JP2009145584A - 液晶表示素子 - Google Patents

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Hiroshi Totsuka
浩 戸塚
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Abstract

【課題】メインシールの液晶注入口の構造を最適化することにより、液晶注入口のエンドシールの表示領域内への浸透を阻止すると共にエンドシールの硬化時の体積収縮力によるセルギャップの変動を抑制し、表示領域全面に亘って良好な表示品位を得ることが可能な液晶表示素子を実現することにある。
【解決手段】メインシール4の開口部5で透明基板2、3の外周端部8の一部を内包させ、開口部5を覆うように、該開口部5から延びたメインシール4の中心線Xより内側で且つ外周端部8の一部に略平行な中心線Xを有する線状のバッファ部7を設け、バッファ部7と外周端部8の一部の間の開口部5内に、バッファ部7と略垂直に且つバッファ部7と離れた位置から外周端部8の一部の方向に延びる線状のギャップ保持部6を設けた。
【選択図】図2

Description

本発明は、液晶表示素子に関するものであり、詳しくは、液晶注入口の構造を最適化した液晶表示素子に関する。
液晶表示素子は、夫々の対向する側の面に透明電極および配向膜を形成した一対の透明基板を、該対向する透明基板間の外周端部に開口(液晶注入口)を有する環状のメインシールと呼ばれる接着剤を介して所定の間隔で貼り合わせ、一対の透明基板とメインシールで囲まれた領域内に液晶注入口から液晶を注入した後、液晶注入口をエンドシールと呼ばれる封止剤で封止したものである。
このとき、一般的にはメインシール用の接着剤として熱硬化型の接着剤が用いられ、エンドシール用の封止剤としてUV硬化型の接着剤が用いられる。
ところで、一対の透明基板で挟持されてなる液晶の光学的な挙動は液晶層の層厚(セルギャップ)に影響され、その傾向は特にTN型、STN型液晶表示素子において顕著である。
そのため、液晶表示素子の製造工程においてセルギャップの不均一が発生しないような手段を液晶表示素子に施す提案がなされている。
具体的には、図7に示すように、環状のメインシール50の開口(液晶注入口)51に、該メインシール50の内周52から所定寸法d1内側に入った位置からメインシール50の外周53の位置まで延びた複数の補強材54を設けた構造としたものである。
液晶注入口51を上記構造とすることにより、メインシール50の内側領域55に液晶を注入した後に液晶注入口51を封止するエンドシール材の硬化時の収縮力f1が補強材54の寸法d1の部分の引張り力f2と均衡し、エンドシール材の収縮力f1のモーメントによる透明基板56、57の中央側の膨張が抑制されてセルギャップの均一性が確保されるというものである(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−148640号公報
ところで、上記構造の液晶注入口は液晶表示素子の製造工程におけるセルギャップの均一性は保たれるが、エンドシール材による封止時にエンドシール材がメインシールの内側まで至る過剰な浸透が生じ、メインシール材による表示の不具合が発生する可能性がある。
そこで、本発明は上記問題に鑑みて創案なされたものであり、その目的とするところは、エンドシール材によるメインシールの液晶注入口の封止時に該エンドシール材が所定領域外に浸透することなく所定の液晶封入領域が確保され、且つエンドシール材の硬化時に該エンドシール材の収縮力の影響を受けることなく所定のセルギャップの均一性が確保され、よって液晶表示領域全面に亘って良好な表示品位を得ることが可能な液晶表示素子を実現することにある。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載された発明は、所定の間隔で配置された一対の透明基板が前記透明基板間に位置する、液晶注入口となる開口部を備えた環状のメインシールで張り合わされ、前記一対の透明基板と前記メインシールで囲まれた領域内に液晶を挟持してなる液晶表示素子であって、
前記開口部は前記透明基板の外周端部の一部を内包しており、
前記開口部を覆うように、前記開口部から延びたメインシールの中心線より内側で且つ前記外周端部の一部に略平行な中心線を有する線状のバッファ部が設けられており、
前記バッファと前記外周端部の一部の間の前記開口部内に、前記バッファ部と略垂直に且つ前記バッファ部と離れた位置から前記外周端部の一部の方向に延びる線状のギャップ保持部を設けたことを特徴とするものである。
また、本発明の請求項2に記載された発明は、請求項1において、前記ギャップ保持部が、前記外周端部の一部に達していることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項3に記載された発明は、請求項1または2のいずれか1項において、前記ギャップ保持部が、略0.5mmの線幅であることを特徴とするものである。
対向する一対の透明基板を、開口部を有する環状のメインシシールで貼り合わせ、両透明基板とメインシールで囲まれた領域内に液晶を挟持してなる液晶表示素子において、開口部を覆うように、該開口部から延びたメインシールの中心線より内側で且つ外周端部に略平行な中心線を有する線状のバッファ部を設け、バッファ部と外周端部の間の開口部内に、バッファ部と略垂直に且つバッファ部と離れた位置から前記外周端部の方向に延びる線状のギャップ保持部を設けた。
その結果、液晶注入後にエンドシール材で開口を封止したときに、エンドシール材の表示領域への浸透がバッファ部で阻止されるために液晶表示に悪影響を及ぼすことはない。
また、エンドシール材の硬化時の体積収縮力により透明基板のバッファ部の外側に加わるモーメントがギャップ保持部の引張り力で緩和され、バッファ部の反対側に該バッファ部を支点とするモーメントが加わることはない。
その結果、液晶層が挟持された全領域に亘って両透明基板間の間隔が均一に保持され、表示領域全面に亘って色むらのない表示品位の良好な表示素子を実現することができる。
以下、この発明の好適な実施形態を図1〜図6を参照しながら、詳細に説明する(同一部分については同じ符号を付す)。尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの実施形態に限られるものではない。
図1は、本発明の液晶表示素子を一方の透明基板側から見た図であり、図2は図1の部分拡大図である。
図1より、液晶表示素子1は、夫々透明電極および配向膜(いずれも図示せず)が形成された一対の透明基板2および透明基板3が、互いの透明電極および配向膜同士を対向させた状態で所定の間隔を保って並行に配置され、両透明基板2、3間の外周端部に設けられた環状のメインシール4によって一対のガラス基板2、3が貼り合わされている。
環状のメインシール4は熱硬化型の接着剤からなり、その一部に開口部(液晶注入口)5が設けられており、開口部5には複数のギャップ保持部6とバッファ部7が形成されている。
図2より、ギャップ保持部6は、透明基板2、3の開口部5側の外周端部8から中央部に向かって略直線状に且つ略等間隔で延びる複数の接着剤塗布部からなっている。ギャップ保持部6の線幅d1は略0.5mmである。
ギャップ保持部6の線幅d1を略0.5mmの直線状としたのは、接着剤の塗布方法に基づくものである。具体的には、メッシュ状の金属版または樹脂版に金属または樹脂によるマスクを形成し、スキージによって接着剤をメッシュ孔から押し出して透明基板2または透明基板3のいずれかの上に転写する、所謂スクリーン印刷でおこなわれる。
このとき、所望の印刷形状が略円形の場合、印刷スクリーンがメッシュ状を呈しているために所望の印刷径が小さくなるにつれてマスクの大きさおよび形状通りに印刷することが困難になるという技術的制約を有している。
それに対し、印刷形状が略線状の場合、例えば直径Aの円形状の印刷を安定して行うことが困難な場合であっても、幅Aの線状の印刷であれば安定して行うことが可能となる場合がある。ギャップ保持部6の線幅d1を略0.5mmとしたのは線幅が上記理由に相当するためである。ここで指定する線幅は、液晶表示素子製造後における寸法であって、印刷時における版開口部の寸法ではない。一般にスクリーン印刷によるメインシール印刷は、液晶表示素子のギャップと比べ厚膜の印刷を行う。このため印刷されたメインシール材は液晶表示素子の一対の透明基板が所定間隔を保持するよう重ねる工程において所定の線幅まで広がるものであり、この広がった後の線幅が本願において呼称している線幅である。
同様に図2より、バッファ部7は、複数のギャップ保持部6の、透明基板2、3の中央部側に位置する端部9より更に中央部側に、ギャップ保持部6に略垂直な方向に直線状に延びる接着剤塗布部からなっている。
また、バッファ部7は、その長さd2がメインシール4の開口端部10間の長さd3よりも長く、メインシール4の開口部5を覆うように位置している。更に、バッファ部7の詳細な方向および位置は、その方向が透明基板2、3の、メインシール4の開口部5側の外周端部8に略平行であり、その位置は開口部5側の環状のメインシール4の中央線Xよりもバッファ部7の中央線Xが透明基板2、3の中央部側に位置している。
そこで、メインシール4の開口部(液晶注入口)5を上記構造としたことにより、図3のようにメインシール4で囲まれた領域内に液晶11を注入後、エンドシール12で開口部5を封止したときに、エンドシール12の浸透がバッファ部7で阻止されるために透明基板2、3の、バッファ部7よりも中央部側に位置する表示領域13までエンドシール12が浸入することがなく、液晶表示に悪影響を及ぼすことはない。
更に、エンドシール12は硬化(一般的にはUV硬化)するときに体積収縮を伴う。そこで、図4(比較例)に示すようにメインシール4の開口部(液晶注入口)5にギャップ保持部を設けることなくバッファ部7のみとすると、エンドシール12の浸透がバッファ7で阻止されるために透明基板2、3の、バッファ部7よりも中央部側に位置する表示領域13までエンドシール12が浸入することがなく、液晶表示に悪影響を及ぼすことはない。但し、図5(比較例)のようにエンドシール12の硬化時の体積収縮力によってバッファ部7の、透明基板2、3の外周端部8側に位置する透明基板2a、3aの夫々に互いに対向する方向に向かうモーメントM1が加わり、透明基板2a、3aの間の間隔が狭まる。すると透明基板2、3の、バッファ部7の外周端部8側と反対側の透明基板2b、3bに該バッファ部7を支点とするモーメントM2が加わり、透明基板2、3の中央部側に位置する透明基板2b、3b間の間隔が広がる。
すると、この透明基板2b、3b間の間隔が広がった領域に位置する液晶層の厚みが他の領域の液晶層の厚みよりも厚くなり、その表示領域13においては液晶層の光学特性が変わって色調の異なる領域(色むら)となり、表示品位の良くない液晶表示素子となってしまう。
それに対し、本発明は図6示すようにメインシール4の開口部(液晶注入口)5にバッファ部7と共にギャップ保持部6を設けた。そのため、エンドシール12の硬化時の体積収縮力によってバッファ部7の、透明基板2、3の外周端部8側に位置する透明基板2a、3aの夫々に互いに対向する方向に向かうモーメントM1が加わったとしても、ギャップ保持部6の反発力fによってそのモーメントM1が緩和され、透明基板2a、3aの間の間隔に変化は生じない。そのため、透明基板2、3の、バッファ部7を支点とする反対側に位置する透明基板2b、3bの夫々にはモーメントが加わることはなく、透明基板2、3の中央部側に位置する透明基板2、3間の間隔も変化することはない。
従って、液晶層が挟持された全領域に亘って透明基板2、3の間隔が均一に保持され、表示領域13の全面に亘って色むらのない表示品位の良好な表示素子を実現することができる。
なお、バッファ部7の線幅もギャップ保持部6の線幅と同様の理由により略0.5mmに設定されている。
本発明の実施形態の平面図である。 図1の部分拡大図である。 同様に図1の部分拡大図である。 比較例の部分拡大図である。 比較例の部分断面図である。 本発明の実施形態の部分断面図である。 従来例の平面図である。
符号の説明
1 液晶表示素子
2 透明基板
2a、2b 透明基板
3 透明基板
3a、3b 透明基板
4 メインシール
5 開口部
6 ギャップ保持部
7 バッファ部
8 外周端部
9 端部
10 開口端部
11 液晶
12 エンドシール
13 表示領域

Claims (3)

  1. 所定の間隔で配置された一対の透明基板が前記透明基板間に位置する、液晶注入口となる開口部を備えた環状のメインシールで張り合わされ、前記一対の透明基板と前記メインシールで囲まれた領域内に液晶を挟持してなる液晶表示素子であって、
    前記開口部は前記透明基板の外周端部の一部を内包しており、
    前記開口部を覆うように、前記開口部から延びたメインシールの中心線より内側で且つ前記外周端部の一部に略平行な中心線を有する線状のバッファ部が設けられており、
    前記バッファと前記外周端部の一部の間の前記開口部内に、前記バッファ部と略垂直に且つ前記バッファ部と離れた位置から前記外周端部の一部の方向に延びる線状のギャップ保持部を設けたことを特徴とする液晶表示素子。
  2. 前記ギャップ保持部が、前記外周端部の一部に達していることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
  3. 前記ギャップ保持部が、略0.5mmの線幅であることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の液晶表示素子。
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CN104035244A (zh) * 2014-06-24 2014-09-10 成都天马微电子有限公司 液晶面板及制造方法
CN105807506A (zh) * 2016-05-27 2016-07-27 厦门天马微电子有限公司 液晶显示面板及其制作方法

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