JP2009149807A - 吸熱剤及び吸熱パック - Google Patents
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Abstract
【課題】 水と反応して吸熱する吸熱物質と、結晶水を多量に含有する多水物質とを、高温環境下でも粉体状に維持できる吸熱剤及びその吸熱剤を使用した吸熱パックを提供する。
【解決手段】 吸熱パック1は、水と反応して吸熱する吸熱物質6が収容される袋体A2と、結晶水を多量に含有する多水物質7が収容される袋体B3と、袋体A2と袋体B3とを開閉可能に隔離する仕切り部4と、を有する。使用時に仕切り部4を開いて袋体A2の内部と袋体B3の内部とを連通させ、吸熱物質6と多水物質7とを混合して吸熱反応を生じさせる。多水物質7は、硫酸ナトリウム10水和物と硫酸マグネシウム7水和物とを1:9〜4:6の重量比で混合した物質であり、液化する温度が50℃以上である。
【選択図】 図1
【解決手段】 吸熱パック1は、水と反応して吸熱する吸熱物質6が収容される袋体A2と、結晶水を多量に含有する多水物質7が収容される袋体B3と、袋体A2と袋体B3とを開閉可能に隔離する仕切り部4と、を有する。使用時に仕切り部4を開いて袋体A2の内部と袋体B3の内部とを連通させ、吸熱物質6と多水物質7とを混合して吸熱反応を生じさせる。多水物質7は、硫酸ナトリウム10水和物と硫酸マグネシウム7水和物とを1:9〜4:6の重量比で混合した物質であり、液化する温度が50℃以上である。
【選択図】 図1
Description
本発明は、水と反応して吸熱反応を起こす物質を使用して冷熱を発生させる吸熱剤及びそのような吸熱剤を使用した吸熱パックに関する。
水と反応して吸熱反応を起こす物質としては、硝酸アンモニウムや尿素などが知られている。このような吸熱剤を使用して冷熱を発生させる吸熱パックは、発熱時や歯痛、打撲時などの患部冷却用や、高温下でのレジャーやスポーツに広く使用されている。
このような物質に水を供給する手段としては、硝酸アンモニウム等を収容した袋体内に水が入った内袋を収容し、使用時に内袋を破裂させて内部の水を硝酸アンモニウムと反応させるものがある(例えば、特許文献1参照)。このタイプのものは、水が入った内袋を破裂させる際に、幼児や老齢者では十分な力を与えられず、内袋を破裂させるのが困難な場合がある。また、輸送時や保管時に内袋に外圧が加わって不用意に破裂してしまうことも懸念される。
そこで、水袋の替わりに結晶水を含有した無機塩を使用するものも開示されている(例えば、特許文献2、3参照)。このような無機塩としては、芒硝(硫酸ナトリウム10水和物)が代表的である。このタイプのものは、吸熱物質と、結晶水を含有した無機塩とを各々袋体等に封入して隔離しておき、使用時に両者を混合して吸熱反応を起こさせる。しかし、芒硝は、40℃以上になると、水和物としての結晶(Na2SO4・10H2O)ではなく、硫酸ナトリウムの結晶と水(Na2SO4+10H2O)に変化し、一部が液化してしまうという性質がある。
一方、このような吸熱パックは、場合によっては、温度が40〜50℃の環境下で保管されたり輸送されることがある。すると、芒硝を使用した場合には一部が液化し、製品としての見栄えが悪くなってしまう。また、一部が液化したものは、冷却感が十分でないという問題がある。
さらに、航空機を利用しての輸送時には、低圧下に置かれることとなり、袋体が破裂するような事態も起こり得るので、袋体は低圧環境下で十分な耐性を有することが必要である。例えば、高度10,000mでは外気圧が0.2気圧(飛行機内(貨物室)では0.8気圧)となる。
また、一般的な吸熱パックには、ポリエチレンフィルムやプラスチックシートで作製された袋体が使用されている。このような素材で作製された袋体は、実際に人体に当てる際に、冷気が直接肌に触れて凍傷を起こすことを防止するためや、肌触りを良くするために、タオルなどを巻いて使用する必要がある。さらに、吸熱パックを装着したままにしておく際には、サポーターなどの補助具が必要であった。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、水と反応して吸熱する吸熱物質と、結晶水を多量に含有する多水物質とを、高温環境下でも粉体状に維持できる吸熱剤及びその吸熱剤を使用した吸熱パックを提供することを目的とする。
本発明の吸熱剤は、 水と反応して吸熱する吸熱物質と、結晶水を多量に含有する多水物質とを有し、 使用時に前記吸熱物質と前記多水物質とを混合することにより吸熱反応を生じさせる吸熱剤であって、 前記多水物質が液化する温度が50℃以上であることを特徴とする。
本発明によれば、吸熱物質と反応させる水を、水袋体に収容した水ではなく多水物質から得ているので、水袋体を使用した場合のように、使用時に衝撃を加える必要もなく、収納時や輸送時に水袋体が破裂する懸念もない。さらに、多水物質が50℃まで液化しないので、50℃程度の高温雰囲気下でも多水物質を粉状のままで保管できる。ここで“液化”とは、多水物質が単独のままで水を生じることをいう。
本発明においては、 前記多水物質が、硫酸ナトリウム10水和物(芒硝)、硫酸鉄(II)7水和物、硫酸マグネシウム7水和物、硫酸アンモニウム鉄(III)12水和物、2リン酸ナトリウム10水和物からなる群より選択された1種類ないし2種類以上であることが好ましい。
本発明においては、 前記多水物質が、以下の物質であることが好ましい:
硫酸ナトリウム10水和物(芒硝)と硫酸鉄(II)7水和物とからなり、両者の重量比が、硫酸ナトリウム10水和物:硫酸鉄(II)7水和物=1:9〜4:6である混合物、
硫酸ナトリウム10水和物(芒硝)と硫酸マグネシウム7水和物とからなり、両者の重量比が、硫酸ナトリウム10水和物:硫酸マグネシウム7水和物=1:9〜4:6である混合物、
硫酸鉄(II)7水和物と硫酸アンモニウム鉄(III)12水和物とからなり、両者の重量比が、硫酸鉄(II)7水和物:硫酸アンモニウム鉄(III)12水和物=1:9〜9:1である混合物、
硫酸マグネシウム7水和物と硫酸アンモニウム鉄(III)12水和物とからなり、両者の重量比が、硫酸マグネシウム7水和物:硫酸アンモニウム鉄(III)12水和物=1:9〜9:1である混合物。
硫酸マグネシウム7水和物と2リン酸ナトリウム10水和物とからなり、両者の重量比が、硫酸マグネシウム7水和物:2リン酸ナトリウム10水和物=1:9〜9:1である混合物。
硫酸ナトリウム10水和物(芒硝)と硫酸鉄(II)7水和物とからなり、両者の重量比が、硫酸ナトリウム10水和物:硫酸鉄(II)7水和物=1:9〜4:6である混合物、
硫酸ナトリウム10水和物(芒硝)と硫酸マグネシウム7水和物とからなり、両者の重量比が、硫酸ナトリウム10水和物:硫酸マグネシウム7水和物=1:9〜4:6である混合物、
硫酸鉄(II)7水和物と硫酸アンモニウム鉄(III)12水和物とからなり、両者の重量比が、硫酸鉄(II)7水和物:硫酸アンモニウム鉄(III)12水和物=1:9〜9:1である混合物、
硫酸マグネシウム7水和物と硫酸アンモニウム鉄(III)12水和物とからなり、両者の重量比が、硫酸マグネシウム7水和物:硫酸アンモニウム鉄(III)12水和物=1:9〜9:1である混合物。
硫酸マグネシウム7水和物と2リン酸ナトリウム10水和物とからなり、両者の重量比が、硫酸マグネシウム7水和物:2リン酸ナトリウム10水和物=1:9〜9:1である混合物。
ここで、「からなり」とは「のみからなり」という意味ではなく、実質的な主成分が両物質であるという意味である。液化温度を下げない範囲で、他の成分が混在していてもよい。
多水物質としては、硫酸ナトリウム10水和物(芒硝)が知られているが、この硫酸ナトリウム10水和物は、40〜50℃の環境下で結晶水が分離して液化するという現象が生じる。液化すると、外観が好ましくなく、輸送や収納時にトラブルが生じるおそれがある。そこで、硫酸ナトリウム10水和物に、硫酸鉄(II)7水和物や硫酸マグネシウム7水和物を、所定の重量比で加えることにより、液化する現象を防ぐことができる。これは以下の理由によると考えられる。硫酸ナトリウム10水和物の溶解温度は約34℃である。しかし、硫酸ナトリウム10水和物よりも融点の高い多水和物を入れることにより、仮に硫酸ナトリウム10水和物の結晶水と硫酸ナトリウムが分離し溶解が起きた際にも、混合されている他の多水和物が吸湿することによって、液化する現象を防いでいるものと考えられる。
さらに、硫酸鉄(II)7水和物と硫酸アンモニウム鉄(III)12水和物とを所定の混合比で混合した混合物や、硫酸鉄(II)7水和物:硫酸アンモニウム鉄(III)12水和物とを所定の混合比で混合した混合物も、50℃の環境下で結晶水が分離して液化するという現象が生じない。これは以下の理由によると考えられる。そもそも、硫酸鉄(II)7水和物の融点は64℃であり、硫酸アンモニウム鉄(III)12水和物は175℃まで水を失わない物質である。そのため、50℃の環境下においても結晶水が分離することなく、粒状で存在することが可能だと考えられる。
なお、これらの物質の中には、単独で用いても液化しないものがあるが、本発明のように混合して用いることにより、コスト低下はもちろんのこと、尿素や硝酸アンモニウムに代表される、水と反応して吸熱する物質において、反応の際に融点の低下が生じる効果があると考えられる。
本発明においては、 前記水と反応して吸熱する吸熱物質が、硝酸アンモニウム、尿素、又は、塩化アンモニウム、酸性硫酸アンモニウム、リン酸水素2アンモニウム及びヨウ化アンモニウムに代表される無機アンモニウム塩、又は、硝酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、硝酸カルシウム及び硝酸尿素に代表される無機塩類であることが好ましい。特には、硝酸アンモニウム又は尿素であることが最も好ましい。
硝酸アンモニウムや尿素は、水と反応して吸熱反応を起こす物質として知られており、一般に販売されているものはコスト低下などの事情によりこれらの混合したものを用いている。これらの物質は、単体では40〜50℃の環境下において液化しないので、粉体の形状のまま保管できる。しかし、尿素と硝酸アンモニウムを混合したものは、重量比が1:9〜9:1の割合の場合、40℃以上で保管すると液状あるいは湿潤化現象が見られる。本発明においては、50℃以上の温度下での保管を想定しているため、この混合物は使用不可である。なお、硝酸アンモニウムが吸熱反応性が高いため好ましい。
硝酸アンモニウムと水との反応は、以下の式で表される。
NH4NO3(固)+H2O=NH4NO・3aq−25.7kJ
一方、尿素と水との反応は、以下の式で表される。
CO(NH2)2(固)+H2O=CO(NH2)・2aq−15.4kJ
硝酸アンモニウムと水との反応は、以下の式で表される。
NH4NO3(固)+H2O=NH4NO・3aq−25.7kJ
一方、尿素と水との反応は、以下の式で表される。
CO(NH2)2(固)+H2O=CO(NH2)・2aq−15.4kJ
本発明の吸熱剤においては、多水物質の結晶水と多水物質との重量比が0.5:1〜6:5であることが好ましく、より好ましくは、1:1〜5:4、最も好ましくは1:1〜4:3である。0.5:1より低ければ、反応が不完全なままで終了してしまうという問題があり、6:5より高ければ冷熱効果を得られる時間が短くなってしまうという問題がある。
本発明の吸熱パックは、 水と反応して吸熱する吸熱物質が収容されるA室と、 結晶水を多量に含有する多水物質が収容されるB室と、 前記A室とB室とを開閉可能に隔離する仕切り部と、を有し、 使用時に、前記仕切り部を開いて前記A室とB室とを連通させ、前記吸熱物質と多水物質とを混合して吸熱反応を生じさせる吸熱パックであって、 前記多水物質が、上記に記載の吸熱剤に使用される物質であることを特徴とする。
本発明の他の態様の吸熱パックは、 水と反応して吸熱する吸熱物質が収容される袋体Aと、 結晶水を多量に含有する多水物質が収容される袋体Bと、 前記袋体Aと袋体Bとを開閉可能に隔離する仕切り部と、を有し、 使用時に、前記仕切り部を開いて前記袋体Aの内部と前記袋体Bの内部とを連通させ、前記吸熱物質と多水物質とを混合して吸熱反応を生じさせる吸熱パックであって、 前記多水物質が、上記に記載の吸熱剤に使用される物質であることを特徴とする。
本発明においては、 前記袋体A及び袋体Bの両面又は片面が、不織布の内面に防水層を設けた包材で作製されていることが好ましい。
一般的な吸熱パックには、ポリエチレンフィルムやプラスチックシートで作製された袋体が使用されている。このような素材で作製された袋体は、実際に人体に当てる際に、冷気が直接肌に触れて凍傷を起こすことを防止するためや、肌触りを良くするために、タオルなどを巻いて使用されていた。しかし、本発明によれば、袋体の不織布の側を人体に当てれば、肌触りが良くなるとともに、人体に伝えられる冷気がやや緩和される。
本発明不織布の材質や物性としては、以下のようなものを挙げることができる。
本発明の袋体の不織布の材質は、コットンやパルプ羊毛などの天然繊維、ビスコース(レーヨン)やキュプラなどの再生繊維、または、6−ナイロン、6,6−ナイロンなどのポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ポリグリコール酸をはじめとする直鎖又は分岐の炭素数20までのポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類、アクリルなどの合成繊維などを用いることができる。これらは2種類以上の素材のものを複合して使用してもよい。また、不織布の製造方法は、スパンレース法、スパンボンド法などによることができる。
不織布の物性は、目付(秤量)(g/m2);40〜70、厚さ(μm);170〜2000、縦引張強度(N/5cm);35〜380、横引張強度(N/5cm);13〜165、縦引張伸度(%);80以下、横引張伸度(%);120以下のものなどを用いることができる。不織布の厚さは、例えば、200〜560μmである。
本発明の袋体の不織布の材質は、コットンやパルプ羊毛などの天然繊維、ビスコース(レーヨン)やキュプラなどの再生繊維、または、6−ナイロン、6,6−ナイロンなどのポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ポリグリコール酸をはじめとする直鎖又は分岐の炭素数20までのポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類、アクリルなどの合成繊維などを用いることができる。これらは2種類以上の素材のものを複合して使用してもよい。また、不織布の製造方法は、スパンレース法、スパンボンド法などによることができる。
不織布の物性は、目付(秤量)(g/m2);40〜70、厚さ(μm);170〜2000、縦引張強度(N/5cm);35〜380、横引張強度(N/5cm);13〜165、縦引張伸度(%);80以下、横引張伸度(%);120以下のものなどを用いることができる。不織布の厚さは、例えば、200〜560μmである。
また、防水層は、例えば、合成樹脂フィルムをラミネート加工することにより形成することができる。合成樹脂フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、共重合ポリアミド系樹脂、共重合ポリエステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、エストラマーなど、あるいは、それらの二種類以上の混合樹脂からなる単層フィルムや積層フィルムを用いることができる。
防水層は、不織布の一面に、押出しラミネート加工や加熱貼りあわせ加工などにより形成される。防水層の厚さは、例えば、10〜100μmである。
防水層は、不織布の一面に、押出しラミネート加工や加熱貼りあわせ加工などにより形成される。防水層の厚さは、例えば、10〜100μmである。
さらに、仕切り部を開閉可能に隔離する密閉手段としては、密閉できるものであれば制限はないが、例えば、凹凸を用いたファスナー、マジックテープ(登録商標)、両面テープ、凹凸を用いたクリップ、熱シールや超音波シールなどの手段を用いることができる。
本発明においては、 前記袋体A及び袋体B及の外面に、人体や衣服へ装着可能な粘着部が設けられていることとすれば、吸熱パックを人体や衣服へ貼って使用できる。
粘着部としては、例えば、一般的な使い捨てカイロに使用されているような粘着剤や、マジックテープ(登録商標)、親水性高分子増粘剤から得られる含水親水性ゲル剤などの手段を使用できる。このような粘着剤としては、例えば、アクリル系やホットメルト系の非水性粘着剤や酢酸ビニル系粘着剤、ポリビニルアセタール系粘着剤、塩化ビニル系粘着剤、アクリル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ポリエチレン系粘着剤、セルロース系粘着剤、クロロプレン(ネオプレン)系粘着剤、ニトリルゴム系粘着剤、スチレンゴム系粘着剤、ポリサルファイド系粘着剤、ブチルゴム系粘着剤又はシリコーンゴム系粘着剤などを使用できる(特願平3−175838参照)。また、含水親水性ゲル剤としては、ポリアクリル酸ポリアクリル酸塩、セルロール誘導体等の高分子増粘剤などを使用できる(特願2004−72497参照)。なお、製品として完成させる際には、粘着部の外側に、粘着部を保護するための剥離フィルムを貼り付けておく。
以上の説明から明らかなように、本発明の吸熱剤は、水と反応して吸熱する吸熱物質と、結晶水を多量に含有する多水物質とを、高温環境下でも粉体状に維持することができる。吸熱パックにこの吸熱剤を使用することにより、高温環境下での保管や輸送時にも多水物質が液化しないので、製品を外観を損ねずに提供できる。また、袋体の外面が不織布であるので、吸熱パックの肌触りがよくなる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る吸熱パックを説明する図であり、図1(A)は全体の斜視図、図1(B)は断面図である。
吸熱パック1は、袋体A2と、袋体B3と、袋体A2と袋体B3とを開閉可能に隔離する仕切り部4とを有する。仕切り部4には、開閉可能な密閉手段5が設けられている。仕切り部4には、密閉手段5を開くときに指でつまむツマミのようなものを付けてもよい。袋体A2には、水と反応して吸熱する吸熱物質6が収容されており、袋体B3には、結晶水を多量に含有する多水物質7が収容されている。使用する際には、仕切り部4の密閉手段5を開いて袋体A2の内部と袋体B3の内部とを連通させ、吸熱物質6と多水物質7とを混合して吸熱反応を生じさせる。
図1は、本発明の実施の形態に係る吸熱パックを説明する図であり、図1(A)は全体の斜視図、図1(B)は断面図である。
吸熱パック1は、袋体A2と、袋体B3と、袋体A2と袋体B3とを開閉可能に隔離する仕切り部4とを有する。仕切り部4には、開閉可能な密閉手段5が設けられている。仕切り部4には、密閉手段5を開くときに指でつまむツマミのようなものを付けてもよい。袋体A2には、水と反応して吸熱する吸熱物質6が収容されており、袋体B3には、結晶水を多量に含有する多水物質7が収容されている。使用する際には、仕切り部4の密閉手段5を開いて袋体A2の内部と袋体B3の内部とを連通させ、吸熱物質6と多水物質7とを混合して吸熱反応を生じさせる。
まず、吸熱物質と多水物質について説明する。
(1)吸熱物質
水と反応して吸熱する吸熱物質としては、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、酸性硫酸アンモニウム、臭化アンモニウム、リン酸水素2アンモニウム、リン酸水素アンモニウム、ヨウ化アンモニウム、硝酸カルシウム、硝酸尿素、尿素などが挙げられる。今回は、反応性の良好な硝酸アンモニウム(工業用、日本化成社製)を単体で使用した。尿素としては、日産化学社製の工業用のものを使用できる。なお、硝酸アンモニウムの融点は170℃、尿素の融点は132℃程度であるので、40〜50℃の高温環境下でも溶解しない。
(1)吸熱物質
水と反応して吸熱する吸熱物質としては、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、酸性硫酸アンモニウム、臭化アンモニウム、リン酸水素2アンモニウム、リン酸水素アンモニウム、ヨウ化アンモニウム、硝酸カルシウム、硝酸尿素、尿素などが挙げられる。今回は、反応性の良好な硝酸アンモニウム(工業用、日本化成社製)を単体で使用した。尿素としては、日産化学社製の工業用のものを使用できる。なお、硝酸アンモニウムの融点は170℃、尿素の融点は132℃程度であるので、40〜50℃の高温環境下でも溶解しない。
(2)多水物質
多水物質とは、結晶水を多量に含有する物質であり、硫酸ナトリウム10水和物、硫酸鉄(II)7水和物、硫酸マグネシウム7水和物、硫酸アンモニウム鉄(III)12水和物、2リン酸ナトリウム10水和物などが挙げられる。
多水物質とは、結晶水を多量に含有する物質であり、硫酸ナトリウム10水和物、硫酸鉄(II)7水和物、硫酸マグネシウム7水和物、硫酸アンモニウム鉄(III)12水和物、2リン酸ナトリウム10水和物などが挙げられる。
これらの多水物質について、40〜50℃の環境下における溶解性を調査した。
(2.1)サンプル
前述の物質を単独又は混合して、以下のサンプルを用意した。
サンプルNo.1:硫酸ナトリウム10水和物(芒硝、鹿1級、関東化学社製)、
サンプルNo.2:硫酸鉄(II)7水和物(食品添加物、関東化学社製)、
サンプルNo.3:硫酸マグネシウム7水和物(鹿1級、関東化学社製)、
サンプルNo.4:硫酸アンモニウム鉄(III)12水和物(鹿1級、関東化学社製)、
サンプルNo.5:2リン酸ナトリウム10水和物(鹿1級、関東化学社製)、
サンプルNo.6:硫酸ナトリウム10水和物と硫酸鉄(II)7水和物の混合物、
サンプルNo.7:硫酸ナトリウム10水和物と硫酸マグネシウム7水和物の混合物、
サンプルNo.8:硫酸鉄(II)7水和物と硫酸アンモニウム鉄(III)12水和物の混合物、
サンプルNo.9:硫酸マグネシウム7水和物と硫酸アンモニウム鉄(III)12水和物の混合物、
サンプルNo.10:硫酸マグネシウム7水和物と2リン酸ナトリウム10水和物の混合物。
(2.1)サンプル
前述の物質を単独又は混合して、以下のサンプルを用意した。
サンプルNo.1:硫酸ナトリウム10水和物(芒硝、鹿1級、関東化学社製)、
サンプルNo.2:硫酸鉄(II)7水和物(食品添加物、関東化学社製)、
サンプルNo.3:硫酸マグネシウム7水和物(鹿1級、関東化学社製)、
サンプルNo.4:硫酸アンモニウム鉄(III)12水和物(鹿1級、関東化学社製)、
サンプルNo.5:2リン酸ナトリウム10水和物(鹿1級、関東化学社製)、
サンプルNo.6:硫酸ナトリウム10水和物と硫酸鉄(II)7水和物の混合物、
サンプルNo.7:硫酸ナトリウム10水和物と硫酸マグネシウム7水和物の混合物、
サンプルNo.8:硫酸鉄(II)7水和物と硫酸アンモニウム鉄(III)12水和物の混合物、
サンプルNo.9:硫酸マグネシウム7水和物と硫酸アンモニウム鉄(III)12水和物の混合物、
サンプルNo.10:硫酸マグネシウム7水和物と2リン酸ナトリウム10水和物の混合物。
(2.2)試験方法
各サンプルを所定量(10g)秤量し、容量が30ccのパックスクリュー管瓶(ラボラン(登録商標)、AS ONE社製)に封入した。各瓶を40℃及び50℃(湿度40%)の恒温室に放置し、12時間後の溶解性を目視で観測した。
各サンプルを所定量(10g)秤量し、容量が30ccのパックスクリュー管瓶(ラボラン(登録商標)、AS ONE社製)に封入した。各瓶を40℃及び50℃(湿度40%)の恒温室に放置し、12時間後の溶解性を目視で観測した。
以上の結果から、40〜50℃の高温環境下で液化しない物質は以下のものである。
単独物質では、
(1)サンプルNo.2:硫酸鉄(II)7水和物、
(2)サンプルNo.3:硫酸マグネシウム7水和物、
(3)サンプルNo.5:2リン酸ナトリウム10水和物。
単独物質では、
(1)サンプルNo.2:硫酸鉄(II)7水和物、
(2)サンプルNo.3:硫酸マグネシウム7水和物、
(3)サンプルNo.5:2リン酸ナトリウム10水和物。
混合物では、
(1)サンプルNo.6:硫酸ナトリウム10水和物(芒硝)と硫酸鉄(II)7水和物とを、重量比が1:9〜4:6で混合した混合物、
(2)サンプルNo.7:硫酸ナトリウム10水和物(芒硝)と硫酸マグネシウム7水和物とを、重量比が1:9〜4:6で混合した混合物、
(3)サンプルNo.8:硫酸鉄(II)7水和物と硫酸アンモニウム鉄(III)12水和物とを、重量比が1:9〜9:1で混合した混合物、
(4)サンプルNo.9:硫酸マグネシウム7水和物と硫酸アンモニウム鉄(III)12水和物とを、重量比が1:9〜9:1で混合した混合物。
(5)サンプルNo.10:硫酸マグネシウム7水和物と2リン酸ナトリウム10水和物とを、重量比が1:9〜9:1で混合したの混合物。
(1)サンプルNo.6:硫酸ナトリウム10水和物(芒硝)と硫酸鉄(II)7水和物とを、重量比が1:9〜4:6で混合した混合物、
(2)サンプルNo.7:硫酸ナトリウム10水和物(芒硝)と硫酸マグネシウム7水和物とを、重量比が1:9〜4:6で混合した混合物、
(3)サンプルNo.8:硫酸鉄(II)7水和物と硫酸アンモニウム鉄(III)12水和物とを、重量比が1:9〜9:1で混合した混合物、
(4)サンプルNo.9:硫酸マグネシウム7水和物と硫酸アンモニウム鉄(III)12水和物とを、重量比が1:9〜9:1で混合した混合物。
(5)サンプルNo.10:硫酸マグネシウム7水和物と2リン酸ナトリウム10水和物とを、重量比が1:9〜9:1で混合したの混合物。
再度、図1を参照して袋体について説明する。
袋体A2及び袋体3は、図1(B)に示すように、不織布11の一面に防水層12を設けた包材10で作製されている。不織布11として、非撥水性の不織布(100%レーヨン、国光製紙社製)を用いた。同不織布の物性は、目付(秤量)(g/m2);50、厚さ(μm);400、縦引張強度(N/25mm);41、横引張強度(N/25mm);9.5、縦引張伸度(%);27以下、横引張伸度(%);120以下、である。今回使用した不織布はスパンレース法で作製されている。スパンレース法とは、高圧の水流を柱状に噴射して繊維を絡ませる製法で、柔軟でドレープ性に富み、羽毛立ちのない不織布を製造できる。この方法で製造された不織布は、主にオムツや医療資材、食品用や掃除用の生活資材に使用されている。不織布11の厚さは、460μmである。
袋体A2及び袋体3は、図1(B)に示すように、不織布11の一面に防水層12を設けた包材10で作製されている。不織布11として、非撥水性の不織布(100%レーヨン、国光製紙社製)を用いた。同不織布の物性は、目付(秤量)(g/m2);50、厚さ(μm);400、縦引張強度(N/25mm);41、横引張強度(N/25mm);9.5、縦引張伸度(%);27以下、横引張伸度(%);120以下、である。今回使用した不織布はスパンレース法で作製されている。スパンレース法とは、高圧の水流を柱状に噴射して繊維を絡ませる製法で、柔軟でドレープ性に富み、羽毛立ちのない不織布を製造できる。この方法で製造された不織布は、主にオムツや医療資材、食品用や掃除用の生活資材に使用されている。不織布11の厚さは、460μmである。
防水層12としては、ポリエチレンテレフタラート(PET)を用いた。このPETを、不織布11の一面に、押出しラミネート法により形成した。防水層12の厚さは、50μmである。
所定の寸法の長方形の包材10を2枚用意し、両者を防水層12が内側になるように重ねて周囲をシールし、長手方向の中央に仕切り部4を設けて、2枚の包材10で形成される袋体A(A室)2と袋体B(B室)3とを形成した。仕切り部4には、密閉手段5が設けられており、袋体A2と袋体B3とを隔離している。密閉手段5としては、図1に示すような凸部5aと凹部5bとからなるファスナー(PP製又はLL−PP製、出光ユニテック社製)や、両面テープ(アクリル系接着剤、日東ライフテック社製)を使用できる。
次に、冷却パック1を航空機で輸送する場合を考慮して、密閉手段としてファスナーと両面テープを用いたものを用いて低圧環境下における耐性を調べた。
(1)試験方法
密閉手段5としてファスナーを使用したサンプルと、両面テープを使用したサンプル準備し、各サンプルの袋体Aに硝酸アンモニウム(重量100g)を封入し、袋体Bに硫酸ナトリウム10水和物と硫酸マグネシウム7水和物とを2.5:7.5の重量比で混合したもの(重量100g)を封入した。各サンプルを、JIS S4100使い捨てカイロの6.2に記載されている密封性試験装置を応用し、真空デシケータ中に金網を置き、その上にサンプル袋体を静置した。さらに真空発生機(日本ピスコ社製)によって減圧し、耐圧能力を目視で観察した。
(1)試験方法
密閉手段5としてファスナーを使用したサンプルと、両面テープを使用したサンプル準備し、各サンプルの袋体Aに硝酸アンモニウム(重量100g)を封入し、袋体Bに硫酸ナトリウム10水和物と硫酸マグネシウム7水和物とを2.5:7.5の重量比で混合したもの(重量100g)を封入した。各サンプルを、JIS S4100使い捨てカイロの6.2に記載されている密封性試験装置を応用し、真空デシケータ中に金網を置き、その上にサンプル袋体を静置した。さらに真空発生機(日本ピスコ社製)によって減圧し、耐圧能力を目視で観察した。
(2)結果
両サンプルとも、−0.08〜−0.085MPaの圧力下まで、密閉手段が開いて袋体Aの内部と袋体Bの内部とが連通したり、中身が漏れるといった異常は観察されなかった。つまり、ファスナーと両面テープの両方とも、低圧環境下において耐性があることが確認された。なお、−0.08MPaとは、通常の1気圧=0.1013MPaを基準とし、どの程度減圧されたかを示す数値であるので、数値表記がマイナスとなっている。そこで、0.1013MPaから測定された0.08を引いた際に求められた数値は0.0213である。1気圧=0.1013MPaであるので、単位換算すると0.2気圧まで耐性があるといえる。
両サンプルとも、−0.08〜−0.085MPaの圧力下まで、密閉手段が開いて袋体Aの内部と袋体Bの内部とが連通したり、中身が漏れるといった異常は観察されなかった。つまり、ファスナーと両面テープの両方とも、低圧環境下において耐性があることが確認された。なお、−0.08MPaとは、通常の1気圧=0.1013MPaを基準とし、どの程度減圧されたかを示す数値であるので、数値表記がマイナスとなっている。そこで、0.1013MPaから測定された0.08を引いた際に求められた数値は0.0213である。1気圧=0.1013MPaであるので、単位換算すると0.2気圧まで耐性があるといえる。
図2は、本発明の実施の形態に係る吸熱パックの他の例を示す断面図である。
この例の吸熱パック1´は、図1の吸熱パック1の一面(外面)に粘着層15を設けたものである。粘着層15としては、アクリル系やホットメルト系の非水性粘着剤などの、従来の貼付式使い捨てカイロなどに使用されているもの方法を用いることができる。なお、製品として完成させる際には、粘着層15の外側に、同層を保護するための剥離フィルムを貼り付けておく。
このように粘着層15を設けることにより、吸熱パック1´をサポーターなどの補助具なしで装着できる。
この例の吸熱パック1´は、図1の吸熱パック1の一面(外面)に粘着層15を設けたものである。粘着層15としては、アクリル系やホットメルト系の非水性粘着剤などの、従来の貼付式使い捨てカイロなどに使用されているもの方法を用いることができる。なお、製品として完成させる際には、粘着層15の外側に、同層を保護するための剥離フィルムを貼り付けておく。
このように粘着層15を設けることにより、吸熱パック1´をサポーターなどの補助具なしで装着できる。
本発明の吸熱パック1の実施例を図1を参照して説明する。
不織布11(100%レーヨン、国光製紙社製)の一面に、防水層12としてポリエチレンテレフタラート(PET)を押出しラミネート加工により設けて包材10を作製した。寸法が220mm×120mmの包材10を、防水層12が内側になるように重ね、両者の周囲をシールするとともに、長手方向の中央に、密閉手段5として凹凸を用いたファスナーを袋体の中心部に設けた。これにより、密閉手段5で隔離された袋体A2と袋体B3を形成した。袋体A2の寸法は、100mm×120mmであり、袋体B3の寸法は100mm×120mmである。各袋体のシール幅は10mmである。
不織布11(100%レーヨン、国光製紙社製)の一面に、防水層12としてポリエチレンテレフタラート(PET)を押出しラミネート加工により設けて包材10を作製した。寸法が220mm×120mmの包材10を、防水層12が内側になるように重ね、両者の周囲をシールするとともに、長手方向の中央に、密閉手段5として凹凸を用いたファスナーを袋体の中心部に設けた。これにより、密閉手段5で隔離された袋体A2と袋体B3を形成した。袋体A2の寸法は、100mm×120mmであり、袋体B3の寸法は100mm×120mmである。各袋体のシール幅は10mmである。
次に、袋体A2に、吸熱物質6として硝酸アンモニウム(工業用、日本化学社製)を100g封入し、袋体B3に、多水物質7として硫酸ナトリウム10水和物(鹿1級、関東化学社製)と硫酸マグネシウム7水和物(鹿1級、関東化学社製)とを重量比4:6で混合した混合物150gを封入して吸熱パック1を作製した。
次に、密閉手段5を開いて袋体A2の内部と袋体B3の内部とを連通させて、パック1を振り、吸熱物質6と多水物質7とを混合した。すると、吸熱反応が起き、パック1の表面が冷却され始めた。
図3は、吸熱剤の温度変化を示すグラフである。縦軸は温度、横軸は経過時間を表す。
この例では、容量300ミリリットルのガラス製ビーカーに所定量の吸熱剤を封入し、その温度を測定した。
なお、比較例として、多水物質7として水(100g)を用いたものと、硫酸ナトリウム10水和物(芒硝)(100g)を用いたものと、についても温度変化を測定した。環境温度は25±3.0℃とした。グラフ中、硝安と記されているものは、硝酸アンモニウムである。
この例では、容量300ミリリットルのガラス製ビーカーに所定量の吸熱剤を封入し、その温度を測定した。
なお、比較例として、多水物質7として水(100g)を用いたものと、硫酸ナトリウム10水和物(芒硝)(100g)を用いたものと、についても温度変化を測定した。環境温度は25±3.0℃とした。グラフ中、硝安と記されているものは、硝酸アンモニウムである。
グラフに示すように、本発明の、多水物質7として硫酸ナトリウム10水和物と硫酸マグネシウム7水和物の混合物を用いたものは、測定開始後急激に温度が低下し、約8分後に−12℃程度まで低下した。その後徐々に上昇するが、50分後にも12℃程度を保ってた。この温度経過は、多水物質として硫酸ナトリウム10水和物を用いたものよりもやや劣るが、吸熱パックとして使用するには支障はない。
また、この吸熱パック1は、使用前の状態で40〜50℃の高温環境下に24時間放置しても、吸熱物質6、多水物質7とも粉末状のままであることが確認された。さらに、0.2気圧にも耐えることが可能である。
1、1´ 吸熱パック 2 袋体A
3 袋体B 4 仕切り部
5 密閉手段
10 包材 11 不織布
12 防水層 15 粘着層
3 袋体B 4 仕切り部
5 密閉手段
10 包材 11 不織布
12 防水層 15 粘着層
Claims (13)
- 水と反応して吸熱する吸熱物質と、結晶水を多量に含有する多水物質とを有し、
使用時に前記吸熱物質と前記多水物質とを混合することにより吸熱反応を生じさせる吸熱剤であって、
前記多水物質が液化する温度が50℃以上であることを特徴とする吸熱剤。 - 前記多水物質が、硫酸ナトリウム10水和物(芒硝)、硫酸鉄(II)7水和物、硫酸マグネシウム7水和物、硫酸アンモニウム鉄(III)12水和物及び2リン酸ナトリウム10水和物からなる群より選択された1種類ないし2種類以上であることを特徴とする請求項1記載の吸熱剤。
- 前記多水物質が、硫酸ナトリウム10水和物(芒硝)と硫酸鉄(II)7水和物とからなり、
両者の重量比が、硫酸ナトリウム10水和物:硫酸鉄(II)7水和物=1:9〜4:6であることを特徴とする請求項1記載の吸熱剤。 - 前記多水物質が、硫酸ナトリウム10水和物(芒硝)と硫酸マグネシウム7水和物とからなり、
両者の重量比が、硫酸ナトリウム10水和物:硫酸マグネシウム7水和物=1:9〜4:6であることを特徴とする請求項1記載の吸熱剤。 - 前記多水物質が、硫酸鉄(II)7水和物と硫酸アンモニウム鉄(III)12水和物とからなり、
両者の重量比が、硫酸鉄(II)7水和物:硫酸アンモニウム鉄(III)12水和物=1:9〜9:1であることを特徴とする請求項記載の吸熱剤。 - 前記多水物質が、硫酸マグネシウム7水和物と硫酸アンモニウム鉄(III)12水和物とからなり、
両者の重量比が、硫酸マグネシウム7水和物:硫酸アンモニウム鉄(III)12水和物=1:9〜9:1であることを特徴とする請求項1記載の吸熱剤。 - 前記多水物質が、硫酸マグネシウム7水和物と2リン酸ナトリウム10水和物とからなり、
両者の重量比が、硫酸マグネシウム7水和物:2リン酸ナトリウム10水和物=1:9〜9:1であることを特徴とする請求項1記載の吸熱剤。 - 前記水と反応して吸熱する吸熱物質が、硝酸アンモニウム、尿素、又は、塩化アンモニウム、酸性硫酸アンモニウム、リン酸水素2アンモニウム及びヨウ化アンモニウムに代表される無機アンモニウム塩、又は、硝酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、硝酸カルシウム及び硝酸尿素に代表される無機塩類であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の吸熱剤。
- 前記多水物質における結晶水の重量と前記吸熱物質の重量との比が、
多水物質結晶水:吸熱物質=0.5:1〜6:5であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の吸熱剤。 - 水と反応して吸熱する吸熱物質が収容されるA室と、
結晶水を多量に含有する多水物質が収容されるB室と、
前記A室とB室とを開閉可能に隔離する仕切り部と、を有し、
使用時に、前記仕切り部を開いて前記A室とB室とを連通させ、前記吸熱物質と多水物質とを混合して吸熱反応を生じさせる吸熱パックであって、
前記多水物質が、請求項1〜9のいずれか1項に記載の吸熱剤に使用される物質であることを特徴とする吸熱パック。 - 水と反応して吸熱する吸熱物質が収容される袋体Aと、
結晶水を多量に含有する多水物質が収容される袋体Bと、
前記袋体Aと袋体Bとを開閉可能に隔離する仕切り部と、を有し、
使用時に、前記仕切り部を開いて前記袋体Aの内部と前記袋体Bの内部とを連通させ、前記吸熱物質と多水物質とを混合して吸熱反応を生じさせる吸熱パックであって、
前記多水物質が、請求項1〜9のいずれか1項に記載の吸熱剤に使用される物質であることを特徴とする吸熱パック。 - 前記袋体A及び袋体Bの両面又は片面が、不織布の内面に防水層を設けた包材又はプラスチックフィルムで作製されていることを特徴とする請求項10又は11記載の吸熱パック。
- 前記袋体A及び袋体B及の外面に、人体や衣服へ装着可能な粘着部が設けられていることを特徴とする請求項10又は11記載の吸熱パック。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007330086A JP2009149807A (ja) | 2007-12-21 | 2007-12-21 | 吸熱剤及び吸熱パック |
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JP2007330086A JP2009149807A (ja) | 2007-12-21 | 2007-12-21 | 吸熱剤及び吸熱パック |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2009149807A true JP2009149807A (ja) | 2009-07-09 |
Family
ID=40919320
Family Applications (1)
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JP (1) | JP2009149807A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5344507B1 (ja) * | 2012-08-08 | 2013-11-20 | 日清食品ホールディングス株式会社 | 液体調味料濃縮方法。 |
JP2015062655A (ja) * | 2013-09-02 | 2015-04-09 | タカビシ化学株式会社 | 冷却剤袋 |
CN112961722A (zh) * | 2021-03-04 | 2021-06-15 | 天津市弘亚润滑粉制造有限公司 | 一种用于金属线材的新型拉丝粉 |
-
2007
- 2007-12-21 JP JP2007330086A patent/JP2009149807A/ja active Pending
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