JP2009139061A - 温度調整装置 - Google Patents

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憲司 泉
Tatsuaki Onishi
辰明 大西
Takaaki Kashiwagi
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Abstract

【課題】蒸発器において冷却操作を受ける温調対象流体に発現することがある温度ムラをできるだけ低減し、均一な温度分布に温調対象流体を得る。
【解決手段】冷媒cが、圧縮機9、凝縮器10、膨張弁11、第1蒸発器3a及び第2蒸発器3bを記載順に循環する冷凍サイクルを備え、第1蒸発器3a内を流れる冷媒cが気液混相状態で温調対象流体A1と熱交換して温調対象流体A1を冷却するとともに、第1蒸発器3aで冷却された温調対象流体A1を第1加熱手段4aで加熱して、温調対象流体A1を温度調整可能に構成し、さらに、第2蒸発器3bを、第1蒸発器3aから圧縮機9に移流する冷媒cを過熱状態とする過熱用蒸発器とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば、クリーンルーム内の空気の、少なくとも温度をその目標温度に調整する温度調整装置に関する。
このような温度調整装置の一例として、特許文献1には、冷媒が、圧縮機14、凝縮器15、電子膨張弁17及び蒸発器19を循環する冷凍サイクルを備えた精密温湿度制御装置が開示されている。この特許文献1に開示の技術では、外気OAを冷却する蒸発器19の吹出側に再加熱器20を設置し、圧縮機14からでたホットガスの一部を再加熱器20に導入し、そのホットガスで、蒸発器19で冷却された空気を再加熱すると共にその再加熱された空気を加湿器21で加湿して温湿度制御された空調空気SAとする。そして、その際に、設定温度と空調空気SAの温度に基づいて三方比例制御弁16の分流比を制御する吹出温度制御部40と、設定湿度と空調空気の湿度から加湿器21での加湿量を制御する吹出湿度制御部41と、その加湿器21への制御出力と予め最小の加湿量となるように加湿出力設定値SP6とが入力され、これに基づいてインバータ装置27の運転周波数、電子膨張弁17の開度、凝縮器15への冷却水量を制御する制御出力をつくり出すための加湿出力制御部45とを備えることで消費電力を低減する。
この特許文献1に開示の技術では、蒸発器19で冷却された空気(外気)が再加熱器(本願における第1加熱手段の一例)により加熱されて空調空気とされるのであるが、当該明細書図3からも判明するように、蒸発器19は単一備えられており、この蒸発器19から流出する冷媒がそのまま圧縮機14に送られる。
このような単一の蒸発器19を備えた構成は、特許文献2の図3にも示されており、単一の蒸発器19を備えて温調対象流体(例えば空気)の温調を行うのが普通である。
特開2003−302088号公報(図3) 特開2004−170044号公報(図3)
しかしながら、このような蒸発器を単一備え、温調対象流体の冷却をこの蒸発器に寄らしめ、当該蒸発器から直接圧縮機に冷媒が送られる構成を採用する場合は、以下のような問題があることが判明した。
冷凍サイクルの良好な運転を確保するため、冷媒は圧縮機の入口で過熱状態(ほぼ全体が気相となった状態)とされる必要がある。そこで、通常、上記構成を採用する場合、冷媒が沸点近傍の液相状態で蒸発器に流入され、蒸発器の冷媒入口・出口の温度差を例えばΔ5〜10℃となるように膨張弁を制御する。このように制御することで、蒸発器内では冷媒の蒸発と過熱が行われる。ここで、冷媒の蒸発は一定温度で起こるが、この蒸発器内の下流側部位における過熱操作に起因して、蒸発器内部の冷媒に温度差が現れる。例えば、蒸発器をフィンアンドチューブ型の熱交換器で構成する場合、気液混相状態にある部位の温度は所謂沸点で安定しているが、冷媒の蒸発が完了した部位より下流側のチューブ部位では、過熱に伴って温度差が発現することとなる。結果、この冷媒の温度差が、温調対象流体(空気)の温度ムラとなる。発明者らの検討では、この種の温度ムラは、近来採用されつつある非共沸混合冷媒では発現しやすい。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、蒸発器において冷却操作を受ける温調対象流体に発現することがある温度ムラをできるだけ低減し、均一な温度分布の温調対象流体を得ることができる温度調整装置を得ることにある。
上記目的を達成するための本発明に係る温度調整装置の第1特徴構成は、
冷媒が、圧縮機、凝縮器、膨張弁、第1蒸発器及び第2蒸発器を記載順に循環する冷凍サイクルを備え、
前記第1蒸発器内を流れる前記冷媒が気液混相状態で温調対象流体と熱交換して前記温調対象流体を冷却するとともに、前記第1蒸発器で冷却された前記温調対象流体を第1加熱手段で加熱して、前記温調対象流体を温度調整可能に構成され、
前記第2蒸発器を、前記第1蒸発器から前記圧縮機に移流する冷媒を過熱状態とする過熱用蒸発器としてあることにある。
この温度調整装置は、温調対象流体を冷却した後、加熱して当該流体の温度を調整するが、温調装置に備えられる冷凍サイクルに、第1蒸発器、第2蒸発器が備えられる。そして、冷媒は、圧縮機、凝縮器、膨張弁、第1蒸発器、第2蒸発器の順に循環する。さてここで、第1蒸発器に流入する冷媒は液相状態にあり、第2蒸発器から流出する冷媒は、過熱された気相状態とされるが、本願に係る温度調整装置では、従来、単一の蒸発器により実行されてきた、蒸発から過熱までの操作を、蒸発操作に関しては主に第1蒸発器で、過熱操作に関しては主に第2蒸発器で行うこととする。従って、第1蒸発器では、冷媒に関して気液混相状態が保たれ、系内圧力に変動がないとすると、第1蒸発器内では冷媒は一定温度を保ちつつ蒸発される。従って、この第1蒸発器で冷媒により冷却される温調対象流体は、第1蒸発器内の各部位(フィンアンドチューブ型の熱交換器を採用し、チューブ内を冷媒が移流し、フィン間を温調対象流体が移流する構造では、チューブの流路方向各部位)で温度差なく冷却され、第1蒸発器においてこれまで発生していた温度ムラを無くすことができる。
さらに、第1蒸発器より下流側に第2蒸発器を設け、この第2蒸発器を過熱用蒸発器として働かせることにより、確実に冷媒を過熱状態にして圧縮機に送ることができ、冷凍サイクルの安定した動作を確保できる。
上記第1特徴構成を備えた温度調整装置において、前記第2蒸発器内を流れる前記冷媒が、過熱用流体と熱交換して過熱状態とされることが好ましい。この構成が、本願第2の特徴構成である。
この第2の特徴構成を備えることにより、過熱用流体の保有する熱を利用して、第2蒸発器において、冷媒を所定の過熱状態とすることができる。このような過熱用流体としては、例えば、本願に係る温度調整装置が設置される工場に設けられている発電用の内燃機関から発生する排ガスを利用することができ、冬季の場合、地下水の温度が外気温度より高いことを利用して、温度範囲として許容される場合は、地下水も使用できる。
上記の第2の特徴構成を備えた温度調整装置において、
前記過熱用流体を加熱するための第2加熱手段を前記第2蒸発器の上流側に備え、
前記第2加熱手段が、電力の供給を受けて熱を発生する加熱ヒータ、もしくは前記圧縮機から吐出される前記冷媒から回収される熱により前記過熱用流体を加熱する回収熱利用ヒータであることが好ましい。この構成が、本願第3の特徴構成である。
この構成にあっては、第2蒸発器の上流側に第2加熱手段を設け、当該第2加熱手段により過熱用流体に熱を付与し、その熱を第2蒸発器で冷媒の過熱の用に供することができる。結果、積極的に第2蒸発器における冷媒の過熱において、第2加熱手段を用いた能動的且つ安定した過熱度制御を行うことができる。
そして、この種の第2加熱手段として、電力の供給を受けて熱を発生する加熱ヒータ、もしくは前記圧縮機から吐出される前記冷媒から回収される熱により前記過熱用流体を加熱する回収熱利用ヒータを採用できるが、加熱ヒータを使用する場合は、ヒータに与える電流量を制御して、良好に過熱用流体に与えるべき熱量を制御できる。一方、回収熱利用ヒータを採用する場合は、圧縮機で温度上昇した冷媒からその冷媒の保有する熱を、あるいは凝縮器で回収できる凝縮熱を利用して第2蒸発器で冷媒の加熱を行えるので、エネルギー効率の高い温度調整装置を実現できる。
以上説明してきた構成において、前記第1蒸発器の入口・出口間の冷媒の温度差を監視し、前記温度差を0とする形態で、前記膨張弁の開度を制御することが好ましい。この構成が、本願第4の特徴構成である。
冷凍サイクルにあっては、膨張弁の開度調整に伴って、冷凍サイクル内(特に第1蒸発器内)の圧力を調整して、第1蒸発器内で起こる冷媒の蒸発領域(気液混相状態となっている領域)を制御できる。この状態にあって、入口温度と出口温度とに温度差が無いことは、冷媒は加熱を受けて蒸発しながらなお出口で気液混相状態にあることを意味し、本願の目的に適合する運転状態を良好に実現できる。従って、このような制御構造を採用することで、比較的簡便な制御で、第1蒸発器に求められる機能を実現できる。
さらに、以上説明してきた構成において、前記第2蒸発器の入口・出口間の冷媒の温度差を監視し、前記温度差を所定の過熱温度とする形態で、前記第2蒸発器における冷媒の受熱量を制御する第2制御装置を備えることが好ましい。この構成が、本願第5の特徴構成である。
本願の冷凍サイクルにあっては、第2蒸発器で冷媒の吸熱量を制御することで、第2蒸発器内で起こる冷媒の過熱状態を制御できる。この状態にあって、入口温度と出口温度とに温度差が所定の過熱量となっていることは、冷媒は受熱して過熱されていることを意味し、第2蒸発器から出る冷媒の全てを気相とするという本願の目的に適合する。従って、このような制御構造を採用することで、比較的簡便な制御で、第2蒸発器に求められる機能を実現できる。ここで、受熱量の制御に関しては、第2蒸発器の上流側に第2加熱手段を設ける場合は、その第2加熱手段から過熱用流体に与える熱量を制御することで、冷媒に受熱される熱量を制御できる。一方、過熱用流体として、例えば、所定の温度の排ガス等を使用する場合は、その第2蒸発器を通過する過熱用流体の量を調整することで制御可能である。
本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1、図2は本願に係る温度調整装置100の構成を示す図面であり、装置100を構成する各機器の配置、及びそれら機器を介して移流する流体の流れの概略を模式的に示した図面である。
図3は、当該温度調整装置100に備えられる、温調対象流体である温調室101から取り込まれるエアーA1の流れに対する各機器の配置、及び本願独特の構成である過熱用流体とされる外気A2(温調室101とは別空間である外部空間102にあるエアー)の流れに対する各機器の配置を示す図である。
図1、図2に示すように、本願に係る温度調整装置100は、装置本体1の上部にヒータユニット2を載置して構成されている。ここで、装置本体1は、本体内に冷凍サイクルを備え、その冷凍サイクルを構成する第1蒸発器3aにより温調対象流体A1を冷却し、その下流側に備えられる第1ヒータ4a(このヒータは、本願に於ける第1加熱手段となるとともに、温調対象流体A1に対して一次加熱手段となる)を使用して、温調対象流体A1を所定の温度に加熱調整する機能を有している。温調対象流体A1は、この装置本体1により、温調対象流体A1の温度変動幅として±0.1℃程度まで調整することができる。
ヒータユニット2は、装置本体1の上部に設けられ、装置本体1において加熱調整を受けた温調対象流体A1をユニット下部から受け入れ、内部に設けられた第3ヒータ4c(このヒータは温調対象流体A1に対して、所謂、二次加熱手段となる)により精密な温度調整を行う。このヒータユニット2により、温調対象流体A1の温度変動幅として±0.05℃程度まで調整することができる。
以上が、本願に係る温度調整装置100の概要であるが、以下、装置本体1、ヒータユニット2に関して、順に詳細に説明する。
図1は温調対象空間としての温調室101に接続された状態の温度調整装置100の概略構造を示す正面視図であり、図2は温度調整装置100の側面図である。これら図には、ヒータユニット2が上側に連結された状態での装置本体1に設けられる温調対象流体A1の取り入れ口7と排出口8の関係、及びヒータユニット2の取り入り口15と排出口16の関係が示されている。
装置本体
図1、図2に示すように、装置本体1は、その枠体の内部が上下2段に分割されて構成されており、機械室1aに冷凍サイクルを構成する各機器(圧縮機9、凝縮器10、電子膨張弁11、第1蒸発器3a及び第2蒸発器3b等)を備えて構成されるとともに、空調・制御室1bに装置本体1の動作を制御する制御装置12m,12a,12b,12c,12d等を備え、さらに第1ファン6aを備えて構成されている。
まず、冷凍サイクルに関連する機器に関し説明すると、機械室1aには、圧縮機9、凝縮器10、電子膨張弁11、第1蒸発器3a及び第2蒸発器3bが備えられている。さらに、温度調整装置として働くために、前記第1蒸発器3aの装置本体前側に第1ヒータ4aが備えられている。一方、第2蒸発器3bの装置本体後側に外気A2を第2蒸発器3bに導入する第2ファン6bが備えられるとともに、当該第2ファン6bと第2蒸発器3bとの間に、第2ヒータ4b(このヒータは、本願に於ける第2加熱手段となる)が備えられている。
空調・制御室1bには、装置本体前側に吸引口を備えた第1ファン6aが備えられているが、この吸引口には、装置本体の側部に備えられる温調対象流体の取り入れ口7から第1蒸発器3a、第1ヒータ4aを介して温調対象流体A1を吸引するメイン吸引路L1と、温調対象流体A1の取り入れ口7からダンパー5を介して温調対象流体A1を直接吸引するバイパス吸引路L2とを形成できるように構成されている(図2参照)。ここで、メイン吸引路L1とバイパス吸引路L2とを流れる温調対象流体A1の量は、前記ダンパー5の開度調整によって調整される。第1ファン6aは、その吸引方向を水平方向とするとともに、その排出方向を上方としており、この第1ファン6aから排出される温調対象流体A1が上部に位置するヒータユニット2に流入する構造が採用されている。
従って、メイン吸引路L1を流れる温調対象流体A1は、第1蒸発器3aにおいて冷却された後、第1ヒータ4aにより加熱され、温度調整を受けた状態で第1ファン6aに吸引され、排出される。バイパス吸引路L2を流れる温調対象流体A1は、何ら、冷却、加熱操作を受けることなく、そのまま第1ファン6aに吸引され、排出される。
第2ファン6b、第2ヒータ4b及び第2蒸発器3bを巡る流路L3に関しては、装置本体1の背面に設けられた外気吸引口13から第2ファン6bの働きにより吸引される外気が、第2ヒータ4b、第2蒸発器3bを記載順に通過し、同じく装置背面に設けられた外気排出口14より装置外部に排出される構成が採用されている。この構成により、第2ファン6bにより取り込まれた外気は、第2ヒータ4bにより暖められ、第2蒸発器3bにおいて冷却されるが、この時、第2蒸発器3b内を流れる冷媒を過熱する。従って、外気は、本願にいう過熱用流体となる。
ヒータユニット
このヒータユニット2は、その底部に、先に説明した第1ファン6aの排出口8に接続される温調対象流体A1の流入口15を備えるとともに、当該流入口15の上部に第3ヒータ4c(このヒータは、本願に於ける二次加熱手段となる)を備え、第3ヒータ4cにより加熱された温調対象流体A1を排出する排出口16をユニット側部に備えている。
このヒータユニット2により温調対象流体A1は、目標温度に対して±0.02℃程度まで精密調整される。また、このヒータ4cの下手側にHEPAフィルター17を備えている。
以上が、本願に係る温度調整装置100を構成する各機器の概略構成であるが、以下、図3に基づいて、その装置における温度調整運転に関して、機器の制御系を中心に説明する。
図3は、左側に冷凍サイクルに関係する機器を、中央から右側に温調対象流体の温調に関係する機器を描いたものである。この図において、中抜き矢印は、温調対象流体A1の流れを示しており、上側が先に説明したメイン吸引路L1を流れる温調対象流体A1を示し、下側がバイパス吸引路L2を流れる温調対象流体A1を示している。温調対象流体A1は温度調整を受けた後、温調室101に戻される。一方、左端に描かれている一点鎖線は過熱用流体A2の流路L3を示しており、第2蒸発器3bで過熱の用に供される外気の流れを示している。この過熱用流体A2は、過熱の用に供された後、温調室101以外の空間102(例えば、外気が流通する外部空間)に戻される。
冷凍サイクル
冷凍サイクルは、これまでも説明してきたように、冷媒cが、圧縮機9、凝縮器10、電子膨張弁11、第1蒸発器3a及び第2蒸発器3bを記載順に循環する構成とされており、気相状態で圧縮機9に戻ってくる冷媒は、当該圧縮機9において圧縮され、凝縮器10に送られる。当該凝縮器10にあっては、冷却水wとの熱交換で冷却され凝縮する。そして、電子膨張弁11に移流されて膨張され、第1蒸発器3aに到る。この段階で冷媒は液相状態となっている。そして、第1蒸発器3a、第2蒸発器3bで順次加熱され、過熱状態とされる。図3からも判明するように、第1蒸発器3aにあっては、温調対象流体A1との熱交換によりこれを冷却し、第2蒸発器3bにあっては、第2ヒータ4bにより加熱された過熱用流体A2を冷却する。そして、以下にも説明するように、第1蒸発器3aにあっては、冷媒cは、その熱交換部全体で一定温度に保たれたまま蒸発する。すなわち、第1蒸発器3aの出口において、なお冷媒cは気液混相状態に保たれる。第2蒸発器3bにあっては、一部液相のまま移流してきた冷媒cが、当該第2蒸発器3bで過熱される。そして、圧縮機9に戻る。
この冷凍サイクルに対して設けられている制御構造に関して説明すると、メイン制御装置12m、第1制御装置12a、第2制御装置12bが備えられている。
メイン制御装置12mは、主に圧縮機9の動作状態および凝縮器10へ送られる冷却水量を制御するものであり、電子膨張弁11の開度と関連して冷凍サイクルの動作状態を決定する。具体的には、圧縮機9に対する動作制御は、第1蒸発器3aの出口の温調対象流体A1の温度at0を入力として、この温度at0が所定の設定値内に収まるように、圧縮機9の回転数をフィードバック形態でPID制御する。この時、凝縮器10に送られる冷却水温度は所定の温度範囲に管理されており、凝縮が適切に起こる冷却水量が凝縮器10で確保される。
第1制御装置12aは、本願において主に冷媒cの蒸発を受け持つ第1蒸発器3aを設けたことにより必要となった制御装置であり、第1蒸発器入口と出口との冷媒温度ct1,ct2を監視し、両者間の温度差が所定の温度差以内に収まるように、電子膨張弁11の開度をPID制御する。具体的には、この温度差は、実質0℃である0.5℃程度であり、第1蒸発器3aにおいて、実質的に冷媒の蒸発が定圧下に発生していると見なせる程度である。この第1蒸発器3aに送り込まれる温調対象流体の風速を均一に保ち、当該制御方式を採用することで、第1蒸発器3aの全部位で、冷媒は一定温度に保たれ、第1蒸発器3aの各部位において別個に熱交換する温調対象流体A1に少なくとも流路の断面各部間で温度差が発生することはない。
第2制御装置12bは、本願において主に冷媒cの過熱を受け持つ第2蒸発器3bを設けたことにより必要となった制御装置であり、第2蒸発器入口と出口との冷媒温度ct3,ct4を監視し、両者間の温度差が所定の温度差生じるように、第2ヒータ4bの出力をPID制御する。具体的には、入口の冷媒cに対して、出口の冷媒cが5〜10℃程度過熱されていることを目標とする。従って、第2蒸発器3bから圧縮機9に移流する冷媒cは全て気相状態となっており、圧縮機9の安定な運転を確保できる。ここで、第2ファン6bは、過熱用流体A2による第2ヒータ4bから冷媒cへの熱移動が可能な程度の流量を確保すべく運転される。
温調対象流体の加熱温調
先に示したように、第1蒸発器3aにより冷却された温調対象流体A1は、第1ヒータ4a(一次加熱手段)、第3ヒータ4c(二次加熱手段)で加熱温調される。この目的に対応して、本願に係る温度調整装置100には第3制御装置12c、第4制御装置12dが備えられている。
図示するように、第1ヒータ4aの加熱対象は、第1蒸発器3aにより冷却された温調対象流体A1であり、第3ヒータ4cの加熱対象は、第1ファン6aに吸引され、このファン6aから排出される全温調対象流体A1である。
以下、第3制御装置12c、第4制御装置12dそれぞれに関して説明する。
第3制御装置12cは、従来から設けられていた制御装置であり、第1ファン6aの出口の温調対象流体A1の温度at1を監視し、その温度at1が所定の設定温度となるように、第1ヒータ4aの出力(加熱量)を、フィードバック形態でPID制御する。具体的には、温調対象流体A1の目標温度(温調室に戻される状態での温度)に対して、この目標温度より1℃程度低く、変動幅は±0.05℃程度となるように、設定温度及びその変動幅が管理される。従って、第3ヒータ4cによる加温微調整分のマージンを見込んで、適切な範囲まで温度調整が完了できる。
第4制御装置12dは、従来から採用されてきた第3ヒータ4cでの温調後の温調対象流体A1の温度at2が先に説明した目標温度となるように、第3ヒータ4cの出力(加熱量)を調整するフィードバック形態のPID制御を実行可能に構成されるとともに、第1蒸発器3aに流入する温調対象流体A1の温度at3を監視することにより、当該温度at3の変動をできるだけ吸収し、第3ヒータ4cでの温調後の温調対象流体A1の温度at2が先に説明した目標温度となるように、第3ヒータ4cの出力(加熱量)を調整するフィードフォワード形態のD制御(この制御を実行する制御要素を予測制御要素と呼ぶ)をも実行可能に構成されている。後者の制御に関してさらに説明すると、第1蒸発器3aに流入する温調対象流体A1の温度at3を監視入力として取り込む場合に、この取り込みのサイクルタイム(すなわち微分時間)が調整設定可能に構成されているとともに、温度監視点(第1蒸発器3aに流入する温調対象流体A1の温度at3の検出位置)と制御点(第3ヒータ4cの位置)との関係に起因するムダ時間が調整設定可能に構成されている。当然、D制御を行う上でのゲイン(微分動作の重み付け)も調整設定可能とされている。これらサイクルタイム、ムダ時間、ゲインは、温度調整装置100を現場に設置した状態で、温調運転を実際に行って最適値を求め、その最適値で運転することとしている。具体的には、温調対象流体A1の目標温度(温調室101に戻される状態での温度)を設定温度とし、その変動幅が±0.02℃程度となるように、設定温度及びその変動幅が管理される。従って、従来技術で到達していた以上の超精密温調が可能となっている。
図4に、上記の予測制御を施す前と後との第3ヒータ4cの出口における温調対象流体の温度を示した。同図において横軸が時間で、縦軸が温度を示している。同図の左側に第1蒸発器3aに流入する温調対象流体A1の温度at3を監視することなく、第3ヒータ4cの出口の温度のみに基づいてフィードバック制御のみを行った場合の結果を示し、同図の右側に第3ヒータ4cの出口の温度と、第1蒸発器3aの入口の温度にも基づいてフィードバック制御及びフィードフォワード制御を行った場合の結果を示した。同図において、細実線が第3ヒータ4c出口の温度を示し、太実線が蒸発器3a入口の温度を示している。
第1蒸発器3a入口における温度の標準偏差σが両者とも0.009である場合に、予測制御を行わない場合は、第3ヒータ4cの出口で標準偏差σが0.007に低下した。これに対して、予測制御を行う場合は、第3ヒータ4cの出口で標準偏差σを0.005まで低下することができた。この数値は、変動がほぼ限界に近いレベルまで抑えられている状態での有意な差であり、非常に好ましい結果である。
以上説明してきたように、本願に係る温度調整装置100では、冷凍サイクルを構成する蒸発器3を、主に冷媒蒸発用の第1蒸発器3aと、主に冷媒過熱用の第2蒸発器3bとして別個に設け、温調対象流体A1の冷却を第1蒸発器3aのみにかからしめる構成を採用したため、第1蒸発器3aにより冷却される温調対象流体A1に発生することがある温度ムラを極力抑え、良好な精密温調ができるようになった。さらに、第3ヒータ4cでの加熱において、第1蒸発器3aの入口側の温調対象流体の温度at3をも使用して、外乱を吸収するように構成したため、この点からも良好な精密温調ができるようになった。
以上、空間的な温度ムラ及び時間領域に温度変動が非常に少ない温調対象流体A1を得ることができた。
〔別実施形態〕
(1) 上記の実施形態にあっては、温度調整装置がヒータユニットを備え、第1ヒータによる加熱温調に加え、第3ヒータによる加熱温調をも可能とする例に関して説明したが、第1ヒータにより、所望の温調目的を達成できる場合は、第3ヒータ(ヒータユニット)を必ずしも必要とするものではない。すなわち、冷凍サイクルに備えられる蒸発器により温調対象流体を一旦冷却した後、冷却後の温調対象流体を加熱できる加熱手段を有していれば温調の目的を達成できる。
(2) 上記の実施の形態にあっては、圧縮機の動作に関して、メイン制御装置により第1蒸発器出口における温調対象流体の温度を監視し、圧縮機の回転数を変えることで適切な動作状態を確保したが、圧縮機を所定の適切な回転数で動作する場合も本願構造は採用可能である。
(3) 上記の実施の形態にあっては、温調対象流体、過熱用流体の加熱に、電力の供給を受けて熱を発生する電熱ヒータを使用する例を示したが、冷凍サイクルにあっては、圧縮機の圧縮により冷媒は加熱されており、凝縮器において、冷却水により冷媒の凝縮熱が回収できるため、それら熱を加熱に利用することもできる。例えば、先に説明した例における、第1ヒータの代わりに圧縮機から吐出される冷媒との熱交換を行う熱交換器や、凝縮器において加温された冷却水が送られる熱交換器を、当該第1ヒータの配設部位に設け、圧縮機の圧縮で冷媒に与えられ熱、或いは凝縮器で回収される凝縮熱を、温調対象流体の加熱に利用してもよい。更に、第2ヒータの代わりに、圧縮機から吐出される冷媒との熱交換を行う熱交換器や、凝縮器において加温された冷却水が送られる熱交換器を、当該第2ヒータの配設部位に設け、凝縮器で回収される凝縮熱を、過熱対象流体の過熱に利用してもよい。
(4) 上記の実施の形態にあっては、第2ヒータを設け、当該第2ヒータにより発生される熱を過熱用流体の加熱に使用したが、この過熱用流体としては、冷媒を過熱できるだけの熱を保有していればよく、工場等に備えられている発電用のエンジン等から発生する排ガスを熱源として利用してもよい。この構成の場合、第2加熱手段を備える必要はなく、排ガスが、第2蒸発器の熱交換部位に適切に導かれればよい。
(5) 上記の実施形態では、二次加熱手段としての第3ヒータに対して、その出力(加熱量)を調整するフィードバック形態のPID制御と、フィードフォワード形態のD制御(予測制御)を実行する例を示した。
しかしながら、第1蒸発器3aに流入する温調対象流体A1の温度at3を監視入力として利用する予測制御を、一次加熱手段としての第1ヒータに対して実行するようにしてもよいし、一次加熱手段、二次加熱手段の両方に対して実行するものとしてもよい。
蒸発器において冷却操作を受ける温調対象流体に発現することがある温度ムラをできるだけ低減し、均一な温度分布の温調対象流体を得ることができる温度調整装置を得ることができた。
温度調整装置の概略構成を示す正面視図 温度調整装置の概略構成を示す側断面図 温度調整装置の動作制御系の説明図 蒸発器入口温度に基づいた予測制御を行わない場合と、行う場合の第3ヒータ出口温度の状態を示す図
符号の説明
3a:第1蒸発器
3b:第2蒸発器
4a:第1ヒータ(一次加熱手段、第1加熱手段)
4b:第2ヒータ(第2加熱手段)
4c:第3ヒータ(二次加熱手段)
9 :圧縮機
10:凝縮器
11:膨張弁
12m:メイン制御装置(メイン制御手段)
12a:第1制御装置
12b:第2制御装置
12c:第3制御装置(第1加熱制御手段)
12d:第4制御装置(第2加熱制御手段)
A1:温調対象流体
c :冷媒

Claims (5)

  1. 冷媒が、圧縮機、凝縮器、膨張弁、第1蒸発器及び第2蒸発器を記載順に循環する冷凍サイクルを備え、
    前記第1蒸発器内を流れる前記冷媒が気液混相状態で温調対象流体と熱交換して前記温調対象流体を冷却するとともに、前記第1蒸発器で冷却された前記温調対象流体を第1加熱手段で加熱して、前記温調対象流体を温度調整可能に構成され、
    前記第2蒸発器を、前記第1蒸発器から前記圧縮機に移流する冷媒を過熱状態とする過熱用蒸発器としてある温度調整装置。
  2. 前記第2蒸発器内を流れる前記冷媒が、過熱用流体と熱交換して過熱状態とされる請求項1記載の温度調整装置。
  3. 前記過熱用流体を加熱するための第2加熱手段を前記第2蒸発器の上流側に備え、
    前記第2加熱手段が、電力の供給を受けて熱を発生する加熱ヒータ、もしくは前記圧縮機から吐出される前記冷媒から回収される熱により前記過熱用流体を加熱する回収熱利用ヒータである請求項2に記載の温度調整装置。
  4. 前記第1蒸発器の入口・出口間の冷媒の温度差を監視し、前記温度差を0とする形態で、前記膨張弁の開度を制御する第1制御装置を備えた請求項1から3のいずれか一項記載の温度調整装置。
  5. 前記第2蒸発器の入口・出口間の冷媒の温度差を監視し、前記温度差を所定の過熱温度とする形態で、前記第2蒸発器における冷媒の受熱量を制御する第2制御装置を備えた請求項1から4のいずれか一項記載の温度調整装置。
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