JP2009147016A - 流体素子及び冷却装置 - Google Patents

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Mutsuya Takahashi
睦也 高橋
Kazuaki Tabata
和章 田畑
Yoshifumi Yamazaki
芳文 山崎
Masanori Hirota
匡紀 廣田
Takayuki Yamada
高幸 山田
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Abstract

【課題】熱交換性に優れ、流路の変形を防ぐことのできる流体素子及び冷却装置を提供する。
【解決手段】このマイクロリアクタ10は、ターゲット基板に対して、電鋳法により形成された導電膜である複数のCu膜12A〜12Fを順次常温接合し、図1に示すヘッダ4と接する側に、Cu膜よりも硬く、2つの開口110を有するNi膜11を常温接合することにより形成されている。この開口110の部分は、流体をCu膜の積層方向に導入するダクト125となっている。Cu膜12A〜12Eは、それぞれ流体を通過させるための開口や溝等の形状の流路パターンを有する。Cu膜12Fは隔壁層として機能する流路パターンを持たない薄膜である。このCu膜12A〜12Fは、積層されることによって積層体内に3次元的な流路を有する積層構造体を形成するように構成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、流体素子及び冷却装置に関する。
近年、部品製造において、コンピュータで設計された複雑な3次元物体を短期間で形成する方法として積層造形方法が急速に普及している。この積層造形方法は、サイズが数cm以上の比較的大きな部品に適用されることが多かったが、近年においては、精密に加工して形成される微小構造体、例えば、微小ギアや微小光学部品、マイクロ流体素子等にもこの方法が適用されている。
このような積層造形方法で形成されるマイクロ流体素子として、流路パターンを形成された複数の薄膜を積層することにより、積層体内に流路を形成し、この流路に流体を通過させるようにしたマイクロリアクタが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1に記載されたマイクロリアクタは、ドナー基板上に流路パターンを形成されたSiからなる複数の薄膜を形成し、接合装置を用いて複数の薄膜をターゲット基板に順次転写して積層化することにより形成される。このマイクロリアクタは、内部に3次元的な流路を有し、流路に液体や気体等の流体を通過させることで反応や熱交換を行うものである。
また、ドナー基板上に薄膜を形成する方法として、電鋳法によって電気的に薄膜を形成するものがある(例えば、特許文献2参照。)。
特許文献2によると、まず、シリコンウエハ基板上に離型層を形成する。次に、その上に導電層を形成する。次に、導電層の上にレジストパターンを形成した後、めっきによって断面パターンを形成する。次に、レジストパターンを除去し、断面パターンをマスクとして離型層を除去することにより、断面パターンとしての導電層を有するドナー基板が得られる。電鋳法による薄膜の形成では、薄膜としての導電層の成膜速度がスパッタリング等の他の成膜方法に比べて早いことから、所望の膜厚が容易に得られる。
特開2006−187685号公報 特開2004−358602号公報
本発明の目的は、熱交換性に優れ、流路の変形を防ぐことのできる流体素子及び冷却装置を提供することにある。
本発明の一態様は、上記目的を達成するため、以下の流体素子及び冷却装置を提供する。
(1)流路を構成する流路パターンを形成された第1の薄膜と、前記第1の薄膜と異なる硬さを有し、前記第1の薄膜と接合される第2の薄膜とを積層した構造体からなる流体素子。
(2)前記構造体は、複数の前記第1の薄膜を積層し、最外層に前記第1の薄膜の硬さよりも硬い前記第2の薄膜を有する前記(1)に記載の流体素子。
(3)前記薄膜は、電鋳法によって形成される導電膜である前記(1)又は(2)に記載の流体素子。
(4)前記薄膜は、清浄化された接合面を直接接触させることにより接合される前記(1)から(3)のいずれか1項に記載の流体素子。
(5)発熱部と、流路を構成する流路パターンを形成された第1の薄膜と、前記第1の薄膜と異なる硬さを有し、前記第1の薄膜と接合される第2の薄膜とを積層した構造体からなり、前記発熱部に取り付けられる流体素子と、前記流体素子を前記発熱部に固定するヘッダとを有する冷却装置。
(6)前記構造体は、複数の前記第1の薄膜を積層し、前記ヘッダを取り付ける側の最外層に前記第1の薄膜よりも硬い前記第2の薄膜を有する前記(5)に記載の冷却装置。
(7)前記薄膜は、清浄化された接合面を直接接触させることにより接合される前記(5)又は(6)に記載の流体素子。
請求項1に記載の流体素子によれば、熱交換性に優れ、流路の変形を防ぐことができる。
請求項2に記載の流体素子によれば、第1の薄膜より硬い第2の薄膜を構造体の最外層に設けることで流路の変形を防ぐことができる。
請求項3に記載の流体素子によれば、複数の薄膜を効率良く同時に形成することができる。
請求項4に記載の流体素子によれば、面倒な接合処理を要することなく十分な接合強度が得られる。
請求項5に記載の冷却装置によれば、熱交換性に優れ、流路の変形を防ぐことができる。
請求項6に記載の流体素子によれば、第1の薄膜より硬い第2の薄膜を構造体のヘッダ取付側となる最外層に設けることで流路の変形を防ぐことができる。
請求項7に記載の冷却装置によれば、面倒な接合処理を要することなく十分な接合強度が得られる。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る冷却装置を示す断面図である。
この冷却装置1は、電子機器の発熱部を液冷媒によって冷却するものであり、発熱部としてのCPU(Central Processing Unit)2上に固定されたマイクロリアクタ10と、所定の配線パターンが設けられてCPU2と電気的に接続される基板3と、マイクロリアクタ10をCPU2上に固定するヘッダ4と、ヘッダ4を基板3にねじ止め固定する複数のボルト5と、マイクロリアクタ10とヘッダ4との間の液漏れを防ぐシール部材6とを有して構成されている。
マイクロリアクタ10は、第1の薄膜として熱伝導性に優れるCu膜からなる複数の薄膜と、第2の薄膜として第1の薄膜よりも硬いNi膜を常温接合により積層した積層構造体であり、内部に液冷媒としての水を循環させる流路を有する。このマイクロリアクタ10は、ヘッダ固定側にNi膜が設けられている。
ここで「常温接合」とは、接合対象の表面に中性原子ビーム、イオンビーム等を照射して表面を清浄化した後、清浄化した接合面同士を常温(例えば、15〜25℃)雰囲気中で直接接触させ、原子同士を直接結合させる接合方法をいい、表面活性化接合ともいう。常温接合により薄膜を接合することにより、薄膜の形状や厚みの変化が少なく、高精度な積層構造体としてのマイクロリアクタ10が得られる。また、常温接合の他に、融着など加熱を利用する接合方法を用いても良いが、加熱の不要な常温接合は高精度な積層構造体を作製する上で好ましい。
CPU2は、外部接続端子を介して基板3に設けられるランドにはんだリフローによって接合されており、基板接合面と反対側の面に設けられる図示しないヒートスプレッダ上にマイクロリアクタ10が面接触している。なお、CPU2とマイクロリアクタ10との熱伝導性を高めるものとして、シリコーングリス等の熱伝導性ペーストを塗布しても良い。
基板3は、ガラスエポキシ等の絶縁性材料からなり、CPU2の接合面及びその反対側の面に銅,銅合金等の導電性薄膜からなる配線パターンを有するとともに、ボルト5の雄ねじ部5aをねじ固定するためのボルト固定孔3aを有する。
ヘッダ4は、SUS材等の機械的強度を有する金属材料によって形成されており、ボルト5の雄ねじ部5aを貫通させるための貫通孔4aを有する。また、側面に一体的に形成された配管接続部4A,4Bを有し、配管接続部4A,4Bからヘッダ4の下面にかけて液冷媒の流路4b,4cが設けられている。この流路4b,4cは、配管接続部4A,4Bの形成方向と同じ側面側からヘッダ4内に直線的に形成されており、マイクロリアクタ10の流路上で90度折り曲げられている。
ボルト5は、締め付けによってマイクロリアクタ10をCPU2上に密着させるものであり、本実施の形態では、正方形状のヘッダ4に対して対角状に4本設けられている。
シール部材6は、シリコーン等の耐熱性,耐薬品性を有する弾性材料からなる。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る流体素子としてのマイクロリアクタを示す斜視図である。
このマイクロリアクタ10は、ターゲット基板に対して、電鋳法により形成された導電膜である複数のCu膜12A〜12Fを順次常温接合し、図1に示すヘッダ4と接する側に、Cu膜よりも硬く、2つの開口110を有するNi膜11を常温接合することにより形成されている。この開口110の部分は、流体をCu膜の積層方向に導入するダクト125となっている。Cu膜12A〜12Eは、それぞれ流体を通過させるための開口や溝等の形状の流路パターンを有する。Cu膜12Fは隔壁層として機能する流路パターンを持たない薄膜である。このCu膜12A〜12Fは、積層されることによって積層体内に3次元的な流路を有する積層構造体を形成するように構成されている。
図3は、本発明の第1の実施の形態に係るマイクロリアクタの分解斜視図である。
Ni膜11は、2つの開口110を隔壁111で分離した構成を有し、Niからなり、電鋳法によって厚さ20μmで形成されている。
Cu膜12A〜12Fは、Cuからなり、電鋳法によって厚さ20μmで形成されている。なお、Cu膜12A〜12Fは厚さ数μm〜数100μmで形成することが可能であり、好ましくは10〜100μmである。また、Cu膜12A〜12Fの上面12aには、Cu膜間の接合性を高めるものとしてスパッタリング法によって図示しないAuの薄膜が設けられているが、図示省略している。
Cu膜12Aは、Ni膜11の開口110と同じ形状を有した矩形状の開口122と、Cu膜12Aの中央に等間隔で配置された複数のリブ123を有し、複数のリブ123の周囲にはフレーム127が設けられている。そして、フレーム127とリブ123との間のスペースが流体が流れる流路124となる。そのため複数のリブ123は、開口122と流路124によって形成される開口内に島状に配置されるものとなる。なお、開口122は、8×1mmで形成されており、リブ123の幅は50μm、流路124の幅は50μmである。なお、図3ではリブの本数を便宜的に3本としたが、実際には80本ある。
Cu膜12B,12Dは、Ni膜11と同様の形状で、Cu膜12Aの開口122に連続する2つの開口120を隔壁121で分離した構成を有する。
Cu膜12C,12Eは、Cu膜12Aと同様の形状で、矩形状の開口122と、開口122内の中央に等間隔で配置された複数のリブ123を有し、複数のリブ123の周囲にはフレーム127が設けられている。そして、フレーム127とリブ123との間のスペースが流体が流れる流路124となる。
図4は、図2に示すマイクロリアクタの断面を示し、(a)はA−A部における断面を示す断面図、(b)はB−B部における断面を示す断面図である。
マイクロリアクタ10は、Cu膜12Aが有する第1の流路パターンと、Cu膜12Bが有する第2の流路パターンとを交互に積層することによって、外部から導入された液冷媒を垂直方向及び水平方向に循環させるように形成されている。水平方向の循環は、図4(a)に示すように、開口122とリブ123によって形成される矩形断面の流路124によって得られる。
垂直方向の循環は、図4(b)に示すように、Ni膜11に設けられる開口110と、Cu膜に設けられる開口120及び開口122とリブ123によってCu膜の積層方向に形成されるダクト125によって得られる。
図5は、本発明の第1の実施の形態に係るマイクロリアクタを構成するCu膜を有するドナー基板を示し、(a)はCu膜を有するドナー基板の平面図、(b)は(a)のB−B部における断面を示す断面図、(c)はNi膜を有するドナー基板の平面図、(d)は(c)のD−D部における断面を示す断面図である。
ドナー基板15は、Cu膜が形成されたドナー基板15Aと、Ni膜が形成されたドナー基板15Bからなる。
ドナー基板15Aは、上面15aにマイクロリアクタ10を構成する複数のCu膜12A〜12Fを有する。Cu膜12A〜12Fは、例えば1cm角の正方形状に形成されており、転写工程における作業性を高めるために積層する順番に応じて配列されている。また、ドナー基板15Bは、上面15aに複数のNi膜11を有する。
(ドナー基板の形成)
本実施の形態では、電鋳法を用いてドナー基板15A,15Bを形成する。まず、ドナー基板15A上にドライフィルムレジストを形成し、各Cu膜の形状に対応したフォトマスクにより露光した後、ドライフィルムレジストを現像する。これにより、各Cu膜の形状に対応してポジネガ反転したレジストパターンが形成される。次に、このレジストパターンを有するドナー基板15AをCuめっき槽に浸漬し、レジストパターンに覆われていないドナー基板15Aの表面にCuを成長させる。次に、レジストパターン及びCuの表面にスパッタリング法によってAuを成膜する。次に、レジストパターンを除去することによって、上面15aにCu膜12A〜12Fが設けられたドナー基板15Aが得られる。
次に、ドナー基板15B上にドライフィルムレジストを形成し、各Ni膜の形状に対応したフォトマスクにより露光した後、ドライフィルムレジストを現像する。これにより、各Ni膜の形状に対応してポジネガ反転したレジストパターンが形成される。次に、このレジストパターンを有するドナー基板15BをNiめっき槽に浸漬し、レジストパターンに覆われていないドナー基板15Bの表面にNiを成長させる。次に、レジストパターンを除去することによって、上面15aにNi膜11が設けられたドナー基板15Bが得られる。なお、ドナー基板15A,15Bは、例えば、Si、セラミック、ステンレス等の基板を用いることができる。
(薄膜の積層)
図6(a)〜(c)は、薄膜の積層工程を概略的に示す図である。以下に、図1から図5の図面をあわせて参照しつつ、薄膜の積層について説明する。同図においては、説明を容易にするためにドナー基板上に設けられるCu膜及びNi膜の配置が図5と異なっている。また、Ni膜を最後に接合するためにCu膜の積層はCu膜12Fから順に行う。
マイクロリアクタ10を製造するにあたって、まず、図6(a)に示すように、ドナー基板15Aを真空槽21内の下部ステージ25上に配置し、ターゲット基板27を真空槽21内の上部ステージ26に固定する。
次に、排気口22から真空槽21内を排気して高真空状態あるいは超高真空状態にする。次に、下部ステージ25を上部ステージ26に対して相対的に移動させて、ターゲット基板27の直下にドナー基板15AのCu膜12Fを位置させる。次に、ターゲット基板27表面にFAB(Fast Atom Bombardment)源24Aからアルゴン原子ビームを照射することにより、接合面を清浄化する。同様に、FAB源24BからCu膜12Fの表面にアルゴン原子ビームを照射することにより、接合面を清浄化する。
次に、図6(b)に示すように、垂直ステージ28を下降させ、所定の荷重でターゲット基板27とドナー基板15Aとを所定の時間で押圧し、ターゲット基板27とCu膜12Fとを常温接合する。
次に、図6(c)に示すように、垂直ステージ28を上昇させると、Cu膜12Fがドナー基板15Aから剥離し、ターゲット基板27側に転写される。これは、Cu膜12Fとターゲット基板27との接合力がCu膜12Fとドナー基板15Aとの密着力よりも大きいからである。
次に、下部ステージ25を移動させ、ターゲット基板27の直下にドナー基板15上のCu膜12Eが配置されるように位置決めする。次に、ターゲット基板27側に転写されたCu膜12Fの表面(ドナー基板15Aに接触していた面)、及びCu膜12Eの表面にアルゴン原子ビームを照射することにより、接合面を清浄化する。
次に、垂直ステージ28を下降させ、Cu膜12FとCu膜12Eとを常温接合させた後、垂直ステージ28を上昇させると、Cu膜12Eがドナー基板15Aから剥離し、ターゲット基板27側に転写される。
以降、同様の工程を繰り返し、Cu膜12A〜12Fの接合が完了した後、下部ステージ25を移動させ、ターゲット基板27の直下にドナー基板15B上のNi膜11が配置されるように位置決めする。次に、ターゲット基板27側に転写されたCu膜12Aの表面(ドナー基板15Aに接触していた面)、及びNi膜11の表面にアルゴン原子ビームを照射することにより、接合面を清浄化する。
次に、垂直ステージ28を下降させ、Cu膜12AとNi膜11とを常温接合させた後、垂直ステージ28を上昇させると、Ni膜11がドナー基板15Bから剥離し、ターゲット基板27側に転写されてマイクロリアクタ10が形成される。次に、ターゲット基板27からマイクロリアクタ10を分離する。このように常温接合によってCu膜12A〜12Fを接合して積層することで、Cu膜12A〜12Fの形状や厚みの変化が少なくなる。さらにCu膜の最外層にCu膜よりも硬いNi膜を設けることで、Cu膜に形成される流路パターンの潰れやCu膜の損傷を防げる。
図7は、Ni膜に代えてCu膜を最外層に設けたマイクロリアクタをヘッダでCPUに固定したときのCu膜の変形を示す比較例を示す図である。
比較例のマイクロリアクタ30では、図1で説明したようにヘッダ4をボルト5で締め付け固定することによって、最上層のCu膜12Gが変形し、流路124を押し潰した状態となっている。この状態では、流路断面が減少して液冷媒の循環量が不足するため、マイクロリアクタ10の冷却能力が低下したり、冷却むらが生じたりする原因となる。また、図示するようにリブ123のエッジ128がCu膜12Gに食い込むことで、Cu膜の機械的強度が低下して流路破損等による液漏れを生じるおそれがある。
(マイクロリアクタの動作)
以下に、第1の実施の形態に係るマイクロリアクタ10の動作について説明する。
まず、図1に示すヘッダ4の配管接続部4A,4Bに図示しない配管を介して冷媒循環装置を接続する。次に、冷媒循環装置から液冷媒として水をポンプで送出することにより、マイクロリアクタ10及び流路4b,4c内に水を満たした状態にする。このとき、マイクロリアクタ10及び流路4b,4c内に気泡が残留しないように、水を所定の時間連続して供給する。
CPU2の稼動時には、上記した冷媒循環装置から水が所定の流量で連続して供給される。流路4bからマイクロリアクタ10に供給された低温の水は、ダクト125から導入されてマイクロリアクタ10内を垂直方向に流れる。また、低温の水は、リブ123と隔壁121で形成される流路124を介して水平方向に流れる。このように水をマイクロリアクタ10内に循環させることで、リアクタ全体でCPU2の発熱に基づく熱の熱交換が促進され、CPU2に対し温度むらのない冷却が行われる。
熱交換に基づいて生じた高温の水は、流路4cを介してヘッダ4外に排出され、図示しない放熱器で外気との熱交換を行うことによって低温の水となり、冷媒循環装置に返還される。
なお、上記した冷却装置においては、液冷媒として水を用いた構成を説明したが、他の液冷媒として水よりも比熱が高いプロピレングリコール等の液体を用いても良い。この場合、ヘッダ4とマイクロリアクタ10との間に設けられるシール部材6を損傷しないものを選択する必要がある。
[第2の実施の形態]
図8は、本発明の第2の実施の形態に係る流体素子としてのマイクロリアクタを示す斜視図である。なお、第1の実施の形態と同様の構成及び機能を有する部分については、同一の符号を付している。
このマイクロリアクタ10は、第1の実施の形態で説明したCu膜12Bに代えてNi膜11Bを設けた点において第1の実施の形態と異なっている。
このように、マイクロリアクタ10の最外層にNi膜11Aと、Cu膜12Aを介して更にNi膜11Bとを設けることで、第1の実施の形態で説明した流路124の潰れやCu膜の損傷を生じにくくできるとともに、薄膜の硬さの差に基づく液冷媒のシール性を備えたマイクロリアクタ10とできる。なお、第2の実施の形態では、Ni膜を2層としたが、例えば、Cu膜が第1及び第2の実施の形態で説明した膜数よりも多い場合、放熱性を阻害しない範囲でNi膜を増やしても良い。
[他の実施の形態]
なお、本発明は、上記した各実施の形態に限定されず、その発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々変形実施が可能である。また、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で各実施の形態の構成要素を任意に組み合わせることが可能である。
例えば、マイクロリアクタの形状、導電膜の枚数や厚さ等は、これに限定されるものではないことは勿論である。
電鋳法により形成されるCu膜についても、10〜100μmの厚さのもの、特に20〜50μmの厚さのものが多く用いられるが、500μm以上の厚さのものを形成することも可能である。またCu以外の金属材料として、Al等の薄膜を形成し、これを積層しても良い。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る冷却装置を示す断面図である。 図2は、本発明の第1の実施の形態に係る流体素子としてのマイクロリアクタを示す斜視図である。 図3は、本発明の第1の実施の形態に係るマイクロリアクタの分解斜視図である。 図4は、図2に示すマイクロリアクタの断面を示し、(a)はA−A部における断面を示す断面図、(b)はB−B部における断面を示す断面図である。 図5は、本発明の第1の実施の形態に係るマイクロリアクタを構成するCu膜を有するドナー基板を示し、(a)はCu膜を有するドナー基板の平面図、(b)は(a)のB−B部における断面を示す断面図、(c)はNi膜を有するドナー基板の平面図、(d)は(c)のD−D部における断面を示す断面図である。 図6(a)〜(c)は、薄膜の積層工程を概略的に示す図である。 図7は、Ni膜に代えてCu膜を最外層に設けたマイクロリアクタをヘッダでCPUに固定したときのCu膜の変形を示す比較例を示す図である。 図8は、本発明の第2の実施の形態に係る流体素子としてのマイクロリアクタを示す斜視図である。
符号の説明
1…冷却装置
2…CPU
3…基板
3a…ボルト固定孔
4…ヘッダ
4A,4B…配管接続部
4a…貫通孔
4b,4c…流路
5…ボルト
5a…雄ねじ部
6…シール部材
10…マイクロリアクタ
11,11A,11B…Ni膜
12a…上面
12A〜12G…Cu膜
15,15A,15B…ドナー基板
21…真空槽
22…排気口
24A…FAB源
24B…FAB源
25…下部ステージ
26…上部ステージ
27…ターゲット基板
28…垂直ステージ
30…マイクロリアクタ
110,120,122…開口
111,121…隔壁
123…リブ
124…流路
125…ダクト
127…フレーム
128…エッジ

Claims (7)

  1. 流路を構成する流路パターンを形成された第1の薄膜と、前記第1の薄膜と異なる硬さを有し、前記第1の薄膜と接合される第2の薄膜とを積層した構造体からなる流体素子。
  2. 前記構造体は、複数の前記第1の薄膜を積層し、最外層に前記第1の薄膜の硬さよりも硬い前記第2の薄膜を有する請求項1に記載の流体素子。
  3. 前記薄膜は、電鋳法によって形成される導電膜である請求項1又は2に記載の流体素子。
  4. 前記薄膜は、清浄化された接合面を直接接触させることにより接合される請求項1から3のいずれか1項に記載の流体素子。
  5. 発熱部と、
    流路を構成する流路パターンを形成された第1の薄膜と、前記第1の薄膜と異なる硬さを有し、前記第1の薄膜と接合される第2の薄膜とを積層した構造体からなり、前記発熱部に取り付けられる流体素子と、
    前記流体素子を前記発熱部に固定するヘッダとを有する冷却装置。
  6. 前記構造体は、複数の前記第1の薄膜を積層し、前記ヘッダを取り付ける側の最外層に前記第1の薄膜よりも硬い前記第2の薄膜を有する請求項5に記載の冷却装置。
  7. 前記薄膜は、清浄化された接合面を直接接触させることにより接合される請求項5又は6に記載の流体素子。
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