JP2009146757A - イオン注入装置および半導体装置の製造方法 - Google Patents

イオン注入装置および半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】イオン注入発散角を抑制することによる半導体基板への注入角度ばらつきの低減を図る。
【解決手段】半導体基板1が保持された保持部材上で、イオンビーム204を一次元走査する走査手段201と、一次元走査の走査方向と直角な方向に、イオンビーム204が保持部材に対して相対的に移動するように、保持部材を移動させる移動手段303と、イオンビーム204の保持部材に対する相対的な移動に対して、イオンビームの、半導体基板1を超えた保持部材上でのスキャン範囲が等しくなるように、走査手段201を制御する制御手段302と、を有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、半導体基板が保持された保持部材上で、イオンビームを一次元走査し、且つ一次元走査の走査方向と直角な方向に、イオンビームを保持部材に対して相対的に移動してイオン注入を行うイオン注入装置、及び半導体装置の製造方法に関するものである。またこの半導体装置の製造方法を用いた固体撮像装置の製造方法に関するものである。
近年、小型で軽量のデジタルカメラやカメラ機能付の携帯電話の普及により、固体撮像装置の小型化及び画素の高密度化が急速に進んでいる。また、固体撮像装置を製造する半導体基板は、生産数量を増やすため大口径化が進んできている。この大口径化に伴って、半導体基板は半導体製造プロセスにおけるプロセスばらつきの影響を受けやすくなり、半導体基板内に形成された固体撮像装置の電気的特性の面内ばらつきは大きくなる。電気的特性の面内ばらつきを大きくさせる一因として、イオン注入工程の注入ドーズばらつきやイオンビームの発散角による注入角度ばらつきが挙げられる。
イオン注入装置は、ハイブリットスキャン方式でプラテン上に保持された半導体基板にイオンビームを照射する方式が用いられる(特許文献1)。ここで、ハイブリットスキャン方式とは、電界方式もしくは磁界方式でイオンビームを横方向(X軸方向)に一次元走査(以下、ビームスキャンと総称する)し、それと直行する縦方向(Y軸方向)に機械走査(以下、メカニカルスキャンと総称する)する方式である。
上記特許文献1に記載されたイオン注入装置は、プラテンで保持された半導体基板よりビームスキャンのスキャン範囲を大きくしている。その理由は、イオン注入装置の状態によってイオンビーム径の変動等が生じることにより、半導体基板の大きさにビームスキャンのスキャン範囲を制御することが困難であるためである。そして、プラテンで保持された半導体基板よりビームスキャンのスキャン範囲を大きくすることで、半導体基板外周部の注入ドーズ均一性を向上させることができる。
また、半導体基板を保持するプラテンの材質は、絶縁材料や金属材料に樹脂材料をコーティングしたものを用いることが多い。これに対して特許文献2には、金属汚染を低減するためにプラテンの全てを単結晶シリコンにより形成し、ウエハ20の端部まで充分に不純物イオンを注入するためにウエハの面積より広い領域にイオンビーム照射する構成が開示されている。
また特許文献3には、ウエハ内注入均一性やウエハ間注入均一性(再現性)を向上させるために2次電子吸着用電極を設けている構成が開示されている。
特開平07−057681号公報 特開2002−124207号公報 特開2001−135589号公報
しかしながら、イオン注入方式に上述したハイブリットスキャン方式を採用した場合に、半導体基板を保持するプラテンの外周部では、半導体基板に対するイオン注入の注入角度ばらつきが大きいという課題があった。
本発明は、イオン注入の注入角度ばらつきを抑制したイオン注入装置および半導体装置の製造方法を提供することを目的としている。
まず、本発明に到る技術的背景について説明する。
イオンビームは正電荷の荷電粒子であるので相互に空間電荷によるクーロン斥力が働き、イオンビームを外に拡げる作用を及ぼす。外部よりイオンビームへ二次電子が供給されると、空間電荷によるクーロン斥力が小さくなり、イオンビームの発散が抑えられる。しかし、半導体基板を保持するプラテン外周部で二次電子の供給量が少なくなると、イオンビームの発散角が大きくなる。そして、この状態でイオン注入を行なうと半導体基板に対する注入角度ばらつきが大きくなる。
本発明者はイオンビームの発散角を抑制するために、イオンビームに対し均一に二次電子を供給する、以下の装置及び方法を見出した。
本発明のイオン注入装置は、半導体基板が保持された保持部材上で、イオンビームを一次元走査する走査手段と、
前記一次元走査の走査方向と直角な方向に、前記イオンビームが前記保持部材に対して相対的に移動するように、前記イオンビーム、前記保持部材のうちの少なくとも一方を移動させる移動手段と、
前記イオンビームの前記保持部材に対する相対的な移動に対して、前記イオンビームの、前記半導体基板を超えた前記保持部材上でのスキャン範囲が等しくなるように、前記走査手段を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
本発明の半導体基板の製造方法は、半導体基板が保持された保持部材上で、イオンビームを一次元走査するとともに、前記一次元走査の走査方向と直角な方向に、前記イオンビームが前記保持部材に対して相対的に移動するように、前記イオンビーム、前記保持部材のうちの少なくとも一方を移動させてイオン注入を行う半導体基板の製造方法において、
前記イオンビームの前記保持部材に対する相対的な移動に対して、前記イオンビームの、前記半導体基板を超えた前記保持部材上でのスキャン範囲が等しくなるように、前記イオンビームのスキャンを行うことを特徴とする。
本発明によれば、半導体基板を保持する保持部材におけるビームスキャンの発散角を抑制したまま、半導体基板へのイオン注入が可能となり、半導体基板に対する注入角度ばらつきを抑えたイオン注入を行なうことが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明のイオン注入装置の第1の実施形態の、Z軸方向から見た構成の一部を示す図である。図2は本発明のイオン注入装置の第1の実施形態の、Y軸方向から見た構成の一部を示す構成図である。イオン注入装置は枚葉式イオン注入装置の場合を取り上げて説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態の枚葉式イオン注入装置は、イオン注入される半導体基板1を保持するプラテン(保持部材となる)2と、プラテン2にイオン注入角度駆動を行なうための傾斜軸6、縦方向のプラテンの駆動を行なうためのメカニカルスキャン駆動軸5、イオン注入角度を設定するための注入角モーター7とを備えている。また、プラテン2は外周部(半導体基板の周囲となる)にイオンビーム照射により二次電子の放出を行なうためのプラテン外周部設置部8を有する。プラテン外周部設置部8は、イオンビームが照射されたときに、半導体基板1から発生する二次電子放出量と同じ二次電子放出量となるような材料で構成する。ここで、同じとは、二次電子放出量が同一である場合の他、半導体基板に対する注入角度ばらつきが許容できる程度で二次電子放出量に差がある場合を含む。半導体基板1がシリコンである場合に、プラテン外周部設置部は同一材料のシリコンである必要はなく、半導体基板に対する注入角度ばらつきが許容できれば、シリコン化合物等の他の材料を用いてもよい。なお、プラテン外周部設置部の全体が半導体基板1から発生する二次電子放出量と同じ二次電子放出量となるような材料で構成されていなくともよく、その表面が当該材料で構成されていればよい。
半導体基板1の表面に、シリコン、熱酸化膜、レジストパターン等の膜が形成される場合には、プラテン外周部設置部8の表面は、イオンビーム照射が照射されたときに、その膜から発生する二次電子放出量と同じ二次電子放出量となるような材料で構成する。ここで、同じとは、既に説明したように、二次電子放出量が同一である場合の他、膜が形成された半導体基板に対する注入角度ばらつきが許容できる程度で二次電子放出量に差がある場合を含む。プラテン外周部設置部8の材料は、膜と同じ材料、又は膜が形成された半導体基板に対する注入角度ばらつきが許容できる程度で二次電子放出量に差がある材料でもよい。なお、プラテン外周部設置部の全体が、半導体基板1の表面上の膜から発生する二次電子放出量と同じ二次電子放出量となるような材料で構成されていなくともよく、その表面が当該材料で構成されていればよい。
図1及び図2に示した各部材は、真空チャンバの内部に設置されているが、簡単のためにチャンバ壁などは図示していない。
プラテン外周部設置部8は矩形状でも良いが、イオンビーム照射によるパーティクル汚染、金属不純物汚染を最小限に抑えるために、円形状が好ましい。
イオン注入を行なう場合、イオンビーム4を横方向(X軸方向)のみに一次元走査(ビームスキャン)し、半導体基板を保持したプラテンを縦方向(Y軸方向)に機械走査するものがある。3はイオンビーム4がスキャンする範囲(面積)を示す。
図3はイオンビームのスキャンを行う電圧印加部、プラテンを走査するプラテン駆動部を含む、第1の実施形態の枚葉式イオン注入装置の構成を示す図である。図4は半導体基板を保持したプラテンが移動した状態を示す図である。図5はスキャンビーム範囲の制御を説明するための図である。
図3に示すように、半導体基板1の周囲にはプラテン外周部設置部8が設けられている。イオンビーム204は1対の走査電極201により一方向に走査され、一対の電極202により走査方向と直角な方向のイオンビームの広がりが抑えられ、一対の電極203により半導体基板1に対して平行な光とされて、半導体基板1に照射される。1対の走査電極201はイオンビームを一次元走査する走査手段となる。イオンビームの走査によりイオンビームスキャン範囲3が規定される。スキャンビーム制御部302(制御手段となる)からの指示により、プラテン駆動部303がプラテンを図4の矢印方向(Y軸方向)に走査する。スキャンビーム制御部302(制御手段となる)は、プラテンの走査に同期して、電圧印加部301により、1対の走査電極201の電圧を制御して、イオンビームスキャン範囲3の長さL1を長さL2とする(L2<L1)。
なお、本実施形態では、プラテン駆動部303によって、プラテンがイオンビームに対して移動することで、イオンビームスキャン範囲とプラテンとの間の相対的な移動を行っている。しかし、一対の電極202によって、プラテンに対してイオンビームを走査方向に対して直角方向に移動してもよい。また、イオンビームとプラテンとの両方を移動してもよい。つまり、イオンビームをプラテンに対して相対的に移動させる移動手段は、プラテン駆動部303又は/及び一対の電極202となる。
そして、図6(a)〜(c)及び図7(a)〜(d)に示すように、メカニカルスキャン軸駆動位置によってビームスキャン範囲を変更することにより、イオンビームに対して一定の二次電子供給が可能となる。
図6(a)は半導体基板中心位置をビームスキャンが走査する場合、図6(b)は半導体基板中心より上部方向に半導体基板直径の1/4距離位置をビームスキャンが走査する場合、図6(c)は半導体基板の上端部をビームスキャンが走査する場合をそれぞれ示す。
また、図7(a)は半導体基板中心より上部方向に半導体基板直径の1/4距離位置をビームスキャンが走査する場合、図7(b)は半導体基板中心位置をビームスキャンが走査する場合を示す。図7(c)は半導体基板中心より下部方向に半導体基板直径の1/4距離位置をビームスキャンが走査する場合、図7(d)は半導体基板の下端部をビームスキャンが走査する場合を示す。
イオンビームスキャン範囲3は図6(a)〜(c)及び図7(a)〜(d)に示すようにY軸方向に移動していくとき、スキャンビーム制御部302は、イオンビームスキャン範囲3が、プラテン外周部設置部8の外周を超えないように制御する。そして、図5に示すように、プラテン外周部設置部8上を走査するイオンビームのスキャン範囲(面積)Sは、イオンビームスキャン範囲3がイオンビームスキャン範囲3’の位置に移動しても変わらないように制御する。ここでは、スキャン範囲Sはイオンビームスキャン範囲3の幅方向の中心線が半導体基板の周囲と接する点から、イオンビームスキャン範囲3の端部までの距離に、イオンビームスキャン範囲3の幅をかけた面積である。なお、イオンビームのスキャン範囲Sは、イオンビームスキャン範囲3’の位置に移動に対して、その範囲(面積)が等しくなるように制御される。こうすることで、イオンビームに対して一定の二次電子供給が可能となる。
プラテン外周部設置部の外周を超えてイオンビームが照射されると、二次電子の供給量がなされなくなり、その位置に到達したイオンビームの発散角が大きくなる。したがって、一定の二次電子供給量を達成するために、イオンビームスキャン範囲3が、プラテン外周部設置部8の外周を超えないように制御することが好ましい。ただし、半導体基板へのイオンビーム照射に影響がなければ、プラテン外周部設置部の外周を超えてもよい。
また、このイオン注入装置を用いれば、イオンビームスキャンが、イオン注入角度駆動を行なうための傾斜軸6、縦方向のプラテン駆動を行なうためのメカニカルスキャン駆動軸5等の部材に照射されることが無くなる。そのため、半導体基板へのパーティクル汚染、金属不純物汚染等を最小限に抑えることが可能である。
プラテン外周部設置部の幅は、イオンビームのスキャン範囲Sの幅よりも3〜5cm程度大きくすることで、イオンビーム径の変動等が生じた場合にも、プラテン外周部設置部の幅以下で、イオンビームのスキャン範囲Sを制御することが可能である。
図8は、第1の実施形態のイオン注入方法におけるベアシリコン面内注入ドーズのばらつきデータを示している。イオン注入条件はイオン種B+/加速電圧15KeV/注入ドーズ量1E14atoms/cm2/イオンビーム電流量500μAである。縦軸には、比較例におけるベアシリコン面内注入ドーズばらつき量を1と規格化したときの面内注入ドーズばらつき量を示している。比較例はプラテンを走査するときに、イオンビームスキャン範囲の制御を行わずにイオンビームの走査を行った例である。この図から、比較例と比較し、第1の実施形態では、ベアシリコン面内注入ドーズばらつき量が低減していることが分かる。面内注入ドーズばらつき量はイオンビームのシリコン原子への衝突による、シリコン原子の破壊(結晶欠陥)のベアシリコン面内ばらつきを評価するものである。そのため、半導体基板外周部に照射されるイオンビームの注入角度ばらつきが抑制されると、イオンビームのシリコン原子への衝突がベアシリコン面内で均一に起こるため、面内注入ドーズばらつき量が低減された。
また、他のイオン種(As、P等)、加速電圧、注入ドーズ量、イオンビーム電流の組み合わせにおいても同様の効果を確認した。
(第2の実施形態)
図9は本発明のイオン注入装置の第2の実施形態の、Z軸方向から見た構成の一部を示す図である。装置の構造は第1の実施形態と同じであるが、イオンビームに対して常に一定の二次電子供給とするプラテン外周部設置部8は、イオン注入を行なう半導体基板1上の構成膜と同一の材質とする。例えば、半導体基板1上の構成膜はシリコン、熱酸化膜、レジストパターンが考えられるため、プラテン外周部設置部の材質は半導体基板上の構成膜と同じシリコン、熱酸化膜、熱硬化させたレジスト膜とすることによりイオンビームに対して一定の二次電子供給が可能となる。
また、プラテン外周部設置部8は半導体基板上の構成膜によって可変させる構造とすることで様々な構成膜種に対応可能となる。図9にはプラテン外周部設置部の可変機構の回転軸12を中心に第1のプラテン外周部設置部8が設置されているものを示している。プラテン外周部設置部の可変機構の回転軸12を中心にプラテン外周部設置部8を回転することで、半導体基板上の構成膜種(イオン注入面の材料)に対応して第2〜4のプラテン外周部設置部9〜11のいずれかを選択することが可能である。すなわち、プラテン外周部設置部は、少なくともイオン注入を行う複数の膜の数分設けられる。
第1のプラテン外周部設置部8は金属材料(Al等)にシリコンを約0.1mm程度コーティングしたものである。第2〜4のプラテン外周部設置部9〜11は、イオン注入する半導体基板上の材質と同様の膜種、膜厚、被覆率とし、例えば、第1のプラテン外周部設置部上に約5000〜10000Å程度の熱酸化膜を形成したものや、第1のプラテン外周部設置部上に約10000〜40000Å程度の熱硬化させたレジスト膜をコーティングしたものを用いればよい。
この第2の実施形態によれば、第1の実施形態とほぼ同程度の注入角度ばらつきの抑制が可能となる。
図10は、第2の実施形態のイオン注入装置におけるベアシリコン面内注入ドーズのばらつきデータを示している。イオン注入条件はイオン種B+/加速電圧15KeV/注入ドーズ量1E14atoms/cm2/イオンビーム電流量500μAである。縦軸には、比較例におけるベアシリコン面内注入ドーズばらつき量を1と規格化したときの面内注入ドーズばらつき量を示している。この図から、比較例と比較し、第2の実施形態においても第1の実施形態と同様に、ベアシリコン面内注入ドーズばらつき量が低減していることが分かる。また、第1の実施形態と同様に、他のイオン種(As、P等)/加速電圧/注入ドーズ量/イオンビーム電流においても同様の効果を確認した。
(第3の実施形態)
図11は本発明におけるイオン注入装置を用いて形成された固体撮像装置の光電変換部および周辺回路部の断面構造の一例を示す図である。
図11において、101は光電変換部、102は周辺回路部を示す。第1の導電型半導体よりなるフォトダイオードの蓄積領域103は、第2の導電型半導体よりなるウェル104中に形成されている。本実施形態ではフォトダイオード表面は第2の導電型半導体よりなる表面層105が覆っている。また、フォトダイオードの上には光学的な反射防止層106が形成される。フォトダイオードの蓄積領域103に蓄積された光電荷は、シリコン酸化膜120の上にある転送ゲート107のオン、オフにより電圧変換部108に転送される。転送された電荷は、電圧変換部108により電圧信号に変換される。電圧信号は、MOSトランジスタ109によって構成される読み出し回路および、MOSトランジスタ110によって構成される読み出し回路によって撮像素子外に読み出される。MOSトランジスタ109は光電変換部101内に形成され、MOSトランジスタ110は周辺回路部102内に形成される。本実施形態では、電圧変換部108と、光電変換部101内のMOSトランジスタ109のソース、ドレイン領域と、周辺回路部102のMOSトランジスタ110のソース、ドレイン領域とは異なる構造になっている。すなわち、電圧変換部108と、MOSトランジスタ109のソース、ドレイン領域とは、薄い第1の導電型半導体領域114、コンタクトホール115下に形成された濃い第1の導電型半導体領域116より構成されている。一方、MOSトランジスタ110のソース、ドレイン領域には、薄い第1の導電型半導体領域114、濃い第1の導電型半導体領域116の他に、濃い第1の導電型半導体領域111が形成されている。薄い第1導の電型半導体領域114はゲート電極112に対してセルフアラインで形成されており、サイドスペーサ113下にも形成される。濃い第1の導電型半導体領域111はサイドスペーサ113に対してセルフアラインで形成されるために、サイドスペーサ113下および反射防止層106下には形成されない。
第1および第2の実施形態のイオン注入装置をそれぞれ用いて、第1の導電型半導体よりなるフォトダイオードの蓄積領域103、第2の導電型半導体よりなるウェル104、第2の導電型半導体領域よりなるフォトダイオード表面層105等を形成した。この構成により、半導体基板面内でフォトダイオードの蓄積領域を空乏化するための電圧の面内ばらつきが抑制された撮像素子を形成できる。空乏化電圧とは、第1の導電型半導体よりなるフォトダイオードの蓄積領域103から多数キャリア(この場合、電子)を取り除いた層を形成する状態にする電圧を示す。第1の導電型半導体よりなるフォトダイオードの蓄積領域103をイオン注入により形成する場合は、プラテン外周部設置部として、膜厚を約10000Å、被覆率を約80%としたレジスト膜をコーティングさせたものを用いた。また、第2の導電型半導体よりなるウェル104を形成する場合は、同様にプラテン外周部設置部として、膜厚を約40000Å、被覆率を約30%としたレジスト膜をコーティングさせたものを用いた。第2の導電型半導体領域よりなるフォトダイオード表面層105を形成する場合は、プラテン外周部設置部として、膜厚を約10000Å、被覆率を約20%としたレジスト膜をコーティングさせたものを用いた。図11において、115はコンタクトホール、118,119はゲート絶縁膜である。
図10は、第1および第2の実施形態のイオン装置を用いて作製した固体撮像装置の空乏化電圧のばらつきデータを示している。縦軸には、比較例におけるフォトダイオードの空乏化電圧ばらつき量を1と規格化したときの半導体基板面内の空乏化電圧ばらつき量を示している。この図から、比較例と比較し、第1および第2の実施形態では、半導体基板面内の空乏化電圧ばらつき量が低減していることが分かる。第1および第2の実施形態のイオン装置を用いて作製した固体撮像装置は、フォトダイオードの電荷蓄積の飽和電荷量を多く取ることが可能となる。
本発明はイオン注入装置、特に枚葉式イオン注入装置に好適に用いられるものである。また本発明の製造方法は、イオン注入を行う、固体撮像装置等の各種半導体装置の製造に用いられる。
第1の実施形態の枚葉式イオン注入装置のプラテン部構造およびビームスキャンを示す正面図である。 第1の実施形態の枚葉式イオン注入装置のプラテン部構造およびビームスキャンを示す平面図である。 イオンビームスキャンを行う電圧印加部、プラテンを走査するプラテン駆動部を含む、第1の実施形態の枚葉式イオン注入装置の構成を示す図である。 半導体基板を保持したプラテンが移動した状態を示す図である。 スキャンビーム範囲の制御を説明するための図である。 第1の実施形態の枚葉式イオン注入装置のメカニカルスキャン軸駆動時のビームスキャン範囲の制御動作を示す図である。 第1の実施形態の枚葉式イオン注入装置のメカニカルスキャン軸駆動時のビームスキャン範囲の制御動作を示す図である。 第1の実施形態のイオン注入方法におけるベアシリコン面内注入ドーズ量のばらつきを示す特性図である。 第2の実施形態の枚葉式イオン注入装置のプラテン外周部設置部の可変機構正面図である。 第2の実施形態のイオン注入方法におけるベアシリコン面内注入ドーズ量のばらつきを示す特性図である。 本発明のイオン注入装置を用いて形成した固体撮像装置の一実施形態を示す断面図である。 第1および第2の実施形態のイオン注入方法における半導体基板面内の空乏化電圧ばらつき量を示す特性図である。
符号の説明
1 半導体基板
2 プラテン
3 ビームスキャン
4 イオンビーム
5 メカニカルスキャン駆動軸
6 傾斜軸
7 注入角モーター
8 第1のプラテン外周部設置部
9 第2のプラテン外周部設置部
10 第3のプラテン外周部設置部
11 第4のプラテン外周部設置部
12 プラテン外周部設置部の可変機構の回転軸

Claims (7)

  1. 半導体基板が保持された保持部材上で、イオンビームを一次元走査する走査手段と、
    前記一次元走査の走査方向と直角な方向に、前記イオンビームが前記保持部材に対して相対的に移動するように、前記イオンビーム、前記保持部材のうちの少なくとも一方を移動させる移動手段と、
    前記イオンビームの前記保持部材に対する相対的な移動に対して、前記イオンビームの、前記半導体基板を超えた前記保持部材上でのスキャン範囲が等しくなるように、前記走査手段を制御する制御手段と、を有するイオン注入装置。
  2. 前記保持部材の、前記半導体基板の周囲に設置される設置部の表面は、イオンビーム照射が照射されたときに、前記半導体基板から発生する二次電子放出量と同じ二次電子放出量となるような材料からなることを特徴とする請求項1に記載のイオン注入装置。
  3. 前記半導体基板の表面に膜が形成され、
    前記保持部材の、前記半導体基板の周囲に設置される設置部の表面は、イオンビーム照射が照射されたときに、前記膜から発生する二次電子放出量と同じ二次電子放出量となるような材料からなることを特徴とする請求項1又は2に記載のイオン注入装置。
  4. 前記半導体基板はイオン注入を行う複数の膜が形成され、
    前記設置部は、少なくともイオン注入を行う複数の膜の数分設けられ、各膜のイオン注入面の材料によって前記設置部が選択されることを特徴とする請求項3に記載のイオン注入装置。
  5. 半導体基板が保持された保持部材上で、イオンビームを一次元走査するとともに、前記一次元走査の走査方向と直角な方向に、前記イオンビームが前記保持部材に対して相対的に移動するように、前記イオンビーム、前記保持部材のうちの少なくとも一方を移動させてイオン注入を行う半導体基板の製造方法において、
    前記イオンビームの前記保持部材に対する相対的な移動に対して、前記イオンビームの、前記半導体基板を超えた前記保持部材上でのスキャン範囲が等しくなるように、前記イオンビームのスキャンを行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  6. 前記半導体基板はイオン注入を行う複数の膜が形成され、
    前記設置部は、少なくともイオン注入を行う複数の膜の数分設けられ、各膜のイオン注入面の材料によって前記設置部が選択されることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
  7. 請求項5又は6に記載の半導体装置の製造方法を、固体撮像装置のイオン注入工程に用いたことを特徴とする固体撮像装置の製造方法。
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