JP2009143740A - ハニカムセグメント接合体の作製方法 - Google Patents

ハニカムセグメント接合体の作製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ハニカムセグメントに均等に加圧可能、かつ、外周にあるハニカムセグメントをバランスよく乾燥可能であり、安定的な接合幅を保ち、コスト削減を達成し得る、ダミーセグメントを使用するハニカムセグメント接合体の作製方法を提供する。
【解決手段】隔壁により仕切られ軸方向に貫通する複数のセルを有するハニカムセグメント3の複数個を、接合材4で接合することにより一体化する接合工程を含むセラミックスからなるハニカム構造体の製造方法であって、いずれかの隅部にハニカムセグメントセグメントの代わりにリサイクル可能なダミーセグメントを使用するハニカムセグメント接合体の作製方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、ダミーセグメントを使用するハニカムセグメント接合体の作製方法に関する。
環境改善、公害防止等のため、排ガスの集塵用フィルター、例えば、ディーゼルエンジン等の排ガスに含まれるスート等の粒子状物質(パティキュレート)を捕捉し除去するためのディーゼルパティキュレートフィルター(DPF)として、ハニカム構造体が広く使用されている。現在、例えば、SiC製DPFは熱衝撃性による割れを防止するために分割した基材(ハニカムセグメント)で接合し一体化して作製している(例えば、特許文献1)。
ところで、従来技術では、このようなディーゼルパティキュレートフィルター(DPF)を作製する際の、DPFの外周加工において、四隅のセグメントは完全に削られてしまい、削られて使用されないセグメントが必ず発生し、環境面や生産コスト面等から問題となっていた。
とりわけ、使用されないハニカムセグメントを削るには、ダイヤモンドツール等の研削手段で切削工程が行われることが一般的であるが、このような工業用ダイヤは高価なものであり、切削面積が大きいと、それだけ工業ダイヤの磨耗も進み、ひいては製作コストを引き上げ、全体のコストアップとなっていた。また、完全に使用されないセグメントの生産、切削工程に費やされる人的、時間的資源は僅かばかりでなく、大きな負担となっている。
さらに、環境面やコスト面への配慮から、削られたセグメントを、粉砕等し、再びセグメントとして利用することも行われているが、ストリーラインとしての生産工程が複雑多岐にわたり、さらなる人的、かつ、コスト的な負担増ともなっている。
このような問題に対して、隅部のセグメントをなくした(抜いた)状態で製作することも試案されてきたが、隅部のセグメントを抜いて各セグメントを接合すると、乾燥工程で隅部のセグメントがない分だけ外気に晒され易くなり、例えば、外周列にあるセグメントの乾燥(若しくは、セグメントとセグメントを接合する接合材の乾燥)が、均等に進まないか、乾燥の度合いが速くなり、セグメント体(セグメント接合体)の外周列の接合幅が薄くなってしまう、という新たな問題が生じている。
さらに、上述した新たな問題に加えて、隅部のセグメントをなくした状態でハニカムセグメントを接合する場合には、加圧シリンダー等での加圧工程時に、セグメント体に均等に加圧力が伝わらず、加圧力のバランスが悪くなり、セグメント体の外周列の接合幅が薄くなるといった問題も生じている。
以上のように、隅部のセグメントをなくした状態で、隅部のセグメントがある状態と変わらないセグメントを接合する方法としては、根本的な解決には至っておらず、未だ十分なものではなかった。
特開2003−10616号公報
本発明は上記問題点を解決すべくなされたものであり、ハニカムセグメントを接合する際に各セグメント、とりわけ外周に位置するセグメントを、バランスよく乾燥可能させて、セグメント体(接合体)に均等に加圧を行い得ることにより、安定的な接合幅を保ち、コスト削減を達成し得る、ダミーセグメントを使用するハニカムセグメント接合体の作製方法を提供する。
本発明により、以下のダミーセグメントを使用する接合方法が提供される。
[1] 隔壁により仕切られ軸方向に貫通する複数のセルを有するハニカムセグメントの複数個を、接合材で接合することにより一体化する接合工程を含む、セラミックスからなるハニカム構造体の製造方法であって、いずれかの隅部にハニカムセグメントの代わりにリサイクル可能なダミーセグメントを使用するハニカムセグメント接合体の作製方法。
[2] 前記ダミーセグメントを少なくとも接地面に接する隅部に使用する[1]に記載のハニカムセグメント接合体の作製方法。
[3] 前記ダミーセグメントを全ての隅部に使用する[1]又は[2]に記載のハニカムセグメント接合体の作製方法。
[4] 前記ダミーセグメントが2.0〜10GPaの圧縮弾性率を有している[1]〜[3]のいずれかに記載のハニカムセグメント接合体の作製方法。
[5] 前記ダミーセグメントが120℃以上の耐熱温度を有している[1]〜[4]のいずれかに記載のハニカムセグメント接合体の作製方法。
本発明によれば、各ハニカムセグメント、とりわけ外周にあるハニカムセグメントをバランスよく乾燥させて、ハニカムセグメント体(ハニカムセグメント接合体)に均等に加圧を行い得ることにより、安定的な接合幅を保ち、コスト削減を達成し得る、ダミーセグメントを使用するハニカムセグメント接合体の作製方法を提供できるという優れた効果を奏する。
以下、本発明のダミーセグメントを使用する接合方法を実施するための最良の形態について具体的に説明する。但し、本発明はその発明特定事項を備えるダミーセグメントを使用する接合方法を広く包含するものであり、以下の実施形態に限定されるものではない。
[1]本発明のハニカムセグメント接合体の作製方法の構成:
本発明のハニカムセグメント接合体の作製方法の一の実施形態は、図7、8に示されるように、隔壁により仕切られ軸方向に貫通する複数のセルを有するハニカムセグメント3の複数個を、接合材4で接合することにより一体化する接合工程を含むセラミックスからなるハニカム構造体の製造方法であって、いずれかの隅部6にハニカムセグメントセグメントの代わりにリサイクル可能なダミーセグメントを使用する使用するものである。
[1−1]ハニカムセグメント接合体の製造工程:
ハニカムセグメント接合体の製造工程は、図1に示されるように、S1〜S7の工程を経て作製される。まず、基材(ハニカムセグメント)の作製をする(S1)。次に、接合材を作製する(S2)。さらに、ダミーセグメントの作製をする(S3)。そして、ダミーセグメントがいずれかの隅部にハニカムセグメントセグメントの代わりに配置されるよう、接合材を用いてハニカムセグメントと接合して一体化し、接合体を得る(S4)。S4で得られた接合体を加圧機等で接合体の外周面から所定の圧力で加圧し、均一な接合幅に調整する(S5)。S5の工程後得られた接合体を熱風等で乾燥する(S6)。乾燥した接合体から、ダミーセグメントを取り外し、ハニカムセグメント接合体を得る(S7)。その後、必要に応じて所望の形状にダイヤモンドツール等で切削加工する(S8)。また、これらの製造工程の他に、接合材のはみ出しがある場合には、ハニカムセグメント外周面にマスキングテープを貼り付けて接合材の付着を防止したり、接合材をかき取ったりすることがより好ましい。また、熱風乾燥する前に室温にて一定時間放置した後、熱風乾燥することがより好ましい。
なお、上記S1〜S8工程の他に、本発明のハニカムセグメント接合体1をフィルターとして用いる場合には、図7及び8に示されるように、一部のセル12がハニカムセグメントの端面において目封じされていることが好ましい。特に隣接するセル12が互いに反対側となる端面において交互に目封じされており、端面が市松模様に目封じされていることが好ましい。このように目封じすることにより、例えば、一の端面から流入した被処理流体は隔壁を通って、他の端面から流出し、被処理流体が隔壁を通る際に多孔質の隔壁がフィルターの役目をはたし、目的物を除去できる。
[1−2]ハニカムセグメント:
図7及び図8に示すように、ハニカムセグメント3は、隔壁11によって仕切られ軸方向に貫通する複数のセルを有する。換言すれば、区画、形成された流体の流路となる複数のセル12が中心軸方向に互いに並行するように配設された構造を有し、それぞれが全体構造の一部を構成するとともに、ハニカム構造体Hの中心軸に対して垂直な方向に組み付けられることによって全体構造を構成することになるハニカムセグメント3が、本発明の接合材組成物から形成された接合材4Sの層によって一体的に接合されたハニカムセグメント接合体として構成されてなるものである。
接合材層4Sによって一体的に接合されたハニカムセグメント接合体1は、接合後、その全体の断面形状が円形、楕円形、三角形、正方形、その他の所望の形状となるように研削加工され、外周面がコーティング材13によって被覆される。なお、このハニカム構造体Hを、DPFとして用いる場合には、図8及びそのA−A断面図である図9に示すように、ハニカムセグメント3の各セル12を、それぞれ一方の端部において、充填材14により交互に目封じしておくとよい。
ハニカムセグメントの材料としては、強度、耐熱性の観点から、炭化珪素(SiC)を骨材としてかつ珪素(Si)を結合剤として形成された珪素−炭化珪素系複合材料、窒素化珪素、コージェライト、ムライト、アルミナ、スピネル、炭化珪素−コージェライト系複合材、リチウムアルミニウムシリケート、チタン酸アルミニウム、Fe−Cr−Al系金属からなる群から選択される少なくとも一種の材料を好適なものとして挙げることができる。中でも、炭化珪素(SiC)又は珪素−炭化珪素系複合材料から構成されてなるものが好ましい。また、目封止部の構成材料は、ハニカムセグメントとの熱膨張差を小さくするため、ハニカムセグメントと同じ材料を用いることが好ましい。
ハニカムセグメントの製造方法には、従来公知の方法を用いることができる。具体的な方法の一例としては、前記のような材料に、メチルセルロース、ヒドロキシプロポキシルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等のバインダー、造孔剤、界面活性剤、溶媒としての水等を添加して、可塑性の坏土とし、この坏土を所定のハニカム形状となるように押出成形し、次いでマイクロ波、熱風等によって乾燥した後、焼成する。なお、セルに目封止部を形成した後で、目封止部の焼成と一緒に行うようにしても良い。
図2A〜図2Cは、接合体1の具体例を示したものであり、ハニカムセグメント3を、接合材を介して接合して作製した接合体を模式的に示したものであり、接合体の幅方向の断面を示した模式図である。例えば、図2Aに示されるように、接合体1Aの構成を縦6本×横6本とする場合には、従来では、ハニカムセグメント3が36本全て必要となるが、本実施形態では、いずれかの隅部6(6a,6b,6c,6d)に、ダミーセグメント5を配置すると、ハニカムセグメント3を36本全て使用しなくて済む。また、例えば、図2Bに示されるように接合体の構成を7本×7本とする場合には、従来では、ハニカムセグメント3が49本全て必要であったが、いずれかの隅部6(6e,6f,6g,6h)に、ダミーセグメント5を配置すると、ハニカムセグメント3を47本全て使用しなくて済む。さらに、例えば、図2Cに示されるように、接合体の構成を8本×8本とする場合には、いずれかの隅部6(6i,6j,6k,6l)に、後述のダミーセグメント5を配置すると、ハニカムセグメントを62本全て使用しなくて済む。したがって、本願の効果を奏することができる。
ここで、「接合体」とは、ダミーセグメントとハニカムセグメントとを接合材を介して接合したものをいい、前述の図1ではS4までの工程を経て得られたものをいう。また、「ハニカムセグメント接合体」とは、上述の接合体からダミーセグメントを取り外したものをいい、前述の図1ではS7の工程を経て得られたものをいう。
なお、前述の「少なくともいずれかの隅部」とは、図2Aを例にすると、(1)6a〜6dのいずれか1つの隅部のみをいう場合に限らず、(2)6aと6b、6aと6c、6aと6d、6bと6c、6bと6d、6cと6dといったいずれかの2つの隅部をいう場合、(3)6aと6bと6c、6aと6bと6d、6aと6cと6d、6bと6cと6dといったいずれかの3つの隅部をいう場合、さらには(4)6aと6bと6cと6dといった4つの隅部をいう場合を包含する趣旨である。
より好ましいのは、少なくとも接地面に接する2つの隅部にダミーセグメントを配置して得られた接合体である。例えば、図2Aに示されるように、接合体1Aの構成が縦6本×横6本とする場合に、少なくとも接地面に接する2つの隅部6(6a、6b)に、ダミーセグメント5(5a、5b)を配置する構成とすると、ハニカムセグメント3は34本で足りることになり好ましい。また、例えば、図2Bに示されるように、接合体の構成を7本×7本とする場合に、少なくとも接地面に接する2隅部6(6e、6f)に、ダミーセグメント5(5c、5d)を配置する構成とすると、ハニカムセグメント3は47本で足りることになり好ましい。さらに、例えば、図2Cに示されるように、接合体の構成を8本×8本とする場合に、少なくとも接地面に接する2隅部6(6i、6j)に、ダミーセグメント5(5e、5f)を配置する構成とすると、ハニカムセグメントは62本で足りることになり好ましい。
なお、図3A〜Cに示されるように、ダミーセグメント5を4つの隅部の全てに使用する場合には、この限りではなく、縦6本×横6本の構成とする接合体1Dの場合には、ダミーセグメント5は4本(5g、5h、5i、5j)用いることで、ハニカムセグメント3は32本あればよく、7本×7本の構成とする接合体1Fの場合には、ダミーセグメント5は4本(5k、5l、5m、5n)用いることで、ハニカムセグメント3は45本あればよく、8本×8本の構成とする接合体1Gの場合には、ダミーセグメント5は4本(5p、5q、5r、5s)用いることで、ハニカムセグメント3は60本あればよくなり、さらに好ましい。
また、接合体の構成本数は、上述の例示に限定されるものではなく、必要に応じて、縦又は横の構成本数が増減するもの、例えば、縦3本×横3本=9本の構成からなる接合体、縦9本×横9本=81本からなる接合体等も含まれる。ハニカムセグメント接合体の全く使用されない隅部に、ハニカムセグメントの代わりにダミーセグメントを使用することにより、本発明の効果を奏する事ができ得るからである。
[1−3]ダミーセグメント:
ダミーセグメント3は、ハニカムセグメントの代わりに使用されるものであり、図2A〜2C、図3A〜3Cに示されるように、接合体1の隅部6であって、いずれかの隅部に配置されるように接合される。接合体の隅部にダミーセグメントを配置するのは、セグメント体に加工する際の切削工程で、隅部に位置するセグメントは、完全に切削されてしまい不要となるが、ハニカムセグメントを隅部に配置せず、或いは、ダミーセグメントをも配置しない場合には、接合材の乾燥が適度に行われず、外周に配置されたセグメントの乾燥が内部に配置されたセグメントよりも進んでしまい、その結果、機械的強度等を損なうことにもなるため、そのような弊害を防ぐためである。
また、接合材を塗布等した後には、接合幅の調整を図るための加圧工程が製作過程で行われるのが一般的であるが、その加圧工程では、隅部のハニカムセグメントがないと、加圧力が伝わりやすく、外周列の接合幅が薄くなってしまい、やはり機械的強度が劣ってしまう。ここで、図4A、Bは、ハニカムセグメント及びダミーセグメントを隅部に配置しないで接合体を形成する場合には、加圧した際に生じる接合加圧時のズレを模式的に示したものである。この図4Aに示されるように、接合材を塗布した接合体の隅部6(6m、6n、6p、6q)には、ハニカムセグメントもダミーセグメントも配置されていない。しかして、このようなハニカムセグメント接合体に、図4Bの紙面方向上から下にある加圧基準面9aに向けて、あるいは、右から左方向にある加圧基準面9bに向けて、それぞれ加圧シリンダー9a、9bによって加圧すると、ハニカムセグメントが配置されていない分だけ、ハニカムセグメント接合体を構成する各セグメント3に、加圧が伝わりやすくなり、外周に位置するハニカムセグメントに塗布される接合材の接合幅が薄くなり、機械的強度等の特性を損ないかねない。なお、上記加圧方向は、上下及び左右逆に入れ替えても同じであることは言うまでもない。
さらに、加圧が伝わり易いことにより、接合面がずれてしまったりする不具合も生じかねない。特に、図4Aに示されるX、Xのハニカムセグメントからなる列(ハニカムセグメント群)には隅部6p、6qにハニカムセグメントがないため、セグメント3c、3dに、その分重力等の負担がかかるため、自らの重みだけでも接合箇所(接合面4c、4d)がずれやすい。したがって、そのような接合箇所のずれを防ぐために、ダミーセグメントが少なくとも接地面に接する隅部に使用されることがより好ましい。このように少なくとも接地面に配置される場合には、積み重ねたハニカムセグメントの重量をダミーセグメントで支えることができ、さらに、隅部に本来配置されるはずであったハニカムセグメントを使用しなくて済むため、本願の効果をより奏することができる。したがって、好ましい形態の一つである。
ここで、「少なくとも接地面に配置される隅部」とは、接合体の4つの隅部のうち、接地面に接する2つの隅部をいい、たとえば、図4では、接地面に接する隅部6p、6qの2箇所に、ダミーセグメントが配置される隅部のことをいう。
なお、ハニカムセグメントの長さ方向を設置面に接するように接地する、いわゆる横置きの場合と、ハニカムセグメントの幅方向断面が設置面に接するように接地する、いわゆる縦置きの場合のいずれにおいても、接地面に接する2つの端部に少なくともダミーセグメントを1本ずつ配されることが好ましい。この接地面側の端部(隅部)に少なくともダミーセグメントが配されないと、前述のように端部(隅部)上に配置されるハニカムセグメントの重みを支えきれずに、接合面がずれたりするおそれがあり、機械的強度等、ハニカムセグメント接合体として必要な特性を損ないかねないからである。また、乾燥の度合いが偏ることにもなり、接合幅が所望の範囲に収まらないことにもなり得るからである。換言すれば、接地面に接する2つの端部に少なくともダミーセグメントを1本ずつ配されると、前述の自重を支えることができ、乾燥工程での適切な接合幅等を得ることができ、さらに、切削等に使用されないハニカムセグメントを配置する無駄を省くこともできるため、本願の効果を奏することが出来るのである。
ここで加圧シリンダーによる「加圧」とは、接合工程において加圧シリンダー等でハニカムセグメントに所定の圧力をかけるものをいい、接合材を各セグメントの接合面に確実に馴染ませて接合し易くするとともに、接合面の接合幅を調整し、接合面から余分な接合材の除去をするために行われる。また、「加圧基準面」とは、加圧された接合体を下支え、又は、横支えして接合状態のズレをなくすよう接合体を一時的に固定し得る、接合体との接触面をいう。
なお、「接地面に接する隅部」としては、例えば、図2Aに示される縦6本×横6本からなる接合体1Aの場合には、符号6a、6bにあたり、図2Bに示される、縦7本×横7本からなる接合体1Bの場合には、符号6e、6fにあたり、図2Cに示される縦8本×横8本からなる接合体1Cの場合には、符号6i、6jにあたる。
ダミーセグメントは、リサイクル可能に形成されている。すなわち、ダミーセグメントとハニカムセグメントとを接合した接合体から、加圧して接合幅を調整する加圧工程S5、熱風等で乾燥させる熱風乾燥工程S6を経た後、ダミーセグメントのみを接合体(セグメント体)から取り外し(引き離し)、再び接合体の接合工程で利用可能に形成されている。換言すれば、ダミーセグメントを引き離して(取り外して)、得られたハニカムセグメント接合体のみを必要に応じて、次の切削工程S8に進めることが可能となる。したがって、切削工程等では、接合体の隅部6に配置されたダミーセグメント体の分だけ、切削面積が少なくなり、取り外したダミーセグメントは、水等により洗う洗浄工程を経れば、再び利用できる。このようにして、ダミーセグメントの切削工程にかかる時間を省け、かつ、全体のコストダウンにもつながるため、本発明の効果を奏することができる。
ダミーセグメントの取り外し方法は、接合体からダミーセグメントを手等で引き離して行う。また、ダミーセグメントの長さ方向にある端部を挟持し得る機械等で引き離してもよい。ダミーセグメントは、接合体から剥がれ易い材質等で成型されている。そのため、ダミーセグメントの箇所は、他のセグメントと異なり適度な力で引っ張ることにより、接合体から取り外し易く(離型させ易く)構成されている。なお、このようにダミーセグメントを取り外し得られたハニカムセグメント接合体は、図5A〜Cに示されるように、隅部にセグメントはないものの、乾燥工程S7を経ていることにより、自重に耐え得る程度の強度を得ているため、接合箇所がずれたりすることもない。こうして、得られたハニカムセグメント接合体は、その後必要に応じて切削等の工程を経ることになる。
なお、少なくとも接地面に接する隅部にダミーセグメントを2本配置して接合体を構成する場合には、上述の例の他に、図6A、図6Bに示されるような接合体であっても、本実施形態に含まれる。図6Aは、接地面に接する隅部の上部側に相当する隅部6t、6uに、ハニカムセグメント及びダミーセグメントのいずれもない場合を表した模式図である。このような接合体であっても、接地面側に位置する隅部6r、6sに配置されたダミーセグメント5t、5uが、外周側に接合材を介して積層されたハニカムセグメント群X、Xを下支えでき、さらに、加圧工程の際の加圧によって接合幅が薄くなることを少なくとも防ぐことができ、加えて、ハニカムセグメントを4本分減少させることができるため、本発明の実施形態の一つといえる。また、図6Bは、接地面に接する隅部6v、6wのみ、ダミーセグメント5v、5wを配置し、その隅部の上部側に相当する隅部6x、6yには、ハニカムセグメント3を配置した接合体を表した模式図である。このような接合体であっても、接地面側に位置する隅部6v、6wに配置されたダミーセグメント5v、5wが、接合材を介して外周側に積層されたハニカムセグメント群X、Xを下支えできる。また、加圧工程の際の加圧によって接合幅が薄くなることをダミーセグメントが少なくとも防ぐことができる。さらには、ハニカムセグメントを少なくとも2本分減少させることができるため、本発明の効果を奏することができるから本実施形態の一つといえる。
ただし、より好ましいのはダミーセグメントを全ての隅部に使用することである。全ての隅部にダミーセグメントを配置して、他のハニカムセグメントと接合することにより、前述のいわゆる横置きする場合に限らず、接合体の断面に沿って接地する場合、すなわち、いわゆる縦置きする場合にも、4隅にハニカムセグメントが配置されているのと実質的に変わらず、接合の際の加圧時に接合幅が所望の厚さに保つことができる。また外周面に配置されるハニカムセグメントの接合箇所の乾燥度合いもバランスがとれ、機械的強度等を満たし得るハニカムセグメント接合体を形成できるのでより好ましい形態の一つである。
ダミーセグメントを隅部全てに配置する場合には、図3A、B、Cの各隅部にダミーセグメントが4本配置されることになるため、図3Aに示される縦6本×横6本からなる接合体の場合には、接地面に接する隅部5i、5jの2本と、それらの各隅部からハニカムセグメントを積み重ねた最上段部に位置する隅部5g、5hの2本とが使用されず、完全に削り落と(切削)されるはずであったものが、ダミーセグメントに置き換えられることになる。また、例えば、図3Bに示される縦7本×横7本からなる接合体の場合には、接地面に接する隅部5m、5の2本と、それらの各隅部からハニカムセグメントを積み重ねた最上段部に位置する隅部5k、5lの2本とがダミーセグメントに置き換えられ、図3Cに示される縦8本×横8本からなる接合体の場合には、接地面に接する隅部5r、5sの2本と、それらの各隅部から、ハニカムセグメントを積み重ねた最上段部に位置する隅部5p、5qの2本がダミーセグメントに置き換えられる。
また、本実施形態で使用されるダミーセグメントは、乾燥に耐え、加圧力を伝える最低限の硬さ、およびセグメントを破損しない程度の軟らかさを有し、乾燥後に容易に剥がれる必要がある。したがって、フッ素樹脂系、一般高分子系からなる素材により形成されることが望ましい。
フッ素樹脂系としては、ポリテトラフルオロエチレン(4フッ化)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(4.6フッ化)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド(2フッ化)、ポリクロロトリフルオロエチレン(3フッ化)、クロロトリフルオエチレン・エチレン共重合体、等が挙げられる。
一般高分子系としては、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリベンゾイミダゾール、6ナイロン、66ナイロン、等が挙げられる。
また、ダミーセグメントが2.0〜10GPaの圧縮弾性率を有していることが好ましい。ダミーセグメントの圧縮弾性率が10GPaよりも高いと、接合加圧時に加圧シリンダー等の圧力が強すぎ、ハニカムセグメント接合体が破損してしまうため好ましくなく、ダミーセグメントの圧縮弾性率が2.0よりも低いと、軟らかすぎるため加圧時の加圧シリンダー等の圧力が、ダミーセグメントに吸収されてしまい、ダミーセグメントを介してハニカムセグメントに圧力が十分に伝わらず、接合幅が所望の厚さよりも厚くなるため、好ましくない。
また、ダミーセグメントが120℃以上の耐熱温度を有していることが好ましい。ダミーセグメントとハニカムセグメントとを接合材を介して接合し、乾燥させる乾燥工程では、マイクロ波または熱風乾燥機等で凡そ120℃前後の熱風を吹きかけて乾燥させる。したがって、ダミーセグメントの耐熱温度が120℃以下の場合には、ダミーセグメントが溶けるおそれがあり、ダミーセグメントの取り外し時に、取り外せなかったり、取り外せてもきれいに剥がれなかったりして、ハニカムセグメント接合体の特性を損ねることにもなり得るからである。さらに、ダミーセグメントの再利用ができなくなることにもなる。したがって、前述の所望の耐熱温度を有することが好ましい。
また、ダミーセグメントを使用して接合した接合体の接合幅は、1.0±0.5mmの範囲内であることが好ましい。この数値内に接合幅が調整されることにより、機械的強度/弾性等を備えたDPFを成形することができる。
また、このようにダミーセグメントを使用することにより、例えば、次表1に示される組本数が縦6本×横6本(図10参照)、縦7本×横7本(図11参照)、縦8本×横8本(図12参照)、から構成されるセグメント体であれば、そのセグメント使用率を引き上げることができる。すなわち、縦6本×横6本であれば、ダミーセグメントを使用しないで得られる完成品(切削工程後)のセグメント使用率(完成体の断面積/接合体の断面積×100)は、57.2%であるのに対し、4隅にダミーセグメントを使用して得られた完成品(切削工程S8後)は、63.9%と使用率の大幅アップとなっている。同様に、縦7本×横7本であれば60.5%から65.6%へ、縦8本×横8本であれば72.4%から76.9%へとアップしており、確実にダミーセグメントを使用することでコスト削減を達成し得ることがわかる。なお、図10〜11で、ダミーセグメントの使用時とは、黒く塗りつぶしている4隅のセグメントZに、ダミーセグメントを使用する場合のことであり、完成品(完成の形状)は、円(○)で囲まれた形状である。
Figure 2009143740
[1−4]接合材:
接合材としては、耐熱性を有するセラミックファイバー、セラミック粒子等からなるフィラーと、コロイダルシリカ等の無機接着剤とを主成分とし、更に必要に応じて有機バインダー(例えば、メチルセルロース(MC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等)、分散剤、水等を加え、それをミキサー等の混練機を使用して混合、混練してペースト状にしたものが好ましい。
全てのハニカムセグメントとダミーセグメントを所定位置に設置し、接合材を介して接合した後、乾燥硬化させる。乾燥効果したハニカムセグメントとダミーセグメントの接合体から、ダミーセグメントを引き離して得られたハニカム接合体は、その後必要に応じて、外周部を切削加工する等して、円柱状の所望形状に加工してもよい。なお、この場合、加工により外周壁が除去され、内部の壁部とセルが露出した状態となるので、露出面をコーティング材で被覆などして外周壁を再形成することが好ましい。
以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例における「部」および「%」は特に断りのない限り質量部および質量%を意味する。また、実施例における各種の評価、測定は、下記方法により実施した。
なお、後述の表2に示されるダミーセグメントの連続使用温度及び圧縮弾性率は、JIS規格(A 9511)に基づいており、使用温度が高い程耐熱性が高いといえ、圧縮弾性率が大きいほど硬くなるといえる。
[1]内部の接合幅:
ハニカムセグメント接合体の内部に位置する、ハニカムセグメントの接合幅を測定した。測定方法は、次の通りである。得られたダミーセグメントの接合部上にルーペを当てて、全接合部であって各接合された辺の中央部分を測定する。例えば、図13に示されるように、ダミーセグメントが縦6×横6本から構成される場合には、全接合部で各辺の中央部分はポイントP(●)で示され、ポイントPを両面測定し、その平均値を計算して内部の接合幅を求める。
[2]外周の接合幅:
ハニカムセグメント接合体の外部に位置する、ハニカムセグメントの接合幅を測定した。測定方法は、次の通りである。得られたダミーセグメントの接合部上にルーペを当てて、外周に位置する接合部であって、各接合された辺の中央部分を測定する。例えば、図14に示されるように、ダミーセグメントが縦6×横6本から構成される場合には、外周に位置する接合部であって、各接合された辺の中央部分はポイントP(●)で示され、ポイントP2を両面測定し、その平均値を計算して外周の接合幅を求める。
[3]乾燥後の離型性:
ダミーセグメントが乾燥に耐えるものか、接合体を120℃の熱風乾燥機で乾燥させて、ダミーの剥がれ状態を調査、観察した。この離型性の調査方法は、機械等によって行うことも可能であるが、ダミーセグメントをハニカムセグメントから引き離す(引き剥がす)等の作業は、人力で行われる方が多いと思われるため、あえて人の手で容易に剥がれるか否かについて調べた。また、ダミーセグメントをハニカムセグメントから離した(剥がした)後の、ハニカムセグメントの外周面について、ルーペを用いて観察した。
(ハニカムセグメントの作製)
ハニカムセグメント原料として、SiC粉末及び金属Si粉末を80:20の質量割合で混合し、これに造孔剤として澱粉、発泡樹脂を加え、さらにメチルセルロース及びヒドロキシプロポキシルメチルセルロース、界面活性剤及び水を添加して、可塑性の坏土を作製した。この坏土を押出成形し、マイクロ波及び熱風で乾燥して隔壁の厚さが310μm、セル密度が約46.5セル/cm(300セル/平方インチ)、断面が一辺35mmの正四角形、長さが152mmのハニカムセグメント成形体を得た。このハニカムセグメント成形体を、端面が市松模様状を呈するように、セルの両端面を目封じした。すなわち、隣接するセルが、互いに反対側の端部で封じられるように目封じを行った。目封じ材としては、ハニカムセグメント原料と同様な材料を用いた。セルの両端面を目封じし、乾燥させた後、大気雰囲気中約400℃で脱脂し、その後、Ar不活性雰囲気で約1450℃で焼成して、SiC結晶粒子をSiで結合させた、多孔質構造を有するハニカムセグメントを得た。
(接合材の調製)
無機繊維としてアルミノシリケート繊維を用い、ショット率は全て50%であった。無
機バインダーとしてコロイダルシリカを22質量%及び粘土を1質量%、無機粒子としてSiCを混合したものにさらに水を加えて、場合によっては、有機バインダー(CMC、PVA)、発泡樹脂及び分散剤を加えて、ミキサーにて30分間混練を行い、ペースト状の接合材を得た。
(ダミーセグメントの作製)
PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PA6(6ナイロン)、アルミニウム、高密度ポリエチレン、の各部材からダミーセグメントを製造した。それぞれのダミーセグメントのサイズは、上述のように成形したハニカムセグメントのサイズに対応させるべく、断面が一辺35mmの正四角形、長さが152mmとした。
(ハニカム構造体の作製)
ハニカムセグメントの外壁面に、厚さ1±0.5mmとなるように接合材をコーティングして接合材層を形成し、4つの隅部にダミーセグメントを配置し、その上に別のハニカムセグメントを載置する工程を繰り返し、16個のハニカムセグメントからなるハニカムセグメント積層体を作製し、外部より圧力を加え、全体を接合させた後、140℃、2時間乾燥してハニカムセグメント接合体を得た。
(実施例1)
PVDF(ポリフッ化ビニリデン)からダミーセグメント形成し、当該ダミーセグメントとハニカムセグメントとを、ダミーセグメントが4つの隅部に位置するように接合し、加圧工程、乾燥工程を経て、接合体1を得た。
(実施例2)
PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)からダミーセグメント形成し、当該ダミーセグメントとハニカムセグメントとを、ダミーセグメントが4つの隅部に位置するように接合し、加圧工程、乾燥工程を経て、接合体2を得た。
(実施例3)
PA6(6ナイロン)からダミーセグメント形成し、当該ダミーセグメントとハニカムセグメントとを、ダミーセグメントが4つの隅部に位置するように接合し、加圧工程、乾燥工程を経て、接合体3を得た。
(実施例4)
PVDF(ポリフッ化ビニリデン)からダミーセグメント形成し、当該ダミーセグメントとハニカムセグメントとを、ダミーセグメントが上側2つの隅部に位置するように接合し、加圧工程、乾燥工程を経て、接合体4を得た。
(実施例5)
PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)からダミーセグメント形成し、当該ダミーセグメントとハニカムセグメントとを、ダミーセグメントが上側2つの隅部に位置するように接合し、加圧工程、乾燥工程を経て、接合体5を得た。
(実施例6)
PA6(6ナイロン)からダミーセグメント形成し、当該ダミーセグメントとハニカムセグメントとを、ダミーセグメントが上側2つの隅部に位置するように接合し、加圧工程、乾燥工程を経て、接合体6を得た。
(実施例7)
PVDF(ポリフッ化ビニリデン)からダミーセグメント形成し、当該ダミーセグメントとハニカムセグメントとを、ダミーセグメントが下側2つの隅部に位置するように接合し、加圧工程、乾燥工程を経て、接合体7を得た。
(実施例8)
PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)からダミーセグメント形成し、当該ダミーセグメントとハニカムセグメントとを、ダミーセグメントが下側2つの隅部に位置するように接合し、加圧工程、乾燥工程を経て、接合体8を得た。
(実施例9)
PA6(6ナイロン)からダミーセグメント形成し、当該ダミーセグメントとハニカムセグメントとを、ダミーセグメントが上側2つの隅部に位置するように接合し、加圧工程、乾燥工程を経て、接合体9を得た。
(比較例1)
アルミニウムからダミーセグメント形成し、当該ダミーセグメントとハニカムセグメントとを、ダミーセグメントが4つの隅部に位置するように接合し、加圧工程、乾燥工程を経て、接合体10を得た。
(比較例2)
高密度ポリエチレンからダミーセグメント形成し、当該ダミーセグメントとハニカムセグメントとを、ダミーセグメントが4つの隅部に位置するように接合し、加圧工程、乾燥工程を経て、接合体11を得た。
(比較例3)
アルミニウムからダミーセグメント形成し、当該ダミーセグメントとハニカムセグメントとを、ダミーセグメントが上側2つの隅部に位置するように接合し、加圧工程、乾燥工程を経て、接合体12を得た。
(比較例4)
高密度ポリエチレンからダミーセグメント形成し、当該ダミーセグメントとハニカムセグメントとを、ダミーセグメントが上側2つの隅部に位置するように接合し、加圧工程、乾燥工程を経て、接合体13を得た。
(比較例5)
アルミニウムからダミーセグメント形成し、当該ダミーセグメントとハニカムセグメントとを、ダミーセグメントが下側2つの隅部に位置するように接合し、加圧工程、乾燥工程を経て、接合体14を得た。
(比較例6)
高密度ポリエチレンからダミーセグメント形成し、当該ダミーセグメントとハニカムセグメントとを、ダミーセグメントが下側2つの隅部に位置するように接合し、加圧工程、乾燥工程を経て、接合体15を得た。
(比較例7)
ダミーセグメントを使用せずに、上2隅の箇所からハニカムセグメントを抜いて、他のハニカムセグメント同士を、接合材を介して接合させ、加圧工程、乾燥工程を経て、凸状の接合体16を得た。
(比較例8)
ダミーセグメントを使用せずに、4隅の箇所からハニカムセグメントを抜いて、他のハニカムセグメント同士を、接合材を介して接合させ、加圧工程、乾燥工程を経て、凸状の接合体17を得た。
Figure 2009143740
Figure 2009143740
Figure 2009143740
Figure 2009143740
(考察)
以上のように、角の四隅すべてにダミーセグメントを挿入して成形した接合体、上側2隅にダミーセグメントを挿入して成形した接合体、下側2隅にダミーセグメントを挿入して成形した接合体、さらには、ダミーセグメント及びハニカムセグメントを使用せずに成形した接合体を、それぞれ得た後、接合状態を観察した。
表2、3に示されるように、実施例1〜3の、角の四隅すべてにダミーセグメントを接合して得られた接合体、実施例4〜6の、上側2つの隅部にダミーセグメントを接合して得られた接合体、さらには、実施例7〜9の、接地面に接する2つの隅部にダミーセグメントを接合して得られた接合体では、いずれも所望の接合幅を有し、良好な接合体が得られた。
他方、表4、5に示されるように、比較例1及び2の角の四隅すべてにダミーセグメント接合して得た接合体、比較例3及び4の上側2つの隅部にダミーセグメントを接合して得られた接合体、さらに、比較例5及び6の接地面に接する下側2つの隅部にダミーセグメントを接合して得られた接合体では、いずれも問題が発生した。比較例1、3、5のアルミニウムからなるダミーセグメントでは、ハニカムセグメントに比べて硬いため、接合加圧時にハニカムセグメントが破損した。この結果から、ハニカムセグメントの弾性率は10〜20GPaであるため、それより弾性率が高い材質はダミーセグメントとして不適であることが実証付けられた。さらに、比較例2、4、6の高密度ポリエチレンからなるダミーセグメントでは、セグメントの破損は生じないものの、軟らかすぎるため加圧時に圧力が伝わらず接合幅が通常より厚くなった。したがって、ダミーセグメントの弾性率として適切な範囲は、2.0〜10GPaであることが実証づけられた。
さらに、ダミーセグメント及びハニカムセグメントを使用せずに成形した接合体として得られた比較例7、8では、表5に示されるように、内部の4×4の接合幅は、所望の範囲であったが、外周の接合幅が薄くなってしまい、DPFとしての使用に耐えられるものではなかった。これは、隅部にハニカムセグメント(或いは、ダミーセグメント)を配置しないため、乾燥が内部に配置されるハニカムセグメントよりも速く進んでしまったためと思われる。なお、表5には示されていないが、比較例7、8を成形する際、隅部にハニカムセグメント(或いは、ダミーセグメント)が配置されないことから、隅部状に積み重ねられるハニカムセグメントが、接合材で接合されただけでは、自重の重みに耐え切れず、ズレ落ちたりした。したがって、比較例7、8では、その成形工程で必要以上に手間がかかり、コスト軽減等に寄与しないことが確認された。
次ぎに、接合体を120℃の熱風乾燥機で乾燥を行い、ダミーセグメントの剥がれ状態を観察した。その結果、もっとも剥がれやすいものはポリフッ化ビニリデンからなる実施例1、4、7のダミーセグメントであり、この結果から自己潤滑性をもつフッ素樹脂系の材質からなるダミーセグメントが最も適していると考えられる。さらに、実施例2、5、8のPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)の材質からなるダミーセグメント、実施例3、6、9のPA6(6ナイロン)の材質からなるダミーセグメントでは、多少接合材が付着するものの、容易に剥がすことができた。したがって、いずれの付着も後工程に影響を与えるものでもなければ、またDPFの特性に影響を与えるものでもなく、ダミーセグメントとして好適に用いることができるものであった。なお、ダミーセグメントに付着した接合材は水に浸しておけば容易に除去できるため、使用上の問題もない。
他方、比較例1〜6では、接合材がそれぞれのダミーセグメントに完全に固着してしまい剥がすことが困難であった。したがって、いずれの比較例のダミーセグメントを、いずれかの隅部、とりわけ接地面に接する2つの隅部、あるいは、角の四隅すべてに、ハニカムセグメントの代わりとしての使用に適さないことが実証された。
本発明は、DPF等の集塵用フィルター等に使用されるハニカムセグメント接合体の作製方法として好適に使用することができる。
ハニカムセグメント接合体の製造工程を示すフローチャート図である。 接合体を模式的に示した図であり、接合体の構成が縦6本×横6本=36本から構成され、接地面の隅部にダミーセグメントを2本配置した、接合体を示した図である。 接合体を模式的に示した図であり、接合体の構成が縦7本×横7本=36本から構成され、接地面の隅部にダミーセグメントを配置した、接合体を示した図である。 接合体を模式的に示した図であり、接合体の構成が縦8本×横8本=64本から構成され、接地面の隅部にダミーセグメントを配置した、接合体を示した図である。 接合体を模式的に示した図であり、接合体の構成が縦6本×横6本=36本から構成され、4つの隅部にダミーセグメントを4本配置した、接合体を示した図である。 接合体を模式的に示した図であり、接合体の構成が縦7本×横7本=49本から構成され、4つの隅部にダミーセグメントを4本配置した、接合体を示した図である。 接合体を模式的に示した図であり、接合体の構成が縦8本×横8本=64本から構成され、4つの隅部にダミーセグメントを4本配置した、接合体を示した図である。 隅部にセグメントを配置しない場合のハニカムセグメント接合体の模式図である。 隅部にセグメントを配置しない場合の加圧の状態を示した、ハニカムセグメント接合体の模式図である。 隅部からダミーセグメントを取り外したハニカムセグメント接合体を示した模式図である。 隅部からダミーセグメントを取り外したハニカムセグメント接合体を示した模式図である。 隅部からダミーセグメントを取り外したハニカムセグメント接合体を示した模式図である。 接地面側にダミーセグメントが配置され、かつ、接地面と反対側に位置する隅部にハニカムセグメント及びダミーセグメントが配置されていない接合体を表した模式図である。 接地面側にダミーセグメントが配置され、かつ、接地面と反対側に位置する隅部にハニカムセグメントが配置された接合体を表した模式図である。 ハニカム構造体の一例を示す斜視概略図である。 ハニカムセグメントの斜視概略図である。 図8におけるA−A線断面図である。 表1に示される組本数縦6本×横6本のセグメント体の形状を模式的に示した模式図である。 表1に示される組本数縦7本×横7本のセグメント体の形状を示した模式図である。 表1に示される組本数縦8本×横8本のセグメント体の形状を示した模式図である。 ダミーセグメントの内部の接合幅の測定を示した図であって模式的に示した模式図である。 ダミーセグメントの外部の接合幅の測定を示した図であって模式的に示した模式図である。
符号の説明
1、1A,1B,1C,1D,1F,1G:接合体、2:ハニカムセグメント接合体、3,3c,3d:ハニカムセグメント、4:接合材、4c,4d:接合面、4S:接合材層、5,5a,5b,5c,5d,5e,5f,5g,5h,5i,5j,5k,5l,5m,5n,5p,5q,5r,5s,5t,5u,5v,5w:ダミーセグメント、6,6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6h,6i,6j,6k,6l,6m,6n,6p,6q,6r,6s,6t,6u,6v,6w,6x,6y:隅部、8,8a,8b:加圧シリンダー、9,9a,9b:加圧基準面、X,X2,,X,X,X:ハニカムセグメントからなる列(ハニカムセグメント群)、11:隔壁、12:セル、13:コーティング材、14:充填材、H:ハニカム構造体、P:ポイント。

Claims (5)

  1. 隔壁により仕切られ軸方向に貫通する複数のセルを有するハニカムセグメントの複数個を、接合材で接合することにより一体化する接合工程を含む、セラミックスからなるハニカム構造体の製造方法であって、
    いずれかの隅部にハニカムセグメントの代わりにリサイクル可能なダミーセグメントを使用するハニカムセグメント接合体の作製方法。
  2. 前記ダミーセグメントを少なくとも接地面に接する隅部に使用する請求項1に記載のハニカムセグメント接合体の作製方法。
  3. 前記ダミーセグメントを全ての隅部に使用する請求項1又は2に記載のハニカムセグメント接合体の作製方法。
  4. 前記ダミーセグメントが2.0〜10GPaの圧縮弾性率を有している請求項1〜3のいずれか1項に記載のハニカムセグメント接合体の作製方法。
  5. 前記ダミーセグメントが120℃以上の耐熱温度を有している請求項1〜4のいずれか1項に記載のハニカムセグメント接合体の作製方法。
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