることができる。多孔質体状の基体ではたとえば孔径1mmの多孔質ガラスを用いることができるが、軽石等ケイ酸塩鉱物やアルミナも使用可能である。発泡体状の基体ではたとえば細孔径0.6mmの三次元網目状発泡ステンレススチールを用いることができるが、銅、ニッケル、ニッケル合金の発泡体、発泡スチロールを用いることもできる。不織布状の基体ではたとえば、繊維径100μmの銅製不織布を用いることができるが、ステンレススチール、チタン、ポリプロピレン、ポリエステル、ガラス繊維、炭素繊維の不織布も用いることができる。
本発明の一実施例の水素発生装置の概略構成を示す模式図であって、(a)はその模式平面図、(b)はA−A線での模式断面図である。 図1に示す水素発生装置で用いる水素発生用促進部材の概略構成を示す模式図であって、(a)はその模式平面図、(b)はそのA部拡大説明図である。
符号の説明
1 スズ−ガリウム系金属
2 水
3 共用容器
3a 側壁
4 貯水容器
5 第1のポンプ
6 第1のポンプ制御手段
7 双ロール
8 箔体
9 ロール体
10 モータ
11 モータ制御手段
20 水素発生用促進部材
20a 枠
20b 格子
20c 基体
20d 水素発生用組成物
21 軸
22 給水口
23 水素
24 水素取出し口
25 水素センサ
26 出力された信号
27 排出口
28 水酸化アルミニウム
29 タンク

Claims (13)

  1. 基体表面の少なくとも一部が、スズとガリウムを含有した第1の金属、または、銀とガリウムを含有した第2の金属、もしくは、ガリウムからなる第3の金属と、標準電極電位がガリウムより低い金属元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属元素とを有した水素発生用組成物で覆われている水素発生用促進部材。
  2. 前記基体の形態は、多孔質体状、発泡体状、網状、または、不織布状のいずれか又は組合せである請求項1に記載の水素発生用促進部材。
  3. 前記基体の材質は、セラミックス、ガラス、樹脂、水およびガリウムと反応しない金属のいずれか又は複合体である請求項1又は2に記載の水素発生用促進部材。
  4. 前記第1の金属は、スズがW%(質量%の意味、以下同じ)、ガリウムがX%であり、
    前記第2の金属は、銀がY%、ガリウムがZ%であり、前記第1または第2の金属は下記
    式(1)〜(6)を満たし、
    前記標準電極電位がガリウムより低い金属元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の
    金属元素の合計量は、前記第1または第2の金属基準で0.1%以上である請求項1〜3に記載の水素発生用促進部材。
    0<W≦96 … (1)
    4≦X<100 … (2)
    X=100−W … (3)
    0<Y≦55 … (4)
    45≦Z<100 … (5)
    Z=100−Y … (6)
  5. 前記標準電極電位がガリウムより低い金属元素からなる群から選ばれた少なくとも1種
    の金属元素が、アルミニウムまたはマグネシウムの少なくともいずれか1種である請求項
    1〜4に記載の水素発生用促進部材。
  6. 請求項1乃至5に記載された水素発生用促進部材中の水素発生用組成物と水とを接触させることにより水素を発生させることを特徴とする水素発生方法。
  7. 請求項1乃至5に記載された水素発生用促進部材と、水を収容可能な水収容手段と、を備え、前記水素発生用促進部材中の水素発生用組成物と前記水とが接触することにより水素を発生するように構成されたことを特徴とする水素発生装置。
  8. スズとガリウムを含有した第1の金属、または、銀とガリウムを含有した第2の金属、もしくは、ガリウムからなる第3の金属で少なくとも表面の一部が覆われた基体と、
    水を収容可能な水収容手段と、
    この水収容手段に前記水を供給する水供給手段と、
    標準電極電位がガリウムより低い金属元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属
    元素を前記水とは隔離しながら、前記第1または第2もしくは第3の金属内に供給する添加金属元素供給手段と、を備え、
    前記第1または第2もしくは第3の金属と、前記添加金属元素供給手段により前記第1または第2もしくは第3の金属内に供給され拡散した前記金属元素とを有した水素発生用組成物が前記水と接触することにより水素を発生するように構成されたことを特徴とする水素発生装置。
  9. スズとガリウムを含有した第1の金属、または、銀とガリウムを含有した第2の金属もしくは、ガリウムからなる第3の金属が収容されたガリウム系金属収容手段と、
    水を収容可能な水収容手段と、
    この水収容手段に前記水を供給する水供給手段と、
    標準電極電位がガリウムより低い金属元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属
    元素を前記水とは隔離しながら、前記第1または第2もしくは第3の金属内に供給する添加金属元素供給手段と、
    可動式基体と、を備え、
    前記第1または第2もしくは第3の金属と、前記添加金属元素供給手段により前記第1または第2もしくは第3の金属内に供給され拡散した前記金属元素とを有した水素発生用組成物、および、
    前記基体表面の少なくとも一部を覆った前記水素発生用組成物が前記水と接触することにより水素を発生するように構成されたことを特徴とする水素発生装置。
  10. 前記第1の金属は、スズがW%(質量%の意味、以下同じ)、ガリウムがX%であり、
    前記第2の金属は、銀がY%、ガリウムがZ%であり、前記第1または第2の金属は下記
    式(1)〜(6)を満たし、
    前記標準電極電位がガリウムより低い金属元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の
    金属元素の合計量は、前記第1または第2の金属基準で0.1%以上である請求項8または9に記載の水素発生装置。
    0<W≦96 … (1)
    4≦X<100 … (2)
    X=100−W … (3)
    0<Y≦55 … (4)
    45≦Z<100 … (5)
    Z=100−Y … (6)
  11. 前記標準電極電位がガリウムより低い金属元素からなる群から選ばれた少なくとも1種
    の金属元素が、アルミニウムまたはマグネシウムの少なくともいずれか1種である請求項8〜10に記載の水素発生装置。
  12. 前記基体の形態は、多孔質体状、発泡体状、網状、または、不織布状のいずれか又は組合せである請求項8〜11に記載の水素発生装置。
  13. 前記基体の材質は、セラミックス、ガラス、樹脂、水およびガリウムと反応しない金属のいずれか又は複合体である請求項8〜12に記載の水素発生装置。
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