JP2009144156A - 硬化性ポリエステルを含むエマルジョンの作製方法 - Google Patents

硬化性ポリエステルを含むエマルジョンの作製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】所望の平均粒子径及び所定のばらつきを有するナノスケールの又はナノスケールに近い粒子が、正確かつ容易に得られる。
【解決手段】所望の平均粒子径を有する硬化性ポリエステル樹脂を含有する粒子を含むエマルジョンを作製する方法であって、該方法が、所望の平均粒子径及び該所望の粒子径のばらつきの少なくとも一方を選択することと、転相により硬化性ポリエステルを含むエマルジョンを形成することと、前記転相における、溶媒比、中和率、及び温度を、下記伝達関数に従って制御することと、を含む方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、硬化性ポリエステルを含むエマルジョン(curable polyester based emulsion)を転相により作製する方法に関する。
透明な(clear)硬化性トナーオーバーコーティングに加えて、特に熱的、化学的、及び機械的に耐性のある堅牢なトナー画像が求められている。不飽和ポリエステル樹脂とUV光開始剤とを含む硬化性トナー組成物は、UVランプから成る設備(fixture)を用いて定着させることで、堅牢な画像特性をもたらす。このようなトナーは、溶媒フラッシングプロセス(solvent flash process)により調製されたエマルジョンを用いた乳化凝集(EA:Emulstion Aggregation)法によって作製されてきた。この方法では、樹脂1に対して溶媒を10の比率で用い、全体のバッチ収率が低いため(固形分で<15%)、大概経済的ではない。不飽和樹脂と光開始剤とを含むエマルジョンを作製する、より経済的な方法が求められている。
特許文献1には、画像を記録媒体へ転写及び定着させる方法及び装置が開示されており、この画像形成方法において、画像受容体上の色調付き(toned)画像層の記録媒体への転写及び定着が同時に行なわれる。上記色調付き画像層は放射線硬化性物質を含んでおり、色調付き画像層を照射すると、放射線硬化性物質が硬化する。得られた硬化物質は、画像受容体表面よりも、トナー材料及び記録媒体との接着性の方が強い。上記方法を行なう装置も開示されている。
特許文献2には、不飽和樹脂、光開始剤、及び着色剤を含むトナーから成る画像に紫外光を照射することを含む、画像を架橋させる方法が開示されている。上記特許文献1及び2はいずれも紫外光によるトナーの硬化を開示しているが、硬化は約160〜約185℃などの高温下で行われ、さらに、トナーは従来の溶融押出、粉砕、及び分級プロセスによって作製される。
特許文献3には、少なくとも1種類の硬化性コーティングを用いて、基材、特に紙又はボール紙に印刷する及び/又は該基材をコーティングする方法が開示されている。この方法は、少なくとも1層のトナー層又は少なくとも1層のトナー層を有する画像を基材へ転写し、その上で定着させることを含み、トナーは、UV(紫外)光に曝露するとそのポリマー鎖が架橋する少なくとも1種類のポリマーを有するUV硬化性トナーであり、定着させるトナー層の溶融度合いは、所望の光沢に応じて制御される。紫外光に曝露すると硬化する同様のトナー組成物について述べたその他の関連する先行技術は、特許文献4〜7に記載されている。
特許文献8は、乳化凝集などの化学的プロセスによって作られたもの等の硬化性トナー組成物を開示しており、得られたトナー組成物は、不飽和ポリエステル樹脂及び光開始剤を含み、所望によりワックス及び着色剤を含む。このプロセスは、概して、不飽和ポリエステル樹脂等の不飽和樹脂を含むラテックス等のラテックス粒子、光開始剤、所望によってはさらにワックス、所望によってはさらに着色剤を、凝集剤の存在下で凝集することを含む。この開示は、このようなトナーを用いた現像プロセスにも関しており、形成された画像は、従来の加熱放射体(heated radiant)又は加圧融着とともに紫外光によって硬化される。
特許文献9は、転相乳化法による、エポキシ樹脂、スルホン化ポリエステル樹脂、及び非イオン性界面活性剤を含むエマルジョンの作製について開示している。この開示は、転相乳化法によって作製される硬化性ポリエステルラテックスに関し、トナーにはエポキシ樹脂ではなく、不飽和ポリエステル樹脂が必要である。
特許文献10は、紫外光への曝露によって硬化可能な乳化凝集トナー、及び好適な光開始剤を開示している。
特許文献11は、不飽和ポリエステル樹脂を開示している。
さらに、特許文献12では、不飽和ポリエステル樹脂を作製するための二段階プロセスが開示されており、このプロセスには、エステル交換生成物を得る、フタレートとグリコールとの第一反応、及びそれに続く、この生成物と不飽和ジカルボキシレートモノマーとの反応を含む第二反応が含まれる。
この開示は、インクを塗布して画像を形成する方法にも関する。或る実施形態では、この方法は、第1の温度又はそれを超える温度でインクを提供すること;及びこのインクを、第2の温度又はそれよりも低い温度である基材へ塗布して画像を形成すること、を含む。インクが放射線硬化性である場合、上記方法は、インクを放射線へ曝露して硬化させることをさらに含むことが好ましい。好ましい実施形態では、インクジェット印刷法により組成物を画像上へ塗布する。
米国特許第5,212,526号 米国特許第6,713,222号 米国特許第6,608,987号 米国特許第6,665,516号 米国特許第6,880,463号 米国特許第6,837,839号 米国特許第6,653,041号 米国特許公開公報第2008−0199797号 米国特許公開公報第2007−0088117号 米国特許第7,250,238号 米国特許第6,063,827号 米国特許第5,449,719号
本発明は、硬化性不飽和ポリエステルを含むエマルジョンを転相法により作製する方法である。硬化性不飽和ポリエステルを含むエマルジョンの特性、特に粒子径及び粒子径分布を、溶媒及び溶媒比、並びに樹脂の中和率などのいくつかのプロセスパラメータによって制御することができる。このようなプロセスパラメータを制御することにより、ナノスケールの及びナノスケールに近い粒子を得ることができる。
転相乳化(PIE:Phase Inversion Emulsification)法は、系の特性、体積比、及び供給エネルギーによって決まる条件下において、分散相が自然に転相して(invert)連続相となり、その逆も同様となるように液−液分散液の相を変化させる手順のことである。
上記転相乳化法は、樹脂及びその他の成分を、水と混和しない有機溶媒中へ溶解させることを含む。転相有機溶媒(phase inversion organic solvent)も添加されるが、これは通常、有機相及び水相の両方に溶解するものが選択される。この相は、当該技術分野では油相又は有機相として知られる。
本発明の或る態様によれば、所望の平均粒子径を有する硬化性ポリエステル樹脂を含有する粒子を含むエマルジョンを作製する方法であって、該方法が、
所望の平均粒子径及び該所望の粒子径のばらつきの少なくとも一方を選択することと、
転相により硬化性ポリエステルを含むエマルジョンを形成することと、
前記転相における、溶媒比、中和率、及び温度を、下記伝達関数に従って制御することと、を含む方法:
Y=Z1×{575−[(447.4)(SR)]−[(163.75)(NR)]+[(0.3285)(T)(SR)]};及び
S=Z2×{789−[(2.87)(T)]+[(256.9)(SR)]−[(586.4)(NR)]+[(2.27)(T)(NR)]−[(250.8)(SR)(NR)]};
ここで、Yは前記所望の平均粒子径(nm)を表し、Sは、前記所望の粒子径のばらつき(nm)を表し、SRは総固形分に対する溶媒比(重量)を表し、NRは中和率を表し、Tは温度(K)を表し、Z1及びZ2は独立して、0.8〜1.2である誤差因子を表す。
本発明の或る実施形態によれば、1種類以上の不飽和ポリエステル、及び1種類以上の光開始剤を含み、転相法によって得られる、硬化性ポリエステルを含むエマルジョンを作製する方法が提供される。この方法において、平均粒子径及び粒子径分布を、溶媒、溶媒比、樹脂の中和率、及び温度などのプロセスパラメータによって制御する。
本発明によれば、溶媒、溶媒比、樹脂の中和率、及び温度などの因子(factor)に基づいて、所定のばらつき(variability)の、所望のエマルジョン粒子径を正確に予測することを可能とする一式の伝達関数(transfer function)が考案された。このようなプロセスパラメータを制御することにより、所望の平均粒子径及び所定のばらつきを有するナノスケールの又はナノスケールに近い粒子を、正確かつ容易に得ることができ、無数のプロセスパラメータを調節しながら苦労して複数の実験を行う必要がない。
或る実施形態では、得られた伝達関数は、一般式として下記のように表される:
(1)Y=575−[(447.4)(SR)]−[(163.75)(NR)]+[(0.3285)(T)(SR)];及び
(2)S=789−[(2.87)(T)]+[(256.9)(SR)]−[(586.4)(NR)]+[(2.27)(T)(NR)]−[(250.8)(SR)(NR)]、
ここで、Yはエマルジョンの平均粒子径(ナノメートル)を表し、Sは同一の条件セットに対するエマルジョンの粒子径のばらつき(ナノメートル)を表し、SRは樹脂に対する溶媒比(重量比)を表し、NRは中和率(樹脂に対する塩基の比)を表し、Tはケルビン単位(セ氏単位の温度プラス273と定義される)での温度を表す。本明細書において、溶媒比とは、総固形分(樹脂及び開始剤)に対する溶媒の重量比を指す。
樹脂に対する溶媒比、中和率、及び温度以外のその他のプロセスパラメータが、平均粒子径Y及びエマルジョン粒子径のばらつきSに影響を与える可能性があることから、このような関数は正確ではない場合があるため、近似式として表すことがより適切であることは理解される。従って、例えば、実施形態によっては、伝達関数はより一般的に下記のように表される:
(1)Y=Z1×{575−[(447.4)(SR)]−[(163.75)(NR)]+[(0.3285)(T)(SR)]};及び
(2)S=Z2×{789−[(2.87)(T)]+[(256.9)(SR)]−[(586.4)(NR)]+[(2.27)(T)(NR)]−[(250.8)(SR)(NR)]}、
ここで、Z1及びZ2はそれぞれ、例えば、約0.8〜約1.2、約0.9〜約1.1、又は約0.95〜約1.05の誤差因子(error factor)を表す。従って、これらの誤差因子は、伝達関数によって所定のばらつきの範囲内にある所望のエマルジョン粒子径予測が可能になる一方で、厳密な数学的正確性は、程度は小さいものの、その他のプロセス変動要素(process variables)に影響されるということを考慮したものである。
この伝達関数を用いることにより、所定のばらつきの範囲内の、任意の所望の平均粒子径を得ることができる。例えば、190nm+/−10nmのエマルジョン粒子径、又は寸法の下限及び上限が180nm及び200nmの平均粒子径190nmのエマルジョン粒子を、そのような粒子が得られる信頼度が99%で得ようとする場合、この伝達関数により、所望の粒子径を得るための様々な条件を作り出すことができる。
例えば、最小のばらつきで190nmの粒子径を得るためには、温度を50.9℃(328K)に、溶媒比(メチルエチルケトンなど)を0.618に、中和率を1.10に設定する。その結果、伝達関数により、99%の信頼度で、粒子径(Y)及びばらつき(S)は:
Y=184.97nm=575−[(447.4)(0.618)]−[(163.75)(1.10)]+[(0.3285)(328)(0.618)];及び
S=9.386nm=789−[(2.87)(328)]+[(256.9)(0.618)]−[(586.4)(1.10)]+[(2.27)(328)(1.10)]−[(250.8)(0.618)(1.10)]
であると予測される。
誤差因子Z1及びZ2を考慮すると、Z1及びZ2は各々約0.9〜約1.1の値をとり得るため、Y及びSの値の範囲は、Y=166.47〜203.47nmとなり、S=8.45〜10.32nmとなる。
本明細書において、所望の平均粒子径のばらつきとは、所望の平均粒子径の標準偏差を指す。標準偏差の範囲は、約1〜約20nmであり、約5〜約15nmであることが好ましく、約8.45〜約10.32nmであることがさらに好ましい。
上記で開示した、及びその他の種々の特徴及び機能、又はそれらに代替を、多くの他の異なるシステム又は用途と望ましく組み合わせることができることが認識されるであろう。さらに、現時点では予見されていない又は予測されない種々のその代替事項、変更、変形、又は改良が、当業者によって後に行われる可能性があり、それらも、添付の請求の範囲に包含されることを意図している。
この伝達関数を用いることにより、任意の所望の平均粒子径を所定のばらつきの範囲内で、転相プロセスを介して得ることができる。本発明の或る実施形態によれば、硬化性ポリエステルを含むエマルジョンの作製に使用される転相法は、樹脂及びその他の任意成分を有機溶媒と転相溶媒との溶液中へ溶解して混合物を形成することと;中和剤を添加することと;水を添加することと;有機溶媒を除去することと、を含む。
具体的には、本明細書で開示する転相法は、水と混和しない有機溶媒(例えばメチルエチルケトン又は酢酸エチルなど)及び転相有機溶媒(イソプロパノールなど)中へ、樹脂及び光開始剤などのその他の成分を溶解することと;水酸化アンモニウムなどの中和剤を添加することと;水を添加することと;例えば蒸留などにより有機溶媒を除去することと、を含む。
本明細書で開示する転相法では、
本明細書で開示する転相法では、まず、樹脂及びその他の成分を、通常は水と混和しない有機溶媒中へ溶解することを行なう。樹脂に対する溶媒の比率は、通常、溶解度及び得られる粘度によって決定される。本明細書で開示する転相法における最適な比率は、10部の樹脂に対して、有機溶媒(例えばメチルエチルケトンなど)が約5〜約7部であることが分かっている。上記範囲外の比率も使用できる。
なお、本明細書において「部」とは質量部を指す。
本開示で使用することができる、水と混和しない有機溶媒のさらなる例としては、例えば、トルエン、ベンゼン、キシレン、メシチレン、及びクロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類;例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、及びシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素溶媒;例えば、エーテル、酢酸メチルエチル、酢酸エチル、メチル−t−ブチルエーテル(MTBE)などのエステル溶媒;例えば、メチルイソブチルケトン及びメチルエチルケトンなどのケトン溶媒;例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、及び四塩化炭素などのハロゲン化脂肪族炭化水素溶媒;例えば、塩化メチレンなどのハロゲン化飽和炭化水素類;並びにこれらの混合物が挙げられる。
本明細書で開示する転相法では、次に、転相有機溶媒を上記樹脂/溶媒混合物へ添加することが行なわれる。転相有機溶媒としては、通常、有機相と水相との両方に溶解するものが選択される。この転相有機溶媒は、当該技術分野において油相又は有機相として知られる。転相有機溶媒の一例としては、イソプロパノールが挙げられる。本明細書で開示する転相有機溶媒の最適な比率は、樹脂10部に対して、イソプロパノールなどの転相溶媒が約1〜約3部である。
当然、実施形態によっては、必要に応じて、その他の適切な、樹脂に対する転相有機溶媒の比率を用いることができる。従って、例えば、樹脂に対する転相有機溶媒の比率(転相有機溶媒:樹脂)は、約10:1又は約5:1〜約1:5又は約1:3となるように(例えば、約4:1〜約1:2)適切に選択することができる。これらの範囲外の比率を用いることもできる。
適切な転相有機溶媒のさらなる例としては、酢酸、アセトン、アセトニトリル、ジエチレングリコール、ジグリム、ジメトキシエタン(グリム)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジオキサン、エタノール、エチレングリコール、グリセリン、メタノール、プロパン−1−オール、t−ブチルアルコール、及びこれらの混合物が挙げられる。
本明細書では、まず樹脂を有機溶媒中に溶解し、続いて転相有機溶媒を添加すると述べたが、これらの工程をこの順序で行なうことは必須ではないことは理解される。従って、例えば、実施形態によっては、転相有機溶媒の添加と同時に、樹脂及びその他の任意成分を有機溶媒に溶解するという単一工程を実施してもよく、又は、有機溶媒と転相有機溶媒とのあらかじめ調製された混合物中へ樹脂を溶解してもよい。
本明細書で開示する転相法では、さらに、中和剤、又は水酸化アンモニウムなどのpHが約8〜約14である塩基性化学物質を使用する。さらなる中和剤としては、例えば、塩化アンモニウム、並びにNaOH、KOH、及びLiOHなどの水酸化アルカリ金属類が挙げられる。
理論に制限されるものではないが、中和剤の添加は、ポリエステル樹脂のカルボン酸残基を介して該樹脂の酸官能基(acid functionality)をイオン化する役目を有すると考えられる。通常、ポリエステル樹脂上の有効な酸基のパーセントに対して50〜150%の中和剤が適切である。
中和率の値は、樹脂の酸価に対する等モル量を用いて算出した。従って、中和率は、樹脂の酸基を中和するのに要する塩基の量として定義される。中和率1.0とは、樹脂の酸部分のすべてが塩基(水酸化物イオン)によって中和されることを示す。
本明細書で開示する転相法では、次に、混合物に水を添加する。水は、通常は滴下によって添加される。理論に制限されるものではないが、これによって水相中の油相の転相が生じてサブミクロンの油滴が形成される。
本明細書で開示する転相法では、次に、例えば蒸留などによって、有機溶媒を除去する。さらなる除去法としては抽出が挙げられる。
本明細書で開示する転相法を用いて、樹脂又は樹脂とその他の成分との組み合わせを溶解することができる。エマルジョンに含有させることができるその他の成分の例としては、例えば、光開始剤、着色剤、ワックス、及び凝集剤などが挙げられる。例えば、樹脂エマルジョンが静電写真用トナー粒子の形成に用いられる場合、樹脂エマルジョンは、これらの追加成分のいくつか又は全てを含んでよいか、及び/又は、樹脂エマルジョンは、1種以上のさらなるエマルジョン若しくは添加剤と組み合わせて最終トナー生成物を得てもよい。
本明細書で開示する転相法における最適な比率は、約10部の樹脂(光開始剤を含む)、5〜7部の有機溶媒(好ましくはメチルエチルケトン)、及び1〜3部の転相溶媒(好ましくはイソプロパノール)である。
本開示のエマルジョン用に選択される具体的な樹脂又はポリマーとしては、ポリエステル樹脂及び分岐鎖ポリエステル樹脂を含む不飽和ポリエステル及び/又はその誘導体、ポリイミド樹脂、分岐鎖ポリイミド樹脂、ポリ(スチレン‐アクリレート)樹脂、架橋ポリ(スチレン−アクリレート)樹脂、ポリ(スチレン−メタクリレート)樹脂、架橋ポリ(スチレン−メタクリレート)樹脂、ポリ(スチレン−ブタジエン)樹脂、架橋ポリ(スチレン‐ブタジエン)樹脂、アルカリスルホン化ポリエステル樹脂、分岐鎖アルカリスルホン化ポリエステル樹脂、アルカリスルホン化ポリイミド樹脂、分岐鎖アルカリスルホン化ポリイミド樹脂、アルカリスルホン化ポリ(スチレン−アクリレート)樹脂、架橋アルカリスルホン化ポリ(スチレン−アクリレート)樹脂、ポリ(スチレン−メタクリレート)樹脂、架橋アルカリスルホン化ポリ(スチレン−メタクリレート)樹脂、アルカリスルホン化ポリ(スチレン−ブタジエン)樹脂、架橋アルカリスルホン化ポリ(スチレン−ブタジエン)樹脂、並びに結晶性ポリエステル樹脂が挙げられる。
本開示の方法及び粒子用に選択されるポリマー樹脂の具体例としては、結晶性ポリエステル、非晶質ポリエステル、又はこれらの混合物などの種々のポリエステルのいずれもが挙げられる。従って、例えば、粒子は、結晶性ポリエステル樹脂、非晶質ポリエステル樹脂、又は、1種以上のポリエステルが結晶性であり、かつ1種以上のポリエステルが非晶質である、2種以上のポリエステル樹脂の混合物から成り得る。
本開示の方法及び粒子用に選択される結晶性ポリマー樹脂の具体例としては、ポリ(エチレン−アジペート)、ポリ(プロピレン−アジペート)、ポリ(ブチレン−アジペート)、ポリ(ペンチレン−アジペート)、ポリ(ヘキシレン−アジペート)、ポリ(オクチレン−アジペート)、ポリ(エチレン−スクシネート)、ポリ(プロピレン−スクシネート)、ポリ(ブチレン−スクシネート)、ポリ(ペンチレン−スクシネート)、ポリ(ヘキシレン−スクシネート)、ポリ(オクチレン−スクシネート)、ポリ(エチレン−セバケート)、ポリ(プロピレン−セバケート)、ポリ(ブチレン−セバケート)、ポリ(ペンチレン−セバケート)、ポリ(へキシレン−セバケート)、ポリ(オクチレン−セバケート)、コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(エチレン−アジペート)、コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(プロピレン−アジペート)、コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(ブチレン−アジペート)、コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(ペンチレン−アジペート)、コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(へキシレン−アジペート)、コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(オクチレン−アジペート)、コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(エチレン−アジペート)、コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(プロピレン−アジペート)、コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(ブチレン−アジペート)、コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(ペンチレン−アジペート)、コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(へキシレン−アジペート)、コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(オクチレン−アジペート)、コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(エチレン−スクシネート)、コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(プロピレン−スクシネート)、コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(ブチレン−スクシネート)、コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(ペンチレン−スクシネート)、コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(へキシレン−スクシネート)、コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(オクチレン−スクシネート)、コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(エチレン−セバケート)、コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(プロピレン−セバケート)、コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(ブチレン−セバケート)、コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(ペンチレン−セバケート)、コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(へキシレン−セバケート)、コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(オクチレン−セバケート)、コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(エチレン−アジペート)、コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(プロピレン−アジペート)、コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(ブチレン−アジペート)、コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(ペンチレン−アジペート)、コポリ(5−スルホイソフタロイル)−コポリ(へキシレン−アジペート)、及びポリ(オクチレン−アジペート)、並びに、コポリ(エチレン−セバケート)−コポリ(エチレンフマレート)、コポリ(エチレン−ドデカノエート)−コポリ(エチレン−フマレート)、コポリ(ノニレン−セバケート)−コポリ(ノニレン−フマレート)、コポリ(ノニレン−ドデカノエート)−コポリ(ノニレン−フマレート)、コポリ(デシレン−セバケート)−コポリ(デシレン−フマレート)、又はコポリ(デシレン−ドデカノエート)−コポリ(デシレン−フマレート)、コポリ(ブチレン−フマレート)−コポリ(へキシレン−フマレート)などの不飽和コポリエステル、などの種々の結晶性ポリエステルのいずれもが挙げられる。
結晶性樹脂は多くの入手源から入手可能であり、例えば、約30℃〜約120℃(例えば、約50℃〜約90℃など)といった様々な融点を有していてよい。結晶性樹脂の、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)で測定される数平均分子量(Mn)は、例えば、約1,000〜約50,000、好ましくは約2,000〜約25,000であり得る。ポリスチレン標準を用いたGPCで測定される樹脂の重量平均分子量(Mw)は、例えば、約2,000〜約100,000、好ましくは約3,000〜約80,000であってよい。結晶性樹脂の分子量分布(Mw/Mn)は、例えば、約2〜約6、より詳細には、約2〜約4である。
結晶性樹脂は、適切な有機ジオール(複数可)と適切な有機二酸(diacid)(複数可)とを重縮合触媒の存在下で反応させる重縮合プロセスによって作製することができる。一般に、化学量論的に等モルの有機ジオールと有機二酸とが用いられるが、場合によっては、有機ジオールの沸点が約180℃〜約230℃である場合、過剰量のジオールを用いて、重縮合プロセスの間にこのジオールを除去してもよい。使用される触媒の量は様々であり、例えば、樹脂に対して約0.01〜約1モルパーセントの量を選択することができる。さらに、有機二酸の代わりに、有機ジエステルを選択してもよく、この場合、副生物としてアルコールが生成する。
有機ジオールの例としては、1,2−エタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、及び1,12−ドデカンジオールなどの、約2〜約36個の炭素原子を有する脂肪族ジオール類;ナトリウム2−スルホ−1,2−エタンジオール、リチウム2−スルホ−1,2−エタンジオール、カリウム2−スルホ−1,2−エタンジオール、ナトリウム2−スルホ−1,3−プロパンジオール、リチウム2−スルホ−1,3−プロパンジオール、カリウム2−スルホ−1,3−プロパンジオール、及びこれらの混合物などのアルカリスルホ脂肪族ジオール、が挙げられる。脂肪族ジオールの量は、例えば、樹脂に対して約45〜約50モルパーセントから選択され、アルカリスルホ脂肪族ジオールの量は、樹脂に対して約1〜約10モルパーセントから選択することができる。
結晶性ポリエステル樹脂の作製のために選択される有機二酸又はジエステルの例としては、フマル酸、マレイン酸、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、マロン酸、及びメサコン酸、これらのジエステル若しくは無水物;並びに、ジメチル−5−スルホ−イソフタレート、ジアルキル−5−スルホイソフタレート、4−スルホ−1,8‐ナフタル酸無水物、4−スルホ−フタル酸、ジメチル−4−スルホ−フタレート、ジアルキル−4−スルホ−フタレート、4−スルホフェニル−3,5−ジカルボメトキシベンゼン、6−スルホ−2−ナフチル−3,5−ジカルボメトキシベンゼン、スルホ−テレフタル酸、ジメチル−スルホ−テレフタレート、5−スルホ−イソフタル酸、ジアルキル−スルホ−テレフタレート、スルホエタンジオール、2−スルホプロパンジオール、2−スルホブタンジオール、3−スルホペンタンジオール、2−スルホヘキサンジオール、3−スルホ−2−メチル−ペンタンジオール、2−スルホ−3,3−ジメチルペンタンジオール、スルホ−p−ヒドロキシ安息香酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホネート、又はこれらの混合物のナトリウム、リチウム、又はカリウムの塩類などのアルカリスルホ−有機二酸が挙げられる。有機二酸の量は、例えば、樹脂に対して約40〜約50モルパーセントから選択され、アルカリスルホ脂肪族二酸の量は、樹脂に対して約1〜約10モルパーセントから選択することができる。
本開示の方法及び粒子用の非晶質不飽和ポリマー樹脂の具体例としては、種々の非晶質ポリエステルのいずれもが挙げられ、例えば、SPAR(商標)(Dixie Chemicals)、BECKOSOL(商標)(Reichhold Inc)、ARAKOTE(商標)(Ciba‐Geigy Corporation)、HETRON(商標)(Ashland Chemical)、PARAPLEX(商標)(Rohm & Hass)、POLYLITE(商標)(Reichhold Inc)、PLASTHALL(商標)(Rohm & Hass)、CYGAL(商標)(American Cyanamide)、ARMCO(商標)(Armco Composites)、ARPOL(商標)(Ashland Chemical)、CELANEX(商標)(Celanese Eng)、RYNITE(商標)(DuPont)、STYPOL(商標)(Freeman Chemical Corporation)、及びこれらの混合物などが挙げられる。これらの樹脂は、必要に応じて、カルボン酸化、又はスルホン化など、そして特に、ナトリウムスルホン化などによって官能性を持たせることもできる。
アモルファス樹脂は、直鎖型でも分岐鎖型でも良く、多くの入手源から入手可能であり、例えば、約40℃〜約80℃(例えば、約50℃〜約70℃)の、示差走査熱量測定(DSC:Differential Scanning Calorimetry)で測定される様々なガラス転移開始温度(onset Tg)を有する。実施形態によって、直鎖及び分岐鎖の非晶質ポリエステル樹脂は、例えば、GPCで測定される数平均分子量(Mn)が約10,000〜約500,000(例えば、約5,000〜約250,000)であり;例えば、ポリスチレン標準を用いたGPCによって測定される重量平均分子量(Mw)が約20,000〜約600,000(例えば、約7,000〜約300,000)であり;例えば、分子量分布(Mw/Mn)が約1.5〜約6(例えば、約2〜約4)である。
直鎖状非晶質ポリエステル樹脂は、一般に、有機ジオール、二酸又はジエステル、及び重縮合触媒を用いた重縮合によって作製される。分岐鎖非晶質スルホン化ポリエステル樹脂に関しても、同じ物質を用いて良いが、多価ポリ酸又は多価ポリオールなどの分岐剤がさらに含まれる。非晶質樹脂は、概して、様々な適量で組成物中に存在し、例えば固形分の約60〜約90重量パーセント、又は約50〜約65重量パーセントの量である。
非晶質ポリエステルの作製に選択される二酸又はジエステルの例としては、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、コハク酸、コハク酸無水物、ドデシルコハク酸、ドデシルコハク酸無水物、グルタル酸、グルタル酸無水物、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸(azelic acid)、ドデカン二酸、ジメチルテレフタレート、ジエチルテレフタレート、ジメチルイソフタレート、ジエチルイソフタレート、ジメチルフタレート、フタル酸無水物、ジエチルフタレート、ジメチルスクシネート、ジメチルフマレート、ジメチルマレエート、ジメチルグルタレート、ジメチルアジペート、ジメチルドデシルスクシネート、及びこれらの混合物から成る群より選択されるジカルボン酸又はジエステルが挙げられる。有機二酸又はジエステルの量は、例えば、樹脂に対して約45〜52モルパーセントから選択される。非晶質ポリエステルの生成に用いられるジオール類の例としては、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、2,2−ジメチルプロパンジオール、2,2,3−トリメチルヘキサンジオール、ヘプタンジオール、ドデカンジオール、ビス(ヒドロキシエチル)−ビスフェノールA、ビス(2−ヒドロキシプロピル)−ビスフェノールA、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、キシレンジメタノール、シクロヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ビス(2−ヒドロキシエチル)オキシド、ジプロピレングリコール、ジブチレングリコール、及びこれらの混合物が挙げられる。選択される有機ジオールの量は様々な量とすることができるが、より詳細には、例えば、樹脂に対して約45〜約52モルパーセントである。
分岐鎖非晶質スルホン化ポリエステルの形成に用いる分岐剤としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレン−カルボキシルプロパン、テトラ(メチレン−カルボキシル)メタン、及び1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸などの多価ポリ酸、これらの酸無水物、並びに炭素数が1〜約6個の、これらの低級アルキルエステル;ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトラオール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ショ糖(スクロース)、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタトリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンなどの多価ポリオール、並びにこれらの混合物などが挙げられる。選択される分岐剤の量は、例えば、樹脂に対して約0.1〜約5モルパーセントである。
結晶性ポリエステル又は非晶質ポリエステルに対して適切な重縮合触媒の例としては、テトラアルキルチタネート、ジブチルスズオキシドなどのジアルキルスズオキシド、ジブチルスズジラウレートなどのテトラアルキルスズ、ブチルスズオキシドヒドロキシドなどのジアルキルスズオキシドヒドロキシド、アルミニウムアルコキシド、アルキル亜鉛、ジアルキル亜鉛、酸化亜鉛、酸化スズ、又はこれらの混合物が挙げられる。この触媒の量は、例えば、ポリエステル樹脂の生成に用いる出発物質である二酸又はジエステルに対して約0.01モルパーセント〜約5モルパーセントから選択される。
不飽和ポリエステル樹脂のさらなる例としては、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールA−フマレート)共重合体(poly(propoxylated bisphenol−A co−fumarate))、ポリ(エトキシル化ビスフェノールA−フマレート)共重合体(poly(ethoxylated bisphenol−A co−fumarate))、ポリ(ブチロキシル化ビスフェノール−フマレート)共重合体(poly(butyloxylated bisphenol co−fumarate))、ポリ(プロポキシル化ビスフェノール−エトキシル化ビスフェノール−フマレート)共重合体、ポリ(1,2−プロピレンフマレート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノール−マレエート)共重合体、ポリ(エトキシル化ビスフェノール−マレエート)共重合体、ポリ(ブチロキシル化ビスフェノール−マレエート)共重合体、ポリ(プロポキシル化ビスフェノール−エトキシル化ビスフェノール−マレエート)共重合体、ポリ(1,2−プロピレンマレエート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノール−イタコネート)共重合体、ポリ(エトキシル化ビスフェノール−イタコネート)共重合体、ポリ(ブチロキシル化ビスフェノール−イタコネート)共重合体、ポリ(プロポキシル化ビスフェノール−エトキシル化ビスフェノール−イタコネート)共重合体、及びポリ(1,2−プロピレンイタコネート)が挙げられる。
UV光開始剤の例としては、グレード名Darocure 1173としてCiba‐Geigyより入手可能な2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン;各々グレード名Irgacure(登録商標)184、369、651、及び907としてCiba−Geigyより入手可能な1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、及び2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オンである。
Ciba‐Specialty Chemicalsより市販されている光開始剤のさらなる例としては、これらに限定されないが、Darocure 1173としての2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(HMPP);Darocure 4265としての2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(TPO);HMPPとTPOとの50−50ブレンド;Irgacure 907としての2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン;及びIrgacure 651としての2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(BDK)が挙げられる。BASFより市販されている光開始剤の例としては、これらに限定されないが、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(Lucirin TPO)、アルファヒドロキシケトン、及び2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニル−1−プロパンが挙げられる。
エマルジョンは、所望により、少なくとも1種の着色剤又は顔料を含んでもよい。例えば、本明細書で用いる着色剤又は顔料としては、顔料、染料、顔料と染料の混合物、顔料の混合物、及び染料の混合物などが含まれる。単純化するために、本明細書で用いる「着色剤」という用語は、特定の顔料又はその他の着色剤成分を指定しない限り、このような着色剤、染料、顔料、及びこれらの混合物を包含することを意図している。実施形態によって、着色剤としては、顔料、染料、これらの混合物、カーボンブラック、マグネタイト、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、レッド、グリーン、ブルー、ブラウン、これらの混合物を、組成物の総重量に対して約1重量パーセント〜約25重量パーセントの量含まれる。その他の有用な着色剤については、本開示に基づいて容易に明らかになるであろうことは理解されるべきである。
概して、有用な着色剤としては、Paliogen Violet 5100及び5890(BASF)、Normandy Magenta RD‐2400(Paul Uhlrich)、Permanent Violet VT2645(Paul Uhlrich)、Heliogen Green L8730(BASF)、Argyle Green XP‐111‐S(Paul Uhlrich)、Lithol Scarlet D3700(BASF)、Toluidine Red(Aldrich)、Scarlet for Thermoplast NSD Red(Aldrich)、Lithol Scarlet 4440、NBD 3700(BASF)、Bon Red C(Dominion Color)、Royal Brilliant Red RD‐8192(Paul Uhlrich)、Oracet Pink RF(Ciba Geigy)、Paliogen Red 3340及び3871K(BASF)、Lithol Fast Scarlet L4300(BASF)、Heliogen Blue D6840、D7080、K7090、K6910、及びL7020(BASF)、Sudan Blue OS(BASF)、Neopen Blue FF4012(BASF)、PV Fast Blue B2G01(American Hoechst)、Irgalite Blue BCA(Ciba Geigy)、Paliogen Blue 6470(BASF)、Sudan II、III、及びIV(Matheson Coleman & Bell)、Sudan Orange(Aldrich)、Sudan Orange 220(BASF)、Paliogen Orange 3040(BASF)、Ortho Orange OR 2673(Paul Uhlrich)、Paliogen Yellow 152及び1560(BASF)、Lithol Fast Yellow 0991K(BASF)、Paliotol Yellow 1840(BASF)、Novaperm Yellow FGL(Hoechst)、Permanent Yellow YE 0305(Paul Uhlrich)、Lumogen Yellow D0790(BASF)、Suco‐Gelb 1250(BASF)、Suco‐Yellow D1355(BASF)、Suco Fast Yellow D1165、D1355、及びD1351(BASF)、Hostaperm Pink E(Hoechst)、Fanal Pink D4830(BASF)、Cinquasia Magenta(DuPont)、Paliogen Black L9984(BASF)、Pigment Black K801(BASF)、並びに、特にREGAL 330(Cabot)、Carbon Black 5250及び5750(Columbian Chemicals)などのカーボンブラックなど、又はこれらの混合物が挙げられる。
さらなる有用な着色剤としては、Sun Chemicalから市販されているものなどの水性分散物としての顔料が挙げられ、例えば、SUNSPERSE BHD 6011X(Blue 15 Type)、SUNSPERSE BHD 9312X(Pigment Blue 15 74160)、SUNSPERSE BHD 6000X(Pigment Blue 15:3 74160)、SUNSPERSE GHD 9600X及びGHD 6004X(Pigment Green 7 74260)、SUNSPERSE QHD 6040X(Pigment Red 122 73915)、SUNSPERSE RHD 9668X(Pigment Red 185 12516)、SUNSPERSE RHD 9365X及び9504X(Pigment Red 57 15850:1)、SUNSPERSE YHD 6005X(Pigment Yellow 83 21108)、FLEXIVERSE YFD 4249(Pigment Yellow 17 21105)、SUNSPERSE YHD 6020X及び6045X(Pigment Yellow 74 11741)、SUNSPERSE YHD 600X及び9604X(Pigment Yellow 14 21095)、並びにFLEXIVERSE LFD 4343及びLFD 9736(Pigment Black 7 77226)など、又はこれらの混合物が挙げられる。その他の有用な水性着色剤分散物としては、Clariantから市販されているものが挙げられ、例えば、HOSTAFINE Yellow GR、HOSTAFINE Black T及びBlack TS、HOSTAFINE Blue B2G、HOSTAFINE Rubine F6B、並びにマゼンタ乾燥顔料が挙げられる。
その他の有用な着色剤としては、例えば、MobayのマグネタイトであるMO8029、MO8960;ColumbianのマグネタイトであるMAPICO BLACKS及び表面処理マグネタイト;PfizerのマグネタイトであるCB4799、CB5300、CB5600、MCX6369;BayerのマグネタイトであるBAYFERROX 8600、8610;Northern PigmentsのマグネタイトであるNP−604、NP−608;及びMagnoxのマグネタイトであるTMB−100若しくはTMB−104など、又はこれらの混合物など、のマグネタイトが挙げられる。顔料のさらなる具体例としては、フタロシアニンとして、HELIOGEN BLUE L6900、D6840、D7080、D7020、PYLAM OIL BLUE、PYLAM OIL YELLOW、PIGMENT BLUE 1(Paul Uhlrich & Company,Inc.から入手可能)、PIGMENT VIOLET 1、PIGMENT RED 48、LEMON CHROME YELLOW DCC 1026、E.D.TOLUIDINE RED、及びBON RED C(オンタリオ州トロントのDominion Color Corporation,Ltd.から入手可能)、NOVAPERM YELLOW FGL、HOSTAPERM PINK E(Hoechstから入手可能)、並びにCINQUASIA MAGENTA(E.I.DuPont de Nemours & Companyから入手可能)などが挙げられる。マゼンタの例としては、例えば、カラーインデックスでCI 60710、CI Dispersed Red 15として同定される2,9‐ジメチル置換キナクリドン染料及び2,9‐ジメチル置換アントラキノン染料、カラーインデックスでCI 26050、CI Solvent Red 19として同定されるジアゾ染料、並びに、これらの混合物が挙げられる。シアンの具体例としては、銅テトラ(オクタデシルスルホンアミド)フタロシアニン、カラーインデックスでCI 74160、CI Pigment Blueとして分類されるx−銅フタロシアニン顔料、カラーインデックスでCI 69810、Special Blue X−2137として同定されるAnthrathrene Blue、並びにこれらの混合物が挙げられる。選択することができるイエローの具体例としては、ジアリーリドイエロー(diarylide yellow)である3,3−ジクロロベンジデンアセトアセタニリド(3,3−dichlorobenzidene acetoacetanilides)、カラーインデックスでCI 12700、CI Solvent Yellow 16として同定されるモノアゾ顔料、カラーインデックスでForon Yellow SE/GLN、CI Dispersed Yellow 33として同定されるニトロフェニルアミンスルホンアミド、2,5−ジメトキシ−4−スルホンアニリドフェニルアゾ−4’ −クロロ−2,4−ジメトキシアセトアセタニリド、及びPermanent Yellow FGLが挙げられる。MAPICO BLACK及びシアン成分の混合物などの着色マグネタイトも顔料として選択することができる。
カーボンブラック、シアン、マゼンタ、及び/又はイエローなどの着色剤は、所望の色を付与するのに十分な量含有させる。概して、顔料又は染料の量は、固形分で、粒子に対して約1〜約35重量パーセントの範囲であり、約5〜約25重量パーセント、又は約5〜15重量パーセントなどである。しかし、実施形態によっては、これらの範囲外の量も用いることができる。
本明細書で開示するその他の成分としては、一価金属凝集剤、二価金属凝集剤、又はポリイオン凝集剤などの凝集剤も含まれ得る。上述のように、当該技術分野において種々の凝集剤が公知である。本明細書で用いる「ポリイオン凝集剤」とは、原子価が少なくとも3、望ましくは少なくとも4又は5である金属種から形成される金属塩又は金属酸化物などの、塩又は酸化物である凝集剤を意味する。従って、適切な凝集剤としては、例えば、フッ化ポリアルミニウム(polyaluminum fluoride)及び塩化ポリアルミニウム(PAC:polyaluminum chloride)などのハロゲン化ポリアルミニウム、ポリアルミニウムスルホシリケート(PASS)などのポリアルミニウムシリケート、水酸化ポリアルミニウム、リン酸ポリアルミニウム、及び硫酸アルミニウムなどのアルミニウム系凝集剤が挙げられる。その他の適切な凝集剤としては、これらに限定されないが、テトラアルキルチタネート、ジアルキルスズオキシド、テトラアルキルスズオキシドヒドロキシド、ジアルキルスズオキシドヒドロキシド、アルミニウムアルコキシド、アルキル亜鉛、ジアルキル亜鉛、酸化亜鉛、酸化第一スズ、ジブチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドヒドロキシド、及びテトラアルキルスズなどが挙げられる。凝集剤がポリイオン凝集剤である場合は、凝集剤には所望するいかなる数のポリイオン原子が存在してもよい。例えば、実施形態によって、適切なポリアルミニウム化合物には、約2〜約13個(例えば、約3〜約8個)のアルミニウムイオンが化合物中に存在する。
その他の成分はさらに、所望により、ワックスを含んでもよい。このワックスは、単一種類のワックスでもよく、2種以上の異なるワックスの混合物でもよい。単一種類のワックスを配合物へ添加することで、例えば、粒子形状、粒子表面上のワックスの存在及び量、帯電特性及び/若しくは定着特性、光沢、剥離性(stripping)、及びオフセット特性などの特定の性質を向上させることができる。代替として、ワックスの組み合わせを添加することにより、組成物に複数の性質を付与することができる。
適切なワックスの例としては、天然植物性ワックス、天然動物性ワックス、ミネラルワックス、合成ワックス、及び官能化ワックスから選択されるワックスが挙げられる。天然植物性ワックスの例としては、例えば、カルナウバワックス、カンデリラワックス、木蝋(Japan wax)、及びベイベリーワックス(bayberry wax)が挙げられる。天然動物性ワックスの例としては、例えば、蜜蝋、ピューニックワックス(punic wax)、ラノリン、ラックワックス、シェラックワックス、及び鯨蝋が挙げられる。ミネラルワックスとしては、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、モンタンワックス、オゾケライトワックス、セレシンワックス、ワセリンワックス(petrolatum)、及び石油蝋が挙げられる。合成ワックスとしては、例えば、フィッシャートロップスワックス(Fischer‐Tropsch wax)、アクリレートワックス、脂肪酸アミドワックス、シリコーンワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックス、ポリエチレンワックス、及びポリプロピレンワックス、並びにこれらの混合物が挙げられる。
或る実施形態におけるワックスの例としては、Allied Chemical及びBaker Petroliteから市販されているポリプロピレン及びポリエチレン、Michelman Inc.及びthe Daniels Products Companyから入手可能なワックスエマルジョン、Eastman Chemical Products,Inc.から市販されているEPOLENE N‐15、三洋化成株式会社から入手可能な低重量平均分子量ポリプロピレンであるVISCOL 550‐P、並びに類似の物質が挙げられる。市販のポリエチレンは、一般的には約1,000〜約1,500の分子量(Mw)を有するが、使用される市販のポリプロピレンの分子量は約4,000〜約5,000である。官能化ワックスの例としては、アミン類、アミド類、イミド類、エステル類、四級アミン類、カルボン酸類、又はアクリルポリマーエマルジョンが挙げられ、例えば、JONCRYL 74、89、130、537及び538(すべてJohnson Diversey,Inc,から入手可能)、並びに、Allied Chemical及びPetrolite Corporation及びJohnson Diversey,Inc.から市販されている塩素化ポリプロピレン及び塩素化ポリエチレンが挙げられる。或る実施形態において有用であるポリエチレン及びポリプロピレン組成物の多くについては、英国特許第1,442,835号に示されている。
転相法による、硬化性不飽和ポリエステルを含むエマルジョンを作製する方法を最適化するために、反復実験数を3回として23L−8による完全実施要因計画(full factorial design)を実行した。調べた3種類の変数は、温度、溶媒比(SR)、及び中和率(NR)であった。用いたポリエステル樹脂は、XP777としてReichold Chemicalsから入手したポリ(プロポキシル化ビスフェノールA−フマレート)共重合体であった。転相剤としてイソプロパノールを使用し、中和剤として水酸化アンモニウムを使用した。
メカニカルスターラー及び蒸留装置を装備した1リットルの反応釜に、Irgacure814(Ciba Geigyから入手)を8グラム、メチルエチルケトン(MEK)を100グラム、及びイソプロパノールを25グラムと共に、酸価が14.08g/KOHであるポリエステル樹脂XP777(Reicholdから入手)を192グラム仕込んだ。
溶媒比(SR)は、総固形分に対する溶媒の重量比として算出した。実験I−Y1では、固形分(樹脂及び光開始剤から成る200グラム)に対するメチルエチルケトン溶媒(100グラム)の比は、0.50と算出される(100割る200)。
この混合物を350rpm、45℃(又は、表1の実施例1に示すように、318ケルビン)で3時間攪拌し、その間に樹脂及び光開始剤を完全に有機溶媒中へ溶解させた。
表1の実施例1に中和率(NR)1.1と示すように、この混合物に、10%の水酸化アンモニウム水溶液9グラムを10分間かけて添加した。この中和率は、樹脂の酸基を中和するのに要する塩基の量として定義される。中和率が1.0ということは、樹脂の酸部分が全て、塩基(水酸化物イオン)によって中和されていることを示している。
本実施例の樹脂に関しては、酸価が14.08g/KOHのものを192グラム用いている。1.1の比を用いると、水酸化アンモニウム(10%水溶液)の量は、次のように算出される:NH4OH(グラム)=(NR)×(樹脂の重量)×(樹脂の酸価)×(0.00303)。これはすなわち:(1.1)×(192)×(14.08)×(0.00303)=9グラムの水酸化アンモニウム(10%水溶液)となる。すなわち、これは、10%過剰の塩基を添加したことを示している。
次に、この混合物に600グラムの水を1分間に4グラムの割合で滴下し(ポンプ)、ポリエステル分散液を得た。続いて反応容器を85℃まで加熱し、有機溶媒を留去した。このエマルジョンの最終的な平均粒子径は217nmであり、実験I−Y1として示した。
実験I−Y1を2回繰り返し、エマルジョンの平均粒子径234.5nm(実験I−Y2)及び231nm(実験I−Y3)を得た。次に、中和率(NR)を1.3に変え、温度及び溶媒比はそのままとした。その結果、平均粒子径210nm(実験II−Y1)を得た。続いてこの実験を2回繰り返し、エマルジョンの平均粒子径207nm(実験II−Y2)及び188nm(実験II−Y3)を得た。
次に、溶媒比(SR)を0.625に変え、温度及び中和率は一定にして実験を行った。さらに、温度を328Kに変え、SR及びNRを一定とした。合計で24回の実験を行い、同一条件による反復実験数を3回とした23L‐8による完全実施要因計画を完了した(表1)。
Figure 2009144156
表1中、SRは、総固形分(樹脂+開始剤)に対する、用いた溶媒の量を表す。例えば、実施例I−Y1では、100グラムのMEK、192グラムの樹脂、及び8gの開始剤を用いた。従って、50は溶媒比50%を表しており:[MEK100グラム]/[(MEK100グラム)+(樹脂192グラム)+(開始剤8グラム)]=0.5となる。
表1において、中和率(NR)の値は、樹脂の酸価に対する等モル量を用いて算出した。従って、中和率110パーセントとは、酸価に基づいて、ポリエステル樹脂を100%中和するのに必要な量よりも10%多い水酸化アンモニウムを用いたことを示している。
表1において、温度はケルビンで測定され、これは、セ氏の温度に整数273を加算することで算出される。
結果から、統計的計画用ソフトウェアであるDOE PRO XLバージョン3(Digital Computations Inc.より入手可能)を用いて、平均粒子径の制御(Y)及びばらつき(S)の両方について、粒子径135nm〜230nmの範囲でモデルを作製した。良好な回帰係数が、粒子径(r2=0.935)及びばらつき(r2=0.991)の両方で得られた。粒子径制御のための主たる因子は溶媒比であり、続いて中和率であることが分かった。温度は重要な因子でないことが分かった。ばらつきに関しては、3つのすべての因子が重要であった。得られた伝達関数は:
Y=575−[(447.4)(SR)]−[(163.75)(NR)]+[(0.3285)(T)(SR) ];及び
S=789−[(2.87)(T)]+[(256.9)(SR)]−[(586.4)(NR)]+[(2.27)(T)(NR)]−[(250.8)(SR)(NR)]であった。

Claims (1)

  1. 所望の平均粒子径を有する硬化性ポリエステル樹脂を含有する粒子を含むエマルジョンを作製する方法であって、該方法が、
    所望の平均粒子径及び該所望の粒子径のばらつきの少なくとも一方を選択することと、
    転相により硬化性ポリエステル樹脂を含むエマルジョンを形成することと、
    前記転相における、溶媒比、中和率、及び温度を、下記伝達関数に従って制御することと、を含む方法:
    Y=Z1×{575−[(447.4)(SR)]−[(163.75)(NR)]+[(0.3285)(T)(SR)]};及び
    S=Z2×{789−[(2.87)(T)]+[(256.9)(SR)]−[(586.4)(NR)]+[(2.27)(T)(NR)]−[(250.8)(SR)(NR)]};
    ここで、Yは前記所望の平均粒子径(nm)を表し、Sは、前記所望の粒子径のばらつき(nm)を表し、SRは総固形分に対する溶媒比(重量)を表し、NRは中和率を表し、Tは温度(K)を表し、Z1及びZ2は独立して、0.8〜1.2である誤差因子を表す。
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