JP2009143785A - 塩素化合物含有粉体の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
セメント製造装置の塩素バイパス装置から抽出される塩素化合物を、セメント製造装置へ回収する際に、輸送工程で輸送機に付着せず、貯蔵工程にて塩素化合物がセグリゲーション現象による偏在によって、成分品質のばらつきが発生しないような方法を見出す。
【解決手段】
セメント製造装置の窯尻部から塩素化合物含有粉体を含むガスを抽気し、抽気した塩素化合物含有粉体を含むガスを冷却した後、塩素化合物含有粉体とガスを分離し、分離した塩素化合物含有粉体を造粒する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、セメント製造装置の塩素バイパスシステムに関する技術であって、セメント製造装置から抽気された気相の塩素化合物を含有した高温ガスを急速に冷却し、固相の塩素化合物として捕集し、さらに造粒することによってセメント製造装置へ回収する塩素化合物含有粉体の処理方法に関する。
塩素化合物を含有する廃棄物を資源としての有効的なリサイクル処理が、社会から要請される時代の情勢にあって、セメント産業においては、塩素化合物を含有した廃棄物を大量に資源としてリサイクルする技術を開発してきている。塩素バイパスはその代表的な技術である。
従来の塩素バイパスシステムの概略を図2に示す。セメント製造装置のライジングダクト4からキルン排ガスを抽気して、抽気冷却装置5で急冷、固化した後、集塵機6にて抽気物を捕集する。捕集された固相の粉体については、特許文献1には、そのまま輸送してセメントキルン1におけるクリンカクーラー15の出口のクリンカ輸送7に混合して回収する方法。また、特許文献2と3にはセメント粉砕装置の入口に回収する方法が記載されている。また、特許文献4には、持込の塩素濃度がセメント製品の基準値より高くなるときは、塩素化合物の粉末を水洗処理設備17で水洗して塩素分を低減し分離した後、セメント製造装置へ回収する方法が記載してある。
廃棄物のリサイクルを求める社会の要請により、塩素を多く含む廃棄物処理の増大に伴って、さらに高濃度の塩素化合物を含有した廃棄物を従来よりも大量に処理できる抽気率の高い塩素バイパスが実用化されてきた。抽気量の増加により、抽出される粉体が増加するとその処理方法や抽気設備費用等が問題となる。このため、抽気する際に抽気ガスに同伴するセメント原料を少なくして粉体量を低減する必要があるが、これに伴い抽出した塩素化合物を主とする揮発性成分の濃度は相対的に10乃至20重量%であったものが、約50重量%前後にまで上昇してくることが予想される。この揮発性成分は粒径が数乃至数10ミクロンメートルであり、これら微粒の粉体が主となるとハンドリング性の悪化が懸念される。
ハンドリング性の悪化による問題点としては以下の3つのことが懸念される。
1つ目の問題として、塩素化合物の粉末が微細な粉体であり、水分を吸湿しやすいために粉体の付着性が強いこと。特に、輸送機8において従来は粒子径の比較的大きいセメント原料が多く存在しており、この原料が接触することで付着が成長する前に洗い落とされていたが、塩素化合物を主とした粉体を輸送機8で輸送すると、輸送機内部への付着や凝集が多くなる。
これによって輸送機8の輸送能力が低減、又は輸送機8が閉塞トラブルを起こして輸送不可能になる事態が懸念される。この問題に対して、特許文献5では、粉体を加圧した後、解砕することで、粒度分布を粗い側に移行させ閉塞トラブルを改善して、粉体の取り扱いを良くしハンドリングのトラブルをなくす試みもあるが、この粉体は石膏を対象としていることと、後工程に解砕工程が存在しているので複雑な操作となり、設備費用や製造コストが上昇する問題がある。
次に、2つ目の問題として、塩素化合物の粉末をセメントクリンカと混合して貯蔵する際、塩素化合物の粉末の粒度がセメントクリンカよりも大幅に小さいため、タンクやサイロの内部においては、塩素化合物が偏在し分離してしまうセグリゲーション現象が起こるのではないかと予想された。これは、セメントクリンカをサイロの下部より、満量から空量まで抜き出す間、塩素化合物を多く含む微粉末の抜き出しが時系列的に、ばらつきを生じ、化学成分品質が、安定しないことに繋がることが懸念された。さらに、大量の長距離輸送を行う際に、大型トレーラーや貨車のタンクの中、又は船舶輸送を行うタンカーの貯蔵部の中で振動などが原因になって、セグリゲーション現象が加速されることも予想された。
ここで、図3と図4にタンクの満量と空量時点の断面の簡略化した模式図を示す。この図で貯蔵タンクにおける粉粒体のサイズの違いによるセグリゲーション現象について説明する。これは、塩素化合物の粉末を大量にセメントクリンカと混合して、タンク9に投入した場合に危惧されるタンク内の現象である。
図3は、セメントクリンカと粉末の塩素化合物を混合したものを、タンク9の上部中央の投入口10から入れて、ほぼ満量になった状態の図を表している。但し、抜出し口11からの抜出しは行っていない。大粒径物12はタンク9の内側壁面に偏在して行く。この理由は、タンク9内のクリンカは投入口10を頂上としたコーン状の山型に堆積してゆき、大粒径のものは、慣性力と運動エネルギーが大きいため、山型面を裾に向かって転がりタンク9の側壁面まで到達してしまうことによる。小粒径物14は粉末状であるほど山型の頂上付近に堆積して留まる傾向にある。以上の結果、大粒径物12は側壁面に、小粒径物14は中心部に偏って堆積するセグリゲーション現象が起こってしまう。
図4は、タンク9がほぼ空量になる直前の、断面を表している。この場合は、小粒径物14の微粉がタンク9の下部コーン部表面に偏在する傾向がある。満量の状態のタンク9において抜出し口11から連続的に抜出してゆくと、粉粒体面はタンク9の中で逆コーン状になる。この時、大粒径のものほど、安息角の小さく、また運動エネルギーも大きくタンク内の逆コーン状の粉流体面を勢いよく転がり、優先的にタンク6から抜ける。一方、小粒径物14の微粉はタンク9内での安息角が大きい為抜き出しにくく、しかも大粒径物12同士の隙間をあたかも篩いを掛けるかのごとく、内側壁面に近い部分を選択的に下方に沈降してゆく。このため微粉はタンク9内に滞留しやすく、タンク9が空量近くにならないと抜けて行かない因果となる。
3つ目の問題は、塩素化合物の粉末を大量に長距離輸送する場合に、該粉末の容重が小さく、空気を多く含有しているため嵩が大きいので、輸送効率が悪いことである。
特開平10−330136号公報 特開平11−035354号公報 特開2000−226241号公報 特開平11−100243号公報 特開2007−136297号公報
本発明は、セメント製造装置の窯尻部3やライジングダクト4などの高温部から、高塩素バイパス装置によって大量に抽出した粉体として、主たる化学成分が塩素化合物である粉体について、ハンドリング性を改善し、輸送における付着や凝集を起こさず、また輸送効率の向上すること、さらに、セメントクリンカとの混合貯蔵庫において、セグリゲーション現象の回避等の方法を提供することを目的とする。
本発明は、セメント製造装置の窯尻部から塩素化合物含有粉体を含むガスを抽気し、抽気した塩素化合物含有粉体を含むガスを冷却した後、塩素化合物含有粉体とガスを分離し、分離した塩素化合物含有粉体を造粒することを特徴とする塩素化合物含有粉体の処理方法である。平均粒径が10乃至30mmなるように前記塩素化合物含有粉体を造粒することが好ましい。また、造粒した造粒物を、セメント製造装置のクリンカクーラー出口のセメントクリンカに混合することができる。
本発明によれば、セメント製造装置から大量に抽出した塩素化合物のハンドリング性が改善され、輸送機への付着トラブルがなく大量に輸送できる。また、サイロやタンクなどにセメントクリンカと混合、貯蔵した時のセグリゲーション現象による偏在や分離を低減することができる。
図1に本発明の一実施例としてガス抽気装置を備えたセメントクリンカ製造装置を示す。
セメントキルン1から窯尻部3へ流れるキルン排ガス量の2乃至10容量%の範囲で窯尻部3の付近に取付けられた抽気冷却装置5によって抽気する。抽気ガスは、抽気冷却装置5の入口で、1000乃至1200℃である。抽気したガス中には固体のセメント原料と気体の塩素化合物を主成分とする揮発性成分が含まれている。揮発性成分としては、塩素のほかにSO3やK2O他の成分が含まれている。該揮発性成分の濃度は、抽気ダスト粉末換算にて、8乃至40重量%であり、揮発性成分中の塩素化合物は10乃至40重量%である。
揮発性成分は、抽気冷却装置5に供給される空気により300乃至400℃に急冷固化される。急冷速度は、400乃至900℃/秒程度である。塩素化合物含有粉体は、バッグフィルタなどの集塵機6にてガスが分離され捕集される。
次に、捕集された塩素化合物含有粉体は造粒機16により造粒される。ここで造粒とは、粉体を成形することをいい、粉末粒子群に機械的な外部からの加圧による圧力によって一体化させる方法や、粉末粒子群を付着用媒体液などによって球形に転動凝集させ一体化させる方法を含む概念である。ここでは、粉末粒子群に機械的な外部からの加圧による圧力によって一体化させる方法を説明する。造粒機としては、一般的なブリケットマシーンが好ましい。以下、これをブリケットとして説明する。また、ブリケットの平均粒径は10乃至30mmなるように前記塩素化合物含有粉体を造粒することが好ましい。これは、セメントクリンカの平均粒径と同等とし、後工程においてセメントクリンカと混合することを考慮したものである。また、ブリケットの平均粒径がφ30mmを超えると、成形性の悪化やブリケットの割れなどの発生頻度が大きくなり、φ10mm未満では、造粒機の造粒ロールの凹穴からの抜けが悪く、造粒効率が低下する。
またブリケットの形状については、アーモンド形、樽形、円筒形、球形、角形、錠剤形など他のどのような形状でもよいが、輸送や貯蔵にてブリケットが解砕しない程度の硬度が必要である。ブリケットの硬度は3乃至18kg(木屋式硬度計にて測定)が望ましい。ブリケットが硬すぎると、後述する脱塩の水洗処理工程においての脱塩効率が悪く、軟らか過ぎると輸送や貯蔵で壊れやすくなるため、最適な硬度を保つことが大切である。ブリケットマシーンの2軸の回転ロールによる加圧する圧力は、50乃至80Kg/cm程度が好ましい。50Kg/cm未満であると、ブリケットが割れ易いし、80Kg/cmを越えるとブリケットが、造粒機の造粒ロールの凹穴からの抜けが悪くなり造粒効率が低下する。離形剤を造粒ロールに噴霧することで凹穴から抜けやすくはなるが、製造コストアップになると同時に、離形剤の成分がブリケットに混入し、以降の工程で製品の品質上好ましくない場合があり、離形剤の種類によって使用には注意を要する。
ブリケットは図示していない輸送機を経てセメント製造工程へ戻す。戻す位置としては揮発性成分が再度気化することのない温度の場所であれば何処でも良いが、セメントクリンカ製造装置のクリンカクーラー15から取り出されたクリンカ輸送7の位置にてセメントクリンカと混合されセメント製造工程へ回収するのが望ましい。また、セメント製造装置へ持ち込まれる塩素濃度が品質規格を越える等の高い場合は、製造装置系外へ塩化物を排出するため、セメント製造装置へ戻さず、水洗処理設備17に輸送する。
また、貯蔵サイロやタンク9等に貯蔵する場合、セメントクリンカとブリケットを共に混合してタンク9に投入し、タンク9を抜き出すことを行うことが最良である。これにより、輸送機の付着等のトラブルや貯蔵サイロやタンク9でのセグリゲーション現象の発生もなく、貯蔵から均一に抜出し輸送することができ、塩素成分のばらつきの少ないクリンカがタンク9を抜け出る。
セメントクリンカの平均粒径を測定し、その測定結果を元に、同じ程度の粒径になるように、塩素化合物を造粒しブリケット状にすることも可能である。
セメントクリンカの平均粒径とブリケットについては、複数台の篩によって粒度分布を10回程度ほどそれぞれ測定し、各平均粒径を計算する。この計算した各平均粒径がほぼ同程度のサイズ、例えば、差が30%程度以内であれば良い。ブリケットの平均粒径が、セメントクリンカ粒度分布値の標準偏差値の範囲に入っていれば、実用的には全く問題がない。もし前記管理範囲を外れてしまった場合は、後工程のセメントクリンカを貯蔵している複数のサイロの抜出量での混合操作にて均整化の操作を行うことができる。
ブリケットの揮発成分の量と塩素成分によって、セメント品質規定値の上限350ppmを越える場合は、塩素化合物のブリケットを単独で水洗処理設備17へ輸送して水洗処理を行う。脱塩に必要な水量は、ブリケットの塩素化合物の3乃至10重量倍である。脱塩する水槽は、撹拌装置を備えた槽で、ブリケットの滞留時間が40乃至90分間とれる大きさを必要とする。
このブリケット化によるハンドリング改善方法は、セメント製造工程の前工程の一部が地理的に山間部に、セメント製造工程の後工程が、臨海部の工場であり、その間を車両や貨車にて長距離輸送する場合において特に有効である。
上記のとおり、塩素化合物含有粉体の処理方法について述べたが、本発明が特に有用となるのは、以下のように効率よく塩素を抽気する場合である。図1に示すような、セメントキルン1の排ガスの塩素バイパス装置を使用した場合、セメントキルン1からプレヒーター2に流れるキルン排ガスの塩素化合物を主成分とする揮発性成分は、その大半が気相のガス状で存在しており、このガスのみを選択的に抽気することが、揮発性成分濃度の高い粉体となる。逆にいえば、キルン排ガス中に含まれるセメント原料濃度の低い部分から抽気することで、セメント原料の同伴量が少なくなり、これによる熱損失が少なく効率的となる。
具体的には図1のセメントクリンカ製造装置のセメントキルン1とプレヒーター2の急な上方への曲がりによって、キルン排ガス流れが偏流し、セメントキルン1からプレヒーター2へ流れるキルン排ガスの気流に乗って戻るセメント原料濃度の比較的低い部分が生じる。この部分を選定して抽気位置を設ければ、浮遊するセメント原料濃度の低いガスの抽気が可能となる。
図5において、セメント原料濃度の比較的低いガスのみを選択的に抽気するための前記抽気冷却装置5の位置は、窯尻部3の上部で、ライジングダクト4との接続部に近い付近に設置される。ライジングダクト4の断面において、セメントキルン1と同方向の側面か、またはセメントキルン1と直角方向の側面から抽気される位置に抽気冷却装置5が取付けられる。セメントキルン1と同方向の側面では、中央部または両端のいずれかから抽気する。セメントキルン1と直角方向の側面では、セメントキルン1にできるだけ近い位置から抽気することが望ましく、抽気する位置の高さについては、可能なかぎりセメントキルン1に近い位置の高さが望ましい。抽気冷却装置5の水平からの上向き方向角度は0乃至45度で設置されるが、好ましくは水平方向の角度である方がよい。抽気冷却装置5の窯尻部3における取り付け方向は、一般的にはセメントキルン1と接続している同じ側の方向が好ましく、浮遊するセメント原料濃度が比較的少なく、セメント原料を同伴し難い。これらの各位置の選定においては、各セメントキルンの規模、原燃料の種類、抽気位置のダクトの形状等によって最適位置が異なってくるので、抽気ガス中の塩素濃度を実測するなどして適宜決定される。
(塩素濃度の測定方法)
自動溶融器でビード状にした後、蛍光X線分析計で塩素成分を自動測定する。
(容重の測定方法)
体積が1リットルである自製の鉄製円柱形状の升にサンプル粉末を一定の高さ30cmから自然落下させて升を山盛りにする。その後、升の上面を板で升きりする。升の重量を秤で測定する。10回ほど、別のサンプルで繰返した後、平均計算によって平均容重を算出する。ブリケットも同様に実施する。
(安息角の測定方法)
水平面上の定位置の高さ30cmから、静かに自然落下させてコニカル状の小山を作る。小山の半径か高さが20cm程度になったら、試験粉末の落下を停止させる。安息角を測定するコンパスにて傾斜角度を周囲6箇所以上測定する。10回のサンプルで実施し、平均化した後、安息角を計算する。
セメントキルン1の塩素バイパス装置から抽出した粉末を、造粒機で造粒テストした。
実験に使用した塩素バイパスからの捕集粉末は、以下のような抽気急冷条件によって得られた粉末である。抽気位置は、図5の太い矢印の位置と方向である。窯尻部3とライジングダクト4の接続部近辺であって、セメントキルン1と同方向の右側壁位置から、上方への傾斜角45度で抽気している。
抽気冷却装置5の入口抽気条件は、ガス温度が1250℃で、抽気風量が674m/分であった。抽気冷却装置5への吹込み冷却ガス条件は、空気温度が28℃で、吹込み風量が2902m/分であった。また、この時の抽気冷却装置5出口の排ガス状態は、ガス温度が312℃で、風量が3576m/分であった。また、集塵機6で捕集された塩化物ダスト粉末は、平均42kg/hrであり、塩素成分濃度は、16重量%であった。容重が0.34t/m、安息角が45乃至48度である。
次に、造粒は以下の方法に従って行った。実験に用いた造粒機は大塚鉄工(株)製(型式番号:K−209)で、能力が0.8t/hr、回転ロールの押圧力が50乃至80Kg/cmで、ブリケットの粒径が直径φ14mm×厚さ9mm程度の寸法でアーモンドの形状ができるものを使用した。
塩素ダスト粉末を造粒した後のブリケットの容重は、0.85t/mとなり、約3倍になった。ブリケットの硬さは木屋式硬度計で測定して、3乃至18kg程度であった。このブリケットの安息角は、ブリケット成形後は、34乃至37度であった。安息角は、粉粒体について流動性などのハンドリング性の指標として1つの重要な指標となり、水平との角度が小さいほど流動性がよい。一般的なセメントクリンカの安息角の測定値は、平均が33度程度であり、このブリケットは、ほぼクリンカと同等の流動性を持つことが推定できる。塩素バイパスの捕集粉末をブリケット化することにより、セメントクリンカと均一に混合することができる。しかも塩素化合物のブリケットが解砕しにくいので、輸送装置などの機器への粉末での付着が大幅に低減できることが推定でき、塩素化合物の輸送トラブルは大きく改善することが期待できる。ブリケット化により安息角が小さくなり、結果として、塩素化合物のハンドリング性は改善することが前記基礎実験から判った。
次に、塩素成分が16重量%の塩素化合物のブリケットと、抽気したダストをブリケット化しない粉末品とをそれぞれ水洗処理し、塩化物の水への溶解性を基礎実験にて比較した。ポリエチレン製容器(内寸法φ160mm、高さ220mm)に、深さ110mmまで水を入れて、水量比(重量基準)が5.0になるようにブリケット及び粉末品をそれぞれ投入した。テフロン(登録商標)製撹拌羽根(回転直径120mm×高さ25mm×厚み3mm)を容器底面から30mmの位置にセットして、回転数120rpmで60分撹拌した。この結果、ブリケットは水中で完全に崩壊し、スラリー化した。溶解したスラリーを濾過して濾液中の塩素分を測定した結果、ブリケットと粉末品とも3.3重量%で同じ塩素成分値あり、ブリケットが粉末品と同等に脱塩されていることが明らかとなった。また、濾紙上固形物の塩素分は、ブリケットが1.4重量%で、粉末品が1.3重量%であった。
従って、脱塩率で表すとブリケットでは91.3%であって、粉末品の91.9とほとんど同じ脱塩率となった。この結果、ブリケットであっても、良好に脱塩することができることが明らかとなった。
このような本発明を適用すれば、さらに一段と大量の塩素含有の廃棄物をセメント製造装置に使用することでき、一段と高まっている環境問題の社会的な要請に一層、大きく寄与することができる。
本発明は、広くは粉粒体を扱うあらゆる産業において、微粉と粗粒を均一に混合する際に、造粒という手段を利用する方法によってその応用が可能である。また狭義では、セメント産業における塩素化合物以外の微粉体を粗粒物と混合して輸送や貯蔵する際に、また、微粉で付着性の高い粉体の効率的な運搬と貯蔵を行う際に、その応用が可能である。
本発明の塩素化合物を含有する粉末の処理方法における概略図である。 従来の塩素化合物を含有する粉末の処理方法における概略図である。 貯蔵サイロのセグリゲーション現象の例で、満量時の状態である。 貯蔵サイロのセグリゲーション現象の例で、空量直前の状態である。 窯尻部における抽気冷却装置の取り付け位置を示す図である。
符号の説明
1 セメントキルン
2 プレヒーター
3 窯尻部
4 ライジングダクト
5 抽気冷却装置
6 集塵機
7 クリンカ輸送
8 塩素化合物輸送
9 タンク
10 投入口
11 抜出し口
12 大粒径物
13 大小混合粒径物
14 小粒径物
15 クリンカクーラー
16 造粒機
17 水洗処理装置

Claims (3)

  1. セメント製造装置の窯尻部から塩素化合物含有粉体を含むガスを抽気し、抽気した塩素化合物含有粉体を含むガスを冷却した後、塩素化合物含有粉体とガスを分離し、分離した塩素化合物含有粉体を造粒することを特徴とする塩素化合物含有粉体の処理方法。
  2. 平均粒径が10乃至30mmなるように前記塩素化合物含有粉体を造粒する塩素化合物含有粉体の処理方法。
  3. 前記造粒した造粒物を、セメント製造装置のクリンカクーラー出口のセメントクリンカに混合することを特徴とする請求項1または2に記載の塩素化合物含有粉体の処理方法。
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