JP2009139258A - 半導体圧力センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、ダイヤフラムとダイヤフラムに形成された抵抗の位置ずれによるセンサのばらつきを課題とする。
【解決手段】半導体基板に形成されるダイヤフラム内部に外周よりも厚い部位を設け、ブリッジをなす一対の抵抗の位置を該ダイアグラム外周部で、該ダイアグラム内部に接するよう配置し、もう一対をダイアグラム外に配置する
【効果】
ダイヤフラム内部外周に応力一定領域が生じることによるダイヤフラムとピエゾ抵抗の位置ずれによるばらつきが無くなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、圧力によって変形するダイヤフラムをシリコンウェハ上に形成し、シリコンウェハ上に、ダイヤフラムの歪みによって抵抗値が変化するピエゾ抵抗を配置した半導体圧力センサに関するものである。
図5は、一般に使用されている半導体圧力センサである。
半導体圧力センサは、シリコン基板1の表面4に不純物を注入した拡散抵抗でピエゾ抵抗5,6,7,8を作成し、シリコン基板の裏面からエッチングをすることで作成された凹部3のダイヤフラム構造をもつ。
図5に示す半導体圧力センサのダイヤフラムの片側に圧力が加わるとダイヤフラム2が歪む。歪みによりダイヤフラムにあるピエゾ抵抗5,6,7,8の抵抗値が変化し、この変化量を検出することで圧力を測定する。
ダイヤフラム2上のピエゾ抵抗5,6,7,8は、図6に示すようにホイートストンブリッジをなして接続される。
ピエゾ抵抗R1〜R4は同特性であり、図6においてR1とR4、R2とR3はダイヤフラム上で対称な位置に配置される。
R1は図5のピエゾ抵抗5、同様にR2はピエゾ抵抗6、R3はピエゾ抵抗7、R4はピエゾ抵抗8である。
ダイヤフラムに圧力が加わってない状態では全てのピエゾ抵抗の抵抗値は等しく、図6においてR1〜R4が等しい場合、出力電圧Vout=0である。
ダイヤフラム2に圧力が加わった場合、対称となる位置にあるピエゾ抵抗R2とR3,R1とR4の変化量は等しく、R1〜R4に圧力が加わっていない状態の抵抗値をRO、R2とR3の変化量をΔR2、R1とR4の変化量をΔR1、ホイートストンブリッジに入力される電圧をVinとすると、VbとVaの間の電圧Voutは数1によって与えられる。
Figure 2009139258
ピエゾ抵抗に圧力が加わったときの抵抗変化ΔRは、(πL・σL+πT・σT)×Rで表され、発生した応力とピエゾ抵抗係数に依存する。
{πL :電流方向に平行なピエゾ抵抗係数
πT :電流方向に垂直なピエゾ抵抗係数
σL :電流方向に平行な応力
σT :電流方向に垂直な応力
:ピエゾ抵抗の初期抵抗}
特開平6-302833 特開2002-373991 特開2004-279089
実際の圧力センサの製造工程では、シリコンウェハ表面にピエゾ抵抗を作成後、シリコンウェハの裏面に異方性エッチングによりダイヤフラムを作成する。
しかし、ダイヤフラムを作成する際のエッチングによるアライメント精度が悪いため、図5のダイヤフラム2の位置と、ピエゾ抵抗5,6,7,8の位置に最大5μm程度の位置ずれが生じる。
ピエゾ抵抗とダイヤフラムの位置が5μmずれた場合には、ピエゾ抵抗のばらつきによりブリッジ抵抗の出力電圧に10%のばらつきが生じる。
本課題を解決するために、シリコンウェハの中央部に厚みの少ない部分として形成されたダイヤフラムを備え、少なくとも一部が、ダイヤフラムに形成された複数のピエゾ抵抗を備えた半導体圧力センサにおいて、該ダイヤフラムは、その中央部に周辺部より厚みの大きい部分を作成する。
本発明により、ダイヤフラムの中心部の厚みの大きな部分の周辺に圧力に応力一定の領域ができる。その領域にピエゾ抵抗を配することにより、ピエゾ抵抗とダイヤフラムに位置ずれがあっても、ピエゾ抵抗にかかる応力を一定に保つことができ、圧力に対する抵抗値のばらつきを抑えることができる。
本発明によれば、ダイヤフラム構造を改良することにより、ダイヤフラムとピエゾ抵抗とのアライメント精度に起因する圧力に対するピエゾ抵抗の抵抗値のばらつきを減少させることができる。
圧力センサには、シリコン面方位(100)と(110)が良く用いられる。
理由は、シリコンウェハ上に作成されたピエゾ抵抗は、シリコンの結晶異方性により、結晶軸方向によって大きくピエゾ抵抗係数が異なるからある。
以下に、面方位(100)と(110)の結晶軸方向毎のピエゾ抵抗係数を以下に示す。
なお実験に用いたp型シリコンのピエゾ抵抗係数は次のとおりである。
π11:6.6e-11(Pa/m3)π12:-1.1e-11(Pa/m3)π44:138.1e-11(Pa/m3)。
(100)面
<1 -1 0>軸方向ピエゾ抵抗係数:0.5(π11+π1244)=7.18e-10(Pa/m3
<1 1 0>軸方向ピエゾ抵抗係数:0.5(π11+π12−π44)=−6.63e-10(Pa/m3
(110)面
<1 -1 0>軸方向ピエゾ抵抗係数:0.5(π11+π1244)=7.18e-10(Pa/m3
<0 0 1>軸方向ピエゾ抵抗係数:π12 =−1.1e-11(Pa/m3
(100)面では、<1 -1 0>軸方向と<1 1 0>軸方向ではピエゾ抵抗係数に大きな差はないが、(110)面では、<1 -1 0>軸方向より<0 0 1>軸方向のピエゾ抵抗係数が1/100程度と極めて小さい。
図5においてダイヤフラム面4を面方位(110)とし、ピエゾ抵抗の長手方向σLを<1 −1 0>と配置とすることで、必然的に、歪みに対するピエゾ抵抗の変化が大きく、σL方向のピエゾ抵抗の位置ずれによるばらつきを抑えた圧力センサを得ることができる。
図7に、シリコン基板の横寸法12が1.5mm、縦寸法13が1.5mm、ダイヤフラム横寸法10が0.7mm、縦寸法11が0.7mmの半導体圧力センサが、圧力を受けたときのダイヤフラムのσT方向σL方向の応力分布を示す。
タイヤフラムが圧力を受けたときの応力は、σL方向ではピエゾ抵抗の応力変化が小さいために位置ずれによる影響は少ないが、一方、σT方向では、応力変化が大きいが、位置によって大きく異なるため、ピエゾ抵抗の位置ずれによるばらつきが大きくなる。
以下に図面を参照して本発明を説明する。
図1に示すようにダイヤフラム中心部に凸部20を作成し、ブリッジ接続されるピエゾ抵抗の一対26,27を、ダイヤフラム内の凸部20の外周37,38に配置し、もう一対のピエゾ抵抗25,28を、ダイヤフラム凹部23外で、ダイヤフラム凹部29から外側方向36,29へ40μm以上離して配置する。
・ダイヤフラムの凸部分30の横寸法33はダイヤフラム29の横寸法31の1/3〜1/2倍。
・ダイヤフラムの凸部分30の縦寸法34はダイヤフラム29の縦寸法32の1/3〜1/2倍。
・ダイヤフラムの凸部分20の厚みはダイヤフラム23の1〜2倍。
・ダイヤフラムの形状は矩形とする。
図1のセンサにおいて、シリコン基板の横寸法35が1.5mm、縦寸法が1.5mm、ダイヤフラム凸部横寸法33が0.3mm、縦寸法34が0.3mm、ダイヤフラム凹部横部寸法31が0.7mm、ダイヤフラム凹部縦寸法32が0.7mmに対して圧力を加えた時の応力分布は図2のようになる。
ダイヤフラム中心部に外周部29より厚い凸部30を設けることにより、ダイヤフラムの応力分布は図2に示すように、σT方向で凸部30の外周30μm程度に応力一定領域50を生じる。
ピエゾ抵抗体幅を10μmで、工程で生じる位置ずれ量を5μmとすれば、σT方向に位置ずれが生じたとしても、ピエゾ抵抗は、応力一定の領域の範囲内にあり、位置ずれによるばらつきの影響を受けない。
したがって、この応力一定領域部分50に、ブリッジをなす一対のピエゾ抵抗26,27を配置することにより、一対のピエゾ抵抗がσT方向に位置ずれした場合の応力変動をほぼゼロにすることができる。
一方、図2に示すように応力の変化は、ダイヤフラム端より40μmまでである。したがって、ブリッジをなすもう一対のピエゾ抵抗を、図1に示すようにダイヤフラムから外側方向46,49に40μm離して作成し、応力の影響を受けないようにする。
以上の構造により、本発明の応力一定領域によりσT方向の位置ずれによるばらつきが小さく、結晶異方性により応力に対するピエゾ抵抗の抵抗値の変化が小さいことでσL方向の位置ずれによるばらつきが小さい圧力センサを得ることができ、出力電圧のばらつきを、従来の圧力センサに比べ、約1/10に押さえることが可能になる。
従来構造と本発明の構造の、位置ずれと出力電圧の誤差の関係は図3の通りである。
横軸はσT方向の位置ずれであり、縦軸は感度変化量である。
特性aは本発明の構造である図1において面方位(1 0 0)でσLを<1 -1 0>とした場合である。
特性bは本発明の構造である図1において面方位(1 1 0)でσLを<1 0 0>とした場合である。
特性cは従来構造である図5において面方位(1 0 0)でσLを<1 1 0>とした場合である。
なお、図1のダイヤフラム中央凸部20は、ダイヤフラム凹部23のエッチングの際に同時に形成されるので、ダイヤフラム位置凹部29に対して凸部30の位置がずれることはない。
図4のようにダイヤフラム形状が円形の場合でも正方形の場合と同様の効果を得ることが出来る。円形のダイヤフラム59の内部に円形の凸部分50を作成する事により、位置ずれによる感度ばらつきを低減することが可能である。
この場合の寸法は
・ダイヤフラムの凸部分50の直径63はダイヤフラム61の1/3〜1/2倍。
・ダイヤフラムの凸部分51の厚みはダイヤフラム53の1〜2倍。
・ダイヤフラムの形状は円形とする。
・ホイートストンブリッジを形成する抵抗のうち、一対55,58はダイヤフラム61端からから外側方向46,49へ40μm以上離す。
位置ずれに対する感度の変化量は、正方形のダイヤフラムの場合と同じである。
本発明による圧力センサのダイヤフラム構造 本発明によるダイヤフラム内位置と応力の関係を示したグラフである。 抵抗の位置ずれが感度に与える影響を示したものである。 本発明による実施例として、ダイヤフラムを円形とした場合である。 従来技術による圧力センサの構造である。 図5のダイヤフラムのホイートストンブリッジ抵抗配置方法である。 従来技術によるダイヤフラム内位置と応力の関係を示したものである。
符号の説明
1,21,51 シリコン基板
5〜8,25〜28,55〜58 ピエゾ抵抗
22,52 ダイヤフラム
20,50 ダイヤフラム内凸部分

Claims (6)

  1. シリコンウェハの中央部に厚みの少ない部分として形成されたダイヤフラムを備え、少なくとも一部がダイヤフラムに形成された複数のピエゾ抵抗を備えた半導体圧力センサにおいて、
    該ダイヤフラムは、その中央部に周辺部より厚みの大きい部分を有することを特徴とする半導体圧力センサ
  2. 前記ピエゾ抵抗は少なくとも一部がダイヤフラムに形成され、複数のブリッジ構成されていることを特徴とする請求項1の半導体圧力センサ
  3. 前記ブリッジを構成するピエゾ抵抗のうち少なくとも1組が、ダイヤフラム上で厚みの大きい部分外に配置された請求項2の半導体圧力センサ
  4. 前記ブリッジを構成するピエゾ抵抗のうち少なくとも1組が、ダイヤフラム外に配置された請求項2または請求項3の半導体圧力センサ
  5. 前記ピエゾ抵抗が、ダイヤフラム上厚みの大きい部分に接して配置された請求項3または請求項4の半導体圧力センサ
  6. 前記ピエゾ抵抗が、ダイヤフラム外周から40μm以上離れて配置された請求項4の半導体圧力センサ
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