JP2009153839A - 心電図波形処理システム及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
心電図波形データから心臓マッサージを適用した成分を除去した心電図波形データを生成することにより、心肺蘇生時における心電図波形を識別する。
【解決手段】
心電図波形データを取得して処理する心電図波形処理システムにおいて、取得された心電図波形データから心電図波形を同定する波形同定部と、波形同定部で同定された心電図波形データに対して心臓マッサージを実施した場合の特徴を含む特徴パターンを選定する特徴選定部と、特徴選定部で選定された特徴パターンを用いて心臓マッサージの成分を推定する生成部と、生成部で推定された心臓マッサージの成分を、取得された心電図波形データから除去する除去部と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、心電図波形処理システム及び方法に係り、特に心肺蘇生時における心電図波形を識別処理するための心電図波形処理システム及びその方法、並びにコンピュータ上で実行される心電図波形処理用のプログラムに関するものである。
突然の心停止は、多くの場合心室細動などの重症不整脈が原因であり、このような重症不整脈には、出来るだけ早期の除細動(電気的除細動)が有効である。また、心肺蘇生法の標準的なガイドラインを提供しているAHA(米国心臓学会)ガイドラインでは、絶え間ない心臓マッサージを重要な基本コンセプトとしている。
心電図波形が除細動の適用波形か否かを判定するには、全ての蘇生処置を中断しなければならない。然るに、その蘇生処置を中断することは連続的な心臓マッサージを行うことと相反することになり、矛盾する。さらに、このように蘇生処置を全ていったん中断させることは、患者の回復に重大な不利益をもたらす。因みに、10秒以上の蘇生処置の中断は脳への損傷を大きくし、後遺症の原因にもなると言われている。
心電図波形データの処理に関してはいろいろな技術が提案されている。例えば、特許文献1(特開2007−117481号公報)には、心電図と共に心電図の基線の変動を計測して、心臓の状態と心理的動揺の両方をモニタすることができるモニタシステムが開示されている。
また、特許文献2(特開2007−20878号公報)には、モフォロジフィルタを適用することにより、心電図波形信号に含まれる周波数成分が0.5Hz以下の基線動揺ノイズを除去するノイズ除去装置が開示されている。
特開2007−117481号公報 特開2007−20878号公報
心肺蘇生時における心電図波形の識別処理において、絶え間ない心臓マッサージを始めさまざまな蘇生措置を講じながら、安全かつ確実に除細動が適用されるべき波形を認識することができるシステムの実現が大いに望まれる。このシステムの実現により、心停止患者の蘇生率向上に大きな効果をもたらすことが期待される。
なお、上記いずれの特許文献も、心肺蘇生時における心電図波形の識別をいかに行うかについては言及されていない。更には、心臓マッサージ実施中に取得された心電図波形データを解析してその心電図波形が除細動を適用すべき波形か否かを認識する技術については何ら開示されていない。
そこで、本発明の目的は、心肺蘇生時における心電図波形の識別を行なうことができる心電図波形の処理システム及び方法、処理プログラムを提供することにある。
本発明の他の目的は、心臓マッサージを継続的に行いながら得られた心電図波形データから心臓マッサージによって生じる成分を除去した心電図波形を生成して、心電図波形の識別のために利用することができる心電図波形処理システム及び方法、処理プログラムを提供することにある。
本発明は、より具体的には、得られた心電図波形データの周波数成分を利用して解析し、その結果から除細動を適用すべき波形か否かを識別することにある。
本発明は、心臓マッサージを継続的に実施しながら取得された心電図波形データを同定して、その同定された心電図波形データから特徴パターンを選定し、選定された特徴パターンから心臓マッサージの成分を生成し、生成された該心臓マッサージ成分を元の心電図波形データから除去することによって実現することができる。
本発明に係る心電図波形処理システムは、好ましくは、対象者から取得される心電図波形データを処理する心電図波形処理システムにおいて、取得された心電図波形を同定する波形同定部と、該波形同定部で同定された心電図波形データに対して心臓マッサージを実施した場合の特徴を含む特徴パターンを選定する特徴選定部と、該特徴選定部で選定された特徴パターンを用いて心臓マッサージの成分を生成する生成部と、該生成部で生成された心臓マッサージの成分を、取得された該心電図波形データから除去する除去部と、を有することを特徴とする心電図波形処理システムとして構成される。
好ましい例では、得られた心電図波形データを、基本波成分と高調波成分の重畳する波形と仮定して、フーリエ級数展開式である、
Figure 2009153839
で表し、その近似波形を
Figure 2009153839
で表した場合、α、βを調整することにより、y(k)とy(k)との誤差を出きるだけ小さくするようにして、α=(α0,α1,α2,α3,・・)、β=(β1,β2,β3,・・)を探索する。
また、好ましくは、複数の異なる特徴パターン(登録特徴パターンという)を予め記憶する記憶部を有し、前記特徴選定部は、該記憶部に記憶された複数の登録特徴パターンを参照して、該同定部で同定された心電図波形データに含まれる特徴パターンに最も類似する登録特徴パターンを選定する。
また、好ましくは、該心電図波形データは、心臓マッサージを実施した場合の特徴が振幅成分として表される波形を含み、該記憶部は、心臓マッサージを実施した場合の特徴を振幅成分として含む、統計的に集められた複数の該登録特徴パターンを記憶し、前記特徴選定部は、該同定部で同定された該心電図波形データから振幅成分を抽出し、かつ該記憶部に記憶された複数の該登録特徴パターンの振幅成分と照合することで、該振幅成分が最も類似する登録特徴パターンを選定する。
また、好ましくは、前記特徴選定部は、振幅成分が1.5〜1.9Hzの波形の部分を主に用いる。
また、好ましくは、前記生成部は、前記波形同定部で同定された心電図波形に対して、選定された特徴パターンを正規化したものを重み係数として乗じることによって生成する。
また、好ましくは、前記除去部は、主に、該心電図波形データの振幅成分が1.5〜1.9Hzにある心臓マッサージの成分を該心電図波形データから除去する。
また、好ましくは、該除去部から出力される、心臓マッサージの成分が除去された心電図波形(第2の心電図波形)を表示する表示器を有する。
また、好ましくは、コンピュータプログラムを実行するための処理装置を有し、前記波形同定部と、前記特徴選択部と、前記生成部と、前記除去部の各機能を実現するためのプログラムを該処理装置で実行する。
また、好ましい例では、更に、前記除去部から出力される心電図波形と、予め記憶部に用意された所定の波形情報とを照合することにより、該対象者に対して除細動を適用すべきか否かを判断する判断手段と、該判断手段によって除細動を適用すべきと判断された場合、音声又は表示によって知らせる報知手段と、を有する心電図波形処理システムとして構成される。
本発明に係る心電図波形処理方法は、好ましくは、心電図波形データを取得して処理装置を用いて処理する心電図波形処理方法において、取得された心電図波形(第1の心電図波形という)を同定し、同定された該心電図波形データから特徴パターンを選定し、該特徴パターンから心臓マッサージの成分を生成し、生成された該成分を元の該心電図波形データから除去することを特徴とする心電図波形処理方法として構成される。
好ましい例では、前記第1の心電図波形の抽出において、
得られた心電図波形データを、基本波成分と高調波成分の重畳する波形と仮定して、フーリエ級数展開式である、
Figure 2009153839
で表し、その近似波形を
Figure 2009153839
で表した場合、α=(α0,α1,α2,α3,・・)、β=(β1,β2,β3,・・) を調整することにより、y(k)とy(k)との誤差を出きるだけ小さくするようにして、α、βを探索することにより対象とする心電図波形データを同定して抽出する。
また、好ましくは、予め複数の特徴パターン(登録特徴パターンという)を記憶部に格納しておき、第1の心電図波形データを該複数の該登録特徴パターンと順次照合することで、最も類似する特徴パターンを決める。
また、好ましくは、心臓マッサージの成分が除去された心電図波形(第2の心電図波形)を表示器に表示する。
また、本発明に係る心電図波形処理方法は、別の表現をすれば、心電図波形データを取得して処理する心電図波形処理方法において、心臓マッサージが継続的に行われる対象者から取得された心電図波形をアナログ/デジタル変換して心電図波形データを得るステップと、該心電図波形データから心電図波形を同定する波形同定ステップと、該波形同定によって同定された心電図波形データに対して、心臓マッサージを実施した場合の特徴を含む特徴パターンを用いて心臓マッサージの成分を生成するステップと、該生成された心臓マッサージの成分を、該心電図波形データから除去するステップと、を有することを特徴とする心電図波形処理方法として把握される。
本発明に係る心電図波形データ処理用プログラムは、好ましい例では、取得された心電図波形データを処理するための、処理装置上で実行される心電図波形データ処理用プログラムであって、取得された心電図波形データから心電図波形を同定する波形同定手段と、該波形同定手段によって同定された心電図波形データに対して心臓マッサージを実施した場合の特徴を含む特徴パターンを選定する手段と、該特徴選定手段によって選定された特徴パターンを用いて心臓マッサージの成分を生成する手段と、該生成手段によって生成された心臓マッサージの成分を、取得された該心電図波形データから除去する手段とを実現する、コンピュータ上で実行可能な心電図波形処理用プログラムとして構成される。
本発明によれば、心臓マッサージを継続的に行いながら、得られた心電図波形データを処理して心臓マッサージの成分を除去した心電図波形データを生成することができる。これにより、心肺蘇生時における除細動を適用すべき心電図波形の識別に利用することができる。
また、本発明によれば、心臓マッサージを中断することなく、心電図波形データの採取とその解析を継続的に行なうことができるので、蘇生処置の中断に伴う対象者の損傷を低減することができる。
本発明者らは、まず膨大な数の心電図波形データを収集し、それらの心電図波形データがどのような処置が行なわれた時に記録され,どのような特徴をもっているかを調べるための解析を行なった。その解析のために、周波数解析及び時間領域解析を適用した。そして、蘇生処置中の心電図波形データは、心臓マッサージを行なった心電図波形と心室細動(VF)波形の特徴が重畳した波形であり、それらを分離することができるのではないかとの知見を得た。また、波形の認識については、周波数領域の解析と、波形合成法による心電図波形の解析及び解析結果の類似度判定により時間領域解析とを併用することが効果的であることが分かった。
これらの知見を基に、心臓マッサージの実施中に心電図波形データを収集し、その心電図波形データから心臓マッサージの成分を除去することができるアルゴリズムを開発し、それを適用した心電図波形処理システムを実現した。
以下、図面を参照して本発明の一実施例について詳細に説明する。
図1は一実施例における心電図波形処理システムの構成を示す。
この心電図波形システムは、対象者の胸部に装着されたセンサによって検知された心電図波形をアナログ/デジタル変換するA/D変換器11と、A/D変換器11から出力された心電図波形データを記憶するフラッシュメモリ又はハードディスクのような記憶部12と、記憶部12から読み出された心電図波形データを処理する処理部1、処理部1で処理された処理波形データCを心電図波形として表示する表示器13、及びその処理波形データCを格納するハードディスクのような記憶部14を有して構成される。なお、記憶部14は記憶部12と同じハードディスク等の記憶装置であってもよい。また、図示していないが、心電図波形がA/D変換器11に入力されるその前段には、高周波ノイズを除去するフィルタが配置されることがある。
心臓マッサージを実施した場合、心電図波形S及び心電図波形データAには、心臓マッサージを実施した成分が重畳して含まれている。処理部1は心電図波形データAから心臓マッサージの成分を除去するための、本発明に特徴的な処理を行う。
処理部1は、心電図波形データAの心臓マッサージ成分を推定処理する心臓マッサージ推定機構部10と、心電図波形データAから心臓マッサージ成分Bを除去する減算器105を有する。
心臓マッサージ成分推定機構部10は、波形同定部101と、選択器103と、心臓マッサージ成分生成部104を有する。また、記憶部12には予め複数の異なる特徴パターン102が記憶される。この特徴パターン102とは、心臓マッサージが実施された場合の心電図波形データに反映される特徴的な成分を調整可能なパラメータと統計的に収集した閾値を用い、正規分布を用いて構成した複数n個のパターンである。
波形同定部101は、入力される心電図波形データAがどのような成分によって構成されているかを解析し、同定波形を生成する。選択器103は、特徴パターン102とを照合して、波形同定部101により同定される、当該心電図波形データAに最も近似する特徴パターンkを選択する。
心臓マッサージ成分生成部104は、選択された特徴パターンkに含まれる心臓マッサージの成分Bを生成する。減算器105は、入力された心電図波形データAから、心臓マッサージ成分Bを減算して心臓マッサージ成分を含まない処理データC(=A−B)を出力する。
心電図波形の例について説明すると、図5は波形同定器101に入力される心電図波形データAの例、図10は特徴パターンの例、図11は心臓マッサージ成分Bの例であり、図12及び図14(2)は心電図波形データAから心臓マッサージ成分Bを除去した結果を示す。なお、図5、図12等は心電図波形データの時間経過(横軸は時間軸、縦軸は振幅)を示す。また、図13は周波数特性(振幅(縦軸)/周波数(横軸)の関係)を示す。
心電図波形データの取得時間は4〜5秒、サンプリングレートは1kHzである。通常、心臓マッサージは100回/分程度であるので、周波数領域においては、概ね1.5〜1.9Hzの範囲に心臓マッサージ成分の影響の波形Bが現れる。
[心電図波形認知アルゴリズムの説明]
本発明者らは、心電図波形の識別アルゴリズムの開発に際して、心電図波形の識別は、主に、心電図波形の同定のための要素の設定、特徴パターンの選定、心臓マッサージ成分の推定、及び心電図波形データからの心臓マッサージ成分の除去、の各処理を実現することで達成できると考えた。そこで、まず各処理を実現するアルゴリズムについて説明する。
(1)心電図波形の同定アルゴリズム
(1.1)心電図波形の同定の基本的な考え方
心電図波形は周期的な信号であり、これは複数個の周波数成分の集合として記述することができると考えた。そこで、周期Tとする信号y(t)は式(1)のように、フーリエ級数展開することができる。
Figure 2009153839
ここで、Ai,θi (i=1,・・∞)は、式(2)で表される振幅と位相である。
Figure 2009153839
記録される心電図波形データAは有限のデータであり、周期的か否かは不明であるが、
(a)対象とする波形は、周期をTとする周期信号である、
(b)対象とする波形は、その周期を基本周波数とする基本波(正弦波或いは余弦波)と高調波成分からなる、
と仮定することができる。この仮定に基づいて、式(1)のフーリエ級数展開式を利用して、その構成要素を把握することができる。その基本的な考え方を以下に示す。なお、式(4)におけるM、Tはそれぞれ高調波成分の次数、基本周期を表すパラメータである。
(イ)対象とする波形が、式(3)のように基本波成分と高調波成分の集まりによって表されるとする。
Figure 2009153839

(ロ)同様に近似波形を
Figure 2009153839
とする。
(ハ)y(t)のデータの長さをTL [sec]とし、時間間隔Δ[sec]で標本化するとN個(データの長さTL =N×Δ[sec])の数値列が得られたとし、これをy(k)(k=1,・・,N)とする。
Figure 2009153839
(ニ)y(t)もy(t)と同様に考え,標本化されたN個のデータをy(k) (k=1,・・,N)とする。
Figure 2009153839
以上のもとで、α=(α0,α1,α2,α3,・・αM )、β=(β1,β2,β3,・・βM )
を調整することにより、y(k)とy(k)との誤差を出来るだけ小さくする。
ここで、a0、α0 は、直流分(バイアス)を表しており、予めフィルタ処理等を用いて除去しておくことも可能である。その場合、αは、α=(α1,α2,α3,・・)のようになるが、以降の記述でα0=0 とすれば同じ結果が得られることになる。
(1.2)心電図波形の同定のための最適化問題
上記のように同定して得られる波形をy(k)(k=1,・・N)と表し、式(4)のα=(α0,α1,α2,α3,・・αM )、β=(β1,β2,β3,・・βM )を調整することにより、y(k)とy(k)との誤差を出来るだけ小さくすることを考える。但し、M、及びTはそれぞれ設計パラメータである。
そこで、目的関数
Figure 2009153839
をα=(α0,α1,α2,α3,・・αM )、β=(β1,β2,β3,・・βM )によって最小化する式(6)を考える。
Figure 2009153839
この最小化問題は、以下の条件を満足するα=(α0,α1,α2,α3,・・αM )、β=(β1,β2,β3,・・βM )を見つけることと等価である。
Figure 2009153839
式(7)を満たすような、α=(α0,α1,α2,α3,・・αM )、β=(β1,β2,β3,・・βM )を探索するための手法として最大傾斜法を採用した。もちろん、他の最適化手法やニューラルネットワークなどを利用して、α=(α0,α1,α2,α3,・・αM )、β=(β1,β2,β3,・・βM )を探索することも可能である。
(2)特徴パターンの選定
発明者らの検討によれば、心臓マッサージを実施した時の心電図波形データA及びその前後の心電図波形データについて、心臓マッサージなしの状態での心室細動(VF)である場合とそれ以外の場合に分類して解析した結果、以下の点が新たに確認できた。即ち、
(イ)心臓マッサージ実施者の違いによる心臓マッサージ波形に差異がある。
(ロ)心臓マッサージなしの状態で心室細動と判断されない心電図波形の前後に記録された心臓マッサージ実施時の心電図波形データについては心室細動の場合と異なり、低域周波数に特徴が現れる場合がある。
(ハ)基本調律波形の特徴が心臓マッサージ実施時に記録された心電図波形データからも見られる場合がある。
そこで、複数の特徴パターンを予め記憶部に記憶して用意しておき、実際に検知された心電図波形データとこれら複数の特徴パターンを照合して、当該心電図波形データが持っている最も類似度の高い特徴パターンを選定するようにすればよい。
ここで、複数の特徴パターンは、統計的処理によって決定した閾値と調整可能なパラメータを用いて正規分布に基き生成した。即ち、心臓マッサージ無しの状態での心室細動(VF)であるような心電図波形データの前後に記録された心電図波形データから、ランダムに1200個の心電図波形データを切り出して、それらを同定した結果から得られる振幅成分を解析し、決定した閾値を用い、正規分布に基づいて構成するとした。ただし、正規分布における平均値は調整可能なパラメータとし、分布における最大ピーク値を1とした(正規化)。また、実際に得られた心電図波形データと特徴パターンとの類似度を算出するためには、例えば両者の距離を計算する方法を採用した。
距離計算による特徴パターンの選定アルゴリズムは、以下の通りである。
(イ)上記したように、同定結果から心電図波形データの振幅成分を得ることができる。これを、Ai(i=0,・・M)とし、Aiを正規化する。これをAinとする。
(ロ)特徴パターンも振幅成分で構成されるので、これをAk/i(k=1,2,・・n)とする。ここで、nは特徴パターンの数である。
(ハ)正規化した特徴パターンAinと各特徴パターンAk/iとの差の二乗を計算する。つまり、
Figure 2009153839

Figure 2009153839
(ニ)類似度の最も高いパターンA*/i、即ちεkが最小となるAk/iを選定する。
(3)心臓マッサージ成分の推定及び除去
心臓マッサージ成分は、上記した心電図波形データの同定の結果、及び選定された特徴パターンを用いて推定できる。
これは、同定結果に対して、選定された特徴パターンを正規化したものを重み係数として乗じることにより得られる。即ち、選定した特徴パターンをA*/i、同定結果から得られた各成分の係数をαi,βiとすると、推定される心臓マッサージ成分の各係数は式(9)により得られる。
Figure 2009153839

Figure 2009153839
従って、心臓マッサージ成分(k)は、式(10)で得られる。
Figure 2009153839
以上により、心電図波形データから心臓マッサージ成分を除去すれば、式(11)の波形が得られる。
Figure 2009153839
次に、図2及び図3を参照して、心電図波形処理システムの具体的な実施例について説明する。
この心電図波形処理システムでは、パーソナルコンピュータのようなコンピュータを用いて心電図波形データAの処理を実現したものである。
図2は、パーソナルコンピュータ(PC)を用いて心電図波形を認知するプログラムを実行する心電図波形処理システムの構成例を示し、図3は心電図波形データ処理プログラムの実行処理フローチャートを示す。
心電図波形処理システムは、共通バス29に接続される、処理装置(CPU)20、RAMのような主メモリ21、ハードディスクのような記憶装置22、キーボードやマウスのような入力器23、表示器24、及び外部機器を接続するアダプタ(AD)25を有して構成される。
処理装置20は、心電図波形データ処理プログラム211を実行することで、心電図波形同定機能201、特徴抽出機能202、心臓マッサージ成分推定機能203、及び心臓マッサージ成分除去機能204を実現する。メモリ21には、心電図波形データ処理プログラム211、及び予め用意される複数の特徴パターン212が記憶される。なお、特徴パターン212は予め記憶装置22に格納しておき、必要な時に主メモリ21に読み出すようにしてもよい。
アダプタ25には所定のインターフェースを介して心電図波形測定器が接続される。心電図波形測定器は、心電図波形を検知して、その波形をA/D変換した心電図波形データをアダプタ25へ転送する。心電図波形データは主メモリ21又は記憶装置22に一時的に格納される。
次に、図3のフローチャートを参照して、心電図波形処理システムにおける各機能の処理動作について説明する。
この処理フローにおいて、ステップS30は初期処理、S31は心電図波形同定処理機能201、S32は特徴抽出機能202,S33は心臓マッサージ成分推定機能203,S34は心臓マッサージ成分除去機能204、をそれぞれ実現する処理、S35は処理結果の心電図波形を表示及び記憶する処理である。
まず、初期処理S30において、ステップS301では、解析対象波形、高調波成分の次数、基本周波数等の係数を入力器23より入力する。即ち、アダプタ25から解析対象の心電図波形データを取り込んで記憶装置22に記憶するための初期の設定操作が行なわれる。これにより予め規定された上記の式(3)、(4)の高調波成分の次数M、基本周期Tが設定される。
同様にして、ステップS302では、入力器23より、式(5)の上限値(C≧V(α、β))が閾値Cとして設定される。なお、高調波成分の次数、基本周期、閾値は、予め記憶装置22に格納しておき、メモリ21に読み出すようにしてもよい。更に、ステップS303では、式(5)の係数、α及びβを入力器23より入力して設定される。
なお、この初期処理に先立ち、統計的に収集された閾値と調整可能なパラメータからなる正規分布によって構成される複数n個の特徴パターンA1/i〜AN/i(212)が記憶装置22又はメモリ21に記憶される。
上記の種々の係数が初期設定された後、心電図波形同定ステップ31において、ステップ311では、式(4)に従い、同定波形y(k)を生成する。そして、ステップ312で、式(5)に従い、式(4)の同定波形と、式(3)で表される解析対象の波形の誤差を計算する。
ステップS313で、その結果得られた誤差V(α、β)と、当初設定された閾値Cとの大小を判定する。誤差V(α、β)が閾値Cよりも大きいときには、最大傾斜法を用いて、係数(α、β)を再計算して、ステップS311〜S313を繰り返す。一方、上記誤差が閾値Cよりも小さい場合には、対象の心電図波形が近似波形に近似していると判断して、特徴抽出処理S32へ移る。なお、係数の再計算によるステップSS311〜S313の繰り返しの数は、P回であり、繰り返し数Pに至ってもステップS313の判定において、閾値Cよりも大きいと判定された場合には、当該対象波形の同定を中止して、次の対象波形の入力を待つようにしてもよい。
特徴抽出処理S32において、ステップS321では、同定された心電図波形データに関して、振幅成分Ai(i=0、・・M)を求める。
そして、S322で、距離計算を用いて最も類似度の高い特徴パターンを選択する。この処理は、式(8)に従ってεkを計算して、その結果の値が予め設定された所定値よりも大きいか小さいかを判定する。その判定の結果、所定値よりも小さければ、当該Ak/iが最も類似度の高い特徴パターンであると判断する。一方、判定値が所定値よりも大きければ、更に別の特徴パターンをAk+1/iをメモリ21から読み出して、式(8)の計算を行なう。この繰り返しは、最大n回(特徴パターンの最大数)まで行い、それでも所定値より大きい場合には、最適な特徴パターンが無い、と判断して、当該ステップS322の処理を終了して、次の心電図波形データの入力を待つ。即ち、ステップS31の処理を待つ。
上記処理によって、類似度の最も高い特徴パターンAk/iが選定されると、次に、心臓マッサージ成分の生成処理S33へ移る。
心臓マッサージ成分の生成処理S33において、ステップS331では、式(9)に従って、心臓マッサージ成分の各係数、Oαi,Oβiを求める。更に、ステップ332で、式(10)に従って、心臓マッサージ成分(k)を算出する。
そして、心臓マッサージ成分の除去処理S34に移り、式(11)に従って、当初の心電図波形データy(k)から心臓マッサージ成分(k)を除去する。
そしてステップS35で、心臓マッサージ成分が除去された心電図波形(処理結果波形)を、表示器24に表示し、かつ記憶装置22に記憶して、1つの心電図波形の認識処理が終わる。なお、この処理システムに次の心電図波形が入力されて来る時には、次の心電図波形に対して上記の処理が実行される。医師は表示器24に表示された、心臓マッサージ成分の除去された波形を見て、除細動を行うか否かを判断する。
次に、各処理ステップにおいて、検出又は処理装置20で処理され、或いは表示器24に表示される波形について例示する。
図5は、図1又は図2の心電図波形処理システムに入力される心電図波形データAの例である。この波形データが波形同定部101(或いは心電図波形同定機能201)に入力される。横軸は時間t、縦軸は波形の電圧値を示す。
図6は、波形同定部101(或いは心電図波形同定機能201)の出力波形である。
図7及び図8は、波形同定の結果から、式(5)により得られる、係数α、及びβを示す。横軸は時間t、縦軸は電圧値である。
図9は、波形同定の結果から、特徴の例であり、横軸は時間t、縦軸は振幅を示す。周波数1.5〜1.9Hz(図9では横軸;概ね1.5〜1.9の範囲)に示される大きな振幅の波形が心臓マッサージ成分を表している。図9は、波形同定の結果から、式(5)により得られる、係数α、及びβを用いて計算される波形の振幅成分を示したものである。
図10は、統計的に収集された閾値と調整可能なパラメータからなる正規分布によって構成される複数n個の特徴パターンの例を示す。横軸は周波数、縦軸は振幅である。
図11は、式(10)によって推定された心臓マッサージ成分を示す。横軸は時間t、縦軸は波形の電圧値である。
図12は、図5の心電図波形から、図11に示す心臓マッサージ成分を除去した結果の波形を示す。横軸は時間t、縦軸は電圧値である。
図13は、図10の心電図波形から心臓マッサージ成分を除去した結果の波形(周波数特性波形)を示す。横軸は周波数、縦軸は振幅である。推定された心臓マッサージ成分が除去されていることが理解される。
上記の説明を纏めると、図14に示すような心電図波形データの認知例となる。右側の波形(3)(4)は、解析対象の心電図波形、左側の(1)(2)はその周波数特性波形を示す。また、上段の(1)(3)の波形は心臓マッサージ成分を除去する前の波形、下段の(2)(4)は心臓マッサージ成分を除去した後の波形を示す。(1)の実線で囲んだ部分の波形が心臓マッサージによる主成分に相当する。心臓マッサージ成分が除去されると、(2)の破線でしめすような波形となる。
図4は本実施例の効果を説明するための図である。
(A)は従来の半自動除細動装置を使用した場合、(B)は本実施例による心電図波形処理を適用した場合を示す。
(A)において、S1,S2、・・は、心臓マッサージを行う工程を示す。通常、心臓マッサージSiの時間は120秒間である。その後2秒間ほど「手を離して下さい」のアナウンス(V1)があると、操作者は心臓マッサージを止める。その後、心電図波形の検出X1が4〜5秒間、その検出された心電図波形の解析Y1が2秒間ほどある。その後、9秒間ほど「再び心臓マッサージを開始して下さい」のアナウンス(V2)があると、再び120秒間の心臓マッサージ(S2)を始める。以後、この繰り返しとなる。
この場合、(X1+Y1+V2)=T1 は16秒程度になる。通常の場合、この間隔で心臓マッサージを続ければよい。しかし、心臓マッサージを止めて除細動を行なうと判断された場合、実際には、半自動除細動装置をチャージする等の装置の状態の説明や、除細動の実施のための音声アナウンスが延々と続くので、1分を超えることもある。それでは、対象者の脳の損傷が大きくなってしまう。
これに対して、本実施例によれば、(B1)のように、心臓マッサージを中断しないで継続して行いながら、心電図波形を検出して(X1)、それを解析する(Y1)。実際には、検出された心電図波形データをA/D変換して記憶部に格納しておき、それを読み出しながら解析する。その解析工程(Y1)は、取得された心電図波形から心臓マッサージによる成分を除去する処理である。この時間T(=X1+Y1)は、6秒程度である。
医師(又は救急救命士)は、心臓マッサージによる成分が除去された波形をモニタで観察しながら、又は除細動の適用の判定結果を音声で聞くことで、除細動が必要か否かを判断することができる。しかも、心臓マッサージを中断しないで、心電図波形を採取して解析することができるので、心臓マッサージの中断による心肺蘇生への影響を回避することが可能となる。
このように、本実施例による心電図波形処理システムは、特徴的な処理によって心電図波形を解析することで、除細動の適用の要否を判断するための情報を提供することができるという優れた効果を奏する。
更に、その応用例について言えば、この心電図波形処理システムは除細動装置に適用することができる。自動又は半自動除細動装置(AED)は、バッテリーによって駆動され、患者に装着した電極によって電気的除細動を行う装置である。例えば、心電図モニタを備えた除細動装置にあっては、図1又は図2に示した心電図波形処理システムを適用して、本実施例による心電図波形の処理結果をそのモニタに表示することができる。
一方、公知の除細動装置には心電図モニタを持たずに音声手段を備えているものもある。この種の除細動装置では、救急救命士等の操作者には、除細動を実施すべきか否かを音声手段によって報知される。そこで、この除細動装置で、例えば図2の表示器13を除いたものを適用し、更に記憶部に、除細動を適用すべき心電図波形の所定パターンを予め記憶しておく。そして、除去部205から出力される心電図波形と、予め記憶部に用意された当該所定パターンとを処理装置で照合することにより、対象者に対して除細動を適用すべきか否かを判断する。その判断の結果によって除細動を適用すべきと判断された場合、音声手段によって操作者に知らせる。なお、音声手段に代えて又はそれと併用して、アラーム表示等の報知手段を用いてもよい。報知手段からの報知があった場合、操作者は除細動の操作を行えばよい。
なお、上記実施例において使用された用語や名称は一例である。時には、別の呼び方をする場合もあろうが、それらは本発明の趣旨を考慮して判断されるべきである。また、本発明は上記実施例に限定されることなく、さらに種々変形して実施し得るであろう。
一実施例における心電図波形処理システムの構成を示すブロック構成図。 一実施例における心電図波形処理システムの構成ブロックを示す図。 一実施例における心電図波形処理システムの処理動作を示すフローチャート。 一実施例における心電図波形処理システムの効果を説明するための図。 一実施例における心電図波形を示す図。 一実施例における心電図波形を示す図。 一実施例における心電図波形を示す図。 一実施例における心電図波形を示す図。 一実施例における心電図波形を示す図。 一実施例における心電図波形を示す図。 一実施例における心電図波形を示す図。 一実施例における心電図波形を示す図。 一実施例における心電図波形を示す図。 一実施例における心電図波形を示す図。
符号の説明
11:A/D変換器 12:記憶部 13:表示器 14:記憶部
1:処理部 10:心臓マッサージ推定機構部 101:波形同定部 102:特徴パターン 103:選択器 104:心臓マッサージ成分生成部 105:減算器。

Claims (17)

  1. 対象者から取得される心電図波形データを処理する心電図波形処理システムにおいて、
    取得された心電図波形データから心電図波形を同定する波形同定部と、該波形同定部で同定された心電図波形データに対して心臓マッサージを実施した場合の特徴を含む特徴パターンを選定する特徴選定部と、該特徴選定部で選定された特徴パターンを用いて心臓マッサージの成分を生成する生成部と、該生成部で生成された心臓マッサージの成分を、取得された該心電図波形データから除去する除去部と、を有することを特徴とする心電図波形処理システム。
  2. 得られた心電図波形データを、基本波成分と高調波成分の重畳する波形と仮定して、フーリエ級数展開式である、
    Figure 2009153839
    で表し、その近似波形を
    Figure 2009153839
    で表した場合、α=(α0,α1,α2,α3,・・)、β=(β1,β2,β3,・・) を調整することにより、y(k)とy(k)との誤差を出きるだけ小さくするようにして、α、βを探索することを特徴とする請求項1の心電図波形処理システム。
  3. 複数の異なる特徴パターン(登録特徴パターンという)を予め記憶する記憶部を有し、
    前記特徴選定部は、該記憶部に記憶された複数の登録特徴パターンを参照して、該同定部で同定された心電図波形データに含まれる特徴パターンに最も類似する登録特徴パターンを選定することを特徴とする請求項1乃至2のいずれかの心電図波形処理システム。
  4. 該心電図波形データは、心臓マッサージを実施した場合の特徴が振幅成分として表される波形を含み、
    該記憶部は、心臓マッサージを実施した場合の特徴を振幅成分として含む、統計的に集められた閾値と正規分布を利用して構成した複数の該登録特徴パターンを記憶し、
    前記特徴選定部は、該同定部で同定された該心電図波形データから振幅成分を抽出し、かつ該記憶部に記憶された複数の該登録特徴パターンの振幅成分と照合することで、該振幅成分が最も類似する登録特徴パターンを選定することを特徴とする請求項3の心電図波形処理システム。
  5. 前記特徴選定部は、振幅成分が1.5〜1.9Hzの波形の部分を主に用いることを特徴とする請求項4の心電図波形処理システム。
  6. 前記生成部は、前記波形同定部で同定された心電図波形に対して、選定された特徴パターンを正規化したものを重み係数として乗じることによって生成することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかの心電図波形処理システム。
  7. 前記除去部は、主に、該心電図波形データの振幅成分が1.5〜1.9Hzにある心臓マッサージの成分を該心電図波形データから除去することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかの心電図波形処理システム。
  8. 該除去部から出力される、心臓マッサージの成分が除去された心電図波形(第2の心電図波形)を表示する表示器を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかの心電図波形処理システム。
  9. コンピュータプログラムを実行するための処理装置を有し、前記波形同定部と、前記特徴選択部と、前記生成部と、前記除去部の各機能を実現するためのプログラムを該処理装置で実行することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかの心電図波形処理システム。
  10. 更に、前記除去部から出力される心電図波形と、予め記憶部に用意された所定の波形情報とを照合することにより、該対象者に対して除細動を適用すべきか否かを判断する判断手段と、該判断手段によって除細動を適用すべきと判断された場合、音声又は表示によって知らせる報知手段と、を有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかの心電図波形処理システム。
  11. 心電図波形データを取得して処理装置を用いて処理する心電図波形処理方法において、
    取得された心電図波形データから、心臓マッサージを実施した場合の心電図波形データ(第1の心電図波形という)を同定し、同定された該心電図波形データから特徴パターンを選定し、該特徴パターンから心臓マッサージの成分を生成し、生成された該成分を元の該心電図波形データから除去することを特徴とする心電図波形処理方法。
  12. 前記第1の心電図波形の抽出において、
    得られた心電図波形データを、基本波成分と高調波成分の重畳する波形と仮定して、フーリエ級数展開式である、
    Figure 2009153839
    で表し、その近似波形を
    Figure 2009153839
    で表した場合、α=(α0,α1,α2,α3,・・)、β=(β1,β2,β3,・・) を調整することにより、y(k)とy(k)との誤差を出きるだけ小さくするようにして、α、βを探索することにより対象とする心電図波形データを同定して抽出することを特徴とする請求項11の心電図波形処理方法。
  13. 予め複数の特徴パターン(登録特徴パターンという)を記憶部に格納しておき、第1の心電図波形データを該複数の該登録特徴パターンと順次照合することで、最も類似する特徴パターンを決めることを特徴とする請求項11又は12の心電図波形処理方法。
  14. 心臓マッサージの成分が除去された心電図波形(第2の心電図波形)を表示器に表示することを特徴とする請求項11乃至13のいずれかの心電図波形処理方法。
  15. 選定した特徴パターンをA*/i、同定結果から得られた各成分の係数をαi,βiとして、心臓マッサージ成分の各係数を、式(9)により算出し、心臓マッサージ成分(k)を、式(10)により算出することを特徴とする請求項11乃至14のいずれかの心電図波形処理方法。
    Figure 2009153839
    Figure 2009153839
  16. 取得された心電図波形データを処理するための、処理装置上で実行される心電図波形データ処理用プログラムであって、
    取得された心電図波形データから心電図波形を同定する波形同定手段と、該波形同定手段によって同定された心電図波形データに対して心臓マッサージを実施した場合の特徴を含む特徴パターンを選定する手段と、該特徴選定手段によって選定された特徴パターンを用いて心臓マッサージの成分を生成する手段と、該生成手段によって生成された心臓マッサージの成分を、取得された該心電図波形データから除去する手段とを実現する、コンピュータ上で実行可能な心電図波形処理用プログラム。
  17. 心電図波形データを取得して処理する心電図波形処理方法において、
    心臓マッサージが継続的に行われる対象者から取得された心電図波形をアナログ/デジタル変換して心電図波形データを得るステップと、該心電図波形データから心電図波形を同定する波形同定ステップと、該波形同定によって同定された心電図波形データに対して、心臓マッサージを実施した場合の特徴を含む特徴パターンを用いて心臓マッサージの成分を生成するステップと、該生成された心臓マッサージの成分を、該心電図波形データから除去するステップと、を有することを特徴とする心電図波形処理方法。
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