JP2009150058A - 換気装置を用いた建物の断熱システム - Google Patents

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Abstract

【課題】建物の空調負荷となる屋外からの熱取得及び屋外への熱損失を、環境負荷及びイニシャルコストを掛けることなく軽減する。
【解決手段】建物の外装材及び内装材の間に中空層を備え、当該中空層内面の屋内側に光沢金属面を設け、当該中空層を室内換気の排気経路とすることにより、夏季においては屋外から室内への透過熱を排気に取得させて屋外に排出し、冬季においては当該中空層内部と室内との温度差を少なくすることにより、当該建物への空調負荷を軽減する、換気装置を用いた建物の断熱システム。
【選択図】図1

Description

本発明は、建物の空調負荷となる屋外からの熱取得及び熱損失を、建築体の中空構造と室内換気の排気を用いて軽減する、建築構造と換気装置からなる建物の断熱システムに関するものである。
従来、建物のペリメータゾーンとなる天井、外壁には、熱伝導率の低い空気層、断熱層などを含む複層構造が用いられ、建物室内の透過熱取得量を軽減させ、当該室内の空調装置の使用エネルギー量を低下させ、建物における省エネに一定の貢献をしてきた。しかし、熱伝導率が低下しても、室内外の温度差により一定量の熱伝導は発生し、空調装置の使用による大きなエネルギー消費を発生させていた。
建物の断熱性能を上げるための技術として、建物の壁構造体の屋外側に断熱層を設ける外断熱工法(例えば非特許文献1参照)がある。本工法では、夏季においては建物の壁構造体の蓄熱が抑制されるため、また、冬季においては当該壁構造体の蓄熱量が増大するため、夏季の直達日射量が最大となる透過熱取得量ピーク時、冬季の早朝の外気温最低となる透過熱損失量ピーク時の経過後にはそれぞれ空調負荷軽減効果があるが、建物の壁構造体の室内側に同一の熱伝導率の断熱層を設ける場合と比して、壁体の熱透過率自体に変化はなく、当該ピーク時の空調負荷軽減には効果がなかった。また、外断熱工法の断熱層に用いられる断熱素材は屋外に接するため、断熱性のほかに耐侯性、剛性が必要とされ、当該断熱素材は、在来工法で用いられる断熱素材よりも高価になり、イニシャルコストの増大が問題であった。
前段落記載の外断熱工法の異型として、建物の壁構造体と屋外側の断熱層との間に所定の距離を設け、当該所定の距離によって生じる空間を通気層とする外断熱通気工法(例えば特許文献1参照)があるが、当該通気層に導入される空気は、屋外空気であり、外気温度に等しい温度を有するため、当該通気層内空気と室内空気との間の温度差により熱伝導が発生し、屋外からの熱取得は一定量発生していた。また、当該断熱層が直達日射などにより熱を有すると、物理的に輻射熱を発生させる。この輻射熱は、空気を透過するものであるので、本工法は、当該輻射伝熱を抑えることもできなかった。且つ、前段落の記述と同じく、イニシャルコストの増大も問題であった。
従来技術よりも断熱性能の高い技術として、真空パネルを断熱層に使用する工法(例えば特許文献2参照)もあった。当該工法では、熱透過率は大幅に削減されたが、熱を取得した真空断熱層より屋外側の壁の構成体が発する輻射熱は、真空をも透過するものであるため、輻射伝熱を防ぐことはできなかった。また、真空パネルは非常に高価なものであり、イニシャルコストの増大も問題であった。
一方、建築基準法の規定により、建物の居室への常時換気設備の設置が義務付けられ、この室内換気に起因する取入外気による空調負荷の増大も問題であった。建物の断熱性能を向上させても、取入外気による空調負荷は別途に発生する問題であり、建物の断熱性能の向上が、当該取入外気による空調負荷を減少させることはなかった。
室内換気による空調負荷増大への対策として、熱交換型換気扇(例えば特許文献3参照)があるが、その熱交換効率は、60−75%程度であり、外気負荷を完全に除去できるものではなかった。また、従来からの換気扇よりも高価なものであるため、イニシャルコストの増大が問題であった。
特許第3753719号公報 特開2007−155085号公報 特開2006−220330号公報 昭和電工建材株式会社 ラムダ総合カタログ2007(本州版) 第三の八十一頁−第三の一〇八頁
解決しようとする課題は、イニシャルコスト、環境負荷の増大なく、屋外から建物への空調負荷としての透過熱負荷を軽減し、空調装置による過大なエネルギー消費を防ぐことである。
本発明は、建物の屋外との接触面を成す建築構成体の構造として、当該建物の外装を成す板状体を当該建物の屋外との接触面全面に当該板状体同士が隙間なく設けられ、且つ当該外装を成す板状体と平行且つ所定の距離を有して当該建物の室内の内装を成す板状体を当該室内との接触面全面に、同じく当該板状体同士が隙間なく設けられることにより、当該外装及び内装を成す板状体間に、気密性を有する中空層が形成された構造を用いるものである。
当該内装を成す板状体の、面積が大なる面のうちの一方の面は、すべて、研磨された光沢金属から成る面状体を備えたものである。当該面状体が有する光沢金属面が中空層側になるように当該内装を成す板状体を設置する。当該内装を成す板状体の光沢金属面との反対面は、当該建物の室内の仕上面となるので、任意の仕上工法にて仕上げるものとする。
当該建物の室内換気には、第3種若しくは第1種換気方式を使用するものとし、当該室内換気の換気手段として、当該外装及び内装を成す板状体間に形成される中空層から屋外へ送風する機械式換気装置を設置する。当該機械式換気装置は、吸気側が当該中空層内部に開放され、排気側が屋外に直接開放されるように設置するものとする。当該機械式換気装置は、本発明の特徴である、中空層内部の空気を屋外に送気して当該中空層内部を負圧にする送気手段として機能するものでもある。当該機械式換気装置を、以下、排気装置と呼ぶ。
当該内装を成す板状体には、複数から成る開口を、当該室内の屋外と直接接する面であるペリメータゾーンに所定の方向に均一に、且つ前段落記載の排気装置と所定の距離を有して設ける。当該開口により、室内と当該中空層とが連通する。尚、上記所定の方向は、水平方向、鉛直方向など、当該室内の平面的な方向とする。また、上記所定の距離は、当該排気装置と当該開口とが可能な限り遠くなる距離とする。例えば、当該排気装置が天井裏に設置されていれば、当該開口を、室内の屋外と直接接する面であるペリメータゾーンの、床に最も近い高さに水平方向に均一に設けるという要領である。
さらに、外気を室内に取り入れる手段として、第3種換気方式においては、当該建物の所定の位置に、屋外と当該室内とを連通する給気口を設ける。第1種換気方式においては、排気装置とは異なる機械式換気装置を、吸気側が屋外と直接連通し、排気側が当該室内と連通するよう、所定の位置に設置する。当該給気口及び排気装置とは異なる機械式換気装置を、以下、給気装置と呼ぶ。また、前記所定の位置は、当該室内の換気効率が最大となる位置、即ち、当該室内換気の排気経路の当該室内開放部位から可能な限り遠い位置とする。
段落0011及び0012の記述により、当該室内から、ペリメータゾーンとなる全ての面の当該中空層を経て、屋外に排出される排気経路が形成される。当該排気装置が起動すると、当該中空層内部は負圧になり、その負圧の解消のため当該室内空気が、当該内装を成す板状体の開口より当該中空層に取り込まれる。屋外と連通する当該排気装置が屋外方向に送気するため、当該中空層に取り込まれた室内空気は、当該排気装置に吸引され、最終的に屋外に排気される。
夏季など、当該室内を冷房する時節においては、日射熱取得、外気温度による熱が当該外装を成す板状体に伝熱し、当該外装を成す板状体は熱を有するようになる。熱を有することにより、当該外装を成す板状体はその温度に応じて電磁波を放射する。当該電磁波のエネルギー量は、ステファン・ボルツマンの式と物体固有の表面性質、即ち輻射熱に対する放射率に従って、また、当該電磁波の波長はウィーンの変位則に従って決定される。
当該外装を成す板状体は、その蓄熱効果と日射熱取得により、外気温度よりも温度が高くなるが、それでも経験値において摂氏100度を超えることはないことを知見している。当該温度における、前段落記載の電磁波の波長は、ウィーンの変位則により主に赤外線領域となる。赤外線は、ある物体に放射されると当該物体を発熱させる性質を有する。当該赤外線波長の電磁波のエネルギーと輻射熱とは同一のものである。
段落0010記載のとおり、当該内装を成す板状体の中空層側は光沢金属面を有している。当該光沢金属面は、赤外線に対する反射率が高いため、当該赤外線領域の電磁波は、当該内装を成す板状体にほとんど伝熱することなく当該光沢金属面で多くを反射される。
当該光沢金属面で反射された赤外線領域の電磁波は、当該外装を成す板状体及び当該中空層内部の空気に放射され、当該板状体及び当該空気を発熱させる。このときの当該外装を成す板状体及び当該空気が取得する電磁波のエネルギー量は、当該外装を成す板状体が放射する電磁波のエネルギー量に、当該光沢金属面の輻射熱に対する反射率及び当該外装を成す板状体の輻射熱に対する吸収率を乗じた値となる。
ここで、段落0013記載のとおり、当該中空層内部に当該室内の空気が取り込まれる。当該室内を空調装置にて冷房している場合においては、当該中空層内部に取り込まれる空気温度は冷房時の当該室内の温度と同一である。従って、屋外より熱を取得した当該外装を成す板状体と当該中空層に取り込まれた室内空気との間で熱伝導が発生する。
さらに、当該中空層に取り込まれた当該室内空気は、上記排気装置に向かって流れるため、一定の風速を有するものである。よって、ニュートンの冷却法則により、当該外装を成す板状体と当該中空層に取り込まれた室内空気との間で対流熱伝達も発生する。
熱伝導及び対流熱伝達により当該外装を成す板状体から熱を取得した当該中空層に取り込まれた室内空気は、段落0014の記述の流れにより、屋外に排出される。当該外装を成す板状体の有する熱は空調負荷となるものであるから、前記空気の流れにより、空調負荷となる熱の多くは、当該室内に伝導せずに屋外に排出されることになる。
また、段落0014の流れにより当該室内空気が屋外に排気されると同時に、段落0013記載の給気装置より外気が取り込まれる。当該外気は熱を有するもので空調負荷となるが、段落0016記載のとおり蓄熱した当該外装を成す板状体は外気温度より高くなるため、当該室内の空気温度と外気温度との温度差よりも、当該外装を成す板状体と室内空気との温度差の方が大きくなる。室内換気においては、給気風量と排気風量とは同一の風量となり、温度差が大きいほうが取得熱量は大きくなる。
よって、取入外気による当該室内への顕熱負荷よりも、当該中空層に取り込まれた室内空気が取得し、屋外に排出される顕熱量のほうが大きくなり、本発明システムの使用により、当該室内への取入外気による顕熱負荷以上に空調負荷は削減されたことになる。
また、当該室内を、夏季においても空調装置にて冷房しない場合においては、当該室内温度は当該排気装置の起動による換気により外気温度と同一になり、当該中空層に取り込まれる空気の温度も外気温度と同一になる。段落0016記載のとおり、当該外装を成す板状体の温度は外気温度よりも高くなるため、当該排気装置の起動により当該中空層に取り込まれた空気が当該外装を成す板状体の熱を取得する。よって、本発明システムは非冷房時においても当該建物の取得熱量を軽減する。
冬季など、当該室内を暖房する時節においては、室内暖房、照明機器その他の発熱機器、人体からの発熱により、室内温度は屋外よりも高くなる。当該室内の熱は、当該内装を成す板状体に熱伝導し、当該内装を成す板状体は熱を有することになる。
当該内装を成す板状体の中空層側は光沢金属面を有している。エネルギー保存則より、不透明である物体の輻射エネルギーに対する反射率と吸収率の和は、1である。また、キルヒホッフの法則より、物体の輻射エネルギーに対する吸収率と放射率は同一となる。よって、輻射熱に対する反射率の高い光沢金属面の、輻射熱に対する放射率は低くなり、当該内装を成す板状体は、光沢金属面を有することにより、当該中空層への輻射伝熱を抑えられる。
また、段落0014記載の排気装置の機能により、当該中空層に取り込まれる室内空気は、当該室内の温度と同一である。当該室内温度と外気温度との温度差により、当該中空層に取り込まれた空気から、当該外装を成す板状体を介して屋外まで熱伝導するが、当該中空層には当該室内空気が継続して取り込まれるため、当該中空層内部の平均温度は外気温度より高くなる。よって、当該室内と外気温度との温度差よりも、当該室内と当該中空層内との温度差の方が小さくなり、室内から屋外方向への伝熱量は小さくなる。こうして、空調負荷となる当該室内からの熱損失量は軽減される。
また、段落0022記載のように、当該室内を冷房する時節(夏季)と同じく、取入外気による空調負荷増大が発生するが、取入外気と同一風量の排気が、当該室内から屋外への透過熱損失を防ぐため、上記空調負荷増大は相殺される。
以上の機能により、従来屋外に無駄に放出されてきた室内換気の排気を積極的に利用することにより、生産時に環境負荷の増大を齎す断熱材を使用することなく、且つ時節を問わずに、建物の室内を換気すると同時に、当該建物の断熱性能を確保することができる。
本発明は、従来から行われてきた、段落0003−0005記載の熱透過率の低い断熱材を用いて透過熱量を防ぐ方式ではなく、室内換気の排気により、透過熱量を軽減する方式であるため、生産時における環境負荷及びイニシャルコストの増大が発生する断熱材を使用する必要がない。
さらに、現在、建築基準法により、建物の居室に常時換気設備の設置が義務付けられているため、当該常時換気設備の機械式換気装置を本発明のシステムに利用することにより、別途にイニシャルコストが発生しない。
当該内装の成す板状体に使用される光沢金属面を有する面状体も、アルミ箔、アルミ蒸着フィルムなどでよいため、非常に安価なものである。よって、生産時に大きな環境負荷、イニシャルコストを伴う断熱材を使用する従来の断熱方式と比べて、全体として大きなイニシャルコスト、環境負荷の削減が可能である。
また、夏季において、従来の断熱材を使用する方式では、どれだけ熱透過率を低くしても、建物に蓄熱した熱を除去するということはなかったが、本発明のシステムでは、当該外装を成す板状体が有する熱を除去する。よって、建物の蓄熱に起因するヒートアイランド現象を軽減する効果もある。
また、従来の断熱材を使用する方式と、段落0007記載の熱交換型換気扇を併用した場合でも、室内へは、一定の透過熱負荷及び換気風量の増加に応じた外気負荷の増大が個別に発生していた。しかし、本発明のシステムでは、室内を換気することにより、その換気風量に応じて外気負荷が発生するが、当該外気負荷が増大すればするほど、当該外気負荷の相当熱量分の透過熱負荷を軽減するため、換気量の増大により、空調負荷が増大されることはない。
且つ、冬季において、本発明のシステムでは、当該中空層内部の平均温度は、外気温度と当該室内温度の中間の値となるため、当該中空層を介することにより、室内外温度差による当該内装を成す板状体(ペリメータゾーン)での結露の発生を抑えることができる。さらに、当該中空層内部は強制換気をされることになるので、該中空層内部の乾燥状態を保つことが可能となり、当該中空層内部からのカビの発生を防ぐことができる。
さらに、本発明のシステムは、従来の断熱方式との併用も可能であり、従来の断熱方式の断熱性能に本発明システムの空調負荷軽減性能を加えることにより、より大きな空調負荷軽減、断熱性能を実現する。
建物のペリメータゾーンに中空層を設け、光沢金属面により輻射伝熱を防ぎ、且つ当該中空層を室内換気の排気経路とすることにより、空調負荷を軽減する機能を、建築体の在来工法である内外装2層構造を利用し、当該工法に、排気ガラリ、アルミ蒸着フィルム及び機械式換気装置を加えただけで実現した。
図1は、本発明の1実施例の断面図であって、本実施例の全体構成を示している。1で示される外装を成す板状体が建物の外周を成して設置され、当該外装を成す板状体と所定の距離を有して2で示される内装を成す板状体が設置され、当該外装を成す板状体と当該内装を成す板状体が有する所定の距離により、3で示される中空層が形成されている。
当該中空層内の天井部分には、屋外への送気手段として、4で示される機械式換気装置が設置されていて、当該機械式換気装置は7で示される排気ダクトにて当該中空層内の天井中央部分及び10で示される屋外排気口と連通している。また、室内への外気取入手段として、室内の天井面に6で示される給気口が設置されていて、8で示される給気ダクトにて11で示される外気取入口と連通している。当該屋外排気口及び当該外気取入口は大気に開放されたものである。また、本実施例では、当該機械式換気装置と給気ダクト及び給気口は、建築基準法規定の建物の居室の第3種換気方式の常時換気設備として、室内を常時換気するものである。
段落0038記載の内装を成す板状体は、5で示されるとおり、開口を床に近い位置に、水平方向に均一に有している。当該開口の室内側の構成は、図6のとおりである。室内の美観及び機能上の支障がないよう、20で示されるガラリが、21で示される巾木の直上の壁面に固着された形状にて当該開口を設けている。
図2は当該内装を成す板状体の断面構造を示している。当該板状体の一方の面は、16で示されるとおり、光沢金属面を形成するためのアルミ蒸着フィルムを備えている。図3で示されるとおり、当該アルミ蒸着フィルムを有する面を3で示される中空層側にして設置されている。
図3では、外装を成す板状体及び内装を成す板状体が17で示されるC型鋼に固着された構造であることを示している。これは、屋根の荷重が掛かり、板状体のみでの自立が困難であるため、本実施例においてはC型鋼を支持体とする鉄骨構造を用い、当該C型鋼に板状体を固着する工法を用いている。屋根構造は、図7が示すとおり、17で示されるC型鋼を支持体として外装を成す板状体が当該C型鋼に固着され、当該C型鋼より22で示される棒鋼にてさらに別のC型鋼を吊り下げ、当該棒鋼にて吊り下げられたC型鋼を支持体として光沢金属面を有する内装を成す板状体が、当該棒鋼にて吊り下げられたC型鋼に固着されている。
金属による支持体は熱透過率が高く当該支持体での局所的な熱伝導が発生する。即ち、ヒートブリッジとなる。その対策として、角鋼、H型鋼よりも体積に比して表面積の大きなC型鋼を用いることにより、3で示される中空層への放熱及び当該中空層から熱取得性能を高め、当該中空層内空気と当該支持体との温度差が少なくなるようにしている。また、熱透過率は、低温側と高温側との距離に反比例するため、屋根においてはC型鋼と棒鋼の存在により、当該距離が大きくなり、熱透過率は、壁体よりさらに小なる値となる。
図4は、図1のCで示される面、即ち床付近の高さにおける、本実施例の平面構成を示している。5で示される水平方向に均一に配置された当該内装を成す板状体の有する開口により、ペリメータゾーンとなる壁体の室内側の全面は、3で示される中空層と均一に連通している。18で示される間仕切壁及び19で示される室内扉は、在来工法と同一であり、本発明を用いても、在来工法と同様の居住性、機能性を確保できることを示している。
図5は、図1のDで示される面、即ち天井裏高さにおける、本実施例の平面構成を示している。図1と同じく、屋外及び中空層と連通した機械式換気装置及び屋外及び室内と連通した給気口が、本図の4及び6が示すとおりに設置されている。当該機械式換気装置が起動すると、3で示される中空層内部が負圧になり、図1、図4及び図5の12で示されるような空気の流れが発生する。
当該空気の流れにより、図4の12で示されるとおり、当該建物のペリメータゾーンとなる壁体の室内側全面に設けられた5で示される開口より、3で示される中空層に室内空気が取り込まれる。ここで、図6の20で示される、当該開口に備えられた排気ガラリは、開度調節手段を備えたものとする。開度を調節することにより、当該排気ガラリにおける摩擦損失を変化させて、当該中空層各所への室内空気の流入量を均等にすることが可能となる。
図8は、当該排気ガラリの詳細を示している。23で示される外枠がその外形を成し、当該外枠の両側面は、25で示される軸受となる孔を備えている。24で示されているのが開度調整をするための羽根で、当該羽根は、26で示される回転軸を両側面に有している。本図が示すとおり、当該回転軸が軸受孔に挿入された構成にて、当該開度調整羽根は、当該外枠に定置されている。
当該軸受孔と回転軸とは挿入されているだけで自在に動くため、当該開度調整羽根は当該外枠に対して自在に回転できる。当該自在に回転する構造により、当該排気ガラリは、当該開度調整羽根が成す角度により摩擦損失を変化させて、前段落記載の中空層への室内空気の流入量を均等になるよう調節する機能を有するものである。
前段落記載の機能により、均等に当該中空層内部に流入した室内空気は、図1の12のとおり、壁体に構成される中空層内を天井方向に向かって流れてゆく。天井裏に構成される中空層に到達した当該室内空気は、図5の12で示されるとおり、壁体に構成される中空層各所から均等に、7で示される排気ダクトの当該中空層内に開放された部分に向かって集中される。
夏季の冷房時においては、図1及び図5の1で示される外装を成す板状体は、外気からの熱伝導、日射熱取得及びその蓄熱などの熱を有する。当該外装を成す板状体は、ステファン・ボルツマンの法則により、当該板状体の温度に応じた量の輻射エネルギーとなる電磁波を放射する。当該板状体の、想定し得る温度範囲における電磁波の波長は、ウィーンの変位則により、赤外線波長となる。
当該外装を成す板状体より放射された赤外線波長の電磁波は、図2及び図3の16で示されるアルミ蒸着フィルムの有する光沢金属面にて反射され、当該外装を成す板状体及び当該中空層内部の空気に再放射される。エネルギー保存則より、ある物体の輻射エネルギーとなる電磁波に対する反射率と吸収率と透過率の和は1となる。不透明の物体では、透過率は0であるから、反射率と吸収率の和が1となる。また、キルヒホッフの法則より、ある物体の輻射エネルギーとなる電磁波に対する吸収率と放射率は等しくなる。下表にて、各物質の放射率を示す。
表1より、本実施例にて使用されるアルミ蒸着フィルムは、普通研磨面を有するアルミニウムと同等であるから放射率0.04、従って、反射率0.96となり、当該アルミ蒸着フィルムの光沢金属面にて、輻射エネルギーとなる電磁波は、ほとんど反射されることを表す。また、当該外装を成す板状体として使用し得る、コンクリート、紙の面を有する石膏板、木材は、放射率0.88−0.95で、吸収率も同一となり、当該外装を成す板状体に放射された輻射エネルギーは、ほとんど反射されずに、当該板状体に吸収されることを表す。
よって、外気からの熱伝導、日射熱取得及びそれらの蓄熱などの熱を有する当該外装を成す板状体が放射する輻射エネルギーのほとんどは、当該光沢金属面にて反射され、当該外装を成す板状体に再放射された輻射エネルギーは当該外装を成す板状体に吸収されることになる。当該吸収によって、当該再放射された輻射エネルギーの相当熱量が、当該外装を成す板状体の有する熱に加わることになる。
再び図1及び図5に戻り、このときの当該中空層内部の空気の流れによる熱取得を説明する。段落0047及び段落0048記載の室内空気が流れる過程において、室内温度と同一の温度を有する室内空気が3で示される中空層内に取り込まれ、一定の風速を有する室内空気は、ニュートンの冷却法則により、当該熱を有する外装を成す板状体より熱を取得する。
図1の12が示すとおりに当該中空層に取り込まれた室内空気が当該中空層を通過する過程で、外装を成す板状体の有する熱を取得してゆく。このときの当該中空層に取り込まれた空気の取得熱量Q1は、ニュートンの冷却法則より、当該外装を成す板状体の当該中空層側の表面温度Twと当該中空層に取り込まれた空気温度、即ち室内温度Tfとの差に、平均熱伝達率h1を乗じた値の、当該中空層と当該外装を成す板状体との接触面の面積分の総量となる。
熱量Q1を取得することにより、当該空気の温度は上昇する。熱量Q1を取得した当該空気の温度は、熱量Q1に当該中空層の通過総風量、即ち室内換気風量Vと空気の比熱Cと空気の密度Pとで除した値T1の分、上昇し、当該中空層内平均温度はTfとT1との和になる。また、室内換気風量Vは、当該室内の容積に、換気回数を乗じた値である。
このとき、室内空気温度Tfと当該中空層内部平均温度との温度差T1により、当該中空層と室内とは、内装を成す板状体を介して熱伝導する。また、従来方式ではヒートブリッジとなる当該板状体の支持体であるC型鋼からは、当該C型鋼自体、体積に比して表面積が大きいため、同じくニュートンの冷却法則より、当該中空層内部の空気へ対流熱伝達し、当該中空層内部の温度と同一になる。よって、当該C型鋼からの局所的な熱伝導は発生しなくなる。
段落0049記載のとおり、外装を成す板状体及びC型鋼より熱を取得した空気は、図5の12で示されるとおり、機械式換気装置により、排気ダクトに取り込まれ、屋外に排出される。当該屋外に排気される空気温度T2と当該室内空気温度Tfとの温度差に室内換気風量Vと空気の比熱Cと空気の密度Pを乗じた値の相当熱量が、当該室内に取得されずに屋外に排出されたことになる。
上記のとおり、室内空気が屋外に排気されると、当該室内は負圧になり、図1及び図5のとおり、11で示される外気取入口より室内換気風量Vと同一量の屋外の空気が、8で示される給気ダクトを経て、6で示される給気口より当該室内に取り入れられる。当該取入外気による取得熱量Q2は、外気温度Toと当該室内空気温度Tfとの温度差に、空気の比熱C、空気の密度P及び室内換気風量Vを乗じた値である顕熱取得量に、潜熱取得量を加えた値となる。潜熱取得量は、外気の絶対湿度X1と室内空気の絶対湿度X2との差に、水の蒸発潜熱fと空気の密度Pと室内換気風量Vを乗じた値となる。
本実施例を用いることにより、上記のとおりの伝熱が発生し、同一の外気及び室内条件で、当該建物に従来方式の断熱工法、即ち外装を成す板状体と内装を成す板状体の間に形成される中空層を排気経路ではなく、熱透過率の低い素材を用いた断熱層とした工法とは、異なる伝熱が発生する。当該建物において従来の断熱工法を用いた場合と本実施例を用いた場合との空調負荷の差異は、次式で表される。
数1は、段落0061記載の従来方式の断熱工法における当該建物の冷房負荷を表し、数2は、本実施例使用時における当該建物の冷房負荷を表す。何れも同一の室内及び外気条件で、当該内装を成す板状体及び当該外装を成す板状体には同一のものを用い、換気風量も同一としている。また、数1、数2とも、当該外装を成す板状体の受ける外気及び日射による取得熱量は同一条件であるため、当該外装を成す板状体の室内側表面温度も同一としている。
数1で、ri1は従来方式の断熱工法の断熱層の熱伝導率、Li1は当該断熱層の熱透過方向における厚さ、ri2は当該内装を成す板状体の熱伝導率、Li2は当該内装を成す板状体の熱透過方向における厚さ、R1は内表面熱伝達抵抗を表す。段落0056の記述と同様に、Twは当該外装を成す板状体の中空層側、本条件では断熱層側の表面温度、Tfは当該室内の温度を表し、右辺第1項は、当該外装を成す板状体の室内側表面から室内までの透過熱負荷を表す。
段落0057の記述と同様に、Cは空気の比熱、Pは空気の密度、Vは当該室内の換気風量、T0は外気温度、fは水の蒸発潜熱、X1は外気の絶対湿度、X2は室内空気の絶対湿度を表し、数1の右辺第2項は、当該室内の換気による外気の顕熱負荷、同右辺第3項は当該外気の潜熱負荷を表す。Qnは人体、電気機器などの当該室内の各発熱要素からの発熱量を表し、数1の右辺第4項は、当該室内の内部負荷を表す。
数2で、R2は当該内装を成す板状体の外表面熱伝達抵抗、ri1、Li2、R1、Tw、Tf、C、P及びVは、数1の符号と同一で、h1は当該外装を成す板状体から当該中空層内部を流れる室内空気への対流熱伝達率を表す。また、G1は当該外装を成す板状体の当該中空層側の輻射熱に対する吸収率、G2は当該内装を成す板状体の有する光沢金属面の当該中空層側の輻射熱に対する吸収率、Sはステファン・ボルツマン定数を表し、T0、Qnは数1の符号と同一である。
数2の右辺第1項では、当該第1項の左側カッコ内は当該中空層から当該室内への熱透過率を表す。当該第1項の右側カッコ内は、当該外装を成す板状体からの対流熱伝達による当該中空層内部空気の取得熱と、段落0053記載の当該光沢金属面が反射して当該外装を成す板状体が取得する輻射伝熱との和の総量を、当該室内の換気風量Vと空気の比熱Cと空気の密度Pで除することにより、当該中空層内部に取り込まれた室内空気の、当該中空層内部で上昇する分の温度、即ち、当該中空層内部の空気温度と当該室内との温度差を表す。よって、右辺第1項は、当該中空層から当該室内への熱透過率と当該中空層内部の空気温度と当該室内との温度差との積の総量となり、当該中空層から当該室内への透過熱負荷を表す。
数2の右辺第2項は、ステファン・ボルツマンの式に当該光沢金属面の吸収率を乗じることにより、段落0053記載の外装を成す板状体の放射する輻射熱の内、当該光沢金属面で反射されずに当該光沢金属面に吸収される輻射伝熱量を表す。数2の右辺第3項と同第4項及び第5項は、数1と同じく、それぞれ当該室内換気による外気の顕熱負荷、当該外気の潜熱負荷、当該室内の内部負荷を表す。
数1の右辺第2項及び同第3項、同第4項は、数2の右辺第3項及び同第4項、同第5項と同一であるため、数1の右辺第1項と数2の右辺第1項及び第2項との差異が、従来方式の断熱工法と本実施例との冷房負荷の差異となる。
数1の右辺第1項より、従来方式の断熱工法では室内換気により透過熱負荷を変化させることはないが、数2の右辺第1項及び第2項より、本実施例においては、室内換気風量Vが大きくなると、当該中空層内部と当該室内との温度差が減少し、透過熱負荷が減少する要因となることを表している。
しかし、R2で表される内装を成す板状体の外表面熱伝達抵抗は、ユルゲスの式により、風速5m/s以下においては、当該外表面における風速により減少するため、当該中空層内部の空気の風速が大きくなると、前記ユルゲスの式より、R2の値は、0.18から0.04の間で小さくなり、その要因により、熱透過率は増加する。また、当該中空層内部の風速の増大は、騒音発生且つ摩擦損失の増大の要因ともなり、風速5m/s以上とすることは好ましくないため、風速5m/s以下において成立するユルゲスの式による外表面熱伝達抵抗のみを考慮すれば十分である。
同時に、数2第1項より、当該中空層内部の空気の風速は、当該外装を成す板状体から当該中空層内部を流れる室内空気への対流熱伝達率h1とも相関性を持つ。熱工学上、強制対流熱伝達においては、対流熱伝達率h1はレイノルズ数及びプラントル数と相関性があり、風速が大きい乱流域において、熱伝達率h1は大きくなる。また、プラントル数は、流体の物性値のみで定まるものであり、本実施例においては変数ではないので、計算上、定数として問題ない。
当該中空層のような密閉された平板間を流れる流体の流速は、同一流量においては、当該密閉された空間の、流体方向と垂直な面の断面積に反比例する。流体力学上、レイノルズ数は、流体の流速に比例するものであり、室内換気風量より、レイノルズ数を層流域、即ち限界レイノルズ数未満となるよう断面積、即ち外装を成す板状体と内装を成す板状体の距離を設定すれば、h1、R2は十分、小さくなり、数2右辺第1項より、本実施例は大きな断熱効果を得られるようになる。
且つ、数2の右辺第2項においては、当該光沢金属面の輻射熱に対する吸収率G2は、段落0053の記述より、0.04であるため、数2の右辺第2項の値は非常に小さなものとなり、空調負荷の大きな増大要因とはならない。
以上のとおり、本実施例においては、室内換気風量及び外装を成す板状体と内装を成す板状体の間の距離を適正に設定することにより、当該室内を冷房する時節において、当該室内換気の排気の熱取得及び当該熱を取得した排気の屋外への排出、及び当該光沢金属面が外装を成す板状体から当該室内への輻射伝熱を抑えることにより、当該建物の断熱性能が確保される。
当該建物を冷房する場合の本実施例の断熱の機構は以上のとおりであるが、当該建物を暖房する場合においては、冷房時と異なる伝熱が発生し、断熱の機構も異なるものとなる。冬季など、当該建物の室内を暖房する場合においては、当該室内は、室内暖房、人体、電気機器などの発熱体などの熱により、室内及び当該内装を成す板状体は、外気温度よりも高い、一定の温度を有することになる。
本実施例のシステム構成は、冬季、夏季など時節を問わず同一であるため、当該建物を暖房する時節においても、段落0045−0049の記述と同様の空気の流れが発生する。当該機械式換気装置の起動により当該中空層に取り込まれる空気は、取り込まれた当初は、当該室内の温度と同一である。
当該中空層に取り込まれた当該室内温度と同一の温度を有する空気は、ニュートンの冷却法則より、当該中空層を流れる過程で、外気に接する当該外装を成す板状体に熱を除去され、当該中空層内部で徐々に外気温度に近づいてゆく。このときの当該中空層内部空気の損失熱量Q3は、当該中空層に取り込まれた空気の温度、即ち室内温度Tf2と当該外装を成す板状体の当該中空層側の表面温度TW2との差に、平均熱伝達率h1を乗じた値の、当該空気と当該外装を成す板状体との接触面の面積分の総量である。
熱量Q3を除去されることにより、当該空気の温度は低下する。Q3を取得した当該空気の温度は、Q3に当該中空層の通過総風量、即ち室内換気風量Vと空気の比熱Cと空気の密度Pとで除した値T1の分、低下し、当該中空層内平均温度はTf2とT1との差になる。また、T1は、当該室内空気温度Tf2と当該外装を成す板状体の表面温度TW2との間の対流熱伝達による温度低下分であるから、Tf2とTW2との差、未満となる。よって、当該中空層内の空気の平均温度は外気温度と当該室内温度の中間の値となる。
このとき、段落0043記載の当該外装及び内装を成す板状体の支持体であるC型鋼も、当該中空層内部の空気の流れによる対流熱伝達により、当該中空層内の空気温度と限りなく近い温度になるので、ヒートブリッジとはならない。よって、当該C型鋼における局所的な熱損失はほとんど発生しない。
同時に、段落0075記載のとおり、当該内装を成す板状体は一定の温度を有しているため、ステファン・ボルツマンの法則により、輻射エネルギーを放出するが、当該内装を成す板状体が有する光沢金属面の輻射熱に対する放射率は、段落0053の記述により、0.04であり、当該輻射エネルギーの4%のみが当該内装を成す板状体から当該中空層に放射され、残りの96%は放射されずに当該内装を成す板状体の内部エネルギーとして、当該内装を成す板状体に温存される。よって、当該光沢金属面により、当該室内から屋外方向への輻射伝熱による熱損失は軽減されたことになる。
上記のとおり、当該中空層に取り込まれ、当該中空層内部で熱を除去された空気は、当該室内を冷房する時節と同様に、図5の12で示されるとおり、機械式換気装置を経て、屋外に排気される。このとき、当該屋外に排気される空気温度T3と室内空気温度Tf2との温度差に室内換気風量Vと空気の比熱Cと空気の密度Pを乗じた値の相当熱量は、室内から直接除去されことはなく、当該相当熱量分の透過熱損失が軽減されたことになる。
暖房負荷の算出において、当該建物の熱損失の最大値は、当該外装を成す板状体の温度が想定し得る最低の温度、且つ当該内装を成す板状体が想定し得る最高の温度の場合の値である。物理的に、伝熱は高い方から低い方へ為されるものであるから、屋外と接触する当該外装を成す板状体の温度は、最低でも外気温度と同一である。また、当該内装を成す板状体の温度は最高でも当該室内の温度と同一である。この温度条件における、段落0061記載の従来方式の断熱工法における暖房負荷Qcと本実施例における暖房負荷Qdの差異は、次式で表される。
数3は、段落0061記載の従来方式の断熱工法における当該建物の暖房負荷を表し、数4は、本実施例使用時における当該建物の暖房負荷を表す。何れも同一の室内及び外気条件で、内装を成す板状体及び外装を成す板状体には同一のものを用い、換気風量も同一としている。また、数3、数4とも、最大の暖房負荷条件となるよう、当該外装を成す板状体の室内側表面温度は外気温度と同一とし、当該内装を成す板状体の屋外側表面温度は室内温度と同一としている。
数3では、数1、数2と同一概念のものは同一の符号を用いている。ri1は従来方式の断熱工法の断熱層の熱伝導率、Li1は当該断熱層の熱透過方向における厚さ、ri2は当該内装を成す板状体の熱伝導率、Li2は当該内装を成す板状体の熱透過方向における厚さ、ri3は当該外装を成す板状体の熱伝導率、Li3は当該外装を成す板状体の熱透過方向における厚さ、R1は内表面熱伝達抵抗、R3は外表面熱伝達抵抗を表す。Tf2は当該室内の温度、T0は外気温度を表し、当該数3右辺第1項は、屋外から当該室内までの透過熱負荷を表す。
数3右辺第2項では、数1と同じく、Cは空気の比熱、Pは空気の密度、Vは当該室内の換気風量、T0、Tf2は第1項と同じく、それぞれ外気温度、当該室内温度を表し、本項は、当該室内の換気による損失熱量を表す。Qnは人体、電気機器などの室内の各発熱要素からの発熱量を表し、数3右辺第3項は、当該室内の内部発熱量を表す。
数4では、数1、数2、数3と同一概念のものは同一の符号を用いている。R2、ri1、Li2、R1、T0、Tf2、C、P、V、h1、G2、S及びQnとも、数1、数2、数3の符号と同一概念を表す。
数4の右辺第1項では、当該第1項の左側カッコ内は当該室内から当該中空層への熱透過率を表す。当該第1項の右側カッコ内は、対流熱伝達による当該外装を成す板状体への当該中空層内部空気の損失熱量と、段落0080記載の当該光沢金属面が放射して当該中空層内部の空気が取得する輻射伝熱との差の総量を、当該室内の換気風量V、空気の比熱C及び空気の密度Pで除することにより、当該中空層内部に取り込まれた室内空気の、当該中空層内部で低下する分の温度、即ち、当該室内と当該中空層内部の空気温度との温度差を表す。よって、右辺第1項は、当該中空層から当該室内への熱透過率と当該中空層内部の空気温度と当該室内との温度差との積の総量となり、当該室内から当該中空層への透過熱負荷を表す。
数4の右辺第2項は、ステファン・ボルツマンの式に当該光沢金属面の輻射熱に対する吸収率と同一値である放射率を乗じることにより、段落0080記載の内装を成す板状体が放射する輻射伝熱量を表す。数4の右辺第3項及び同第4項は、数3と同じく、それぞれ当該室内換気による外気の顕熱負荷、当該室内の内部発熱量を表す。
数3の右辺第2項及び同第3項は、数4の右辺第3項及び同第4項と同一であるため、数3の右辺第1項と数4の右辺第1項及び第2項との差異が、従来方式の断熱工法と本実施例との暖房負荷の差異となる。
数3の右辺第1項より、従来方式の断熱工法では、当該建物を冷房する場合と同じく、室内換気により透過熱負荷を変化させることはないが、数2の右辺第1項及び第2項より、本実施例においては、室内換気風量Vが大きくなると透過熱負荷が減少することを表している。また、段落0072の記載と同様に、R2は当該内装を成す板状体の当該中空層側表面の空気の風速に比例して大きくなり、段落0073の記載と同様に、h1は、レイノルズ数及びプラントル数と相関性があり、乱流域において大きくなる。
よって、数4右辺第1項よりより、レイノルズ数を層流域、即ち限界レイノルズ数未満とすることにより、当該内装を成す板状体の熱透過率は小さくなり、且つ、当該中空層内部と当該室内との温度差も小さくなり、その結果、透過熱損失は小さくなる。段落0072の記述のとおり、当該室内換気風量Vと当該中空層の空気の流れと垂直を成す面の断面積を適正に保つことにより、上記レイノルズ数は適正値となる。
数2の右辺第2項においては、当該光沢金属面の輻射熱に対する放射率G2は、段落0053の記述より、0.04であるため、当該建物を冷房する場合と同様に、数4の右辺第2項の値は非常に小さなものとなり、空調負荷の大きな増大要因とはならない。
以上のとおり、当該建物を冷房する場合と同じシステム構成にて、暖房する場合においても当該中空層内部の空気と当該室内との温度差及び熱透過率を低下させ、且つ、当該光沢金属面が当該内装を成す板状体から屋外への輻射伝熱を抑えることにより、当該建物の断熱性能を確保できる。
以上で、本実施例のシステム構成で、内装を成す板状体と外装を成す板状体との間の所定の距離を、室内の換気風量に応じて適正に決定すれば、断熱材を使用することなく、冷房時、暖房時など時節を問わず、当該室内換気の排気を有効利用して当該建物の断熱性能が確保されることが説明された。
本実施例は、既存のRC構造の建物に、本発明システムを設置することを想定したものである。RC構造の建物の外周を成す壁体には、多くの場合、外装を成すコンクリートの壁体に、内装を成す板状体が粘性を有する接着剤にて固着されたGL工法が用いられる。また、天井は、実施例1と類似して、図11の28で示されるコンクリート躯体より、22で示される棒鋼を吊り下げ、当該棒鋼により17で示されるC型鋼を水平方向に吊り下げられ、当該C型鋼を支持体として、当該建物の内装を成す板状体が当該C型鋼に固着された工法が用いられることが多い。本実施例も、当該壁体及び天井の構造にて実施するものとする。
本実施例におけるシステム構成は、実施例1と同じく、図1のとおりである。本実施例では、1で示される外装を成す板状体は、コンクリートの躯体となる。前段落記載のGL工法では、当該コンクリートの躯体に、粘性を有する接着剤が直径150mm程度の半球状に一定の厚みを有して、均一のピッチにて配置され、当該均一に配置された接着剤に当該建物の内装を成す板状体が、当該建物の外周を成す壁面全面に、コンクリート躯体と平行に圧着されるものである。このとき、当該コンクリート表面の平滑誤差の調整のため、当該接着剤の有する粘性を利用して、当該コンクリート躯体に対して、所定の距離を有して当該内装を成す板状体が設置されるものである。当該内装を成す板状体は、図1における2に該当する。
上記所定の距離により形成された空間を、図1の3で示される中空層として利用する。本実施例は、既存の建物を想定しているが、その実施のためには、実施例1と同じく当該内装を成す板状体の当該中空層側に光沢金属面が必要となるため、既存のGL工法壁体が有ってもそれを利用することができない。よって、光沢金属面を有する内装を成す板状体を新規に設けるものとする。天井においても同様に、当該光沢金属面を有する内装を成す板状体を新規に設ける必要があるが、段落0097記載の、棒鋼、C型鋼などの支持体は、再利用してもよいものとする。
図2は、実施例1と同一で、図1のA−A面の、本実施例における内装を成す板状体の断面構造を示している。当該板状体の一方の面は、光沢金属面を形成するためのアルミ蒸着フィルムを備えている。図9は、壁体に用いられる当該内装を成す板状体の投影図である。現在のところ、光沢金属面を有し、且つGL工法に用いられる接着剤と接着性を有する素材は知見されていないため、27で示されるとおり、開口を均一に設け、当該開口の位置に当該接着剤を配置することにより、当該接着剤と内装を成す板状体自体とが直接接するようにされている。
図10は、図1のB−B面の、本実施例における壁体構造の断面図である。前段落記載のとおり、アルミ蒸着フィルムの有する開口の位置に、29で示されるGL工法用接着剤が配置されていて、2で示される内装を成す板状体と、28で示されるコンクリート躯体とが、当該接着剤を介し、相互に所定の距離を有して固着されている。当該所定の距離により、3で示される中空層が形成されている。ここで、当該接着剤は、発泡性のものを使用する。当該発泡性接着剤は、熱透過率が低いため、ヒートブリッジとならないためである。
また、実施例1と同様に、図1のとおり、6、8、11で示される給気口、給気ダクト、外気取入口、及び4、7、10で示される機械式換気装置、排気ダクト、屋外排気口を新規に設ける。既存の給気装置がある場合には、6、8、10に替えて、それを利用してもよいものとする。また、既存の機械式換気装置がある場合には、当該機械式換気装置の吸込口を、当該中空層内部に位置するよう配置替えして、4、7,10に替えてもよいものとする。
さらに、実施例1と同様に、当該中空層と室内とが連通するための開口を設ける。本実施例では、図12の30で示される有孔巾木を使用する。当該有孔巾木の構造は、図13のとおり、巾木本体に、31で示される排気開口を水平方向に均一に多数、有するもので、実施例1、図6の20及び21で示される排気ガラリと巾木の機能を一体化したものである。当該排気開口により、当該室内と当該中空層とが連通する。また、当該排気開口の内の任意数を塞ぐことにより、摩擦損失を変化させて、局所排気風量を調節する機能を有するものである。さらに、排気ガラリと巾木の機能を単一の構成体にすることで、イニシャルコストの削減が可能となる。
上記の構成により、実施例1と同様に、図1、図4及び図5で示される排気経路及び給気経路が形成される。4で示される機械式換気装置の起動により、実施例1と同様に、12で示される空気の流れが発生する。
当該空気の流れの詳細は、実施例1と同様であるため、説明を省略する。また、本実施例では、内装及び外装を成す板状体の熱伝導率が実施例1と異なるだけであるので、当該空気の流れによる熱取得及び熱損失も、実施例1と同一の関係が成り立つ。よって、本実施例における空調負荷の、従来方式の断熱工法との差異を表すには、実施例1の数1、数2、数3及び数4がそのまま適用できる。
従って、本実施例における空調負荷は、実施例1と同様に、当該中空層内部の空気の流れの風速及びレイノルズ数、即ち、当該室内換気風量と、当該中空層内部の空気の流れる方向に対して垂直を成す面の断面積により、断熱性能が決定される。
本実施例で使用されるGL工法では、内装を成す板状体を固着するための接着剤の厚みは、施工時に調節可能なものである。従って、前段落記載の当該中空層内部の断面積を、当該中空層内部空気の風速が適正となるよう、施工時に調節にすることは可能である。また、有孔巾木の開口を任意数、塞ぐことにより、当該室内換気風量及び中空層内部の局所的な風速を調節することも可能である。
上記のとおり、既存のRC構造の建物にGL工法を用いた本実施例において、実施例1と同様な断熱性能を実現できる。さらに、既存の建物、当該建物の付帯設備及び有孔巾木を使用することにより、実施例1よりもイニシャルコストを下げることも可能である。
現存する建物の多くは当該建物の天井面に空気層を有しており、当該空気層及び当該建物の既存の換気装置を利用し、さらに既存の当該建物の壁体内周面と所定の距離を有して光沢金属面を有する内装を成す板状体を設置して中空層を形成することで、僅かなイニシャルコストで、既存の建物の断熱性能を向上させることも可能である。
また、従来の断熱工法とは、断熱する機構そのものが異なるため、従来の断熱工法と組み合わせることにより、本発明と従来の断熱工法とのそれぞれ異なる断熱効果を同時に発揮できる。よって、本発明を他の工法と組み合わせることで、更なる断熱性能を有する断熱工法の創出も可能となる。
本システム断面図。実施例1及び実施例2における本システムの断面構造及びシステムフローを示す。 内装を成す仕上材構造図。図1のA−A面を拡大して、実施例1及び実施例2の内装を成す仕上材の構造の詳細を示す。 壁体構造詳細図1。図1のB−B面を拡大して、実施例1の壁体構造の詳細を示す。 本システム平面図1。図1のC−C面の上方視点における、実施例1の室内平面構成及びシステムフローを示す。 本システム平面図2。図1のD−D面の上方視点における、実施例1の天井裏平面構成及びシステムフローを示す。 本システム室内投影図1。実施例1の室内構成を示す。 屋根構造断面図1。図1のE−E面を拡大して、実施例1の屋根構造の詳細を示す。 排気ガラリ投影図。実施例1における排気ガラリの構造の詳細を示す。 壁体の内装を成す板状体投影図。実施例2における、壁体に用いられる内装を成す板状体の構造の詳細を示す。 壁体構造詳細図2。図1のB−B面を拡大して、実施例2の壁体構造の詳細を示す。 屋根構造断面図2。図1のE−E面を拡大して、実施例2の屋根構造の詳細を示す。 本システム室内投影図2。実施例2の室内構成を示す。 有孔巾木投影図。実施例2における、有孔巾木の構造の詳細を示す。
符号の説明
1 外装を成す板状体
2 内装を成す板状体
3 中空層
4 機械式換気装置
5 内装を成す板状体が有する開口
6 給気口
7 排気ダクト
8 給気ダクト
9 建物の室内
10 屋外排気口
11 外気取入口
12 空気の流れ
13 屋外
14 床材
15 建物の接地面
16 アルミ蒸着フィルム
17 C型鋼
18 間仕切壁
19 室内扉
20 排気ガラリ
21 巾木
22 棒鋼
23 排気ガラリ外枠
24 開度調整羽根
25 軸受孔
26 開度調整羽根回転軸
27 アルミ蒸着フィルムの有する接着用開口
28 コンクリート躯体(実施例2における建物の外装を成す板状体)
29 GL工法用接着剤
30 有孔巾木
31 排気開口
A 断面記号1
B 断面記号2
C 断面記号3
D 断面記号4
E 断面記号5

Claims (7)

  1. 建物の室内と屋外との間の伝熱を防ぐ用に供される断熱システムであって、該建物の屋外との接触面に該建物の外装を成す板状体が、該外装を成す板状体同士、隙間なく設置されて該建物の外周を成し、該建物の内装を成す板状体が該外装を成す板状体と平行且つ所定の距離を有して、該内装を成す板状体同士、隙間なく設置されて該建物の内周を成すことにより、該外装を成す板状体と該内装を成す板状体との間に気密性を有する中空層が形成された建築構造を備え、該内装を成す板状体が複数から成る開口を所定の平面的な方向に均一に有し、該内装を成す板状体が有する開口より所定の距離を有して該中空層内部に備えられ、屋外と連通する少なくともひとつの送気手段にて、該中空層内部から空気を取り込み、屋外に送気することにより該中空層内部を負圧にし、該負圧により該内装を成す板状体が有する開口より該建物の室内空気を該中空層内部に取り入れ、該室内を冷房する時節においては、対流熱伝達により、該中空層に取り込まれた該室内空気に熱を取得させて該空気を屋外に送気することにより、該室内を暖房する時節においては、該中空層内部温度と該室内温度との温度差を小さくすることにより、該建物の屋外から該室内への透過熱による空調負荷を、軽減することを特徴とする建物の断熱システム。
  2. 請求項1記載の建物の断熱システムであって、該内装を成す板状体の該中空層と接する全面に研磨された光沢金属から成る面状体を、該面状体の有する光沢金属面が該中空層側となるように備え、該室内を冷房する時節においては、該光沢金属面にて該外装を成す板状体からの輻射熱が反射することにより、該室内を暖房する時節においては、該光沢金属面の輻射熱に対する放射率が低いために該内装を成す板状体からの輻射熱の放射量が減少することにより、該建物の輻射伝熱による空調負荷を、軽減することを特徴とする建物の断熱システム。
  3. 請求項1記載の建物の断熱システムであって、該建物の所定の位置に該室内と屋外とに連通した外気取入手段を有し、請求項1記載の送気手段として屋外方向に排気する機械式換気装置を備え、該機械式換気装置と該外気取入手段により、該室内の換気と空調負荷の軽減を、同時に行うことを特徴とする建物の断熱システム。
  4. 請求項2記載の建物の断熱システムであって、該室内を冷房する時節において、該光沢金属面が該外装を成す板状体からの輻射熱を反射させて該外装を成す板状体に再放射した輻射熱を、該中空層に取り込まれた室内空気が対流熱伝達により取得して、該室内空気を屋外に排出することにより、該輻射熱の相当熱量を該室内に透過させずに屋外に排出する機能を有する建物の断熱システム。
  5. 請求項1記載の建物の断熱システムであって、該送気手段による該室内空気の屋外への排気にて空調負荷を軽減する機能により、熱透過率の低い断熱材を使用せずに建物の断熱性能を確保することを特徴とする建物の断熱システム。
  6. 請求項1記載の建物の断熱システムであって、該中空層に室内空気を取り入れ該中空層に取り入れられた室内空気を屋外に排出して該中空層内部を換気することにより、該中空層内部の乾燥状態を確保し、該中空層内部からのカビの発生を防ぐ機能を有する建物の断熱システム。
  7. 請求項1記載の建物の断熱システムであって、該中空層内部に室内空気を取り入れて、該内装を成す板状体の該室内側と屋外側の温度差を小さくすることにより、該室内のペリメータゾーンにおける結露の発生を防ぐ機能を有する建物の断熱システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106871316A (zh) * 2017-01-22 2017-06-20 中联西北工程设计研究院有限公司 一种高大洁净空间的送风系统

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