JP2009148287A - 樹状細胞のレセプター - Google Patents

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Abstract

【課題】樹状(dencdritic)細胞のレセプターに関して、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、ベクターを提供する。また、これらを産生する方法、これらを含む構築物、薬剤も提供する。
【解決手段】ヒト由来の特定なアミノ酸配列のアミノ酸を含む(からなる)単離ポリペプチド、これをエンコードする特定なヌクレオチド配列のヌクレオチドを含む単離ポリヌクレオチド、この配列を含むベクターを宿主細胞に導入して、培養することにより該単離ポリペプチドを産生する。
【選択図】なし

Description

本研究は樹状(dencdritic)細胞のレセプターに関する。本研究は特にヒトDEC-205、その産生および使用、およびそれが結合するリガンドに関する。ヒトDEC-205およびそのリガンドは病気の予防および治療に有用である。
樹状細胞は、抗原を細胞表面の主要な組織適合性複合体(MHC)分子に結合したペプチドの形でT細胞に呈示することにより、重要な免疫調整機能を果たす。それゆえ、この抗原呈示機能が成し遂げられる機構の同定は、特にヒトでは、病気の予防および治療における免疫応答の操作に重要な密接な関係を有する。
Jiang等、Nature 375:151-155(1995)は、205 kDaの分子量を有するマウスの樹状細胞レセプター(マウスDEC-205)を開示している。しかしながら、彼等はヒトの樹状細胞上のレセプターについては開示していない。
出願人は現在、ヒトの樹状細胞上のレセプターを同定したところである。本発明は概してこのレセプター(マウスDEC-205のヒトでの相同物と見られる)に向けて行なわれたものである。
本発明は多数の局面を有する。第一の局面においては、本発明は、配列番号1に記載されたアミノ酸配列のアミノ酸を含む単離ポリペプチドを提供する。
他の局面においては、本発明は、配列番号1に記載されたアミノ酸配列のアミノ酸からなる単離ポリペプチドを提供する。
さらなる局面においては、本発明は、配列番号1に記載されたアミノ酸配列のアミノ酸27〜1722を含む単離ポリペプチドを提供する。
さらなる局面においては、本発明は、配列番号1に記載されたアミノ酸配列のアミノ酸27〜1661を含む単離ポリペプチドを提供する。
また他の局面においては、本発明は、配列番号1に記載されたアミノ酸配列のアミノ酸1208〜1323を含む単離ポリペプチドを提供する。
また、本発明は、上記いずれか1つのポリペプチドをエンコードする単離ポリヌクレオチドを提供する。
他の局面においては、本発明は、配列番号2に記載されたヌクレオチド配列のヌクレオチドを含む上記の単離ポリヌクレオチドを提供する。
他の局面においては、本発明は、配列番号2に記載されたヌクレオチド配列のヌクレオチド64〜5166を含む上記単離ポリヌクレオチドを提供する。
上記単離ポリヌクレオチドは、DNAであってよい。
さらなる局面において、本発明は、上記のポリヌクレオチドを含むベクターを提供する。
さらなる局面においては、本発明は、上記いずれか1つに記載のポリペプチドを産生する方法であって、
(a)上記のベクターで軽質転換またはトランスフェクトされている宿主細胞を培養する工程と、
(b)発現されたポリペプチドを回収する工程と
を包含する、方法を提供する。
さらなる局面において、本発明は、上記いずれか1つに記載のポリペプチドと特異的に結合する抗体または抗体断片を提供する。
他の局面において、本発明は、上記のポリペプチドと特異的に結合する抗体または抗体断片を提供する。
さらなる局面において、本発明は、患者に防御性免疫応答を誘導することができる抗原に結合された、上記の抗体または抗体断片を含んでなる、予防または治療に使用するための構成物を提供する。
他の局面において、本発明は、毒素に結合された、上記の抗体または抗体断片を含んでなる、予防または治療に使用するための構成物を提供する。
さらに別の局面において、本発明は、患者に防御性免疫応答を誘導することができる抗原に結合された、上記のポリペプチドを含んでなる、予防または治療に使用するための構成物を提供する。
別の局面において、本発明は、毒素に結合された、上記のポリペプチドを含んでなる、予防または治療に使用するための構成物を提供する。
また、本発明は、治療を必要としている患者の予防または治療において使用される薬剤であって、該薬剤は、上記のいずれか1つのポリペプチド、上記の抗体または抗体断片、または上記いずれか1つの構成物を含む薬剤を提供する。
また、本発明は、細胞表面上に上記のいずれか1つに記載のポリペプチドを発現している活性化された樹状細胞を単離するための方法であって、前記細胞を含んでいる試料を上記の抗体または抗体断片と接触させる工程と、該抗体または抗体断片が結合した細胞を単離する工程とを含んでなる方法を提供する。
本発明は概して上記のように定義されるが、それらに限定されるものではなく、また以下にさらに詳細に記述される態様を含むことは当業者等には認められるであろう。それは、添付の図面を参照すれば、さらによく理解されるだろう。
第1図は、ヒト-DEC-205の構造を示している。 第2図は、ヒトDEC-205 cDNAの単離のための戦略を示す。A. ヒトDEC-205mRNAの、DEC-205領域に相当する領域との概略説明図。cDNAのクローニングおよび分析のために用いるプライマーの位置を矢印で示す。逆転写酵素-ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)用断片1ないし6、およびクローンpBK 14-1の位置をバーで示す。B. L428およびHEL細胞系RNAからの断片1および2のRT-PCR増幅。L428およびHEL細胞に、二対の変性プライマー(DEC-a/-bおよびDEC -d/-e)を用いたRT-PCRを行ない、2%アガロースゲルによる電気泳動で分画し、臭化エチジウムで染色した。C. L428細胞からの断片3および4の、それぞれプライマー028/023および029/019を用いたRT-PCRおよび3’-RACE増幅。L428細胞からのcDNAプールに3’-RACEおよびRT-PCRを行ない、0.8%アガロースゲルにより電気泳動し、臭化エチジウムで染色した。上部の数字は第2A図の断片名に相当する。DNA分子サイズの標準の位置を右に示す。RT-PCR産物の算定された分子サイズを左に示してある。 第3図は、ヒトとマウスとの間におけるDEC-205のタンパク質類似性を示す。A. ヒトDEC-205の予測されるアミノ酸配列を、マウスの相同物と共に整列させている。DEC-205領域構造に相当する領域を括弧に入れてある。アミノ酸が、配列間で同等かまたは保存的に置換されているアミノ酸の位置には陰をつけてあり、また星印は保存されたシステインを示す。菱形は、二つの配列の間に保存された起こりうるN-グリコシル化部位を示す。矢印は、ヒトDEC-205のCRD-5における一アミノ酸の欠失(deletion)を示す。円は、プロテインキナーゼCによる(白丸)か、またはカゼインキナーゼによる(黒丸)、保存された起こりうるセリンリン酸化部位を示す。B. ヒトとマウスの間のDEC-205の同一性の%を各領域(箱で囲まれている、凡例は第2A図参照)の上部に示している。 第4図は、ヒトDEC-205が、おそらく一コピー遺伝子であることを示す。4人の個体の末梢血から単離したゲノムDNAを制限酵素BglII、BamHI、HindIII、またはEcoRIを用いて消化し、[32P]システインリッチ領域プローブを用いてサザンブロット分析を行なった。最終洗浄は65℃において0.3×SSCであった。DNA分子サイズの標準の位置を右に示している。 第5図は、染色体2上のヒトDEC-205遺伝子の局在性を示す。体細胞のハイブリッドパネルブロット(hylbridpanel blot)(PstIで制限消化)を、[32P]システインリッチ領域プローブを用いてサザンプロット分析を行なった。最終洗浄は65℃において0.3×SSCであった。DNA分子サイズの標準の位置を右に示す。プローブに特異的なバンドの算定された分子サイズを左に示す。星印は弱くハイブリッド形成したバンドを示す。M、男性;F、女性。 第6図は、染色体バンド2q24に対する、ヒトDEC-205遺伝子マップを示す。A.ヒト染色体の分裂中期の広がりに、6.6kbのヒトDEC-205cDNAプローブを用いた蛍光in situハイブリッド形成(FISH)を行なった。最終洗浄は60℃において0.1×SSCであった。FISH画像をDAPI染色した染色体画像の上に重ねた。DEC-205に特異的なシグナルを矢印で示す。B.DEC-205に特異的なシグナル(第6A図参照)を含んでいる染色体2の倒立像が、染色体2のイデオグラム(idergram)と共に整列されている。DEC-205遺伝子に対応する染色体バンドを右に示している。 第7図は、ヒト造血細胞系におけるDEC-205転写物の発現を示す。該細胞系から調製した全RNAを、[32P] 断片3(AおよびB)、または[32P]−アクチン(C)プローブを用いたノーザンブロット分析法にかけた。最終洗浄は65℃において0.1×SSCであった。RNAの標準分子サイズの位置を右に示す。DEC-205転写物の算定される分子サイズを左に示す。A、24時間露出;B、72時間露出。 第8図は、ヒトDC標本におけるDEC-205 mRNAのRT-PCR分析を示す。陰性の系列(linenage negative);新鮮なDC(レーン2)を用いて特異的な産物が見られ、CMRF-44+低密度培養DC(レーン3)ではより強いシグナルが見られた。CB8+Tリンパ球(レーン1)はエチジウム染色されるDEC-205mRNAを含まない。 第9図は、DEC-205のペプチド1に対しては特異性に結合するが、ペプチド3には結合しないモノクローナル抗体を示している、ELISA分析法の結果を表す。高度免疫したウサギ抗DEC-205‐ペプチド1血清、および高度免疫したウサギ抗DEC-205-ペプチド2血清の正の制御(positive control)の結合が示されている。 第10図は、ヒトDEC-205(コード領域のみ)のDNA配列を示している。 第11図は、ヒトDEC-205のアミノ酸配列を示す。
(発明の詳細な説明)
A. ヒトDEC-205
本発明のヒトDEC-205は、マウスDEC-205のヒトでの相同物であると信じられている。DEC-205は約198ないし205 kDaの分子量を有する。それは第1図および第2A図に示す構造を有する。それはまた、第11図に示す推定されるアミノ酸配列を有する。
ヒトDEC-205は、多数の異なる形態で有用に提供することができる。これらはヒトDEC-205自体、ヒトDEC-205の「成熟」型、およびヒトDEC-205の細胞外レセプター領域を含む。
本発明のヒトDEC-205の「成熟」型は、その生来のアミノ末端リーダーかまたはシグナル配列が、より小さいヒトDEC-205であり、一方細胞外レセプター領域はシグナル配列、トランスメンブラン(transmembrane)領域、および細胞質領域(存在する場合)を欠いているヒトDEC-205である。
細胞外領域は、細胞外アミノ酸配列に一般に認められている基準によって同定されてよい。適切な基準の決定法は当業者には周知であり、例えばHopp等、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 78、3824‐3828(1991);Kyte等、J.Mol.Biol.157、105‐132(1982);Emini、J.Virol 55、836‐839(1985);Jameson等、CA BIOS 4、181‐186(1988);およびKarplus等、Naturwissenschaften 72、212‐213(1985)に記載されている。これらの基準によって表面に露出していることが予測されたアミノ酸領域は、細胞外領域の特性を示す。
ヒトDEC‐250として予測される領域のアミノ酸配列を第3A図に示す。これらはシグナルペプチド、システインリッチ領域、フィブロネクチンII型領域、炭水化物認識領域‐1、(CRD-1)、CRD-2、CRD-3、CRD-4、CRD-5、CRD-6、CRD-7、CRD-8、CRD-9、CRD-10、トランスメンブラン領域、および細胞質領域のためのアミノ酸配列を含む。
本発明のヒトDEC-205またはその細胞外レセプター領域(またはそれらの部分)は、本技術分野において周知の方法により調製されてよい。かかる方法は、stuartおよびYoungにより「固相ペプチド合成(SolidPhase Peptide Synthesis)」、第2版、ピアスケミカルカンパニー(Pierce Chemical Company)(1984)に記載されているような、個々のアミノ酸からのタンパク質合成を含む。しかしながら、ヒトDEC-205および/またはその細胞外レセプター領域またはそれらの部分は、下文に詳説するように、(遺伝子)組み換え法により調製されることが好ましい。
実施例1によりヒトDEC-205の詳細について理解される。
(実施例1)
ランゲルハンス細胞をヒトの皮膚から調製した。表皮細胞懸濁液を中間層(split thickness)正常ヒト乳房皮膚から37℃,30分ディスペース(dispase)(ドイツ、マンハイム、Boehringer-Mannheim,P BS.中0.5%)処理により調製した後、トリプシン(PBS中0.25%)、デオキシリボヌクレアーゼI(PBS5中5U/ml)及び、5mM EDTA存在下、室温にて10分間離解した。次にランゲルハンス細胞をFicoll/Metrizoate勾配分離法(d=1.077g/cm3)により濃縮した。最終細胞懸濁液はHLA-DR陽性法分析値として3-15%のランゲルハンス細胞を含有した。全RNAをTrizol試薬を用いて当社の指示書に従って抽出した。
縮退(degenerate)プライマーを下に図示したプライマー配列(d)及び(e)を持つようApplied Biosy stems DNA Synthesizerを用いて調製した。
(d) 5’-GAX ACY GAX GGY TTX TGG AA-3’
(e) 3’-GCY GTXTTZ TCZ AAC CAC AT-5’
ここにXはCまたはTNYはA,C,GまたはT、そしてZはGまたはAである。
単鎖cDNAを全RNAを用いて調製し、AMV逆転写酵素により3'プライマー(e)を用いて逆転写した。次いで、cDNAを5’(d)及び3’(e)プライマーを用いてPCR増幅法により技術上公知の方法に従って増幅した。
増幅産物を2%アガロースゲル上で泳動させ、臭化エチジウム染色法により視覚化した。
DNAを精製し、T末pGEMベクター(Promegaより購入可能)中に標準法により連結した。連結混合物は、適当な抗生物質選択性を付与した寒天プレート上で成育させた応答能のある(competent)大腸菌JM 109(Promegaより購入可能)中に挿入して形質転換させた。2つのコロニーを単離した。DNAを調製し、制限酵素にて消化した。同一サイズの2つのPCR産物挿入断片はシーケンス・キット(Sequence Kit)(Sequence 2.0 USB Lab Supply, Pierce)を用いて二重鎖DNA塩基配列決定法により配列を決めた。2つのクローンはヒトDEC-205に対応した。
ヒトDEC-205のアミノ酸配列は以下のアミノ酸配列を包含するように決めた。
Figure 2009148287
上記配列の決定は、以下に詳述するヒトDEC-205のcDNAを単離する上で不可欠のものである。
上述の部分配列において、個々のアミノ酸は以下の一文字符号で表される。
Figure 2009148287
Figure 2009148287
以下に詳述する単離されたヒトDEC-205をコードするcDNAから推論されたの全予測配列に対しても本符号が適用される。
B.ヒトDEC-205をコードするポリヌクレオチド
本発明の別の態様として、出願人がヒトDEC-205またはその細胞外領域をコードするポリヌクレオチドを提供する。上記ポリヌクレオチドがDNA(天然からの単離DNA、合成DNAまたは、cDNA)である場合もあるし、RNAである場合もある。ポリヌクレオチドがDNAである場合が最も多い。
本発明のポリヌクレオチドはヌクレオチドを含むポリヌクレオチドを特異的に含む。
Figure 2009148287
図10に示す全ヌクレオチド配列の場合同様、ここにXはTまたはGであるが、これらだけに限定されるものではない。
上記ポリヌクレオチドの機能的相当物もまた本発明の範囲内に含まれる。
本発明のこうした態様は、以下の実施例により一層明確なものとなる。
(実施例2)
実験方法
細胞培養−細胞系統,HEL,K562,KG‐1,THP‐1,U937,Mann及びJurkatはAmerican Type Culture Collection(Rockville,MD)から得られた。L428細胞はV.Diehl(Klinik for Innere Medizin, Cologne,Germany)により提供された。HDLM2及びKMH2細胞はGerman Collection of Micro‐organisms and Cell Culture(Braunscfweig,Germany)から得られた。Mono Mac 6細胞(Bufler et al(1995)Eur.J.Immnol.25,604‐610)はH. Engelmann(Institute for Immunology,Munchen,Germany)により提供された。HDLM2細胞が20%胎児コウシ血清とであることを除き、全細胞系統はRPMI 1640、10%胎児コウシ血清、100U/ml ペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン中に維持された。
白血球の単離・・・白血球集団は標準実験室手順を用いて単離された。
ヒトDEC‐205に対して符号化するcDNAの単離・・・一組の縮退オリゴヌクレオチドプライマーがマウスDEC‐205(Jiang et al(1995),上記)の既刊アミノ酸配列に基づいて設計され、社内又はLife Technology(Aucklarld,New Zealand)(A参照)により合成された。
これらのプライマーは:
DEC-a (5'-AAYATGCTNTGGAARTGGGT-3'),
DEC-b (5'-TGRTGYTCRCAYTTCCACCA-3'),
DEC-d (5'-GAYACNGAYGGNTTYTGGAA-3')および
DEC-e (5'-GCNGTYTTRTCRAACCACAT-3'),
ここでY=C又はT,R=A又はG,N=A又はC又はG又はTである。L428又はHEL細胞から単離された全RNAは、プライマーDEC‐b又はDEC‐eを用いて55℃で1時間トリ骨髄芽球症ウイルス逆転写酵素(Promega,Madison,WI)により逆転写された。PCRは、生じるcDNA及びTaqポリメラーゼ(Boehringer Mannheim,Auckland,New Zealand)を用いてプライマーDEC‐b‐開始cDNAに対するDEC‐a/‐b又はDEC‐e‐開始cDNAに対するDEC‐d/‐eにより行なわれた。用いたPCR条件は、94℃5分間の最初の変性、94℃1分間の35回の変性、54℃1分間のアニーリング、72℃1分間の拡張、及び72℃5分間の最終拡張であった。PCR反応物は40mMトリス‐酢酸塩,pH8.3,1mM EDTA(TAE)緩衝液中の2%アガロースゲルで分画され、0.5μg/ml臭化エチジウムで染色された。PCR断片(断片1及び2,A及び2B参照)はpGEM‐Tベクター(Promega)にクローン化され、Sequenase DNA配列決定キット(sequencing kit)(Amersham Life Science,Auckland,New Zealand)を用いて手動で配列された。
断片1および2のDNA配列内に入れ子にされた一組のオリゴヌクレオチドプライマーが合成された(A参照)。これらのプライマーは:
023(XbaI部位を含む5’-GCTCTAGAAACATGACCCATGAAGCC-3),
028(XbaI部位を含む5’-GCTCTAGACATCGGCTCTTTCATTTGT-3’)および
029(EcoRI部位を含む5’-CGGGATTCACAGTTGATTGCAATGACA-3’)
であり、ここで取り込まれた制限部位は下線を付けられた。L428細胞からの2μgのポリ(A)RNAは、オリゴd(T)アダプタープライマーを用いて45℃で1時間、SuperScriptII(Life Technologies)の200Uで逆転写された。
018(SpeI、PstI、およびEcoRI部位を含む018(5’‐GACTAGTCTGCAGAATTCTTTTTTTTTTTTTTTTT‐3’)。70℃で1-5分間熱失活後、反応物は37℃で30分間1U RNアーゼH(Life Technologies)と共に温置され、70℃で15分間熱失活され、10mMトリス−HC1,pH8.0,1mM EDTA(L428 cDNAプール)で1mlに希釈された。断片3(断片1および2を結合して)(A参照)を単離するために、PCRが5μlのL428 cDNAプール、プライマー028並びに023、及び2.5UのExpand enzyme mix(Boehringer Mannheim)により行なわれた。PCR条件は94℃で2分間の最初の変性、94℃で15秒間の10回の変性、53℃で30秒間のアニーリングで、及び68℃で4分間の拡張であり、94℃で15秒間の20回の変性、53℃で30秒間のアニーリング、及び68℃で各回に対し4分プラス追加の20秒間の拡張、及び68℃で15分間の最終拡張が続いた。cDNA末端(3’‐RACE)(Frohman et al(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85,8998‐9002)の3’‐急速増幅が、断片4(断片1及びDEC‐205の3’‐非翻訳領域を結合して)を単離するために行なわれた(A参照)。PCRは断片3と同じ条件で、5μlのL428 cDNAプール及びプライマー029及びアダプタープライマー019(SpeI,PstI,及びEcoRI部位を含む5’‐GACTAGTCTGCAGAATTCにより行なわれた。PCR反応物はTAE緩衝液中の0.8%アガロースゲルで分画され、臭化エチジウムで染色された。断片3及び4の両方は、それぞれXbaI及びEcoRIで消化された制限で、pBluescriptII(Stratagene, La J olla,CA)にクローン化された。断片3(pB38fl)及び4(pb30‐3)からの代表的クローンは、SequiTherm 周期配列決定キット(Epicentre Technology, Madison, WI)を用いてLI‐COR自動化シーケンサ(automated sequencer)(LI‐COR,Lincoln,Nebraska)で配列決定された。必要ならば、これらのプラスミドは、Erase‐A‐Baseシステム(Promega)を用いるエキソヌクレアーゼIIIで入れ子にした欠失を受け、配列決定のために使用された。
オリゴdT開始L428 cDNAライブラリーは、製造者の指導により、ZAPExpress cDNA Gigapack Cloningキット(Stratagene)を用いて調製された。断片3はMultiprimeシステム(Amersham Life Science)を用いて[α‐32P]dCTP(NEN)で標識された。ライブラリーは標準法(Sambrcook,J.,Fritsch,E.F.,and Maniatis,T.(1989)Molecular Cloning:A Laboratory Manual, 2Ed., Cold Spring Harbour Laboratory,New York,USA)を用いて[32P]断片3によりプラークハイブリッド法で選別された。プローブの特異的活性は0.8×10cpm/μg DNAであり、1×10cpm/mlで使用された。最終洗浄は65℃で0.1×SSC,0.5%SDS(1×SSCは0.15M NaCl,15mMM クエン酸ナトリウム,pH7.0である)中であった。正のクローンはファージミド(phagemid)pBK‐CMV(Stratagene)に変換され、自動化セクエンサを用いて配列決定された。
PCRクローンから得られたDNA配列を立証するために、断片3に対するpB38f、断片4に対するpB30‐3、断片5が、プライマー058(BamHI部位を含む5’‐CGGGATCCCTCTGGCCGCGCACTAATGA‐3’)及び050(Xhol部位を含む5’‐CCGCTCGAGCTGTGGATACCAGCACATGCCT‐3’)(A参照)を用いてL428 cDNAプールからPCR増幅された。PCR条件は循環に対するより長い拡張期間(6分)を用いることを除き、断片3に対するものと同様であった。断片5はIRD40‐標識慣用プライマー(MWG‐Biotech,Ebersberg,Germany)及びクローン化無しのLI‐COR自動化セクエンサを用いて直接配列決定された。これらのプライマーは:
IR001(ヌクレオチド523-555において5'-GATGGGAACTCTTATGGGAGACCT-3'),
IRD002(ヌクレオチド1134−1157において5'-TGATGCAGGCTGGCTGCCAAATAA-3'),
IRD003(ヌクレオチド1759-1782において5'-AACTGGGCAACTGTTGGTGGAAGA-3'),
IRD004(ヌクレオチド2334-2357において5'-ATGGCGAAGAGGCTGGCATTTCTA-3'),
IRD005(ヌクレオチド2972-2995において5'-CTCAAGCAAGCGATACCTGTCACT-3'),
IRD006(ヌクレオチド3624-3647において5'-TGGGCAACTCGAAGACTGTGTAGT-3'),
IRD007(ヌクレオチド4168-4191において5'-CACCAGCACAGCATTCTTGCTTGT-3')および
IRD008(ヌクレオチド4797-4820において5'-ATTTGTGAGCAGACTGATGAGGGA-3').
これらのプライマーの配列はpb38fl及びpb30‐3のものに基づき、それらは自動化配列後少なくとも100bpだけ重複する接近の発生を保証して、540‐650bp離れて位置した。
サザンブロット分析・・・ゲノムDNAは血液学的疾患を有する患者(各患者はCanterbury Health Laboratories,Christchurch,New Zealandで核型決定された)の末梢血から調製された。約8μgのゲノムDNAはBglII、BamHI、EcoRI、又はHindIIIで消化され、89mMトリスほう酸塩,pH8.3、2mM EDTA中の0.8%アガロースゲル中で分画され、毛細管反応によりHybond N+に転移された。システインに富んだ領域に対応するPCR断片は、プライマー058及び059(EcoRI部位を含む5’‐CGGAATTCGATCTCATGATAAGGCTGGTCACA‐3’)を用いてpBK14‐1から増幅されたPCRであった(A参照)。簡潔に言えば、PCRは2ngのpBK14‐1、プライマー058並びに059、及びTaqポリメラーゼにより行なわれた。使用されたPCR条件は94℃で2分間の最初の変性、94℃で15秒間の変性の30回、55℃で15秒間のアニーリング、72℃で30秒間の拡張、及び72℃で5分間の最終拡張であった。450bpPCR生成物はMultiprime標識システム(Amersham Life Science)を用いて[α‐32P]dCTPで標識された。ブロットは標準法(Sambrook et al,(1989)、上記)を用いてプローブにより対合された。プローブの特異的活性は0.8×109cpm/μgDNAで、1×106cpm/mlで使用された。最終洗浄は65℃で0.3×SSC,0.5%SDS中で、−70℃で強化スクリーンによりX‐OMAT ARフィルム(Kodak)に曝露された。
ヒト‐げっ歯類体細胞雑種細胞パネルから調製されたPstI消化ゲノムDNAを含むブロットはOncor(Gaithersburg,MD)から得られ、上記のように[32P]システインに富んだ領域断片により探査された。
蛍光その場の対合・・・中期展開は標準細胞遺伝学手順を用いて46,XY男性供与者のフィトヘマグルチニン刺激末梢血リンパ球から調製された。断片6は断片3及び4との組換えPCR(A参照)で増幅された。PCRは、循環に対してより長い拡張期(7分)を使用することを除き、断片3と同じ条件で断片3及び4のそれぞれ及びプライマー028並びに019により行なわれた。断片6は、BioPrimeランダム開始標識キット(random prime labelling kit)(Bethesda Research Laboratories,Gathersberg,Maryland)を用いてビオチン‐14‐dCTPで標識され、スライド上の中期細胞に対合された。対合及び免疫蛍光検出のための条件は、Cot 1抑制が必要でないことを除き、本質的に記載(Morris et al,(1993)Human Genetics,91,31‐36)の通りで、スライドは対合後に0.1×SSC,60℃の緊縮(stringency)まで洗浄され、追加の増幅段階がプローブの小さい寸法のために必要であった。正確な染色体縞局在化では、DAPI及びFITC画像が、Photometrics KAF1400 CCDカメラ及びIPLAB Spectrumソフトウェア(Signal Analytics,VA)を用いて、蛍光顕微鏡からコンピュータヘ各中期に対して別々に捕捉され、Multiprobe拡張ソフトウェアを用いて色一致された。
ノーザンブロット分析・・・培養細胞からの約10μgの全RNAはホルムアルデヒド変性1%アガロースゲル中で分画され、3M NaCl,8mM NaOH,2mM サルコシル(sarkosyl)を用いてTurboblotter(Schleicher&Schuell,Keene,NH)で3時間Hybond N+(Amersham)に移された。膜は紫外線架橋され(Stratalinker,Stratagene)、標準法(Sambrook et al(1989),上記)を用いて[32P]断片3又は[32P」ヒト§‐アクチンプローブで対合された。プローブの特異的活性は0.9‐1.1×109cpm/μg DNAで、0.7‐1.1×106cpm/mlで使用された。最終洗浄は0.1×SSC,0.5%SDS中68℃であって、−70℃で強化スクリーンによりX‐OMAT ARフィルム(Kodak)に暴露された。
逆転写‐PCR分析・・・白血球から単離された全RNAはRNアーゼのないDNアーゼI(Life Technologies)と共に温置され、オリゴdT アダプタープライマー018によるSuperscriptIIを用いて逆転写された。PCRは、PCR添加剤、接地 PCR(Don,R.H.,Cox,P.T.,Wainwright,B.J.,Baker,K.,及びMattick,J.S.,(1991)Nucleic Acid Res. 19,4008)によるQ緩衝液(Qiagen)の存在下で、Taqポリメラーゼと共に一対のDEC‐205特異性プライマー060(ヌクレオチド4655‐4686でGTGGATCCAGTACAAGGGTCA)及び056(ヌクレオチド5116‐5096でACCAAATCAGTCCGCCCATGA)を用いて行なわれた。使用したPCR条件は、92℃で2分間の最初の変性、92℃で15秒の変性の21回、60℃マイナス0.5℃/回で15秒のアニーリング、68℃で30秒間の拡張、92℃での変性の15回、50℃でのアニーリング、68℃で1分間の拡張及び68℃で5分間の最終拡張であった。ヒトグリセルアルデヒド‐3‐リン酸塩デヒドロゲナーゼ(GAPDH)(Tokunaga,K.,Nakamura,Y.,Sakata,K.,Fujimori,K.,Ohkubo,M.,Sawada,K.,and Sakiyama,S.,(1987)Cancer Res.47,5616‐5619)が規格化のために使用された。GAPDHのためのプライマーは053(ヌクレオチド61‐81でATGGGGAAGGTGAAGGTCGGA‐3’)、及び055(ヌクレオチド634‐614でAGGGGCCATCCACAGTGTTCT‐3’)であった。PCR反応物はTAE緩衝液中の1.5%アガロースゲルで分画され、0.5μg/mlの臭化エチジウムで染色された。
配列データ解析・・・National Center of Biotechnology Information(NCBI)Center電子メールサーバーBLASTは同族配列を検索するために使用された。配列整列及びモチーフ検索はGCGコンピュータパッケージ(Madison,WI)のそれぞれBestfit及びMotifsプログラムを用いて行なわれた。
結果
ヒトDEC‐205に対するcDNAの単離。マウスDEC‐205のアミノ酸配列に基づいて、一組の縮退プライマーが合成され、ホジキン病誘導L428細胞系統及び骨髄HEL細胞系統を用いて(参照)RT‐PCRを行なうために使用された。2対のプライマー(DEC‐d/‐e,及びDEC‐a/‐b)は特異的RT‐PCR生成物、断片1(390bp)及び2(150bp)をそれぞれ生じた(A及び2B)。これらの特異的断片はクローン化され、配列分析された(データは示されない)。断片1及び2の推論されたアミノ酸配列はマウスDEC‐205のものに〜80%同一で、これらの断片がヒトDEC‐205のcDNAから誘導されたことを示した。
これらの断片内に入れ子にされたプライマーが合成され、さらにRT‐PCR及び3’‐RACEがオリゴdTアダプタープライマー018により逆転写されたL428 cDNAプールを用いて行なわれた。3.8kb RT‐PCR生成物(断片3)はプライマー028及び023を用いて得られた(A及び2C)。3.2kb 3’‐RACE生成物(断片4)がプライマー029及びアダプタープライマー019を用いて得られた(A及びC)。断片3はクローン化され、いくつかの同様なクローンが制限酵素マップ解析(示されない)で同定され、そのーつ、pb38f1は完全に配列決定された:システインに富んだ領域の中部からCRD‐8の中部(A)に拡張する断片3(pB38f1)のDNA配列は既刊のマウスDEC‐205 cDNA配列に82%同等であった。断片4はクローン化され、二つの明確なクローンが制限酵素マップ解析で同定された。両方のクローンは部分的に配列決定され、一つのクローン(例えば,pb30‐3)の3’‐末端DNA配列がポリAの尾を含み、マウスDEC‐205の3’‐未翻訳領域に72%同等であることが分かった(データは示されない)。したがって、pb30‐3はDEC‐205の符号化領域プラス部分的3’‐未翻訳領域のDNA配列を得るために配列決定された。符号化領域に対して生じるDNA配列は、CRD‐8の中部から細胞質領域の末端へのマウスDEC‐205スパンニング(spanning)のものと〜80%同等であった(A)。pb38f1及びpb30‐3から得られたDNA配列は320bpだけ重複し、ヒトDEC‐205符号化領域の95%をカバーした。
DEC‐205 cDNA配列の5’‐末端を完成するために、L428 cDNAライブラリーが、プローブとして32P‐標識断片3を用いてプラークハイブリッド法により選別された。クローン(pBK14‐1)は分離され、このクローンの1.5kb挿入が配列決定された(A)。配列はマウスの配列に〜80%同等で、シグナルペプチド、システインに富んだ領域、フィブロネクチンII型領域、CRD‐1及びCRD‐2の部分に対応した。pBK14‐1は51bp5’‐未翻訳領域を含み、断片3と〜1.2kbだけ重複した。
PCRクローンから得られたDNA配列を実証するために、さらにプライマー058(システインに富んだ領域に入れ子になった)及び050(停止コドンの〜130bp下流に配置された)で増幅されたRT‐PCR断片(断片5)が調製された(A)。断片5PCR生成物はクローン化無しのIRD41‐標識慣用プライマーを用いて直接配列決定された。恐らく熱安定性ポリメラーゼの低い忠実度のために発生した、10点突然変異の全体が見出され、PCRクローン誘導DNA配列中に修正された。ヒトDEC‐205に対する完全なcDNA配列は寸法で5166bpで、翻訳後修正の前に、1722個のアミノ酸を有する予測した198kDaI型トランスメンブラン蛋白質に対して符号化する。
ヒトDEC‐205の推論したアミノ酸配列は同族マウス蛋白質と77%全同等性を示した(A)。全システイン、及びマウスDEC‐205の細胞外領域における推定N‐グリコシル化がヒト配列で保存された。細胞質領域において、被覆ピット(coated pit)媒介インターナリゼーション(Ezekowitz,R.A、.B.,Sastry,K.,Bailly,P.,and Warner,A.(1990)J.Ekp.Med.172,1785‐1794;及びZvaritch,E.,Lambeau,G.,and Lazdunski,M.(1996)J.Biol.Chem.271,250‐257)に重要と思われる、プロテインキナーゼC又はカゼインキナーゼ、及びチロシンによる推定セリンリン酸化部位も保存された。ヒトDEC‐205中のCRD‐5内に一つのアミノ酸欠失があった。システインに富んだ領域、フィブロネクチンII型領域、及びCRD‐1‐10を含む、全ての細胞外領域はヒトとマウスの配列(B)の間で74‐87%同等で、DEC‐205の機能に対しでこれらの領域の重要性を示唆した。対照的に、シグナルペプチド及びトランスメンブラン領域を含む、二つの疎水性領域がマウス蛋白質とのより低い同等性を示し(それぞれ57%及び52%(B))、これらの疎水性領域がより変動性であり、急速に発生した構造であるという観察を確認した(Von Heijne,G.(1990)J.Membrane Biol.115,195‐201)。
DEC‐205は多形性を有する単一コピー遺伝子である・・・4名からの末梢血誘導ゲノムDNAはBgl II,BamHI,Hind III又はEcoRIにより制限酵素消化され、サザンブロット分析を受けた。マクロファージマンノース受容体(Kim,S.J.,Ruiz,N.,Bezouska,K.,及びDrickamer,K.(1992)Genomics14,721‐727;及びHarris,N.,Peters,L.L.,Eicher,E.M.,Rits,M.,Raspberry,D.,Eichbaum,Q.G.,Super,M.,and Ezekowitz,R.A.B.(1994)Biochem.Biophys.Res.Com.198,682‐692)及びホスホリパーゼA2受容体(Ancian,P.,Lambeau,G.,Mattei,M.G.,and Lazdunski,M.(1995)270,8963‐8970)のシステインに富んだ領域が一つのエキソンで符号化された。したがって、我々は、可能性のある単一エキソンプローブ(450bp)としてプライマー058及び059を用いてヒトDEC‐205のシステインに富んだ領域を増幅し、これを高い緊縮のサザンブロットを探査するために使用した。単一バンドが各人からのBgI II‐,BamHI‐又はHind III‐消化ゲノムDNAに現れ、DEC‐205が単一コピー遺伝子であることを示した()。しかし、EcoRI消化物は二名では単一バンドを生じたが、他では二重バンドを生じ、DEC‐205遺伝子が多形であることを示した。さらに各人のより大きいパネルによるサザンブロット分析は同様な結果を示した(データは示されない)。したがって、DEC‐205は少なくとも一つの多形部位を有する単一コピー遺伝子である。
染色体バンド2q24に対するDEC‐205遺伝子マップ・・・ヒトDEC‐205遺伝子をマップにするために、体細胞対合パネルサザンブロット(PstI‐消化)が上記のように[32P]システインに富んだ領域により探査された()。ヒトゲノムDNAの3.0kbバンドは強く対合することが分かり、同様なバンドが染色体2‐含有ヒト‐マウス対合体細胞に現れ、DEC‐205遺伝子が染色体2に局在することを示した。プローブはハムスターDNAとも弱く対合し、ハムスター及びマウスのDEC‐205同族の存在を示唆した(これも強く対合した)。ヒトDNA含有レーンにおける見かけの対合を有する弱く対合したバンドの起源は知られていない。同等なバンドが染色体2に現れ、DEC‐205のこの領域に対する別のエキソン構造に関連するか、染色体2の別の遺伝子への弱い交差対合から生じるかのいずれかであろう。
蛍光その場の対合は詳細にDEC‐205遺伝子をマップにするために使用された(A及び6B)6.4kb組換えPCR断片(断片6)(A)が断片3及び4から調製され、ビオチニル化ヌクレオチドで標識され、高い緊縮でプローブとして使用された(A)。三種の実験から分析した組合わせた全114の中期細胞の91個(80%)が長いアームの中部、特にバンドq24に、一つ(27)又は両方(64)の染色体2に蛍光信号を示した(B)。高分解能バンド分析はより精密な信号の位置を提供した(図示せず)。非追加部位特異的信号が他の染色体で検出された。
DEC‐205は細胞系統の多重転写を示す・・・骨髄、Bリンパ球、Tリンパ球及びホジキン病誘導細胞系統を含む、ヒト細胞系統のパネルはノーザンブロット分析によりブローブとしての[32P]断片3でDEC‐205転写の発現に対して分析された(A及び7B)。二つのDEC‐205転写,寸法で7.8及び9.5kbが検出され,7.8kb転写が最も豊富であった。発現水準は細胞系統の間で変化するが、骨髄細胞系統Thp‐1、Bリンパ球系統Mann及びホジキン病細胞系統KMH2は発現の最高水準を示した。長い曝露によってさえも、DEC‐205転写はK562、KG‐1、Monomac及びJurkat細胞では検出できず、これらの細胞がDEC‐205陰性であることを示唆した(B)。興味あることに、試験した全てのホジキン病誘導細胞系統は転写を発現した。半定量的RT‐PCR研究はこれらの結果を支持する(データは示されない)。
C. ヒトDEC‐205の組換え発現
別の側面で、本発明はヒトDEC‐205又はその細胞外領域の組換え発現に関する。
ヒトのDEC‐205又は本発明の細胞外領域を符号化する、ポリヌクレオチドは、標準組換えDNA法での使用のために既知のベクターに挿入されてもよい。標準組換えDNA法は、Sambrook et al.;“Molecular Cloning’2ndEdition Cold Spring Harbor Laboratory Press(1987)及びAusbel et al.,EdS,“Current Protocols in Molecular Biology” Green Publishing Associates and Wiley‐Interscience,New York(1987)に記載されるようなものである。
細菌、特にE.coliでの蛋白質を発現するためのベクターは既知である。このようなベクターはDieckmann及びTzagoloffによりJ.Biol.Chem.,260,1513‐1520(1985)に記載されたPATHベクターを含む。これらのベクターはカルボキシ末端でポリリンカーが続くアントラニル酸シンテターゼ(TrpE)を符号化するDNA配列を含む。他の発現ベクターシステムはβ‐ガラクトシダーゼ(pGEX)に基づく;λPマルトース結合蛋白質(pMAL);グルタチオンS‐トランスフェラーゼ(pGST)‐Gene67,31(1988)及びPeptide Research 3,167(1990)参照。
酵母及び昆虫細胞中の有用なベクターは既知である。酵母ベクターの適当な例は2μプラスミドである。
ほ乳類細胞での使用に適当なベクターも既知である。このようなベクターはよく知られたSV‐40の誘導体、アデノウイルス、レトロウイルス誘導DNA配列及びプラスミドとファージDNAの組合せから誘導されたベクターを含む。
さらに真核発現ベクターが技術上既知である(例えば,P.J.Southernand P.Berg,J.Mol.Appl.Genet.1,327‐341(1982);S.Subramani et al,Mol.Cell.Biol.1,854‐864(1981);R.J.Kaufmann and P.A.Sharp,“Amplification And Expression of Sequences Cotransfected with a Modular Dihydrofolate Reductase Complementary DNA Gene”,J.Mol.Biol.,159,601‐621(1982);R.j.Kaufmann and P.A.Sharp,Mol.Cell.Biol.159,601‐664(1982);S.I.Scahill et al,“Expression And Characterization Of The Product Of A Human Immune Interfeon DNA Gene In Chinese Hamster Ovary Cells”,Proc.Natl.Acad.Sci.USA80,4654‐4659(1983);G.Urlaub and L.A.Chasin,Proc.Natl.Acad.Sci.USA77,4216‐4220(1980)。
本発明に有用な発現ベクターは少なくともDNA配列又は発現されるべき断片に操作的に結合する発現制御配列1つを含む。制御配列はクローン化DNA配列の発現を調節し規制するためにベクターに挿入される。有用な発現配列の例はlacシステム、trpシステム、tacシステム、trcシステム,ファージλの主要オペレータ及び促進因子領域、fd被覆蛋白質の制御領域、酵母の解糖促進因子、例えば、ホスホグリセリン酸キナーゼの促進剤、酵母酸ホスホターゼの促進剤、例えば、Pho5、酵母α‐接合因子の促進剤、及びポリオーマ、アデノウイルス、レトロウイルス、及びシミアンウイルス、例えば、早期及び後期促進剤又はSV40、及び原核及び真核細胞並びにそれらのウイルス又はそれらの組合せの遺伝子の発現を制御することが知られるその他の配列である。
受容体符号化DNA及び制御信号を含むベクターは受容体の発現のために宿主細胞に挿入される。いくつかの有用な発現宿主細胞は既知の原核及び真核細胞を含む。いくつかの適当な原核宿主は、例えば、E.coliSG‐936、E.coliHB101、E.coliW3110、E.coliX1776、E.coliX2282、E.coliDHT、及びE.coliMR01のようなE.coli、緑膿菌、枯草菌、及びストレプトマイセスのような桿菌、を含む。適当な真核細胞は酵母及びその他の黴、昆虫、COS細胞及びCHO細胞のような動物細胞、ヒト細胞及び組織培養中の植物細胞を含む。
D. リガンド
本発明は本発明のヒトDEC‐205に結合するリガンドをも含む。
リガンドは通常抗体又はヒトDEC‐205又はその細胞外領域,又はそれらの断片に対して作られた断片に結合する抗体であろう。
このような抗体はポリクローナルであろうが、好ましくはモノクローナルである。モノクローナル抗体は技術上既知の方法で作られるだろう。これらの方法は、Kohler及びMilsteinにより、Nature256,495‐497(1975)に,及びCampbell,“Monoclonal Antibody Technology,the Production and Characterization of Rodent and Human Hybridomas”in Burdon et al,Eds,Laboratory Techniques inBiochemistry and Molecular Biology,Volume13,Elsevier Science Publishers, Amsterdam(1985)に記載された免疫法;及びHuse et al.によりScience246,1275-1281(1989)に記載された組換えDNA法を含む。
別の形では、リガンドは非蛋白質、恐らく結合するとリガンドとして作用する、又はその他のヒトのDEC‐205に接触する分子を含む炭水化物でもよいだろう。
さらに、リガンドは二つの機能種であろう。リガンドの最初の機能種はヒトDEC‐205に結合し、その正常な機能を行ないながらそれを剌激する分子である(「刺激リガンド(stimulant bigand)」)。リガンドの第2の機能種はヒトのDEC‐205に結合し、正常の機能を行ないながらそれを阻害し、妨害する分子である。(「拮抗リガンド」)
両方の種類のリガンドは下記のように治療又は予防的処置のいずれかに応用を見出すだろう。
実施例3は抗DEC-205抗体の製法について詳述するものである。
(実施例3)
抗DEC-205抗体の製法
BALB/cマウスをL428細胞を用いてip/sc免疫を付与し、DEC-205 cDNA配列に由来する二つのペプチドを用いてSCに対し二次応答させた。DEC-205ペプチド1ATTQDEVHTKC、(アミノ酸1267−アミノ酸1277)及びDEC-205ペプチド2、TEKEVKPVDSVKC(アミノ酸1227−アミノ酸1239)をChiron Minotopes Pty Ltd(オーストラリア、ヴィクトリア州、クレイトン)により合成した。二つのDEC-205ペプチドsc/ip/lVを用いて3次免疫応答させた後、マウスを殺処分し、脾臓細胞懸濁液を調製した。脾臓細胞を標準法(Hockら、Immunology 1994,83:573)によりNS-1骨腫瘍細胞系に融合した。次いで2F5ハイブリドーマを単離した。これはDEC-205−ペプチド1に対してモノクローナル抗体結合を呈するものの、DEC-205−ペプチド2及び第3の対照であるDEC-205−ペプチド3(KCLGLDITKSVNELR)(アミノ酸82−アミノ酸96)に対しては呈しなかった。図9にこれを示す。
E.構築産物
本発明は構築産物も提供する。その構築産物には一般に、その対応免疫応答は望ましい抗原ではあるものの、樹状細胞特異的に送達される他産物をも含むものである。リシンA鎖などの毒素は除外されない。構築産物中のこれ以外の成分は変化に富んでおり、上述のリガンドや少なくともヒトDEC-205の細胞外領域のいずれかである。両方の構築産物には宿主の免疫系を操作する可能性があろう。
リガンド抗原の構築産物において、ヒトDEC-205に結合するリガンド(通常、抗体、抗体結合性断片または、炭水化物発現タンパク質)は対応免疫応答が望ましい抗原に結合ないし会合し得る。上記抗原の一例としては、腫瘍関連抗原など糖被蔽抗原がある。利用に際し、リガンド成分はヒトDEC-205に結合し、樹状細胞は関連抗原で『感作(prime)』される。この『感作』作用は抗原に対する即時型免疫応答の誘導時にこれを支援する。
リガンド抗原構築産物は樹状細胞への投与に適するあらゆる形状をとり得る。治療プロトコールが患者の樹状細胞の単離(in vitroで感作作用が起こるようにするため)を要件とするか否かまたは、構築産物をin vitroで患者に投与するべきか否かによって上記の形状は異なったものとなる。
構築産物をin vivo治療のため患者に直接投与することができる。この場合も患者の体内で構築産物が発現されるような形状で投与する。
in vivoで患者に投与するための上記形状の例は組換えウイルス生ワクチンである。上記ワクチンはDEC-205リガンド(またはその一部)をコードしたポリヌクレオチドおよび抗原を含有する。このワクチンが患者に投与され、一旦患者の体内に入るとコードされたリガンド及び抗原が発現され患者の樹状細胞に結合する(ヒトDEC-205経由で)。
数多くの上記組換えウイルス生ワクチン系が知られている。上記ワクチン系の一例はVaccinia virus系(米国特許4603112;Brochierら、Nature 354:520(1991))である。
投与は適宜、静脈内、筋肉内、皮下、局所、経口的、鼻腔内、腸内または、大脳脳室内のいずれでもよい。
F.用途
上述のヒトDEC-205、そのリガンド及び、構築産物は本発明に従って治療用または予防用に利用し、樹状細胞の公知作用のすべての促進・阻害のためまたは、免疫系の操作あるいはその両方を実施することができる。
それ故、アンタゴニスト・リガンドはそれ自体でとりわけ、移植過程中の免疫応答の遮断または阻害という用途を保有しでいる。
リガンドは樹状細胞に直接関連する他産物を送達する際にも用途がある。これは上述のように治療を目的とする場合に可能である(送達産物は免疫抗原である)。この場合、免疫抑制過程の一部で樹状細胞を選択的に破壊する樹状細胞特異的な毒素(リシンA鎖など)を標的にすることも可能である。
G.組織の細胞懸濁液中の樹状細胞を検出し、樹状細胞を精製するためのヒトDEC-205の利用
DEC-205結合性モノクローナル抗体その他のリガンドを用いて、科学研究または治療上の応用のためDCを特定・単離することができる。本用途の場合、抗体またはリガンドは従来の特定・分離方法と一緒に利用できる。上記方法の例はアメリカ、ワシントンCell-Pro社から購入できるアビジン・ビオチン免疫親和力法である(US 5,215,927,US 5,225,353,US 5,262,334及び、US 5,240,856参照)。
本法は直接・間接に、標的細胞を直撃するビオチン化したモノクローナル抗体及び、イムノビライズ(immunobilise)したアビジン含有カラムを利用し、容易に活性化ヒト樹状細胞を抽出するのに適応させることができる。ここでは、抗DEC-205抗体を用いて以下のようにヒト末梢血から採取した。
1. ヒト樹状細胞を含むヒト末梢血の試料をビオチン化した抗DEC-205抗体と混ぜ、定温反応させて抗体・ヒトDC複合体を生成させる。
2. 反応後、反応液を、アビジン被蔽ビーズ充填CellPro連続流免疫吸着カラムに導入する。ビオチンとアビジン間の強親和力によりビオチン被蔽抗体が生成し(これらが結合しているヒトDCと同時に)、アビジン被蔽ビーズに接着する。
3. 反応液内に存在する望ましくない細胞を洗浄・除去した後、捕獲された活性ヒトDCを緩やかな撹拌によりカラムから除去して、利用に供する。
この変形例においては、抗DEC-205抗体を(活性DCに結合する)一次抗体として利用すること及び、(抗DEC-205抗体に結合する)ビオチン化二次抗体として利用することをその骨子としている。
上記プロトコールに従って抗DEC-205抗体との混合に前だって、ヒト末梢血試料で処理し、試料中のDCが活性化しているか否か確認することは大いに推奨されるところである。これは例えば、試料の一晩反応により容易に実行できる。
H.機能的均等物
本発明には上述のヒトDEC-205、細胞外領域及び、核酸分子の機能的均等物も包含される。ヒトDEC-205及びその細胞外領域はタンパク質またはその含有物である。あるタンパク質均等物が原タンパク質と免疫的に交差反応性または同一機能をもつ場合、そのタンパク質は特定の機能に関して、別種タンパク質の機能的均等物と見なされる。例えば、この均等物は原タンパク質の断片であったり、原タンパク質の置換体、付加体または、欠失突然変異体であったりする。
例えば、ある配列中のアミノ酸を従来法を用いて均等物アミノ酸で置換することも可能である。通常均等物として公知のアミノ酸群は以下の通りである。
(a)Ala(A)Ser(S)Thr(T)Pro(P)Gly(G);
(b)Asn(N)Asp(D)Glu(E)Gln(Q);
(c)His(H)Arg(R)Lys(K);
(d)Met(M)Leu(L)Ile(I)Val(V);および
(e)Phe(F)Tyr(Y)Trp(W).
ヒトDEC-205の置換・付加体及び欠失体またはそのいずれかは、そうした反応産物均等物のタンパク質が天然のヒトDEC-205に対して免疫的交差性または同一機能を有するものとして生成され得る。
ヒトDEC-205均等物は実質上、天然のヒトDEC-205と同一のアミノ酸配列を有するのが普通である。別種の配列と実質上同一だが、一部それとは置換・付加及び欠失またはそのいずれかにより異なるアミノ酸配列は均等物と見做される。最低でも25%未満、次いで10%未満、最高では5%未満のアミノ酸残基数が天然ヒトDEC-205配列において、置換、付加または、欠失していることが好ましい。核酸分子均等物には、上述のヒトDEC-205タンパク質均等物をコードする核酸配列が含まれる。核酸コードの縮退により、対応するアミノ酸配列に影響を与えない方法で天然核酸配列とは異なる核酸配列を含む核酸分子均等物も存在する。
上記の説明が実施例の範囲内においてのみ提示されたものであり、本発明は特許請求の法的範囲によって専ら制限されるものであることは、当業者にとっては自明の理であろう。
(配列表)
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Claims (19)

  1. 配列番号1に記載されたアミノ酸配列のアミノ酸を含む単離ポリペプチド。
  2. 配列番号1に記載されたアミノ酸配列のアミノ酸からなる単離ポリペプチド。
  3. 配列番号1に記載されたアミノ酸配列のアミノ酸27〜1722を含む単離ポリペプチド。
  4. 配列番号1に記載されたアミノ酸配列のアミノ酸27〜1661を含む単離ポリペプチド。
  5. 配列番号1に記載されたアミノ酸配列のアミノ酸1208〜1323を含む単離ポリペプチド。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つのポリペプチドをエンコードする単離ポリヌクレオチド。
  7. 配列番号2に記載されたヌクレオチド配列のヌクレオチドを含む、請求項6に記載の単離ポリヌクレオチド。
  8. 配列番号2に記載されたヌクレオチド配列のヌクレオチド64〜5166を含む、請求項6に記載の単離ポリヌクレオチド。
  9. DNAである、請求項6〜8のいずれか1つに記載の単離ポリヌクレオチド。
  10. 請求項9に記載のポリヌクレオチドを含むベクター。
  11. 請求項1〜5のいずれか1つに記載ポリペプチドを産生する方法であって、
    (a)請求項10に記載のベクターで軽質転換またはトランスフェクトされている宿主細胞を培養する工程と、
    (b)発現されたポリペプチドを回収する工程と
    を包含する、方法。
  12. 請求項1〜3のいずれか1つに記載のポリペプチドと特異的に結合する抗体または抗体断片。
  13. 請求項4または5に記載のポリペプチドと特異的に結合する抗体または抗体断片。
  14. 患者に防御性免疫応答を誘導することができる抗原に結合された、請求項12または13に記載された抗体または抗体断片を含んでなる、予防または治療に使用するための構成物。
  15. 毒素に結合された、請求項12または13に記載された抗体または抗体断片を含んでなる、予防または治療に使用するための構成物。
  16. 患者に防御性免疫応答を誘導することができる抗原に結合された、請求項1〜5のいずれか1つに記載のポリペプチドを含んでなる、予防または治療に使用するための構成物。
  17. 毒素に結合された、請求項1〜5に記載のポリペプチドを含んでなる、予防または治療に使用するための構成物。
  18. 治療を必要としている患者の予防または治療において使用される薬剤であって、該薬剤は、請求項1〜5のいずれか1つに記載のポリペプチド、請求項12または13に記載の抗体または抗体断片、または請求項14〜17のいずれか1つに記載の構成物を含む薬剤。
  19. 細胞表面上に請求項1〜5のいずれか1つに記載のポリペプチドを発現している活性化された樹状細胞を単離するための方法であって、前記細胞を含んでいる試料を請求項12または13に記載の抗体または抗体断片と接触させる工程と、該抗体または抗体断片が結合した細胞を単離する工程とを含んでなる方法。
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