JP2009141986A - レトロフィット用遮断器の挿抜機構 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ハンドルレバー16に対してスライド板17を一段手前にスライドすると、スライド板17の先端の突起17aが軸受13の凹部13aから離脱し、この状態で、ハンドルレバー16を下方に向かって反時計方向へ回転させると、円板形状の挿抜レバー12とともに挿抜シャフト10が回転する。スライド板17を更に手前にスライドすることでピン18と挿抜レバー12の切欠き12aとの係合を解除し、ハンドルレバー16を上方に向かって時計方向へ回転操作してピン18を次の切欠き12bと係合させる。この操作をレトロフィット用遮断器1が挿入完了位置に達するまで繰り返す。
【選択図】図6
Description
この発明は、この挿抜機構にあって、手動で挿抜シャフトを回転させる手段に関するものである。
更に、挿抜には大きな操作力を要し、このままでは手動操作ができないので、一つの手段として、ハンドルレバーを長くし、レバー比で操作力を軽減させる方法がある。
また、構造上もこの挿抜シャフトは挿抜ユニットの奥に位置し、これを前面から操作するために長いハンドルレバーは有効である。
これを可能にするために操作を何回にも分けて、例えば45度刻みに行う方法がある。その一般的で具体的な手段としてラチェット機構がある。すなわち、挿抜シャフトにラチェットギアを設け、ハンドルレバーに送り爪を取り付け、ハンドルレバーの反復運動によってギアを介して挿抜シャフトを回転させる。
この方式は回転方向が一方向であれば簡単であるが、挿抜は往復運動であるため、「挿入」から「抜出」にするとき、あるいは「抜出」から「挿入」にするとき、ラチェットの送り方向を何らかの方法で逆にする必要があり、構造が複雑にならざるを得ないという問題があった。
前述のように、換装時の挿抜操作は、遮断器としての引出操作とは異なり、多少の手間は容認され、逆に安全面からは安易に挿抜できない方がよいと考えられる。
図1〜3は、この発明の一実施の形態によるレトロフィット用遮断器の構成を示す側面図である。図1は、レトロフィット用遮断器1を既設遮断器の引出枠2のレール9に載せた状態、図2は、レトロフィット用遮断器1を挿入開始位置(又は抜出位置)に移動させた状態、図3は、レトロフィット用遮断器1を既設遮断器の引出枠2に取り付けた後の状態をそれぞれ示す。
図4は、図3の平面図である。
図5〜9は、図1〜4に示すレトロフィット用遮断器1を構成する、挿抜機構の挿入動作を示す模式図である。図5は、挿抜機構が挿入開始位置(又は抜出位置)にてロックされている状態、図6は、挿入開始位置(又は抜出位置)にてロックを解除した状態、図7は、ハンドルレバーを1回操作して挿抜レバーをほぼ45度回転させた状態、図8は、スライド板を引いて挿抜レバーとの係合を解除した状態、図9は、挿抜機構が挿入完了位置にてロックされている状態をそれぞれ示す。
引出枠2には絶縁物を介してそれぞれ電源側及び負荷側に対応する上側及び下側の枠端子4が取り付けられ、各枠端子4の導体接続端には既設のブスバー5が接続されている。
また、レトロフィット用遮断器1には、新遮断器を引出枠2に取り付けるときに図1〜4における右方向へ移動させるための車輪3及び新遮断器の枠端子6にアタッチメント端子7を介して取り付けられているブリッジ形の接触子装置8が設けられている。
なお、アタッチメント端子7は、接触子装置8の位置を枠端子4の接触端と対向させるために設けられている。
挿抜シャフト10の両端部は、それぞれレトロフィット用遮断器1側の軸受13によって回転可能に支持され、挿抜シャフト10の両端部に挿抜レバー11及び12がそれぞれ一体に装着されている。
挿抜レバー11及び12には、それぞれ図示しないローラ軸が設けられ、これらのローラ軸にそれぞれローラ14が回転自在に装着されている。
各ローラ14は既設遮断器の引出枠2に形成された垂直溝15b内に沿って動くようにはめ込まれる。
ハンドルレバー16は、挿抜レバー12と軸受13との間に位置し、その一端が挿抜シャフト10に回転可能に支持され、手動にて回転操作することにより挿抜シャフト10を回転せしめてレトロフィット用遮断器1の挿抜操作を行うためのものである。
スライド板17の一端に、挿抜レバー12の切欠き12a、12b、12c、12d及び12eに係合可能なピン18が設けられている。
ピン18が切欠き12a、12b、12c、12d及び12eのいずれかに係合している状態では、ハンドルレバー16を操作することによって挿抜シャフト10の回転が可能である。
ハンドルレバー16を操作可能回転角の端まで回転させた後は、スライド板17を手前にスライドさせることにより、ピン18と切欠き12a、12b、12c、12d及び12eとの係合を外し、ハンドルレバー16を回転させてピン18を次の切欠き12a、12b、12c、12d及び12eに係合させることができる。
挿入開始位置又は抜出位置に対応する切欠き12aと挿入完了位置に対応する切欠き12eは、他の切欠き12b、12c及び12dよりも深く形成されており、これにより切欠き12a及び12eにピン18が係合する際のスライド板17の移動量を大きくし、最終的にスライド板17の先端の突起17aが軸受13に形成されている凹部13a及び13bに係合するように構成されている。
つまり、この二つの位置(挿入開始位置及び挿入完了位置)のみハンドルレバー16は軸受13を介してロックされることになり、容易に挿抜シャフト10が回転しないようにしている。
まず、図1に示されるように、レトロフィット用遮断器1の車輪3をレール9に載せて右方向に移動させると、図2に示すように、レトロフィット用遮断器1の挿抜レバー11及び12にそれぞれ装着されたローラ14が引出枠2の対応する垂直溝15bに接触する。
図2に示される挿入開始位置から図3に示される挿入完了位置まで遮断器1を挿入するには、ハンドルレバー16によるポンピング操作を行う。
ポンピング操作は、ハンドルレバー16の上下動作により円板形状の挿抜レバー12を反時計方向に回転させ、ローラ14が垂直溝15bの縁部を押圧して移動することでレトロフィット用遮断器1を図3に示される挿入完了位置にまで挿入するものである。
なお、この状態では、スライド板17に装着されたピン18は、まだ円板形状の挿抜レバー12の切欠き12aに係合しているので、ハンドルレバー16を操作することによって円板形状の挿抜レバー12を回転させることは可能である。
上述の操作をレトロフィット用遮断器1が挿入完了位置に達するまで繰り返す(ポンピング操作)。
この状態で、レール9に沿って車輪3を転がすことにより、レトロフィット用遮断器1を既設遮断器の引出枠2の外に抜き取ることができる。
なお、上述した作業は、レトロフィット用遮断器1の挿入時及び抜出時のみ行い、通常の引出操作は新遮断器に装備された引出装置によって行う。
2 既設遮断器の引出枠
3 車輪
4 枠端子
5 ブスバー
6 新遮断器の枠端子
7 アタッチメント端子
8 接触子装置
9 レール
10 挿抜シャフト
11 挿抜レバー
12 円板形状の挿抜レバー
12a,12b,12c,12d,12e 切欠き
13 軸受
13a,13b 凹部
14 ローラ
15 溝
15a 水平溝
15b 垂直溝
16 ハンドルレバー
17 スライド板
17a 突起
18 ピン
Claims (2)
- 配電盤に設置されている既設の引出形遮断器の遮断器本体と換装するレトロフィット用遮断器の挿抜機構であって、
挿抜シャフトと、
前記挿抜シャフトの両端に固着された挿抜レバーと、
これらの挿抜レバーにそれぞれ装着されたローラと
を有し、前記挿抜シャフトを回転することにより、前記ローラが前記既設遮断器の引出枠に形成された垂直溝を押圧することで前記レトロフィット用遮断器に装着された車輪が前記引出枠に設けられたレール上を転がり、前記レトロフィット用遮断器が挿抜されるものにおいて、
一方の前記挿抜レバーを円板形状に形成するとともにその外周に複数の切欠きを設け、
一端が前記挿抜シャフトに回転可能に支持されたハンドルレバーと、
前記ハンドルレバーに装着されかつハンドルレバーの長手方向に沿ってスライド可能に保持されたスライド板と、
前記スライド板の一端に設けられかつ前記複数の切欠きのそれぞれに係合可能なピンと
を備え、
前記ピンを前記複数の切欠きに順次着脱しつつ前記ハンドルレバーをポンピング操作することにより前記円板形状の挿抜レバーを介して前記挿抜シャフトを回転させて前記レトロフィット用遮断器の挿抜を行うようにしたことを特徴とするレトロフィット用遮断器の挿抜機構。 - 前記スライド板の先端に設けられた突起と、該突起が係合する前記挿抜シャフトの軸受の外縁に設けられた凹部とから構成されるロック手段を備え、
前記レトロフィット用遮断器の挿入位置及び抜出位置において前記ハンドルレバーをロックし得るようにしたことを特徴とする請求項1に記載のレトロフィット用遮断器の挿抜機構。
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