JP2009146567A - 発光装置及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】異なる色をもつ光を放つことの可能な発光装置であって、それら各色の光の強度が好適に維持され、しかも、事後的な光路長変更が可能であるような発光装置を提供する。
【解決手段】発光装置は、素子基板7上に形成された発光機能層18を含む有機EL素子、この素子から発せられた光を反射する第1反射膜51R,51G,51B、有機EL素子及び第1反射膜間に挟まれるようにして形成され、電圧の印加を受けてその屈折率が変わる屈折率可変層501、この屈折率可変層に電圧を印加するために、素子基板上に形成された電圧印加手段を備える。図において、この電圧印加手段は、前記第1反射膜及び画素電極13R,13G,13Bからなる。
【選択図】図5

Description

本発明は、エレクトロルミネセンスにより発光する発光装置及び電子機器に関する。
薄型で軽量な発光源として、OLED(organic light emitting diode)、すなわち有機EL(electro luminescent)素子が提供されている。有機EL素子は、有機材料で形成された少なくとも一層の有機薄膜を画素電極と対向電極とで挟んだ構造を有する。一般に、このような有機EL素子は、それ自身を構成する画素電極、有機薄膜及び対向電極に加えて、画素電極ないし有機薄膜に電流を供給する金属配線薄膜、この金属配線薄膜と電気的に接続される薄膜トランジスタ等を含む、基板上に構築される積層構造物の一部として備えられる。
前述の有機EL素子を用いると、カラー画像の表示が可能である。このカラー画像の表示は、例えば、前記有機薄膜として、赤、緑及び青といった異なる色の光を放つ有機薄膜それぞれを備える有機EL素子を多数備えれば可能になる。あるいは、白色光を放つ有機薄膜を備えるだけであっても、例えば赤、緑及び青といった異なる色をもつカラーフィルタを設ければ、カラー画像表示は可能になる。
この場合、前記積層構造物は、前述の各色に対応した光共振器として構成されることがある。これにより、有機EL素子を発した光は、いわば増幅的干渉を受けることにより、その強度が強められることになる。
そのような光共振器の構成は、赤、緑及び青といった各色の波長の相違に応じ、当該積層構造物内の光路長がそれぞれ適当に調整されることを通じて実現される。かかる光路長の調整は、例えば、前記画素電極の物理的厚さを色ごとに調整することや、当該積層構造物中の層間絶縁膜の厚さを色ごとに調整すること等を伴う。なお、前記光路長は、光がある薄膜を透過する場合、当該薄膜の物理的厚さとその屈折率との積とによって求められる。
以上述べたような有機EL素子、ないしこれを備えた装置としては、例えば特許文献1に開示されているようなものが知られている。
特開2007−42535号公報
ところで、前記の光共振器の構成において、画素電極や層間絶縁膜の厚さの調整を行うことは必ずしも最善かつ唯一の手法とはいえない。例えば、画素電極の厚さを各色に対応して調整する場合、将来画素電極となる原薄膜(例えば、所定の厚さで成膜したITO膜等)に対するエッチング工程が、少なくとも3回行われる必要がある。これには当然手間がかかるし、また、多数回のエッチング工程を実行することは、その下層に位置する各種要素に対するダメージを与えるおそれを高める、等の難点がある。このようなことを考慮すると、物理的厚さ調整に係る手法が、光路長調整の最善の方法ということはできない。
この点、前述の特許文献1は、「保護層」が、「画素ごとに、該画素の色に対応関係を持つ屈折率を有」する技術を開示する(以上、「」内は特許文献1の〔請求項1〕)。そして、それを具体的に実現する技術的手段は、「エポキシ系樹脂」からなる保護層に、「異なる態様で光を照射する」こと、あるいは、相異なるエネルギ値をもつ紫外線を照射することである(以上、同文献の〔請求項4〕、〔0021〕、〔0025〕等参照)。
このような、同じ保護層内で屈折率の相違を生じさせる技術は、その厚さの変更を伴わないので、前述した不具合を実効的に解消するという点において極めて有意義ではある。
しかしながら、この特許文献1の技術では、前述の「光照射」によっていったん定まった光路長の変更は不可能となるか、あるいは極めて困難となるという問題がある。ちなみに、このことは、前述した画素電極の厚さ等の調整を通じて光路長を調整し、もって光共振器を構成する手法においてもあてはまり、この場合、少なくとも同じ手法を用いて(即ち、再び厚さを調整して)光路長を変更することはもはやできない。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、異なる色をもつ光を放つことの可能な発光装置であって、それら各色の光の強度が好適に維持され得るような発光装置を提供することを一課題とする。
また、本発明は、上記課題を解決すると同時に、事後的な光路長変更が可能であるような発光装置を提供することをもその一課題とする。
さらに、本発明は、上述した発光装置を備える電子機器を提供することを課題とする。
本発明に係る発光装置は、上述した課題を解決するため、基板と、前記基板上に形成された発光素子と、前記発光素子から発せられた光を反射する第1反射膜と、前記発光素子及び前記第1反射膜間に挟まれるようにして形成され、電圧の印加を受けてその屈折率が変わる屈折率可変層と、前記屈折率可変層に電圧を印加するために、前記基板上に形成された電圧印加手段と、を備える。
本発明によれば、屈折率可変層が発光素子及び第1反射膜間に挟まれるようにして形成されているので、発光素子から直接発せられた光(以下、「第1光」という。)が第1反射膜で反射した光(以下、「第2光」という。)は、当該屈折率可変層内で、当該発光素子に向かって進行しながら透過する。一方、発光素子を基準として、第1反射膜が存在しない側では、前記第1光が、当該発光素子から離れるようにして進行する。以上から、当該第1反射膜が存在しない側において、第1光及び発光素子を透過した第2光間の干渉が生じ得る。
そして、本発明では特に、電圧印加手段により、屈折率可変層に電圧を印加すると、当該屈折率可変層の屈折率が変わるようになっている。これによると、発光素子及び第1反射膜間の光路長が変化することになる。そうすると、前述した第1光及び第2光間の干渉の態様もまた変化する。
このように、本発明では、屈折率可変素子にかける電圧の印加態様の相違に応じて、第1光及び第2光間の干渉の態様を変更させることが可能であるので、少なくとも原理的には、どのような波長λであっても、当該波長λに関する増幅的干渉を生じさせることが可能となる。つまり、これによると例えば、前記第1光が白色光であれば、あるときには赤色成分が強調され、あるときには青色成分が強調される、等といった操作を行うことが可能になるのである。
以上のように、本発明によれば、異なる色をもつ光を放つことの可能な発光装置であって、それら各色の光の強度が好適に維持され得るような発光装置が提供される。
また、本発明においては、前述の説明からも明らかなように、当該発光装置がすでに運用されている最中においても、電圧印加手段による電圧印加態様を異ならせれば、屈折率可変素子における屈折率を変更することが可能である。つまり、本発明によれば、いわば事後的な光路長変更が可能であるような発光装置が提供されるのである。
この発明の発光装置では、少なくとも前記屈折率可変層を挟んで、前記第1反射膜と対向するように形成された第2反射膜、を更に備える、ように構成してもよい。
この態様によれば、第2反射膜が備えられているので、当該第2反射膜と前述の第1反射膜との間で、いわゆる光共振器が構成される。これにより、これら2つの反射膜によって反射を繰り返す光について共振を生じさせることが可能になる。そして、本態様では、この光共振器の内部に、前述した屈折率可変層が存在することになるので、これに対する電圧の印加態様を相違させれば、それに応じて当該光共振器における共振周波数を変更させることが可能になる。
以上により、本態様によれば、例えば、あるときには赤色成分が強調され、あるときには青色成分が強調される、等といった操作を行うことが可能になる。つまり、本態様によれば、前述した本発明に係る効果がより実効的に奏されることになるのである。
なお、この場合、第1及び第2反射膜それぞれの反射率には差を設けておくのが好ましい。これによれば、より反射率の高い反射膜はもっぱら反射鏡として機能し、より反射率の低い反射膜は反射鏡であるとともに光共振器外へ光を取り出すための膜として機能し得る。
また、発明の発光装置では、前記電圧印加手段は、前記基板の面の法線方向に沿って、前記屈折率可変層を挟み込む第1及び第2電極を含む、ように構成してもよい。
この態様によれば、屈折率可変層に好適に電圧を印加することが可能になる。ここで好適に、とは、例えば、屈折率可変層が基板面の全面を覆うかのように形成される場合、その屈折率可変層の全面について、満遍なく電圧印加が可能となることを含む。
なお、いま述べた事情から窺えるように、本発明においては、例えば屈折率可変層が基板面の全面を覆うかのように形成される場合であっても、その一側端、あるいは両側端に電極が設けられることによって、当該屈折率可変層に電圧を印加するような態様が採用されてもよい。あるいは、屈折率可変層がストライプ状に形成されるとともに、それらの間隙に電極が形成されるような態様(この場合、当該屈折率可変層及び電極は、あたかも同層に形成されるかの如き態様をとる。)が採用されてもよい。
本発明にいう「電圧印加手段」には、本態様にいう「第1電極」及び「第2電極」を含む態様が含まれることは当然、いま述べた各種の態様、更にはその他の態様も含まれる。
この態様では、前記第1及び第2電極のいずれか一方は、前記第1反射膜を兼ねる、ように構成してもよい。
この構成では、第1及び第2電極のいずれか一方が第1反射膜を兼ねるので、基板上に構築される積層構造物の層数をその分減少することができる。これにより、製造コストの低減化等が達成される。
あるいは、前述の態様では、前記発光素子は、前記光を発する発光機能層と、前記基板の面の法線方向に沿って、当該発光機能層を挟み込むように形成された画素電極及び対向電極と、を含み、前記第1及び第2電極のうちいずれか一方は、前記画素電極及び前記対向電極のいずれか一方を兼ねる、ように構成してもよい。
この構成では、第1及び第2電極のいずれか一方が画素電極又は対向電極を兼ねるので、基板上に構築される積層構造物の層数をその分減少することができる。これにより、製造コストの低減化等が達成される。
なお、本態様は、前述した、第1及び第2電極のいずれか一方が第1反射膜を兼ねる態様と並存可能である。この場合、例えば、第1及び第2電極の一方である第1電極が第1反射膜を兼ねるのであれば、その他方である第2電極が対向電極(又は画素電極)を兼ねる、というように、第1及び第2電極間で役割分担がなされるのが好ましい。
また、前述の第2反射膜を備える態様では、前記第2反射膜は、前記屈折率可変層に加えて前記発光素子を挟んで、前記第1反射膜と対向するように形成されており、当該発光素子は、前記光を発する発光機能層と、前記基板の面の法線方向に沿って、当該発光機能層を挟み込むように形成された画素電極及び対向電極と、を含み、前記第2反射膜は、前記画素電極及び前記対向電極のいずれか一方を兼ねる、ように構成してもよい。
この態様によれば、第2反射膜が、画素電極又は対向電極を兼ねるので、基板上に構築される積層構造物の層数をその分減少することができる。これにより、製造コストの低減化等が達成される。
また、前述の第1及び第2電極を備える態様では、前記発光素子は、前記基板上で複数並べられ、前記第1及び第2電極のいずれか一方は、前記複数の発光素子の各々に対応するように、相互に分離された複数の電極を含む、ように構成してもよい。
この態様によれば、複数の発光素子の各々に対応するように、相互に分離された複数の電極が備えられるので、屈折率の変更は、それら複数の発光素子毎に行われ得ることになる。したがって、例えば、ある発光素子については赤色成分が強調され、その隣の発光素子については青色成分が強調される、等ということが可能になる。これによれば、例えば本発明の「発光装置」が画像表示装置における画像表示機能を担うものとして組み込まれる場合、当該画像の表現性能が格段に向上し得る。
また、前述の第1及び第2電極を備える態様では、前記発光素子は、前記基板上でマトリクス状の配列に従って複数並べられ、前記第1及び第2電極のいずれか一方は、前記マトリクス状の配列の行方向又は列方向に沿って延び且つその各行又は各列に対応する複数の帯状電極を含む、ように構成してもよい。
この態様によれば、行方向又は列方向に沿って延びる複数の帯状電極が備えられるので、屈折率の変更が、それら各行又は各列に応じて行われ得ることになる。したがって、例えば、ある行に位置づけられる複数の発光素子については赤色成分が強調され、その隣の行に位置づけられる複数の発光素子については青色成分が強調される、等ということが可能になる。これによれば、例えば本発明の「発光装置」が画像表示装置における画像表示機能を担うものとして組み込まれる場合、当該画像の表現性能が格段に向上し得る。
また、本態様に係る「帯状電極」という構成は、前述した態様、即ち複数の発光素子それぞれに応じて電極を設ける場合に比べて、電圧供給用の配線等も含めた、その形成工程(例えば、パターニング処理等)を簡略にし、また、その制御ないし駆動方法も比較的簡易なものを採用可能にするという利益をもたらす。
この態様では、前記各行又は各列に対応するようにカラーフィルタを更に備える、ように構成してもよい。
これによれば、例えば、前述のように、ある行に位置づけられる複数の発光素子について赤色成分が強調される等という場合、当該行に対応するように、赤色フィルタを備えておけば、その純度が高められ得ることになる。
このようにして、一般的に言えば、本構成にいう「カラーフィルタ」の具備により、各行又は各列に対応する、色別表示の性能が向上することになる。
また、本発明の電子機器は、上記課題を解決するために、上述した各種の発光装置を備える。
本発明によれば、上述した各種の発光装置を備えてなるので、例えば、当該電子機器がテレビ等の画像表示装置であれば、より高品質の画像を表示することが可能となる。
以下では、本発明に係る実施の形態について図1乃至図5を参照しながら説明する。なお、これらの図面を含み、本実施形態において参照する各図面においては、各部の寸法の比率が実際のものとは適宜に異ならせてある場合がある。
本実施形態において、発光装置は、図1に示すように、素子基板7上に積層構造物250を備える。この図1において、当該積層構造物250は、素子基板7から順に、回路素子薄膜11、第1層間絶縁膜301、金属配線膜61、第2層間絶縁膜302、第1反射膜51、屈折率可変層501、第3層間絶縁膜303、画素電極13、発光機能層18、対向電極5、第2反射膜62、平坦化膜80、及び封止膜40を含む。
このうち、画素電極13、発光機能層18及び対向電極5は有機EL素子8を構成し、第1反射膜51、屈折率可変層501及び画素電極13は屈折率可変素子9を構成するが、この点については後に説明することとする。
第1乃至第3層間絶縁膜301乃至303(以下、単に「絶縁膜301乃至303」ということがある。)は、その他の導電性要素間の短絡が生じないように、あるいは、これら導電性要素の積層構造物250中の好適な配置を実現するため等に貢献する。これら絶縁膜301乃至303は、様々な厚さでもって様々な絶縁性材料から作られうるが、好適には、各絶縁膜の積層構造物250中の配置位置や役割等に応じて、適宜適当な厚さ及び材料が選択されるとよい。
より具体的には例えば、絶縁膜301及び302は、SiO、SiN、SiON等々で作られて好ましい。
回路素子薄膜11は、後述する有機EL素子8を駆動するための回路素子が作り込まれた薄膜である。この回路素子薄膜11は、例えば、スイッチングトランジスタとして機能する薄膜トランジスタ(TFT)、有機EL素子8の定電流源として機能するTFT、あるいは容量素子や、これらの各種回路素子間を電気的に接続する配線薄膜、等々を含み得る。図では簡略化のため、これらが1層の薄膜であるかの如く描かれているが、前記TFTを構成する半導体層、ゲート絶縁膜、ゲートメタルや、前記容量素子を構成する電極用薄膜(いずれも不図示)、等を含み得る。
有機EL素子8は、前述した積層構造物250に含まれる各種要素のうち、画素電極13、発光機能層18及び対向電極5から構成される。
このうち画素電極13は、図1、あるいは図5に示すように、素子基板7上に、相互に分離するように、かつ、マトリクス状の配列に従うように形成されている。一方、対向電極5は、発光機能層18を挟んで画素電極13と対向するように形成される。この対向電極5は、図1に示すように、画素電極13とは異なり、素子基板7の全面を覆うかのように形成されている。
これら画素電極13及び対向電極5は、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透光性かつ導電性の材料から作られている。
また、発光機能層18は、画素電極13上に、素子基板7の全面を覆うかのようにして形成されている。この発光機能層18は、少なくとも有機発光層を含み、この有機発光層は正孔と電子が結合して発光する有機EL物質から構成されている。本実施形態では、この有機EL物質は低分子材料であって、適当な蒸着方法によって形成される。発光機能層18を構成する他の層として、電子ブロック層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層及び正孔ブロック層の一部又は全部が備えられていてもよい。
なお、本実施形態における発光機能層18は、一様に白色光を発する。
このような構成において更に、前記画素電極13は、第2層間絶縁膜302を貫通するように形成されるコンタクトホール363を介して、第1層間絶縁膜301上に形成されている金属配線膜61に電気的に接続されている。また、この金属配線薄膜61は、例えば第1層間絶縁膜301を貫通するように形成されるコンタクトホール(不図示)等を介して、前記回路素子薄膜11と電気的に接続されている。
また、画素電極13及び対向電極5は、図2に示すように有機EL素子駆動回路110に接続されている。なお、図2において、この有機EL素子駆動回路110の中には、図1における回路素子薄膜11、あるいはその構成要素たる前述のTFT等が含まれている、と考えることができる。
以上の構成により、有機EL素子8は、有機EL素子駆動回路110によって駆動される。より詳しくは、以上の構成によって、回路素子薄膜11から供給される電流(該薄膜11内の前記TFTは、定電流源として機能させ得る。)は、画素電極13及び対向電極5間を流れると同時に、発光機能層18内を流れることが可能になる。そして、このように発光機能層18内に電流が流れることで、当該発光機能層18は、図1に示すような光L1及びL2を発する。
ここで、これら光L1及びL2のうち光L1は、図1、図2、あるいは図5に示すように、発光機能層18内の一点で発し、そのまま発光装置外の方向へと向かう光を意味しており、光L2は、前記一点で発し、第1反射膜51で反射した後、発光素子8の方に向かう光を意味している。これらの光L1及びL2は、相互に干渉する可能性をもつ。
ちなみに、本実施形態において、発光機能層18から発せられた光は、素子基板7が存在する側とは反対側に進行するようになっているので、本実施形態の発光装置は、いわゆるトップエミッション型である。
なお、有機EL素子8の駆動手法には、現時点において様々なもの(電流プログラム方式、電圧プログラム方式等)が提案されているが、本発明には、基本的にその全部が適用ないし採用可能である。
なお、マトリクス状に配列された画素電極13間には、図1に示すように、隔壁340が形成されている。本実施形態では、この隔壁340は、直接的には、コンタクトホール363を形成するために穿たれた穴を埋めるべく形成される一種の層間絶縁膜の一部として形成される。ただ、その層間絶縁膜を一定程度以上の高さ(例えば1〜2μm)をもつように形成すれば、図1に示すように、その少なくとも一部を隔壁340として形成することが可能になる。
このような隔壁340によれば、各有機EL素子8間の区分が明確に行われ得るほか、当該隔壁340によって囲まれた空間内に発光機能層を閉じ込めるように形成すること、言い換えれば、複数の有機EL素子8それぞれが固有の発光機能層をもつような態様を現出させることが可能となる。
この場合更に、複数の有機EL素子8それぞれは、各々異なる有機EL物質を含む発光機能層を持ち得ることになる。例えば、ある有機EL素子8は、赤色発光する有機EL物質を含む発光機能層を備え、他の有機EL素子8は、青色発光する有機EL物質を含む発光機能層を備える、というが如くである。
ちなみに、このような、隔壁340によって囲まれた空間における発光機能層の形成においては、有機EL物質として高分子材料を用意し、この有機EL物質を含む原料インクをインクジェットプリンタによって塗布する手法、等が好適に採用され得る。
屈折率可変素子9は、前述した積層構造物250に含まれる各種要素のうち、画素電極13、屈折率可変層501及び第1反射膜51から構成される。
このうち画素電極13については、前に述べたとおりである。本実施形態において、この画素電極13は、屈折率可変素子9と有機EL素子8との共通要素としての性格をもつ。
一方、第1反射膜51は、屈折率可変層501を挟んで画素電極13と対向するように形成される。この第1反射膜51は、図1、あるいは図5に示すように、画素電極13が従うマトリクス状の配列において、その各列に対応するように帯状に形成されている。図1でいえば、かかる帯状の第1反射膜51のそれぞれは、当該図面の紙面に垂直な方向に沿って延びている。なお、この第1反射膜51は、第2層間絶縁膜302の上に形成されている。
この第1反射膜51は、前述の画素電極13と対となって、屈折率可変層501に電圧を印加する電極としての機能をもつ。
また、第1反射膜51は、光を反射する機能をももつ。第1反射膜51で反射された光は、素子基板7が存在する側とは反対側に向けて進行する。
このような第1反射膜51は、前述した電極としての機能、及び、反射性能をよりよく発揮するため、導電性をもち、かつ、光反射性能の比較的高い材料から作られているとよい。例えば、アルミニウムや銀等を利用することができる。
屈折率可変層501は、前述の画素電極13及び第1反射膜51に挟まれるように、かつ、画素電極13と同様、マトリクス状の配列に従うように形成されている。
この屈折率可変層501は、電圧の印加を受けると、その屈折率が変化する性質をもつ(即ち、いわゆる「電気光学効果」をもつ。)物質を含む。そのような性質をもつ物質としては、好適には、「酸化物光材料」とも呼称され得るものが含まれ、具体的には例えば、LiNbO、 LiTaO、 BaTiO、 BaNaNb15(BNN)、 Sr0.75Ba0.25Nb(SBN−75)、 KHPO(KDP)、 KTa1−xNb(KTN)、 GaAs、 KTiO、 SrTiO、 PLZT、等々の各光学結晶が含まれる。
このような物質は、例えば図3及び図4に示すように、印加電圧の相違に応じて、その屈折率が変わる。これら図3及び図4は、Pb1−xLa(ZrTi1−x/4(PLZT)における屈折率と電界との関係を示しており、図3は、屈折率変化Δnが電界に比例する場合(ポッケルス効果)、図4は、電界の2乗に比例する場合(カー効果)、をそれぞれ示している。なお、PLZTにおいて、これら図3及び図4それぞれに示す効果の発現は、Laのドープ量を調整することにより制御される。
このような屈折率可変層501は、例えば、PVD法(Physical Vapor Deposition)、CVD法(Chemical Vapor Deposition)、スパッタ法、PLD(Pulsed Laser Deposition)法、エアロゾル・デポジション法(AD法)等を用いることにより、エピタキシャル薄膜として、形成され得る。
なお、酸化物以外にも、上述した電気光学効果を発揮する物質は存在するが、屈折率可変層501は、そのような物質を含んでもよい。
このような構成において更に、前記第1反射膜51は、図2に示すように屈折率可変素子駆動回路550に接続されている。この屈折率可変素子駆動回路550は、前述した有機EL素子駆動回路110によって駆動される有機EL素子8の状態に応じて、第1反射膜51の電圧を調整することが可能である。
以上の構成により、屈折率可変素子9は、屈折率可変素子駆動回路550によって駆動される。より詳しくは、画素電極13の電圧に対応して、第1反射膜51の電圧が好適に調整されることにより、これら画素電極13及び第1反射膜51間の電位差が適当に設定され、もって、屈折率可変層501の屈折率が適当に変更される。なお、この点については後に図5等を参照しながら改めて説明する。
第2反射膜52は、対向電極5の上に、素子基板7の全面を覆うかのようにして形成されている。
この第2反射膜52は、光を反射する機能を持つとともに、光を透過する機能を持つ。第2反射膜51で反射された光は、素子基板7が存在する側に向けて進行する。また、第2反射膜52を透過した光は、図1中上方向に更に進行し、最終的には、当該発光装置のユーザにより視認される光、等となる(ただし、有機EL素子8を発した光が、例えばプリンタ等に備えられる感光体ドラム上の静電潜像形成のために用いられる場合には、そうとはいえない。ここでいう「等」は、そのような場合を含む趣旨である。)。
第2反射膜51は、上述のような半反射半透過に係る性能をよりよく発揮するため、例えば、MgAl、MgCu、MgAu、MgAg等といった合金又は金属材料から作られて好適である。
このような第2反射膜52は前述の第1反射膜51と一対のペアを組み、これら両反射膜51及び52は、それらの間に挟まれる各層とともに、光共振器RB1(図2参照)を構成する。
以上のほか、素子基板7上には、封止膜40及び平坦化膜80が形成されている。
封止膜40は、前記発光機能層18への水分及び酸素の進入を抑制する機能をもつ。また、平坦化膜80は、当該封止膜40が形成されるべき下地面を平坦化する機能をもつ。これにより、封止膜40が極端な段差を跨いで形成されるということがなく、したがって、当該封止膜40にクラック等が生じることが未然に防止される。封止膜40は、それによって、その封止機能をいかんなく発揮する。
これら封止膜40及び平坦化膜80は、前者が例えばSiN、SiON等から作られ、後者が例えばエポキシ樹脂等から作られて好適である。
素子基板7上に形成される積層構造物250を構成する各種要素は以上説明したとおりであるが、図1に示す発光装置は、そのほかにも、カラーフィルタ用基板(以下、単に「CF基板」という。)20、カラーフィルタ36及び遮光膜BMをもつ。
このうちカラーフィルタ36は、図1に示すように、赤色フィルタ36R、緑色フィルタ36G及び青色フィルタ36Bを含む。これら各色のフィルタ(36R,36G,36B)は、例えば、当該各色に対応する適当な顔料を含む樹脂材料等から作られて好適である。
これら各色のフィルタ36R,36G及び36Bは、前述した画素電極13の形成態様と同様、マトリクス状の配列に従って並べられる。ただし、各色のフィルタ(36R,36G,36B)は、図1に示す水平方向に従っては、この順に配列され、かつ、図1の紙面に垂直な方向に従っては、同一色のフィルタが一列に並ぶように配列されている。その意味で、各色フィルタ(36R,36G,36B)の形成態様は、前述した第1反射膜51の形成態様と符牒を合わせている。つまり、各色フィルタ(36R,36G,36B)は、第1反射膜51と同様、画素電極13の各列に対応するように形成されているのである。
このようなカラーフィルタ36は、発光機能層18から届く光のうち所定の波長域の光のみを透過し、それ以外の波長域の光を吸収し、あるいは反射する。すなわち、赤色フィルタ36Rは、例えばピーク波長610nm及びその付近の波長域の光を透過させ、緑色フィルタ36Gは、ピーク波長520nm及びその付近の波長域の光を透過させ、青色フィルタ36Bは、ピーク波長470nm及びその付近の波長域の光を透過させる。なお、ここに挙げたピーク波長の具体的数値は、単なる一例である。
なお、図5において示されている符号13R,13G,13B、あるいは符号51R,51G,51Bにおける、“R”,“G”,“B”は、先に述べた各色のフィルタ(36R,36G,36B)の形成態様との関連において使用されている。すなわち、赤色フィルタ36Rの各々が並ぶ列と同じ列に並ぶ各画素電極13(図中、破線囲み参照)に対しては符号“13R”が付せられ、当該列と同じ列に延びる第1反射膜51に対しては符号“51R”が付せられている。残る、“G”及び“B”についても同様である。
また、図5に関連する、この他の注記事項を以下に記しておく。
(i) 図5では、図面を見易くすることを目的として、屈折率可変層501は、6つの画素電極13に対応する分だけが図示されている。
(ii) 図5に示されている屈折率可変層501に付された斜線は、第1反射膜51Bに対応する屈折率可変層501の部分を視覚的に把握しやすくする意図を持っている。
(iii) 言うまでもないが、図5に示されている部分は発光装置の一部のみである。例えば、画素電極13は図示する以上の数が更に備えられ、第1反射膜51は図中右方向に更に延在するとともに、紙面奥に向かって更に、51B,51G,51R,51B,…と順に並べられる。
以上のほか、図5に示される未説明のその他の符号(例えば、“Ioled”、“VeoB”等々)及び要素の意義については、追々適宜説明される。
遮光膜BMは、平面視して画素電極13の形成領域を縁取るように、あるいは当該形成領域以外の領域に対応するように形成されている。あるいは、CF基板20側の要素だけでいえば、遮光膜BMは、マトリクス状に配列されたカラーフィルタ36間の間隙を埋めるようにして形成されている。
このような遮光膜BMは、相隣接する有機EL素子8同士の光が混合するのを防止する。
本実施形態に係る発光装置は、以上述べた、カラーフィルタ36及び遮光膜BMを備えるCF基板20と、積層構造物250を備える素子基板7とが、そのそれぞれの構造物が相互に向かい合わせにされるように(図1参照)、貼り合わされることで構成される。
以下では、以上のような構成を持つ発光装置の作用効果について、既に参照している図5を主に参照しながら説明する。
既に述べたように、発光機能層18に電流Ioled(図5参照)が流されると、前述したような光L1及びL2が発生する。このように発生した光L1及びL2は、第2反射膜52が半反射半透過膜であることから、その一部が図5に示すように発光装置外へと進行する。一方、他の一部は、図5に示す符号Lcに示すように第1反射膜51と第2反射膜52との間で繰り返し反射する。この繰り返し反射に係る光は、共振する可能性を持つ。
一方、図2に示した有機EL素子駆動回路110は、図5に示す画素電極13ごとに、前記電流Ioledをいつ流すか等を決定する。この場合、その電流値をどの程度にするかも併せて制御され得る。いずれにせよ、このような電流Ioledの印加が可能であるように、画素電極13及び対向電極5のそれぞれは、これら両電極13及び5間に所定の電位差が設定されるよう、適当な電圧に設定される。
そして、図2に示した屈折率可変素子駆動回路550は、有機EL素子駆動回路110によって設定された画素電極13の電圧に応じて、第1反射膜51の電圧を決定する。これにより、画素電極13及び第1反射膜51間には、図5に示すように、例えば電位差VeoBが設定され得ることになる。これにより、屈折率可変層501の屈折率は、例えば図3あるいは図4に示したように、ポッケルス効果、ないしカー効果の発現によって変わる。そうすると、これに引き続き、第1反射膜51及び第2反射膜52間の物理的距離には変更がないものの、その光学的距離ないしは光路長は変化することになる。例えば、いま述べた物理的距離をt、電位差VeoBの印加前の屈折率可変層501の屈折率をnb、印加後の屈折率をna(≠nb)とすれば、電位差VeoB印加前の光学的距離dbは、db=t・nbであり、印加後の光学的距離daは、da=t・na(≠db)、ということになる。
このような光学的距離の変更は、光共振器RB1における共振周波数、即ち共振する光波長の変更をもたらす。したがって、例えば、変更後の光学的距離daが、白色光のうち赤色成分の光を共振するのに適当な値となるのであれば、当該赤色光についての共振が生ずる。
ここで本実施形態においては、第1反射膜51が前述のように帯状電極として形成されているので、そのような光学的距離の変更が、その1本1本の第1反射膜51(図5では、51R、51B,51G)ごとに行われ得る。例えば、図5に示すように、青色フィルタ36B(図5では不図示)に対応する第1反射膜51Bに、当該第1反射膜51Bに所定の電圧を供給する配線511Bが接続されるのであれば、この配線511Bを通じて、第1反射膜51Bと各画素電極13Bとの間には、図示する電位差VeoBを設定することが可能である。これと同時に、緑色フィルタ36G及び赤色フィルタ36R(いずれも図5では不図示)それぞれに対応する第1反射膜51G及び51Rについても同様に、前記配線511Bとは独立に且つこれら相互間でも独立の、配線511G及び511Rを設けるのであれば、第1反射膜51G及び各画素電極13G間、第1反射膜51R及び各画素電極13R間で、それぞれ異なる電位差VeoG及びVeoR(いずれも図5では不図示。なお、VeoR≠VeoG,VeoG≠VeoB,VeoB≠VeoRが成立し得る。)を設定することが可能になる。
なお、前述の配線511R,511G,511Bは、図1においては、例えば金属配線膜61と同一膜として、かつ、有機EL素子8が形成される領域を取り囲む周辺領域上に、成膜され得る。
以上によると結局、画素電極13Rが並ぶ列に関する第1反射膜51R及び第2反射膜52間の光学的距離(以下、「daR」と名付ける。)、画素電極13Gが並ぶ列に関するそれ(以下、「daG」と名付ける。)、及び画素電極13Bが並ぶ列に関するそれ(以下、「daB」と名付ける。)、をそれぞれ異ならせ得ることの可能性が生じる。そして、更に言えば、この場合、光学的距離daRを赤色光の共振に好適に、光学的距離daGを緑色光の共振に好適に、及び光学的距離daBを青色光の共振に好適に、それぞれ設定することの可能性が生じることになるのである。
このような結果、本実施形態に係る発光装置は、赤色光、緑色光及び青色光という3色の光を放つことが可能であって、しかも、それら各色の光の強度を好適な程度に維持し得ることも可能となる。
なお、この場合、原理的には、上述したカラーフィルタ36は必ずしも設ける必要がない。ただ、カラーフィルタ36が存在すれば、すなわち、例えば第1反射膜51R及び各画素電極13Rに対応して強調された赤色光が、更に赤色フィルタ36Rを透過してくるような構成(即ち、本実施形態の構成である。)を採用すれば、その赤色光の色純度をより高めることが可能となるので、カラーフィルタ36を設けることにも相応の意義を認めることができるのである。
この点に関連して、本実施形態に係る構成において、仮にカラーフィルタ36(あるいは、各色フィルタ(36R,36G,36B))が設けられない場合を考えるならば、図5に示す第1反射膜51R及び各画素電極13R間、第1反射膜51G及び各画素電極13G間、及び第1反射膜51B及び各画素電極13B間のそれぞれにおいて、赤色光、緑色光及び青色光を強調する(あるいは、共振させる)必要性は必ずしもない。また、図1、図2、あるいは図5に示す構成によれば、前述した光学的距離daR,daG,daBは、原理的には、(その添え字“R”,“G”,“B”に拘ることなく)自由に定められ得ることが明白である。例えば、光学的距離daR及びdaGは青色光の共振に好適に、光学的距離daBは赤色光の共振に好適に、それぞれ設定する、等ということがあってもよいのである。
このようなことから明白なように、本実施形態の発光装置によれば、様々な事情を勘案した上、各第1反射膜51R,51G,51Bに設定する電圧の大きさを適当に調整することで、光共振器RB1の構成を具体的にどのように設定するのかを、基本的に自由に選択することが可能なのである。
また、本実施形態に係る発光装置によれば、上述したような効果に関連して、次のような効果も奏される。
すなわち、本実施形態の発光装置では、既述のように、光共振器RB1の構成を具体的にどのように設定するかは自由であるが、かかる事情は、当該発光装置が運用段階に至ってもあてはまる。なぜなら、本実施形態において、屈折率可変層501の屈折率の変更は、ただに、第1反射膜51に設定する電圧の如何によっているからである。このような電圧設定は、当該発光装置が運用段階にあったとしても、容易に行い得る事柄である。
このように、本実施形態によれば、いわば事後的な光路長変更が可能であるような発光装置が提供されるのである。
このような効果、ないしは装置運用可能性は、これに引き続く、様々な付随的効果(例えば、複数の発光装置間における光強度の相違(即ち、品質のばらつき)を一定の範囲におさめることが容易になる、あるいは、使用環境に応じた発色態様の変更が容易に可能となる、等々)がもたらされることを強く推測させる。
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明に係る発光装置は、上述した形態に限定されることはなく、各種の変形が可能である。
(1) 上では、本発明の1つのあり得る実施形態として、図1に示したような積層構造物250を備える発光装置について特に説明を行っているが、本発明は、その他様々な実施形態を採り得る。
(1‐1) 例えば、発光装置は、図6に示すような構造を備えてもよい。この発光装置は、有機EL素子8が、図中上から順に対向電極5、発光機能層18及び画素電極13から構成されること、対向電極5の図中上側に第2反射膜52が備えられること、及び、画素電極13の図中下側に屈折率可変層501が備えられること、等については、上記実施形態と同じである。
この図6においては、上記実施形態と対比して、第1反射膜51に代え、屈折率可変素子9’の構成、及び、第3反射膜53の具備という2点について相違がある。
まず、屈折率可変素子9’は、図6に示すように、画素電極13、屈折率可変層501の他に、屈折率可変用電極54を備えている。この屈折率可変用電極54は、上述の第1反射膜51と対比して、帯状電極として形成されていることについて変わりはないが、透明且つ導電性材料たるITO等によって作られているという相違点がある。つまり、かかる電極54は、高い光反射性能をもつわけではない。この屈折率可変用電極54は、屈折率可変素子駆動回路550に接続されており、その電圧が適当に設定される。
また、第3反射膜53は、上述の第1反射膜51と異なり、かつ、第2反射膜52と同様、素子基板7の全面を覆うかのようにして形成されている。なお、この第3反射膜53の設置に伴い、当該第3反射膜53と前記屈折率可変用電極54との間には、層間絶縁膜304が形成されている。
このような第3反射膜53は、前記第2反射膜52と一対のペアを組み、これら両反射膜53及び52は、それらの間に挟まれる各層とともに、光共振器RB2を構成する。
このような構成であっても、上記実施形態と本質的に相違のない作用効果が奏されることは明白である。しかも、この図6に示す構成では、光共振器RB2を構成する第2反射膜52及び第3反射膜53がいずれも、素子基板7の全面を覆うかのようにして形成されている、言い換えれば、いずれもいわゆるベタ状に形成されているので、発光機能層18を発した光が、極めて有効に利用され得ることになるという利点が得られる。
ただ、図6では、そのような効果を得る反面、上記実施形態に比べて、第3反射膜53及び層間絶縁膜304という2つの層を余分に形成する態様となっているため、その分、積層構造物の厚さが増大し、製造コストもその分、余計にかかるという欠点もある。
ちなみに、上記実施形態では、第1反射膜51が、光共振器RB1を構成する一方の反射鏡としての機能を持ちながら、屈折率可変層501への電圧印加用電極としての機能をもっていた。このことは、図6の構成に係る前記欠点の存在に鑑みるに、上記実施形態における大きな利点として再認識される。
(1‐2) あるいは、発光装置は、図7に示すような構造を備えてもよい。この発光装置は、それに備えられる各種の要素、即ち発光機能層18及び屈折率可変層501が、上記の実施形態と同じではある。ただ、その構造的な位置付けが、上記実施形態と大分異なる。
この図7においては、有機EL素子8’は、画素電極13’、発光機能層18及び対向電極5’から構成される。このうち画素電極13’は、上記実施形態における画素電極13と同様、マトリクス状の配列に従って並べられることについて変わりはないが、屈折率可変層501への電圧印加用電極としての機能を持たない。図7では、対向電極5’が、かかる機能を担っている。画素電極13’及び対向電極5’は、有機EL素子駆動回路110に接続されている。
一方、図7における屈折率可変素子9”は、屈折率可変層501に加えて、これを両側から挟みこむ第4反射膜56、及び、対向電極5’から構成される。このうち第4反射膜56は、上記実施形態との対比で言えば、第1反射膜51に相当する要素であり、当該第1反射膜51と同様の構造(=帯状)及び機能(=屈折率可変層501への電圧印加用電極としての機能及び光反射機能)をもつ。この第4反射膜56と、前述した対向電極5’とは、屈折率可変素子駆動回路550に接続されている。
加えて、図7においては、画素電極13’の下層側に、層間絶縁膜305を挟んで、第5反射膜55が備えられる。この第5反射膜55は、上記実施形態との対比で言えば、第2反射膜52に相当する要素であり、当該第2反射膜52と同様の構造(=素子基板7の全面を覆うかのようなベタ状)及び機能(=半反射半透過に係る機能)をもつ。
この第5反射膜55と前記の第4反射膜54とは、一対のペアを組み、これら両反射膜55及び54は、それらの間に挟まれる各層とともに、光共振器RB3を構成する。
このような構成であっても、上記実施形態と本質的に相違のない作用効果が奏されることは明白である。ただし、図7で注意すべきは、前述した実施形態に係る発光装置では、発光機能層18から発した光が素子基板7の存在する側とは反対側に出射する、トップエミッションタイプであったのに対して、図7に係る発光装置は、それとは反対のボトムエミッションタイプであることである。ただ、そうとはいえ、両者間に、何らかの本質的な変更が生じているわけではなく、また、特別な対処や特別な要素の設置が求められるわけでもない(ただし、素子基板7が透明であること等は必要である。)。
(2) 上記実施形態では、屈折率可変層501は、マトリクス状の配列に従って、あるいは換言すれば素子基板7上で島状に、形成される例について説明しているが、本発明はかかる形態に限定されない。例えば、屈折率可変層は、素子基板7の全面を覆うかのようなベタ状に形成されてもよい。
また、これに関連して、上記実施形態における第1反射膜51もまた、帯状に形成される必要はなく、前記ベタ状に形成されてもよい。
このように、屈折率可変層及び第1反射膜がいずれもベタ状に形成されると、上記実施形態のように各列につき共振波長を異ならせることは不可能ないし極めて困難とはなるが、この場合であっても、装置運用開始後の屈折率変更はやはりできる。
あるいは逆に、上記実施形態における第1反射膜51が、マトリクス状の配列に従って並ぶ屈折率可変層501と同様、マトリクス状の配列に従って並べられてもよい。この場合更に、そのような複数の第1反射膜51の各々について個別に電圧設定制御を行えば、1個1個の画素電極13につき、共振波長を変更し得る可能性も出てくる。
(3) 上記実施形態では、対向電極5がITOから作られており、かつ、半反射半透過に係る機能を持つ第2反射膜52を備える態様について説明しているが、場合によっては、この対向電極5それ自体に半反射半透過の機能をもたせてもよい。これによれば、第2反射膜52を必ずしも設ける必要はなくなるから、積層構造物250の構造を1層分減ずることができ、製造コストの低廉化等が達成される。
<応用>
次に、本発明に係る発光装置を適用した電子機器について説明する。図8は、上記実施形態に係る発光装置を画像表示装置に利用したモバイル型のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。パーソナルコンピュータ2000は、表示装置としての有機EL装置と本体部2010とを備える。本体部2010には、電源スイッチ2001及びキーボード2002が設けられている。
図9に、上記実施形態に係る発光装置を適用した携帯電話機を示す。携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001及びスクロールボタン3002、ならびに表示装置としての有機EL装置1を備える。スクロールボタン3002を操作することによって、有機EL装置に表示される画面がスクロールされる。
図10に、上記実施形態に係る発光装置を適用した情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistant)を示す。情報携帯端末4000は、複数の操作ボタン4001及び電源スイッチ4002、ならびに表示装置としての有機EL装置を備える。電源スイッチ4002を操作すると、住所録やスケジュール帳といった各種の情報が有機EL装置に表示される。
本発明に係る発光装置が適用される電子機器としては、図8から図10に示したもののほか、デジタルスチルカメラ、テレビ、ビデオカメラ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電子ペーパー、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、ビデオプレーヤ、タッチパネルを備えた機器等が挙げられる。
本発明の実施形態に係る発光装置の構造を示す断面図である。 図1の発光装置のうち特に、光共振器RB1を構成する部分をモデル的ないしブロック図的に示す概念図である。 電気光学効果(ポッケルス効果)を説明するためのグラフである。 電気光学効果(カー効果)を説明するためのグラフである。 図1の発光装置の作用効果を説明するための概念図である。 図2と同趣旨の図であって、本発明の実施形態の変形例(その1)のうち光共振器RB2を構成する部分をモデル的ないしブロック図的に示す概念図である。 図2と同趣旨の図であって、本発明の実施形態の変形例(その2)のうち光共振器RB3を構成する部分をモデル的ないしブロック図的に示す概念図である。 本発明に係る有機EL装置を適用した電子機器を示す斜視図である。 本発明に係る有機EL装置を適用した他の電子機器を示す斜視図である。 本発明に係る有機EL装置を適用したさらに他の電子機器を示す斜視図である。
符号の説明
7……素子基板、250……積層構造物、8,8’……有機EL素子(発光素子)、9,9’,9”……屈折率可変素子、13(=13R,13G,13B),13’……画素電極、18……発光機能層、5,5’……対向電極、501……屈折率可変層、51(=51R,51G,51B)……第1反射膜、511R,511G,511B……配線、52……第2反射膜、53……第3反射膜、54……屈折率可変用電極、55……第5反射膜、56……第4反射膜、RB1,RB2,RB3……光共振器、110……有機EL素子駆動回路、550……屈折率可変素子駆動回路、
11……回路素子薄膜、61……金属配線膜、301……第1層間絶縁膜、302……第2層間絶縁膜、303……第3層間絶縁膜、304,305……層間絶縁膜、340……隔壁、363……コンタクトホール、40……封止膜、80……平坦化膜、
20……CF基板、36(=36R,36G,36B)……カラーフィルタ、BM……遮光膜、
L1……(発光機能層18から直接発した)光、L2……(光L1が反射膜で反射した)光

Claims (10)

  1. 基板と、
    前記基板上に形成された発光素子と、
    前記発光素子から発せられた光を反射する第1反射膜と、
    前記発光素子及び前記第1反射膜間に挟まれるようにして形成され、電圧の印加を受けてその屈折率が変わる屈折率可変層と、
    前記屈折率可変層に電圧を印加するために、前記基板上に形成された電圧印加手段と、
    を備えることを特徴とする発光装置。
  2. 少なくとも前記屈折率可変層を挟んで、前記第1反射膜と対向するように形成された第2反射膜、を更に備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記電圧印加手段は、前記基板の面の法線方向に沿って、前記屈折率可変層を挟み込む第1及び第2電極を含む、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の発光装置。
  4. 前記第1及び第2電極のいずれか一方は、前記第1反射膜を兼ねる、
    ことを特徴とする請求項3に記載の発光装置。
  5. 前記発光素子は、
    前記光を発する発光機能層と、
    前記基板の面の法線方向に沿って、当該発光機能層を挟み込むように形成された画素電極及び対向電極と、
    を含み、
    前記第1及び第2電極のうちいずれか一方は、前記画素電極及び前記対向電極のいずれか一方を兼ねる、
    ことを特徴とする請求項3に記載の発光装置。
  6. 前記第2反射膜は、
    前記屈折率可変層に加えて前記発光素子を挟んで、前記第1反射膜と対向するように形成されており、
    当該発光素子は、
    前記光を発する発光機能層と、
    前記基板の面の法線方向に沿って、当該発光機能層を挟み込むように形成された画素電極及び対向電極と、
    を含み、
    前記第2反射膜は、前記画素電極及び前記対向電極のいずれか一方を兼ねる、
    ことを特徴とする請求項2に記載の発光装置。
  7. 前記発光素子は、前記基板上で複数並べられ、
    前記第1及び第2電極のいずれか一方は、
    前記複数の発光素子の各々に対応するように、相互に分離された複数の電極を含む、
    ことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか一項に記載の発光装置。
  8. 前記発光素子は、前記基板上でマトリクス状の配列に従って複数並べられ、
    前記第1及び第2電極のいずれか一方は、
    前記マトリクス状の配列の行方向又は列方向に沿って延び且つその各行又は各列に対応する複数の帯状電極を含む、
    ことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか一項に記載の発光装置。
  9. 前記各行又は各列に対応するようにカラーフィルタを更に備える、
    ことを特徴とする請求項8に記載の発光装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の発光装置を備える、
    ことを特徴とする電子機器。
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