JP2009150722A - 位置検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】移動体の絶対位置を高精度に検出する位置検出装置を提供することを課題とする。
【解決手段】移動体の絶対位置を検出する位置検出装置1であって、移動体の絶対位置を取得する絶対位置取得手段10と、移動体の絶対位置の確率分布を取得する絶対位置確率分布取得手段10と、移動体間の相対位置関係を取得する相対位置関係取得手段11と、3体以上の移動体の絶対位置とその絶対位置の確率分布及びその3体以上の移動体間の相対位置関係に基づいて当該3体以上の移動体の絶対位置を特定する絶対位置特定手段21とを備えることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】移動体の絶対位置を検出する位置検出装置1であって、移動体の絶対位置を取得する絶対位置取得手段10と、移動体の絶対位置の確率分布を取得する絶対位置確率分布取得手段10と、移動体間の相対位置関係を取得する相対位置関係取得手段11と、3体以上の移動体の絶対位置とその絶対位置の確率分布及びその3体以上の移動体間の相対位置関係に基づいて当該3体以上の移動体の絶対位置を特定する絶対位置特定手段21とを備えることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、移動体の絶対位置を検出する位置検出装置に関する。
レーンキープ制御などの運転支援装置あるいは自動運転装置などで車両を適切に制御するためには、車両の絶対位置が必要となる。特に、多数の車両が存在する環境において、様々な交通環境(道路のレーン、停止線、他車両、ガードレールなどの障害物など)の中で車両を適切に誘導するためには、少なくとも30cm程度の絶対位置精度が要求される。通常、絶対位置検出手段としてはGPS[Global Positioning System]を利用した検出が適用され、車両にGPS受信機を搭載し、GPS衛星からのGPS信号を受信し、3個以上のGPS衛星のGPS信号に基づいて絶対位置を計算している。また、特許文献1に記載の装置では、GPSを利用した他車両の絶対位置情報を取得するとともに他車両までの相対距離を測定し、他車両の絶対位置と他車両までの相対距離に基づいて自車両の絶対位置を計算している。
特開2004−251822号公報
しかし、GPSを利用した絶対位置検出では、検出精度が低く(数m〜数十m程度)、上記したような車両の適切な誘導で要求されるような絶対位置精度は得られない。また、特許文献1の記載の方法でも、他車両でのGPSを利用した絶対位置情報を用いているので、この絶対位置精度の影響により自車両の絶対位置精度も十分な精度が得られない。
そこで、本発明は、移動体の絶対位置を高精度に検出する位置検出装置を提供することを課題とする。
本発明に係る位置検出装置は、移動体の絶対位置を検出する位置検出装置であって、移動体の絶対位置を取得する絶対位置取得手段と、移動体の絶対位置の確率分布を取得する絶対位置確率分布取得手段と、移動体間の相対位置関係を取得する相対位置関係取得手段と、絶対位置取得手段で取得した3体以上の移動体の絶対位置、絶対位置確率分布取得手段で取得した3体以上の移動体の絶対位置の確率分布及び相対位置関係取得手段で取得した3体以上の移動体間の相対位置関係に基づいて当該3体以上の移動体の絶対位置を特定する絶対位置特定手段とを備えることを特徴とする。
この位置検出装置では、絶対位置取得手段により移動体の絶対位置を取得するとともに、絶対位置確率分布取得手段によりその取得した絶対位置に対する確率分布を取得する。この確率分布は、移動体の絶対位置での存在領域毎に移動体が存在する確率を示したものである。また、位置検出装置では、相対位置関係取得手段によりその絶対位置が取得される移動体間の相対位置関係を取得する。そして、位置検出装置では、絶対位置特定手段により3体以上の移動体についての絶対位置、その確率分布及びその相対位置関係に基づいてこの3体以上の移動体の絶対位置をそれぞれ特定する。3体以上の移動体の相対位置関係なので、その相対位置関係によって移動体の各位置を頂点とした三角形以上の多角形を規定でき、この多角形によって3体以上の移動体の絶対位置を幾何学的に拘束できる。この多角形を各移動体の絶対位置の確率分布上に重ね合わせることにより、各移動体の存在確率を探索でき、その中で最も確率が高くなる組み合わせを探索できる。このように、位置検出装置では、3体以上の移動体間の相対位置関係を幾何学的な拘束条件として絶対位置の存在確率を考慮することにより、移動体の絶対位置を高精度に特定することができる。
本発明の上記位置検出装置では、絶対位置特定手段は、相対位置関係取得手段で取得した3体以上の移動体間の相対位置関係に基づいて移動体の絶対位置の組み合わせを決定し、絶対位置確率分布取得手段で取得した絶対位置の確率分布から移動体の絶対位置の各組み合わせが取り得る確率を計算し、当該各組み合わせが取り得る確率を比較することにより移動体の絶対位置を特定する構成としてもよい。
この位置検出装置の絶対位置特定手段では、3体以上の移動体間の相対位置関係(多角形)を拘束条件として各移動体の絶対位置の確率分布上での絶対位置の組み合わせを順次決定する。そして、絶対位置特定手段では、各移動体の絶対位置の確率分布に基づいて、当該各組み合わせが取り得る確率を計算する。さらに、絶対位置特定手段では、各組み合わせが取り得る確率を比較することによって3体以上の移動体が最も存在する確率が高くなる組み合わせを探索し、各移動体の絶対位置を特定する。このように、位置検出装置では、3体以上の移動体が最も存在する確率が高くなる組み合わせを探索でき、移動体の絶対位置を高精度に特定することができる。
本発明の上記位置検出装置では、移動体間の相対位置関係の確率分布を取得する相対位置関係確率分布取得手段を備え、絶対位置特定手段は、相対位置関係確率分布取得手段で取得した3体以上の移動体間の相対位置関係の確率分布も考慮して移動体の絶対位置を特定する構成としてもよい。
この位置検出装置では、相対位置関係確率分布取得手段により3体以上の移動体間の相対位置関係の確率分布を取得する。この確率分布は、移動体間の相対位置関係毎にその相対位置関係である確率(誤差確率でもよい)を示したものである。そして、位置検出装置の絶対位置特定手段では、3体以上の移動体間の相対位置関係の確率分布も考慮して移動体の絶対位置を特定する。このように、位置検出装置では、相対位置関係の確率分布も考慮することにより、移動体の絶対位置をより高精度に特定することができる。
本発明の上記位置検出装置では、絶対位置取得手段で絶対位置を取得可能な3体以上の移動体と絶対位置を取得できない移動体を含む移動体群において、絶対位置特定手段で絶対位置を取得可能な移動体の絶対位置を特定した後に、当該特定された移動体の絶対位置及び相対位置関係取得手段で取得した絶対位置を取得できない移動体と絶対位置が特定された移動体を含む3体以上の移動体間の相対位置関係に基づいて絶対位置を取得できない移動体の絶対位置を特定する構成としてもよい。
この位置検出装置では、絶対位置特定手段によって3体以上の移動体の各絶対位置を特定できた場合、その絶対位置を特定できた移動体と絶対位置を取得できない移動体を含む移動体群において、相対位置関係取得手段により絶対位置を特定できた移動体と絶対位置を取得できない移動体を含む3体以上の移動体間の相対位置関係を取得する。そして、位置検出装置では、3体以上の移動体の相対位置関係と少なく1体の特定できた絶対位置に基づいて、幾何学的に、絶対位置を取得できない移動体の絶対位置を特定する。このように、位置検出装置では、絶対位置を取得できない移動体についても絶対位置を特定することができる。
本発明は、3体以上の移動体間の相対位置関係を幾何学的な拘束条件として絶対位置の存在確率を考慮することにより、移動体の絶対位置を高精度に特定することができる。
以下、図面を参照して、本発明に係る位置検出装置の実施の形態を説明する。
本実施の形態では、本発明に係る位置検出装置を、車両に搭載され、自車両の絶対位置を検出する車両位置検出装置に適用する。本実施の形態に係る車両位置検出装置は、自車両の他に2台の他車両からなる3台の車両の情報を用いて自車両の絶対位置を特定する(ちなみに、自車両の絶対位置が特定すると同時に他の2台の他車両の絶対位置も特定できる)。本実施の形態には、絶対位置特定方法の違いにより2つの形態があり、第1の実施の形態が3台の車両の絶対位置及びその存在確率と相対距離の情報を用いて特定する方法であり、第2の実施の形態が3台の車両の絶対位置及びその存在確率と相対距離及びその距離確率の情報を用いて特定する方法である。
図1〜図4を参照して、第1の実施の形態に係る車両位置検出装置1について説明する。図1は、本実施の形態に係る車両位置検出装置の構成図である。図2は、GPSを利用した検出での絶対位置の存在確率分布の一例である。図3は、第1の実施の形態に係る車両位置検出装置における車両絶対位置特定方法の説明図である。図4は、3点(3台の車両)間で形成される三角形の回転角度に対する全体確率の一例である。
車両位置検出装置1は、自車両の絶対位置を高精度に特定するために、自車両を含めた3台の車両間の3つの相対距離から決まる三角形(相対位置関係)を各車両の絶対位置の確率分布上に重ね合わせることにより、3台の車両全体として存在確率が最も高くなる絶対位置の組み合わせを探索する。そのために、車両位置検出装置1は、GPS受信機10、測距センサ11、車車間通信機12及びECU[Electronic Control Unit]21を備えている。
なお、第1の実施の形態では、GPS受信機10が特許請求の範囲に記載する絶対位置取得手段及び絶対位置確率分布取得手段に相当し、測距センサ11が特許請求の範囲に記載する相対位置関係取得手段に相当し、ECU21における処理が特許請求の範囲に記載する絶対位置特定手段に相当する。ちなみに、他車両の絶対位置とその存在確率(存在確率分布)の取得については、他車両に備えられるGPS受信機10が特許請求の範囲に記載する絶対位置取得手段及び絶対位置確率分布取得手段に相当する。また、他車両間の相対距離の取得については、他車両に備えられる測距センサ11が特許請求の範囲に記載する相対位置関係取得手段に相当する。したがって、自車両ではそれらの情報を他車両から車車間通信によって取得するので、車車間通信機12が特許請求の範囲に記載する絶対位置取得手段、絶対位置確率分布取得手段及び相対位置関係取得手段に相当する。
GPS受信機10は、GPSアンテナや処理装置などを備えており、自車両の絶対位置及びその存在確率(すなわち、存在確率分布)を検出する。GPS受信機10では、GPSアンテナでGPS衛星からのGPS信号を受信する。そして、GPS受信機10では、処理装置でそのGPS信号を復調し、その復調された各GPS衛星の位置データに基づいて自車両の絶対位置(緯度、経度)とその存在確率を計算する。この絶対位置とその存在確率は、絶対位置で表される領域(円状の領域)毎に自車両が存在する確率からなる存在確率分布で求められる。この存在確率分布は、正規分布状となる。そして、GPS受信機10では、その検出した自車両の絶対位置情報をECU21に送信する。ちなみに、現在位置を演算するためには4つ以上のGPS衛星の位置データが必要となるで、GPS受信機10では、異なる4つ以上のGPS衛星からのGPS信号をそれぞれ受信している。また、存在確率は、自車両が存在する位置で電波を受信できるGPS衛星の数やGPS衛星の配置などによって推定できる。例えば、受信できるGPS衛星の数が多いほど、存在確率が高くなる。GPSを利用した検出精度は、低精度(数10m)〜中精度(数m程度)である。
図2には、3台の車両の絶対位置の存在確率分布(正規分布状)に一例を示している。図2(a)は、X軸が経度、Y軸が緯度であり、各車両が存在する可能性のある絶対位置領域を示す。図2(b)は、X軸が経度、Y軸が緯度、Z軸が存在確率であり、各車両が存在する可能性のある絶対位置領域毎の存在確率も示す。図2(a)に示すように、各車両が存在する可能性のある絶対位置領域は、同心の複数の各円で表される。図2(b)に示すように、同心の複数の各円領域において半径の小さい円領域ほど、存在確率が高い。したがって、図2に示す例の場合、存在確率分布PD1を有する車両が最も存在確率が高くかつ絶対位置領域が狭いので、検出精度が高い。一方、存在確率分布PD3を有する車両が最も存在確率が低くかつ絶対位置領域が広いので、検出精度が低い。ちなみに、図2(b)に示される存在確率分布PD1,PD2,PD3の円錐状の立体は、その高さや半径に関係なく、全て同一の体積となる。
測距センサ11は、他車両との相対距離及びその距離確率(すなわち、距離確率分布)を検出するセンサであり、例えば、レーザレーダ、ミリ波レーダがある。測距センサ11は、自車両の全周にわたって他車両との相対距離を検出するために、複数個用意され、自車両の各面の所定箇所にそれぞれ取り付けられる。測距センサ11では、電磁波を左右方向の所定角度毎に出射し、反射してきた電磁波を受信する。そして、測距センサ11では、その出射してから受信するまでの時間と電磁波の速度に基づいて他車両までの相対距離及びその距離確率などを計算する。この相対距離とその距離確率は、相対距離毎の確率からなる距離確率分布で求められる。そして、測距センサ11では、その検出した他車両との相対距離情報をECU21に送信する。検出精度は、高精度(数cm)である。なお、第1の実施の形態に係る車両位置検出装置1では、測距センサ11としては、相対距離だけを計算し、距離確率を計算しないものでもよい。
車車間通信機12は、車両同士で通信するための無線通信機である。車車間通信機12では、所定距離以内に存在する車両に対して各種情報(GPS受信機10で検出した自車両の絶対位置情報、測距センサ11で検出した相対距離情報など)を送信するとともに、所定距離以内に存在する車両から各種情報(他車両のGPS受信機10で検出した他車両の絶対位置情報、測距センサ11で検出した相対距離情報など)を受信する。車車間通信機12では、受信した情報をECU21に送信する。
ECU21は、CPU[Central ProcessingUnit]、ROM[Read Only Memory]、RAM[Random Access Memory]などからなる電子制御ユニットであり、車両位置検出装置1を統括制御する。ECU21では、一定時間毎に、各センサ10,11からの検出情報を受信するとともに、車車間通信機12からの他車両情報を受信する。そして、ECU21では、一定時間毎に、自車両を含めた3台の車両の絶対位置情報及3台の車両間の相対距離情報を用いて車両絶対位置特定処理を行う。さらに、ECU21では、自車両の絶対位置を特定できた場合、自車両の絶対位置を必要とする運転支線装置などに絶対位置を送信する。
車両絶対位置特定処理について説明する。まず、ECU21では、3台の車両の存在確率分布を含む各領域をX軸、Y軸に沿って所定単位毎に区画し、メッシュ状に分割する。この所定単位としては、測距センサ11の検出精度などを考慮して設定され、例えば、10〜20cmである。ECU21では、このメッシュのブロック単位で車両の絶対位置を取り扱い、ブロック単位で処理を行う。X軸、Y軸としては、緯度、経度からなる座標系でもよいし、任意に設定した座標系でもよい。
ECU21では、3台の車両の存在確率分布を参照し、存在確率が最大となる点(ブロック)を初期の基点Aとして設定する。この存在確率が最大となる点は、3台の車両のうち最も信頼性の高い絶対位置である。図2に示す例の場合、存在確率分布PD1における中心位置が最も存在確率が高く、初期の基点Aとして設定される。ちなみに、この基点Aは、自車両の位置とは限られない。
また、ECU21では、3台の車両間の3つの相対距離を3辺の各長さとして三角形を規定する。車両間の相対距離は測距センサ11によって高精度に測定されるので、この3つの相対距離によって3台の車両間の相対位置関係を示す三角形を一意に決定できる。この三角形の3つの頂点を対応する3台の車両の絶対位置の存在確率分布上にそれぞれ重ね合わせ、3点での各存在確率の積(全体確率)が最大になる3点の組み合わせを探索する。
基点を設定する毎に、ECU21では、基点に対応する三角形の頂点を回転の中心として仮置きし、2点目の仮置き点を他の2つの存在確率分布のピーク間(存在確率の最大の点間)の点(ブロック)に設定する。図3(a)に示すように、三角形Tの1つの頂点を基点Aの位置に配置し、三角形Tの他の一つの頂点をピーク間の点Bに配置することにより、三角形Tの最後の頂点(点C)の位置も決まり、三角形Tの初期配置が決定される。
三角形の初期配置を決定すると、ECU21では、基点を中心として三角形の点Cから点Bへの方向へ回転角度Δφずつ三角形を回転させ、点Bと点Cのブロックの位置を移動させる。図3(b)に示すように、基点Aを中心にして三角形Tを回転させると、基点Aのブロックの位置は固定であるが、点Bのブロックの位置が存在確率分布PD2上を移動し、点Cのブロックの位置が存在確率分布PD3上を移動し、点Bと点Cの存在確率が変わる。つまり、図4(a)に示すように、点Bの存在確率PBと点Cの存在確率PCは、回転角度に応じて変化し、基点Aを中心として一定の半径(相対距離)で点B,Cが正規分布の存在確率分布PD2,PD3上を通過するので正規分布状となっている。この際、基点Aの存在確率は、固定である。
回転角度Δφずつ回転移動させる毎に、ECU21では、3つの存在確率分布を参照し、3点A,B,Cの各ブロックの位置での存在確率を抽出する。そして、ECU21では、その基点Aの存在確率、点Bの存在確率、点Cの存在確率を積算し、全体確率を求める。さらに、ECU21では、求めた全体確率がその基点における最大値を更新したか否かを判定する。全体確率が最大値を更新した場合、ECU21では、その求めた全体確率と3点A,B,Cの絶対位置をその基点での更新値として記録する。図4(a)に示すように、全体確率PWは、極大値を有しており、回転角度に応じて極大値まで増加してから減少する。したがって、回転角度をΔφずつ回転移動させて全体確率を順次計算すると、全体確率は、小さい値から徐々に増加し、極大値まで到達した後、徐々に減少する。
全体確率を計算する毎に、ECU21では、全体確率がその基点において極大値を持った後に閾値以下となったか否かを判定する。閾値は、全体確率として取り得る範囲の最低値であり、予め設定される。全体確率が極大値を持った後に閾値以下となった場合、ECU21では、その極大値が記録済みの暫定候補点の全体確率(最大値)を超える場合にはその極大値であった点を暫定候補点として決定し、その極大値を全体確率の最大値として記録し、その暫定候補点の3点A,B,Cの絶対位置を記録する。初期の基点Aの場合には、暫定候補点が未だ記録されていないので、そのまま、その極大値を示す点を暫定候補点として記録する。図4(a)に示す基点Aの全体確率分布PWの場合、基点Aにおける全体確率が極大値となった位置が暫定候補点となる。
初期の基点Aについての処理が終了すると、ECU21では、その暫定候補点である基点Aの周囲の8ブロックに基点A’を順次平行移動し、基点A’を変えて上記と同様の処理を行う。この際、8ブロックのうちのあるブロックの基点A’のある回転角度における全体確率(極大値)が記録済みの暫定候補点の全体確率(最大値)を超えた場合、暫定候補点が更新される。図3(c)に示すように、基点Aの周囲の8ブロックに基点A’を順次移動させ、各基点A’を中心として三角形Tを回転移動させ、全体確率を比較する。図4(b)には、基点Aの全体確率分布PWとその周囲のブロックのうちのある基点A’の全体確率分布PW’を示しており、全体確率分布PW’における極大値は全体確率分布PWにおける極大値より大きいので、基点A’で全体確率が極大値となる位置が暫定候補点に更新される。
周囲の8ブロックについての処理が終了すると、ECU21では、暫定候補点に更新があったか否かを判定する。暫定候補点を更新した場合(つまり、全体確率の最大値を更に更新する可能性がある場合)、ECU21では、その暫定候補点である基点A’の周囲の8ブロックに基点A”を順次平行移動し、基点A”を変えて上記と同様の処理を行う。ただし、8ブロックのうち既に基点として処理を行ったブロックがある場合にはそのブロックについては処理を行わない。この際、8ブロックのうちのある基点A”のある回転角度における全体確率(極大値)が記録済みの暫定候補点の全体確率(最大値)を超えた場合、暫定候補点が更新される。図3(d)に示すように、基点A’の周囲の8ブロックに基点A”を順次移動させ、各基点A”を中心として三角形Tを回転移動させ、全体確率を比較する。ただし、基点A’の下のブロック、左のブロック、左下のブロックは既に処理済みなので、このブロックについては処理を行わない。図4(c)には、基点A’の全体確率分布PW’と周囲のブロックのうちのある基点A”の全体確率分布PW”を示しており、全体確率分布PW”における極大値は全体確率分布PW’における極大値より小さいので、暫定候補点は更新されない。
このように、ECU21では、全体確率の最大値(ひいては、暫定候補点)が更新され続けるまで、基点の周囲ブロックへの平行移動と設定した基点での三角形の回転移動を繰り返し行い、全体確率の比較を行う。これによって、車両間の相対距離で規定される三角形を幾何学的な拘束条件として3点の存在確率の組み合わせを網羅的に求めることができ、3つの存在確率分布において全体確率が最大となる3点を求めることができる。
暫定候補点を更新しなかった場合(つまり、全体確率の最大値を更に更新する可能性がない場合)、ECU21では、全体確率が最大値として記録されている暫定候補点を確定し、その暫定候補点の3点A,B,Cの絶対位置の中から自車両の絶対位置を抽出する。そして、ECU21では、その絶対位置を運転支援装置などに送信する。
図1〜図4を参照して、車両位置検出装置1の動作について説明する。特に、ECU21における処理について図5のフローチャートに沿って説明する。図5は、第1の実施の形態に係るECUにおける車両絶対位置特定処理の流れを示すフローチャートである。
GPS受信機10では、アンテナでGPS衛星からのGPS信号を受信し、4つ以上のGPS衛星からのGPS信号に基づいて絶対位置領域及びその存在確率を計算し、絶対位置の存在確率分布を求める。そして、GPS受信機10では、その絶対位置情報をECU21及び車車間通信機12に送信する。各測距センサ11では、電磁波を出射するとともに受信し、その電磁波の送受信データに基づいて他車両までの相対距離とその距離確率を計算し、相対距離の距離分布を計算する。そして、測距センサ11では、その相対距離情報をECU21及び車車間通信機12に送信する。車車間通信機12では、自車両の周辺の他車両から絶対位置情報(存在確率分布)及び相対距離情報(距離確率分布)などを受信し、その受信した各情報をECU21に送信する。また、車車間通信機12では、GPS受信機10で検出した絶対位置情報及び測距センサ11で検出した相対位置情報などを自車両の周辺の他車両に送信する。
ECU21では、自車両の絶対位置の存在確率分布と自車両の周辺の2台の他車両の絶対位置の存在確率分布を比較し、存在確率が最も高い点を初期の基点として設定する(S10)。また、ECU21では、その自車両を含めた3台の車両間の3つの相対距離で構成される三角形を設定する。
基点を設定すると、ECU21では、その基点に対応する三角形の頂点を回転の中心に仮置きし、2点目の仮置き点を他の2つの存在確率のピーク間に設定する(S11)。これによって、三角形の3点目も規定され、三角形が初期位置に配置される。
三角形の位置が決まる毎に、ECU21では、3つの存在確率分布から三角形の3頂点の各位置での存在確率をそれぞれ抽出し、その抽出した3つの存在確率を積算し、全体確率を計算する(S12)。そして、ECU21では、その計算した全体確率が処理中の基点での最大値を更新したか否かを判定する(S13)。S13にて更新した判定した場合、ECU21では、その全体確率と3点の絶対位置を処理中の基点での更新値として記録する(S14)。S13にて更新していないと判定した場合又はS14で記録した場合、ECU21では、基点を中心として三角形の3点目(点C)から2点目(点B)への方向へ三角形を回転角度Δφだけ回転させる(S15)。そして、ECU21では、処理中の基点において全体確率が極大値を持った後に閾値以下となったか否かを判定する(S16)。S16にて全体確率が極大値を持った後に閾値以下となっていないと判定した場合、ECU21では、S12の処理に戻る。
S16にて全体確率が極大値を持った後に閾値以下となったと判定した場合、ECU21では、その極大値が記録済みの暫定候補点の全体確率を超える場合にはその極大値となった点を暫定候補点として決定し、その全体確率(最大値)と3点の絶対位置を暫定候補点の更新値として記録する(S17)。なお、初期の基点の場合、暫定候補点が未だ記録されていないので、そのまま、極大値となった点が暫定候補点として記録される。
続いて、ECU21では、基点を周囲8ブロックの各点に変更し(既に処理済みのブロックの点は除外)、基点を変えてS11〜S17と同様の処理を行う(S18)。ここで、記録済みの暫定候補点の全体確率より全体確率が大きくなると、暫定候補点が更新され、その全体確率(最大値)と3点の絶対位置が記録される。
周囲8ブロックの各点を基点とした処理が終了すると、ECU21では、暫定候補点に更新があったか否かを判定する(S19)。S19にて暫定候補点に更新があったと判定した場合、ECU21では、S18の処理に戻り、基点をその更新された暫定候補点の周囲8ブロックの各点に変更し(既に処理済みのブロックの点は除外)、基点を変えてS11〜S17と同様の処理を行う。
S19にて暫定候補点に更新がなかったと判定した場合、ECU21では、記録されている暫定候補点を確定し、その暫定候補点の3点の絶対位置から自車両の絶対位置を特定する。そして、ECU21では、その特定した絶対位置を運転支援装置などに送信する。
この車両位置検出装置1によれば、3つの相対距離で規定される三角形を幾何学的な拘束条件として3台の車両の絶対位置の存在確率分布を探索することにより、3点での存在確率が最大となる点を求めることができ、車両の絶対位置を高精度に特定することができる。この際、絶対位置の検出精度が低い場合でも、高精度な相対距離によって3台の車両の相対位置関係を一意に特定し、その相対位置関係で3点の絶対位置の位置関係を拘束することにより、3台の車両の絶対位置を精度良く特定できる。
この車両位置検出装置1では、三角形の基点を平行移動しかつ三角形を回転移動し、移動毎の三角形の各頂点での位置の組み合わせが取り得る全体確率を比較することにより、3台の車両で最も存在する確率が高くなる位置の組み合わせを探索でき、車両の絶対位置を高精度に特定することができる。特に、車両位置検出装置1では、全ての組み合わせについて処理を行うのでなく、暫定候補点となった基点の周辺のブロックに対して順次処理を行い、全体確率の最大値が更新されなくなると処理を終了するので、計算負荷を軽減でき、処理時間を短縮できる。
図1及び図6〜図8に沿って、第2の実施の形態に係る車両位置検出装置2について説明する。図6は、第2の実施の形態に係る車両位置検出装置における車両絶対位置特定方法の説明図である。図7は、三角形の候補点の一例を示す図である。図8は、3点(3台の車両)の各点間での距離確率分布の一例である。なお、車両位置検出装置2では、第1の実施の形態に係る車両位置検出装置1と同様の構成について同一の符号を付し、その説明を省略する。
車両位置検出装置2は、第1の実施の形態に係る車両位置検出装置1と比較すると、測距センサ11での距離誤差も考慮するために、自車両を含めた3台の車両間の3つの相対距離から決まる三角形(相対位置関係)を各車両の絶対位置の確率分布上に重ね合わせかつ三角形の各辺の長さ(相対距離)を増減(三角形の形状を微小変形)することにより、3台の車両全体としての存在確率と距離確率が最も高くなる絶対位置の組み合わせを探索する。そのために、車両位置検出装置2は、GPS受信機10、測距センサ11、車車間通信機12及びECU[Electronic Control Unit]22を備えている。
なお、第2の実施の形態では、GPS受信機10が特許請求の範囲に記載する絶対位置取得手段及び絶対位置確率分布取得手段に相当し、測距センサ11が特許請求の範囲に記載する相対位置関係取得手段及び相対位置関係確率分布取得手段に相当し、ECU22における処理が特許請求の範囲に記載する絶対位置特定手段に相当する。
ECU22は、CPU、ROM、RAMなどからなる電子制御ユニットであり、車両位置検出装置2を統括制御する。ECU22は、第1の実施の形態に係るECU21における車両絶対位置特定処理と比較すると、三角形を固定するのではなく、三角形の各辺の長さ(相対距離)を微小変化させて三角形を微小変形し、絶対位置の存在確率の他に相対距離の距離確率を加味して全体確率を求める点が異なる。ここでは、この処理の異なる点を詳細に説明する。
三角形の初期配置を決定し、回転角度Δφずつ回転移動させる毎に、ECU22では、各相対距離の距離確率分布に基づいて三角形の候補点(点Bと点C)を順次選択する。具体的には、基点Aは、固定する。距離確率分布を参照し、基点Aを通る2つの点間AB、点間CAの各相対距離(各辺長さ)のうち誤差の少ない点間を基準線分とする。次に、基準線分における基点Aとは逆側の点について、中央のブロックとその左右のブロックを候補点とする。次に、残りの1点としては、中央のブロックとその周囲8ブロックを候補点とする。したがって、三角形の候補点の組み合わせとしては3×9=27通りあり、ある基本のある回転角度において27個の全体確率が計算される。
図6に示す例の場合、基点Aであり、点間ABと点間CAの各相対距離の誤差を比較すると(すなわち、距離確率分布PLと距離確率分布PNを比較すると)、点間ABの相対距離の誤差の方が小さい。したがって、基準線分が点間ABの線分であり、点Bの候補点が中央とその左右のブロックを合わせた3つのブロックとなり、点Cの候補点が中央とその周囲の8ブロックを合わせた9つのブロックとなる。ちなみに、第1の実施の形態の場合、基点A以外の点B、点Cは、中央のブロックだけを対象としている。
図7には、基点A、中央ブロックの候補点B、中央ブロックの候補点Cからなる三角形Tと基点A、左ブロックの候補点B’、左下ブロックの候補点C’からなる三角形T’の一例を示している。ちなみに、点間AB間の距離L>点間AB’の距離lであり、点間BCの距離M<点間B’C’の距離mであり、点間CAの距離N<点間C’Aの距離nである。この各点間距離に応じて、図8に示すように、距離確率が変化する。
図8には測距センサ11で検出した相対距離(点間距離)の距離確率分布の一例を示しており、(a)が点間ABの距離確率分布PLであり、(b)が点間BCの距離確率分布PMであり、(c)が点間CAの距離確率分布PNである。距離確率分布PL,PM,PNは、距離に応じて変化し、正規分布状となっている。
この図7と図8に示す例の場合、距離確率分布PL,PM,PNでは、点間ABの距離L、点間BCの距離M、点間CAの距離Nでそれぞれ距離確率の極大値を持っているので、点間AB’の距離l、点間B’C’の距離m、点間C’Aの距離nでの距離確率q(l),q(m),q(n)がそれぞれ極大値より小さくなっている。
三角形の候補点を選択する毎に、ECU22では、3つの存在確率分布と3つの距離確率分布を参照し、候補点である3点A,B,Cの位置での存在確率及びその3つの点間AB,BC,CAの距離確率を抽出する。そして、ECU22では、基点Aの存在確率、候補点Bの存在確率、候補点Cの存在確率、点間ABの距離確率、点間BCの距離確率、点間CAの距離確率を積算し、全体確率を求める。さらに、ECU22では、第1の実施の形態と同様に、求めた全体確率がその基点での最大値を更新したか否かを判定し、更新した場合にはその求めた全体確率と3点A,B,Cの絶対位置をその基点での更新値として記録する。
このように、ECU22では、第1の実施の形態に係るECU21での処理に加えて、三角形の3辺の長さ(相対距離)も変えてその距離確率も加味して全体確率を計算する。これによって、車両間の相対距離で規定される三角形を幾何学的な拘束条件として3点の存在確率と3つの点間の距離確率の組み合わせを網羅的に求めることができ、3つの存在確率分布と3つの距離確率分布において全体確率が最大となる3点を求めることができる。
図1及び図6〜図8を参照して、車両位置検出装置2の動作について説明する。特に、ECU22における処理について図9のフローチャートに沿って説明する。図9は、第2の実施の形態に係るECUにおける車両絶対位置特定処理の流れを示すフローチャートである。
GPS受信機10、測距センサ11、車車間通信機12では、第1の実施の形態で説明した同様の動作を行う。
ECU22では、3台の車両の絶対位置の存在確率分布を比較し、存在確率が最も高い点を初期の基点として設定する(S20)。また、ECU22では、その3台の車両間の3つの相対距離で構成される三角形(中央値)を設定する。この三角形は、基点A、中央ブロックの点B、中央ブロックの点Cからなる三角形である。
基点を設定すると、ECU22では、その基点に対応する三角形(中央値)の頂点を回転の中心に仮置きし、2点目の仮置き点を他の2つの存在確率のピーク間に設定する(S21)。これによって、三角形の3点目も規定され、三角形が初期位置に配置される。
三角形の位置が決まる毎に、ECU22では、距離確率分布を参照し、上記した選択条件に従って三角形の候補点を順次選択する(S22)。三角形の候補点が決まる毎に、ECU22では、3つの存在確率分布から三角形の基点と2つの候補点の各位置での存在確率をそれぞれ抽出するとともに、3つの距離確率分布から三角形の基点と2つの候補点の各点間の距離での距離確率をそれぞれ抽出する(S23)。そして、ECU22では、その抽出した3つの存在確率と3つの距離確率を積算し、全体確率を計算する(S23)。さらに、ECU22では、その計算した全体確率が処理中の基点での最大値を更新したか否かを判定する(S24)。S24にて更新した判定した場合、ECU22では、その全体確率と3点の絶対位置を処理中の基点での更新値として記録する(S25)。S24にて更新していないと判定した場合又はS25で記録した場合、ECU22では、三角形の候補点の全ての組み合わせを実施したか否かを判定する(S26)。S26にて全ての組み合わせを実施していないと判定した場合、ECU22では、S22に戻って、三角形の次の候補点の組み合わせでの処理を行う。S26にて全ての組み合わせを実施したと判定した場合、ECU22では、基点を中心として三角形の3点目(点C)から2点目(点B)の方向へ三角形を回転角度Δφだけ回転させる(S27)。そして、ECU22では、処理中の基点において全体確率が極大値を持った後に閾値以下となったか否かを判定する(S28)。S28にて全体確率が極大値を持った後に閾値以下となっていないと判定した場合、ECU23では、S22の処理に戻る。
S28にて全体確率が極大値を持った後に閾値以下となったと判定した場合、ECU22では、その極大値が記録済みの暫定候補点の全体確率を超える場合にはその極大値となった点を暫定候補点として決定し、その全体確率(最大値)と3点の絶対位置を暫定候補点の更新値として記録する(S29)。
続いて、ECU22では、基点を周囲8ブロックの各点に変更し(既に処理済みのブロックの点は除外)、基点を変えてS21〜S29と同様の処理を行う(S30)。周囲8ブロックの各点を基点とした処理が終了すると、ECU22では、暫定候補点に更新があったか否かを判定する(S31)。S31にて暫定候補点に更新があったと判定した場合、ECU22では、S30の処理に戻り、基点をその更新された暫定候補点の周囲8ブロックの各点に変更し、基点を変えてS21〜S29と同様の処理を行う。
S31にて暫定候補点に更新がなかったと判定した場合、ECU22では、記録されている暫定候補点を確定し、その暫定候補点の3点の絶対位置から自車両の絶対位置を特定する。そして、ECU22では、その特定した絶対位置を運転支援装置などに送信する。
なお、上記したような確率分布を用いたメッシュ方式ではなく、計算方式でも絶対位置を特定することができる。図10を参照して、計算方式での絶対位置特定方法について説明する。図10は、第2の実施の形態に係る車両位置検出装置における他の車両絶対位置特定方法の説明図である。
絶対位置と相対距離の計測ポイントをP1、P2、P3とし、その計測ポイントでの絶対位置の存在確率(分散)をQ1,Q2,Q3とし、計測ポイント間の相対距離をL12,L23,L31とし、その距離確率(分散)をq12,q23,q31とする。計測ポイントの座標をP1:(x1,y1)、P2:(x2,y2)、P3:(x3,y3)とし、全体確率を計算する点の座標をR1:(X1,Y1)、R2:(X2,Y2)、R3:(X3,Y3)とする。
点R1での存在確率f(R1)は式(1)により計算し、点R2での存在確率f(R2)は式(2)により計算し、点R3での存在確率f(R3)は式(3)により計算する。
また、点R1と点R2の点間R12での距離確率g(R12)は式(4)により計算し、点R2と点R3の点間R23での距離確率g(R23)は式(5)により計算し、点R3と点R1の点間R31での距離確率g(R31)は式(6)により計算する。
そして、3点R1,R2,R3とした場合の全体確率Pは、式(7)により計算する。
この点R1,R2,R3の組み合わせを所定の条件に基づいて変え、各組み合わせでの全体確率Pを計算する。そして、計算によって求めた全体確率Pを比較し、全体確率Pが最大となる3点R1,R2,R3の組み合わせを選択することにより、絶対位置を特定できる。
この車両位置検出装置2によれば、第1の実施の形態に係る車両位置検出装置1の効果を有する上に以下の効果も有する。車両位置検出装置2では、幾何学的な拘束条件である三角形の各辺の長さ(相対距離)の距離確率も加味して全体確率を計算することにより、車両の絶対位置をより高精度に特定することができる。
ここで、図11を参照して、GPSを利用して絶対位置を検出できる車両と検出できない車両が混在している交通環境において、絶対位置を検出できない車両に対しても絶対位置を特定する方法について説明する。図11は、絶対位置を検出できない車両が存在する場合の車両絶対位置特定方法の説明図であり、(a)が交差点での車両群の一例であり、(b)が(a)での車両群の相対位置関係をメッシュ状に示す図である。
GPSを利用した場合、実際には、ビルなどによるGPS衛星からの電波の遮断などにより、絶対位置を検出できない車両が存在する。このような状況は、特に、絶対位置の高精度な特定が望まれる大都市などの高密度な交通環境で容易に起こり易い。このような環境でも、車両間の相対距離は、測距センサによって検出できる。
そのような場合、図11(a)に示すように、絶対位置を検出できる車両と検出できない車両とを含めた車両群において車両同士を三角形の基本セルにて結合し、相対位置関係をメッシュ状に構築する。図11の例では、少なくとも車両V1,V2,V3では、絶対位置を検出できる。絶対位置を検出できる車両が3台以上ある場合、第1及び第2の実施の形態で説明した車両絶対位置特定方法により、絶対位置を高精度に特定することができる。この絶対位置を特定できる車両と絶対位置を検出できない車両を含む3台の車両間では、相対距離を検出できるので、3つの相対距離から一意に三角形を決定できる。特定済みの絶対位置と三角形(相対位置関係)に基づいて、幾何学的に、三角形のうちの絶対位置を検出できない頂点での絶対位置も特定でき、絶対位置を検出できない車両についても絶対位置を特定することができる。
例えば、車両V4,V5が絶対位置を検出できない車両とする。車両V1,V3は絶対位置を検出できるので、車両V1,V3の絶対位置は高精度に特定できる。ここで、車両V1,V4,V5で形成される三角形T1と車両V3,V4,V5で形成される三角形T2について考えた場合、三角形T1、三角形T2は各車両間の相対距離から一意に決定できる。また、三角形T1の1つの頂点の位置は車両V1の絶対位置で規定でき、三角形T2の1つの頂点の位置は車両V3の絶対位置で規定できる。さらに、三角形T1の他の2つの頂点と三角形T2の他の2つの頂点とは、同じ位置でなければならない。したがって、幾何学的に、三角形T1,三角形T2の他の2つの頂点を求めることができ、車両V4,V5の各絶対位置を特定できる。同様にして、順次、絶対位置を検出できない車両についても絶対位置を特定することができる。
このように、GPSを利用して絶対位置を検出できない車両や絶対位置検出手段を持たない車両についても、絶対位置を高精度に特定することができる。このような手法を利用することにより、自車両でGPSを利用して絶対位置を検出できない場合でも、3台以上の他車両から絶対位置情報と相対距離情報を収集し、3台の他車両の絶対位置を高精度に特定してから、その特定済みの絶対位置と自車両を含めた相対距離情報から自車両の絶対位置を特定することができる。
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されることなく様々な形態で実施される。
例えば、本実施の形態では車両の絶対位置を検出する車両位置検出装置に適用したが、車両以外の移動体の絶対位置を検出する位置検出装置にも適用可能である。
また、本実施の形態では各車両で絶対位置を特定する構成としたが、基地局などの路側の装置で絶対位置情報や相対位置関係情報を取得して絶対位置を特定し、路側装置から各車両の絶対位置情報を配信する構成としてもよい。また、この車両絶対位置特定機能を有する車両と有さない車両が存在する場合、この機能を有する車両から、この機能を有さない車両に特定した絶対位置情報を送信する構成としてもよい。
また、本実施の形態ではGPSを利用して絶対位置を取得する構成としたが、他の絶対位置を取得する手段でもよい。例えば、図12に示すように、道路やビルなどに設けられたインフラ側の絶対位置検出手段D1,D2によって各車両V1,・・・の絶対位置をそれぞれ検出し、その絶対位置情報を各車両V1,・・・に配信し、この配信された絶対位置情報と各車両V1,・・・で検出した相対距離情報によって絶対位置を特定するようにしてもよい。インフラ側で絶対位置を検出する場合、図12に示すように、空間における幾何関係から絶対位置を検出できるので、GPSよりも絶対位置を高精度に検出でき、この高精度な絶対位置を用いてより精度良く絶対位置を特定できる。
また、絶対位置の精度を向上させるために、白線センサなどを利用した横方向の相対位置、車速センサとジャイロなどを利用した相対推定位置などによって、GPSを利用して取得した絶対位置を補正する構成としてもよい。
また、本実施の形態では全体確率を確率の積によって計算する構成としたが、確率の和によって計算してもよい。
また、本実施の形態では3台の車両の絶対位置情報及び相対位置関係情報から各車両の絶対位置を特定する構成としたが、4台以上の車両の絶対位置情報及び相対位置関係情報から各車両の絶対位置を特定してもよい。
また、本実施の形態では3台の車両の各存在確率分布上に設けられたメッシュの全てのブロックの組み合わせについて全体確率を計算するのではなく、計算負荷を軽減するために、決められたルールに従ってメッシュからブロックの組み合わせを順次選択し、全体確率の最大値が更新されなくなった時点で計算を終了する構成としたが、ECUの計算能力が高い場合にはメッシュの全てのブロックの組み合わせついて全体確率を計算し、その中から最大の全体確率の組み合わせを選択するようにしてもよい。
また、第1の実施の形態では確率分布を用いたメッシュ方式で各車両の絶対位置を特定する構成としたが、第2の実施の形態で示したような計算方式で各車両の絶対位置を特定してもよい。
1,2…車両位置検出装置、10…GPS受信機、11…測距センサ、12…車車間通信機、21,22…ECU
Claims (4)
- 移動体の絶対位置を検出する位置検出装置であって、
移動体の絶対位置を取得する絶対位置取得手段と、
移動体の絶対位置の確率分布を取得する絶対位置確率分布取得手段と、
移動体間の相対位置関係を取得する相対位置関係取得手段と、
前記絶対位置取得手段で取得した3体以上の移動体の絶対位置、前記絶対位置確率分布取得手段で取得した3体以上の移動体の絶対位置の確率分布及び前記相対位置関係取得手段で取得した3体以上の移動体間の相対位置関係に基づいて当該3体以上の移動体の絶対位置を特定する絶対位置特定手段と
を備えることを特徴とする位置検出装置。 - 前記絶対位置特定手段は、前記相対位置関係取得手段で取得した3体以上の移動体間の相対位置関係に基づいて移動体の絶対位置の組み合わせを決定し、前記絶対位置確率分布取得手段で取得した絶対位置の確率分布から移動体の絶対位置の各組み合わせが取り得る確率を計算し、当該各組み合わせが取り得る確率を比較することにより移動体の絶対位置を特定することを特徴とする請求項1に記載する位置検出装置。
- 移動体間の相対位置関係の確率分布を取得する相対位置関係確率分布取得手段を備え、
前記絶対位置特定手段は、前記相対位置関係確率分布取得手段で取得した3体以上の移動体間の相対位置関係の確率分布も考慮して移動体の絶対位置を特定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載する位置検出装置。 - 前記絶対位置取得手段で絶対位置を取得可能な3体以上の移動体と絶対位置を取得できない移動体を含む移動体群において、前記絶対位置特定手段で絶対位置を取得可能な移動体の絶対位置を特定した後に、当該特定された移動体の絶対位置及び前記相対位置関係取得手段で取得した絶対位置を取得できない移動体と絶対位置が特定された移動体を含む3体以上の移動体間の相対位置関係に基づいて絶対位置を取得できない移動体の絶対位置を特定することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載する位置検出装置。
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