JP2009144667A - 接続頭部を有する高圧燃料噴射管およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 比較的細径からなる厚肉鋼管の接続端部に、外側周面を相手座部への截頭円錐状または截頭円弧状のシート面となす接続頭部を有する高圧燃料噴射管の前記接続頭部の流路に、当該鋼管の管軸方向断面の輪郭が当該開口部へ向けて広がる連続する滑らかなテーパ形状面となした内壁面を有することを特徴とする。また、その製造方法は、管軸方向断面形状が根元部が太く先端側に向かって漸次窄まる連続する滑らかなテーパ形状面となした芯金を有するパンチ部材を用いて挫屈成形することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
(1)芯金根元最大径をdo、当該鋼管内径をDoとした場合、do/Do=1.11〜1.23の条件を満足すること。
(2)芯金根元部のテーパ形状面の軸芯方向長さをh、該パンチ部材の内壁の軸芯方向長さをHとした場合、h/H=0.78〜0.87の条件を満足すること。
(3)芯金根元部のテーパ形状面および該根元部テーパ形状面に連なり先端側に向かって漸次窄まるテーパ形状面を有し、かつ前記芯金根元部のテーパ形状面の相対する稜線のなすテーパ角度θ1、該根元部テーパ形状面に連なる前記テーパ形状面の相対する稜線のなすテーパ角度θ2を、それぞれ7〜10度、2.5〜3度とすること。
(4)芯金根元部のテーパ形状面、該根元部テーパ形状面に連なり先端側に向かって漸次窄まる中間部テーパ形状面および該中間部テーパ形状面に連なり先端側に向かって漸次窄まる先端部テーパ形状面を有し、かつ前記芯金根元部のテーパ形状面の軸芯方向長さをh1、前記芯金の根元から前記中間部テーパ形状面までの軸芯方向長さをh2、該パンチ部材の内壁の軸芯方向長さをHとした場合、h1/H=0.49〜1.0、h2/H=1.23〜1.35の条件を満足すること。
(5)芯金根元部のテーパ形状面の相対する稜線のなすテーパ角度θ1、該根元部テーパ形状面に連なる前記中間部テーパ形状面の相対する稜線のなすテーパ角度θ2および前記中間部テーパ形状面に連なり先端側に向かって漸次窄まる先端部テーパ形状面の相対する稜線のなすテーパ角度θ3を、それぞれ7〜10度、5〜6.25度、2.5〜3度とすること。
また、本発明方法によれば、接続頭部の流路に、当該鋼管の管軸方向断面の輪郭が当該開口部へ向けて広がる連続する滑らかなテーパ形状面となした内壁面を有し、かつ該内壁面にはポケットや成形皺がほとんど存在しない接続頭部を成形することができるので、前記接続頭部内での流体圧によるキャビテーションエロージョンの憂いがなく、かつ応力集中による疲労破壊の起点となる可能性も極めて小さいことにより高い内圧疲労強度を発揮して耐久信頼性に優れた高圧燃料噴射管を既存の設備で容易に製造することができるという優れた効果を奏する。
すなわち、テーパ角度θ1を7〜10度に限定したのは、7度未満では成形時、パンチ部材の管材に対する押圧力が弱くなることで管材が十分に塑性流動せず、従来工法ではポケットが生ずるであろう部位に管材を追い込むよう材料を塑性流動させるという本発明の効果が減じ、他方、10度を超えると成形時、パンチ部材の管材に対する押圧力が強くなりすぎることで管材が円滑に塑性流動せず、従来工法ではポケットが生ずるであろう部位に管材を追い込むよう材料を塑性流動させるという本発明の効果が減じるためである。また、テーパ角度θ2を2.5〜3度に限定したのは、2.5度未満では成形時、パンチ部材の管材に対する押圧力が弱くなることで管材が十分に塑性流動せず、従来工法ではポケットが生ずるであろう部位に管材を追い込むよう材料を塑性流動させるという本発明の効果が減じ、他方、3度を超えると成形時、パンチ部材の管材に対する押圧力が強くなりすぎることで管材が円滑に塑性流動せず、従来工法ではポケットが生ずるであろう部位に管材を追い込むよう材料を塑性流動させるという本発明の効果が減じるためである。
すなわち、テーパ角度θ1が7度未満では成形時、パンチ部材の管材に対する押圧力が弱くなることで管材が十分に塑性流動せず、従来工法ではポケットが生ずるであろう部位に管材を追い込むよう材料を塑性流動させるという本発明の効果が減じ、他方、10度を超えると成形時、パンチ部材の管材に対する押圧力が強くなりすぎることで管材が円滑に塑性流動せず、従来工法ではポケットが生ずるであろう部位に管材を追い込むよう材料を塑性流動させるという本発明の効果が減じるためである。また、テーパ角度θ2が5度未満では成形時、パンチ部材の管材に対する押圧力が弱くなることで管材が十分に塑性流動せず、従来工法ではポケットが生ずるであろう部位に管材を追い込むよう材料を塑性流動させるという本発明の効果が減じ、他方、6.25を超えると成形時、パンチ部材の管材に対する押圧力が強くなりすぎることで管材が円滑に塑性流動せず、従来工法ではポケットが生ずるであろう部位に管材を追い込むよう材料を塑性流動させるという本発明の効果が減じるためである。さらに、テーパ角度θ3が2.5度未満では成形時、パンチ部材の管材に対する押圧力が弱くなることで管材が十分に塑性流動せず、従来工法ではポケットが生ずるであろう部位に管材を追い込むよう材料を塑性流動させるという本発明の効果が減じ、他方、3度を超えると成形時、パンチ部材の管材に対する押圧力が強くなりすぎることで管材が円滑に塑性流動せず、従来工法ではポケットが生ずるであろう部位に管材を追い込むよう材料を塑性流動させるという本発明の効果が減じるためである。
ここで、前記円錐面4Bの一部に設ける環状の湾曲凹溝4B−1は、該接続頭部2Bの環状フランジ部5Bよりシート面3B側に設ける。この湾曲凹溝4B−1は、当該接続頭部の断面形状において、該湾曲凹溝4B−1の環状フランジ部5B側端縁をA1点、同フランジ部反対側端縁をA2点、管外径をd、A2点外径をDA 、A1点−A2点間の管軸と平行する長さ(湾曲凹溝の幅)をW、球面状シート面端縁とA1点までの長さをLとした場合に、A1点−A2点間の管軸と平行する長さ(湾曲凹溝の幅)W/L=0.3〜0.75、DA/d=0.95〜1.3、湾曲凹溝部の外径≧DA とする。
図9に示す芯金付きパンチ部材8Aは、中央部に突設した芯金8A−1と、前記図1、図3等に示す円錐面に湾曲凹溝4B−1、4E−1等を有しない接続頭部2A、2Cのシート面3A、4C、円錐面4A、4Cおよび環状フランジ部5A、5Cのそれぞれに対応する球面8A−2、円錐面8A−3、フラット部8A−4を形成したものである。
ここで、芯金8A−1は、管軸方向断面形状が根元部が太くかつ先端側に向かって漸次窄まる連続する滑らかなテーパ形状面8A−1a、8A−1bとなしている。そして、該芯金は、根元最大径をdo、厚肉鋼管内径をDo、根元部のテーパ形状面の軸芯方向長さをh、該パンチ部材の内壁の軸芯方向長さをH、前記芯金根元部のテーパ形状面8A−1aの相対する稜線のなすテーパ角度をθ1、該根元部テーパ形状面8A−1aに連なるテーパ形状面8A−1bの相対する稜線のなすテーパ角度をθ2とした場合、do/Doが1.11〜1.23、h/Hが0.78〜0.87、θ1が7〜10度、θ2が2.5〜3度となっている。
したがって、本発明は、ディーゼル内燃機関における燃料供給路として配設多用される高圧燃料噴射管に限らず、比較的細径からなる厚肉鋼管による接続頭部を有する各種の高圧金属配管にも適用可能であり、産業上の利用価値は極めて大きい。
2A〜2H 接続頭部
3A〜3H 球面状のシート面
4A〜4H 円錐面
5A〜5H 環状フランジ部
6A〜6H テーパ形状面
7A〜7E ワッシャー(スリーブワッシャー)
8A〜8D パンチ部材
8A−1〜8D−1 芯金
8A−1a、8A−1b、8B−1a、8B−1b、8B−1c テーパ形状面
9 チャック
Claims (11)
- 比較的細径からなる厚肉鋼管の接続端部に、外側周面を相手座部への截頭円錐状または截頭円弧状のシート面となす接続頭部を有する高圧燃料噴射管において、前記接続頭部の流路に、当該鋼管の管軸方向断面の輪郭が当該開口部へ向けて広がる連続する滑らかなテーパ形状面となした内壁面を有することを特徴とする接続頭部を有する高圧燃料噴射管。
- 比較的細径からなる厚肉鋼管の接続端部に、球面状のシート面と、該シート面から軸芯方向に間隔をおいて形成された環状フランジ部と、前記シート面に連なって前記環状フランジ部まで先端に向かって先細りとなる円錐面とから形成され、さらに前記円錐面の一部に深さの浅い環状の湾曲凹溝が形成された接続頭部を有する高圧燃料噴射管において、前記接続頭部の流路に、当該鋼管の管軸方向断面の輪郭が当該開口部へ向けて広がる連続する滑らかなテーパ形状面となした内壁面を有することを特徴とする接続頭部を有する高圧燃料噴射管。
- 前記円錐面の一部に設ける環状の湾曲凹溝は、該接続頭部の環状フランジ部よりシート面側に設けるとともに、該接続頭部の断面形状において、該湾曲凹溝の環状フランジ部側端縁をA1点、同フランジ部反対側端縁をA2点、管外径をd、A2点外径をDA とした場合に、下記条件を満足することを特徴とする請求項2に記載の接続頭部を有する高圧燃料噴射管。
記
DA /d=0.95〜1.3
A1点−A2点間の湾曲凹溝部の外径≧DA - 前記円錐面の一部に設ける環状の湾曲凹溝は、該接続頭部の環状フランジ部よりシート面側に設けるとともに、該接続頭部の断面形状において、該湾曲凹溝の環状フランジ部側端縁をA1点、同フランジ部反対側端縁をA2点、球面状シート面端縁とA1点までの長さをL、A1点−A2点間の管軸と平行する長さ(湾曲凹溝の幅)をWとした場合に、W/L=0.3〜0.7の条件を満足することを特徴とする請求項2に記載の接続頭部を有する高圧燃料噴射管。
- 前記接続頭部の首下部に段付き拡径部を設け、内周部に前記段付き拡径部に対応する段付き拡径部を設けた接続座金を前記接続頭部の首下部に被せた構造としたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の高圧燃料噴射管。
- 予め定尺に切断された比較的細径からなる厚肉鋼管をその端部に接続のための頭部加工代を残してチャックに保持し、その状態で当該端部へのパンチ部材による軸芯方向への押圧による挫屈成形加工によって外側周面を相手座部への截頭円錐状もしくは截頭円弧状のシート面とする接続頭部を形成する高圧燃料噴射管の製造方法において、前記パンチ部材が芯金を有し、かつ該芯金は管軸方向断面形状が根元部が太く先端側に向かって漸次窄まる連続する滑らかなテーパ形状面となしたことを特徴とする接続頭部を有する高圧燃料噴射管の製造方法。
- 前記パンチ部材の芯金は、該芯金根元最大径をdo、当該鋼管内径をDoとした場合、do/Do=1.11〜1.23の条件を満足することを特徴とする請求項6に記載の接続頭部を有する高圧燃料噴射管の製造方法。
- 前記パンチ部材の芯金は、該芯金根元部のテーパ形状面の軸芯方向長さをh、該パンチ部材の内壁の軸芯方向長さをHとした場合、h/H=0.78〜0.87の条件を満足することを特徴とする請求項6または7に記載の接続頭部を有する高圧燃料噴射管の製造方法。
- 前記パンチ部材の芯金は、該芯金根元部のテーパ形状面および該根元部テーパ形状面に連なり先端側に向かって漸次窄まるテーパ形状面を有し、かつ前記芯金根元部のテーパ形状面の相対する稜線のなすテーパ角度θ1、該根元部テーパ形状面に連なる前記テーパ形状面の相対する稜線のなすテーパ角度θ2を、それぞれ7〜10度、2.5〜3度とすることを特徴とする請求項6または7に記載の接続頭部を有する高圧燃料噴射管の製造方法。
- 前記パンチ部材の芯金は、該芯金根元部のテーパ形状面、該根元部テーパ形状面に連なり先端側に向かって漸次窄まる中間部テーパ形状面および該中間部テーパ形状面に連なり先端側に向かって漸次窄まる先端部テーパ形状面を有し、かつ前記芯金根元部のテーパ形状面の軸芯方向長さをh1、前記芯金の根元から前記中間部テーパ形状面までの軸芯方向長さをh2、該パンチ部材の内壁の軸芯方向長さをHとした場合、h1/H=0.49〜1.0、h2/H=1.23〜1.35の条件を満足することを特徴とする請求項6または7に記載の接続頭部を有する高圧燃料噴射管の製造方法。
- 前記パンチ部材の芯金は、前記芯金根元部のテーパ形状面の相対する稜線のなすテーパ角度θ1、該根元部テーパ形状面に連なる前記中間部テーパ形状面の相対する稜線のなすテーパ角度θ2および前記中間部テーパ形状面に連なり先端側に向かって漸次窄まる先端部テーパ形状面の相対する稜線のなすテーパ角度θ3を、それぞれ7〜10度、5〜6.25度、2.5〜3度とすることを特徴とする請求項6、7、10のいずれか1項に記載の接続頭部を有する高圧燃料噴射管の製造方法。
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