JP2009154754A - 車両前照灯の光軸調整装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 自動車の車体前部に光軸を上下方向に揺動可能に支持された車両前照灯11と、上記車両前照灯の光軸を上下方向に揺動させる駆動手段12と、上記自動車の車体の車高を検出する車高センサ13と、上記車高センサからの検出信号に基づいて自動車の車体の傾きを演算して、この傾きを相殺するように駆動手段を駆動制御する制御部14と、を含む車両前照灯の光軸調整装置10であって、上記制御部が、自動車の発進時または減速時に、一つの車両情報の積算値が一定値以上であるとき、車両情報に対応して駆動手段を段階的に駆動制御して、車両前照灯の光軸を複数の所定角度に段階的に揺動させる特別の補正制御を行なうように、車両前照灯の光軸調整装置10を構成する。
【選択図】 図1
Description
即ち、図10及び図11において、車両前照灯の光軸調整装置1は、自動車の車体2の前部に上下方向に揺動可能に取り付けられた車両前照灯3と、この車両前照灯3を上下方向に揺動させるアクチュエータ4(図11参照)と、自動車の車体2のサスペンション付近に設けられた車高センサ5と、この車高センサ5からの検出信号に基づいてアクチュエータ4を駆動制御する制御部6(図11参照)と、から構成されている。
上記車両前照灯3は、その全体または少なくとも一部が上下方向に揺動することにより、上記配光パターンが上下方向に調整されるようになっている。
例えば図11に示すように、上記車両前照灯3は、上側3aが枢支されており、下側3bが前後に移動することにより、上下方向に揺動するようになっている。
上記車高センサ5は、自動車の車体2の高さを検出するようになっている。
これにより、上記制御部6のCPU6aは、インタフェースI/F6bを介して車高センサ5から入力される検出信号を、信号処理部6cにより演算処理して車体2の傾きを算出し、この傾きに対応して、この傾きを相殺する方向に車両前照灯3を揺動させるための制御信号を生成し、出力回路6dからこの出力信号をアクチュエータ4に送出するようになっている。
従って、自動車の加速時や減速時においても、車高センサ5の検出信号が変化しないと、即ち自動車の車体2が傾斜しないと、制御部6は、車両前照灯3の光軸調整を行なわない。
より詳細には、自動車が加速または減速すると、この加速または減速により自動車の車体2が傾斜する。この傾斜を上記車高センサ5が検出して、上記制御部6が車両前照灯3の光軸調整を行なう。
その際、実際に自動車が加速または減速してから、自動車の車体2が傾斜して、上記制御部6が車両前照灯3の光軸調整を行なうまでの間に一定の遅延時間が発生することになる。
自動車が発進すると、自動車の車体2は、図12(B)に示すように、発進直後に一瞬だけ上向きになる。このとき、車両前照灯3からの照射光Lは、符号L1で示すように、同様に上向きになり、対向車や先行車に対して幻惑光となってしまう。
特に、自動車が停止状態またはそれに近い車速のときには、加速によって車体が上向きになりやすい傾向がある。
その後、所定時間が経過して、上記制御部6が車両前照灯3の光軸調整を行なった後には、図12(C)に示すように、車両前照灯3からの照射光L2は、下向きに調整され、所定の配光パターンを形成する。
自動車が減速すると、自動車の車体2は、図13(B)に示すように、減速開始直後に一瞬だけ下向きになる。このとき、車両前照灯3からの照射光Lは、符号L3で示すように、同様に下向きになり、光の照射範囲が手前に寄ってしまう。従って、所定の配光パターンが得られず、必要とされる前方視認性が損なわれてしまう。
特に、ブレーキ踏量が大きいときには、減速によって車体が下向きになりやすい傾向がある。
その後、所定時間が経過して、上記制御部6が車両前照灯3の光軸調整を行なった後には、図13(C)に示すように、車両前照灯3からの照射光L4は、上向きに調整され、所定の配光パターンを形成する。
従って、自動車の加速時または減速時において補正が間に合わない状態での強制的な補正を行なうものではなく、本発明とは目的,構成及び効果が異なる。
これにより、発進時や減速時に自動車の車体が上向きまたは下向きに傾斜したとしても、車体が実際に傾斜する前に、自動車の発進または減速を検出して、そのときの車両前照灯の予測傾斜角度に対応して、車両前照灯が強制的に複数の所定角度のうちの、何れかの所定角度に揺動される。
従って、そのときの車両前照灯の予測傾斜角度を相殺するように、車両前照灯が段階的に揺動される。このため、発進時または減速時に車両前照灯の光照射方向が一時的に上向きまたは下向きになることが抑制され、所定方向に最適に保持され得る。
この場合、上記制御部が、特別の補正制御において、車両前照灯を複数の所定角度のうち、一つの所定角度に段階的に揺動させる。従って、車速に基づいて揺動角度を演算する必要がない。このため、特別の補正制御がより高速で行なわれ得る。
また、上記制御部が車両情報の積算値に基づいて制御を行なうことにより、車両情報に関するより正確な判断が可能になり、加速または減速が正確に判定され得る。このため、車両情報の一時的な変動により制御がばたつくようなことがない。
尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図1は、本発明による車両前照灯の光軸調整装置の一実施形態の構成を示している。
図1において、車両前照灯の光軸調整装置10は、自動車の車体(図示せず)の前部に光軸を上下方向に揺動可能に取り付けられた車両前照灯11と、この車両前照灯11の光軸を上下方向に揺動させるアクチュエータ12と、自動車の車体のサスペンション付近に設けられた車高センサ13と、この車高センサ13からの検出信号及び自動車の車両情報に基づいてアクチュエータ12を駆動制御する制御部14と、から構成されている。
上記車両前照灯11は、その全体または少なくとも一部が上下方向に揺動する。これにより、上記配光パターンが上下方向に調整されるようになっている。
例えば図1に示すように、上記車両前照灯11は、上側11aが枢支されており、下側11bが前後に移動する。これにより、上下方向に揺動するようになっている。
上記車高センサ13は、自動車の車体の高さを検出するようになっている。
これにより、上記制御部14のCPU14aは、インタフェースI/F14bを介して車高センサ13から入力される検出信号及び自動車の車両情報を、信号処理部14cにより演算処理して自動車の車体の傾きを算出し、この傾きに対応して、この傾きを相殺する方向に車両前照灯11の光軸を揺動させるための制御信号を生成し、出力回路14dからこの出力信号をアクチュエータ12に送出するようになっている。
上記自動車の車両情報は、アクセル開度,ギヤポジション,エンジン回転数,ブレーキ信号,ブレーキ油圧値等である。
このギヤポジションは、自動車がマニュアルミッション車の場合には、シフトレバーの位置を検出すればよく、また自動車がオートマチック車の場合には、シフトレバーの位置,トランスミッションを制御するコンピュータからの信号等によって、そのときのシフトレバーの位置や実際に選択されているギヤポジションの情報を得るようにすればよい。
通常制御においては、上記制御部14は、インタフェースI/F14bを介して車高センサ13から入力される検出信号を、信号処理部14cにより演算処理して車体の傾きを算出し、この傾きに対応して、この傾きを相殺する方向に車両前照灯11の光軸を揺動させるための制御信号を生成し、出力回路14dからこの出力信号をアクチュエータ13に送出するようになっている。
上記制御部14は、車両情報に基づいて自動車の加速開始または減速開始を判定し、さらにギヤポジション及びエンジン回転数に対応して、車両前照灯11を前もって設定した複数の所定角度だけ段階的に下向きまたは上向きに揺動させるための制御信号を生成し、出力回路14dからこの出力信号をアクチュエータ13に送出するようになっている。
上記制御部14は、インタフェースI/F14bを介して入力されるアクセル開度に基づいて、アクセルオンを判定し、アクセル開度の積算を行なう。
このアクセル開度の積算は、一定時間毎、例えば50m秒毎に、より詳細には、後述する図3のフローチャートにおける動作の繰返しの度に、行なわれる。
続いて、上記制御部14は、設定した係数αに基づいて、車両前照灯11を所定角度(α×St)だけ下向きに揺動させるための制御信号を生成し、出力回路14dからこの出力信号をアクチュエータ13に送出するようになっている。
尚、Stは、アクチュエータ13固有の定数であり、例えばアクチュエータ13としてステッピングモータが使用されている場合には、1ステップの角度に対応する数値であり得る。
上記制御部14は、インタフェースI/F14bを介して入力されるブレーキ信号に基づいて、ブレーキオンを判定し、ブレーキ油圧値の積算を行なう。尚、上記制御部14は、ブレーキ油圧値の変動によりブレーキオンを判定するようにしてもよい。
このブレーキ油圧値の積算は、一定時間毎、例えば50m秒毎に、より詳細には、後述する図7のフローチャートにおける動作の繰返しの度に行なわれる。
続いて、上記制御部14は、設定した係数βに基づいて、車両前照灯11を所定角度(β×St)だけ上向きに揺動させるための制御信号を生成し、出力回路14dからこの出力信号をアクチュエータ13に送出するようになっている。
即ち、上記制御部14は、図10及び図11に示した従来の車両前照灯の光軸調整装置1と同様にして、インタフェースI/F14bを介して車高センサ13から入力される検出信号を、信号処理部14cにより演算処理して車体の傾きを算出する。
図3のフローチャートに示すように、上記制御部14は、まずステップST1にて、車両情報のうち、アクセル開度に基づいて、アクセルオンか否かを判定する。
アクセルオンでない場合には、上記制御部14は、加速が行なわれていないと判定して、処理を終了する。
このアクセル開度の積算は、図4に示すように、ステップST21にて、アクセル開度をAccとして、ステップST22にて、(Sum_acc+Acc−10回前のAcc)を新たなSum_accとすることにより、処理が行なわれる。
これにより、直近の10回分のアクセル開度が積算されることになり、制御部14の演算処理の負担が軽減される。また、より正確で安定した発進状態の検出が可能になる。
上記積算値Sum_accが所定値B未満の場合には、上記制御部14は、自動車の車体があまり上向きにはならないと判断して、ステップST4にて、上記係数α=a0に設定する。
尚、上記積算値Sum_accが所定値B未満で、自動車の車体が殆ど上向きにならないような場合には、a0=0として、実質的に処理を終了してもよい。
ギヤポジションが1である場合には、上記制御部14は、自動車が停止状態から発進し、あるいは低速で走行していると判断し、自動車の車体が大きく上向きになると予測して、ステップST6にて、上記係数α=a3(最大値)に設定する。
エンジン回転数がC未満の場合には、上記制御部14は、自動車が通常走行より低い車速で走行していると判断し、自動車の車体がさらに小さな傾斜角度で上向きになると予測して、ステップST8にて、上記係数α=a2に設定する。
これにより、アクチュエータ12は、車両前照灯11の光照射方向の目標角度を所定角度(α×St)だけ下向きに調整する。
その後、上記制御部14は、ステップST1に戻って、一定時間t毎に、例えば50m秒毎に上記処理を繰り返し行なう。
尚、目標角度Tag_bは、公知の方法で、例えば自動車における乗員の乗車状態や荷物の積載状態、あるいは走行状態によって決定され得る。
上述した特別制御によって、図5(A)に示す自動車15の停止状態から、自動車が発進するとき、車高センサ13により車体の傾きが検出され、上記制御部14が車高センサ13からの検出信号に基づいて、通常制御により車両前照灯11を下向きに調整するまでの間、図5(B)に示すように、通常制御に割り込んで車両前照灯11の光軸(光照射方向)を強制的に所定角度(α×St)だけ下向きにする。
その際、上記制御部14がギヤポジション及びエンジン回転数に対応して、α=a0,a1,a2またはa3として、所定角度(α×St)を段階的(α=a0,a1,a2,a3)に制御し、車両前照灯11を段階的に下向きに揺動させる。これにより、車両前照灯11の光照射方向即ち光軸を最適に調整することが可能になる。
図7のフローチャートに示すように、上記制御部14は、まずステップST11にて、車両情報のうち、ブレーキ信号に基づいて、ブレーキオンか否かを判定する。
ブレーキオンでない場合には、上記制御部14は、減速が行なわれていないと判定して、処理を終了する。
このブレーキ油圧値の積算は、図8に示すように、ステップST31にて、ブレーキ油圧値をBrkとして、ステップST32にて、(Sum_brk+Brk−10回前のBrk)を新たなSum_brkとすることにより、処理が行なわれる。
これにより、直近の10回分のブレーキ油圧値が積算され、制御部14の演算処理の負担が軽減される。また、より正確で安定した制動状態の検出が可能になる。
尚、ブレーキ油圧値の積算は、ブレーキオフ中にも行なわれてもよい。しかしながら、ブレーキオフ中は、ブレーキ油圧値がゼロかほぼゼロであることから、全体の演算処理の効率化のために、ブレーキオフ中には、好ましくは、ブレーキ油圧値の演算は行なわれない。
上記積算値Sum_brkが所定値D未満の場合には、上記制御部14は、自動車の車体があまり下向きにはならないと判断して、ステップST14にて、上記係数β=b0に設定する。
尚、上記積算値Sum_brkが所定値D未満で、自動車の車体が殆ど下向きにならないような場合には、b0=0として、実質的に処理を終了してもよい。
上記積算値Sum_brkが所定値E以上である場合には、上記制御部14は、急激な減速によって自動車の車体が大きく下向きになると予測して、ステップST16にて、上記係数β=b2(最大値)に設定する。
これにより、アクチュエータ12は、車両前照灯11の光照射方向の目標角度を(β×St)だけ上向きに調整する。
その後、上記制御部14は、ステップST11に戻って、一定時間t毎に、例えば50m秒毎に上記処理を繰返し行なう。
上述した特別制御によって、図9(A)に示す自動車15の走行状態から、自動車が減速するとき、車高センサ13により車体の傾きが検出され、上記制御部14が車高センサ13からの検出信号に基づいて、通常制御により車両前照灯11を下向きに調整するまでの間、図9(B)に示すように、通常制御に割り込んで車両前照灯11の光軸(光照射方向)を強制的に所定角度(β×St)だけ上向きにする。
その際、上記制御部14がブレーキ油圧値の積算値に対応して、β=b0,b1またはb2として、所定角度(β×St)を段階的(β=b0,b1,b2)に制御し、車両前照灯11を段階的に上向きに揺動させる。これにより、車両前照灯11の光照射方向即ち光軸を最適に調整することが可能になる。
また、本発明による車両前照灯の光軸調整装置10は、サスペンション制御システムに組み込むことも可能である。
11 車両前照灯
12 アクチュエータ(駆動手段)
13 車高センサ
14 制御部
Claims (5)
- 自動車の車体前部に光軸を上下方向に揺動可能に支持された車両前照灯と、
上記車両前照灯の光軸を上下方向に揺動させる駆動手段と、
上記自動車の車体の車高を検出する車高センサと、
上記車高センサからの検出信号に基づいて自動車の車体の傾きを演算して、この傾きを相殺するように駆動手段を駆動制御する制御部と、
を含んでいる、車両前照灯の光軸調整装置であって、
上記制御部が、自動車の発進時または減速時に、一つの車両情報の積算値が一定値以上であるとき、この車両情報または他の車両情報に応じて、駆動手段を段階的に駆動制御して、車両前照灯の光軸を複数の所定角度に段階的に揺動させる特別の補正制御を行なうことを特徴とする、車両前照灯の光軸調整装置。 - 上記制御部が、自動車の発進時に、上記一つの車両情報の積算値が一定値以上であるとき、他の車両情報に応じて駆動手段を段階的に駆動制御して、車両前照灯の光軸を複数の所定角度だけ段階的に下向きに調整することを特徴とする、請求項1に記載の車両前照灯の光軸調整装置。
- 上記一つの車両情報が、アクセル開度または前後方向の加速度であって、上記他の車両情報がギヤポジション及び/またはエンジン回転数であることを特徴とする、請求項1または2に記載の車両前照灯の光軸調整装置。
- 上記制御部が、自動車の減速時に、上記一つの車両情報の積算値が一定値以上であるとき、この積算値に対応して、駆動手段を段階的に駆動制御して、車両前照灯の光軸を複数の所定角度だけ段階的に上向きに調整することを特徴とする、請求項1に記載の車両前照灯の光軸調整装置。
- 上記車両情報が、ブレーキ油圧値または前後方向の加速度であることを特徴とする、請求項1または4に記載の車両前照灯の光軸調整装置。
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JP2013086747A (ja) * | 2011-10-21 | 2013-05-13 | Mitsubishi Motors Corp | 光軸制御装置 |
WO2016013419A1 (ja) * | 2014-07-25 | 2016-01-28 | 株式会社デンソー | 車両用前照灯制御装置 |
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- 2007-12-27 JP JP2007336314A patent/JP5139794B2/ja active Active
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