JP2009153200A - 波形歪み補償装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】AD変換後のデジタル信号に対して、簡易な構成で高速に波形歪み補償を可能とする。
【解決手段】係数管理部105eは、先ず、設計時にあらかじめ決められている初期状態に対応する波形歪みの状態に対応する係数の組を乗算部105b0、・・・、105bnへ出力する。加算部105cにおいて、乗算部105b0、・・・、105bnの全ての出力を加算した結果が、ロックステータスチェック部105dにおけるクロック再生のロックステータスのチェックで“ロック不可”、すなわち再生クロックの状態が所定の時間内に所定範囲内に収まると判定されなかった場合に、係数管理部105eは、波形歪み状態の初期状態の次に順序付けられる波形歪み状態に対応付けられる係数を出力する。係数管理部105eは、ロックステータスチェック部105dによるチェック結果が“ロック”となるまで、波形歪み状態の順序に従って対応する係数の組を順次出力する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、光信号を受信する光受信装置内において、受信した信号を所定のサンプリングタイミングでのAD(Analog to Digital)変換によってデジタル信号へと変換するAD変換装置を制御するAD変換制御装置、このAD変換制御装置を有する光受信装置、光受信方法および、このAD変換装置によってAD変換された受信信号の波形等化をおこなう波形歪み補償装置に関する。
近年、ネットワークの高速化、大容量化の要求に伴い、コヒーレント光通信が注目されるようになってきている。これは、コヒーレント光通信が光雑音耐力に優れるため増幅中継の影響をより受けにくく、伝速距離の制限が緩和されるためである。
光通信の伝速距離を制限する要因としては、雑音とともに波形歪みがある。雑音は、コヒーレント光通信が光雑音耐力に優れることによって緩和可能である。波形歪みは、例えば伝送路の分散特性、なかでも周波数によって光信号の群遅延が変化してしまうという波長分散が特に問題となる。
ここで、コヒーレント光通信では、検波して電気信号へ変換する際に、光信号の強度とともに位相情報が失われることがない。このため、光領域で信号が蒙った波長分散の影響を、検波して変換された電気信号のレベルで線形回路によって補償することが容易となる。すなわち、コヒーレント光通信は、二乗検波によって光の強度のみを取り出す従来の直接検波をおこなう方式と比較して、電気信号レベルで波形歪み補償をおこなう電気波形歪み補償能力が高い。
このように、コヒーレント光通信では高い電気波形歪み補償能力が得られる。これを実現するためには、局発光と光信号との相対的な光位相差を検出し、補償する必要がある。これを実現する技術として、例えば、非特許文献1には、光信号をコヒーレント受信してAD(Analog to Digital)変換し、この変換されたデジタル信号を記憶手段に蓄積し、蓄積されたデジタル信号に基づいてデジタル信号処理によって光信号と局発光との光位相差を算出し、この光位相差を補償して光信号を検波する方法が開示されている。
また、非特許文献2には、1.6 Gbit/sの光信号をコヒーレント受信してAD変換し、このAD変換されたデジタル信号からプロセッサによって算出される光信号と局発光との光位相差に基づき、この光位相差を消去しながらリアルタイム伝送する方法が開示されている。
ところで、コヒーレント光通信は電気波形歪み補償能力が高いが、この電気波形歪み補償をおこなう方法として、種々の技術が開示されている。すなわち、特許文献1には、受信した光信号またはこれを光電変換手段で変換した電気信号を遅延させる遅延手段と、各遅延出力信号に係数を乗算する係数器と、各係数器の出力信号を加算する加算器と、前述の係数の演算をおこなう係数演算部とを備えた光信号受信処理回路が開示されている。
また、特許文献2には、遅延時間の設定をレベルシフト回路で実行するとともに、排他的論理和ゲートによって増幅器を構成し、各増幅器の出力ノードを共通化し、この共通化されたノードに共通の負荷抵抗ZLを設け、この共通の負荷抵抗ZLで各出力電流を加算するとともにこの加算された電流を電圧に変換する光信号受信処理回路が開示されている。この光信号受信処理回路によれば、波長分散と偏波分散とを区別することなく同時に補償することが可能となる。
また、特許文献3には、光電変換器と、イコライザと、マイクロプロセッサとを備え、イコライザは少なくとも1つの歪み検出器に接続されており、歪み検出器とイコライザの両方が、マイクロプロセッサを介して共通の制御手段に接続されている光受信機が開示されている。これによれば、偏波モード分散のパラメータが直接測定され、測定結果はイコライザ用の解析に利用できる。また、入力信号が変調とは無関係に、偏波モード分散のパラメータが測定できる。
また、特許文献4には、エコー除去処理の初期値として用いる初期値候補を複数格納しておく初期値データ格納部と、この初期値データ格納部に格納された初期値候補の中から、それぞれを適用した場合の残差信号を得て最適な初期値を特定する初期値判定部と、この初期値判定部で特定された初期値を初期値として、内部状態量を更新する内部状態更新部と、この内部状態更新部で更新された内部状態量によって、フィルタ係数を更新してエコーレプリカを作成する適応フィルタ部とを有するエコーキャンセラが開示されている。
特開平8−163027号公報(段落[0005]、図1) 特開2003−258606号公報(段落[0020]〜[0031]、図1) 特開2000−292263号公報(段落[0007]および[0008]、図1) 特開2002−171203号公報(段落[0012]、図1)
Kazuhiro Katoh,Kazuro Kiuchi、「Unrepeated 210-km Transmission with Coherent Detection and Digital Signal Processing of 20-Gb/s QPSK Signal」、Optical Fiber Communication Conference & Exposition 2005、2005年 Timo Pfau他、「1.6 Gbit/s Real-Time Synchronous QPSK Transmission with Standard DFB Lasers」、European Conference On Optical Communication 2006、2006年
一般的に、光信号の強度・位相の情報がAD変換に伴って失われないようにするためには、AD変換のサンプリングレートを光信号のシンボルレートと比較して十分高くし、また適切な演算処理を行うことが必要である。上記した非特許文献1では、AD変換のサンプリングレートが光信号のシンボルレートと比較して十分高くないため、光信号の情報を得るために非常に複雑な演算を行うことが必要であり、リアルタイム伝送は実現されていない。また、非特許文献2では、リアルタイム伝送は実現されているが、そのビットレーとは1.6Gbit/sにとどまっている。
例えば20Gsymbol/sを上回るような高速光信号に対してこれを実現するためには、非常に高速なサンプリングレートあるいは複雑な演算の一方または両方が必要となり、技術的な制約、コスト、スペースなどの理由で実現が非常に難しいという現実がある。
また、仮に、高速なサンプリングレートを有するAD変換装置が実現できたとしても、後段のデジタル信号処理プロセッサの処理負担が大きく、該プロセッサの回路規模や駆動周波数を増大させねばならず、技術的な制約、コスト、スペースなどの問題で実用性が乏しい。
すなわち、さまざまな制約から、AD変換装置のサンプリングレートを極力低く抑えなければならないという要請がある。このため、AD変換のサンプリングレートを光信号のシンボルレートに近い値に設定する、すなわち、AD変換のサンプリングレートを光信号のシンボルレートと同等かせいぜい数倍程度に設定せざるを得ない。
しかし、AD変換のサンプリングレートを極力抑えて、AD変換のサンプリングレートが光信号のシンボルレートの数倍以下となった場合には、AD変換のサンプリングのタイミングが、受信光信号の符号とほぼ同期している必要がある。AD変換のサンプリングの周波数がずれると、受信光信号に含まれる情報を高い信号対雑音比で取得することができず、誤り率が増大する。
本発明は、上記問題点(課題)を解消するためになされたものであって、AD変換のサンプリングレートが高速の光信号のシンボルレートに対する比が1以上数倍以下である場合であっても適切なタイミングでAD変換可能なAD変換制御装置、光受信装置および光受信方法を提供することを目的とする。
また、上記特許文献1に代表される従来技術は、光信号受信処理回路の出力信号のレベルに応じて、波形歪み補償をおこなうために入力信号に掛け合わせる係数演算を行うために、伝送路の経時変化や温度変化などによる変化によっても自動的に追随制御可能となるものの、光信号受信処理の初期における迅速な波形歪み補償は可能ではなかった。
また、上記特許文献2に代表される従来技術は、遅延時間の分解能を任意に設定することが容易であり、出力信号の大きな出力振幅を確保することが容易であるものの、複雑な回路を結線回路で実現せねばならず、実装が容易ではないという問題点があった。
また、上記特許文献3に代表される従来技術は、波形歪みを高速に検出し、この検出結果をイコライザで解析することによって波形歪み補償することができるが、特許文献2に代表される従来技術同様に、複雑な回路を結線回路で実現せねばならず、実装が容易ではなかった。
また、上記特許文献4に代表される従来技術は、エコーキャンセラに関する技術であるが、この技術を波形歪み補償に応用したとしても、波形歪み補償に関して複雑なアルゴリズムを実行しなければならず、迅速な波形歪み補償をおこなうことが困難であった。
すなわち、上記特許文献1〜4に代表される従来技術を組み合わせたとしても、AD変換後のデジタル信号に対して、簡易な構成で高速に波形歪み補償をおこなうことは不可能であった。このため、例えば、冗長構成された伝送路が運用系から待機系へと切り替わったときに、新しい伝送路の波形歪み補償に時間がかかり、伝送路の迅速な切り替えがおこなえず、所定時間にわたって通信が断絶してしまうという不都合が生じる場合があった。
本発明は、上記問題点(課題)を解消するためになされたものであって、AD変換後のデジタル信号に対して、簡易な構成で高速に波形歪み補償が可能な波形歪み補償装置を提供することを目的とする。
上述した問題を解決し、目的を達成するため、本発明は、光受信装置内において、光受信した受信信号をデジタル信号へAD(Analog to Digital)変換し、該デジタル信号の波形歪みを補償して出力する波形歪み補償装置であって、1からm(mは1より大の自然数)までの順序が付けられたm個の波形歪み状態di(1≦i≦m)ごとのn個の係数Cdi_1、Cdi_2,・・・、Cdi_nの組み合わせを該波形歪み状態diごとに記憶する記憶部と、前記記憶部から一つの係数の組み合わせを前記順序に従って選択する選択部と、前記選択部によって選択された前記一つの係数の組み合わせに基づいて前記デジタル信号の波形歪みを補正する波形歪み補正部と、前記波形歪み補正部による補正結果によるクロック再生の可否をチェックするチェック部とを有し、前記選択部は、前記順序おいて先に選択した係数Cdj_(k+1)(1≦j≦i−1、kは0≦k≦n−1を満たす自然数)の組み合わせに基づく前記チェック部によるチェック結果が可でない場合に、該順序における該係数の次の係数Cd(j+1)_(k+1)の組み合わせを再選択し、前記波形歪み補正部は、前記選択部によって再選択された係数Cd(j+1)_(k+1)の組み合わせに基づいて前記デジタル信号の波形歪みを補正することを特徴とする。
本発明によれば、光受信した受信信号が変換されたデジタル信号領域で波形歪みを補償するので、デジタルプロセッサの処理によって迅速な波形歪み補償が可能となるという効果を奏する。
図1は、本発明の特徴の概要を説明するための説明図である。 図2は、実施例1にかかる光受信装置の構成を示す機能ブロック図である。 図3は、実施例1のAD変換制御処理手順を示すフローチャートである。 図4は、実施例1のAD変換タイミングと入力信号との位相同期の概略を示す図である。 図5−1は、実施例1のAD変換タイミングと入力信号との位相同期(位相を遅らせるフィードバックが発生する場合)の概略を示す図である。 図5−2は、実施例1のAD変換タイミングと入力信号との位相同期(位相を現状維持する場合)の概略を示す図である。 図5−3は、実施例1のAD変換タイミングと入力信号との位相同期(位相を進めるフィードバックが発生する場合)の概略を示す図である。 図6は、実施例1にかかるデジタルフィルタ部の構成例を示す機能ブロック図である。 図7は、係数記憶テーブルの例を示す図である。 図8は、デジタルフィルタ部の係数とインパルス応答との関係例を示す図である。 図9は、デジタルフィルタ部におけるデジタルフィルタ初期処理手順を示すフローチャートである。 図10は、実施例2にかかる光受信装置の構成を示す機能ブロック図である。 図11は、実施例2のAD変換制御処理手順を示すフローチャートである。 図12−1は、実施例2のAD変換タイミングと入力信号との位相同期(位相を現状維持する場合)の概略を示す図である。 図12−2は、実施例2のAD変換タイミングと入力信号との位相同期(位相を進めるフィードバックが発生する場合)の概略を示す図である。 図12−3は、実施例2のAD変換タイミングと入力信号との位相同期(位相を遅らせるフィードバックが発生する場合)の概略を示す図である。 図13−1は、波形歪み補償部の配置のバリエーション(その1)に基づく光受信装置の構成の概略を示す図である。 図13−2は、波形歪み補償部の配置のバリエーション(その2)に基づく光受信装置の構成の概略を示す図である。 図13−3は、波形歪み補償部の配置のバリエーション(その3)に基づく光受信装置の構成の概略を示す図である。 図13−4は、波形歪み補償部の配置のバリエーション(その4)に基づく光受信装置の構成の概略を示す図である。
以下に添付図面を参照し、本発明のAD変換制御装置、光受信装置、光受信方法および波形歪み補償装置に係る実施例を詳細に説明する。なお、以下に示す実施例1および2では、光通信をコヒーレント光通信とし、光通信の光信号をRZ-mPSK変調方式(Return to Zero multi-ary Phase Shift Keying、多位相変調)による信号とした場合を示すこととする。よって、RZ-mPSK変調方式のサブセットであるRZ-QPSK変調方式であっても本発明は当然に適用可能である。また、本発明は、コヒーレント光通信に限らず、光通信一般に適用可能である。
また、本発明は、RZ-mPSK変調方式に限らず、その他の変調方式、例えばRZ-mQAM、RZ-mAPSK、RZ−DmPSK、RZ-OOKなど、光符号の強度波形がRZパルスとなっている場合であればあらゆる変調方式であっても適用可能である。すなわち、他の変調方式にRZ変調方式を組み合わせた変調方式に適用可能である。なお、以下では、本発明にかかる光受信装置が受信した受信信号を入力信号と呼ぶ。
まず、実施例1および2の説明に先立って、本発明の特徴の概要を説明する。図1は、本発明の特徴の概要を説明するための説明図である。同図に示すように、光送信装置と、光受信装置とが、光通信の伝送路を介して対向している。光送信装置から、例えばRZ-mPSK変調方式によって変調された光信号が、伝送路を介して、光受信装置へと送信される。このとき、光送信装置は、RZ-mPSKに限らず、例えばRZ-mQAM、RZ-mAPSK、RZ-DmPSK、RZ-OOKなどの変調方式であってもよい。なお、光受信装置は、例えばデジタルコヒーレント光受信装置であるとする。
光受信装置は、先ず、光送信装置から伝送路を介して伝送された光信号を、光受信部にてコヒーレント受信する。コヒーレント受信によると、受信した光信号の振幅と位相の情報を内包する複素電場の情報が取得可能である。そして、このコヒーレント受信したアナログ信号である光信号をAD(Analog to Digital)変換部の変換処理によって複素デジタル信号へと変換する。なお複素デジタル信号の詳細は後述する。この変換された複素デジタル信号も当然、複素電場の情報を引き継ぐこととなる。
そして、AD変換部の後段のサンプリングタイミング誤差抽出部では、複素デジタル信号をデジタル処理することにより取得したサンプリングタイミングの誤差をAD変換部にフィードバックすることにより、AD変換部のサンプリングタイミングが最適なタイミングとなるように制御可能となる。
なお、本発明では、光送信装置からの光信号を受信する際に使用する局発光の周波数が該光信号の周波数とおおむね一致していることを前提としている。具体的には、該局発光と該光信号の周波数差が、AD変換部のサンプリング周波数と比較して0.1倍程度以下であることを想定している。
以下に図2〜図9を参照して、本発明の実施例1を説明する。実施例1は、AD変換部におけるAD変換のサンプリングが、RZ-mPSK光送信装置からの光信号のシンボル1個に対して基本的に1回となるように動作する場合を想定したものである。すなわち、AD変換のサンプリングレートが光信号のシンボルレートと一致する場合である。
なお、コヒーレント光受信した受信信号のシンボルレートに対してAD変換のサンプリングレートが、n(nは2以上の自然数)倍となるように動作する場合であっても、制御値算出部107の内部に、図示しないデジタル信号間引き部を設け、デジタル信号を時間的に間引くことにより、コヒーレント光受信した受信信号の一つのシンボルに対してAD変換のサンプリングが1回である場合と同様に動作させることが可能である。
先ず、実施例1にかかる光受信装置の構成について説明する。図2は、実施例1にかかる光受信装置の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、実施例1にかかる光受信装置100aは、RZ-mPSK光送信装置200から、伝送路Nを介して、例えば20Gシンボル/秒程度のRZ-mPSK変調された光信号を受信する。ここで伝送路Nは光ファイバ等の伝送媒体だけでなく、波長多重器、波長分離器、光増幅器、光挿入分岐装置、波長分散補償器などを含んでも良い。
実施例1にかかる光受信装置100aは、局発光源101と、Optical Hybrid部102と、受光部103と、高速AD変換部104aおよび電圧制御発振部104bと、デジタルフィルタ部105と、データ再生部106と、制御値算出部107とを有する。
局発光源101は、基準となる光信号(以下、基準光信号と呼ぶ)を発光するローカルオシレータであり、Optical Hybrid部102に対して、RZ-mPSK光送信装置200から受信した光信号にミキシングするために該基準光信号を供給する。
Optical Hybrid部102は、RZ-mPSK光送信装置200から受信した光信号に、局発光源101からの基準光信号をミキシングして、該受信した光信号中の振幅情報および位相情報を含む複数の光信号を出力する。Optical Hybridには様々なものが考えられるが、例えば一般的な90-deg Optical Hybridにおいては、基準光信号の位相を遅延させずにそのまま受信した光信号とミキシングして得られたI成分(In Phase成分)と、基準光信号の位相を90度遅延させて受信した光信号とミキシングして得られたQ成分(Quadrature Phase成分)を出力する。
Optical Hybridには90-deg Optical Hybridの他にも、120-deg Optical Hybridなどを用いることができる。120-deg Optical Hybridについては、例えば(参考文献1)『K.Emura他、「5Gbit/s Optical Phase Diversity Homodyne Detection Experiment」、Electronics Letters Vol.25、1989年』に示されるとおりである。
受光部103は、Optical Hybrid部102から出力された複数の光信号を受信して、アナログ電気信号へと変換して高速AD変換部104aへと受け渡す。例えば90-deg Optical Hybridを用いる場合、I成分とQ成分に対応する複素アナログ電気信号が得られる。高速AD変換部104aは、電圧制御発振部104bから供給される高速のクロックに基づいて規定されるサンプリングタイミングで、受光部103から受け渡された該光信号の振幅および位相の情報を含有する複素アナログ電気信号を複素デジタル電気信号へと変換する。ここで、該光信号の振幅および位相の情報を含有する複素アナログ電気信号は、複素デジタル信号へと変換されることとなる。該光信号の振幅および位相の情報を有する複素デジタル信号は、デジタルフィルタ部105へと受け渡されることとなる。
なお、高速AD変換部104aおよび電圧制御発振部104bの組み合わせによってAD変換装置が構成されることとなる。
デジタルフィルタ部105は、高速AD変換部104aによって変換された複素デジタル信号に対して波形歪みの補償をおこない、伝送路N中を伝搬することに伴う信号波形の崩れを等化する。波形歪みには、波長分散、1次偏波モード分散などの線形波形歪みと、SPM(Self Phase Modulation)、高次偏波モード分散などに起因する非線形波形歪みとがある。
ここで、デジタルフィルタ部105は、線形フィルタ、非線形フィルタ、あるいはその組み合わせのいずれであってもよい。最も簡単な線形フィルタでも、波長分散または一次偏波モード分散などの線形波形歪みを補償することが可能であるだけでなく、SPM、高次偏波モード分散などの非線形波形歪みに対してもある程度の補償効果を有する。線形フィルタが非線形波形歪みに対して歪み補償効果を有することは、例えば(参考文献2)『J.H.Winters他、「Electrical Signal Processing Techniques in Long - Haul Fiber - Optics Systems」、IEEE Transactions on communications Vol.38 No.9、1990年』に示されている。
なお、実施例1では、デジタルフィルタ105は、FIR(Finite Impulse Response)型、IIR(Infinite Impulse Response)型、MLSE(Maximum Likelihood Sequence Estimation)型など、を含んでもよい。デジタルフィルタ部105によって波形歪み補償された複素デジタル信号は、データ再生部106および制御値算出部107へとそれぞれ受け渡されることとなる。
なお、デジタルフィルタ部105は、高速AD変換部104aによって変換された複素デジタル信号の波形歪みの補償を、デジタルプロセッサによるデジタル処理によって実現するものである。よって、波形歪みの補償を、新たに複雑な回路構成を必要とすることなく、柔軟におこなうことが可能となる。
波形歪み補償された複素デジタル信号を受け渡されたデータ再生部106は、該複素デジタル信号の位相に基づいてデータを再生する。データ再生の方法は、例えば(参考文献3)『Satoshi Tsukamoto,Yuta Ishikawa,and Kazuro Kiuchi、「Optical Homodyne Receiver Comprising Phase and Polarization Diversities with Digital Signal Processing」、European Conference On Optical Communication 2006、2006年』に開示されている方法を使用してもよい。
ここで、データ再生部106は、位相推定部106aと、位相検出部106bと、識別部106cとをさらに有する。上記(参考文献3)に開示されるデータ再生の方法によれば、位相推定部106aは、デジタルフィルタ部105から受け渡されたI成分およびQ成分を有する複素デジタル信号の位相誤差を算出する。具体的には、該複素デジタル信号をm乗することによって該複素デジタル信号のRZ-mPSK変調による位相の変調部分がキャンセルされ位相誤差のみが残ることによる。“m乗”の“m”は、RZ-mPSKの“m”である。“RZ-mPSK”は、m相のPSKである。そして、この位相誤差を位相検出部106bへと受け渡す。
位相検出部106bは、デジタルフィルタ部105から複素デジタル信号を受け渡されるとともに、位相推定部106aから位相誤差を受け渡される。そして、デジタルフィルタ部105から受け渡された複素デジタル信号から、位相推定部106aから受け渡された位相誤差を差し引くことによって、複素デジタル信号のうち該受信光と局発光源101との位相差に基づく位相誤差成分をキャンセルする。そして、この位相差がキャンセルされた複素デジタル信号の位相を、識別部106cへ受け渡す。なお、位相検出部106bと識別部106cとの間に、MLSEを有する構成であってもよい。
位相誤差がキャンセルされた複素デジタル信号を受け渡された識別部106cは、該位相誤差がキャンセルされた複素デジタル信号に基づいて、該光信号によって搬送されてきたデータを識別判定することとなる。
なお、データ再生部106は、各符号の光強度波形がRZ(Return to Zero)パルスである方式ならば、RZ-mPSK以外の変調方式であっても、該変調方式に応じた適切な設計変更によって同様に動作可能である。これは、例えばRZ-mQAM方式では(参考文献4)『M.Nakazawa他、「20 Msymbol/s,128 QAM Coherent Optical Transmission over 500 km Using Heterodyne Detection with Frequency - stabilized Laser」、Mo.4.2.2. ECOC2006、2006年』に示されるとおりである。また、直前のシンボルとの位相差分を利用して符号化するRZ-DmPSK方式なども可能である。この場合、識別部106cに、符号間の差分をとるデコーダを具備すればよい。また、データ再生部106以外、特に制御値算出部107は、各符号の光強度波形がRZ(Return to Zero)パルスであるならば、RZ-mPSK以外の変調方式であっても当然に動作可能である。
一方で、波形歪み補償された複素デジタル信号を受け渡された制御値算出部107は、該複素デジタル信号の絶対値、または該複素デジタル信号の絶対値と一対一に対応する値から算出した制御値に基づいて、電圧制御発振部104bが高速AD変換部104aへ供給するクロックを制御するための制御信号を供給する。
ここで、制御値算出部107は、強度算出部107aと、乗算部107bと、Loop Filter部107cと、低周波発振部107dと、微分部107eと、加算部107fと、低速DA(Digital to Analog)変換部107gとをさらに有する。
強度算出部107aは、デジタルフィルタ部105によって波形歪み補償された複素デジタル信号の絶対値またはこれと一対一に対応する値(以下、強度と呼ぶ)を算出し、乗算部107bへと受け渡す。この強度は、例えば90-deg Optical Hybridであれば、I成分およびQ成分の二乗和や、またはその正の平方根であってよい。
一方で、低周波発振部107dは、ディザリング信号として、例えば数MHz程度のディザリング信号を発生する。ディザリング信号は、例えば矩形波、正弦波、三角波、のこぎり波などでよい。ディザリング信号は、乗算部107bへ受け渡され、強度算出部107aから受け渡された強度とミキシングされる。強度とディザリング信号とをミキシングして適切な時間にわたって平均化した結果は、AD変換のサンプリングタイミングに関する符号付の誤差に対応した値となる。例えば、結果が正の場合は、AD変換のサンプリングタイミングの位相が最適点から遅れた位置にあることを示し、結果が負の場合は、AD変換のサンプリングタイミングの位相が最適点から進んだ位置にあることを示す。なお、結果が0の場合は、AD変換のサンプリングタイミングの位相が最適点の位置にあることを示す。
ミキシングした結果をLoop Filter部107cに通過させたものが加算部107fへと受け渡される。Loop Filter部107cの処理の一例は、次式で表される。
Figure 2009153200
ここで、(1)式において、積分は、所定単位時間にわたる平均化を表す。また、Dithering Signalはディザリング信号を表し、AC(Response Signal)はディザリング信号に対する応答信号の交流成分を表す。Loop Filter部107cは高速AD変換部104aから誤差抽出部107、電圧制御発振部104bを経て高速AD変換部104aに戻るフィードバックループの応答を決定する設計因子であり、(1)式にあるような平均化処理にとどまらず、例えば比例・積分・微分(PID)アルゴリズム等を含んでもよい。
また、低周波発振部107dにより発振されるディザリング信号は、微分部107eへも受け渡される。微分部107eは、いわゆる微分器である。そして、加算部107fにおいて、微分部107eによって微分されたディザリング信号と、Loop Filter部107cから出力された信号とが加算される。加算部107fは、いわゆる加算器である。すなわち、Loop Filter部107cで処理された結果にディザリング信号が加算されることによって、電圧制御発振部104bへ供給すべき制御信号が算出される。
なお、上記した乗算部107b、Loop Filter部107cを用いてサンプリングタイミングの誤差信号を算出する方法は、同期検波という公知技術に基づく。
低速DA変換部107gは、例えば数百万サンプル/秒程度の速度で加算部107fから出力された電圧制御発振部へ供給すべき制御信号をDA変換し、DA変換によって得られた制御電圧を電圧制御発振部104bへと供給する。電圧制御発振部104bは、供給された制御電圧に応じて発振周波数が変化するクロック発生源であり、高速AD変換部104aへサンプリングタイミングを規定するクロックを発生する。なお、電圧制御発振部104bに供給される制御電圧を適切に制御すれば、発生するクロックの位相も制御できることは当業者には自明である。なお、ここでの電圧制御発振部104bが発するサンプリングタイミングを規定するクロックは、例えば受信信号のシンボルレートと同程度の20GHz程度である。
なお、制御値算出部107は、高速AD変換部104aに与えるサンプリングタイミングを規定するクロックの制御電圧の算出を、デジタルプロセッサによるデジタル処理によって実現するものである。よって、制御値算出部107の全部または大部分を、デジタルフィルタ部105ならびにデータ再生部106と同一のデジタル集積回路に集積化して実装することが可能であり、新たに複雑なアナログ回路要素を追加することなく、小型・低消費電力に実現することが可能となる。
なお、上記実施例1ではOptical Hybrid部102と高速AD変換部104aの間に受光部103による光電変換がある構成を前提としたが、代替構成として、高速AD変換部のサンプリング機能を光領域で実現し、その後受光部103を設けることも可能である。そのような光領域でのサンプリング機能を実現するための素子としては、例えば半導体を用いた電界吸収(Electro-Absorption,EA)型変調器や、非線形光素子による全光スイッチなどが使用可能である。後者を用いる場合には、電圧制御発振部104bは光パルス列源、例えばモード同期半導体レーザなどを用いる必要がある。このような構成により電気回路ではサンプリングできないような処理速度においても、光領域でサンプリングを行うことが可能になる。
次に、図2に示した実施例1にかかる光受信装置で実行されるAD変換制御処理について説明する。図3は、実施例1のAD変換制御処理手順の1例を示すフローチャートである。ここで、AD変換制御とは、電圧制御発振部104bから高速AD変換部104aへ供給される、サンプリングタイミングを生成するクロックを制御することをいう。
先ず、光受信装置100aの受光部103は、RZ-mPSK光送信装置200からの入力信号をコヒーレント受信する(ステップS101)。続いて、高速AD変換部104aは、ステップS101で入力信号をコヒーレント受信した結果のアナログ信号を複素デジタル信号へと変換する(ステップS102)。続いて、デジタルフィルタ部105は、変換された複素デジタル信号を電気的に波形歪み補償する(ステップS103)。
続いて、強度算出部107aは、デジタルフィルタ部105によって電気的に波形歪み補償された複素デジタル信号の強度を算出する(ステップS104)。続いて、乗算部107b、Loop Filter部107cおよび加算部107fは、ディザリング信号と入力信号とを掛け合わせた値に基づいて、サンプリングタイミングの誤差信号を取得し、さらにこれに基づいて電圧制御発振部に対して供給する制御信号を生成する(ステップS105)。
続いて、低速DA変換部107gは、制御信号をDA変換し(ステップS106)、電圧制御発振部104bへ制御電圧を供給する(ステップS107)。続いて、光受信装置100aの制御装置は、光入力信号断などによる入力信号の受信が終了であるか否かを判定し(ステップS108)、入力信号受信終了ならば(ステップS108肯定)、AD変換制御処理を終了し、入力信号受信終了でないならば(ステップS108否定)、ステップS101へ移る。
次に、図2に示した高速AD変換部104aにおけるAD変換のサンプリングタイミングと入力信号との位相同期について説明する。図4は、実施例1のAD変換タイミングと入力信号との位相同期の概略を示すイメージ図の例である。同図に示すように、強度を縦軸、時刻を横軸とすると、時刻の経過に伴って変化する入力信号の強度に対し、所定のタイミングで入力信号がサンプリングされる。
強度は、受信光信号の光強度波形を反映した波形、例えばレイズドコサイン波形を有するが、入力信号に含まれる情報を再生するために信号をサンプルする際には強度のピーク付近でサンプリングすることが好ましい。ちなみに、例えば変調形式がRZ-mPSKである場合は到来するRZパルスの強度ピーク値は図4に示されているように基本的に一定であるが、変調形式がRZ-mQAMやRZ-mAPSKの場合は、RZパルスの強度ピーク値は各符号の担う情報に従って変化する。いずれの場合も下記の説明にしたがって同様の動作を行う。
従って、サンプリングタイミングは、強度の最大点により近い位置であることが望ましく、サンプリングタイミングのフィードバック制御は、サンプリングタイミングが強度の最大点の左側(時間的に早い側)にある場合には、サンプリングタイミングを遅らせ、サンプリングタイミングが強度の最大点の右側(時間的に遅い側)にある場合には、サンプリングタイミングのクロックの位相を早めることによって、サンプリングタイミングが強度の最大点に近づくように制御される。
サンプリングタイミングのフィードバック制御について詳細に説明すると、図5−1、図5−2、図5−3のようになる。すなわち、図5−1は、実施例1のクロックによって規定されるAD変換のサンプリングタイミングが入力信号の符号の強度が最大になるタイミングよりも早い(位相が進んでいる)場合の概略を示す図である。同図に示すように、サンプリングタイミングが強度の最大点の左側にある場合には、サンプリングタイミングのクロックの位相を遅らせるようにフィードバック制御がおこなわれる。このとき、(1)式で算出されるサンプリングタイミングの誤差信号は負の値となっている。
また、図5−2は、実施例1のクロックによって規定されるAD変換タイミングのサンプリングタイミングが入力信号の符号の強度が最大になるサンプリングタイミングに一致している場合の概略を示す図である。同図に示すように、サンプリングタイミングが強度の最大点にある場合には、サンプリングタイミングのクロックの位相は維持される。このとき、(1)式で算出されるサンプリングタイミングの誤差信号は0となっている。
また、図5−3は、実施例1のクロックによって規定されるAD変換タイミングのサンプリングタイミングが入力信号の符号の強度が最大になるサンプリングタイミングよりも遅い(位相が遅れている)場合の概略を示す図である。同図に示すように、サンプリングタイミングが強度の最大点の右側にある場合には、サンプリングタイミングのクロックの位相を進めるようにフィードバック制御がおこなわれる。このとき、(1)式で算出されるサンプリングタイミングの誤差信号は正の値となっている。
また、サンプリングタイミングが強度の最小点にある場合にも、(1)式で算出されるサンプリングタイミングの誤差信号は0となるため、サンプリングタイミングのクロックの位相は維持される。しかし、このとき、回路雑音等によってサンプリングポイントがごくわずかでもずれると、サンプリングタイミングがこの点から遠ざかるように制御が行われるため、強度の最小点で長い時間にわたって継続してサンプルし続けることはない。
次に、図2に示したデジタルフィルタ部の構成について説明する。図6は、図2に示したデジタルフィルタ部105の構成の一例を示す機能ブロック図である。同図に示すように、デジタルフィルタ部105は、n(nは自然数)個の遅延部105a1、105a2、・・・、105anと、(n+1)(nは自然数)個の乗算部105b0、105b1、105b2、・・・、105bnと、加算部105cと、ロックステータスチェック部105dと、係数管理部105eとをさらに有する。
遅延部105a1、105a2、・・・、105anは、入力信号をそれぞれ時間τだけ遅延させる。遅延部105a1は、入力信号を時間τだけ遅延させたものを、遅延部105a2および乗算部105b1へと受け渡す。同様に、遅延部105a2は、入力信号を時間τだけさらに遅延させたものを、遅延部105a3および乗算部105b2へと受け渡す。同様に、遅延部105an-1は、入力信号を時間(n−1)×τだけ遅延させたものを、遅延部105anおよび乗算部105bn-1へと受け渡す。換言すれば、遅延部105ai(iは1≦i≦n−1を満たす自然数)は、デジタルフィルタ部105に入力された入力信号を最終的に時間i×τだけ遅延させたものを、遅延部105ai+1および乗算部105biへと受け渡すこととなる。また、遅延部105an(nは自然数)は、デジタルフィルタ部105に入力された入力信号を最終的に時間n×τだけ遅延させたものを、乗算部105bnへと受け渡すこととなる。
乗算部105b0は、遅延処理をまったく加えていない入力信号に係数C0を掛け合わせ、この結果を加算部105cへと受け渡す。また、乗算部105b1は、時間τだけ遅延処理された入力信号に係数C1を掛け合わせ、この結果を加算部105cへと受け渡す。また、乗算部105b2は、時間2τだけ遅延処理された入力信号に係数C2を掛け合わせ、この結果を加算部105cへと受け渡す。同様に、乗算部105bnは、時間n×τだけ遅延処理された入力信号に係数Cnを掛け合わせ、この結果を加算部105cへと受け渡す。
ここで、係数C0〜Cnは、入力信号のある波形歪みの状態、例えば伝送路の信号に対する累積波長分散量に対応付けられた重み付け係数の組である。各波形歪みの状態に対応付けられた係数C0〜Cnは、例えば、設計者が決定した特定の順序に従って順序付けられて係数管理部105eに管理される。係数管理部105eは、各波形歪み状態に対応付けられた係数を、テーブルに格納して管理する。係数を格納するテーブルは、例えば図7に示すようなものである。
図7の係数記憶テーブルの例を参照すると、累積波長分散-1000ps/nmに対応する波形歪みの状態に対してC0=C0_m10、C1=C1_m10、・・・、Cn=Cn_m10が対応付けられて格納されている。また、累積波長分散-900ps/nmに対してC0=C0_m09、C1=C1_m09、・・・、Cn=Cn_m09が対応付けられて格納されている。また、累積波長分散0ps/nmに対してC0=C0_000、C1=C1_000、・・・、Cn=Cn_000が対応付けられて格納されている。また、累積波長分散900ps/nmに対してC0=C0_p09、C1=C1_p09、・・・、Cn=Cn_p09が対応付けられて格納されている。また、累積波長分散1000ps/nmに対してC0=C0_p10、C1=C1_p10、・・・、Cn=Cn_p10が対応付けられて格納されている。
ここで、図7に示す例では、ある波形歪み状態に対応付けられる係数の組み合わせは、C0〜Cnの(n+1)個の要素を有する。これは、デジタルフィルタ部105がn個の遅延部105a1、・・・、105anを有し、(n+1)個の乗算部105b0、・・・、105bnを有する場合の係数の組となる。例えば、デジタルフィルタ部105が4個の遅延部105a1、・・・、105a4を有し、5個の乗算部105b0、・・・、105b4を有する場合は、n=4であるので、係数記憶テーブルは、累積波長分散-1000ps/nmに対してC0=C0_m10、C1=C1_m10、・・・、C4=C4_m10が対応付けられて格納され、累積波長分散-900ps/nmに対してC0=C0_m09、C1=C1_m09、・・・、C4=C4_m09が対応付けられて格納され、累積波長分散0ps/nmに対してC0=C0_000、C1=C1_000、・・・、C4=C4_000が対応付けられて格納され、累積波長分散900ps/nmに対してC0=C0_p09、C1=C1_p09、・・・、C4=C4_p09が対応付けられて格納され、累積波長分散1000ps/nmに対してC0=C0_p10、C1=C1_p10、・・・、C4=C4_p10が対応付けられて格納されることとなる。
なお、係数記憶テーブルは、各波形歪みの状態にある場合に想定される波形歪みがおおむね補償されるように予め実験的または理論的に導出された係数を格納するものである。
再び図6に戻ると、係数管理部105eは、先ず、設計時にあらかじめ決められている初期状態に対応する波形歪みの状態に対応する係数の組を乗算部105b0、・・・、105bnへ出力する。そして、加算部105cにおいて、乗算部105b0、・・・、105bnの全ての出力を加算した結果が、ロックステータスチェック部105dにおけるクロック再生のロックステータスのチェックで“ロック不可”、すなわち再生クロックの状態が所定の時間内に所定範囲内に収まると判定されなかった場合に、係数管理部105eは、波形歪み状態の初期状態の次に順序付けられる波形歪み状態に対応付けられる係数を出力する。係数管理部105eは、ロックステータスチェック部105dによるチェック結果が“ロック”となるまで、波形歪み状態の順序に従って、対応する係数の組を順次出力する。なお、ロックステータスのチェックは上記した方法に限定されるものでなく、種々の方法でチェック可能である。
次に、図6に示したデジタルフィルタ部から出力される出力信号と係数との関係について説明する。図8は、デジタルフィルタ部の係数とインパルス応答との関係の一例を示す図である。同図では、n=4の場合を示す。インパルス応答とは、インパルスを入力とした場合にデジタルフィルタ部105から出力される応答信号である。
同図に示すように、先ず、まったく遅延させていないインパルスに係数C0を掛け合わせ、次に、時間τだけ遅延させたインパルスに係数C1を掛け合わせ、さらに時間τだけ遅延させたインパルスに係数C2を掛け合わせ、さらに時間τだけ遅延させたインパルスに係数C3を掛け合わせ、さらに時間τだけ遅延させたインパルスに係数C4を掛け合わせたものを全て足し合わせる。すると、図示のごとく、時間τごとをサンプリングタイミングとするインパルス応答が得られる。
このようにしてデジタルフィルタ部105は、入力信号の波形歪み補償を、デジタルプロセッサの処理によっておこなうことができる。また、デジタルプロセッサの処理によって波形歪み補償をおこなうことから、簡易な構成で波形歪み補償をおこなうことができる。また予測されうる波形歪み状態に対応した係数記憶テーブルをもつことによって、係数の適応制御へまだ移行していない伝送路からの光信号をはじめて受信したときでも、迅速に波形歪み補償をおこない、通信断絶の時間を極力短縮することができる。
次に、図6に示したデジタルフィルタ部で実行されるデジタルフィルタ初期処理について説明する。図9は、デジタルフィルタ部におけるデジタルフィルタ初期処理手順の一例を示すフローチャートである。デジタルフィルタ初期処理とは、はじめて入力信号を受信した場合等の際に、この入力信号の波形歪み補償をおこなうための係数を最初に決定する処理である。
先ず、デジタルフィルタ部105の係数管理部105eは、波形歪み状態を規定の初期状態に設定する(ステップS201)。続いて、係数管理部105eは、設定された波形歪み状態に対応する係数を係数記憶テーブルからロードして、乗算部105b0、・・・、105bnに設定する(ステップS202)。
続いて、ロックステータスチェック部105dは、クロック再生のロックステータスが“ロック”であるか否かを判定する(ステップS203)。クロック再生のロックステータスが“ロック”である場合(ステップS203肯定)、係数管理部105eおよびロックステータスチェック部105dは、係数の適応制御へ移行する(ステップS204)。
これによれば、一旦おおまかな波形歪み補償を確立したのちに、実際に受信している受信信号が受けている波形歪み状態に適した係数を、特定のアルゴリズムで算出することによって、より精密な波形補償を行うことが可能であるとともに、伝送路の状態の変化に応じて波形歪みの状態が変化した場合でも、波形歪み補償の装置の適応制御によって波形歪み補償を継続することが可能となる。
一方、クロック再生のロックステータスが“ロック”でない場合(ステップS203否定)、係数管理部105eは、係数記憶テーブルにおける次の波形歪みの状態を設定し(ステップS205)、ステップS202へ移る。
なお、上記の例では、デジタルフィルタの構成としてFIR型フィルタの一種であるFFE(Feed-forward equalizer)型を採用した場合を例にとって説明したが、その他のフィルタ種であっても、係数の組み合わせによって特性を調整することが可能であれば基本的に採用可能である。
以下に図10〜図13−4を参照して、本発明の実施例2を説明する。実施例2は、AD変換部におけるAD変換のサンプリングが、RZ-mPSK光送信装置からの光信号のシンボル1個に対して基本的に2回となるように動作する場合を想定したものである。なお、光送信装置は、RZ-mPSKに限らず、例えばRZ-mQAM、RZ-mAPSK、RZ-DmPSKなどの変調方式であってもよい。すなわち、AD変換のサンプリングレートが光信号のシンボルレートの2倍となる場合である。この点以外は実施例1と同様である。実施例2にかかる光受信装置は、デジタルコヒーレント光受信装置であることを前提としている。
なお、コヒーレント光受信した受信信号のシンボルレートに対するAD変換のサンプリングレートの比率が任意のn(nは2以上の自然数)倍であっても、後述するDemux部108bにおいて、デジタル信号を適切な方法に従って時間的に間引くことにより、コヒーレント光受信した受信信号の一つのシンボルに対してAD変換のサンプリングが2回である場合とほぼ同様に動作させることが可能である。
先ず、実施例2にかかる光受信装置の構成について説明する。図10は、実施例2にかかる光受信装置の構成の一例を示す機能ブロック図である。なお、実施例2にかかる光受信装置100bは、実施例1にかかる光受信装置100aとほぼ同一であるので、同図において、実施例1にかかる光受信装置100aとの差異のみを説明する。
実施例2にかかる光受信装置100bは、局発光源101と、Optical Hybrid部102と、受光部103と、高速AD変換部104aおよび電圧制御発振部104bと、デジタルフィルタ部105と、データ再生部106と、制御値算出部108とを有する。局発光源101と、Optical Hybrid部102と、受光部103と、高速AD変換部104aおよび電圧制御発振部104bと、デジタルフィルタ部105と、データ再生部106とは、実施例1で示した光受信装置100aと同一であるので、説明を省略する。
制御値算出部108は、強度算出部108aと、Demux部108bと、減算部108cと、Loop Filter部108dと、低速DA(Digital to Analog)変換部108eとをさらに有する。
強度算出部108aは、実施例1の強度算出部107aと同様であるので、説明を省略する。Demux部108bは、強度算出部108aによって算出された強度を、入力信号の1つのシンボル内で最初にサンプリングして得られた強度(以下、第1の強度と呼ぶ)と、その次に得られた強度(以下、第2の強度と呼ぶ)とに分離する。そして、減算部108cは、第1の強度から第2の強度を差し引く。Loop Filter部108dは、この入力信号に対して所定の演算、例えば平均化処理を行う。Loop Filter部108dの出力信号の帯域は、例えば数MHz以下である。Loop Filter部108dでの平均化処理の一例は、次式で表される。
Figure 2009153200
ここで、(2)式において、fvcoを電圧制御発振部104bの周波数とすると、N/fvcoは、Loop Filter部108dが平均化処理をおこなう前述の所定時間に相当する。このように、Loop Filter部108dでの所定時間にわたる平均化処理を経て、サンプリングタイミングの誤差信号が取得される。なお、Loop Filter部108dは高速AD変換部104aから誤差抽出部108、電圧制御発振部104bを経て高速AD変換部104aに戻るフィードバックループの応答を決定する設計因子であり、(1)式にあるような平均化処理にとどまらず、例えば比例・積分・微分(PID)アルゴリズム等を含んでもよい。
低速DA変換部108eは、例えば数Mサンプル/秒程度の速度で、Loop Filter部108dから出力されたサンプリングタイミングの誤差信号に基づいて生成した電圧制御発振部104bへ供給すべき制御信号をDA変換し、DA変換によって得られた制御電圧を電圧制御発振部104bへと供給する。電圧制御発振部104bは、供給された制御電圧に応じて発振周波数が変化するクロック発生源であり、高速AD変換部104aへサンプリングタイミングを規定するクロックを発生する。なお、電圧制御発振部104bに供給される制御電圧を適切に制御すれば、発生するクロックの位相も制御できることは当業者には自明である。なお、ここでの電圧制御発振部104bが発するクロックは、例えば40GHz程度である。
次に、図10に示した実施例2にかかる光受信装置で実行されるAD変換制御処理について説明する。図11は、実施例2のAD変換制御処理手順の一例を示すフローチャートである。ここで、AD変換制御とは、電圧制御発振部104bから高速AD変換部104aへ供給される、サンプリングタイミングを生成するクロックを制御することをいう。
先ず、光受信装置100bの受光部103は、RZ-mPSK光送信装置200からの入力信号をコヒーレント受信する(ステップS301)。続いて、高速AD変換部104aは、ステップS301で入力信号をコヒーレント受信した結果のアナログ信号を複素デジタル信号へと変換する(ステップS302)。続いて、デジタルフィルタ部105は、変換された複素デジタル信号を電気的に波形歪み補償する(ステップS303)。
続いて、強度算出部108aは、デジタルフィルタ部105によって電気的に波形歪み補償された複素デジタル信号の強度を算出する(ステップS304)。続いて、Demux部108b、減算部108cおよびLoop Filter部108dは、例えば上記(2)式による演算によってサンプリングタイミングの誤差信号を取得し、さらにこれに基づいて電圧制御発振部に対して供給する制御信号を生成する(ステップS305)。
続いて、低速DA変換部108eは、制御信号をDA変換し(ステップS306)、電圧制御発振部104bへ制御電圧を供給する(ステップS307)。続いて、光受信装置100bの制御装置は、光入力信号断などによる入力信号の受信が終了であるか否かを判定し(ステップS308)、入力信号受信終了ならば(ステップS308肯定)、AD変換制御処理を終了し、入力信号受信終了でないならば(ステップS308否定)、ステップS301へ移る。
次に、図10に示した高速AD変換部104aにおけるAD変換のサンプリングタイミングと入力信号との位相同期について説明する。図12−1、図12−2および図12−3は、実施例2のAD変換タイミングと入力信号との位相同期の概略を示すイメージ図である。同図に示すように、強度を縦軸、時刻を横軸とすると、時刻の経過に伴って変化する入力信号の強度に対し、1シンボルに対して2回ずつ、所定のタイミングで入力信号がサンプルされる。なお、1つのシンボルは、強度の波形の1つの山が相当する。
サンプリングタイミングのフィードバック制御について詳細に説明する。図12−1は、実施例2のAD変換タイミングと入力信号との位相が同期している状況を示す図である。同図に示すように、1つのシンボル内での2つのサンプリングタイミングにおける強度が同一である場合には、サンプリングタイミングの位相のフィードバック制御はおこなわれない。このとき、(2)式で算出されるサンプリングタイミングの誤差信号は0となっている。
また、図12−2は、実施例2のAD変換タイミング入力信号との位相関係として、位相を進めるフィードバックがなされる場合の概略を示す図である。同図に示すように、1つのシンボル内での2つのサンプリングタイミングにおける強度が同一ではなく、第1の強度から第2の強度を差し引いた結果が正となる場合には、サンプリングタイミングのクロックの位相を進めるようにフィードバック制御がおこなわれる。このとき、(2)式で算出されるサンプリングタイミングの誤差信号は正の値となっている。この場合、例えば、電圧制御発振部104bにかかる電圧が増大し、電圧制御発振部104bが生成するクロック周波数が上昇する。
図12−3は、実施例2のAD変換タイミングのクロックと入力信号との位相関係として、位相を遅らせるフィードバックがなされる場合の概略を示す図である。同図に示すように、1つのシンボル内での2つのサンプリングタイミングにおける強度が同一ではなく、第1の強度から第2の強度を差し引いた結果が負となる場合には、サンプリングタイミングのクロックの位相を遅らせるようにフィードバック制御がおこなわれる。このとき、(2)式で算出されるサンプリングタイミングの誤差信号は負の値となっている。この場合、例えば、電圧制御発振部104bにかかる電圧が減少し、電圧制御発振部104bが生成するクロック周波数が減少する。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は、これに限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内で、さらに種々の異なる実施例で実施されてもよいものである。また、実施例に記載した効果は、これに限定されるものではない。
上記実施例1および2に示した光受信装置は、光受信した後に高速AD変換処理された後に電気波形歪み補償をおこなうことによって受信波を波形歪み補償している。しかしこれに限らず、図13−1に示すように、受信波を光受信する前に、光信号レベルで波形歪み補償する光波形歪み補償をおこなうこととしてもよい。これによれば、光信号レベルで波形歪み補償をおこなうため、後段のデジタル処理の負担を軽減することができる。
また、図13−2に示すように、光受信して高速AD変換処理した後に電気波形歪み補償をおこなうことによって受信波を波形歪み補償してもよい。このとき、波形歪み補償は、複素デジタル信号に対しておこなわれることとなる。よって、複素デジタル信号に対して波形歪み補償をおこなうので、デジタルプロセッサの処理によって波形歪み補償をおこなうことが可能となる。これによれば、電気的に波形歪み補償をおこなうので、特別なハードウェア構成の追加を必要とすることなく、デジタル処理によって波形歪み補償をおこなうことができる。
また、図13−3に示すように、光受信した後であって高速AD変換処理される前に電気波形歪み補償をおこなうことによって受信波を波形歪み補償してもよい。このとき、波形歪み補償は、アナログ信号に対しておこなわれることとなる。
また、図13−4に示すように、受信波をコヒーレント光受信する前に、光信号レベルで波形歪み補償する光波形歪み補償をおこない、この光波形歪み補償をおこなった信号をコヒーレント光受信して高速AD変換処理した後にさらに電気波形歪み補償をおこなってもよい。このようにすると、より確実に波形歪みが補償されることとなる。これによれば、光信号レベルで波形歪み補償をおこなったあとにさらに電気的に波形歪み補償をおこなうので、より正確に波形歪み補償を行うことができる。
上記実施例1の図6では、デジタルフィルタ部105がロックステータスチェック部105dを有する構成としているが、一般的には、クロック再生のロックステータスのチェックをおこなうためには、デジタルフィルタ部105によって波形歪み補償された信号を該デジタルフィルタ部105の外部へ出力した上で、特定の信号処理、例えばサンプリングタイミング誤差抽出等を行う必要がある。すなわち、クロック再生のロックステータスのチェックは、デジタルフィルタ部105の外部でおこなわれる。例えば、電圧制御発振部104bに対して低速DA変換部107gから供給される制御電圧が、設計時に規定される所定範囲内に収まっているかどうかを確認する構成がある。このため、デジタルフィルタ部105は、ロックステータスチェック部105dを有さず、外部でおこなわれたクロック再生のロックステータスのチェック結果に基づいて波形歪み状態に対応付けられる係数を変化させるようにしてもよい。
この場合、デジタルフィルタ部105は、光受信装置内において、光受信した受信信号をデジタル信号へAD(Analog to Digital)変換し、該デジタル信号の波形歪みを該デジタル信号のクロック再生の可否に基づいて補償して出力する波形歪み補償装置であって、1からm(mは1より大の自然数)までの順序が付けられたm個の波形歪み状態di(1≦i≦m)ごとのn個の係数Cdi_1,Cdi_2,・・・,Cdi_nの組み合わせを該波形歪み状態diごとに記憶する記憶部と、前記記憶部から一つの係数の組み合わせを前記順序に従って選択する選択部と、前記選択部によって選択された前記一つの係数の組み合わせに基づいて前記デジタル信号の波形歪みを補正する波形歪み補正部とを有し、前記選択部は、前記順序において先に選択した係数Cdj_(k+1)(1≦j≦i−1)の組み合わせに基づくクロック再生の可否が可でない場合に、該順序における該係数の次の係数Cd(j+1)_(k+1)の組み合わせを再選択し、前記波形歪み補正部は、前記選択部によって再選択された係数Cd(j+1)_(k+1)の組み合わせに基づいて前記デジタル信号の波形歪みを補正することを特徴とする波形歪み補償装置となる。
また、上記実施例において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記実施例で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示のように構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPU(Central Processing Unit)(またはMPU(Micro Processing Unit)、MCU(Micro Controller Unit)、 FPGA(Field Programmable Gate Array)、DSP(Digital Signal Processor)などのマイクロ・コンピュータ)および当該CPU(またはMPU、MCU、FPGA、DSPなどのマイクロ・コンピュータ)にて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)上等のワイヤードロジックによるハードウェアとして実現されてもよい。
(付記1)各符号の光強度波形がRZ(Return to Zero)パルスである光信号を受信する光受信装置内において、受信した信号を所定のサンプリングタイミングでのAD(Analog to Digital)変換によってデジタル信号へと変換するAD変換装置を制御するAD変換制御装置であって、
前記所定のサンプリングタイミングを規定するパルスを発生させ、さらに該パルスの位相を電気的に制御するサンプリングタイミングパルス源と、
前記AD変換装置によってAD変換された結果に基づいて、前記デジタル信号のAD変換のサンプリングタイミングの誤差を推定する誤差推定部と、
前記誤差推定部によって推定された前記サンプリングタイミングの誤差に基づいて、前記サンプリングタイミングパルス源の位相を制御するための制御値を算出する制御値算出部と、
前記制御値算出部によって算出された前記制御値に基づいて前記所定のサンプリングタイミングを規定するパルスの位相をフィードバック補正する補正部と
を有することを特徴とするAD変換制御装置。
(付記2)各符号の光強度波形がRZ(Return to Zero)パルスである光信号を受信する光受信装置内において、受信した信号を所定のサンプリングタイミングでのAD(Analog to Digital)変換によってデジタル信号へと変換するAD変換装置を制御するAD変換制御装置であって、
前記所定のサンプリングタイミングを規定するパルスを発生させ、さらに該パルスの位相を電気的に制御するサンプリングタイミングパルス源と、
前記AD変換装置によってAD変換された結果に基づいて、前記デジタル信号のAD変換のサンプリングタイミングの誤差を推定し、推定された前記サンプリングタイミングの誤差に基づいて、前記サンプリングタイミングパルス源の位相を制御するための制御値を算出する制御値算出部と、
前記制御値算出部によって算出された前記制御値に基づいて前記所定のサンプリングタイミングを規定するパルスの位相をフィードバック補正する補正部と
を有することを特徴とするAD変換制御装置。
(付記3)各符号の光強度波形がRZ(Return to Zero)パルスである光信号を受信する光受信装置内において、受信した光信号を所定のサンプリングタイミングでのAD(Analog to Digital)変換によって複素デジタル信号へと変換するAD変換装置を制御するAD変換制御装置であって、
前記所定のサンプリングタイミングを規定するパルスを発生させ、さらに該パルスの位相を電気的に制御するサンプリングタイミングパルス源と、
前記AD変換装置によってAD変換された結果である前記複素デジタル信号の絶対値または該複素デジタル信号の絶対値と一対一に対応する値を算出する強度算出部と、
前記強度算出部によって算出された前記複素デジタル信号の絶対値または該複素デジタル信号の絶対値と一対一に対応する値に基づいて、該複素デジタル信号のAD変換のサンプリングタイミングの誤差を推定し、推定された前記サンプリングタイミングの誤差に基づいて、前記サンプリングタイミングパルス源の位相を制御するための制御値を算出する制御値算出部と、
前記制御値算出部によって算出された前記制御値に基づいて前記所定のサンプリングタイミングを規定するパルスの位相をフィードバック補正する補正部と
を有することを特徴とするAD変換制御装置。
(付記4)前記制御値算出部と前記サンプリングタイミングパルス源との間にDA(Digital to Analog)変換部をさらに有し、
前記補正部は、前記制御値算出部によるデジタル演算処理によって算出された前記制御値が前記DA変換部によって変換されたアナログ値に基づいて前記所定のサンプリングタイミングを規定するパルスの位相をフィードバック補正することを特徴とする付記1、2または3に記載のAD変換制御装置。
(付記5)前記制御値算出部は、前記複素デジタル信号の絶対値または該複素デジタル信号の絶対値と一対一に対応する値に、第一のディザリング信号を乗じるこれによって該複素デジタル信号のAD変換のサンプリングタイミングの誤差を推定し、推定された前記サンプリングタイミングの誤差に基づいて算出した値に、さらに前記第一のディザリング信号に同期した第二のディザリング信号を加算することによって、前記サンプリングタイミングパルス源の位相を制御するための制御値を算出することを特徴とする付記2、3または4に記載のAD変換制御装置。
(付記6)前記制御値算出部は、前記AD変換の平均サンプリング周波数が前記受信した光信号のシンボルレートのn(nは2以上の自然数)倍である場合に、該受信した信号の一つのシンボル内において所定の選択方法に従って選択され、前記AD変換装置によってAD変換された2つの前記複素デジタル信号の絶対値または該複素デジタル信号の絶対値と一対一に対応する値の差に基づいて前記サンプリングタイミングの誤差を推定し、推定された前記サンプリングタイミングの誤差に基づいて、前記サンプリングタイミングパルス源の位相を制御するための制御値を算出することを特徴とする付記2、3または4に記載のAD変換制御装置。
(付記7)前記AD変換装置は、前記受信した光信号を光信号レベルで波形歪み補償した結果である信号をAD変換することを特徴とする付記2〜6のいずれか一つに記載のAD変換制御装置。
(付記8)前記制御値算出部は、前記複素デジタル信号が電気的に波形歪み補償された結果である信号に基づいた該複素デジタル信号の絶対値または該複素デジタル信号の絶対値と一対一に対応する値の差に基づいて前記サンプリングタイミングの誤差を推定し、推定された前記サンプリングタイミングの誤差に基づいて、前記サンプリングタイミングパルス源の位相を制御するための制御値を算出することを特徴とする付記2〜7のいずれか一つに記載のAD変換制御装置。
(付記9)前記AD変換装置は、前記受信した光信号を電気信号レベルで波形歪み補償した結果である信号をAD変換することを特徴とする付記2〜6のいずれか一つに記載のAD変換制御装置。
(付記10)各符号の光強度波形がRZ(Return to Zero)パルスである光信号に基づいて生成される受信信号が所定のサンプリングタイミングでのAD(Analog to Digital)変換によって変換された複素デジタル信号に基づいて受信データを出力する光受信装置であって、
前記所定のサンプリングタイミングを規定するパルスを発生させ、さらに該パルスの位相を電気的に制御するサンプリングタイミングパルス源と、
前記受信信号を前記所定のサンプリングタイミングでAD変換するAD変換部と、
前記AD変換部によってAD変換された結果である前記複素デジタル信号の絶対値または該複素デジタル信号の絶対値と一対一に対応する値を算出し、算出された前記複素デジタル信号の絶対値または該複素デジタル信号の絶対値と一対一に対応する値に基づいて、該複素デジタル信号のAD変換のサンプリングタイミングの誤差を推定し、推定された前記サンプリングタイミングの誤差に基づいて、前記サンプリングタイミングパルス源の位相を制御するための制御値を算出する制御値算出部と、
前記制御値算出部によって算出された前記制御値に基づいて前記所定のサンプリングタイミングを規定するパルスの位相をフィードバック補正する補正部と
を有することを特徴とする光受信装置。
(付記11)前記制御値算出部と前記サンプリングタイミングパルス源との間にDA(Digital to Analog)変換部をさらに有し、
前記補正部は、前記制御値算出部によるデジタル演算処理によって算出された前記制御値が前記DA変換部によって変換されたアナログ値に基づいて前記所定のサンプリングタイミングを規定するパルスの位相をフィードバック補正することを特徴とする光受信装置。
(付記12)前記制御値算出部は、前記複素デジタル信号の絶対値または該複素デジタル信号の絶対値と一対一に対応する値に、第一のディザリング信号を乗じた値に基づいて前記サンプリングタイミングの誤差を推定し、推定された前記サンプリングタイミングの誤差に基づいて算出した値に、さらに前記第一のディザリング信号に同期した第二のディザリング信号を加算することによって、前記サンプリングタイミングパルス源の位相を制御するための制御値を算出することを特徴とする付記10または11に記載の光受信装置。
(付記13)前記制御値算出部は、前記所定のサンプリングタイミングが前記受信した光信号のシンボルレートのn(nは2以上の自然数)倍である場合に、該受信した光信号の一つのシンボル内において所定の選択方法に従って選択され、前記AD変換部によってAD変換された2つの前記複素デジタル信号の絶対値または該複素デジタル信号の絶対値と一対一に対応する値の差に基づいて前記サンプリングタイミングの誤差を推定し、推定された前記サンプリングタイミングの誤差に基づいて前記サンプリングタイミングパルス源の位相を制御するための制御値を算出することを特徴とする付記10または11に記載の光受信装置。
(付記14)前記受信した光信号を光信号レベルで波形歪み補償する光信号波形歪み補償部をさらに備え、
前記AD変換部は、前記光信号波形歪み補償部によって波形歪み補償された結果である信号をAD変換することを特徴とする付記10〜12のいずれか一つに記載の光受信装置。
(付記15)前記受信した光信号を電気信号レベルで波形歪み補償する電気信号波形歪み補償部をさらに備え、
前記制御値算出部は、前記複素デジタル信号が前記電気信号波形歪み補償部によって波形歪み補償された結果である信号に基づいた該複素デジタル信号の絶対値または該複素デジタル信号の絶対値と一対一に対応する値の差に基づいて前記サンプリングタイミングの誤差を推定し、推定された前記サンプリングタイミングの誤差に基づいて、前記サンプリングタイミングパルス源の位相を制御するための制御値を算出することを特徴とする付記10〜13のいずれか一つに記載の光受信装置。
(付記16)前記受信した光信号を電気信号レベルで波形歪み補償する電気信号波形歪み補償部をさらに備え、
前記AD変換部は、前記電気信号波形歪み補償部によって波形歪み補償された結果である信号をAD変換することを特徴とする付記10〜15のいずれか一つに記載の光受信装置。
(付記17)各符号の光強度波形がRZ(Return to Zero)パルスである光信号に基づいて生成される受信信号が所定のサンプリングタイミングでのAD(Analog to Digital)変換によって変換された複素デジタル信号に基づいて受信データを出力する光受信方法であって、
前記所定のサンプリングタイミングを規定するパルスを発生させ、さらに該パルスの位相を電気的に制御するサンプリングタイミングパルス発生工程と、
前記受信信号を前記所定のサンプリングタイミングでAD変換するAD変換工程と、
前記AD変換工程によってAD変換された結果である前記複素デジタル信号の絶対値または該複素デジタル信号の絶対値と一対一に対応する値を算出する強度算出工程と、
前記強度算出工程によって算出された前記複素デジタル信号の絶対値または該複素デジタル信号の絶対値と一対一に対応する値に基づいて、該複素デジタル信号のAD変換のサンプリングタイミングの誤差を推定する誤差推定工程と、
前記誤差推定工程によって推定された前記サンプリングタイミングの誤差に基づいて、前記サンプリングタイミングパルス発生工程により発生される位相を制御するための制御値を算出する制御値算出工程と、
前記制御値算出工程によって算出された前記制御値に基づいて前記所定のサンプリングタイミングを規定するパルスの位相をフィードバック補正する補正工程と
を含んだことを特徴とする光受信方法。
(付記18)前記補正工程は、前記制御値算出工程によるデジタル演算処理によって算出された前記制御値が前記DA変換工程によって変換されたアナログ値に基づいて前記所定のサンプリングタイミングを規定するパルスの位相をフィードバック補正することを特徴とする付記17に記載の光受信方法。
(付記19)前記誤差推定工程は、前記複素デジタル信号の絶対値または該複素デジタル信号の絶対値と一対一に対応する値と第一のディザリング信号とをミキシングすることによって前記サンプリングタイミングの誤差を算出し、
前記制御値算出工程は、前記サンプリングタイミングの誤差に基づいて算出された制御値に、さらに前記第一のディザリング信号と同期した第二のディザリング信号を加算することによって、前記サンプリングタイミングパルス源の位相を制御するための制御値を算出することを特徴とする付記17または18に記載の光受信方法。
(付記20)前記誤差推定工程は、前記所定のサンプリングタイミングが前記受信した信号のシンボルレートのn(nは2以上の自然数)倍である場合に、該受信した光信号の一つのシンボル内において所定の選択方法に従って選択され、前記AD変換工程によってAD変換された値に基づいて得られる2つの前記複素デジタル信号の絶対値または該複素デジタル信号の絶対値と一対一に対応する値の差に基づいて前記サンプリングタイミングの誤差を算出することを特徴とする付記17または18に記載の光受信方法。
(付記21)前記受信した信号を光信号レベルで波形歪み補償する光信号波形歪み補償工程をさらに含み、
前記AD変換工程は、前記光信号波形歪み補償工程によって波形歪み補償された結果である信号をAD変換することを特徴とする付記17〜20のいずれか一つに記載の光受信方法。
(付記22)前記受信した信号を電気信号レベルで波形歪み補償する電気信号波形歪み補償工程をさらに含み、
前記誤差推定工程は、前記複素デジタル信号が前記電気信号波形歪み補償工程によって波形歪み補償された結果である信号に基づいた該複素デジタル信号の絶対値または該複素デジタル信号の絶対値と一対一に対応する値の差に基づいて前記サンプリングタイミングの誤差を算出することを特徴とする付記17〜21のいずれか一つに記載の光受信方法。
(付記23)前記受信した信号を電気信号レベルで波形歪み補償する電気信号波形歪み補償工程をさらに備え、
前記AD変換工程は、前記電気信号波形歪み補償工程によって波形歪み補償された結果である信号をAD変換することを特徴とする付記17〜20のいずれか一つに記載の光受信方法。
(付記24)光受信装置内において、光受信した受信信号をデジタル信号へAD(Analog to Digital)変換し、該デジタル信号の波形歪みを補償して出力する波形歪み補償装置であって、
1からm(mは1より大の自然数)までの順序が付けられたm個の波形歪み状態di(1≦i≦m)ごとのn個の係数Cdi_1、Cdi_2、・・・、Cdi_nの組み合わせを該波形歪み状態diごとに記憶する記憶部と、
前記記憶部から一つの係数の組み合わせを前記順序に従って選択する選択部と、
前記選択部によって選択された前記一つの係数の組み合わせに基づいて前記デジタル信号の波形歪みを補正する波形歪み補正部と、
前記波形歪み補正部による補正結果によるクロック再生の可否をチェックするチェック部と
を有し、
前記選択部は、前記順序おいて先に選択した係数Cdj_(k+1)(1≦j≦i−1、kは0≦k≦n−1を満たす自然数)の組み合わせに基づく前記チェック部によるチェック結果が可でない場合に、該順序における該係数の次の係数Cd(j+1)_(k+1)の組み合わせを再選択し、
前記波形歪み補正部は、前記選択部によって再選択された係数Cd(j+1)_(k+1)の組み合わせに基づいて前記デジタル信号の波形歪みを補正することを特徴とする波形歪み補償装置。
(付記25)前記波形歪み補正部は、前記デジタル信号をk×τ(kは0≦k≦n−1を満たす自然数、τは所定時間)だけ遅延させた信号に、前記選択部によって選択された係数Cdi_(k+1)をそれぞれ乗じた結果を総和して前記デジタル信号の波形歪みを補正することを特徴とする付記24に記載の波形歪み補償装置。
(付記26)前記チェック部によるチェック結果が可である場合に、前記係数の適応制御へ移行することを特徴とする付記24または25に記載の波形歪み補償装置。
本発明は、AD変換のサンプリングレートが高速の光信号のシンボルレートに近い値である場合であっても正確なタイミングでAD変換したい場合に有用であり、特に新たに複雑な回路要素部品を追加することなくAD変換のサンプリングタイミングをフィードバック制御したい場合に効果的である。また、デジタルプロセッサに処理によって、光信号の波形歪み補償を電気的に迅速におこないたい場合に有用であり、特に、光通信の伝送路が切り替わった場合に、新たな伝送路を経由した光信号の波形歪み補償の立ち上げを迅速におこない、通信リンクの断絶時間を極力短縮したい場合に効果的である。
N 伝送路
100a、100b 光受信装置
101 局発光源
102 Optical Hybrid部
103 受光部
104a 高速AD変換部
104b 電圧制御発振部
105 デジタルフィルタ部
105a1、105a2、105a3、105a4 遅延部
105b0、105b1、105b2、105b3、105b4 乗算部
105c 加算部
105d ロックステータスチェック部
105e 係数管理部
106 データ再生部
106a 位相推定部
106b 位相検出部
106c 識別部
107 制御値算出部
107a 強度算出部
107b 乗算部
107c Loop Filter部
107d 低周波発振部
107e 微分部
107f 加算部
107g 低速DA変換部
108 制御値算出部
108a 強度算出部
108b Demux部
108c 減算部
108d Loop Filter部
108e 低速DA変換部
200 光送信装置

Claims (3)

  1. 光受信装置内において、光受信した受信信号をデジタル信号へAD(Analog to Digital)変換し、該デジタル信号の波形歪みを補償して出力する波形歪み補償装置であって、
    1からm(mは1より大の自然数)までの順序が付けられたm個の波形歪み状態di(1≦i≦m)ごとのn個の係数Cdi_1、Cdi_2,・・・,Cdi_nの組み合わせを該波形歪み状態diごとに記憶する記憶部と、
    前記記憶部から一つの係数の組み合わせを前記順序に従って選択する選択部と、
    前記選択部によって選択された前記一つの係数の組み合わせに基づいて前記デジタル信号の波形歪みを補正する波形歪み補正部と、
    前記波形歪み補正部による補正結果によるクロック再生の可否をチェックするチェック部と
    を有し、
    前記選択部は、前記順序おいて先に選択した係数Cdj_(k+1)(1≦j≦i−1、kは0≦k≦n−1を満たす自然数)の組み合わせに基づく前記チェック部によるチェック結果が可でない場合に、該順序における該係数の次の係数Cd(j+1)_(k+1)の組み合わせを再選択し、
    前記波形歪み補正部は、前記選択部によって再選択された係数Cd(j+1)_(k+1)の組み合わせに基づいて前記デジタル信号の波形歪みを補正することを特徴とする波形歪み補償装置。
  2. 前記波形歪み補正部は、前記デジタル信号をk×τ(kは0≦k≦n−1を満たす自然数、τは所定時間)だけ遅延させた信号に、前記選択部によって選択された係数Cdi_(k+1)をそれぞれ乗じた結果を総和して前記デジタル信号の波形歪みを補正することを特徴とする請求項1に記載の波形歪み補償装置。
  3. 前記チェック部によるチェック結果が可である場合に、前記係数の適応制御へ移行することを特徴とする請求項1または2に記載の波形歪み補償装置。
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