JP2009143463A - 乗員保護装置 - Google Patents

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【課題】側突や正突が発生した場合に、乗員と車両側壁との間に空間を確保しつつ、乗員の倒れ込みを防止することにより安全性をさらに向上させた乗員保護装置を提供する。
【解決手段】乗員が着座するシートクッション12と、シートクッション12下部であって車両側壁側に設けられたインフレータバッグ22と、インフレータバッグ22を膨張展開するインフレータ24と、着座状態の乗員Pの車両側壁と反対側の肩部を拘束する肩ベルト部32を有するシートベルト装置30と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両が側方または正面から衝突した場合に乗員を保護するための乗員保護装置に関する。
車両が側方から衝突したとき(以下、「側突」という。)、または正面から衝突したとき(以下、「正突」という。)には、乗員は慣性によって車両に対し相対的に衝突方向(側方や正面)に移動しようとする。乗員が移動するに任せれば、車両側壁や前方のハンドルなどに衝突してしまうおそれがある。その際には、シートベルトを着用することにより、その肩ベルト部や腰ベルト部の拘束作用によって、乗員の移動をある程度抑制することができる。
また近年は、乗員の側突方向への移動抑制を更に確実なものとするため、サイドエアバッグ装置が提案および提供されている。サイドエアバッグ装置は、側突によって車両が急加速した場合に、瞬時に車両側壁(ボディサイド)との空間部をなくして、乗員の車両側壁方向への移動を制限する装置である(例えば、特許文献1)。
しかしながら、小型車や大衆車、軽自動車、特に排気量が1500cc以下の小型車両の場合、絶対的な車両幅寸法が少ない。このため側突したときに、乗員と車両側壁との間に衝突を回避するための空間(サイドエアバッグが膨張展開するために必要な空間)が確保できないという問題がある。そこで、側突が発生した場合には乗員を車両中央側に傾斜させて、乗員と車両側壁との間の空間を確保する装置が提案されている(例えば、特許文献2)。
特許文献2に開示された側突衝撃防止装置は、シートクッション内部の車両側壁側にエアバッグを設置し、車両が側突によって横方向に急加速した場合にエアバッグを膨張展開させることによりシートクッションの一部を持ち上げる構成である。これにより乗員の上半身を車両中央側に傾斜させ、乗員と車両側壁との空間を確保することができるとしている。
特開平2−249740号公報 特開2003−237522号公報
しかし特許文献2に記載の従来技術においては、確かに乗員と車両側壁との空間を確保することはできるが、乗員は車両中央側に急激に傾けられることになる。乗員には小柄な乗員から大柄な乗員まで存在することを考慮する必要があり、特に小柄な乗員の場合には体重が軽いために、急激に傾けられると倒れ込んでしまうおそれがある。
そこで本発明は、乗員と車両側壁との間にサイドエアバッグを膨張展開させる空間を確保しつつ、乗員の倒れ込みを防止することにより安全性をさらに向上させた乗員保護装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明にかかる乗員保護装置の代表的な構成は、乗員が着座するシートクッションと、シートクッション下部であって車両側壁側に設けられたインフレータバッグと、インフレータバッグを膨張展開するインフレータと、着座状態の乗員の車両側壁と反対側の肩部を拘束する肩ベルト部を有するシートベルトと、を備えたことを特徴とする。
上記構成によれば、シートクッションの車両側壁側が持ち上げられることによって乗員が車両中央側に傾いても、乗員の車両中央側の肩をシートベルトの肩ベルト部によって拘束(支持)することができる。したがって、側突が発生した場合に、乗員と車両側壁との間に空間を確保しつつ、乗員の車両中央側への急激な倒れ込みを防止することができる。
シートベルトは、肩ベルト部がシートバックの車両側壁と反対側(車両中央側)の肩部に設けられたベルトスルーに案内される三点式シートベルトであってもよい。これにより乗員の車両中央側の肩を確実に拘束することができる。
インフレータバッグの展開方向は、上方よりも車両中央側に傾斜していてもよい。これにより、より円滑にシートクッションを屈曲させて傾けることができる。
さらに、乗員と車両側壁との間に膨張展開するサイドエアバッグを備えていてもよい。上記のように乗員を傾けることによって乗員と車両側壁の間に確保した空間にサイドエアバッグを膨張展開させることにより、乗員の側突方向への移動をより確実に抑制することができる。
さらに、シートクッション下部であって車両前方側に設けられたインフレータバッグを備えていてもよい。上記のインフレータバッグを膨張展開させることにより、シートクッションの前方が持ち上がるため、乗員の車両前方への移動をあわせて抑制することができる。
シートクッション下部に備えたインフレータバッグは、金属製であることが好ましい。シートクッション下部に備えたインフレータバッグはシートクッションのリフト機構として機能するが、乗員に直接触れるものではないため、表面性状が殊更に柔軟である必要はない。一方、特許文献2に記載された構成のようにリフト機構として布製インフレータバッグを用いると、布地や縫製部からのガス漏れや、布地であるが故にインフレータの圧力のみによって形状を維持する必要がある。このため、二重縫製したり、より高出力のインフレータを装備したりする必要がある。そこで上記のように金属製のインフレータを用いることにより、ガス漏れを防止し、また金属材料自体の剛性によって形状を維持することができるため、低出力(低容量)のインフレータを用いることができ、装置小型化による設置スペースの削減や、生産コストの低減化を図ることができる。
本発明によれば、側突や正突が発生した場合に、乗員と車両側壁との間に空間を確保しつつ、乗員の車両中央側への急激な倒れ込みを防止することができる。
本発明にかかる乗員保護装置の実施形態について説明する。本実施形態においては、乗員保護装置を自動車のシートクッション装置に適用した例について説明する。以下の実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。以下の説明において、「上」またはこれを含む用語は、ある部位に対して相対的に車両の天井側方向に位置する部分もしくは方向を表現している。「前」またはこれを含む用語は、ある部位に対して相対的に車両の進行方向に位置する部分もしくは方向を表現している。「後」またはこれを含む用語は、ある部位に対して相対的に車両の進行方向と反対側に位置する部分もしくは方向を表現している。
図1は本実施形態にかかる乗員保護装置を自動車のシートクッション装置に設置した場合の概略構成を示す平面図、図2は乗員保護装置を自動車のドア側から見た側面図、図3はインフレータバッグ近傍を自動車の前方側から見た正面図(図2のA−A断面図)である。
図1に示す乗員保護装置の例としてのシートクッション装置10は、乗員が着座するシートクッション12と、シートクッション下部であって車両側壁側(図1の右側)に設けられたインフレータバッグ装置20と、着座状態の乗員の車両側壁と反対側の肩部を拘束する肩ベルト部を有するシートベルト装置30と、サイドエアバッグ28とを備えている。以下にそれぞれについて説明する。
シートクッション装置10は、図1および図2に例示するように、シートクッション12と、このシートクッションの座面後部にリクライニング可能に取り付けられたシートバック14と、これらを前後方向にスライドさせるスライドアジャスタ16を介して自動車の床面に固定するシートフレーム18とによって構成されている。なおスライドアジャスタ16は、レバー16aを操作することによって作動させる。
シートフレーム18は、例えば側フレーム部材18aと、前部フレーム部材18bと、後部フレーム部材18cとから構成できる。側フレーム部材18aは、上部側フレーム部材18aaと、下部側フレーム部材18abとに分割構成されている。そして、不図示の構造により、上部側フレーム部材18aaと前部フレーム部材18b、後部フレーム部材18cがシートクッション12と共に上下および前後方向に移動可能となっている。
シートフレーム18には、図3(a)に例示するように、丸棒材19aと固定部材19bからなる取付部材19を設けている。インフレータバッグ装置20は、取付部材19に載置した上でボルト17aによって上部側フレーム部材18aaに固定することにより、シートクッション12と共に上下および前後方向に移動可能となっている。取付部材19は、後述するように車両中央側に向かって傾斜して設置されている。
インフレータバッグ装置20は、インフレータバッグ22と、インフレータバッグ22を膨張展開するインフレータ24を備えている。インフレータバッグ装置20は、シートクッション12の下部であって、車両側壁であるドアに隣接して、シートクッション12の一部を支持するように前後方向に縦長に配設されている。インフレータバッグ22は本実施形態においては金属製で形成することができ、例えば平面状の部位は0.4mm厚程度の亜鉛めっき鋼板(SECD)、両サイド部は0.6mm厚程度の亜鉛めっき鋼板(SECC)によって形成することができる。インフレータ24は、側突による自動車の急加速時に、インフレータバッグ22に高圧ガスを供給する。インフレータバッグ22およびインフレータ24は、インフレータバッグ保持部材26によって気密を保持しながら取付部材19にナット17bによって固定されている。またインフレータ24とインフレータバッグ22とは、不図示のパッキンを介して連通している。
インフレータバッグ22を金属製としたことにより、布製インフレータバッグに比してガス漏れが極めて少なく、また金属材料自体の剛性によって形状を維持することができるため、低出力(低容量)のインフレータを用いることができ、装置小型化による設置スペースの削減や、生産コストの低減化を図ることができる。また布製インフレータバッグよりも高圧のガスを供給することができるため、膨張展開を短時間で完了させることができる。
さらに金属製のインフレータバッグ22とすることによって膨張展開力を増大することができるため、シートクッション12にはインフレータバッグが容易に膨張展開するための切欠や肉盗みなどの必要がない。またシートクッション12のシート表面12aにもミシン目縫いやティアライン(開裂予定線)を設ける必要がなく、シートの美観を損ねるおそれがない。
そしてインフレータ24から高圧ガスを供給してインフレータバッグ22を膨張展開することにより、図3(b)に示すように、シートクッション12は車両側壁側が持ち上げられ、シート表面12aは車両中央側に傾けられる。これにより、着座していた乗員を車両側壁と反対側に移動させることができる。
ここで膨張展開前のインフレータバッグ22の上面高さ位置は、図3(a)に例示するように、シートクッション12の下面高さと略同じ高さとなるように設定している。一般的に、シートクッション12の下面には不図示のシートパンが配置され、シートクッション12を支持している。この場合、インフレータバッグ22の上面をシートパンの一部として利用することによりシートパンを切り欠くことができ、インフレータバッグ22が膨張展開する場合の妨げにもならず、かつ乗員の座り心地を悪化させることにもならない。
シートパン以外のシートクッション12を支持する構成としては、シートバネを用いることができる。この場合、図3(a)に例示するインフレータバッグ22が略中央部で屈曲しているように、金属製のインフレータバッグを適宜折り曲げることによって弾性を持たせることができるため、インフレータバッグをシートバネの代替とすることができる。
シートベルト装置30は、図1に示すように、着座状態の乗員Pの車両側壁と反対側の肩部を拘束する肩ベルト部を有する三点式シートベルトである。シートベルト装置30は肩ベルト部32および腰ベルト部34を有し、シートバック14に内蔵したリトラクタ36から、シートバック14の車両中央側の肩部に設けられたショルダーサポート38に案内されて巻き取りまたは引き出しされる。ショルダーサポート38は、肩ベルト部32を案内する矩形の開口が着座方向に臨んでいる。腰ベルト部34の先端はシートクッション12の車両中央側に設置されたアンカープレート40に固定接続されている。肩ベルト部32と腰ベルト部34の仕切りであるタング42はベルト上を移動可能に取り付けられており、シートクッションの車両側壁側に設置されたバックル44に着脱することができる。
タング42をバックル44に装着していないときは、タング42がショルダーサポート38に当接する位置まで、肩ベルト部32がリトラクタ36に巻き取られる。タング42をバックル44に装着する際には、肩ベルト部32をリトラクタ36から引き出し、肩ベルト部32がショルダーサポート38からバックル44の位置までシートバック14を交差するように延伸される。
上記構成によれば、肩ベルト部32は乗員Pの車両内側の肩から車両側壁側の腰まで交差して、乗員Pの上半身を拘束する。さらに、腰ベルト部34が腰部下部近傍を横断することにより、下半身を確実に拘束する。このようにリトラクタ36(ショルダーサポート38)、アンカープレート40、バックル44の三点支持により、乗員Pの上半身の拘束が実現される。
この場合において、ショルダーサポート38を乗員の着座位置に対してインフレータバッグ装置20と反対側に配置することが本実施形態において重要である。そしてインフレータバッグ装置20は車両側壁側に配置しているため、ショルダーサポート38は肩ベルト部32が乗員Pの車両中央側の肩部を拘束するように配置する。
なお本実施形態ではシートベルト装置30のリトラクタ36およびショルダーサポート38をシートバック14に設けているが、肩ベルト部32が着座状態の乗員の車両中央側(車両側壁部と反対側)の肩部を拘束することができればよく、リトラクタ36およびショルダーサポート38を自動車の車両本体に設けてもよい。
また本実施形態においては自動車の右側座席を例に用いているが、左側座席に用いてもよく、後部座席に用いてもよい。またリトラクタ36をシートバック14に埋設するよう説明したが、後部座席または2座席の車両にシートベルト装置30を設ける場合は、リトラクタ36をシートバック14の後方の車体に設置してもよい。
サイドエアバッグ28はシートバック14の車両側壁側端部に設けられており、膨張展開することによって乗員の車両側壁への移動を抑制する。サイドエアバッグ28は、シートバック用のシートクッションやシート表皮を開裂し、乗員が慣性力によって車両側壁に衝突する衝撃を緩和して保護するものである。
図4は乗員保護装置を自動車の前方から見た正面図であって、図4(a)は膨張展開前を説明する図、図4(b)は膨張展開の初期状態を説明する図、図4(c)は膨張展開後を説明する図である。
図4(a)を参照すれば、乗員Pと車両側壁であるドアDとの空間が少ないことがわかる。例えば、正突時の運転席側(乗員Pの胸部とステアリングホイールとの空間)を比べた場合、車両側壁との空間は略1/2である。正突時の助手席側(乗員の胸部とインストルメントパネルとの空間)とを比べた場合、車両側壁との空間は約1/4以下である。したがって側突時には、サイドエアバッグ装置をより早く膨張展開させるか、または乗員Pの上半身を車両中央側に傾斜させるなどして空間部を確保する必要がある。
図4(a)に例示するように、インフレータバッグ装置20の取付部材19は上記したように車両中央側に向かって傾斜しており、これに伴ってインフレータバッグ22の膨張展開方向も車両中央側に傾斜している。傾斜角度は、乗員の骨盤中心部(ダミー人形のヒップポイントHの中央部)とを結んだ方向と一致させることが好ましく、上方よりも約20°〜40°の範囲で傾けていることが好ましい。これにより乗員Pの乗車位置と合致した位置にインフレータバッグ装置20が常に位置することになる。したがってインフレータバッグ22が膨張展開した際には、図4(b)や図4(c)に示すように、乗員Pの骨盤部Pkや大腿部Pdを有効に持ち上げることができる。
図4(b)に例示するように、衝突車Sが側突すると(衝突初期)、ドアDが変形する(変形初期)。自動車が横方向に急加速するとインフレータ24が高圧ガスをインフレータバッグ22に供給し、インフレータバッグ22が膨張展開を開始する。インフレータバッグ22はシートクッション12の車両側壁側を持ち上げるためシート表面12aが傾き、乗員Pの骨盤の中央部を示すヒップポイントHは回転移動し、上半身も車両中央側に傾く。これにより、乗員と車両側壁との間に空間を確保することができる。
このとき、シートベルト装置30の腰ベルト部34により、乗員Pの骨盤部の移動をある程度拘束し、上半身が回転移動となるように補助する。また、車両中央側の肩部を肩ベルト部32によって拘束することにより、乗員Pの上半身部の左右移動を一定範囲内に制限し、車両中央側への倒れ込みを防止する。一定範囲とは、例えば車両側壁と乗員との空間として80mm以上を確保できる範囲に設定することができる。
すなわち、インフレータバッグ装置20によって乗員と車両側壁との間に空間を確保しつつ、シートベルト装置30の肩ベルト部32によって乗員の車両中央側への倒れ込みを防止することができる。したがって小型車や大衆車、軽自動車、特に排気量が1500cc以下の小型車両の場合、絶対的な車両幅寸法が少ない車両においても、乗員に作用する横方向の加速度を吸収しつつ、確実に受け止めることができるため、乗員の安全性をさらに向上させることができる。
また、乗員Pはシートベルト装置30によって車両中央側への移動が拘束され、インフレータバッグ装置50によって車両側壁側への移動が拘束され、シートベルト装置30によって車両前後方向への移動が拘束される。すなわち乗員は前方向の移動が拘束されて保護されることから、車両の側突や正突のみでなく、スピンやロールオーバをした場合にも、着座した乗員を座席に拘束して保護することができる。
図4(c)に例示するように、衝突車Sの側突が進行すると(衝突終期)、ドアDの変形も大きくなり(変形終期)、インフレータバッグ22の膨張展開も最大となる。このとき、シートバック14に設置されたサイドエアバッグ28も膨張展開する。サイドエアバッグ28の膨張展開する領域は着座位置にある乗員と干渉する範囲にあるが、インフレータバッグ装置20によって乗員が車両中央側に移動することによって空間が生まれることにより、この空間に膨張展開することができる。
すなわち、インフレータバッグ装置20によって確保された乗員と車両側壁との間の空間にサイドエアバッグ28を膨張展開させることにより、さらに確実に乗員が車両側壁に衝突することを防止することができ、乗員の安全性を向上させることができる。
なお、インフレータバッグ装置20、シートベルト装置30、サイドエアバッグ28の作動準位は、車両の衝撃吸収特性や車幅寸法(幅方向の空間の大きさ)などによって適宜決定する必要がある。
例えば側突を検知するセンサ信号により、最初にインフレータバッグ装置20を作動させ、次にサイドエアバッグ28を作動させ、これと同時または遅れてシートベルト装置30を作動させることができる。別の例として、乗員と車両側壁との間に比較的空間がある場合(車幅が広い場合)には、側突を検知するセンサ信号によりインフレータバッグ装置20とサイドエアバッグ28をほぼ同時に作動させ、遅れてシートベルト装置30を作動させることができる。
シートベルト装置30のリトラクタ36の機能については、フォースリミッタ機能(一定以上の荷重がかかるとベルトの拘束力を緩める機能)のみとしてもよいが、プリテンショナ機能(ベルトを瞬間的に引き込む機能)を備えていてもよい。この場合、プリテンショナ機能をフォースリミッタ機能よりも遅れて作動させることが好ましい。
図5は側突時に乗員の移動量を測定した試験結果を示す図であって、試験用車両を使用し、車両用シート装置にインフレータバッグ装置20とシートベルト装置30を設置し、乗員Pのダミー人形(平均的な体格の乗員に相当する)を正規内位置条件(通常の着座した状態)で着座させて試験した結果である。なおシートベルト装置30は、プリテンショナ機能をインフレータバッグ装置20の作動と同時に着火させた場合と、フォースリミッタ機能のみを作動させた場合とで試験を行った。
プリテンショナ機能をインフレータバッグ装置20と同時に作動させた場合、シートベルト装置30の作動時間が早く、またその拘束力が大きいため、初期状態では車両側壁側に約10mm移動した後に、車両中央側に約15m移動する程度の結果となり、効果をあまり確認できなかった。すなわち、プリテンショナ機能は、インフレータバッグ装置20よりも遅れて作動させる必要があることが確認できた。
フォースリミッタ機能のみを作動させた場合、初期状態でも車両側壁側への移動はなく、車両中央側に80mm以上移動した。すなわち、車両側壁と乗員との間の空間の必要寸法である約80mm以上を確保することができ、本実施形態の有効性を確認することができた。
[他の実施形態]
上記実施形態においては、インフレータバッグ装置20はシートクッションの下部であって車両側壁側にのみ設けた構成について説明した。しかしさらに、車両前方側にもインフレータバッグを設けてもよい。
図6はシートクッション下部の車両前方側にもインフレータバッグを設けた例を示す図である。図6に示すインフレータバッグ装置50において、インフレータバッグ52は車両側壁と隣接する側の下部の前後方向に縦長に配設される部位と、前端部側の下部の左右方向に横長に配設される部位とを有し、全体的にL字形状として一体的に形成している。車両側壁と隣接する部位は側突時に上述の空間を確保するためにあり、前端部側の部位は正突時に乗員の前後移動を抑制するためにある。
インフレータバッグ52の前端部側の部位が膨張展開することにより、シートバック14は前方側が持ち上げられる。正突に対してはシートベルト装置30によっても乗員の移動を抑制することができるが、上記構成によってさらに有効に車両前方への移動を抑制することができ、安全性を向上させることができる。
なおインフレータバッグ52は、一定的に形成せずに、車両側壁と隣接する部位と、前端部側の部位とを夫々形成してもよい。また、夫々形成した上で、これらを連通させてもよい。インフレータ24も同様に、単一で設置してもよいが、夫々形成したインフレータバッグにそれぞれのインフレータを備えてもよい。それぞれにインフレータを備えた場合には、正突や側突を検知するセンサ信号によって、個別に動作を制御することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態においてシートベルト装置30には巻き取りおよび引き出し可能なリトラクタ36を例に用いて説明したが、引き込みにもができるプリテンショナとしてもよい。この場合、乗員が乗降時にベルトを片付ける必要がある。
また、上記実施形態においては本発明にかかる乗員保護装置を自動車に適用した例を説明したが、自動車以外にも航空機や船舶などに適用することも可能であり、同様の作用効果を得ることができる。
本発明は、車両が側方または正面から衝突した場合に乗員を保護するための乗員保護装置として利用することができる。
乗員保護装置を自動車のシートクッション装置に設置した場合の概略構成を示す平面図である。 乗員保護装置を自動車のドア側から見た側面図である。 インフレータバッグ近傍を自動車の前方側から見た正面図である。 乗員保護装置を自動車の前方から見た正面図である。 側突時に乗員の移動量を測定した試験結果を示す図である。 シートクッション下部の車両前方側にもインフレータバッグを設けた例を示す図である。
符号の説明
D…ドア、H…ヒップポイント、P…乗員、Pd…大腿部、Pk…骨盤部、10…シートクッション装置、12…シートクッション、12a…シート表面、14…シートバック、16…スライドアジャスタ、16a…レバー、17a…ボルト、17b…ナット、18…シートフレーム、18a…側フレーム部材、18aa…上部側フレーム部材、18ab…下部側フレーム部材、18b…前部フレーム部材、18c…後部フレーム部材、19…取付部材、19a…丸棒材、19b…固定部材、20、50…インフレータバッグ装置、22、52…インフレータバッグ、24…インフレータ、26…インフレータバッグ保持部材、28…サイドエアバッグ、30…シートベルト装置、32…肩ベルト部、34…腰ベルト部、36…リトラクタ、38…ショルダーサポート、40…アンカープレート、42…タング、44…バックル

Claims (5)

  1. 乗員が着座するシートクッションと、
    前記シートクッション下部であって車両側壁側に設けられたインフレータバッグと、
    前記インフレータバッグを膨張展開するインフレータと、
    着座状態の乗員の車両側壁と反対側の肩部を拘束する肩ベルト部を有するシートベルトと、を備えたことを特徴とする乗員保護装置。
  2. 前記シートベルトは、前記肩ベルト部がシートバックの車両側壁と反対側の肩部に設けられたベルトスルーに案内される三点式シートベルトであることを特徴とする請求項1に記載の乗員保護装置。
  3. 前記インフレータバッグの展開方向は、上方よりも車両中央側に傾斜していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の乗員保護装置。
  4. さらに、乗員と車両側壁との間に膨張展開するサイドエアバッグを備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の乗員保護装置。
  5. さらに、前記シートクッション下部であって車両前方側に設けられたインフレータバッグを備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の乗員保護装置。
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