JP2009141178A - Euv用ミラー及びそれを有するeuv露光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 反射層より膜周期の長い応力緩和層が精密に管理可能なEUV用ミラーを提供すること。
【解決手段】 基板11と、EUV光用の反射層18と、反射層18と基板11との間に形成され、所定の膜周期の多層膜によって構成される応力緩和層17とを有し、基板11上の反射層18及び応力緩和層17が形成された有効領域13とは異なる領域に形成され、応力緩和層17とは膜周期の異なる多層膜によって構成される応力緩和層の評価領域14を有することを特徴としている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、波長10〜15nm程度の極端紫外領域(Extreme Ultra Violet:EUV)用のミラーに関する。
従来、半導体メモリや論理回路などの微細な半導体素子を製造するための焼き付け(リソグラフィー)方法として、紫外線を用いた縮小投影露光が行われてきた。
縮小投影露光で転写できる最小の寸法は、転写に用いられる露光光の波長に比例し、投影光学系の開口数に反比例する。このため回路パターンの微細化に伴い、露光光の波長は、水銀ランプi線(波長365nm)、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)と短波長化が進んでいる。
しかし、半導体素子は急速に微細化しており、紫外線を用いたリソグラフィーでは限界がある。そこで0.1μmを下回るような非常に微細な回路パターンを効率よく転写するために、紫外線よりも更に波長が短い波長10〜15nm程度のEUV光を用いた縮小投影露光装置(EUV露光装置)が開発されている。
EUV露光装置を構成するミラーとしては、多層膜ミラーと斜入射全反射ミラーとがある。EUV領域では屈折率の実部は1より僅かに小さいので、面にすれすれにEUV光を入射する斜入射で用いれば全反射が起きる。通常、面から測って数度以内の斜入射では数十%以上の高い反射率が得られるが、光学設計上の自由度が小さい。
そこで、光学設計上の自由度が高いEUV光用のミラーとして、光学定数の異なる2種類の物質を交互に積層した多層膜ミラーが用いられている。多層膜ミラーであれば、直入射に近い入射角で所望の反射率が得られる。
EUV用の多層膜ミラーは、精密な面形状に研磨されたガラス基板の表面にモリブデンとシリコンを交互に積層することで形成される。例えば、モリブデン層の厚さは2nm、シリコン層の厚さは5nm程度、積層数は20〜30層対程度である。2種類の物質の層の厚さを加えたものを膜周期とよぶ。上記例では膜周期は2nm+5nm=7nmである。
このようなモリブデンとシリコンからなるモリブデン/シリコン多層膜ミラーにEUV光を入射すると、特定の波長のEUV光が反射される。
入射角をθ、EUV光の波長をλ、膜周期をdとすると、近似的にはブラッグの式
2×d×cosθ=λ (1)
の関係を満足するような、λを中心とした狭いバンド幅のEUV光だけが効率よく反射される。このときのバンド幅は0.6〜1nm程度である。図10に入射角15度、膜周期7.2nmの多層膜ミラーの反射率特性を示す。
一般に多層膜ミラーは面内径方向に膜厚の勾配を持たせて設計されるが、出来上がったミラーの膜厚が設計値からずれてしまうと、収差やフレアを発生させてしまい露光装置の性能を落としてしまう。設計値と実際に出来上がったものの膜厚誤差のうち、パワー成分は投影光学系において補正可能であるが、それ以外のものは補正がきかない。
投影光学系を構成するミラーの枚数をn、EUV光の波長をλとすると許容される形状誤差σ(rms値)はマレシャルの式
σ=λ/(28×√n) (2)
で与えられる。例えば、6枚ミラーで波長13.5nmの系の場合、許容される形状誤差σ=0.2nmとなる。形状誤差は基板形状、膜形状などからなる。0.2nmのうち膜形状に許容される誤差を0.15nmとし、さらにそれを、成膜と膜形状計測に分配すると、膜形状計測に許容される誤差は0.1nm程度である。多層膜の膜層数は50層程度であるため、一層当たりに必要な計測精度は0.002nm=0.015%となる。
一方、モリブデン/シリコン多層膜は応力を持つため、その応力が基板の面形状に影響を与える可能性がある。多層膜の応力による基板の変形を抑えるために、基板上に応力を緩和するための多層膜(応力緩和層)を成膜し、その上にEUV光を反射するための多層膜(反射層)を成膜する技術が知られている(特許文献1)。これは、反射層と応力緩和層とに大きさの等しい逆応力を持たせることで基板変形を抑える技術である。
米国特許第6134049号明細書
しかしながら、応力緩和層が所望の精度で成膜されていない場合、反射層の応力がキャンセルできず基板が変形する。また、基板の形状が設計どおりに保たれていても、図11のように応力緩和層の膜周期が面内で不均一である場合、反射波面の乱れとなる。高い結像性能を得るためには応力緩和層も精度良く成膜できていることが重要である。
ブラッグの式(1)及び図10に示すように、周期構造を持つ多層膜ミラーの反射率のピーク波長は膜厚に依存する。したがって、ミラー面内の各位置のピーク波長を精度良く計測することで、ミラー面内の膜厚分布を計測することができる。
しかし、一般に応力緩和層は反射層よりも長い膜周期を持つ。例えば、応力緩和層が膜周期11nmで積層された多層膜であると想定した場合、露光装置で用いる波長(13.5nm)で膜厚を評価しようとすると、ブラッグの式(1)から入射角を例えば52degと大きく取らなければならない。
ブラッグの式を微分すると
2×d×sinθ×△θ=m×△λ (3)
となることから、膜周期が長くなり入射角θが大きくなると、入射角の誤差量△θの係数であるd×sinθが大きくなるため、計測波長の誤差量△λも大きくなることが分かる。したがって、膜形状計測に許容される誤差を0.1[nm]とすると、膜周期7[nm]で入射角5[deg]のときに要求される角度精度が1.4[mrad]であったのに対し、膜周期11[nm]で入射角52[deg]では0.1[mrad]となる。この角度精度で膜形状計測を実現するのは、非常に困難である。
このように従来は、反射層より膜周期の長い応力緩和層を精度良く評価する有効な方法がなかった。
本発明は、反射層より膜周期の長い応力緩和層が精密に管理可能なEUV用ミラーの提供を目的とする。
本発明の例示的なEUV用ミラーは、基板と、EUV光用の反射層と、その反射層と基板との間に形成され、所定の膜周期の多層膜によって構成される応力緩和層とを有し、基板上の前記反射層及び応力緩和層が形成された領域とは異なる領域に形成され、応力緩和層とは膜周期の異なる多層膜によって構成される応力緩和層の評価領域を有することを特徴としている。
本発明の例示的なEUV用ミラーの製造方法は、基板上に周期的な多層膜によって構成される応力緩和層と、その応力緩和層の上に反射層と、基板上の反射層及び応力緩和層が形成された領域とは異なる領域に周期的な多層膜によって構成される第1の評価領域とを形成するEUV用ミラーの製造方法であって、第1の評価領域の多層膜を構成する各層の成膜に際し、前記応力緩和層の多層膜を構成する各層と同時に成膜する工程を有することを特徴としている。
本発明のEUVミラーによれば、応力緩和層が精密に管理できる。
以下、図面を用いて本発明のEUV用ミラーの実施例について説明する。
初めに本発明のEUV用ミラーが適用されるEUV露光装置の概要について説明する。
EUV露光装置は、主に光源、照明光学系、投影光学系、レチクルステージ、ウエハステージとから構成される。EUV露光装置の概略図を図1に示す。
EUV光源には、例えばレーザープラズマ光源が用いられる。これはターゲット供給装置401から真空容器中に供給されたターゲット材に、高強度のパルスレーザー光源402からレーザー光を照射し、高温のプラズマを発生させ、これから放射される、例えば波長13.5nm程度のEUV光を利用するものである。ターゲット材としては、金属薄膜、不活性ガス、液滴などが用いられ、ガスジェット等の手段で真空容器内に供給される。ターゲットから放射されるEUV光の平均強度を高くするためにはパルスレーザー光源402の繰り返し周波数は高い方が良く、通常数kHzの繰り返し周波数で運転される。
照明光学系は、複数の多層膜ミラー403、405、407とオプティカルインテグレータ404等から構成される。初段のミラー403はレーザープラズマからほぼ等方的に放射されるEUV光を集める役割を果たす。オプティカルインテグレータ404はマスクを均一に所定の開口数で照明する役割を持っている。また照明光学系のレチクルと共役な位置にはレチクル面で照明される領域を円弧状に限定するためのアパーチャ406が設けられる。
投影光学系は、複数の多層膜ミラー408、409、410、411で構成される。ミラー枚数は少ない方がEUV光の利用効率が高いが、収差補正が難しくなる。本実施例では4枚のミラーで投影光学系を構成しているが、6枚、8枚で構成しても良い。ミラーの反射面の形状は、凸面または凹面の球面または非球面である。投影光学系の開口数NAは、0.2〜0.3程度である。
レチクルステージ412とウエハステージ415は縮小倍率に比例した速度比で同期して走査する機構をもつ。ここでレチクル414又はウエハ417面内で走査方向をX、それに垂直な方向をY、レチクル又はウエハ面に垂直な方向をZとする。
レチクル414は、レチクルステージ412上のレチクルチャック413に保持される。レチクルステージ412はX方向に高速移動する機構をもつ。また、X方向、Y方向、Z方向、および各軸の回りの回転方向に微動機構をもち、レチクル414の位置決めができるようになっている。レチクルステージ412の位置と姿勢はレーザー干渉計418によって計測され、その結果に基づいて、位置と姿勢が制御される。
ウエハ417は、ウエハチャック416によってウエハステージ415に保持される。ウエハステージ415はレチクルステージ412と同様にX方向に高速移動する機構をもつ。また、X方向、Y方向、Z方向、および各軸の回りの回転方向に微動機構をもち、ウエハ417位置決めができるようになっている。ウエハステージ412の位置と姿勢はレーザー干渉計419によって計測され、その結果に基づいて、位置と姿勢が制御される。
ウエハ417上で1回のスキャン露光が終わると、ウエハステージ412はX,Y方向にステップ移動して次のショットの走査露光開始位置に移動する。そして再び、レチクルステージ412及びウエハステージ415が投影光学系の縮小倍率に比例した速度比でX方向に同期走査する。
このようにして、レチクル414に形成されたパターンの縮小投影像がウエハ417上に形成された状態でそれらを同期走査するという動作が繰り返される(ステップ・アンド・スキャン)。こうして、ウエハ417全面にレチクル414に形成されたパターンが転写される。
本発明のEUV用ミラーは、このようなEUV露光装置の照明光学系及び投影光学系を構成する各ミラー、あるいはこれら以外のEUV光用のミラーに用いられる。
次に、本実施例のEUV用ミラーの多層膜を成膜するためのスパッタリング成膜装置について説明する。図2は、スパッタリング成膜装置500のブロック図である。
成膜装置500は、真空チャンバ501と、真空ポンプ502と、膜厚制御マスク504と、シャッタ506と、回転機構507と、領域選択マスク514と、後述の制御系とで構成される。
真空チャンバ501は、成膜時、真空ポンプ502によって真空又は減圧環境に維持され、各構成要素を収納する。制御系は、膜厚制御マスク可動制御装置503と、シャッタ制御装置505と、DC電源510、RF電源511、Arガス導入制御装置513、領域選択マスク可動制御装置515とを含み、制御コンピュータ512に接続されて一括制御される。
ターゲットは、直径4インチのBドープした多晶質のシリコンターゲット508、モリブデンターゲット509に加え、図示しないRu、B4Cターゲットが取り付けられている。ターゲットを回転することで、各材料を切り替えて、基板上に各材料を成膜することができる。ターゲットの材料は交換してもよい。
回転機構507には、直径500mmの精密な面形状に研磨されたガラス基板が設置され、成膜時に基板を自転させる。基板とターゲットの間には、シャッタ制御装置505によって開閉制御されるシャッタ506と、膜厚制御マスク可動制御装置503によって移動制御され、基板上の膜厚分布を制御するための膜厚制御マスク504がある。基板と膜厚制御マスク504の間には、領域選択マスク可動制御装置515によって開閉制御され、基板上の成膜する領域を制限するための領域選択マスク514がある。成膜時はプロセスガスとしてArガス導入制御装置513からArガスを30Sccm導入する。ターゲットに投入する電力は、DC電源510で所定の電力を維持し、RF電源511にて13.56MHzのRF高周波150Wとした。制御コンピュータ512は各層の膜厚を時間制御する。
次に図3を用いて、本実施例のEUV用ミラーの具体的構成について説明する。図3(a)は本実施例のEUV用ミラーの正面図であり、図3(b)は概略断面図である。
図3(a),(b)において、11は基板、12は基板の回転中心、13は有効領域、14〜16はそれぞれ第1の評価領域、第2の評価領域、第3の評価領域である。図3(b)において、13は周期的な多層膜で構成された応力緩和層、18は反射層である。したがって、有効領域13は、応力緩和層17と反射層18とが形成された領域である。なお、「有効領域」とは、ミラーを露光装置等に搭載した状態でEUV光が照射される領域を指す。
基板11には、低膨張率ガラスやシリコンカーバイド等の剛性及び硬度が高く、熱膨張率が小さい材料が用いられる。このような材料を研削・研磨して、回転中心12に対して回転対称な形状の所定の反射面形状を創生して基板11とする。
応力緩和層17は、基板11の研磨終了後に成膜される。応力緩和層17の材料は特に問わないが、成膜装置の簡略化の観点から反射層18と同じ材料を使うことが好ましい。反射層18が圧縮応力を持つ場合、応力緩和層17はその逆応力である引っ張り応力を持たせる必要がある。モリブデン/シリコン多層膜は、厚みにより応力が変化するため、膜周期や膜数などを適切に設定することで、反射層として用いることもできるし、またその応力をキャンセルする応力緩和層として使用することもできる。
例えば、13.5nmの光を入射角5°で効率良く反射するためには、反射層18として、膜厚2[nm]のモリブデン(第1材料)、膜厚5[nm]のシリコンを交互に積層した膜周期7[nm]、膜数40層対の多層膜を用いる。この場合、応力緩和層17としては、第1の膜厚8[nm]のモリブデン、第2の膜厚3[nm]のシリコンを交互に積層した一定の膜周期11[nm]、20層対の多層膜を用いる。この結果、反射層18、応力緩和層17でそれぞれ符号の違う応力が発生し、その大きさは各々400MPa程度である。
第1の評価領域14、第2の評価領域15、第3の評価領域16は、応力緩和層17の検査・評価用の領域であり、基板11上の有効領域13とは異なる領域に形成される。第1の評価領域14は、第1の膜厚8[nm]より小さい第3の膜厚(5[nm])のモリブデンと、第2の膜厚3[nm]より小さい第4の膜厚(2[nm])のシリコンとを交互に積層した一定の膜周期のモリブデン/シリコン多層膜である。したがって、第1の評価領域14の膜周期は7[nm]であり、応力緩和層17の膜周期11[nm]とは異なる。第2の評価領域15は、第1の膜厚8[nm]と第3の膜厚(5[nm])の差分の膜厚(3[nm])のモリブデンを応力緩和層17の持つモリブデンの層数分だけ積層した単層膜である。第3の評価領域16は、第2の膜厚3[nm]と第4の膜厚(2[nm])の差分の膜厚(1[nm])のシリコンを応力緩和層17の持つモリブデンの層数分だけ積層した単一材料膜である。
スパッタリング成膜装置の特性から、薄膜として付けたい材料の供給は短時間には安定しているため、周方向にはほぼ同じ膜の厚さのものができあがるが、長時間には安定しないため、径方向では膜の厚さの設計値からのずれ量にドリフトが生じることがある。
そのため、有効領域13の径方向の広がりをカバーするように、第1の評価領域14、第2の評価領域15、第3の評価領域16は、基板の回転中心12から外周に向けて径方向に広がりを持つように設けられている。
評価領域は、径方向の膜厚分布が分かればよいので、図3に示すような切れ目のない短冊形だけでなく、図4に示すような短冊を分割したような形でもよい。すなわち、評価領域は、有効領域の径方向の膜厚分布を評価可能な幅に形成されていれば良い。
また、基板11に応力変形を起こさせないためには、評価領域はできるだけ小さい方がよい。一方で、応力緩和層17の評価のためには、少なくとも1[mm]程度必要なので、およそ数[mm]が望ましい。
次に応力緩和層17及び各評価領域の成膜プロセスを図5に示すフローチャートに沿って説明する。
ステップ1にて、研磨の終わった基板11をスパッタリング成膜装置500の回転機構507に設置する。ステップ2にて、モリブデン/シリコンの積層が何層対目かを示す層対番号nに1を代入し、ステップ3にて、領域選択マスク514により第2の評価領域15と第3の評価領域16にマスクをする。ステップ4にて、有効領域13と第1の評価領域14に対して同時にモリブデンを厚さ5[nm]だけ成膜する。次にステップ5にて、第1の評価領域14と第3の評価領域16にマスクをし、有効領域13と第2の評価領域15に対して同時にモリブデンを厚さ3[nm]だけ成膜する。
更にステップ7にて、第2の評価領域15と第3の評価領域16にマスクをし、ステップ8にて、有効領域13と第1の評価領域14に対して同時にシリコンを厚さ2[nm]だけ成膜する。次にステップ9にて、第1の評価領域14と第2の評価領域15にマスクをし、ステップ10にて、有効領域13と第3の評価領域16に対して同時にシリコンを厚さ1[nm]だけ成膜する。
ステップ10の後、ステップ11にて層対番号nを20と比較して、nが20以上であれば取り出し、反射層の成膜工程に移る。nが20未満であれば、ステップ12にて、nをインクリメントして、再びステップ4に戻って一連のプロセスを繰り返す。
以上のプロセスから、有効領域13外に膜周期7nmの周期構造を持つ第1の評価領域14と、モリブデンの単層膜である第2の評価領域15と、シリコンの単層膜である第3の評価領域16ができる。
応力緩和層17の成膜が終了した時点で、応力緩和層17の評価領域にマスクを行い、反射層18の成膜を行う。このとき、第1の評価領域14、第2の評価領域15、第3の評価領域16の大きさは、検査に必要な大きさを有している必要がある。また、反射層18の成膜後に基板11の形状に影響がない程度に小さいものである必要がある。基板に与える影響は基板形状変化による波面収差として例えば10mλ以下である必要がある。
反射層18の検査はAFM(原子間力顕微鏡)、EUV反射率計、X線回折、などを用いて行う。AFMは表面粗さを計測する。EUV反射率計・X線回折は反射率を計測し、またその結果から膜周期長を導出する。粗さが大きいもの、反射率が低いもの、膜周期長にムラがあるもの・設計の膜周期長から外れたものは使用しない。検査は複数の位置で行うのが望ましい。
反射層18の仕様を満足したミラーは応力緩和層17の検査を行う。応力緩和層17の評価についても、AFM(原子間力顕微鏡)、EUV反射率計、X線回折、などを用いて行う。AFMは直接有効領域を計測し表面粗さを調べる。EUV反射率計・X線回折は第1の評価領域14、第2の評価領域15、第3の評価領域16に対して径方向について複数ヶ所で反射率を計測する。その結果から上述したブラッグの式を用いて径方向の膜厚分布を導出する。計測波長13.5[nm]に適切な膜周期7[nm]の第1の評価領域14を計測することで、膜周期11[nm]の評価領域を計測したときの角度精度よりも緩い精度で計測可能である。
基板11を回転させながら成膜をおこなうため、回転方向の膜厚ムラは小さい。よって、第1の評価領域14、第2の評価領域15、第3の評価領域16を計測して分かる径方向の膜厚分布と有効領域13における径方向の膜厚分布は同等であると見做すことができる。第1の評価領域14、第2の評価領域15、第3の評価領域16の膜厚計測結果を足し合わせることで応力緩和層17の膜厚分布を精度よく推定することができる。但し、第2の評価領域15、第3の評価領域16は全体の膜厚に占める割合が小さく、第1の評価領域14だけを計測しても応力緩和層17の膜厚分布が推定可能である。したがって、要求される精度によっては、必ずしも第2の評価領域15、第3の評価領域16の計測が必要なわけではない。
表面粗さが規定値を満たさない場合は基板の研磨ミスや成膜工程での不具合が考えられるので、検査不合格とする。また、応力緩和層17の周期長が規定値に達しない場合は、設計どおりの応力が得られないので、やはり検査不合格とする。検査に合格したものは露光装置に搭載する。
検査に合格しないものは修正可能かどうかを検討する。修正の方法は、例えば以下のとおりである。
まず、EUV反射率計測、X線回折の結果から応力緩和層17の膜周期を導出する。応力は膜周期に依存するので、応力緩和層17の膜周期から応力緩和層の応力を導出し、応力による基板11の変形量を見積もる。基板11の変形量からミラー曲率の変化量を見積もる。ミラー曲率の変化であればミラー間の距離を調整することで結像性能を保つことができるため、露光装置に搭載してその組み立て・調整で、基板変形の影響を取り除く。または基板裏面に取り付けられたアクチュエータを用いて基板を変形させて基板の変形を取り除く。曲率以外の変形の場合は基板裏面に取り付けられたアクチュエータを用いて基板を変形させて基板の変形を取り除く。
これらの手段で補正できない場合は、研磨の工程からやり直す。再研磨後も同様の手順を繰り返し、反射層18及び応力緩和層17の検査を行い、仕様を満たすもしくは補正可能であれば露光装置に搭載する。
以上のように、基板11上の反射層18及び応力緩和層17が形成された領域とは異なる領域に、周期的な多層膜によって構成される第1の評価領域14を形成することによって、応力緩和層17の検査を精度良く行うことが可能になる。そして、検査に合格したEUV用ミラーを露光装置に搭載することで、より微細なパターンの転写が可能となり、高集積化されたデバイスの製造が可能となる。
なお、本実施例では多層膜を構成する2つの材料として、モリブデンとシリコンを例にして説明したが、EUV用ミラーの多層膜として使用可能な材料であれば他の材料であっても良い。例えば、モリブデン/シリコン以外にもモリブデン/ベリリウムで構成された多層膜がEUVに使用できることが知られている。このように第1材料、第2材料としてモリブデン/シリコン以外の材料が使用可能なのは、他の実施例でも同様である。
実施例1とは異なる成膜パターンの評価領域を持つEUV用ミラーの実施例について、図6を用いて説明する。本実施例のEUV用ミラーは、評価領域の成膜パターン以外は実施例1と同じである。
図6(a),(b)において、11は基板、112は基板の回転中心、113は有効領域、114,115はそれぞれ第1の評価領域、第2の評価領域である。図6(b)において、117は応力緩和層、118は反射層である。
本実施例は、応力緩和層117を第1の膜厚12[nm]のモリブデン、第2の膜厚2[nm]のシリコンを交互に積層した膜周期14[nm]の多層膜で構成した例である。第1、第2の評価領域114,115は、第3の膜厚6[nm]のモリブデン、第4の膜厚1[nm]のシリコンを交互に積層した膜周期7[nm]の多層膜として、基板上の有効領域とは異なる領域2ヶ所に設けられている。
次に応力緩和層117及び各評価領域の成膜プロセスを図7に示すフローチャートに沿って説明する。
ステップ101にて、研磨の終わった基板111をスパッタリング成膜装置500の回転機構507に設置する。ステップ102にて、モリブデン/シリコンの積層が何層対目かを示す層対番号nに1を代入し、ステップ103にて、領域選択マスク514により第2の評価領域115にマスクをする。ステップ104にて、有効領域113と第1の評価領域114に対して同時にモリブデンを厚さ6[nm]だけ成膜する。次にステップ105にて、第1の評価領域114にマスクをし、ステップ106にて有効領域113と第2の評価領域115に対して同時にモリブデンを厚さ6[nm]だけ成膜する。
ステップ107にて、第2の評価領域115にマスクをし、ステップ108にて、有効領域113と第1の評価領域114に対して同時にシリコンを厚さ1[nm]だけ成膜する。次にステップ109にて、第1の評価領域114にマスクをし、ステップ110にて、有効領域113と第2の評価領域115に対して同時にシリコンを厚さ1[nm]だけ成膜する。
ステップ110の後、ステップ111にて層対番号nを20と比較して、nが20以上であれば取り出し、反射層の成膜工程にはいる。nが20未満であれば、ステップ112にてnをインクリメントして、再びステップ4に戻って一連のプロセスを繰り返す。
以上のプロセスから、有効領域113外に2つ、膜周期7nmの周期構造を持つ第1の評価領域114と第2の評価領域115ができる。
応力緩和層117の膜厚分布の評価は、実施例1の評価領域と同様の手段・方法で行う。評価領域の膜周期は7[nm]のため、要求される角度精度が比較的緩く、高い精度で計測できる。
以上のように、基板111上の反射層118及び応力緩和層117が形成された領域とは異なる領域に、周期的な多層膜によって構成される第1の評価領域114を形成することによって、応力緩和層117の検査を精度良く行うことが可能になる。そして、検査に合格したEUV用ミラーを露光装置に搭載することで、より微細なパターンの転写が可能となり、高集積化されたデバイスの製造が可能となる。
次に、図8及び図9を参照して、本発明のEUV用ミラーを備えた露光装置を利用したデバイス製造方法の実施例を説明する。
図8は、デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフローチャートである。ここでは、半導体チップの製造方法を例に説明する。
まず、ステップS1(回路設計)では半導体デバイスの回路設計を行う。ステップS2(マスク製作)では設計した回路パターンに基づいてマスクを製作する。ステップS3(ウエハ製造)ではシリコン等の材料を用いてウエハを製造する。ステップS4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、レクチルとウエハを用いて、上記の露光装置によりリソグラフィー技術を利用してウエハ上に実際の回路を形成する。ステップS5(組み立て)は、後工程と呼ばれ、ステップS4によって作製されたウエハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の組み立て工程を含む。ステップS6(検査)では、ステップS5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、それが出荷(ステップS7)される。
図9は、ステップS4のウエハプロセスの詳細なフローチャートである。
ステップS11(酸化)では、ウエハの表面を酸化させる。ステップS12(CVD)では、ウエハの表面に絶縁膜を形成する。ステップS13(電極形成)では、ウエハに電極を形成する。ステップS14(イオン打ち込み)では、ウエハにイオンを打ち込む。ステップS15(レジスト処理)では、ウエハに感光剤を塗布する。ステップS16(露光)では、露光装置によってレクチルの回路パターンをウエハに露光する。ステップS17(現像)では、露光したウエハを現像する。ステップS18(エッチング)では、現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップS19(レジスト剥離)では、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。
これらのステップを繰り返し行うことでウエハ上に多重に回路パターンが形成される。本実施例のデバイス製造方法によれば、本発明のEUV用ミラーの適用に基づく高精度の露光性能を利用して、より信頼性の高いデバイスを製造することが可能となる。
EUV露光装置の概略構成図である。 スパッタリング製膜装置の概略構成図である。 実施例1のEUV用ミラーの正面図及び概略断面図である。 評価領域が径方向に分割されたEUV用ミラーの例を示す図である。 実施例1に関わる、成膜プロセスのフローチャートである。 実施例2のEUV用ミラーの正面図及び概略断面図である。 実施例2に関わる、成膜プロセスのフローチャートである。 デバイス製造方法を説明するためのフローチャートである。 図8のウエハプロセスの詳細なフローチャートである。 周期的な多層膜ミラーの波長反射率特性の例を示す図である。 膜厚誤差と波面の関係を表す模式図である。
符号の説明
11 基板
12 基板の回転中心
13 有効領域
14 第1の評価領域
15 第2の評価領域
16 第3の評価領域

Claims (7)

  1. 基板と、EUV光用の反射層と、該反射層と前記基板との間に形成され、所定の膜周期の多層膜によって構成される応力緩和層とを有するEUV用ミラーであって、前記基板上の前記反射層及び応力緩和層が形成された領域とは異なる領域に形成され、前記所定の膜周期とは異なる膜周期の多層膜によって構成される前記応力緩和層の第1の評価領域を有することを特徴とするEUV用ミラー。
  2. 前記反射層、前記応力緩和層及び前記第1の評価領域が形成される基板上の面は回転対称な形状であり、前記第1の評価領域は、前記反射層及び前記応力緩和層が形成される領域の径方向の膜厚分布を評価可能な形状に形成されていることを特徴とする請求項1のEUV用ミラー。
  3. 前記応力緩和層を構成する多層膜は、第1の膜厚の第1材料と第2の膜厚の第2材料とが交互に積層された一定の膜周期の多層膜であり、前記第1の評価領域は、前記第1の膜厚より小さい第3の膜厚の第1材料と、前記第2の膜厚より小さい第3の膜厚の第2材料とが交互に積層された一定の膜周期の多層膜であることを特徴とする請求項1又は2のEUV用ミラー。
  4. 前記第1の膜厚と前記第3の膜厚の差分の膜厚の第1材料が、前記応力緩和層を構成する多層膜の第1材料の層数分だけ積層された第2の評価領域と、前記第2の膜厚と前記第4の膜厚の差分の膜厚の第2材料が、前記応力緩和層を構成する多層膜の第2材料の層数分だけ積層された第3の評価領域とを有することを特徴とする請求項3のEUV用ミラー。
  5. 前記第1の膜厚と前記第3の膜厚の差分の膜厚の第1材料と、前記第2の膜厚と前記第4の膜厚の差分の膜厚の第2材料とが交互に積層された一定の膜周期の多層膜によって構成される第2の評価領域を有することを特徴とする請求項3のEUV用ミラー。
  6. EUV光でレチクルを照明する照明光学系と、レチクルに形成されたパターンをウエハ上に投影する投影光学系とを有するEUV露光装置であって、前記照明光学系と投影光学系の少なくとも一方は、請求項1〜5いずれかのEUV用ミラーを有することを特徴とするEUV露光装置。
  7. 基板上に周期的な多層膜によって構成される応力緩和層と、該応力緩和層の上に反射層と、前記基板上の前記反射層及び応力緩和層が形成された領域とは異なる領域に周期的な多層膜によって構成される第1の評価領域とを形成するEUV用ミラーの製造方法であって、前記第1の評価領域の多層膜を構成する各層の成膜に際し、前記応力緩和層の多層膜を構成する各層と同時に成膜する工程を有することを特徴とするEUV用ミラーの製造方法。
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JP2018084637A (ja) * 2016-11-22 2018-05-31 キヤノン株式会社 光学素子、露光装置、および物品の製造方法

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